入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’24年「秋」(17)

2024年08月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

   この古いロシア製の車の所有者は女性
  
 きょう、明日は恐らく1年のうちでここの「混雑させないキャンプ場」が最も混雑する日だろう。例年、この会「JALNEC」は、8月最終の土日を集合日として、人によっては前々日、多くは土曜日からやってきて1泊する。ここに集まるようになってから、かれこれ35年ぐらいにもなるというから驚きだ。
「JALNEC」は、ロシアの車「ラダニーバ」を愛好する人たちが集まって発足させた会で、現在も同車を愛用する人もいれば、その車に拘らず、それぞれがお気に入りの車に乗ってやって来る。共通していることはキャンプが好きで、車や機械に興味を持ち、やたら詳しいということだ。

 そういう人たちだから、実は秘かに期待していたことがあった。あつかましくも、管理棟の故障中の風呂を見てもらおうということだった。
 前回の故障例もあり、原因はほぼ分かっていた。濾過装置にごみが溜まり、水の流量不足が生じて着火ができないのだろうということで、そこまでは考えていた。問題は、その濾過装置の場所は分かっていても、どうしても取り出すことができなかったのだ。
 
 昨日、先行して来ていた会の主催者「大御所」、と勝手にここでは呼んでおくが、に話すとたちまちのうちに状況を理解し、解決してくれた。
「目の付け所が違う」ということをよく耳にするがまさしくそうで、湯温を示す数値がすぐ「12」に変わって着火に至らない原因を、安全装置が働いているからだと見抜いて、それにも対処してくれた。
 
 お蔭で、これからは富士見の麓の湯まで行かずとも、シャワーで汗を流すことが可能となった。大感謝。お礼に、昨日から来ていた大御所を含む5名に対し露天風呂を開放し、スープなんぞを供して感謝の意を表しておいた。
 いや、本当に有難く、昨夜は夜中に目を覚まして、何かいいことがあったという余韻がその時まで続いていて、それがこの風呂のことだったと気付き改めて安堵し、感謝して再び快眠した。

 昨日、一昨日と、暇を見付けて登山口の臨時駐車場の草刈りをした。そうしたら、道路を挟んだ西側の碑が「こっちはどうするんだ」と問いかけているように見えた。あそこは入笠の伊那側にとっては"由緒"ある場所だ。そのうち草を刈って、丸太の腰掛でも置くことを考えている。

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 本日はこの辺で。明日は沈黙します。

 
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      ’24年「秋」(16)

2024年08月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

     「夏の思い出」            Photo by FR氏
 
 久しぶりに鳥のさえずりを聞いたような気がする。声から想像するに小さな鳥のようだが姿は見えない。朝日が囲いの中の牛たちの長い影を作り、その影を写す牧草の色が大分黄色味を強めつつある。落葉松の水揚げも終わろうとするのか、遠くから眺める葉の色にも黄色の濁りが見え始めた。

 昨日は気付かなかったが、留守電が入っていた。紙とシャープペンシルを用意して再生すると1件は間違い電話で、年配の女性の声が誰にかけたのか「遊びにおいで」と誘っていた。もう1件は予約だったが、電話番号をメモしようとしたら芯が折れてしまった。こういうことが稀に起きる。もちろん、血圧は上昇した。
 あやふやな記憶をメモし、翌朝かけてみようとしたら今度は電話が機能しない。昨年の夏、雷で電話機がやれれ、今年の夏になってようやく新しくしたというのに使えない。
 
 機械音痴を自覚しているので、キャンプに来ていた若い二人に見てもらったが、やはり駄目だった。受信はしたのだから、まったく機能していないわけではないが、考えてみたらこの電話機を使って誰かと話した記憶がない。つまり、一切を自分の携帯で済ましていたのだといまさらながら気付いた。
 
