市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

ありがとう2010年、ようこそ2011年

2010-12-31 22:29:00 | 国内外からのトピックス
■新年間近ということで、ロシアの来年のカレンダーを探しに、書店に行ってみました。驚いたことに、干支のウサギが描かれたカレンダーが沢山おいてありました。また、ネコの絵も沢山あり、中にはウサギとネコの両方が描かれたデザインのものもありました。



 日本や中国では、来年の干支はウサギということで、年賀状にもウサギの絵柄を使った人も多いかと存じます。ロシアにも干支というものがあるのか、と不思議に思い現地の人に聞いてみたところ、「来年の年のシンボルはウサギだ」というのです。というと、ロシアに干支があるの?と念押しすると、「干支というものはないが、シベリアはアジア的な文化や風習に影響を受けているので、干支と同じになったのかもしれない」とのこと。



 また、今年2010年のカレンダーには、アムール虎がデザインされたものもあり、「なるほど、干支と関連しているようだ」と信じたくなります。虎もネコ科なので、今年と来年の干支を一緒にしているのかもしれません。





 ウサギもネコも、愛らしい姿には共通性が有ります。来年が、ウサギのように飛び跳ねて飛躍の年になるのか、借りてきたネコのようなおとなしい年になるのかは分かりませんが、せめて愛くるしいウサギとネコのカレンダーをみて、年越しの癒しになれば幸いです。














 当会の会員及びブログの読者の皆様。今年一年大変ありがとうございました。ぜひ良いお年をお迎えください。

【ひらく会事務局】

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大晦日から1月半ばまで休みが続く厳冬のウラジオストクの師走模様

2010-12-30 09:42:00 | 国内外からのトピックス

■厳冬のウラジオストクは、昼間でも気温がマイナス10度前後で、夜にはマイナス20度以下になることもあります。日本で昨日が仕事納めだったところが大半ですが、師走のウラジオストクの様子をレポートします。

↑ウラジオストクの中央広場にある巨大なクリスマスツリー。↑

 ロシアの2011年の新年休暇は元旦から10日までだそうです。これは10月4日付でロシア連邦労働雇用庁の発表によるものです。

↑どこの職場にもこうしたツリーの飾りつけがしてあります。↑
 ロシアの労働法では1月1日から5日までと、1月7日のロシア正教のクリスマスが休日で、2011年の1日と2日は、土曜と日曜のため、それぞれ1月6日と10日に振り替え得られます。そのため、新年は10連休となるわけです。

↑殺風景なウラジオストク航空機内にも、この時期、新年の飾りつけがありました。↑
 実際には、ロシアでは旧暦のクリスマスとして1月12日、13日のお祝いをするので、これらは正式な休日ではありませんが、有給休暇をとって休む人が多く、結局、ロシアでは1月の15日までは実質的に仕事が動き出さないことになります。

↑新年用のヨルカという飾りつけに使う針葉樹の枝。この時期、道路わきで売っています。↑

 また、12月の最後の週は、日本と同様、各職場では忘年会が盛んに行われ、市内は夜遅くまで車で渋滞しています。ただし、飲酒運転の取り締まりは非常に厳しくなっており、車の運転者は、じっと我慢して家に戻ってから、思い切り飲むのだそうです。

↑新年用の食材を買い求める客。日本と似た光景です。↑

■12月31日は、日本の官庁の仕事納め同様、仕事はそこそこに終えて、職場でパーティーをして早めに帰宅するのが習慣で、新年の仕事始めの1月11日も同様だそうです。

↑昼でもマイナス10度前後のウラジオストク市内の道路は、このように除雪作業ならぬ除氷作業となります。滑って転ばないように、最新の注意が必要です。↑

 ウラジオストクの街中には、クリスマスのイルミネーションや、クリスマスツリーがあちこちに飾られていて、店先や、事務所の中にも、クリスマスの飾り付けがたくさん見うけられます。

↑なにしろ雪がコンクリートのように固まっているため、歩道の除雪もこのとおり大変な重労働となります。↑

 日本でもクリスマスを過ぎても、だいたい新年の松の内が終わるまではイルミネーションを点灯しているところが多いようですが、こちらでは、新年のカウントダウンからが本番で、12月25日の西側のクリスマスは予行演習みたいなものです。

 ロシアの職場では、労働法により有給休暇が年間24日だそうですが、ウラジオストクのような極東地区では、移住政策のためか、さらに8日ほど有給休暇が多く、合計32日だそうです。だから、容易に休みがとれる環境にあります。しかも、どこかの国と異なり有給休暇は全部消化しています。もし、事情で消化しきれなくても、雇用側は未消化の休暇分を買い取るシステムになっています。

 こうして、ウラジオストクの年の瀬が過ぎてゆきます。

【ひらく会情報部・海外取材班】

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今年も群馬銀行とタゴ事件関係者にサンタがもたらしたメリー・クリスマスの贈り物

2010-12-28 01:35:00 | 土地開発公社51億円横領事件

■先週の土曜日、12月25日のクリスマスに、今年も群馬銀行に、サンタクロースにより現金2000万円が届けられました。サンタは岡田義弘・安中市長でした。また、サンタである岡田市長自身をはじめとするタゴ事件の関係者にとっては、今年も無事に年末まで過ごせたという意味で、クリスマスを感慨深く過ごしたことでしょう。


 平成7年(1995年)5月17日の夕方から同18日にかけて、安中市市役所にある安中市土地開発公社で密かに発覚し、同年6月3日に新聞報道されるまでの間に、安中市が必死で証拠隠滅を図ったタゴ51億円事件は、その後の捜査で、安中市元職員の多胡邦夫の単独犯行とされ、平成8年(1996年)4月8日に刑事裁判の判決により、元職員が詐欺、横領、公文書偽造等の複合罪により懲役14年(未決勾留200日を含む)が下され、昨年9月に元職員は刑期を満了しました。(実際には半分程度で仮出所されたという情報もあります)

 一方、民事裁判では、群馬銀行が安中市・公社を相手取り、平成7年10月に貸金請求訴訟が提起され、平成10年(1998年)12月8日に裁判所による和解案を両者が受け入れて、初回いわゆる100年ローンとして、毎年12月25日に安中市・公社が群馬銀行に2000万円を支払うことで合意がされました。

