「今度生まれたら」をテレビドラマで(飛び飛びながらに)見た。(本の方は読んでいない。)
夏江(松坂慶子)のセットアップファッションがすてきで、と そこに惹かれて
後半の方からちゃんと見た。
夏江の姉・信子(藤田弓子)はいくら何でも老け込みすぎではあるまいか、との第一印象だったが
ストーリーの方は その老け込みすぎがとても効いた展開になっていった。
面白かった。
で 「すぐ死ぬんだから」を読んでみることにした。(テレビ化の方は見ていない。)同著者による「終活」小説とか、「老後」小説とか、と呼ばれている作品グループの一冊らしい。
あっという間に読了。
主人公は ざらっとした言葉遣い。
年を取ることのマイナス面を一つ一つ挙げて、身なりにかまわなくなるのが一番よくないと
ファッション、メイク等に気合いを入れて努力している。
夫との関係も良好。例えば ある縁故から手に入れた「平氣で生きて居る」という掛け軸を前に 建設的なやり取りを重ねてきた。
その主人公の人生に 思いがけない事がやってくる。
読了後、いいえ読んでいるその最中から 自分の猫背・生活習慣・心意気等々、この際みーんなシャンとしよう!と思わされる迫力の主人公の物言い。
べらんめえとはちょと違う語気の粗さにたじろぐのですが
読み進み耳?に馴染んでくると 主人公の一本その筋の通り方の確かさに
彼女の細やかさが浮かび上がってきて 驚きます。
最後まで ハナ(旧姓・桜川。忍〈おし〉さんと結婚して、忍ハナになった!)の決断というか采配が気になるのだった。
「平氣で生きて居る」
「病牀六尺」に出てくる表現らしい。
正岡子規読んでから(≒まだ読んだことがない。)も一度「すぐ死ぬんだから」読むことがあったら
読後感、どう変わっていくのだろう。