市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

「不退去罪で現行犯逮捕するぞ!」弁護士の指示に従った藤岡署員が示す警察の中立性と行政の犯罪性の比較衡量

2024-12-23 01:56:11 | 藤岡市内保安林を巡る行政犯罪

20241220藤岡市役所窓口で来訪を告げる

■藤岡市在住の当会会員が、平成6年に購入した山林が、知らない間に平成9年に群馬県により保安林指定され、治山を名目に止水工など治山ダムが6基設置されたが、実際には1基しか現場に見当たらず、ダム設置工事の為のアクセスとして藤岡市が作った林道すら、山林所有者の同意を得ないまま造られたため、これらの是正と原状復旧を求めて、県や市に長年に亘り、要請を続けています。

 さらに保安林指定されたら樹木の伐採が制限されるはずなのに、地元の多野東部森林組合が、京都議定書によるCO2削減を名目にした補助金事業として「森林管理」を装い、山林所有者に無断で林道の造成や森林の間伐などの申請を藤岡市に行い、伐採したナラの木をシイタケ栽培の原木として売り払うなど、やりたい放題の無法状態で、山林所有者である当会会員は多額の損失を被りました。

 そのため、当会会員は、多野東部森林組合を相手取り損害賠償請求訴訟を提起しましたが、組合の顧問弁護士はインチキ文書を裁判所に提出し、裁判官もその虚偽文書を信用し、当会会員の請求を矮小化して実質敗訴判決を言い渡したのでした。

 当会会員は、年齢も80歳となり、保有する山林の利活用を真剣に検討し、八方手を尽くした結果、関心を示した太陽光発電事業者を見つけました。しかし保有山林が保安林指定されているため、売買が出来ません。そのため、藤岡市や群馬県に保安林指定手続きをお願いしていますが、行政は徹底してシカトを続けています。

 それにもかかわらず、当会会員は群馬県知事、藤岡市長、多野東部森林組合長に対して数々の要請書、上申書などにより、善処を求めてきました。すると、県も市も森林組合も、いずれも「代理人」と称して、弁護士を盾に、当会会員との接触を避けるようになりました。

 群馬県知事が代理人として業務を委嘱したのは、現在群馬弁護士会の会長をしている関夕三郎弁護士です。また、藤岡市長が代理人に任命したのは、高橋三兄弟法律事務所です。ちなみに、多野東部森林組合の顧問弁護士は飯塚理弁護士です。

 当会は悪徳行政の被害を長年に亘り被って来た藤岡市在住の会員から8年前の2016年から情報提供を受けて、この問題に取り組んできました。被害届、告発状、行政訴訟などありとあらゆる手段を尽くしましたが、事態は何ら改善されませんでした。群馬県、藤岡市、多野東部森林組合とも、これまでの主な経緯に関するブログ記事は、次のURLをご覧ください。
○藤岡市内保安林を巡る行政犯罪

■役所の犯罪とも言うべき、およそ法治国家を自認する我が国の行政とは思えぬこの所業を、なんとか諫めようと、今年5月9日付で当会会員が藤岡市の新井雅博市長あてに次の上申書を提出し、5月15日に市役所で藤岡市代理人を交えての面談を申し入れました。

****5/9市長あて上申書******
                             令和6年5月9日
〒375-8601群馬県藤岡市中栗須327番地
藤岡市役所
市長 新井 雅博 様
電話:0274-22-1211(代表)
ファクス:0274-24-3252

               〒375-0054藤岡市上大塚1758-1番地
                株 式 会 社清 水 企 画
                取 締 役 会長 清 水   剛   印
                電話:0274-24-5413
                ファクス:0274-24-8823

               上 申 書
件名:藤岡市内の民有林を巡る不適切な現状(保安林台帳・森林簿・補助金・迂回路・納税・林道などを含む)の早期是正に関する緊急協議について

 藤岡市上日野にある私が所有する民有林およびその周辺では、長年に亘り、様々な不具合が発生しているにもかかわらず、依然として不適切な状況が解消されていません。
 この件では、貴殿が統括する市長部局の関連部署に都度報告し、問題の解決に向けて相談をしてきましたが、一部の部署では、「藤岡市代理人(法人受任)と称する群馬県高崎市八千代町二丁目1番1号に所在する弁護士法人高橋三兄弟法律事務所の弁護士らを通じてのみ対応しない」との見解が示されています。
 このように当方の財産にもかかる重大な事案なので、再三にわたり善処をお願いしてきましたが、成果が見られません。これまで以上に本件に関して積極的な対応をお願いしたく、藤岡市代理人を交えたかたちで、下記に示す要領にのっとり本件に関する初回協議を、ここに上申いたします。
 ご回答は、令和6年5月10日(金)17時までに文書で上記連絡先までFAXないし電話でご連絡のほどよろしくお願い申し上げます。
                 記
1 日 時  令和6年5月15日(水)午後2時から
2 場 所  藤岡市役所
3 出席者  藤岡市側 市長、藤岡市代理人、市長部局及び藤岡建設部、森林課、納税課各担当責任者
       住 民 側 藤岡市在住当事者、取引先事業者、市民団体代表者
4 議 題  藤岡市数々の杜撰な公開質問と弁護士の回答及び、その他について。
                              以上

=====別紙=====

1 亀穴峠市道・林道の位置付けとこれまでの経緯及び今後の取扱いについて?

2 藤岡市上日野の民有林に設定した保安林及びその関連事業の課題について?

3 平成9年5月9日土地使用・保安林指定筆界未定地の新井市栄承諾書について?

4 平成9年5月9日土地使用・保安林指定筆界未定地の新井誠一承諾書について?

5 平成8年5月頃当時69区・区長の戸川一弘の保安林申請書公文書について?

6 保安林指定調査地図と称するマイラー図について?

7 平成22年2月12日伐採及び伐採後造林計画適合通知書96林班12-5小班について?

8 平成24年6月頃「筆界未定地」でありながら山林所有者に無断で保安林を敷設したことについて?

9 平成24年~25年頃同姓同名の新井誠一に対する保安林の税還付金と間伐事業補助金の支出について?

10 平成24年~25年頃同姓同名の松田良一に対する96林班間伐事業の補助金の支出について?

11 保安林に係る公文書の保存期間は永年であるが、令和2年12月11日「治山事業なので10年過ぎたので農林課にはありません」と真下担当職員が廃棄処分したことについて?

12 平成21年3月4日藤岡市指令農林第69号補助金交付決定通知81,369,441円の根拠について?

13 令和6年4月25日藤岡市納税相談課の尾形照彦・宇佐見勝一ら担当職員が当方の事務所に来て「納税通知何度も出していた。徴収できなかった」と話したが、当方から「保安林の還付金の件は」と聞いたところ、「その話は弁護士を通してくれ」と答えた件について?

14 その他について?
                             以上
**********

 すると、藤岡市代理人と称する弁護士事務所から次の回答が、5月10日に送られてきました。

*****5/10藤岡市代理人からの「ご連絡」*****

                        令和6年5月10日
清 水   剛  殿
          (〒370-0861)群馬県高崎市八千代町二丁目1番1号
                弁護士法人 高橋三兄弟法律事務所
                TEL. 027-325-6603/FAX.027-325-9936
                  藤岡市代理人(法人受任)
                    弁護士 高 橋 伸 一
                    弁護士 福 島 翔 也
                    弁護士 清 水   卓

             ご 連 絡

前略 当職らは、藤岡市の代理人として、貴殿の令和6年5月9日付「上申書」と題するに書面に対し、以下のとおりご連絡いたします。

1 貴殿より、藤岡市に対し「藤岡市数々の杜撰な公開質問と弁護士の回答及び、その他について」、藤岡市役所内での対面協議の申し入れを受けておりますが、当方としては、現状、対面協儀の必要はないと考えており、対応することは出来かねます。
2 貴殿からの質問に関しては、何度か書面で回答しているところです。仮に新たな質問事項等があるのであれば、書面にて当職ら宛にご連絡ください。必要な範囲で対応を検討させていただきます。
 繰り返しになりますが、市にご連絡いただいても対応出来ませんので、今後のご連絡は当職ら宛にお願いいたします。
 以上、よろしくお願いいたします。
                                草々
**********

 藤岡市代理人は「貴殿からの質問に関しては、何度か書面で回答しているところです」と回答していますが、彼らの回答というのは、いつも次のような文面です。




■このように、代理人は「回答する立場にありません」「10年前に回答した通りです」などと、突き放したかたちの紋切り型の短文でしか、返事をしようとしません。そのため、この問題について行政の事務事業の当事者である市職員と相対で協議する必要を痛感していている当会会員は、再度上申書を提出しました。

**********
                               令和6年5月12日
〒375-8601群馬県藤岡市中栗須327番地
藤岡市役所
市長 新井 雅博 様
電話:0274-22-1211(代表)
ファクス:0274-24-3252
               〒375-0054藤岡市上大塚1758-1番地
                株 式 会 社清 水 企 画
                取 締 役 会長 清 水   剛   印
                電話:0274-24-5413
                ファクス:0274-24-8823
              上 申 書(2)
件名:藤岡市内の民有林を巡る不適切な現状(保安林台帳・森林簿・補助金・迂回路・納税・林道などを含む)の早期是正に関する緊急協議について(再要請)