■この合意は、民事法により、有効期限が10年ごとに切れるため、かつて市議会議員当時。公社の理事監事として元職員と長年にわたり非常に親しかった岡田市長は、たまたま10年目の和解案見直し時に安中市長に就任したことから、いち早く群馬銀行に対して、引き続き和解金の支払い継続を申し入れた結果、平成20年12月25日に、当初10年間の最後の和解金支払いを済ませた翌日の同12月26日に、次の誓約書を「証」として群馬銀行に差し入れたのでした。

**********
【岡田公社理事長+岡田市長→群馬銀行あてのタゴ尻拭いのための証】
     証
                            平成20年12月26日
株式会社群馬銀行 御中
    住 所 安中市安中一丁目23番13号 安中市役所内
    債務者 安中市土地開発公社 理事長 岡田 義弘
    住 所 安中市安中一丁目23番13号
    連帯保証人 安中市長 岡田 義弘
第1条 債務者は、前橋地方裁判所平成7年(ワ)第599号貸金・保証債務履行請求事件について平成10年12月9日成立の和解調書(以下、原調書という)にもとづき貴行に対して現在金18億5千万円也の債務を負担しているが、
 今般上記債務の支払方法を次のとおりとすることに合意する。

支払方法
 平成21年から10年間、毎年12月25日限り金2千万円宛支払う。その余については原調書第4項第3号のとおり。
第2条 保証人は、この変更を承認のうえ引き続き保証人となり、債務者と連帯して債務履行の責に任ずる。
第3条 この証に別段の定めあるもののほかは、すべて原調書の各条項を適用する。
以 上
**********

 こうして、先週の土曜日に、群銀に対して初回を含めると13回目、また、毎年恒例となってしまった12月25日のクリスマスに行われる2000万円の和解金支払いとしては、12回目となる群馬銀行へのクリスマスプレゼントとして現金が振り込まれたのでした。

 岡田市長は、このカネはあくまで安中市土地開発公社が群馬銀行に支払っているものであり、安中市には被害がなく、したがって安中市民にも被害がないという裁判所の主張をそのまま引用しています。当会は、公社時代に理事や監事をしていた岡田市長を含む歴代の公社理事監事らを相手取り損害賠償請求訴訟をしてきましたが、「安中市と公社は別法人であり、公社の損害は安中市の損害ではないため、市民には損害がない」として、前橋地裁で敗訴し、東京高裁も最高裁もそれを支持したため、この件では損害賠償請求ができませんでした。

■しかし、安中市が連帯責任を負っているからこそ、この和解案は成立しているのであり、そもそも群馬銀行への和解金そのものは、本来市民のために使われる公金であることから、それをタゴ事件でも元職員にきわめて協力的だった(一説によれば、共犯者がいたとする情報もある)群馬銀行に対して、今後あと91年間も支払いを継続しなればならないことを思うと、市民として納税者としてこれ以上の侮辱はありません。

 しかも、元職員は昨年9月21日(当会試算)に正式出所しており、ことしの4月には、当会が共犯とみなしてきた富岡在住の、元職員とは竹馬の友だった者と思しき人物から、一説には数億円の価値があるとみなされる絵画等6点が元職員の妻を介して、公社に寄贈されるという、とんでもない事実が発覚しました。

 タゴ事件では警察の捜査にもかかわらず公には14億4千万円余りが使途不明金となっています。また、元職員が購入していた巨額の骨董品や絵画等は、全て、古物商の資格を持つ人物が、栃木県や群馬県内の骨董商から購入しており、警察は元職員が出頭した平成7年6月3日から同年11月の出直し市長選の結果が出るまでは、これらの過程を全て捜査しており、それでもなお、巨額の使途不明金が残っていたのです。

■岡田義弘市長は、平成18年4月の合併市長選に当選後、同年6月に、さっそく安中市土地開発公社理事長に就任して、タゴ事件の民事にかかわる痕跡の最終仕上げにかかっており、今回の絵画等6点についても、あらかじめ定めたシナリオに従って、タゴ事件関係者に支持をだしているものと見られます。

 そのため、当会が、元職員から絵画等6点を預かっていた人物や、当該の絵画等6点についての情報開示を請求しても、黒塗りで開示してきたり、情報が不存在だとして、当会への開示を拒み続けてたりしています。

 当会は、引き続き、この件については、事件の全容解明に不可欠なものと捉えており、新年も徹底的に追及してゆく方針です。

【ひらく会情報部】

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サンパイ銀座として全国の業者が注目する岩野谷地区で住民による学習会開催

2010-12-27 23:44:00 | 全国のサンパイ業者が注目!
■東邦亜鉛が既に自家処理用のサンパイ処分場をいつの間にか作っていたという衝撃の地元説明会からわずか3日後の、平成22年12月21日(火)午後7時から、岩野谷公民館で地元有志による「岩野谷地区産業廃棄物処分場計画についての学習会」が開催されました。

 これは、「岩野谷の自然環境を考える会」(仮称)が、すでに廃棄物処分場と中間処理場が1か所ずつ稼働中で、さらに東邦亜鉛のサンパイ処分場がいまにも稼働しようとしている岩野谷地区に、さらに多くのサンパイ処分場計画が目白押しであることから企画された学習会で、当日は当会を含め22名が集まりました。

 この学習会は、今年6月7日に、廃棄物最終処分場建設計画が既に3ヵ所で行われている安中市岩野谷地区の地元住民代表ら5人が群馬県庁を訪れ、大沢正明知事あての住民1915人分の計画反対の署名簿を稲山博司副知事に手渡したことから、その後の経緯の報告も兼ねて開催されたものです。


岩野谷地区の廃棄物処分場計画地。このほかにも、水面下で蠢いている計画がたくさんある。
■当時、地元住民代表らから請願書を受け取った稲山副知事は「住民の不安は重く受け止める。制度上の制約や限界もあるので、よく検討したい」と述べましたが、当の副知事はその後総務省に戻っており、群馬県知事がどの程度この問題について、地元住民の請願を真面目に検討しているかは非常に疑問です。

 その群馬県でごみ最終処分場の設置許可権限を持つ群馬県環境森林部廃棄物政策課(TEL:027-2226-2861  FAX:027-223-7292)のホームページによると、岩野谷地区で現在事前協議中の最終処分場は次の3つです。