 電話機だけではない。管理棟の風呂が駄目、ガスコンロも不調、台所には窓ガラスが入っておらずプラスチックの板をはってあるが、隙間風が入る。厳冬期でもこの状態だから、ボランティアは楽ではない。戸の建付けも年々悪くなるばかりだ。
 いや、ここに住み着いたのはこっちの勝手で、もとより不便は覚悟の上だったから不平不満は控えた方がよかろう。ただそうしているばかりだと、建物は劣化を免れまい、悩ましいところだ。
 農協が負担する軽トラの燃料の高騰、長野県はその価格が全国一高い、片道約40キロに要する1時間15分の時間とその肉体的な負担などもろもろを考慮し、判断した結果であった、

 こう呟くと、宿泊用の山小屋を心配するムキもおありかと思うが、毎年、複数回利用してくれているご家族もいる、と言っておけば足りるだろう。
 前述の予約電話の件、幸い「あやふやな記憶」は間違えていなくて、予約確認をすることができた。

 このごろキャンプ用品の販売が低調だと聞く。ブームに悪乗りして価格が高すぎるという声を耳にしたが、山を始めた理由が「金がかからないから」は、遠い昔の話になってしまったようだ。
 それにしても、テントは最早小屋と言ってもいいような物まで出現しているが、あの大きさ、どこのキャンプ場でも受け入れてくれるのだろうか。

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      ’24年「秋」(14)

2024年08月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝は曇り空の天気が影響しているのだろうか、囲いの中の牛たちは外へ出ていかず中にいる。群れを作らず、それぞれが思いおもいの場所で草を食んでいる。
 日中になって気温が上がればアブが飛んできて、牛の血を吸う。それを牛は尻尾で追い払おうとするのだがあまり成功せず、執拗な攻撃は止まない。
 昨日は1頭だけいる和牛が囲いの中に置いてきぼりにされ、アブの攻撃にさらされていた。まるで、飛来する多数の敵戦闘機の攻撃に必死で逃げ回る戦艦を想起するような光景で牛に同情した。
 今朝は気温もまだ低くてアブの襲撃はないのだろう、どの牛の尻尾も動いていない。

 店頭からコメが消えたとか、コメの作柄が良くないとか、人々の不安を煽るようなことをテレビが報じていた。原因は、最早「異常」ではない異常気象のせいらしい。
 もう何十年か前、そういうことがあった。当時は東京に住んでいて、田舎からコメを送ってもらう方法はあったし、そうした人も多かったようだが、食べ慣れない長粒米を敢えて我慢して食べた。ご飯のお代わりを求めたりすれば、店の人は顔を引きつらせて拒否したものだ。
 あの時ほど深刻にはならないと思うし、ここらではあまりそういう話を聞かないが、この先のことは分からない。

 災害が起これば、テレビカメラは当然被害のあった場所、建物を写さなければならない。隣に、まったく被害のない建物や状況があってもそれは報じない。
 また、クマの被害が出れば待ってましたとばかりに飛んでいくが、最近では鹿による被害などは話題に取り上げない。しかし、これは相当深刻な問題で、明らかにここで目にする一群れの数は20,30頭ではなく、100単位の話になってしまっている。避妊と言う方法が無理なら、薬殺ということまでが頭をかすめる。

 気象予想もそうだが、情報は多岐にわたり、必ずしも客観的ではないし、公平でもない。新橋駅前を行きかう人々が必ずしもわれわれを代表しているわけではないし、加えて報ずる側も拾った「町の声」を都合よく取捨選択する。
 
 この独り言だって漢字を間違え、「てにおは」を間違え、数々の勘違い、思い違いをしてきょうまできたから、偉そうなことは言えない。せいぜい気を付けて、調子づかないように・・・、あっ、簡易トイレの引き取りが来た。忙しい。こんな結びにならぬ結びで悪しからず。

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      ’24年「秋」(13)

2024年08月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日芝平へ下った山道は予想通り荒れていた。峠にはこの道を避け、千代田湖経由を勧める看板が出ていて、そのせいもあり通行する車も少ないのだろう。が、それがかえって状況を悪くしていることに看板を設置した側は気付いていない。山道は自然のままに放置され、雨が降れば川同然のようになる。
 枯れ木橋を過ぎて少し行くと、右手に大きな崩落個所があり、側溝は完全に岩や土砂で埋まってしまっていた。行く先のない雨水がここでも道路を穿ち、削り、通行を困難にさせていた。普通乗用車ではもう通ることができないだろうと思いながら、手を加える者がいなくなった道路のあまりの荒廃に複雑な思いを味わった、落胆した。

