入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’24年「秋」(49)

2024年10月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 一仕事終えて、森から帰ってくる。第1牧区の中に停めておいた車に戻り、刈り払い機や他の道具をそこに積み込む。そして、牛のいない放牧地を眺めていると、まだ緑の色を残す草原だけでなく、夕暮れの空や、背後の森が何とも言いようのない安堵感、平安を与えてくれる。
 霧ヶ峰、美しケ原、幾重にも続く山並みの向こうに北アルプスの見知った峰々が見え、その中でも広大な台形の美しケ原を目にすると何故か落ち着く。
 やがてつるべ落としの秋の日が落ち、夜へと移行しようとする晩景の中にいて、満ち足りた思いが穏やかな快感となって全身を満たす。もし煙草があれば、長い間の禁煙を破って吸ってしまったかも知れない。

 きょうは午後から雨になるようだ。古道法華道の草刈りの跡を片付けたいと思っているし、必要でなくなった電気牧柵の冬支度もそろそろ始めたい。第1牧区の鹿対策用に張り巡らした電気牧柵の回収も、この秋の仕事の予定に入っている。
 この電気牧柵は県が調査を兼ね鹿対策用に設置してくれたものだが何年も経ち、今では効果は期待できないどころか、保守する手間だけが大きな負担となっていた。
 それと、前回に砕石2立米を入れたあの作業道にはさらに倍くらいの量を入れて、少なくも3トン程度のトラックが上まで行けるようになれば、放牧以外の仕事が確実に増える。
 
 ただし、この18年の間ずっと考えてきた牧場の将来の活用方法については、一管理人の分を超えている。残念だが、今以上のことには手を出さないで次の世代に期待するしかない。
 これについては、どれほどお慕い申し上げても振り向いてくれなかった人のように、入笠への思い入れは誰にも負けないつもりでいても、分不相応な人間の岡惚れのような結果となって、終わりとする。

 権兵衛山が雲の中に隠れてしまった。この後しばらくしたら雨になるだろう。曇天の日の、森の中の味わい深い静けさをお裾分けできないのがもどかしい。
 
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 本日はこの辺で。


 
 
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