**********
事業者名/種類/設置場所/事前協謹書提出日/埋め立てる廃棄物の種類/縦覧場所
①エム・ケイ・エス(株)/管理型/安中市大谷宇長坂1200-1ほか/平成16年2月4日/一般廃棄物:焼却灰、産業廃棄物:燃え殼、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリー卜くず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ぱいじん、13号廃棄物/西部環境森林事務所027-323-5530
②昇健(株)/安定型/安中市大谷字長谷津815ほか/平成17年10月5日/産業廃棄物:廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリー卜くず及び陶磁器くず、がれき類/西部環境森林事務所027-323-5530
③(株)環境資源/管理型/安中市大谷字新山1259-2ほか/平成l8年7月7日/一般廃棄物:焼却残さ、不燃性廃棄物、産業廃棄物:燃え殼、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず、鉱さい、ばいじん、がれき類、動植物佳残さ、13号廃棄物/西部環境森林事務所027-323-5530
**********

■上記計画中の3か所のうち、産業・一般廃棄物の双方を扱う1ヵ所は事前協議の最終段階に入っており、隣接の吉井町では、業者が山林の所有者に、処分場の造成で発生した土砂の受け入れを打診しているという情報も入っており、状況は予断を許さない段階にあります。安中市の岡田義弘市長は、住民代表らには「絶対に同意しない」などと言っていますが、二枚舌なので信用できません。

 岩野谷地区では現在、廃棄物最終処分場1ヵ所と産業廃棄物の中間処理施設1ヵ所が稼働しており、高崎市と富岡市のそれぞれの一般廃棄物最終処分場(現在は満杯となり閉鎖中)も市境を越えた隣接地に存在しています。

■このような状況になった背景として、岩野谷地区では、平成の初めごろから廃棄物最終処分場の計画があちらこちらで出され、そのうち、住民による粘り強い反対運動にもかかわらず、とうとうサイボウ環境㈱による群馬県で3番目の民営による一般廃棄物の管理型最終処分場が平成19年4月から稼働を許してしまったことが挙げられます。その他にも、大和建設による廃棄物中間処理場が大谷地区の一番奥で稼働しています。

 岩野谷地区を構成する岩井、野殿(のどの)、大谷(おおや)の3地区のうち、野殿北部と岩井は東邦亜鉛安中製錬所によるカドミウム公害である重金属土壌汚染が深刻ですが、製錬所から距離のあった大谷と野殿南部は、幸い鉱毒による深刻な被害からは免れた格好になっていました。

■高崎の観音山の背中にひろがる丘陵地帯は、サンパイ業者にとって格好の処分場設置に適した地形となっています。このため、昭和50年代から、大谷に隣接する吉井町上奥平地区に、高崎市の公営最終処分場(現在は満杯になったため閉鎖中)を含め、民営の廃棄物処分場がどんどん建設され、新規設置計画を含めると10か所以上という異常な状態を呈しています。

 同じく大谷に隣接する富岡市も、市境のすぐそばに公営の最終処分場(現在は満杯になったため閉鎖中)を設置するなどして、隣接する大谷地区が既に業者によって狙われていたのでした。このあたりの経緯は、当会のブログに詳しく報告してあります。http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/278.html#readmore
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/279.html#readmore

■一方、野殿南部には、137ヘクタールもの広大な里山がほとんど手つかずの状態で残っていましたが、ここに昭和40年代後半に、朝日新聞グループの日刊スポーツがゴルフ場開発をもくろんで、およそ半分程度の山林を買収した段階で、昭和48年に発生したオイルショックにより計画が凍結されました。

 その後、再びバブル景気を迎えた昭和63年になり、飛島建設がゴルフ場開発を計画し、地上げ屋として九州の熊本にある再春館製薬の子会社で、九州山口組系の企業舎弟であるジャパンビラインターナショナル㈱が起用され、地元に入り込んできました。

 やがてバブル崩壊とともに、飛島建設のゴルフ場計画は頓挫しましたがら、地元有力者に取り入ったジャパンビラの圧力に屈して、日刊スポーツがジャパンビラを地上げ業者に起用して、残りの半分の未買収地の確保を開始しましたが、買収や賃貸を含めて全部の土地の手当てが終わった時は既にバブルがとっくに過ぎており、銀行からの融資が継続して得られなくなったため平成16年に日刊スポーツもゴルフ場計画を断念しました。

■ところが最近、日刊スポーツのゴルフ場予定地にサンパイの最終処分場や中間処理場の計画が浮上しており、日刊スポーツ側も、一説によると3億円で広大な里山を売り飛ばしたいと考えているという情報もあり、いまや関東エリアに残された貴重な里山の自然が風前の灯となっているのです。

 岩野谷地区は、東邦亜鉛安中製錬所の公害問題で、東邦亜鉛が地元の反対運動を弱体化させるために、カネをばらまいたため、拝金主義的な体質が育ってしまっていたことは事実です。

 前述のように大谷と野殿南部は、東邦亜鉛の鉱毒もなく、岩野谷地区の水源地として、安全な自然に恵まれていましたが、サンパイ業者による長年にわたる地元工作により、既に山林の地権者は日刊スポーツや業者の手に渡ってしまっており、中山間地農業への行政の無理解も手伝って、しかも、違法だらけの手続きを行政が黙認して完成したサイボウ環境の最終処分場が、絶好の見本となっており、今や全国規模でサンパイ業者の注目を集めている始末です。

■12月21日に開催された住民による学習会では、当会から、サイボウの最終処分場の17年間にわたる反対運動の経緯と、違法手続の実態について詳細に報告をしました。

 当会からの報告の趣旨は、「岩野谷に1か所でもごみ処分場を作られたら、もう歯止めが利かなくなるという危機感をもって、群馬県や安中市行政を相手取りサイボウの最終処分場設置手続の違法性に関して10数件もの住民訴訟を提起したが、全て敗訴したこと」や、「既に物故した住民の署名や押印をした申請書をサイボウが行政に提出したことについて、再三、警察に告発状を提出したがなかなか受理されず、ようやく受理されて警察が捜査したが、請負業者に罪をかぶせて、結局サイボウを見逃したこと」、さらには、「住民が証拠書類の入手のために、30年前に亡くなった父親が押印したという県道からごみ処分場までの私道取り付けのための交差点協議の境界確定にかかる同意書の個人情報開示を群馬県に申請したところ、なんと、群馬県と群馬県警が相談して、犯罪捜査にかかわる文書だとして非開示にし、住民の告発に対しても既に捜査済みだとして受理を拒否したこと」など、巨額の利権が絡む最終処分場問題の根深さについて説明しました。