 藤岡市上日野にある私が所有する民有林およびその周辺では、長年に亘り、様々な不具合が発生しているにもかかわらず、依然として不適切な状況が解消されていません。
 この件では、5月8日付で上申書をお送りしたところ、5月11日に藤岡市代理人(法人受任)と称する群馬県高崎市八千代町二丁目1番1号に所在する弁護士法人高橋三兄弟法律事務所の弁護士らから、別紙の文書が郵送で届きました。
 この文書を拝見しますと、「藤岡市代理人を通してほしい」という貴殿の指示に基づいて、「藤岡市代理人とこの問題について協議をしたい」とする当方の上申を貴殿が拒んだように読めますが、このような指示を藤岡市が代理人に貴殿の意向として伝えたのでしょうか?
 仮に、貴殿がこのような意向を、代理人に伝えたとすれば、代理人との相対での面談すら拒否したことになります。
 その場合、藤岡市は社会に影響力を及ぼす行政機関であるにもかかわらず、行政と直接の利害関係を持つ納税者・市民(ステークホルダー)に、その活動や権限行使の予定、内容、結果等の報告をする説明責任を放棄していると言わざるを得えません。
 このような無責任な判断は許されません。よって、既にお送りした上申書に下記した日時のとおり、藤岡市役所に赴きますので、しかるべく藤岡市の説明責任者(藤岡市代理人を含む)を待機させていただくことをここに要請いたします。
                 記
1 日 時  令和6年5月15日(水)午後2時から(2時間程度)
2 場 所  藤岡市役所
3 出席者  藤岡市側 市長、藤岡市代理人、市長部局及び藤岡建設部、森林課、納税課各担当責任者
       住 民 側 藤岡市在住当事者、取引先事業者、市民団体代表者
4 議 題  藤岡市数々の杜撰な公開質問と弁護士の回答及び、その他について
                                      以上
**********

 すると、当会会員に対して藤岡市代理人は、急遽FAXで以下の文面を送り付けてきました。

*****5/13藤岡市代理人からの「ご連絡」*****

2024年5月13日13時35分 高橋三兄弟法律事務所  NO.0780 P.1
                        令和6年5月10日
清 水   剛  殿
Fax.0274-24-8823
          (〒370-0861)群馬県高崎市八千代町二丁目1番1号
                弁護士法人 高橋三兄弟法律事務所
                TEL. 027-325-6603/FAX.027-325-9936
                  藤岡市代理人(法人受任)
                    弁護士 高 橋 伸 一
                    弁護士 福 島 翔 也
                    弁護士 清 水   卓

             ご 連 絡

前略 当職らは、藤岡市の代理人として、貴殿の令和6年5月9日付「上申書」と題するに書面に対し、以下のとおりご連絡いたします。
1 繰り返しになりまずが、当方としては、現状、対面協議の必要はないと考えておりますので、5月15日に来庁いただいても対応できません。
  当職ら5月10日付「ご連絡」書でも記載した通り、貴殿からの質問に関しては、何度か書面で回答しているどころであり、仮に新た質問事項があるのであれば、書面にて当職ら宛にご連絡いただくようお伝えしております。貴殿との協議を拒否しているわけではなく、今後書面でのやり取りを通じた後、必要であると判断すれば対面での協議をすることに何らの支障はありませんので、当方の意向を曲解なさらぬよう申し添えます。
2 なお、来庁いただいても対応できないと繰り返しお伝えしているにも関わらず、5月15日に来庁され、仮に市職員の業務を妨害した場合には、公務執行妨害罪、業務妨害罪、退庁に応じない場合には不退去罪等、刑事罰の対象となることもあり得ますので、その旨申し添えます。
                                草々
**********

 この時は、このFAXを警察に示して相談したところ、「無用なトラブルに巻き込まれると、これまでの努力が水の泡になりかねないので、当日市役所を訪問するのは控えた方がよい」とのアドバイスを受けたため、当会会員は納得できないものの、結果的に市役所を訪れることはしませんでした。

■その後も当会会員は粘り強く藤岡市役所に電話をし、ようやく担当職員に話を聞いてもらえる目途がついたことから、今回、再度、市側と協議する時期が熟したと判断し、事前に警察にもその旨告げたところ、特段、「やめるように」とのアドバイスもなかったので、12月20日午後4時に市役所で藤岡市代理人を交えて協議をしたい旨、上申書で申し入れました。

*****12/18藤岡市長あて上申書*****
                         令和6年12月18日
〒375-8601群馬県藤岡市中栗須327番地
藤岡市役所
市長 新井 雅博 様
電話:0274-22-1211(代表)ファクス:0274-24-3252
               〒375-0054藤岡市上大塚1758-1番地
               株 式 会 社清 水 企 画
               取締役会長 清 水   剛  印
               電話:0274-24-5413
               ファクス:0274-24-8823
             上 申 書
件名:藤岡市内の民有林を巡る不適切な現状(保安林台帳・森林簿・補助金・迂回路・納税・林道などを含む)の早期是正に関する緊急協議について

 藤岡市上日野にある私が所有する民有林およびその周辺では、長年に亘り、様々な不具合が発生しているにもかかわらず、依然として不適切な状況が解消されていません。
 この件では、貴殿が統括する市長部局の関連部署に都度報告し、問題の解決に向けて相談をしてきましたが、一部の部署では、「藤岡市代理人(法人受任)と称する群馬県高崎市八千代町二丁目1番1号に所在する弁護士法人高橋三兄弟法律事務所の弁護士らを通じてのみ対応しない」との見解が示されています。
 このように当方の財産にもかかる重大な事案なので、再三にわたり善処をお願いしてきましたが、成果が見られません。これまで以上に本件に関して積極的な対応をお願いしたく、藤岡市代理人を交えたかたちで、下記に示す要領にのっとり本件に関する初回協議を、ここに上申いたします。
 ご都合について、折り返し文書で上記連絡先までFAXないし電話でご連絡のほどよろしくお願い申し上げます。
                 記
1 日 時  令和6年12月20日(金)午後4時から約1時間半程度
2 場 所  藤岡市役所
3 出席者  藤岡市側 藤岡市代理人、市長部局担当責任者
       住 民 側 藤岡市在住当事者、市民団体代表者
4 議 題  保安林指定手続きの経緯、関連する固定資産税の取扱い、間伐事業補助金の支出先など
                                 以上
**********

 当会会員は、上記上申書をFAXで市役所に送信した後、藤岡市役所の農林課長に電話をして、「12月20日午後4時に訪問するので森林簿の不実記載など諸々の問題に関して説明してもらいたい」と打診したところ、同課長は「少し広いが、第一会議室で、暖房を入れて待っている」との連絡をもらいました。

 そのため、当会会員は、市民オンブズマン群馬の代表の筆者を伴い、12月20日午後3時50分ごろ自宅を出発しましたが、途中で書類を入れたカバンを忘れたのに気が付き、一旦引き返した後、午後4時5分ごろ藤岡市役所に到着しました。

 そして、市役所の受付窓口で「農林課長がいるのか」と尋ねて、1階ロビーの右手の奥の相談コーナーで座って待っていたところ、黒っぽい背広を着た、一見反社組織を連想させる風体の人物2名が近づいてきました。そして当会会員と筆者に対して、「今日は、話が出来ないので引き取り願いたい」という趣旨の話をし始めました。


20241220藤岡市代理人からの圧力

 当会会員は「あんたは誰だ?」と訊ねると、黒装束の2名のうち、リーダー的な感じのひとりが「弁護士の福島だ」と名乗りました。もうひとりは「私は弁護士の清水だ」と名乗りました。福島と名乗る人物は当会会員に、清水と名乗る人物は筆者に対して、「帰れ」の一点張りで、詰め寄ってきました。

 当会会員は「私は事前に市役所に連絡を取り、聞きたい事があるのでここに来た」と弁護士を自称する福島と名乗る人物に説明しましたが、弁護士と称する人物は一方的に「帰ってくれ」の一点張りで、当会会員の説明を聞こうともしませんでした。そのため当会会員は「説明をしてもらわない限り、帰れない」と答えると、福島と名乗る人物は「警察を呼ぶ」と切り出しました。

 当会会員は、「どうぞ呼んでくれ」と言い、筆者も「なんなら、私のほうで呼びましょうか」と持ち掛けると、福島と名乗る人物は自ら携帯電話を取り出し、藤岡署に電話をしました。


20241220藤岡署から警察官4、5名が市役所に到着
https://youtu.be/wAWgS4xTnsg

 するとまもなく、藤岡署から4~5名の警察官が現場にやってきました。当会会員は、中島巡査(あとで警部補と判明)ともうひとりの若手の警察官に対して、なぜ我々が市役所にやってきて協議をする必要があったのか、その理由について丁寧に説明をしました。


20241220藤岡署警察官が当会会員に事情聴取
https://youtu.be/lcTEwTxSkyo

 しかし、警察の内部で、当会会員が長年に亘り直面してきた保安林を巡るさまざまな問題について、情報共有が不十分と見えて、警察官側はなかなか理解できない様子でした。

 そうするうちに、午後5時になり、なかなか退去しそうにない当会会員と筆者の様子を前に、藤岡市代理人の弁護士事務所に所属する弁護士らは、イライラ感を募らせました。そして、とうとう「まだ帰らないのか。なんども帰るように言ったのに、拒否し続けると不退去罪で警察に逮捕を要請するぞ」と脅し始めました。

 当会会員は「逮捕するなら、してくれ」と話しました。すると、業を煮やした高橋三兄弟法律事務所の福島と名乗る弁護士は、藤岡署の警察官にコソコソと何やら耳打ちをし始めました。耳を澄まして聞いていると、当該弁護士は「これから、(中島巡査の)面前で、自分がハッキリと『退去しなさい』とこの二人に告げるので、それを証拠に不退去罪で現行犯逮捕をしてもらいたい」と藤岡署員に指示をしました。

 そして、ひそひそ話を聞いた藤岡署員が頷くと、当該弁護士は居住まいを正し、直立姿勢を取ってから、我々に「帰れと何度も伝えた。なのに、未だにここに居座っているので、ここに正式に通告する。ただちに退去しろ!」と告げました。

 それを聞いた藤岡署員は、「そういうわけだから、ここから退去してもらいたい」と、弁護士の指示に従うような発言をしました。最初に市役所に駆け付けた時は「自分たちは中立だ」と言っていましたが、結局、弁護士と称する人物の指示には逆らえないようです。

 当会会員は、「事前に市職員に連絡をしてあり、その職員は『会議室の暖房を入れておく』と話していたのに、警察官がこのような態度をとるとはもってのほか。法律を破り、市民の財産である山林を8万㎡以上のっとっている藤岡市の見方をするのが警察なのか?逮捕するというが容疑は一体何か?」と抗議しました。しかし、藤岡署員は、しきりに弁護士のほうを気にしながら、次第に逮捕に踏み切る姿勢をし始めました。

