憎しみは、身近な相手にこそぶつけられる。
自分を苦境に追いやった本当の原因が他にあることは分っている。でも、どうしようもなくお前が憎い。誰よりも俺の傍にいて、誰よりも分っているはずのお前が憎い。
憎まずにいられようか。
だが、憎しみをぶつけられた方とても、黙って甘受することは出来やしない。なんで俺を裏切った、信じてくれなかったんだと逆ギレすることも珍しくない。
こうして憎しみは憎しみを生み、不幸は不幸を呼び込む。このような醜聞は、身近な相手同士でこそ起き易い。兄弟、親友、恋人など分かちがたい感情を持つ者同士にこそ起きる悲劇だ。
率直に言って、私とて無縁の感情ではない。必ず解決できると断言できるほど確信も持てない。実際、幾度か経験している。
分っているけど、どうしようもないんだ。
でも、解決できる時もある。損得を抜きにして、相手を慮る気持ちと、自己犠牲の精神とが状況に適合した時、どす黒い憎しみは、清流のような清々しい透明色となって心を流れていく。伝わってくるのは、互いを思いやる優しい気持ち。
こんな簡単だったんだと思うが、あの時はどうしようもなかったことも分る。
表題の映画は、ペロー童話の「長靴を履いた猫」というよりも、映画「シュレック2」で敵役として登場して、何時の間にやら主役級の人気を博したネコのプスが主役の座に躍り出た作品。
ドリームワークスお得意の3D作品だが、2Dでも十分楽しめると思います。機会がありましたら是非どうぞ。