昨日の雪降りのせいで、上へ行く林道は完全に閉ざされてしまったはずだ。今後は歩いていくしかない。それも、車で行けるようになるには、里の桜が花を散らす4月の下旬くらいまで待たねばならないだろう。
そういう誰もいない牧場や森へ出掛けてみたい気もするが、まだ法華道からの呼び声はか細く、その声がもう少し大きくなるのを待っている。(1月7日記)
忙しい日が続いた。市の中央病院の泌尿科で受診できるようになるまでに、一昨日はかかりつけの医者、昨日はその紹介状を持って専門医へ、さらにそこで診断を受け新たな紹介状を貰い、ようやく10日に市営病院で切るのか焼くのかその処置が決まる。われらが中央病院は、専門医の紹介状がなければ受け付けないため、こういう厄介な手間を甘受するしかなかったのだ。
それにしても、昨日の専門医の病院の忙しさ、もちろん医師も手を休める暇はないだろうし、そこで働く看護師や受付係の人々の次々にやってくる患者への対応、さばき方に感動した。短気な人間が2時間以上も混雑した待合室で耐えることができたのは、こうした医療従事者の良くできた振る舞いのせいだった。
幸いにも、これまで病院とはあまり縁がなかった。あの腰の曲がった、身体の不自由でボケの始まった人々を見ていると、月並みなことを言うが健康であることの有難さである。それを強く感じ、学んできたとも言えた。
と同時に、ああまでして生きながらえていくこと、その困難さ、願わくば試練は少しでも穏やかで、あの人が言った「アフリカの秋のよう」に終わって欲しいものだが、さて。
きょうも冷たい木枯らしが吹く寒い一日になり、雪が西山の吹きおろしの風に乗ってここまで舞ってきている。きょうは昼になっても、ストーブの世話にならなければいられないだろう。
実は、夜の散歩を止められずにいる。今夜もそのつもりでいるが、できるだけ早い時間に終わらせれば、万一人と出会ってもあまり怪しまれずに済むだろうと考えた。遅くとも、9時前には家に戻ってくるようにしたい。
これまで、牧守にとっては歩くことが商売であったが、今度は別に、新たにもっともっと歩く計画を練りつつある。
天竜川の川風に吹かれながら、先日は中天のオリオン座の中に木星、西の山際には土星、三日月、金星が直列していたのを眺めた。夜の闇の中でなければ知ることのできない深い味わい、瀬を流れる水の音、森閑とした山道、星々の煌めき、天竜川を中心に拡がる金砂の夜景、それらを当分の間独占させてもらおうと思う。
本日はこの辺で。