 この様子を見ていた筆者は、「職員が会議室を用意して待っていると言ったのに、藤岡市長の代理人の弁護士を自称する人物が、『職員は誰も合わない』と断言し、この言葉を藤岡市長の発言として発している限り、ここに居ても埒が明かない。この場所は市役所の執務スペースではなく、パブリックスペースなので、本当に不退去罪が適用になるのかどうか、逮捕されてみるのも一つの選択肢だが、留置場はもっと寒いので、そろそろ帰ることにするか」と呟きました。当会会員も「そうするか」と同意したため、午後4時52分ごろロビーを出ることにしました。

 しかし、高橋三兄弟法律事務所所属の弁護士2名がしつこく付きまとうのは目障りなので、藤岡署員には「まず、この連中から先に退去してもらいたい」と告げました。


20241220ようやく市役所ロビーから退去させたと藤岡市代理人に報告する藤岡署員
https://youtu.be/rfEs74VfGbI

 その後、当会会員と筆者は、おもむろに市役所の玄関から外に出て、車内で暖をとりつつ、関係する市職員らに電話をしてみると、「弁護士から、ぜったいに午後4時に来庁する市民にあってはならないと言われた」ことがわかりました。それでも、車の外では、暗闇の寒さの中、藤岡署員のふたりは、ずっと待機を続けていました。

 不憫に思った当会会員は、藤岡署員らに「寒いから帰りなよ」と声を掛けると、警部補は「ふたりが帰るのを見届けないと、我々は署に戻れないので」と答え、藤岡市代理人の指示を厳守する決意のほどがうかがえました。

 そのため、当会会員は車を出したのですが、その後を警察の覆面パトカーがぴったりついてきます。そこで当会会員は一旦市役所前のとおりを進んだのですが、途中で折り返し、市役所の駐車場から自宅のある方向に近い出口の方に進路を変えて走行すると、なんと覆面パトカーも後をついてきます。市街地に出て、信号機に差し掛かり、ちょうど赤信号に代わるタイミングで通過すると、さすがにそこから覆面パトカーはついてこなくなりました。

 こうして、2回目の藤岡市役所との直談判は空振りに終わりました。当会会員は今後の対応について当会と相談しながら検討したいとしています。

■前回の市役所訪問通告に引き続き、今回も藤岡市代理人弁護士から妨害され、不退去罪での現行犯逮捕という事態に直面し、危く逮捕されそうになりましたが、この問題では、2023年3月に当会が藤岡市内の山林における虚偽の保安林設定により、民間同士による山林の売買取引に対して行政権限を盾に妨害を続ける群馬県知事と藤岡市長に対して威力業務妨害の容疑で告発状を提出しようとしたことがあります。

 昨年3月18日15時30分に当会は群馬県警捜査二課の中島刑事と面談し、当会会員と事業者により群馬県知事、藤岡市、多野東部森林組合に関する告発書を提示し、事情説明を行い、受理してもらいたいと申入れました。

 中島刑事の話は、「本件の事情や経緯はこれまでにも聞いており、今回の説明を聞くと、治山ダムや道路や保安林手続きの犯罪対象となるとされる行為の時期については、すでに時間が経過しており、時効の定義が適用されることになってしまうと思うが、唯一、偽計業務妨害はそうした定義とは別に現在直面している事件ということで、受理の可能性があるかと思う。しかし、自分のいる捜査二課は詐欺横領や公選法違反などの知能犯罪が担当であり、偽計業務妨害罪の犯行は捜査一課が担当となるので、あらためてそちらの方に相談してみてほしい」というものでした。

 そのアドバイスに基づき、2023年5月に改めて偽計業務妨害罪にかかる告発状を県警捜査1課に持参し、受理を求めたところ、捜査1課の刑事は「この告発状は弁護士もしくは司法書士に予め内容を精査してもらった文書なのか。そうでない限り、受理できない」として、写しすらしようとせず、問答無用で追い返されました。

■こうして、この問題は、我が国の森林行政を巡る補助金の不正受給にかかる森林組合を舞台にした巨額の行政犯罪の一環として、警察や検察、そして裁判所も機能不全の症状を呈しています。

 当会は、引き続き、藤岡市在住の当会会員に寄り添い、この問題の解決に向け尽力する所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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「東邦亜鉛が本業の亜鉛精錬から撤退!」で揺れ動く安中製錬所の周辺農地の土壌汚染対策はどうなるの?

2024-12-20 23:29:20 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

空から俯瞰した東邦亜鉛安中製錬所の様子

■12月19日の午後1時49分に地元のかたから、「東邦亜鉛の安中製錬所が亜鉛精錬から撤退するという情報を知り合いから聞いた」と筆者に電話がありました。さっそくネットで検索してみると、次の記事が見つかりました。

**********MIRU(Metal Information Resources Universe) 2024年12月18日18:59
東邦亜鉛 24年度末までに亜鉛製錬から撤退 二次亜鉛原料などに注力――阪和と業務提携
 東邦亜鉛が安中製錬所(群馬県安中市)の亜鉛製錬の一部ラインを2024年度末までに停止、環境ダストリサイクルの熔融設備に切り替える計画であることが18日わかった。小名浜製錬所の亜鉛焙炒炉と付随する硫酸工程も停止する。同日の発表資料などで、その方針を示した。亜鉛事業を対象に最大160人の希望退職も募る。また、同日には阪和興業と国内外における鉛・銀製品の拡販、鉱石・リサイクル原料の供給などで業務提携することも発表しており、一連の対策で事業再生を目指す。
 安中製錬所の亜鉛製錬の一部ラインの変更は、「事業再生計画および第三者割当増資の概要」などで示した。亜鉛製錬事業の今後の活動方針として、24年度末までに主要亜鉛精錬設備を停止すると明記。27年度以降、環境ダストリサイクル熔融設備の新設による二次亜鉛原料販売と貴金属回収を計画として、新たな方向性を示している。25‐26年度の2年間で溶融設備などの導入を進める。35億円を投資するという。
 小名浜製錬所については、亜鉛焙炒炉と付随する硫酸工程も停止する一方、既設の硫酸タンクを利用した濃硫酸の購入販売と薄硫酸の製造販売を継続、また24年10月に開始した新規事業であるLIBリサイクル事業に注力する。
 同日発表の阪和興業との業務提携は、①国内外における鉛・銀製品の拡販、鉱石およびリサイクル原料の供給、②製品および原料の相場価格変動のリスク低減の支援または価格ヘッジにかかわる負担の軽減――が柱になるとしている。
 事業面での支援を阪和興業から受けながら、アドバンテッジパートナーズ(AP)、辰巳商会に第三者割当増資を実施、75億円の資金を調達することで、事業再生を目指す。
 24年3月期の決算(連結)は、売上高が前の期比10.3%減の1308億300万円、純損失は464億5200万円だった。25年3月期の連結最終損益は54億円の赤字予想となっている。
(IRuniverse G・Mochizuki)

**********日本経済新聞2024年12月18日 18:53
東邦亜鉛、第三者割当増資で75億円調達 経営建て直しへ
 東邦亜鉛は18日、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(AP、東京・港)などを引受先とした第三者割当増資で、計75億円を調達すると発表した。市況変動や高コストな鉱山運営で財務体質が悪化している。増資で財務基盤を改善するほか資源事業の撤退など不採算事業の整理や希望退職にも取り組み、経営の建て直しをめざす。
 2025年2月に開く臨時株主総会の承認を得た上で第三者割当増資を実施する。APに加えて、運送業の辰巳商会(大阪市)からも5億円の出資を受ける。同時に阪和興業とも業務提携し、製品や鉱石の調達と販売面での強化をめざす。今後は鉛・銀の製錬を軸として、リサイクル事業を拡大していく。
 不採算事業の整理では25年3月期までに群馬県安中市の製錬所などの設備を停止する。オーストラリアに3カ所持つ亜鉛や鉛鉱山のうち2カ所を直近で売却しており、残る1カ所も早期に処分する。希望退職は亜鉛製錬の設備停止に伴い募集する。募集は25年2月から募り最大160人を見込む。
 同日、25年3月期の連結最終損益が54億円の赤字(前期は464億円の赤字)になる見通しだと発表した。売上高は前期比11%減の1162億円、営業損益は32億円の黒字(前期は6億9000万円の赤字)を見込む。

**********上毛新聞2024年12月19日06:00
東邦亜鉛 安中製錬所(群馬・安中市)の製錬設備停止へ 希望退職者募集、配置転換も

東邦亜鉛安中精練所=2021年
 東邦亜鉛(東京都港区)は18日、事業再生計画を発表し、2025年3月末までに亜鉛製錬事業の主力工場、群馬県の安中製錬所(安中市)の主要設備を停止することを明らかにした。設備停止に伴い希望退職者の募集や配置転換を行う。同製錬所では27年4月以降、亜鉛をリサイクルする新事業を計画しており、事業再編に乗り出す。

**********毎日新聞2024年12月19日
東邦亜鉛、創業地・群馬の製錬設備停止へ 25年3月末、事業再編

夜景で知られる東邦亜鉛安中製錬所=群馬県安中市中宿で2012年10月2日午後7時46分、角田直哉撮影
 東邦亜鉛(本社・東京都)は18日、事業再生計画を発表し、2025年3月末までに亜鉛製錬事業の主力工場である安中製錬所(群馬県安中市)の主要設備を停止することを明らかにした。同社の亜鉛製錬事業に従事する従業員については、今後、希望退職者の募集や配置転換を行うとしている。【庄司哲也】
 安中製錬所は、1937(昭和12)年に設立され、同社の創業地でもある。JR安中駅の裏手にある小高い山の斜面をはうように広がる製錬所は、夜景で有名なスポットになっている。現在約230人の従業員が在籍する。
 計画によると、亜鉛製錬事業は市況変動が大きく価格転嫁が困難な事業環境であるのに加え、近年の電力料金やエネルギー価格の高止まり、亜鉛鉱石の市況悪化で高コストの事業となっていた。また、これをカバーするため進出していたオーストラリアの3カ所の鉱山事業は操業不調で、大きな損失が出ていた。
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■上記のとおり、今年度末を目途に安中製錬所での亜鉛精錬事業を停止し、その後、鉄鋼ダストなどから亜鉛などを回収するリサイクル事業に転換するための設備投資をして2027年度から新事業を開始する方針であることがわかります。

