“で、「明暗」。ラストまで行き着けるでしょうか。”
「明暗」を読んだ。
「明暗」新潮文庫版(昭和62年版)、最後まで行き着くと
―未 完―
と表記されていて、
そこに行き着くころには 心のドキドキはどんどん強くなり、
別に 未完でなくてもいいような、この形で完でもいいような
とにかく読み手としては、感極まる世界に来てしまった。
登場人物のもしやすべての人の中に自分を見てしまった。
と言うことはです、津田小林はもちろん、吉川夫人の中にまでもなのである。
えらいこっちゃ。
“とっても丁寧(過ぎる)な注を時々見つつ”
そうだったのだ、途中までは。
その途中までは、上げ膳据え膳過ぎるんちゃう?この注。
と辟易としていたのですが、ある注で
「え?そういう意味だったの!?」と 自分の思い込みはき違え読み取りに気付くこととなり、
そこから後は「注って役に立つ。」と 小さくなりつつ読みました。
“自分の 積読文庫群 の中から 「明暗」新潮文庫版 も引っ張り出してきてみた。”
積読文庫群 「明暗」の隣には、「続 明暗」水村美苗 新潮文庫版 も あった。
「続 明暗」の冒頭は、「明暗」最終章の再掲から始まっている。当たり前だが 本当に 続 なのだ。
ジャケットカバーの背景色は 流れのままに 正編の明にして 続編の暗である。
このまま読み継ごうか。それとも。。。