いいんだよ。いいんだよ。気色張らないでいていいんだよ。
わたしはわたしに声をかけます。
何かしなくちゃならないなあ、怠けているばかりじゃすまないなあ。わたしは少し焦ります。
わたしは光を注いでもらっています。明るい光です。まばゆいです。其の中にわたしがいますが、わたしはなんにもしていません。行動を起こしていません。わたしに風が吹いて来ます。心地よい春の風です。風はわたしを爽やかにしてくれます。爽やかにさせて貰っているのにわたしはなんにもしていません。役立っていません。
天地の豊かさをもらってばかりでご恩返しをしていません。行動を起こしていい条件が揃っているのですから行動を起こすべきです。役に立つべきです。でもそれをしていません。
そこで、冒頭の「いいんだよ、いいんだよ、そんなに気色張らなくていいんだよ」の声かけになります。自分で自分に声をかけています。説得力はありません。どうして行動を起こさなくていいのか、質問されたら答えに窮してしまいます。
うっとりしているときには行動を起こせません。これは屁理屈です。天地の豊かさにうっとりなって、そこで万事休すになっています。わたしの行動は万事休すですが、天地の豊かさは万事生き生きとしてフル活動をしています。是を眺めて称讃を浴びせている、これも一種の行動だ、なんて開き直りをしています。おかしいですよね、そんなって。