 この報道に接し、現在筆者の住む安中市野殿地区では、カドミウム公害問題の原因者である東邦亜鉛安中製錬所から排出されて長年に亘り周辺部に降り注いでいる重金属を含む降下煤塵に起因する土壌汚染の解消のため、30年前から計画推進中の公害防除特別土地改良事業(公特事業)に対して、どのような影響があるのか、地元として大きな衝撃が走っています。

 東邦亜鉛安中製錬所を巡るカドミウム公害に長年取り組んできた安中緑の大地を守る会(前身は安中公害訴訟原告団)の事務局によると、今年の新春に東邦亜鉛(株)本社で執り行われた新春賀詞交換会に出席した安中市の岩井均市長に対して、同社トップから「将来的に安中事業所でリサイクル事業を計画している」との説明が有ったということで、さっそく市長のFace Bookをチェックしました。

**********岩井均Face Book 2024年1月12日(抜粋)
都内で開かれた【信越化学工業(株)新年賀詞交歓会】に参加し、斉藤社長や上野専務、群馬事業所の佐藤所長や土居事務部長等と懇談しました。
群馬では「西の信越、東のSUBARU」と言われる位、売上高や利益がある超優良企業であり、安中市の雇用や税収、地域活動等で大きく貢献して頂いています。
その後、東邦亜鉛(株)に伺い、伊藤社長等と懇談しました。安中製錬所は今後、リサイクルに力を入れていくとのこと。SDGsを推進する企業として素晴らしい取組だと思います。
本市として両社は、東京に本社がある2大上場企業です。今後も企業と市が連携協力し、本市の発展を図りたいと存じます。

(当会注:左から岩井均・安中市長、今井力・東邦亜鉛取締役(監査等委員)、伊藤正人・東邦亜鉛代表取締役社長、大久保浩・東邦亜鉛常務執行役員総務本部長)

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 また、今年4月6日に開催された同社安中製錬所の工場視察会でも、筆者の質問に対して、会社側から「スラグ置場を空っぽにしているのは、新事業の立ち上げを想定している」という趣旨の説明がありました。ところが、新事業についての具体的な説明を参加者から求められても、会社側の司会者は「現時点では未定で、自分自身も知らないし承知していない」の一点張りでした。
○2024年4月14日:三分咲きのサクラの中で開催された東邦亜鉛安中製錬所第33回工場視察会の一部始終(後編

 ということは、今年の始めには同社の上層部として、苦境を打開するための方策として、事業転換については既に相当な議論を交わしていて、「環境リサイクル事業に舵を切る」方針が決まっていたものとみられます。

 前述の通り、同社の2024年3月期の決算(連結)は、売上高が前期比10.3%減の1308億300万円、純損失は464億5200万円であり、今回12月18日公表の2025年3月期の連結最終損益予想は売上高が前期比11%減の1162億円、営業損益は32億円の黒字(前期は6億9000万円の赤字)を見込むものの、連結最終損益は54億円の赤字(前期は464億円の赤字)としています。

 東邦亜鉛の財務履歴を見ると、財務基盤の指標となる自己資本比率が昨年末から急落しており、一時2.8%を記録したあと、現在も6.4%と低迷しています。


 通常、自己資本比率が50%以上の場合は、一般的に優良企業という評価がされています。また、自己資本比率が20%~49%の場合は、標準的な資金力であると言えます。一般に、自己資本比率が40%以上あれば財務は比較的安定していると考えられ、倒産リスクは低いと判断されることが多いようです。

 そして自己資本比率が19%以下の場合は、資金力が低い状態とみなされます。すぐに経営状態が悪化するとは言い切れないものの、業種や事業内容によっては負債総額が資産総額を上回る「債務超過」のリスクも考えられます。

 東邦亜鉛の場合は、自己資本比率が一時、一桁台の2.8%まで落ち込んだだめ、債務超過のリスクが現実的となったことから、支援してくれる相手を必死で見つけ出す必要があったわけです。なぜなら、自己資本比率がマイナスの場合はすでに債務超過の状態になるため、全資産を売却しても負債を返済することはできなくなるからです。

■今回、環境リサイクル事業に活路を見出す方針を打ち出した東邦亜鉛ですが、種々の金属、そしてLIB(リチウムイオン電池)や太陽光パネルのリサイクル事業は、既存および新規参入企業も多いように見受けられます。そのため、一にも二にも技術的なアドバンテージを持ち合わせているかが、事業転換の成否のカギを握ります。

 このため、同社が記者発表したような筋書き通りに行くかどうか、いずれにしても、今後2、3年はイバラの道が待ち受けているのではないかと危惧されます。

 同社のHPに掲載されている公表資料や、増資に応じたアドバンテッジパートナーズ(AP)社のHPの記事などから、東邦亜鉛の取締役9名のうち、過半数の5名が70億円と引き換えに第三者割当増資を受けるAP社からの派遣者が占めることとなるようです。AP社の増資分70億円のうち30億円が優先株式となることから、実質的に東邦亜鉛はAP社に身売りしたようなかたちです。既存の株主がこの増資を受け入れるかどうかは来年2月27日の臨時株主総会次第ということで、まだまだ東邦亜鉛の動向から目が離せません。

 資本金146億円(来年2月に75億円増資予定)の東邦亜鉛の株価は本日の時点で542円とあり、年初来の安値でストップ安となっていますが、AP社への優先株式は1株1000円で300万株あり、劣後株式は1株256.6円で1754万株と乱発しており、これでは投資家の間で嫌気がさすのも無理有りません。

 今年4月の東邦亜鉛安中製錬所における工場視察会後の質疑応答で、会社側から「スラグ置場を新事業の為空っぽにする」という説明がありましたが、これは鉄鋼ダストや各種メタルダストなど、都市鉱山的な産業廃棄物を原料としてストックするためであることが、今回の同社の記者発表で裏付けられたことになりました。

 また、安中製錬所では電解工程を廃止し、環境ダストリサイクル熔融設備を導入し、これまでの電解工程で生じた残差をロータリーキルンに投入して蒸し焼きにして粗酸化亜鉛を回収したプロセスではなく、高温の溶融炉で、各種業界工程から発生する環境ダストを溶かし、亜鉛や鉛を揮発させて酸化亜鉛や酸化鉛で回収するプロセスに変えるようです。

 そうすると、公害防止設備もそれに対応したものにする必要があると思いますが、どこまで降下ばいじんが減らせるのか、注目したいと思います。

 資本構成が大幅に変動するため、地元の公特事業に対する東邦亜鉛の姿勢がどのように変わるのか否か、来春4月上旬に実施予定の安中製錬所工場視察会で、会社側がどういう対応や説明をするのか、大変関心が持たれます。

■また、来年度と再来年度は、安中製錬所における亜鉛精錬事業がストップするわけで、同社の売上高が相当量落ち込むことは必至で、この間、基盤・成長事業として東邦亜鉛が期待する「鉛、環境リサイクル、電子部品、電解鉄」が思惑通り年間40億円以上の利益を生み続け、その他の事業で損失が出ないかどうか、綱渡りだと思います。安中製錬所もリストラの嵐が吹き荒れるのでしょうが、そうなると公特事業の推進についても、東邦亜鉛は政治力を使い、されにあれこれ先送りするための圧力を行政に加えるのではないか、と懸念されるところです。

 引き続き、今後の同社の動静について、公特事業推進委員会の会長を仰せつかっている筆者として、重大な関心を向けてゆく所存です。

【市民オンブズマン事務局からの報告】

※参考情報
**********2024年12月19日15:00
群馬県「情報収集進める」――東邦亜鉛の亜鉛製錬事業撤退による安中製錬所一部停止で
 2024年度末をめどに亜鉛製錬事業からの撤退を表明した東邦亜鉛の事業再生の動きを受けて、主要拠点である安中製錬所がある群馬県では情報収集を急いでいる。県の担当課では「昨日の今日で新聞報道以上の情報は手元にまだない。安中製錬所とは19日朝も連絡をとったが、会社から直接話を聞く機会も今後出てくると思う」と、事態の推移を注視している。

**********レイルラボ2024年12月20日17:02更新22:53
“安中貨物”廃止へ…東邦亜鉛、2024年度末に亜鉛製錬事業を停止

EH500形 2018年03月03日撮影©レイルラボ FM-805Dさん
 大手非鉄金属メーカーの東邦亜鉛(とうほうあえん)は、2024年12月18日付けで事業再生計画の事業支援を目的とした阪和興業との業務提携契約を締結したと発表しました。
 同社は、不採算事業からの撤退・再編計画として、2024年度末までに主要亜鉛製錬設備を停止するとのこと。このためJR信越線 安中駅近くの安中精錬所(群馬県)なども閉鎖されるとみられ、鉱石を運搬する貨物列車輸送「通称:安中貨物」が終焉を迎えることとなりそうです。
 安中貨物は、東邦亜鉛が福島・小名浜製錬所から群馬・安中製錬所へ焼鉱を輸送するために、福島臨海鉄道から常磐線・高崎線・信越線等を経由して運転されている貨物列車。同社は1969(昭和44)年から、専用タンク貨物列車「東邦号」の運行を開始。現在はJR貨物EH500形電気機関車が、トキ25000形貨車やタキ1200形を牽引しています。

トキ25000形 2018年03月03日撮影©レイルラボ FM-805Dさん

タキ1200形 2024年08月11日撮影©レイルラボ Tsurugi2999さん

**********上毛新聞2024年12月20日06:00
「群馬を代表する工場」「停止は残念」…東邦亜鉛の安中製錬所設備停止で

東邦亜鉛安中製錬所(2012年撮影)。夜景の名所としても知られている
 東邦亜鉛(東京都港区)の亜鉛製錬事業の主力工場である安中製錬所(群馬県安中市)の主要設備停止の発表から一夜明けた19日、地元関係者から「残念だ」との声が広がった。
 県商工会議所連合会の金子昌彦会長(68)は「安中というより県内を代表する工場だったので残念だ」と述べた。
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東電福島第1原発事故の群馬県民への影響・・・安中市における本日の放射線量(2023年2月~)

