久しぶりに昨日、高遠まで下った。標高を下げるに従い先行する季節を目にし、帰路は再びそれが逆行する様子を眺めながら帰ってきた。
山の中ではまだ桜の花をいたる所で目にしたが、芝平ではすでにその季節は終わって、代わって山笑う新緑が山や谷を埋めていた。
荊口、山室の集落に向かうと、野良には人の姿が目に付き、水が張られた田も多く、早くも田植えの準備が始まったようだった。
途中で知り合いのT氏と会い、少し言葉を交わすと、先日山開きをした中アの千畳敷は1ヶ月も季節が早まっていたとか、北ア穂高の涸沢も雪が少なくこれから先の水不足を心配する人さえいると話してくれた。
牧場からはどちらもよく目にする山だが、今年に限って特に雪が少ないようには見えない。むしろ多いと言ってもよいほどで、意外な話で驚いた。
確かに、温暖化の影響はここにいても感ずるし、何より初日からここまで車で来られたことがそれをよく物語っている。
山梨県は富士山の山梨県側の入山規制を強め、開山中の入山料を2000円に値上げし、入山者数を4000人までに制限し、予約制で受け付けるという案が考えられていると報道で知った。
それを報じる側がどこまで山の実態を知っているのか分からないが、概ね賛成の口調で語っていた。また、いわゆる「弾丸登山」という小屋泊まりをせずに登る登山者を、あたかも規則違反者のように言うのにはいつもながら違和感を覚えた。
富士山の気象が安定する時期は、まだ開山もされてない5月の終わりから梅雨の前の6月ごろにかけてだと以前にも呟いた。もう、40年も前の話ながら、これは5合目の通年営業していた小屋の主人とも同意見だった。
10回以上富士山には登っているがどの時も開山中ではなく、そんなふうに言うのは反対だが、弾丸登山をするつもりで計画を立てた。一度だけ12月の登山で、8合5尺の小屋の脇に強風を想定した上でテントを張って、翌日、相方を残して山頂までを往復したこともある。
よく知られているように、あの山が一番恐ろしいのは風で、運が良かったのかも知れないが、身体が飛ばされるほどの体験、恐怖(強風)を感じたことはなかった。単独の時もあれば、仲間と一緒だったり、案内したこともある。
登山者数を制限するのも結構だが、何故富士山だけがあれほど開山の期間を短くしているのか、いまだ納得できる理由を知らない。
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本日はこの辺で、