登場したのが早すぎた、あるいは掲載誌を間違えた不遇の漫画家だと思う。
才能は確かだった。「北斗の拳」の原哲夫のアシスタント出身であり、「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦のライバルとまで呼ばれた。画風は力強く、正統派の劇画と称しても良い。
しかし少年誌に掲載するにはあまりにグロテスクな描写が多かった。それが魅力の一つではあったし、そのストーリーからしても必然性のあるグロテスクだと私は認めている。
でも週刊少年ジャンプは子供向けの漫画雑誌であることが基本だ。ジャンプにはけっこう際どい描写がある漫画が少なくない。しかし、この作品は抜きんでてグロテスクな描写が特徴的であった。多分、親からの苦情もあっただろうと思う。
あの頃、ヤングジャンプのような青年誌があったのならば、そのほうが掲載誌として相応しかったと思う。成人向け漫画雑誌に載せるには、あまりに荒唐無稽であったことも不幸であった。でも、その破天荒さこそが魅力であった事実は否定しがたい。
もう覚えている人は少ないと思うが、漫画喫茶で見かけたならば是非一度は目を通して欲しいと思います。