2024-12-01 13:28:42 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

2024年11月30日(土)午前07時10分  0.074μSv/h

2024年11月29日(金)測定未実施
2024年11月28日(木)測定未実施
2024年11月27日(水)午前07時40分  0.070μSv/h
2024年11月26日(火)午前05時55分  0.066μSv/h
2024年11月25日(月)午前06時50分  0.065μSv/h
2024年11月24日(日)午前05時55分  0.070μSv/h
2024年11月23日(土)午前06時10分  0.074μSv/h
2024年11月22日(金)午前06時50分  0.065μSv/h
2024年11月21日(木)午前05時45分  0.073μSv/h
2024年11月20日(水)午前05時10分  0.064μSv/h
2024年11月19日(火)午前06時25分  0.071μSv/h
2024年11月18日(月)午前06時40分  0.060μSv/h
2024年11月17日(日)午前06時50分  0.067μSv/h
2024年11月16日(土)午前05時25分  0.070μSv/h
2024年11月15日(金)午前06時20分  0.065μSv/h
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2024年11月11日(月)午前07時20分  0.072μSv/h
2024年11月10日(日)午前05時50分  0.066μSv/h
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2024年10月27日(日)測定未実施
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2023年12月30日(土)午前03時10分  0.076μSv/h
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2023年04月27日(木)午前05時20分  0.065μSv/h
2023年04月26日(水)午後04時40分  0.070μSv/h
2023年04月25日(火)午前06時50分  0.079μSv/h
2023年04月24日(月)午前06時40分  0.081μSv/h
2023年04月23日(日)午前05時55分  0.080μSv/h
2023年04月22日(土)午前05時35分  0.072μSv/h
2023年04月21日(金)午前05時25分  0.074μSv/h
2023年04月20日(木)午後01時20分  0.066μSv/h
2023年04月19日(水)午前10時10分  0.076μSv/h
2023年04月18日(火)午前08時00分  0.077μSv/h
2023年04月17日(月)午前07時30分  0.072μSv/h
2023年04月16日(日)午前07時00分  0.086μSv/h
2023年04月15日(土)午前05時00分  0.075μSv/h
2023年04月14日(金)午前06時35分  0.072μSv/h
2023年04月13日(木)午前06時15分  0.076μSv/h
2023年04月12日(水)午前06時50分  0.079μSv/h
2023年04月11日(火)午前06時30分  0.077μSv/h
2023年04月10日(月)午前06時30分  0.076μSv/h
2023年04月09日(日)午前09時00分  0.074μSv/h
2023年04月08日(土)午前06時50分  0.077μSv/h
2023年04月07日(金)午前06時55分  0.071μSv/h
2023年04月06日(木)午前06時30分  0.069μSv/h
2023年04月05日(水)午前05時55分  0.077μSv/h
2023年04月04日(火)午前06時50分  0.077μSv/h
2023年04月03日(月)午前06時30分  0.071μSv/h
2023年04月02日(日)午後10時00分  0.084μSv/h
2023年04月01日(土)午前07時00分  0.075μSv/h

2023年03月31日(金)午前06時15分  0.072μSv/h
2023年03月30日(木)午前06時15分  0.071μSv/h
2023年03月29日(水)午前07時05分  0.081μSv/h
2023年03月28日(火)午前05時25分  0.066μSv/h
2023年03月27日(月)午前07時05分  0.069μSv/h
2023年03月26日(日)午前06時50分  0.076μSv/h
2023年03月25日(土)午後06時10分  0.087μSv/h
2023年03月24日(金)測定未実施
2023年03月23日(木)測定未実施
2023年03月22日(水)測定未実施
2023年03月21日(火)測定未実施
2023年03月20日(月)測定未実施
2023年03月19日(日)午前06時20分  0.074μSv/h
2023年03月18日(土)午前05時20分  0.073μSv/h
2023年03月17日(金)午後10時10分  0.081μSv/h
2023年03月16日(木)午前07時10分  0.073μSv/h
2023年03月15日(水)午前07時20分  0.078μSv/h
2023年03月14日(火)午前06時50分  0.073μSv/h
2023年03月13日(月)測定未実施
2023年03月12日(日)午前06時50分  0.074μSv/h
2023年03月11日(土)午前07時15分  0.075μSv/h
2023年03月10日(金)午前05時50分  0.080μSv/h
2023年03月09日(木)午前06時35分  0.074μSv/h
2023年03月08日(水)午前07時40分  0.075μSv/h
2023年03月07日(火)午前05時30分  0.068μSv/h
2023年03月06日(月)午前05時00分  0.071μSv/h
2023年03月05日(日)測定未実施
2023年03月04日(土)午前06時15分  0.068μSv/h
2023年03月03日(金)午前07時10分  0.068μSv/h
2023年03月02日(木)午前05時35分  0.080μSv/h
2023年03月01日(水)午前06時50分  0.074μSv/h

2023年02月28日(火)午前06時20分  0.079μSv/h
2023年02月27日(月)午前11時10分  0.068μSv/h
2023年02月26日(日)午前05時10分  0.069μSv/h
2023年02月25日(土)午前06時30分  0.071μSv/h
2023年02月24日(金)午前04時45分  0.068μSv/h
2023年02月23日(木)午前07時50分  0.083μSv/h
2023年02月22日(水)午前05時05分  0.075μSv/h
2023年02月21日(火)午前05時30分  0.071μSv/h
2023年02月20日(月)午前07時40分  0.067μSv/h
2023年02月19日(日)午前05時30分  0.071μSv/h
2023年02月18日(土)午前07時15分  0.073μSv/h
2023年02月17日(金)午前06時25分  0.081μSv/h
2023年02月16日(木)午前07時15分  0.076μSv/h
2023年02月15日(水)午前06時25分  0.065μSv/h
2023年02月14日(火)午前09時20分  0.076μSv/h
2023年02月13日(月)午前08時00分  0.078μSv/h
2023年02月12日(日)午前07時10分  0.076μSv/h
2023年02月11日(土)午前06時05分  0.073μSv/h
2023年02月10日(金)午前06時40分  0.074μSv/h
2023年02月09日(木)午前05時55分  0.071μSv/h
2023年02月08日(水)午前08時10分  0.067μSv/h
2023年02月07日(火)午前06時15分  0.073μSv/h
2023年02月06日(月)午前07時20分  0.065μSv/h
2023年02月05日(日)午前04時35分  0.080μSv/h
2023年02月04日(土)午前07時10分  0.082μSv/h
2023年02月03日(金)午前07時00分  0.074μSv/h
2023年02月02日(木)午前05時55分  0.075μSv/h
2023年02月01日(水)午前06時10分  0.072μSv/h


※2011年7月から計測を続けてきましたが、本文が3万字を超えたため、2014年8月と2018年1月と2021年5月に更新した後、この度再び本文が3万字を超えたため、新たなファイルを作成しました。引き続きご愛読ください。(2023年2月2日朝)

【2023年1月までの記録】
東電福島第1原発事故の群馬県民への影響・・・安中市における本日の放射線量(2021年5月~2023年1月)
https://blog.goo.ne.jp/ogawakenpg/e/4843f56989e0202a1a08f109d3574943

【2021年4月までの記録】
東電福島第1原発事故の群馬県民への影響・・・安中市における本日の放射線量(2018年1月~2021年4月)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2535.html

【2018年1月までの記録】
東電福島第1原発事故の群馬県民への影響・・・安中市における本日の放射線量(2014年8月~2018年1月)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1386.html

【2014年8月までの記録】
東電福島第1原発事故の群馬県民への影響・・・安中市における本日の放射線量(2011年7月~2014年8月)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/670.html

※使用する線量計について
 使用している線量計は、ベラルーシのATOMTEX社製の線量計(MKC-AT6130)です。この線量計は小数点2桁の表示のため、誤差±30%以内の数値を10回測定した平均を3桁で記録しています。
 カタログによるとATOMTEX社は、ベラルーシ共和国のミンスク科学研究機器製造研究所(Minsk Scientific and Research Instrument-Making Institute)の子会社として設立されました。この経験豊富な研究所で培われた原子力計測装置の幅広い経験を持つ高度な資格を持つ専門家が同社の中核チームを構成しているほか、工学研究センター、生産・サービス施設に200人のスタッフを擁しています。主な顧客はロシアとヨーロッパ諸国で、東電福島原発事故を契機に日本にも進出し、現在は日本が最大の市場とのことです。
 当会が使用する同社の線量計は、2012年7月にウラジオストックのDalRAO社の勧めで、現地調達した2台のうちの1台です。当時、食品の放射能汚染の実態を調査していた高崎市内の主婦グループの要請で購入したもので、もう1台は主婦グループが保有しています。

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安中市公用車の車検・保険切れ使用にかかる当会の告発状に関し前橋地検から「数日後に通知」と連絡あり

2024-11-20 20:42:24 | 安中市の行政問題

安中市副市長らが今年2月から4月にかけて乗り回していた車検切れ・保険切れの公用車ニッサン・リーフ(Sタイプ、5人乗り、2WD)電気自動車

■読者の皆さんは、車を所有し運転する方も多いかと思います。とりわけ群馬県の場合、公共交通が未発達ですが、道路網は充実しており、車無しでは生活が成り立たないほどです。実際に、2022年3月末時点の群馬県における自家用乗用車保有台数は138万1714台と全国第14位ですが、総人口でみた1人当たりの保有台数は0.696台で、全国第1位です。また、令和2年国勢調査による群馬県における人口に占める運転免許保有者の割合は72.1%で全国第2位です(1位は山梨県)。

