goo blog サービス終了のお知らせ 

ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

世界文化遺産推薦に思うこと

2015-05-11 15:01:00 | 社会・政治・一般

ユネスコの諮問委員会が、日本の明治産業革命に貢献した施設を世界文化遺産として推薦したとの報を目にした。

新聞などが、真綿で包んだような曖昧な記述をしているので、私が書いてしまうと、これらの施設の大半は、日本が富国強兵策を取り世界五大大国としてのし上がることに貢献したものである。

もっと言えば、軍事力発展の礎となった施設である。では、なぜこれらの非平和的施設が、世界文化遺産に該当するのか?

教科書には書かれていないが、近代以降、日本は二度の高度成長を遂げている。一度ではない、二度である。二度目の高度成長は誰もが知っている、太平洋戦争の敗戦から立ち直り、驚異的な成長を遂げた経済を指す。

だが、今回の世界文化遺産への推薦の対象となった施設は、最初の高度成長の基盤となったものだ。それが軍事的高度成長である。これは断じて経済ではない。あくまで軍事的に急成長であることが核心となっている。

違和感を持つ方は少なくないと思うが、それこそ日本の常識、世界の非常識と言われる典型である。軍事力=国力であり、政治力である。近代国家というものは、軍事的バックボーンを持ってこそであり、いくら経済力があっても、それだけでは決して一流の国家とはみなされない。

こういった世界の常識は、戦後の日本では断固排除され、学校で教わることはなく、マスコミが押し隠してきた。だが、いくら日本のマスコミや学校が教えることを拒もうと、世界はそんな非常識な見方はしない。

18世紀、イギリスで始まった産業革命とは、軍事力の飛躍的増大であり、それは帝国主義と称された欧米の世界支配の原動力となった。不思議なことに、この産業革命の知識はありながら、18世紀までの世界の覇権国であるトルコ、清といった旧来の支配者たちは、それを自国で再現することが出来なかった。

白人以外の国で、しかも非キリスト教徒の国で、史上初めて近代国家の確立に成功したのが、世界の中心から遠く離れた極東の島国であったはずの日本であった。産業革命の導入に成功し、軍事力を飛躍的に上昇させ、遂にはロシア帝国の侵略を食い止めたが故に、日本は世界五大大国として名を挙げた。

この成功により不平等であった関税条約は改正され、日本は一躍世界の主導的立場に成り上がった。これは人類史上特記すべきことである。キリスト教徒の白人国家以外の国で、はじめて近代化に成功し、後の植民地解放の希望の星となったのが、明治から昭和初期にかけての日本である。

それゆえに、今回の世界文化遺産として、この軍事的成功の礎となった施設が推薦されたのである。歴史を整形して誤魔化すことを当然だと思っているおバカな国が反対しようが、この日本の世界史上に残る驚異的な発展は決して色褪せることはない。

日本人として、これらの施設を誇りに思って欲しい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする