註 この記事、2月に書いたものです。
コロナ過が私に与えた影響の一つに、自宅でのユーチューブの閲覧が増えたことが挙げられる。
そのなかで気が付いたのだが、日本語で番組をつくるウクライナ人のユーチューバーが多いことだ。旧ソ連は多民族国家であり、白系のロシア人以外にもウィグルやタタール、ターキッシュ(トルコ系)など多数の異民族がいる。
ソ連邦が解体されて以降、多くの独立国家が誕生したが、どの国も複雑な民族問題を抱えている。何故ならソ連邦時代、多くのロシア人が良い場所に移住し、それにより追われるように移住した異民族がいたからだ。独立したことで郷里に戻ってはみたものの、そこにはロシア人が住み付き、相変わらず権力を握っていることが多い。
ソ連から独立した国家は、多かれ少なかれこの問題を抱えている。ただウクライナは元々ロシア系であり、白系ロシア人がウクライナ人と混在しており、本来はあまり民族問題はないはずだと思い込んでいたが、実はそうでもない。
割と気が付いていない人が多いが、あのチェリノブイリ原子力発電所はウクライナの首都から200キロほど離れた場所にある。旧ソ連時代の事故なので、失念しがちだが、ウクライナにとっては天災というよりも人災である。
これだけではない。ウクライナはロシアから散々な目にあっている。
元々、ウクライナは欧州の食糧庫と呼ばれるほど肥沃な大地に支えられた豊かな土地である。また鉱物資源にも恵まれ、工業も発達していたロシアでも指折りの先進地域であった。しかし、それ故にロシアに、その豊かな資源を利用された。その際たるものが、1930年代のホロドモールである。
当時、ソ連を牛耳っていたのは悪名高きスターリンである。彼は遅れている工業を発展させるため、農産物を輸出して外貨を稼ぐことに執着した。それゆえ、豊かな農地を持つウクライナは格好の獲物であった。
だが折しも当時の欧州は気候不順から農業は不作であった。それはウクライナでも同じこと。しかし、スターリンは強引に農産物を収奪した。その結果、ウクライナの人々は飢餓に苦しみ、挙句に餓死する民数百万人である。
これをホロドモールという。敢えて忠告しますが、ネットで検索すると凄まじく悲惨で残虐な画像が表示されますので注意してください。
ウクライナの民を餓死させてまで輸出した農産物のおかげで莫大な外貨を稼ぎ、工業を発展させたが故に、後の第二次世界大戦では大量の兵器を生産できたのですから、旧ソ連にとっては成功した政策であったとの認識でしょう。
でも多くの親族、家族、友人を餓死で失ったウクライナの民の思いは、そう簡単ではありません。ヒットラーの侵略が始まると、ウクライナの民は軍需工場で働き、多くの武器を生産して戦場に供給したものです。ウクライナの地はロシアにとって欠くべからざる重要拠点なのです。
だからこそ、ホロドモールは隠蔽されていました。でもいくらソ連政府が強圧的に隠ぺいを強要しても、ウクライナの人々の記憶まで消去できません。
でも単純に反ロシアとはなれない。なぜなら個人レベルでは、ロシア人は親しい友人であり、姻戚関係にあるケースも珍しくない。海外に在住するウクライナ人であっても、単純にロシア批判が出来ないのは、切っても切れないほど人間関係が複雑に絡み合っているからでしょう。
ウクライナ国籍であっても親ロシア派は珍しくないし、反ロシア感情はあっても親戚や友人を想ってそれを表にだせないウクライナ人は多い。そのあたりの事情を赤裸々に語れるウクライナ人は非常に少ない。それを知っているロシア人も黙り込む。
ただ、日本在住のウクライナ人は、その複雑な歴史的背景を想いつつも、言論の自由な日本にいるからこそ本音の一端をユーチューブで語っている。興味深いのは、それに反論するのは本国の人たちで、日本在住のロシア人は沈黙を守る。
以前、ここで紹介したウクライナ人のアリョーナは政治的発言を一切しませんが、友人のロシア人アシヤはそのあたりを慮った微妙な発言でフォローしています。この微妙さこそが、ウクライナとロシアの微妙な関係の一端なのでしょう。
わりと本音で話すピロシキーズの二人でさえ、この問題にはいささか歯切れが悪いが、苦悶しながら話すブラス君の発言が一番実態に近い様に感じました。あるウクライナ人ユーチューバーは、本国の親から日本国籍を取るように奨められた話もあります。帰化に否定的だったアリョーナさえ、最近は本気で検討しているようです。
そんな最中、ロシアのウクライナ侵攻が現実味を帯びています。私見ですが、私は十分あり得ると思うし、アメリカもNATOも軍事的な対応は避けると予測しています。せいぜい経済制裁程度でしょう。
このウクライナ問題を他人事に感じる日本人は多いと思います。でも、共産シナが台湾に侵攻した場合のことを考えて欲しい。台湾は日本とはかなり親密な関係です。かつての日本領であるばかりでなく、多くの台湾人が日本で暮らし、仕事をしています。
もし台湾が共産シナの手に墜ちたら、次は沖縄であり、最終的には日本列島でしょうね。まァ、それにはロシアも黙ってないでしょうから、分割統治される可能性もある。
なに、アメリカが助けてくれるさと安易に思わないことです。台湾を見捨てた日本を、わざわざ助ける価値があるかと考えるアメリカ人が多いと思います。日本列島の戦略的価値があるのは、アメリカが太平洋すべてを自国の防衛圏だと仮定しているからこそです。
もし、アメリカがハワイまでの東半分の太平洋でいいと割り切ったならば、日本の軍事的安定度は著しく低下するでしょう。その時になって、台湾を見捨てたことを後悔しても遅いと思います。
