「間借りカレー」という商い形態のお話。
カレーですもの、どの方のメニューもそれはそれはおいしそう。
最後のほうに 「おうちのカレー(お母さんのカレー)」を出している人の話が出てきた。
子どもは独立、一人の人生、これからをどうしよう。
そんなお母さんに 息子さんが声をかける。「あのカレー(の味)の店を始めてみたら?」
息子さんにとってのいちばんの‘おふくろの味’は、カレーだったとの事。
家庭の味のそのカレーは、息子さんだけでなく たくさんのお客さんたちにとってもおいしい味だった。
息子さんは時々、自らもお客さんになって そのカレーを食べに来る。「やっぱりおいしい。」
何年か前に 湯河原散策の途中 小説家の人の記念館に寄ったことがあった。
喫茶コーナーで休憩した時 その小説家ご本人もその場所で ちょうど「お茶の時間」を取っていらっしゃった。
喫茶コーナーは 記念館利用者のためでもあるが 小説家ご本人のためでもあるらしかった。
お母さんカレーをうれしそうに頬張る息子さんを見ているうちに
そんなことを思い出した。