 芝平の集落に入ると、あの花は確かオオハンガンソウだと教えてくれた人がいたが、その毒々しい黄色の花が無人の里を埋めるかのように咲いていた。何年か前までは、山室川の川べりに目立つだけの花だったのに、放棄された畑、廃屋の周囲もこの花がまるで人のいないことを喜んで、狂ったように咲いていて驚いた。
 目当てにしていたコスモスの花の方は、新たな征服者に土地を譲らざるを得なかったのか姿を消してしまい、生まれた土地を捨てて新たな場所に移り住んだ芝平の人々の後を追っていったのかも知れない。

 高遠で用を済ませ、帰路は千代田湖経由にし、早々に戻ってきたが昼近くになっていた。焼き合わせでツタウルシの紅葉を撮り、昼飯を食べたかどうか忘れたが、牧場を見回って今度は反対側の諏訪に下った。
 諏訪の温泉は諦め、とりあえず山靴を買って富士見に引き返し、いつものスーパーで少し食料を買い、それから麓の風呂に行った。
 靴は今使っているのと同じ物が手に入り、それも割引値段の商品で、また風呂は今まで入浴料は950円だとばかり思っていたら、70歳以上は700円だか750円だと初めて知り、損をしていたと思うよりか、得をしたような気になったのだからおめでたい。

 最近はトマトスープにはまっている。夜は自己流のそれにした。トマト、鶏肉、ナス、アスパラ、ジャガイモ、セロリーなどを入れトコトコ煮て、白ワインを加え塩コショウで味を調え、最後にレモン汁を入れる。野菜の種類はその時々、豆もいい。
 日本酒にビール、それに塩の効いたサケとタラコを添え、政治番組を見るともなく眺めていたら、いつの間にか眠っていた。夏の疲れが出た。
  
 きょうからまたキャンパーが来る。
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       ’24年「秋」(12)

2024年08月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 午前6時半、気温15度、曇り。今にも降り出しそうな天気の中、囲いには1頭のジャージーを含め6頭の牛の姿が見えている。他の牛たちはすでに広い第4牧区へ働きに出ていったようだ。
 
 慌ただしかった昨日が終わり、また牧にいつもの平安が戻ってきた。気の抜けたような状態で朝を迎え、さてきょうは何をするかと考える。とりあえず一度高遠まで下り、東部支所で用事を済ませて戻ってくれば昼ごろにはなるだろう。
 その後は天気次第となるが、雨が降らなければ屋外での作業、降れば管理棟で片付けや道具の手入れでもやることになる。
 しかしきょう、どうしてもやらなければならないという仕事は思い付かない。というか、そういう仕事を今は見付けずにいたいという気持ちの方が強く、それはこの虚脱感、気だるさから来ているのだろう。やろうと思えばすることはいくらでもある。

 今、「どこか風呂にでも入りに行こうか」と、唐突にも囁く声を聞いた。確かに、何を一番やりたいかと考えたらそれくらいしかない。高遠の帰りだと時間的に少し早過ぎるだろうか。
 一度ここへ戻ってから、いっそ諏訪の温泉へ行くという手も考えられる。そうすれば、その帰りに某スポーツ店に立ち寄り、前から気になっていた古くなった作業用の山靴を捨て、新しい靴と換えることができる。
「おいおい、そんなことを独り言ちっても大丈夫か」と、心配してくれる人がいたらお気になさらず、昨日だけでも充分に二日以上働いている。
 
 それはそうと、悪路のため久しく芝平の谷を避け、ここと里の往復はもっぱら千代田湖経由ばかりだった。あの集落を流れる山室川の川辺にはコスモスの花が咲く場所が幾つもあった。きょうは下りだけでも無理して芝平を通り、秋の花だけでなく無人の里にも無沙汰を詫びておこうかと考えている。
 それと、きょうは「焼き合わせ」の気の早いツタウルシの紅葉も、もし撮れたら本年最初になる何枚かを撮ってくる。

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