 最後に、当会は、「かつて平成3年にサイボウの計画を知ってから、計画を阻止するために、地元で運動を展開し、立て看板の設置、学習会、署名活動、陳情、請願、新聞折り込みによるチラシの配布、住民訴訟など、ありとあらゆる方法でサイボウの最終処分場の設置を食い止めようとしたが、平成19年4月に稼働してしまった。今後はそれ以上の努力が必要になり、サンパイ業者と関係の深い知事や市長が現在就任してしまっているため、現在は非常に危険な状態にあり、彼らが住民を安心させるような言動をしても、決して信用せずに、徹底的に疑ってかかり、断固たる決意を持って住民運動を粘り強く展開してゆく覚悟が必要である」と締めくくりました。

■今後、サンパイ処分場計画に反対する群馬県西部の他のたくさんの地区のように、道路際に「ごみ処分場絶対反対」の立て看板を設置してゆく方針等が確認されましたが、当会にとって気になったのは、参加者の中に「ごみ処分場は1か所くらいは必要だが、こんなに沢山は要らない」という意見が見受けられたことでした。


学習会の配布資料。他地区ではこのように住民の反対意思をきちんと表明する看板が至る所に掲げてあるが、岩野谷地区では、サイボウのゴミ処分場反対の看板が3か所にあるだけ。↑

 これは政治家や行政の担当者がよく使う言葉で、「産業活動のためには、どうしても最終処分場が必要だ」という論理ですが、吉井町の上奥平地区を見ればわかるように、1か所でも設置されると、その時点では、その数倍もの設置計画がその裏で進行しており、食い止めるのが手遅れになるという実態です。

■東邦亜鉛が最新鋭の電解工場と自家用の巨大なサンパイ処分場を既に完成させて増産体制を固めた一方、重金属土壌汚染させた周辺の農地や住宅地を放置し、更にその上に造船による重金属の降下ばいじんを降り積もらせようと、いわば地区全体をサンパイ処分場としている現状を見るにつけ、岩野谷地区の住民にとって、試練の時が来ていることを痛感させられます。

【ひらく会事務局】


※参考資料
【群馬県産業廃棄物情報として群馬県のホームページに掲載中の情報】
群馬県環境森林部廃棄物政策課
TEL:027-2226-2861  FAX:027-223-7292
<産業廃棄物,環境に関ずる各種資料>
■設置計画を縦覧中の最終処分場及び焼却施設
1-1 事前協議書を縦覧中の最終処分場
(事前協議書は環境森林事務所又は環境事務所で閲覧できます)
事業者名/種類/設置場所/事前協謹書提出日/埋め立てる廃棄物の種類/縦覧場所
①エム・ケイ・エス(株)/管理型/安中市大谷宇長坂1200-1ほか/平成16年2月4日/一般廃棄物:焼却灰、産業廃棄物:燃え殼、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリー卜くず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ぱいじん、13号廃棄物/西部環境森林事務所027-323-5530
②昇健(株)/安定型/安中市大谷字長谷津815ほか/平成17年10月5日/産業廃棄物:廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリー卜くず及び陶磁器くず、がれき類/西部環境森林事務所027-323-5530
③(株)環境資源/管理型/安中市大谷字新山1259-2ほか/平成l8年7月7日/一般廃棄物:焼却残さ、不燃性廃棄物、産業廃棄物:燃え殼、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず、鉱さい、ばいじん、がれき類、動植物佳残さ、13号廃棄物/西部環境森林事務所027-323-5530
④新米産業(株)/安定型/吾妻郡嬬恋村大字芦生田字山腰782番ほか/平成18年5月8日/産業廃棄物:廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類/吾妻環境森林事務所0279-75-4611
⑤エコクリーンサービス(株)/安定型/草津町大字草津字前原1025-1ほか/平成19年5月18日/産業廃棄物:廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類/吾妻環境森林事務所0279-75-4611
⑥シオサイト(株)/安定型/草津町大字草津字白根464番134ほか/平成19年11月19日/産業廃棄物:廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類/吾妻環境森林事務所0279-75-4611

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ゴミ焼却場談合問題で居直るタクマに対し、腰が引け気味の安中市を当会が激励

2010-12-26 20:57:00 | オンブズマン活動
■当会は10月12日付けで、安中市のごみ焼却施設をめぐる談合問題に関して安中市監査委員に住民監査請求を出していたところ、11月30日に、配達証明付きで安中市監査委員から、棄却通知が届きました。

 その後、安中市の岡田義弘市長が11月30日開催の12月定例市議会に、安中市が12月定例市議会に、タクマの談合行為で損害を受けたことについて提訴するよう議決を求めた議案を上程したところ、12月3日に開催された安中市議会の文教常任委員会で賛成多数で継続審査となったことが新聞に報じられました。そして、12月13日の市議会本会議でも、同様に継続審査にすることが多数決で決まっています。

 一方、当会では、12月30日までの住民監査請求を踏まえた提訴期限に備えて、安中市がタクマに対して、本件の談合問題に関して、これまでに行っていたやりとりを確認し、住民訴訟に踏み切るべきかどうかの判断材料にすべく、12月6日に次の内容の情報開示請求を安中市に行いました。

**********
【開示を請求する行政文書の内容又は件名】
 平成22年11月29日付安監発第18201号で安中市監査委員から監査請求人に出された監査結果通知において、7ページめの「(2)安中市の対応」のこうにある次の情報:(1)審決確定を受け、平成22年2月19日に、安中市が㈱タクマに対して発したベン書提出にかかる要請書の類、(2)審決確定を受け、平成22年3月3日に、安中市が㈱タクマ等について行った4か月の指名停止措置に関する公告或いは公示を示す内容、(3)平成22年10月20日に、安中市が㈱タクマに対して送付した損害賠償請求書に関する情報(契約金額の10%+年5%の割合による遅延損害金)
**********

■この結果、12月16日に安中市から開示決定通知が届き、12月21日午前9時半から、市役所3階の304会議室で、請求した情報の開示を受けました。

 開示された情報はこのあと掲載しますが、開示に伴い、市民部長や碓氷川クリーンセンター所長らが同席しており、タクマごみ談合問題についての経緯を聞くことができました。

 それらを総合的に分析すると、安中市議会が、タクマの談合行為で損害を受けたことについて提訴するよう議決を求めた議案に対して継続審査とした理由は、やはり談合問題に精通している専門の弁護士の起用を前提としてないことだそうで、つまり、安中市の顧問弁護士である渡邊明男氏では専門分野が異なり、ほかに弁護士を捜さなければならないが、適当な人材が見つからないというものです。