 このように群馬県民と車とは切っても切れない関係ですが、自分が所有する車を運転する場合、車検切れかどうかは、運転席のフロントガラスに張り付けてある車検証で容易に確認できます。しかし、車検が切れていることを知らずに運転した場合、道路運送車両法違反になります。なぜなら道路運送車両法の第40条によると、自動車の構造が運輸省令で定めた保安基準を満たしていなければ、運行してはならないからです。

 ところが、我々一般住民の常識は、役人には通用しないかもしれません。なぜなら、安中市の場合、副市長をはじめ、秘書課職員らが2か月にわたり、車検の切れた公用車を乗り回したにもかかわらず、その責任を全くとっていないからです。安中市の車検切れ公用車の違法運行事件については、当会のブログ記事を参照ください。
○2024年5月17日:車検切れ公用車を乗り回していた安中市幹部が体現する行政ガバナンス欠如無責任体質の証左

■当会は、この事件に関して、複数の行政文書開示請求を安中市長宛に提出し、関連情報の開示を受け、内容を精査し、疑問点については、関係先に確認をしたりするなどして、裏付けを取りました。

 そして、安中市役所に対し、車検切れ公用車を乗り回していた安中市幹部や職員らはもとより、しかるべき監督責任を有する立場にある市幹部らの処分が適切に行われるよう、安中市役所に申し入れてきました。

 しかし、一向に関係者の処分が行われる気配がなく、職員課長に確認したところ、安中市職員の懲戒等に関する指針に照らして、車検切れ公用車の運転は、いわゆる「非違行為」にあたらないとして、何ら処分をするつもりがないことが明らかになりました。当会代表が職員課長に「市長にもきちんと処分について確認したのか」と訊いたところ、「市長も口頭での注意でよいと言った」とのことでした。さすがタゴ51億円事件を起こしてまでも、誰も未だに責任を取っていない稀有な市役所だけあります。

 一方、一般住民が車検切れの車を乗り回せば、当然警察沙汰となって、罰則なり罰金、そして免停処分を受けることは必至です。

 安中市のHPによれば、「なお、令和6年4月17日、安中警察署に報告いたしました」と公表していることから、警察は市役所の本件被疑者らに対して、何らかの処分、たとえば、免許停止や、道路運送車両法及び自動車損害賠償保障法に基づく罰則や罰金を科すはずです。しかし、これについても、安中市幹部や秘書課職員らは、その後免停はおろか、罰則や罰金を科せられた風情はありません。となると、安中警察署が本件不祥事について、なんら関心を示さずにいることが懸念されます。

■そのため、当会では、しかるべき処分を求めるため、次の2件の告発状を令和6年5月13日付で群馬県警本部長あてに提出しました。

*****5/13県警本部長あて市職員に係る告発*****

               告 発 状
                             令和6年5月13日

群馬県警察本部長 殿

                        告発人 小川 賢  印

   告発人    住  所   群馬県安中市野殿980
          氏  名   市民オンブズマン群馬
                 代表 小川 賢
          生年月日   昭和27年3月5日
          電話番号   090-5302-8312

   被告発人   住  所   群馬県安中市安中1−23−13(市役所住所)
          氏  名   企画政策部及び運転者
          職  業   安中市役所職員及び特別職の公務員(清水副市長)
          電話番号   027―382−1111(代表番号)

              第1 告発の趣旨

 安中市が4月18日に公表し、マスコミ各社にも報道もされた公用車の車検切れ及び自賠責保険切れの事案に関して、道路運送車両法第58条(無車検運転)、自動車損害賠償保障法第5条(無保険運転)などの諸法違反に該当すると思料するので、捜査の上、厳重に処罰されたく、告発する。

              第2 告発事実

 証拠資料(公文書)の車検切れの車両の運行記録参照。

             第3 告発に至る経緯

 令和6年4月18日に、安中市は、公用車の車検切れ及び自賠責保険切れの事案を公表し、当該車両が清水昭芳副市長も利用する車両であることを含め、マスコミ各社によって報道され事件を把握し、情報開示請求を行ない、5月8日に開示を受け、公表された事案が事実であり、安中警察署が責務の放棄、任務の違背の結果、犯人の放置に加担する行為を行なっていることを掌握した。
 当該車両の運行記録は公文書であり、違反行為の証拠能力を有することは、群馬県警察本部に確認をしており、安中警察署への報告などの記録については、群馬県警察本部より、安中警察署が隠蔽などを行わないように、安中警察署内、安中市役所内において、至急、証拠の押収・確保を希望する。
 なお、末筆ではあるが、告発人は、本件に関し、以後捜査に関して全面的な協力をすること、および、捜査機関の指示ないし許可なく決して取下げをしないことを、ここに約束する。

                                      以上

証拠資料
1 運転者を特定できる「公文書」である運行記録を含む情報開示文書(秘書課分)
2 同(資産活用課分)

*****5/13県警本部長あて安中署員に係る告発*****

               告 発 状
                             令和6年5月13日

群馬県警察本部長 殿

                        告発人 小川 賢  印

   告発人    住  所   群馬県安中市野殿980
          氏  名   市民オンブズマン群馬
                 代表 小川 賢
          生年月日   昭和27年3月5日
          電話番号   090-5302-8312

   被告発人   住  所   群馬県安中市原市707−2(警察署住所)
          氏  名   署長及び交通課
          職  業   警察官
          電話番号   027―381−0110(代表番号)

             第1 告発の趣旨

 安中市が4月18日に公表し、マスコミ各社にも報道もされた公用車の車検切れ及び自賠責保険切れの事案に関して、安中警察署は、安中市より4月17日に相談・報告があったにも関わらず、少なくとも情報開示のあった5月8日まで放置していた。これらは、本来、罰則として6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金や免許停止などの行政処分が科せられる道路運送車両法第58条に該当し、免許停止など、車を運転することのできない可能性のある違反者を、安中警察署が積極的に見逃していたという事実を示している。このことは刑事訴訟法、道路交通関連法のみならず、犯人隠避を行ない、さらに特定の人物である公務員らに「便宜供与」を行なったことを意味する。よって、本件は、警察官を辞するべき事件であり、組織的な犯罪行為であるので、司法警察官、法律の関わる職務・権限を鑑み、重大な責務違反と判じるため、厳重に処罰されたく告発する。

              第2 告発事実

 被告発人である安中警察署及び同交通課は、安中市公表に先立ち、令和6年4月17日に車検切れ及び自賠責保険切れの事案について報告を受けた。
 しかし、告発人が安中市より本件にかかる行政文書開示請求に基づく情報開示と説明を受けた同5月8日の段階で、安中警察署からの処分や対応についての連絡がないことを、安中市役所企画政策部秘書課・伊丹課長、中曽根係長からの説明で確認した。
 このことにより、公務員としての職権の濫用や、責務の放棄、任務の違背の結果、犯人の放置に加担する行為を繰り返していると思惟できることから、その犯罪性は極めて悪質である。

             第3 告発に至る経緯

 令和6年4月18日に、安中市は、公用車の車検切れ及び自賠責保険切れの事案を公表し、当該車両が清水昭芳副市長らも利用する車両であることを含め、マスコミ各社によって報道された。このため、本事件を把握した告発人は、安中市情報公開条例に基づき、行政文書開示請求を行なったところ、5月8日に関連情報の開示を受けた。その結果、公表された事案が事実であり、安中警察署が責務の放棄、任務の違背の結果、犯人の放置に加担する行為を行なっていることを掌握した。
 当該車両の運行記録は公文書であり、違反行為の証拠能力を有することは、群馬県警察本部に確認をしており、安中警察署への報告などの記録については、群馬県警察本部より、安中警察署が隠蔽などを行わないように、安中警察署内、安中市役所内において、至急、証拠の押収・確保を希望する。
 なお、末筆ではあるが、告発人は、本件に関し、以後捜査に関して全面的な協力をすること、および、捜査機関の指示ないし許可なく決して取下げをしないことを、ここに約束する。

                                      以上

証拠資料
1 運転者を特定できる「公文書」である運行記録を含む情報開示文書(秘書課分)
2 同(資産活用課分)
**********

■当会が開示された資料をはじめ、関係当事者の安中市役所の秘書課や職員課など関係部署、ならびに当該公用車を安中市に納入した群馬日産安中高崎西店に確認したところ、今回の公用車の車検切れ乗り回し不祥事件について、以下のことが判明しました。

(1)購入仕様書


(2)自動車検査証
   自動車登録番号:高崎300に8786
   登録年月日/交付年月日:令和3.2.4
   車名:ニッサン
   車台番号:ZE1-102091
   型式:ZAA-ZE1
   原動機の型式:EM57
   所有者の氏名:安中市
   有効期間の満了する日:令和6.2.3
   備考:〔群馬〕新規登録 自動車重量税免税
      〔31年度税制〕令和3.2.4新規登録 免税措置済み
             次回継続検査時の免税対策車
      平成28年度騒音規制車:騒音カテゴリM1A1A

(3)自動車損害賠償責任保険証明書
   標識の番号(車台番号):ZE1-102091
   保険期間:自 令和3.2.4 至 令和6.2.4
   保険料:¥30,170
   保険契約者の住所及び氏名:群馬県安中市安中1丁目23-1 安中市
   自動車損害賠償責任保険料:収納済 3.2.3 損害保険ジャパン株式会社

(4)当該公用車の調達経緯
 令和2年12月15日起案・同日決裁の起案用紙によると、安中市長茂木英子と群馬日産自動車株式会社代表取締役天野慎太郎との間で、「電気自動車(日産リーフ)の特命随意契約による物品購入契約締結」が決まった。

