朝影に我が身はなりぬ玉かぎるほのかに見えて去(い)にし子ゆゑに 柿本人麻呂
*
辞書をまず引いてみます。
「朝影」:
朝日の光。朝の涼しい時分。朝、鏡や水に映った姿。朝日が影を細長く映すことから、人が恋に痩せ細った形容に用いる。
「玉かぎる」:
「夕日」や「ほのか」「はろか」にかかる枕詞。「かぎる」は「仄かに輝く」の意か。
「ほのか」:はっきりと見分けたり聞き分けたりできないさま。かすか。
空蝉と思ひし妹が玉かぎるほのかにだにも見えぬ思へば 万葉集
*
あなたのことを思ってわたしは朝影のように痩せ細ってしまいました。玉のように輝く美しいあなたはわたしの前にほんのちょっとだけ姿を見せただけでそれでもう立ち去って行ってしまったのだから。
*
さぶろう流いい加減読み取り万葉集シリーズも回を重ねた。今回は不成就のやるせない恋の歌を取り上げてみた。生涯、不成就ばかりで過ごして来たさぶろうはこれにいたく共感をした。仄かに仄かに見えているばかりの玉の輝き。恋心を誘うだけ誘っておいて、姿を消してしまうので、その後にはずっとやるせなさが池塘を造ってしまうばかりだ。その場ですぐに行動に移してしまえばいいのだろうが、優柔不断のさぶろうにはこれができない。できないなら、それこそ泣き寝入りをしておく他にはないのだ。
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辞書をまず引いてみます。
「朝影」:
朝日の光。朝の涼しい時分。朝、鏡や水に映った姿。朝日が影を細長く映すことから、人が恋に痩せ細った形容に用いる。
「玉かぎる」:
「夕日」や「ほのか」「はろか」にかかる枕詞。「かぎる」は「仄かに輝く」の意か。
「ほのか」:はっきりと見分けたり聞き分けたりできないさま。かすか。
空蝉と思ひし妹が玉かぎるほのかにだにも見えぬ思へば 万葉集
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あなたのことを思ってわたしは朝影のように痩せ細ってしまいました。玉のように輝く美しいあなたはわたしの前にほんのちょっとだけ姿を見せただけでそれでもう立ち去って行ってしまったのだから。
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さぶろう流いい加減読み取り万葉集シリーズも回を重ねた。今回は不成就のやるせない恋の歌を取り上げてみた。生涯、不成就ばかりで過ごして来たさぶろうはこれにいたく共感をした。仄かに仄かに見えているばかりの玉の輝き。恋心を誘うだけ誘っておいて、姿を消してしまうので、その後にはずっとやるせなさが池塘を造ってしまうばかりだ。その場ですぐに行動に移してしまえばいいのだろうが、優柔不断のさぶろうにはこれができない。できないなら、それこそ泣き寝入りをしておく他にはないのだ。