 また、タクマに対して弁明書の提出を求めたところ、タクマ側から5ページにわたる弁明があり、その最後に、「もし仮に貴市が提訴に踏み切られた場合は、この点について貴市が立証することが必要不可欠になりますので、あらかじめご承知おきください」と、居直りともとれる一文が付されており、安中市としても、ごみ談合問題で裁判の経験のあるほかの自治体にもヒヤリングをして情報収集をしたところ、ごみ談合5社の結束が固く、タクマが起用する弁護士は、他の住民訴訟案件でも共通して名が挙がっており、その意味からも、談合問題に詳しく実績のある弁護士を立てない限り、到底勝ち目がないというふうに思っている様子がうかがえました。

 安中市の担当者は、そうした背景を説明したうえで、当会に対して、どうすれば勝ち目があるのか?と尋ねてきました。そこで、当会からは次のアドバイスをしました。

(1)岡田市長はこれまで弁護士をつけなくても、住民訴訟にたいして全て勝訴しており、市役所内にも法律に詳しい職員がいるので、裁判維持をするにあたっての支障はないこと。

(2)これまで全国のオンブズマンが自前で係争してきた膨大な数のごみ談合問題の判例は、全国市民オンブズマンのホームページ上や、各地のオンブズマンのホームページやブログに掲載されており、ネットでこれらを容易に検索できるので、これらの情報を参考にできること。(安中市の職員はこのことは知らなかったらしい)

(3)タクマを相手取って裁判をすることにより、岡田市長の掲げる「情報開示」「説明責任」という公約を果たすことになること。

■長年、ごみ焼却炉で莫大な利益を上げたタクマは、内部留保を積み増し、国内市場の先行きの需要が見込めない中で、技術開発や他社との連携で、現在は海外市場にも積極的に業務を展開しています。また、ごみ談合問題では、別の意味で、談合5社体制が危機感をもってスクラムを組んできており、前述の通り、専門の弁護士を何人も抱えており、係争については確かに手ごわい観があります。

 しかし、これまで市民オンブズマンが、限られた行政情報のなかで、公正取引委員会の提供する情報だけを頼りに、血のにじむような努力を傾注した結果、勝率8割の結果を残したのです。

 残念ながら、平成12年の地方自治法の改悪により、その後は住民訴訟では、直接業者を相手取って係争できなくなりましたが、安中市としては問題なくタクマを提訴することが可能です。

 したがって、安中市は決して臆することなく、業界大手のタクマを向こうに回して提訴することができる立場にあります。また、弁護士は、全国市民オンブズマンに連絡をすれば、優秀な弁護団をすぐに推薦してくれるはずです。もし、そのような意思があれば、当会も積極的に支援する用意があります。

 居直りともとれるタクマの姿勢は、このあとの弁明書や、損害賠償請求に対する回答書でもうかがえますが、内心は戦々恐々なのです。岡田市長と安中市議会は「談合は犯罪である」という強い認識のもとに、「説明責任」「情報公開」を公約として掲げる岡田市長の有言実行のためにも、タクマ提訴に踏み切ることが強く求められます。

 また、現在、碓氷川クリーンセンターの維持管理をタクマの子会社に外注している委託業務についても、他の企業の参入を検討するなど、タクマ依存の現状を打開する必要があります。なぜなら、安中市のごみ焼却施設も、すでに稼働後12年が経過しており、いずれ遠くない時期に、施設の更新という事態も想定されるからです。

■それでは、12月21日に開示された安中市とタクマとの間のやり取りに関する情報を見てみましょう。

**********
【市からタクマへの弁明書提出要請書】
       平成22年2月19日
兵庫県尼崎市金楽寺2丁目2番33号
株式会社タクマ
代表取締役社長 手 島 肇 様
        安中市長 岡田義弘
        (市民部クリーンセンター)
平成18年6月17日付け審決に対する弁明書の提出について
 貴社と安中・松井田衛生施設組合(現在は合併により安中市)における下記工事請負契約に関し、平成18年6月17日に公正取引委員会から平成17年法律第35号による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律54条第2項の規定による審決がなされました。
 しかし、貴社はこれを不服して、審決の取消しを求めるとともに、本市といたしましても、その後の推移を元守っていたところ、平成21年10月6日に最高裁判所から上告棄却の決定がなされ、最終的に公正取引委員会の審決が確定しております。’
 また、その審決に基づいて、貴社より平成22年1月19日付けで、今後は受注予定者を決定しない旨の通知が送付されました。
 以上の経過と審決の内容を詳細に検討すると、安中・松井田衛生施設組合の下記工事においても、入札前に不正に受注予定者として貴社か決定されていた(審決書22頁及び36頁)ことか推測されます。
 また、安中・松井田衛生施設組合の下記工事の落札率は99.76%であり、他の工事と比較して際だって高いことも、貴社が受注予定者と決定され、不正な受注調整が行われた証左とも考えられます。
 一般的に正常な入札が行われた場合は、業者間の「タタキ合い」により工事の受注価格が下がるとされ(審決書39頁)、現に本件審決で違法行為を行っていたとされた業者以外の平均落札率は、89.76%となっています。
 さらに、国(国土交通省言及び農林水産省)においても公正取引委員会により水門工事をめぐる談合への関与か認定された企業に対しては損害賠償請求を行っております。
 このため、本市としても市民への説明責任から、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第25条等に基づき、貴社への損害賠償請求も検討しなければならず、その判断資料として貴社から本件に関する弁明言の提出を求める次第です。
 なお、弁明書により個別の受注調整がなかったことの具体的な証拠又は確証が得られないとき、又は期日までに弁明書の提出がなかったときは、法的措置をとらせていただくことを申し添えます。
      記
1 工事名      ごみ処理施設及び粗大ごみ処理施設建設工事
2 契約日      平成7年6月23日
3 工事代金     6,485,910,000円
4 弁明書提出期日  平成22年3月31日まで
           上記期日までに提出できないときは、事前にご進絡ください。