 電気自動車(日産リーフ)及び附属設備(以下「電気自動車」という。)の購入については、令和2年12月14日付安財第1733号で決裁し、契約金額3,623,138円(うち消費税及び地方消裁税の額325,409円)で、群馬日産自動車株式会社(前橋市城東町一丁目6番地の8)から、令和3年2月末日納期で、予算科目:2款1項5目2-2(庁舎管理事業)17節(備品購入費)により納品場所・安中市役所とした。
 なお、特命随意契約の該当性について、市は「電気自動車の購入については、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の2第1項第2号の規定(その性質又は目的が競争入札に適しないもの。)に該当すると考えられるため、随意契約によることとする」とし、理由について「鼈気自動車は、環境性能に優れ、二酸化炭素の排ガスがなく、騒音等も少ないことから次世代自動車として、期待されている車です。なお、電気自動車は安中市内の事業所が取り扱いできる自動車はなく購入後の車検、点検等のメンテナンス等を考慮した際に、群馬日産自動車株式会社からの購入と考え、特命随意契約といたしたい。また、蓄電池が搭載されていることから、可搬型給電器『パワームーバー』を使用することにより、電気機器に電力を供給することができ、災害発生時における避難所等の電力不足を補うこともできます。なお、可搬型給電器『パワームーバー』は、令和元年危機管理課において無償提供を受けております」とある。
 つまり、群馬日産から前年度に可搬式給電器をもらったので、その厚意に応えるべく、安中市は匿名随契で購入した。したがって、価格は群馬日産の言い値であり、極めて不透明な調達となっている。




(5)車検切れ発覚の経緯
 令和6年4月17日に秘書課職員が、EV公用車を使おうと起動したところ、全く動かず、パネルに異常を知らせる「販売店に要連絡」の表示が出たので、群馬日産の安中高崎西店に連絡した。同店はただちに積載車を差し向けて、EV公用車を積んで同店併設の整備工場に運び込んだが、車検が切れていることが判明。同店の整備責任者の話によると、「不具合は動力系のリチウム蓄電池ではなく、制御系の通常の鉛蓄電池が放電状態である」ことが判明。充電後、EV公用車の車検と自賠責保険を付保した上で納車した。

群馬日産安中高崎西店

(6)自動車運行日誌
 当該EV公用車の無車検・無保険期間中の運行記録は以下のとおり。


(7)安中署への報告
 安中市が今回の不祥事を踏まえて安中署の水野良大・交通課長に報告したとする文書は「R.C.Cシート」というタイトルのA4判1枚の文書。秘書課に「『R.C.C』の意味は何か?」と訊ねたところ、「いわゆる『報・連・相』と呼ばれるビジネス用語で、報告・連絡・相談を英語の「report・communication・consultation」のそれぞれの頭文字で表したもの」だという。
 この中で、安中市は、車検通知について「群馬日産高崎西店によると、車検の案内通知は、販売店で購入している場合は発送しているが、法人営業部からの購入の為発送していないと思われる(現在確認中)とのこと」と安中署に報告しているが、当会が直接同店の責任者に確認したところでは「安中市から、車検通知は不要と言われた」と説明された。
 安中市は「今後、庁内の調査が終了次第、議会に説明し、公表する」としているが、議会への説明と公表は4月18日に行ったという。
 また、配布先として市長のみチェックマークが付けられているだけで、肝心の副市長のところにチェックマークが見当たらない。秘書課の監督責任があり、自分自身、無車検車・無保険車を乗り回していた人物なのだから、イの一番に報告すべきではないか。あるいは、パワハラ体質の副市長に報告した場合の「叱責」を秘書課職員がおそれて報告するのをビビったのかも。



■5月13日に当会が県警本部長あてに、上記のとおり2件の告発状を提出した後、5月下旬に安中署が市役所に来て関係者からヒヤリングしたという情報が当会に寄せられました。このことは秘書課長も認めていました。

 そのため、当会の2件の告発のうち、安中署長と交通課を被疑者にした告発状が奏功したのかどうか確認する術はないものの、安中署は当会のもう一つの告発状の趣旨に基づき、捜査をしていることがうかがえました。

 そして、8月6日に当会代表の携帯電話に安中署交通課の高橋担当から電話があり「いただいた告発事件について、7月26日付で前橋地検に送致しました」との連絡がありました。

 その後、全く動きもなく、3カ月半が経過しようとした11月20日午前9時54分に当会代表の携帯電話に着信があったことを午前11時に知りました。電話番号にこころあたりがないため、さっそく11時6分に折り返し電話をしてみると、前橋地方検察庁であることが分かりました。

 すぐにピンときた当会代表は、逸る心を押さえつつ「1時間ほど前に電話をいただいたオンブズマンの小川と申します。農作業中で電話に出られずすいません」と告げました。

 すると電話に出たのは、ちょうど電話をした本人の検察官のかたでした。そして、「5月13日付で警察に告発された小川さんですね。安中署から7月26日に送致を受けた安中市役所の車検切れ公用車の件で、間もなく通知を出す予定ですが、封筒は前橋地方検察庁のロゴの入ったもので、宛先は告発状の住所でよろしいでしょうか。また、通知文の宛先は市民オンブズマン群馬代表小川賢さんでよろしいでしょうか」と確認を求められました。

 当会代表は「はい、それでかまいません」と答えました。

■これまで、当会では数々の告訴・告発状を警察や検察に提出してきましたが、いずれも突然、忘れたころに、とくに長い連休に入った直後のタイミングに合わせて、いきなり配達記録付き郵便で告発に関する通知文が送られてくることがもっぱらでした。

 こうして、事前にわざわざ電話連絡を受けたことは記憶にありません。検察官は電話口で「通知文の発送までに、あと数日程度かかります」とまで親切におっしゃっていただきました。

 となると、「もしや、今度こそは・・!!」と期待でワクワクした気持ちがフツフツを湧き出てくる高揚感を禁じ得ません。その一方で、これまで何度も味わった落胆や挫折感も沸き上がってきます。なぜなら、これまで数多く告訴・告発をしてきましたが、検察からいただいたのは不起訴処分通知ばかりだからです。

 やはり平常心で、おそくとも今月中には届くであろう前橋地検からの通知を、粛々と待ちたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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衆院選投開票を1週間後に控えた10月20日に思うこと

2024-10-20 22:52:20 | 政治とカネ


■10月9日の衆議院の解散を受けて、10月15日に第50回衆院選が公示され、10月27日の投開票に向けて12日間の選挙戦が繰り広げられています。自民党の政治資金問題や統一教会問題など、政治とカネにまみれた政治の改革を焦点に、物価高対策を含む経済対策や少子高齢化、教育、外交、防衛など国がかかえる各分野の課題を争点に、自民、公明両党の与党と、立憲民主党や日本維新の会などの野党各党が競っています。

 定数は465(小選挙区289、比例選176)で、過半数は233議席。立候補者数は小選挙区で1113人、比例代表単独で231人のあわせて1344人が立候補しました。前回3年前は1051人といまの制度が始まって以来最も少なくなりましたが、今回、293人増えました。与野党1対1の構図は36選挙区で全体の1割あまりに留まっていて、候補者数が前回より増えた理由として、野党間での調整が進まず、各党がそれぞれ候補者の擁立を進めたことが背景にあります。

 9月27日の自民党総裁選、10月1日の石破就任と新内閣の発足、10月8日の衆院解散、そして総選挙と、戦後最短のスケジュールでことが進んでいます。

■筆者の住む安中市は、高崎市の一部(旧群馬町・箕郷町・榛名町・倉渕村域)、渋川市、富岡市、北群馬郡、甘楽郡、吾妻郡とともに群馬5区に属しており、次の3名が立候補しています(敬称略)。
  氏名  /年齢/党派/新旧/当選回数/代表的肩書/重複
伊藤 達也/41歳/共産/新/-/党県書記長/-
小渕 優子/50歳/自(公)/前/8回/(元)党選対委員長/比例(北関東)
中島由美子/65歳/維新/新/-/(元)榛東村議/比例(北関東)

 選挙戦が始まってから4日目の10月18日に筆者の自宅に小渕優子候補から選挙葉書が届きました。消印を見ると「前橋中央 6 10.15」とあり、公示日に前橋中央郵便局で受け付けたことがわかります。


 字が小さいので判読しづらいのですが、公約らしき以下のスローガンが書かれています。

<希望溢れるくらしの実現>
【防災・減災対策 命を守る国土強靭化】
【暮らしを守る エネルギー政策】
【子育て支援、デジタル化でふるさとを守る】
【経済再生、持続可能な社会保障制度を創る】
【農業・工業・商業の振興 魅力あふれる群馬を創る】

 ところで、小渕優子候補と言えば、岸田内閣時代は、第11代自民党選挙対策委員長を務め、石破内閣では組織運動本部長に再度就任していることから、今回の選挙では、ほとんど地元で選挙運動をする暇がありません。事実、10月20日も昼間、東京と埼玉で応援演説に従事し、夕方帰郷して一部の地元で遊説していました。

**********NHK News Web 2024年10月20日18:51
衆議院選挙 投開票まで残り1週間 各党の幹部が演説し支持訴え

衆議院選挙は今月27日の投開票まで残り1週間となり、各党の幹部は日曜日のきょう駅前などで街頭演説し支持を訴えました。
<自民 小渕組織運動本部長>

 自民党の小渕組織運動本部長は東京 杉並区で街頭演説し「日本はまさに転換期にある。経済、子育て支援、防災・減災などに加え、安全保障環境も大変厳しい中にあるが、今、少しずつ明るい兆しが見えてきており、この流れを止めることがあってはならない。どの政党なら、皆さんの未来を切り開くことができるのか。自公連立政権こそ政治の安定につながり、日本を前に進めることができる」と述べました。
(以下省略)
**********

 なので、地元の群馬5区ではもっぱら遊説車でウグイス嬢による街宣活動がメインです。筆者の地元の安中市野殿地区ではこれまで1度、街宣マイクが聞こえたきりです。10月20日の小渕候補の遊説ルートを見ると以下のとおりです。

**********小渕優子オフィシャルブログ2024年10月20日
本日20日(日)の遊説車の運行ルートです。
本日は北群馬郡と渋川市をまわらせていただきます。
● 08:30 榛東さいとう医院 駐車場
● 10:00 ヤマダ電機前橋吉岡店 駐車場
● 14:30 JA渋川北群本所
にて拠点遊説を行います。
17:30頃からは、新たに群馬5区になった赤城・北橘地区で小渕優子本人が皆さまにご挨拶をさせていただきます。
■17:40 JA赤城たちばな赤城支所
■18:05 JA赤城たちばな本所
■18:55 上箱田集会所
■19:20 Aコープ北橘店
■19:35 たちばなの郷公園
■19:50 JA赤城たちばな八崎ふれあい館
近隣の皆さまにおかれましては、お騒がせをして申し訳ございません。温かなご声援をいただけますと幸いです。
昼間は、東京都内と埼玉県で応援予定です。
詳しくは自民党の「2024年 第50回衆議院選挙特設サイト」をご確認いただけますと幸いです。↓

