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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

F15EX

2019-04-01 12:54:00 | 社会・政治・一般

現在、世界最強の戦闘機といえば、やはりアメリカのF22ラプターだと云われている。

第二次大戦以降、はっきりしているのは、制空権を握らねば戦争は勝てないという大原則。もちろん制空権を握っただけでは戦争は勝てない。最終的には地上兵力による制圧が必要となる。

だが制空権の掌握なくして、地上を制圧することは難しい。だからこそ、強力な戦闘機が必要とされる。核ミサイルが世界中に蔓延した今日でも、制空権を得るための戦闘機の重要性は決して落ちることはない。

だが、アメリカはF22ラプターをアメリカ単独の機体として、同盟国にも売らなかった。代わりに汎用性の高い戦闘機F35を開発し、同盟国及びアメリカ友好国での活用を提案し、多くの国がこれに参加している。

ところがだ、そのアメリカが既に廃棄予定であったF15を再開発してF15EXとして実戦配備する計画があるとの報道があった。F15自体は、1970年代に配備され、既に半世紀近く経つ第四世代の戦闘機である。

はっきり言って、現在の電子機器を備え、超音速巡航を可能にし、ステルス性をもった第五世代の戦闘機には敵わない。だから徐々に退役して、廃棄される予定であった。

いったい、アメリカは何を考えているのか。

本当のところは、まだ不明だが、どうやら第五世代の戦闘機の運用コストの高さが一因であるらしい。F22は一度、飛行するとそのたびにステルス塗装を塗り直しているらしい。またF35も想定以上の運用費用がかかり、アメリカ軍でさえ予算不足に悩んでいるようなのだ。

そこで浮上したのが、引退予定であったF15のリサイクルであるようだ。既に開発から半世紀が経つ古い機体ではあるが、軽い機体に強力なエンジンを搭載しているF15を補助戦力として活用することで、戦闘機全体の運用コストを下げることを狙っているようなのだ。

なにせF15は戦闘機といいながら、多量のミサイル、爆弾などを搭載できる。ステルス性はないし、最新の電子機器も装備出来ない。しかし、運用の仕方次第では、十分活用できると踏んだらしい。

具体的にいえば、敵国をステルス機で襲撃してレーダーサイトなどを破壊し、その後にF15で攻撃するなどの運用を考えているようなのだ。

ところで、我が日本は未だにF15を主力戦闘機として運用している。アメリカ以外では最大のF15保有国である。既にF35の輸入を決めているが、実はこの輸入機は、F4ファントムの代替機である。

予算の関係もあり、そうそうF15を引退させられないで困っている。このような状況下で、アメリカが新たに打ち出したF15Xへの改造を考えても良いのではないかと思う。

ちなみに、日本は世界で唯一F15をライセンス生産していた上に、エンジンも現在は日本が独占的に請け負っている。日本国内での改良も十分可能ではないかと思えるのだ。

ただ、ここで一点、問題がある。実は日本が保有するF15のほぼ半数は、初期型なのだ。後期型のF15Eを日本仕様にしたF15SJならば、今後も改造次第で活用できそうである。

しかし、初期型のF15C/Dタイプは、かなり問題がある。機体は十分耐用性はあるが、問題は電気系統。具体的には電子兵装だ。なにせ搭載しているコンピューターは8ビットであり、5インチのフロッピーでソフトが書き込まれている代物である。

あの任天堂のファミリーコンピューターとほぼ同性能である。これでは現代の電子戦には対応できない。対応させるには、機体全体に貼りめぐらされた電線など全ての電装系を入れ替える必要がある。

これをやるくらいなら、新しい機体を買ったほうがマシだというので、F35を決めたぐらいである。

だが、F35の代替ではなく、補助戦力としての活用ならどうだろうか。私は案外と、低コストでの改造は可能ではないかと思っている。ただ、新もの好きな防衛省の幹部連中がどう考えているのか、いささか心もとない。

下手すると、予算増額の方便程度にしか考えない可能性がある。冗談抜きで、事務方の官僚の考え方は、何よりも予算第一である。日本の平和を守るためのベストの予算ではなく、出世のための予算獲得であるのは隠せない事実である。

これは防衛省だけでなく、他の官庁も同様で、予算の増額に成功すれば出世街道驀進間違いなしなのが、官僚村の揩ナある。

改めて書くまでもないが、予算とは税金である。F15の改造か、F35の購入かは、年単位でも数十億円の税金の問題でもある。

まともな民主主義国家ならば、国会で大論争が起きるのが普通である。だが、日本では違う。

なにせ、国民に有益な情報を提供するはずのマスコミが軍事音痴である。国民もまた軍事知識に乏しく、関心も薄い。数十億円の税金の使途という大事な問題だと思うが、お役所任せの怠惰な国民が、我が日本人である。

平和を望む国民ではあるが、国防予算については驚くほどに無知である。まったくもって、ふざけた国民だと思う。

ところで余談ですけど、今さらながらファミコンって当時としては、凄かったのですねぇ。まさか軍用コンピューター並の高性能だったとは驚きましたよ。

コメント (2)
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