よもや銀座の中央通りで、シャッター通りの寂しさを痛感するとは思わなかった。
先月末で銀座6丁目にあった松坂屋が閉店したためだ。閉店まではセール目当ての客が多数集まり、空前の売上を上げたと報じられたほどの賑わいであった。それだけに、シャッターが降りたままの中央通りの寂寥感が殊更厳しく感じる。
税理士という仕事柄、商店街には縁が深い。この十数年、各地の商店街を訪れるたびに目にしたのが、シャッターが降りたままのお店だ。一軒、二軒と増えていき、気が付くと開いているお店のほうが少数派になっている。
いわゆるシャッター通りという奴である。1980年代頃からいわゆる企業城下町(石炭や造船)の荒廃と共に生まれた現象である。やがて人の流れが鉄道から車へと変わると、郊外にショッピングセンターが大規模に展開して、駅前商店街をシャッター通り化させることとなった。
そして止めは2000年の大規模小売店への規制緩和により、零細店舗の経営が圧迫され、後継者難も手伝って日本全土に広まった。今や駅前商店街でシャッターが閉じたままの店がないところのほうが珍しい。
もちろん商店街でも手をこまねいている訳ではない。学生企業家に格安でレンタルさせたり、イベントをうってみたりして商店街活性化の努力はしている。地元クーャ東狽ュ行したり、アーケードを取り払って解放感を出したり、駐車場の整備をするなど様々な努力をしている。
しかし、正直言って結果はあまり芳しくない。
閉店した松坂屋だが、3年後には13階建ての複合商業施設として建物は再開する予定だ。しかし、未だ松坂屋が戻ってくるかどうかは不明だ。はっきりと戻ってくると言っているのは、同じ6丁目の端にあり、現在は5丁目の端で営業している三井住友銀行だけ。
幾つもの老舗の名店があったのだが、移転先で営業はしているものの、戻ってくるとは言っていない。それどころか、今回の移転を機に閉店してしまった老舗も数店あったようだ。
リーマン・ショック以降、不況で喘ぐ銀座の街だが、実はテナントビルの解体と新規着工はバブル期よりも多い。古いビルが多かったせいもあるが、不況だからこそ安く再建できるメリットもあるのだろう。
最近だと歌舞伎座の解体と新築が一番大きな工事であった。TVなどで新しくなった歌舞伎座や地下のショッピング街を報じているようだ。沢山の人が集まっているのは事実だし、やはり華やかだ。それは嘘ではない。
でも、一歩踏み込んで歌舞伎座の横の通りをみれば、シャッターが降りたままのお店が数軒あることに気が付くと思う。今でこそTVは報道しないが、この横手の通りは、美味しい蕎麦屋さんなど木挽町で古くからやっていた店が少なくなかった。今ではほとんど残っていない。
商店街の衰退というより個人商店の衰退は時代の流れなのかもしれないが、あまりに寂しい。市場経済は自由競争を基本とするから、そこに勝者と敗者、生き残りと敗残者が出るのは必然と云って良い。
理屈ではそのとおりだし、経済的敗者を生き残さねばならぬ理由も希薄だ。それは分かっているのだが、どうしもこの寂寥感は否めない。リストラの一環として銀座店を閉店した決断は致し方ないと思うが、せめてこの無聊なシャッター通りだけはなんとかして欲しいな。
どうせ壊すにせよ、それまでの間格安で看板を出すとか、若手芸術家の作品を展示するとか手はあると思うのですがねぇ。
銀座にシャッター通りはちょっとショックな感じですよね。
周辺の雰囲気なんかにもかかわるから、そのうち、何かディスプレイするかもしれませんね。
若手件p家の作品の展示とか、グッドアイデアだと思います。
商店街、うちの沿線は、比較的にぎわっている方だと思います。
たしかに古い個人商店が閉店して、そのあとにチェーンのドラッグストアやファストフードなどが進出する場合も多々あるのですが、都心に比べると地価が安いので、若いオーナーが思い切ってお店が出せる、という利点もあるようです。
ただ過疎化が進んでいる地方は、やはり厳しいのでしょうね…。
銀座は、松坂屋のほか数寄屋橋阪急や、1丁目の方も工事中で、これからまたどんどん街が変わっていきそうな勢いですね。
立地としては恵まれていますが、それだけ競争も厳しいので、地道に商売を続けてきた個人商店はたいへんですよね…。
なにしろ今でさえ薄暗く、女性は夜近づきたくないと言う始末です。なんとかして欲しいです。
少子高齢化が進み、趣味の多様化が進んだ現在、デパートは厳しいのが実情です。個人商店はよほど個性的であるかしないと、チェーン店には敵わないと思います。
銀座に関していえば、バブル期よりも建替え工事は多いです。どんどん変わっていくし、変わらなくては生き残れないと思いますね。