コロナ過が私に与えた影響の一つに、自宅でのユーチューブの閲覧が増えたことが挙げられる。
そのなかで気が付いたのだが、日本語で番組をつくるウクライナ人のユーチューバーが多いことだ。旧ソ連は多民族国家であり、白系のロシア人以外にもウィグルやタタール、ターキッシュ(トルコ系)など多数の異民族がいる。
ソ連邦が解体されて以降、多くの独立国家が誕生したが、どの国も複雑な民族問題を抱えている。何故ならソ連邦時代、多くのロシア人が良い場所に移住し、それにより追われるように移住した異民族がいたからだ。独立したことで郷里に戻ってはみたものの、そこにはロシア人が住み付き、相変わらず権力を握っていることが多い。
ソ連から独立した国家は、多かれ少なかれこの問題を抱えている。ただウクライナは元々ロシア系であり、白系ロシア人がウクライナ人と混在しており、本来はあまり民族問題はないはずだと思い込んでいたが、実はそうでもない。
割と気が付いていない人が多いが、あのチェリノブイリ原子力発電所はウクライナの首都から200キロほど離れた場所にある。旧ソ連時代の事故なので、失念しがちだが、ウクライナにとっては天災というよりも人災である。
これだけではない。ウクライナはロシアから散々な目にあっている。
元々、ウクライナは欧州の食糧庫と呼ばれるほど肥沃な大地に支えられた豊かな土地である。また鉱物資源にも恵まれ、工業も発達していたロシアでも指折りの先進地域であった。しかし、それ故にロシアに、その豊かな資源を利用された。その際たるものが、1930年代のホロドモールである。
当時、ソ連を牛耳っていたのは悪名高きスターリンである。彼は遅れている工業を発展させるため、農産物を輸出して外貨を稼ぐことに執着した。それゆえ、豊かな農地を持つウクライナは格好の獲物であった。
だが折しも当時の欧州は気候不順から農業は不作であった。それはウクライナでも同じこと。しかし、スターリンは強引に農産物を収奪した。その結果、ウクライナの人々は飢餓に苦しみ、挙句に餓死する民数百万人である。
これをホロドモールという。敢えて忠告しますが、ネットで検索すると凄まじく悲惨で残虐な画像が表示されますので注意してください。
ウクライナの民を餓死させてまで輸出した農産物のおかげで莫大な外貨を稼ぎ、工業を発展させたが故に、後の第二次世界大戦では大量の兵器を生産できたのですから、旧ソ連にとっては成功した政策であったとの認識でしょう。
でも多くの親族、家族、友人を餓死で失ったウクライナの民の思いは、そう簡単ではありません。ヒットラーの侵略が始まると、ウクライナの民は軍需工場で働き、多くの武器を生産して戦場に供給したものです。ウクライナの地はロシアにとって欠くべからざる重要拠点なのです。
だからこそ、ホロドモールは隠蔽されていました。でもいくらソ連政府が強圧的に隠ぺいを強要しても、ウクライナの人々の記憶まで消去できません。
でも単純に反ロシアとはなれない。なぜなら個人レベルでは、ロシア人は親しい友人であり、姻戚関係にあるケースも珍しくない。海外に在住するウクライナ人であっても、単純にロシア批判が出来ないのは、切っても切れないほど人間関係が複雑に絡み合っているからでしょう。
ウクライナ国籍であっても親ロシア派は珍しくないし、反ロシア感情はあっても親戚や友人を想ってそれを表にだせないウクライナ人は多い。そのあたりの事情を赤裸々に語れるウクライナ人は非常に少ない。それを知っているロシア人も黙り込む。
ただ、日本在住のウクライナ人は、その複雑な歴史的背景を想いつつも、言論の自由な日本にいるからこそ本音の一端をユーチューブで語っている。興味深いのは、それに反論するのは本国の人たちで、日本在住のロシア人は沈黙を守る。
以前、ここで紹介したウクライナ人のアリョーナは政治的発言を一切しませんが、友人のロシア人アシヤはそのあたりを慮った微妙な発言でフォローしています。この微妙さこそが、ウクライナとロシアの微妙な関係の一端なのでしょう。
わりと本音で話すピロシキーズの二人でさえ、この問題にはいささか歯切れが悪いが、苦悶しながら話すブラス君の発言が一番実態に近い様に感じました。あるウクライナ人ユーチューバーは、本国の親から日本国籍を取るように奨められた話もあります。帰化に否定的だったアリョーナさえ、最近は本気で検討しているようです。
そんな最中、ロシアのウクライナ侵攻が現実味を帯びています。私見ですが、私は十分あり得ると思うし、アメリカもNATOも軍事的な対応は避けると予測しています。せいぜい経済制裁程度でしょう。
このウクライナ問題を他人事に感じる日本人は多いと思います。でも、共産シナが台湾に侵攻した場合のことを考えて欲しい。台湾は日本とはかなり親密な関係です。かつての日本領であるばかりでなく、多くの台湾人が日本で暮らし、仕事をしています。
もし台湾が共産シナの手に墜ちたら、次は沖縄であり、最終的には日本列島でしょうね。まァ、それにはロシアも黙ってないでしょうから、分割統治される可能性もある。
なに、アメリカが助けてくれるさと安易に思わないことです。台湾を見捨てた日本を、わざわざ助ける価値があるかと考えるアメリカ人が多いと思います。日本列島の戦略的価値があるのは、アメリカが太平洋すべてを自国の防衛圏だと仮定しているからこそです。
もし、アメリカがハワイまでの東半分の太平洋でいいと割り切ったならば、日本の軍事的安定度は著しく低下するでしょう。その時になって、台湾を見捨てたことを後悔しても遅いと思います。
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