【タクマから市への弁明書】
             平成22年3月26日
安中市長岡田義弘様
        兵庫県尼崎市金楽町2丁目2番33号
        株式会社 タクマ
         取締役社長 手島 肇
弁 明 書
 貴市からの平成22年2月19日付け「平成18年6月17日付け審決に対する弁明書の提出について」(以下、「求弁明書」といいます。)に対し、下記のとおり弁明申し上げます。
     記
(1)弊社内部での調査結果について
 求弁明書記載の安中・松井田衛生施設組合発注工事(以下、「本件工事」といいます。)
について受注調整があったか否かについては、これまで弊社内部でも調査を行ってまいりましたが、受注調整の事実を確認することはできませんでした。
 そのため、弊社といたしましては、本件工事については受注調整がなかったものと認識しております。

(2)審決での認定について
 本件工事については、平成18年6月27日付け公正取引委員会の審決(以下、「審決」といいます。なお、審決の日付けは6月17日ではなく6月27日です。)においても、受注調整があったとは認定されておりません。
 以下、貴市が求弁明書において引用されている部分に関し、誤解をされている点があるようですので、ご指摘させていただきます。
 審決書22頁及び36頁(正確には、審決書別紙1・22頁及び36頁)の部分は、審判での審査官の主張であって、審決における認定事項ではございません。これは審決書別紙1・39頁の部分についても同様です(審決書別紙1・11頁~40頁、「第3審査の主張」)。
 5社の受注調整に関する審決での認定事項は、審決書別紙1・113頁以下の、「第5審判官の判断」の部分であり、また、事実認定の結論部分は、
「5社は、違反行為期間において、前記(2)より、5社が受注予定者を決定したと具体的に推認される工事を含め地方公共団体の発注するストーカ炉の建設工事の過半について、受注予定者を決定し、これを受注することにより、地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注するストーカ炉の建設工事の取引分野における競争を実質的に制限していたものと認めることができる。」(審決書別紙1・180頁)
というものです。
 この点については、審査官が従来、
「5社が本件違反行為を行っていた平成6年4月1日以降平成10年9月17日までの間に、地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事の総発注件数は87件である。(別紙3)
 このうち、5社が受注した60件の工事(別紙3において網掛けした工事)が、本件合意に基づいて受注予定者を決定し、受注予定者が受注したものである。」(審決書別紙1・33頁)
と主張していたにもかかわらず、「審判官の判断」においては、「60件」ではなく「87件の工事の過半」という認定をしたものであり、裏を返せば、これは審査官の「60件」という主張が認められなかったことを示すものです。
 なお、当該「過半」の工事に87件の工事のうちどの工事が含まれるかということについては、審決の中では明記されておりませんが、本件工事は、審決か「具体的な証拠から、5社が受注予定者を決定したと推認される工事」として挙げている30件(審決書別紙1・179頁~180頁)の中にも含まれておりません。
 また、審決書別紙1・22頁の部分(査第106号証・2枚目及び査第107号証・1枚目による数値の積み上げに関する審査官の主張)については、審決書別紙1・145頁~146頁において審判官の判断か個別に示されており、結論としては、
「これらのことからすると、これらの7社の数値は、7社が入札に指名されるなどして加わった工事について、7社全体の落札の状況を数値化して把握しようとしたものであることは認められるが、審査官が主張するように、この数値の算定の対象とされた工事が5社が決定した受注予定者が荏原製作所及びクボタに協力要請を行い、その結果、両社の協力を得て受注した工事は受注予定者である5社それぞれの者に、両社から協力を得る代償として両社に受注させた工事は受注させた両社のいずれかの者に数値を加算したものであるとまでは認めるに足りない。」(審決書別紙1 ・146頁)
という認定がなされ、審査官の主張が明確に排斥されています。

(3)弊社からの通知文書について
 次に、弊社から貴市に対する平成22年1月19日付け通知文書についてですが、これは公正取引委員会からの排除措置命令の執行の一環として、公正取引委員会から指示のあった地方公共団体に対して一律に通知を行ったものに過ぎません。
 排除措置命令は確定した審決に基づいて執行されるものであり、審決で認定された内容については上記のとおりですので、本通知文書は、審決で認定された範囲(87件の工事の過半)を超えて、5社が受注予定者を決定していたというようなことを弊社が自認する類のものではございません。

(4)落札率について
 本件工事の落札率はこれまで未公表であり、弊社としては今回初めて知るところとなったと認識しておりますが(これまでに公表されていたという事実があればご指摘ください)、落札率の高さは、受注調整があったとすればこれと矛盾しないというだけであり、即座に受注調整に結びつくものではございません。
 落札率は各案件固有の事情(発注内容、当時の経済情勢・市況、各社の財務状況、予定価格の設定等)によって大きく変動するものであり、他の類似案件における判決でも落札率の高さのみをもって受注調整を認定したようなものはございませんし、また、現に審決においても、正常な入札が行われた場合は、業者間の「タタキ合い」により必ず落札率が下がるというような認定がされているわけでもございません。
 なお、審決における違反行為認定期間中の5社以外の業者の平均落札率については。求弁明書でご指摘されているとおりですか、5社を含めた全ての業者で平均落札が最も高いのはクボタである(審決書別紙1・177頁)という事実もございますので、単純にこれを本件工事の落札率と比較することは適切でないと思料いたします。

