今季最も強い寒気が来ると言う。7時50分、気温零下3度、降雪の予報も出ているが、悲鳴のような風が時折聞こえてくるだけでまだ降り出してはいない。
きょうも何の予定もなく、炬燵にしがみついて、暇つぶしは風呂に何度か入るぐらいで一日を過ごすつもりだ。
一昨日の慌ただしい病院の中で順番を待つ間、こういう独居の暇の尊さをしみじみと識ったばかりだから、それで不足はない。そのうちには雪が降ってくるだろうから、雪見酒という手もある。
この独り言への感想で、時に「入笠への思い入れの強さを感じます」などと言ってくれる人がいる。有難く思う。折れそうな気に力を貰う。
ただ、この呟きを耳にした人が「それでは一度訪ねてみようか」と腰を上げて貰えて初めて、この呟きの目的が果たせるわけで、その点については残念ながらまだまだかも知れない。
また、入笠と言っても無意識の裡に、その範囲は牧場を中心にした伊那側のことを語っている場合が多く、振り返ってみると、ここ2年ほど、入笠山の山頂にさえ無沙汰を決めてしまっている。
富士見側にも山頂ばかりか、訪れるのを勧めたい場所は幾つもある。言うまでもないがゴンドラからの眺めは天下一品であるし、入笠湿原など随所に富士見町の観光への熱意を感ずる。沢入からの登山道も昨年初めて歩いてみて良かったし、時に林道を歩いている人を見かけるが、春の新緑、秋の紅葉を見るにはあれも悪くない。
総じて、入笠の富士見側は登山者の山であるよりか観光の色彩が強く、対して伊那側にはそういった雰囲気は少なく、粗削りな自然と、一般には立ち入ることのできない牧場である。
しかし、それを喜んでくれ毎年のように、それも複数回来てくれる人もいれば、30年以上毎年通ってくれる団体もいる。この呟きをずっと聞いてくれてるEさんは本格的なテイ沢のビデオを何作も作成してくれたし、京都のKさん夫婦のように連泊9日とか7日などという人もいるから、迎える側は大いに喜んでいるし、励みにもしている。
「混雑させないキャンプ場」を売りにしてきたし、今後もそうであって欲しいと願いつつも、手の届かない未来のことをこの頃は漠然と思ったりしている。
まだ雪は降っていないが、陋屋の窓を揺るがす北風の悲鳴は増えた。
本日はこの辺で。