**********

■ところで、小渕候補の選挙葉書や上記の応援演説内容を見ると、「政治とカネ」について全く言及していないのが気になります。

 くしくも10年前の2014年10月20日に当会は小渕優子経済産業相(当時)を東京地検に公職選挙法違反と政治資金規正法違反容疑で告発しました。

**********テレ朝News 2014年10月20日11:50
辞任の小渕経産大臣を刑事告発 群馬の市民団体

 小渕経済産業大臣の地元の群馬県の市民団体が、小渕大臣を公職選挙法違反などの疑いで20日午前、東京地検に刑事告発しました。
 市民オンブズマン群馬・小川賢代表:「(告発状は)公職選挙法違反と政治資金規正法違反容疑の2つを上げています」
 告発状によりますと、2010年と2011年の明治座の観劇会を巡り、参加費の一部を政治団体が負担したことは選挙人への利益供与にあたり、さらに、政治資金収支報告書の不記載か虚偽記載にあたるとしています。団体の代表は「きちんと実態解明を行う必要があると考え、告発に踏み切った」としています。

**********日テレNews 2014年10月20日10:38
小渕経産相辞任 市民団体が刑事告発へ

 小渕経産相の政治資金問題を巡り、群馬県の市民団体は、小渕経産相を公職選挙法違反などの疑いで刑事告発するという。
 公金の使い方などを調べている市民団体「市民オンブズマン群馬」は、この問題で20日、小渕経産相を公職選挙法違反と政治資金規正法違反の疑いで、東京地検に告発状を提出するという。
 小川賢代表は、「辞任して責任をとったことにされたのでは困る。司法当局にきちんと捜査してもらい、事実関係を解明してもらいたい」と話している。
**********

■今回の選挙も、相変わらず自民党による政治とカネの問題が取りざたされていますが、選挙が終われば、ふたたび政治改革はどこ吹く風とばかりに、旧態依然たる権力の継承が続くのではないか、となかば諦め気味の有権者も多いことでしょう。

 かといって、諦めてはなりません。今度こそ、と気持ちをあらたに、投票に行きましょう。

安中市役所1階ロビーの期日前投票所。筆者はできるかぎり期日前投票はしない方針。なぜなら、投票箱のカギは市職員が保管しておりいつでも開けられるリスクがあるから。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報
**********文春オンライン2024年10月16日(水) 16:00
小渕優子・組織運動本部長が代表 自民党群馬県連で約670万円が裏金化か 県連は支部に訂正を指示《政治資金規正法違反の疑い》
 自民党の小渕優子組織運動本部長(50)が代表を務める政治団体「自由民主党群馬県支部連合会(群馬県連)」から、他の自民党支部への支出計約670万円が支部側の政治資金収支報告書には記載されているにもかかわらず、群馬県連側の収支報告書に記載されていないことが、「週刊文春」の取材でわかった。政治資金規正法違反(不記載)の疑いがある。県連側から支部に対する支出の不記載を巡っては、県連代表の国会議員が刑事告発されたケースもあり、波紋を呼びそうだ。

組織運動本部長に起用された ©︎時事通信社© 文春オンライン
★石破政権で党7役の一角を占める組織運動本部長に就任★
 小渕氏は群馬5区が選挙区で、当選8回。2008年9月、麻生政権で戦後最年少の34歳で男女共同参画・少子化担当相として初入閣を果たし、2014年9月には、安倍政権で重要閣僚とされる経産相に就任した。ところが、その直後の10月、小渕氏の関係政治団体が開催した観劇会を巡り、政治資金収支報告書に不適切な記載をしていた問題が発覚。収支報告書への虚偽記載額は3億円を超え、2015年10月、小渕氏の元秘書2人には有罪判決が下された。
「しばらく表舞台から遠ざかっていましたが、昨年9月、岸田政権で選対委員長に就任。石破政権でも党7役の一角を占める組織運動本部長に起用された。地方組織や業界団体と連携して党組織を強化する役割を担う重要なポストです」(自民党関係者)
★「“裏金”から支出したことになり得る」★
 今回、明らかになったのは、そんな小渕氏が代表を務める群馬県連の政治資金規正法違反疑惑だ。例えば、2022年に自由民主党邑楽郡支部が群馬県連から供与された交付金として計上している135万1000円が、県連の支出としては記載されていない。こうした不記載の総額は、過去3年間で少なくとも計約670万円に及ぶ。
 政治資金規正法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「政治資金規正法違反(不記載)の疑いがあります。県連側が“裏金”を作っており、その“裏金”から支出したことになり得る。小渕氏自身に関する巨額の政治資金規正法違反事件や、派閥パーティの裏金事件を受け、一層の政治資金の透明化が求められている。小渕氏は説明責任が求められるでしょう」
鳥取県連の不記載疑惑では石破首相が刑事告発されている
 小渕事務所は事実確認に対し、以下のように回答した。
「ご質問の当県連から支部に交付された金員は、同支部が集めた党費の支部還付分です。支部に還付された党費は、同支部がその収支報告書の党費の記載欄に記載すればよいところ、同支部では党費の記載欄だけでなく、県連から供与された交付金の記載欄にも誤って二重計上してしまったものです。支部収支報告書の交付金の記載欄への記載は間違いですので、当県連から同支部に訂正するよう指示をしました」
 群馬県連の事例と同様に、支部への支出約128万円が収支報告書に記載されていなかったとして、鳥取県連代表の石破茂首相らが政治資金規正法違反の疑いで先日、刑事告発されたばかり。首相に続き、自らが要職に起用した小渕氏においても、同種の疑惑が発覚した形となり、政権の政治資金問題に対する意識の在り方が厳しく問われそうだ。
 現在配信中の「週刊文春電子版」および10月17日(木)発売の「週刊文春」では、「裏金候補を連続直撃&当落リストを緊急公開!」と題し、裏金事件に関与した萩生田光一元政調会長や西村康稔元経産相、高木毅元国対委員長をはじめ、旧安倍派の議員らを連続直撃し、その意外な当落予測についても報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)

**********文春オンライン2023年09月13日
“ドリル事件“以来9年ぶりの要職 「ファミリー企業に1400万円超」 小渕優子・選対委員長(49)に不透明な政治資金処理が発覚
 9月13日の内閣改造・党役員人事で、選挙対策委員長に就任した小渕優子氏(49)の関係政治団体が、2015年からの7年間で、1400万円以上を自身のファミリー企業に支出していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。
 関係政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で経産相を辞任して以来、約9年ぶりに要職に起用されたが、新たに不透明な政治資金処理が発覚したことで早くも説明責任が問われる事態になりそうだ。
 小渕氏は1996年、成城大学を卒業後、TBSに入社。1998年、父・恵三氏が首相に就任したのに伴い、TBSを退社し、私設秘書になった。2000年5月、恵三氏が急逝すると、地盤を継ぎ、翌6月の衆院選で初当選を果たす。
 2008年9月、麻生政権で戦後最年少の34歳で男女共同参画・少子化担当相として初入閣。2014年9月には、第2次安倍政権で重要閣僚とされる経産相に就任した。
★「完全に禊が済んだ」岸田首相が選対委員長に起用★
 ところが、その直後の2014年10月、小渕氏の関係政治団体「小渕優子後援会」などが開催した東京・明治座での観劇会を巡り、支出が収入を大幅に上回るなど、政治資金収支報告書に不適切な記載をしていた問題を「週刊新潮」が報道。
 東京地検特捜部が捜査に乗り出し、小渕氏は経産相を辞任。結局、収支報告書への虚偽記載額は3億円を超え、2015年10月、小渕氏の元秘書2人には有罪判決が下された。
「以降、小渕氏が要職に起用されることはなかった。しかし、今回、岸田首相は『完全に禊が済んだ』として党四役の一角、選対委員長に起用したのです」(政治部デスク)
 その後、小渕氏の政治資金はどうなっているのか。政治資金規正法違反事件が発覚した翌2015年以降の政治資金収支報告書を確認したところ、自身のファミリー企業に多額の支出をしている実態が浮き彫りになった。
 問題のファミリー企業とは、「光山商事」、「光山倉庫」、「光山電気工業」など、小渕氏の祖父・小渕光平元衆院議員(故人)が立ち上げた「光山社(こうざんしゃ)」の流れを汲む企業グループだ。中でも「光山商事」や「光山倉庫」は、取締役の大半が小渕姓で、小渕氏の従兄が社長を務めている。
★親族が関連する企業への支出が計1400万円以上★
 小渕氏の政党支部「自由民主党群馬県第五選挙区支部」や、「小渕優子後援会」の収支報告書(2015年~2021年)によれば、「光山商事」にガソリン代など、「光山倉庫」に倉庫使用料代など、「光山電気工業」に事務用品代などの名目で、計1400万円以上を支出していた。
 政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「政治資金には税金が含まれているので、その使途には厳正さが求められます。その意味で、親族が関連する企業への支出は、道義的な問題がある。どうしてもその企業に発注しなければいけない必然性があるのか、丁寧に説明すべきです」
 小渕事務所に見解を求めたところ、以下のように回答した。
「(ファミリー企業について)選挙区支部及び後援会の政治資金については、政治資金収支報告書記載のとおりです」
 だが、小渕氏の政治資金に関する疑惑はそれだけではなかった――。
 9月13日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および9月14日(木)発売の「週刊文春」では、小渕氏が、有罪判決を受けた元秘書が取締役を務める企業にも多額の政治資金を支出していた問題や、巨額の政治資金収入を支える意外な“タニマチ”、小渕氏が選対委員長に起用されるまでの経緯などについても詳報している。
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