<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

どこまでふてぶてしいのだ

2014年09月13日 01時56分24秒 | Weblog
ねだる。こうしろ。こうしろ。

びるしゃなの仏の造りたもうた涅槃界の、大空に手を挙げて、ああしろ、こうしろとねだる。

おれをお金持ちにしろ。おれを幸福にしろ。もっとだ。もっとだ。

おれを病気にするな。おれにうまい酒を飲ませろ。

厚かましい男だ。あれはさぶろうという男だ。

いかめしい顔をして、あいつ本気で脅しつけてる。どこまでふてぶてしいのだ。

野原は秋になった。ススキが風に揺れた。
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それ以上の懇願が必要か

2014年09月13日 01時19分56秒 | Weblog
わたしがはからわないでもいいことであった。しかあらしめられていた。自ずからにしかあらしめられていた。秋の空が高くなった。それが澄み渡っている。それがわたしの上に広がっている。それもこれもわたしの指図を必要とはしておらず、自ずからにしかあらしめられていた。わたしがはからわないでもいいことであった。おはからいのままであった。
それを、わたしははからって、それ以上を懇願した。懇願が聞き入れられないと言っては、喚き散らした。これ以上の安心、もっと大きな安心を下さいと言っては駄々をこねた。空に海が生まれた。鰯が次々に泳いで来た。雲が穏やかな涅槃の顔になった。それを夕日が赤く赤く染め抜いた。秋風が川を造って流れた。
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