(5)アウトサイダーについて
 受注調整を行うには入札に参加する全てのアウトサイダーの協力か必要不可欠であるということについては、審決において「具体的な証拠から、5社が受注予定者を決定したと推認される工事」として挙げられている30件のうちの1つである「熱海市」工事の住民訴訟の控訴審判決において、東京高等裁判所が、
 「また、本件入札には、被控訴人ら5社以外にアウトサイダーである被控訴人ら2社が参加していたから、受注予定者を決めるためには、前記のように、本件協力が不可欠であるところ、本件入札において、被控訴人JFEらがアウトサイダーである被控訴人ら2社に対し本件協力の要請をした事実を裏付ける証拠はない。かえって、被控訴人ら2社は、本件協力を否定し(丁29の1、2)、上記山田メモには、『その物件に5社以外のメンバーが入った時は、タタキ合いになる。』との記載もあるのである。なお、控訴人は、アウトサイダーは、受注価格が下がらないようにするため、被控訴人ら5社の決定した受注予定者に協力するのであると主張するが、被控訴人ら5社がすべて独占して落札すれば、他の業者がこれに協力する意味はないから、談合業者とアウトサイダーとは利害が対立するものと考えるのが自然であり、そうでないとしても、談合に協力するには、何らかの具体的な見返りが必要であると考えられるが、本件全証拠によっても、被控訴人ら2社が被控訴人ら5社から本件協力の対価とみられるような利益を得た事実は認めることができない。」(同判決57~58頁)、
 「上記(イ)の事実関係によれば、少なくとも、上記(ア)の事実から、本件入札について本件協力が行われたと認めるには足りず、他に、この事実を認めるに足りる証拠は存在しない(なお、甲114号証及び甲66号証は、被控訴人住友重機についてはもとより、被控訴人クボタの本件協力の事実を裏付けるものではない(なお、甲94参照)。)。そうすると、受注予定者を定める仕組みか成就しないことになるのであるから、本件談合の成立も認めることができないというべきである。なお、控訴人は、アウトサイダーである被控訴人クボタ及び被控訴人住友重機と被控訴人ら5社との間で意思の連絡があったとは認められなかったとしても、被控訴人ら5社の談合により決定された受注予定者である被控訴人JFEが高い落札率で予定どおり落札した以上、不法行為が認められるかのごとき主張もするが、入札に参加したアウトサイダーの協力が認定できない以上、当該入札は『たたき合い』の場となり、談合によって不当に高く落札価格が決まるという関係は生じないという可能性を否定できないから、不法行為の成立を認めることはできないというべきである。j(同判決58~59頁)
といった判断を示し、本判決は上告審で確定しております。
 そこで、本件工事についてみると、そもそも、本件工事は、審決において「具体的な証拠から、5社が受注予定者を決定したと推認される工事jとして挙げられている30件の中にも含まれておりませんし、本件工事の入札には5社以外にも荏原製作所、クボタ、ユニチカ、三機工業といったいわゆるアウトサイダーが入札に参加しており、しかも、審判においては、これらのアウトサイダーか本件工事の入札に関する受注調整に関与したことが窺われる具体的証拠は何一つ提出されておりません。
 さらに、その中でも特に三機工業については、本件工事以外の工事においても、受注調整に関与していたことが窺われるような旨は審決では一切認定されておりませんので、この点だけをとってみても、本件工事で受注調整が行われていなかったとご判断いただくには十分な理由があるものと思料いたします。
 もし仮に貴市が提訴に踏み切られた場合は、この点について貴市が立証することが必要不可欠となりますので、予めご承知おき下さい。
 以上、上記(1)~(5)でご説明申し上げたとおり、本件工事において受注調整が行われていたと判断することは、客観的に見て合理性を欠くと思われます。
 重ねて申し上げますが、弊社は本件工事において、他の入札参加業者と共謀し、受注調整を行っていたというようなことはございません。
 貴市におかれましては、本弁明内容について、何卒ご理解を賜わりますようお願い申し上げます。
     以上

【住民監査請求を受けてのタクマへの損害賠償請求】
起案用紙
年 度    平成22年度
文書種類   発
文書番号   第15546号
保存年限   5年
受付年月日  平成22年10月19日
保存期限   平成28年6月1日
起案年月日  平成22年10月19日
廃棄年度   平成28年度
決裁年月日  平成22年10月19日
分類番号   大5 中5 小0 簿冊番号3 分冊番号5
完・未完別  完結
簿冊名称   庶務書類(5)
完結年月日  平成23年5月31日
分冊名称   公正取引委貝合の談合事案に開する書類
施行区分   重要
公 開    1 非公開 時限秘( 年)部分秘 全部秘  2 公開
起案者    市民部クリーンセンター管理係 職名 主査 氏名 小河原悟 内線(000)
決裁区分    市長
決裁      市長・岡田、部長・松岡、所長・大塚、係長・村田 公印・岡田
関係部課合議  総務部長・鳥越、財務部長・嶋田、保健福祉部長・大澤、産業部長・駒井、建設部長・大沢、上下水道部長・小板橋、松井田支所長・松本、議会事務局長・原、教育部長・本田、碓氷病院事務部長・上原、秘書行政課長・佐俣、契約検査課長・田村、秘書行政課文書法規係長・吉田
課内供覧    田島、萩原
宛 先 株式会社タクマ 代表取締役社長 手島 肇
差出人 安中市長 岡田 義弘
件名 ごみ処理施設及び粗大ごみ処理施設建設工事談合に対する損害賠償請求について(伺)
 上記のことについて、別紙のように送付してよろしいか伺います(別紙 枚)
 ごみ処理施設及び粗大ごみ処理施設建設工事談合問題について損害賠償請求書を別紙のとおり送付したい。
     記
1 請求内容 別紙のとおり
米10月20日 配達証明付き内容証明郵便(速達)にて、配送する

【タクマへの損害賠償請求書】
平成22年10月20日
兵庫県尼崎市金楽寺町二丁目2番33号
株式会社 タクマ
代表者 代表取締役社長 手島  肇 様
      群馬県安中市安中―丁目23番13号
      安 中 市
      代表者 安中市長 岡 田 義 弘
      担当課 市民部碓氷川クリーンセンター
損害賠償請求書
 平成18年6月27日、貴社他4社に対し、公正取引委員会から平成17年法律第35号による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」といいます。)第54条第2項の規定による審決がなされました。
 そこで、貴社他4社はこれを不服として、審決取消しを求め東京高等裁判所へ提訴されましたが、平成20年9月26日東京高等裁判所はその請求を棄却し、上告した最高裁判所においても平成21年10月6日に上告棄却の決定がなされ、公正取引委員会の審決が確定いたしました。
 当該審決により、貴社他4社が遅くとも平成6年4月以降行っていた、地方公共団体の発注する全連続燃焼式及び准連続燃焼式ストーカ炉の新設、更新及び増設工事について、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていた事実が確認されました。
 このため、平成7年6月23日付けで請負契約を締結した安中・松井田衛生施設組合(現在は合併により安中市です。)の下記工事(以下「本件工事」といいます。)も審決にあるような違法行為により、不当に高い価格で建設工事が行われたことになります。
 このことを受け、安中市としては貴社に対し弁明書の提出を求め、提出された弁明書の内容を詳細に検討いたしましたが、本件工事において受注調整が行われたとの疑惑が払拭できないばかりか、審決に対する反省もございませんでした。
 その後、この談合疑惑に関する件については、住民監査請求も提出されるに至っております。
 以上の経過から、本件工事において、独占禁止法第2条第6項に定める不当な取引制限があり、これは同法第3条の規定に違反するも・のであることは明らかです。
 そこで、本件工事の落札率は99.76%であり、同種の焼却炉建設工事において貴社他4社以外の業者が受注した工事の平均落札率が89.76‰であることから、契約金額の10%を損害金と判断いたしました。
 よって、独占禁止法第25条に基づき、損害金648、591、000円及びこれに対する工事代金最終支払日の翌日(平成10年5月30日)から支払い済みまでに関わる法定利率年5%の割合による遅延損害金を加算した金額をお支払いくださいますよう請求いたします。
 本請求書による支払いの諾否及び支払いの意思があるならばその方法について、あらかじめ平成22年11月10日までに書面にて回答してください。
 また、上記期限までにご回答なき場合、又は支払いの意思がないとのご回答の場合には法的措置をとらせていただくことを併せて通知いたします。
       記
工事名    ごみ処理施設及び粗大ごみ処理施設建設工事
契約日    平成7年6月23日
工事代金   金6,485,910,000円
工事代金支払最終日  平成10年5月29日

