おはようございます。みなさん。山鳩さん。
山鳩さんは、朝早くからさぶろうのほんの数メートルの近くまで来て、愛嬌を振りまいて淀川ツツジの藪に乗っかかって遊んでいる。淀川がきれいだからね。ごーぐるぐるぐう、ほっほっほと喉笛を吹いている。お天気がいいのでピクニックにでもやって来て、そこでこのきれいな淀川が目にとまって、寄り道をしたのかな。でも、ひとりじゃつまらないよね。いっしょについてきてくれる彼女がいないのかな。こういうところはさぶろうみたいだな。
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(ここからは曲がり道、木の下陰の細道になる)でもね、彼女がついてきてくれても、それで楽しいばかりじゃないよね。サービスしなくちゃならないし、美人だって褒めてやらなくちゃならないし、気を遣うからね。
(ますます影が濃くなる小径になる)総じて、気持ちを合わせてぴったり寄り添ってくれる彼女なんて、そうそういないしね。みんなこの頃は女性上位だから、男性に寄り添うなんて沽券に関わるんだろうね。(沽券:売り渡しの証文、売値、転じて値打ち、品位、体面)寄り添うためには自分を小さくして相手を大きくさせてあげなくちゃならないよ。これも気苦労だろうし。あれれ、余計なこと言っちゃった。ほんとに大きさを感じる男性もいるから、これは失言だろう。
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さぶろうはこうやって自分に自信がないので(実際のところ、パワーがない)すぐに拗ねてかかる。悪い癖だ。いっしょにいたいのに、一人でいる。みんなと一緒に行動すれば楽しいのに、引いて、引き下がって、しょんぼりしている。一緒に楽しもうとする勇気が起こってこないのだ。
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新聞に、珍しいナンジャモンジャの木が一面白い花を着けている写真が載っていた。近く(近くといっても4kmくらいはありそう)のお寺の境内に。これからそこへ行ってみるか。ふらりと。どうせ暇でしようがないんだし。