<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

互いを思うことで男女が誕生する

2014年09月17日 16時01分22秒 | Weblog
蘆(あし)垣の隈処(くまと)に立ちて吾妹子(わぎもこ)が袖もしほほに泣きしそ思(も)はゆ    防人の歌 刑部(おさかべの)直(あたひ)千國(ちくに) 巻20



これは防人の歌である。防人(さきもり)は崎守。北九州筑紫・壱岐対馬などの辺境の地を守備する任に当たった兵士。3年を1期にして交替させる規定があったとされる。東国から徴用された。太宰府に兵士の役所があったらしい。天平勝宝7年(755年)、哀別を歌った防人の歌が万葉集巻20に収められた。
隈処(くまと)は隈になって見えないところ。「しほほ」は「絞るように」と読んでみた。

わたしの可愛いあの子が、わたしが太宰府に趣くときに、芦原の続く村はずれまで来て、そこに立って見えなくなるまで、着ている衣の袖が濡れて絞るように泣いてくれた。その愛(いと)しい姿が守備に当たっているいまもしきりに思われてならない。



これは万葉集わが勝手気まま読みシリーズの1首解釈。作者の刑部直千國はどんな人であったのだろう。どうやら若い人のようだ。愛しい人を思うことができる男だから逞しい凜々しい男であろう。吾妹子の妹(いも)は男が女を親しんで言う語。妻だったり恋人だったりする。子は愛称。女同士が親しみを込めて言う場合もあったらしい。



昔も今も男は女を思う。女は男を思う。夫婦になったり恋人になったりして思う。思われて思われてならないほどに。それが男であろう。女であろう。互を思うことで男女が誕生するのだ。

この歌の後に、さぶろうはふっと、では己はどうだ、と思う。それほどに思う人があるか、と。袖を絞るほどに涙にかきくれて思う人がいるということは、幸福と言えばこんなに幸福はあるまい。
思う人がいないのなら、男性の性別が消えていることになりはしないか。思う人があって、そこで男女が成立している、そうも言えようから。
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安心をしていていいのだ

2014年09月17日 15時35分20秒 | Weblog
 安心をしろ。安心をしろ。安心をしろ。雲が言う。空いっぱいに秋を広げて言う。朝も昼も夕方も夜も言う。何度も何度も言って聞かせるので、さぶろうは、薄目を開けながら、そのアドバイスの通りに安心をしようと決定する。そして安心をする。雲のように軽くなって上昇してしまいそうになるのを我慢する。
 どっちにどうなったっていいのだ、と思う。さぶろうの願う通りではなくてもいいのだ、と思う。安心はいい気持ちだ。理屈抜きの安心なんて信用がならないのだけど、さぶろうの考えるレベルの理屈なんてどっちみちつっかい棒にもならないのだ。で、思い切って理屈を抜いてしまう。つまり空っぽの理屈湖だ。だが、その湖面に秋の雲が下りてきて静かな風の波を立てている。
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所有に縛られるな

2014年09月17日 08時38分30秒 | Weblog
放てば手に満つ。握っていた手の拳を開くと手は空っぽになる。鉛筆を握っていれば、鉛筆以外は握られない。だから鉛筆で満足するしかない。つまり、鉛筆が満足のすべてになってしまう。ところが、世界の魅力は鉛筆だけではない。

所有に縛られるな、ということか。無所有は所有にまさる。わたしひとりの所有は多寡がしれているが、わたしの無所有はこれを超えることができる。

わたしの所有を放てば、世界中が手に満ちることになる。

星をわたしの所有にすることはできないが、所有することもないのだ。無所有にしていて十分に楽しめるのだ。
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喜んで守られている者 喜んで守る者

2014年09月17日 05時42分53秒 | Weblog
十方無量の諸仏は百重も千重も囲繞して喜び守りたまふなり。

誰をだい?

はい。このさぶろうをでございます。

このさぶろうを十方無量の仏たちが百重も千重もしてにこににこにこしながらよろこびいさんで守っているので、かたじけなくてかたじけなくてならぬのです。

どうしてそれがわかる?

山がそうであります。海がそうであります。空がそうであります。風がそうであります。雲がそうであります。日がそうであります。星々がそうであります。さぶろうを取り囲んで守って、それを喜んでいます。
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親しい仲間がたくさんです

2014年09月17日 05時19分31秒 | Weblog
海がひどくやさしいのです。ざぶーんざぶーんしゅるしゅわ。寝物語をして聞かせてくれます。童謡を唄ってもくれます。さぶろうはこれを聞いています。安らぎます。ふたりはこうして仲良くしていられます。海には、語ってくれる口なんてないよと四郎があしらいますが、平気です。さぶろうには海は味方です。海はいのちを持っています。いのちはいのちに語りかけをします。夜明けには朝日に染まった雲が満面の笑みを見せてくれます。さあ、愉快な一日を愉快に過ごしてくださいねと言います。いい日になるよ、ほんとうだよ。風も言います。さぶろうには味方をしてくれる仲間がたくさんです。
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