この郵便物は平成22年10月20日第139-01 22888-0号書留内容証明郵便物として差し出,したことを証明します。  郵便事業株式会社
安中22.10.20 12-18 郵便認証司平成22年10月20日

【市の損害賠償請求に対するタクマからの回答書受理】
起案用紙   至急
左 度   平成22年度
文書種類  収
文香番号  第16942号
保存年限  5年
受付年月日 平成22年11月9日
保存期限  平成28年6月1日
起案年月日 平成22年11月9日
廃棄年度  玉成28年度
決裁年月日 平成22年11月9日
分類番号  大5 中5 小0 簿冊番号3 分冊番号5
完・未完別 完結
簿冊名称  庶務書類(5)
完結年月日 平成23年5月31日
分冊名称  公正取引委員会の談合事実に関する書類
施行区分  重要
公 開   1 非公開 時限秘( 年)部分秘 全部秘  2 公開
起案者   市民部クリーンセンター管理係 主査 氏名 小河原悟(内線000)
決裁区分  市長
決裁    市長・岡田、部長・松岡、所長・大塚、係長・村田  公印・-
関係部課合議  総務部長・鳥越、財務部長・嶋田、保健福祉部長・大澤、産業部長・駒井、建設部長・大沢、上下水道部長・小板橋、松井田支所長・松本、議会事務局長・原、教育部長・本田、碓氷病院事務部長・上原、秘書行政課長・佐俣、契約検査課長・田村、秘書行政課文書法規係長・吉田
課内供覧    -
宛 先  安中市長 岡田 義弘
差出人  株式会社タクマ 代表取締役 手島 肇
件名 ごみ処理施設及び粗大ごみ処理施設建設工宜談合に対する損百賠償請求に関する回答書の受理について(報告)
 上記のことについて別紙のように報告してよろしいか伺います(別紙 枚)
 標記の件について平成22年10月19日付け安ク発第15546号にて株式会社タクマ宛に発送した損害賠償請求書に対して同社より別紙の回答書を受理したので報告します。
      記
1 内容 別紙回答書のとおり

【タクマからの回答書】
回 答 書
 安中・松井田衛生組合殿が平成7年に発注した、「ごみ処理施設及び粗大ごみ処理施設建設工事」(以下、(本といいます。)に関する貴市からの平成22年10月20日付損害賠償請求(以下、「本件請求」といいます。)に対し、下記の通り御回答申し上げます。
      記
 本件請求において貴市が請求の根拠とされている公正取引委員会の平成18年6月27日付審決(平成11年(判)第4号)につきましては、平成22年10月6日に最高裁判所の上告棄却決定により確定いたしましたが、当該審決は本件工事の入札において個別の受注調整があったということを認定しているものではなく、また、弊社といたしましても、本件工事の入札において個別の受注調整があったとは認識しておりません。
 この件の詳細につきましては、貴市からの平成22年2月19日付「平成18年6月27日付け審決に対する弁明書の提出について」に対する弊社の平成22年3月26日付「弁明書」において既にご説明させていただいた通りですので、本件請求に応じることはできません。
     以上
平成22年11月4日
〒660-0806
 兵庫県尼崎市金楽寺町二丁目2番33号
  株式会社タクマ 代表取締役 寺島 肇
〒379-0192
 群馬県安中市安中一丁目23番13号
  安中市
  代表者 安中市長 岡田 義弘 様
  (担当課 市民部 碓氷川クリーンセンター)
この郵便物は平成22年11月5日第98596書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します。    郵便事業株式会社
郵便認証司平成22年11月5日 尼崎22.11.5 8-12

【指名停止業者一覧】
平成22年12月6日
この一覧は、平成21年度以降に指名停止措置をしたものを公表しています。
平成21年度以降指名停止阻止
業者名/業者番号/所在地/停止期間/指名停止事由
JFEエンジニアリング㈱/A00004701/神奈川県横浜市鶴見区末広町2-1/H22.3.3 - H22.7.2/独占禁止法違反
日立造船㈱/A00003395/大阪府大阪市住之江区南湊1-7-89/H22.3.3 – H22.7.2/独占禁止法違反
㈱タクマ/A00006129/兵庫県尼崎市金楽寺町2-2-33/H22.3.3 – H22.7.2/独占禁止法違反
※市からの補足説明:
指名停止業者は、ぐんま電子入札共同システムポータルサイト/入札情報公開サービスに指名停止期間中掲載しているが、その停止期間が終了すると削除される。したがって指名停止期間中のみ閲覧が可能となっており、この度の請求ではすでに確認することが出来ないために、掲載した履歴から指名停止業者一覧を開示する。なお、対象業者は5社であったが、
3社に指名停止措置を実施した理由は、残り2社は指名参加登録が行われていなかったことによる。
**********

■以上の事柄を、総合的に分析した結果、当会としては、次の理由で住民訴訟を提起することを断念します。

① 岡田市長は、一応市議会にタクマ提訴を議案として上程しており、市議会も継続審査としていることから、岡田市長の持論である「説明責任」「情報公開」の実践の観点から、どのように判断するのか見守ることが、有効と考えるため。

②損害賠償の観点からは、タクマへのごみ談合問題では、訴訟額が約6.5憶円となっているが、現在、安中市土地開発公社をめぐる使途不明金の関係で、ことし4月にタゴから預かっていたとされる絵画等6点の市場価値が約数億円と言われており、こちらのほうを追求したほうが、いまだに行方不明となっているタゴ事件で横領された51億円のうちの使途不明金14億円あまりの解明に役立つと考えられるため。

【ひらく会事務局】

コメント (9)
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