■2018年7月27日に群馬県が「県道に使用された建設資材の基準値超過について(建設企画課)」と題して記者発表しましたが、これを当日夜、NHKが「ほっとぐんま640」で報じたことは既に当会のブログでも報告済みです。
○2018年7月27日:【速報】群馬県スラグ行政を象徴!…当会の告発から1年かかってようやく公表の背後に東邦亜鉛の影か↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2708.html
その後、7月28日に各新聞社が朝刊にこの記者発表の内容を報じました。毎日新聞だけは、7月28日にみなかみ町長の不信任案可決とセクハラ特集記事を群馬版に大きく掲載したため、翌29日に掲載しました。さっそく報道記事を見てみましょう。
**********上毛新聞2018年07月28日
基準超す鉛、ヒ素 盛り土から検出 県道高崎渋川線バイパス
県道高崎渋川線バイパスの中央分離帯の盛り土について、群馬県は27日、環境基準を超える鉛とヒ素が検出されたと発表した。土壌汚染対策法が定める溶出量の基準値(1リットル当たり0・01ミリグラム)に対し、最大で鉛が25倍、ヒ素は2・1倍だった。撤去したり、土壌に与える影響を調べたりするため、仲原交差点(高崎市金古町)―新蟹沢大橋付近(榛東村新井)の約900メートル区間の4車線化が遅れる見通し。
2012年に暫定2車線で開通した同区間は、拡幅するための用地が中央部にある。車道と中央分離帯の境目に路肩を保護する目的で、表面をアスファルト乳剤で覆った盛り土が設けられている。
有害物資が混入しているとの情報が今年2月に県に寄せられ、5カ所からサンプルを採取して調べたところ、基準超過を確認。含有量の調査で、基準値(1キログラム当たり150ミリグラム)の13倍の鉛が検出された。
県は工事の請負業者に盛り土の撤去を求める方針で、中央分離帯への立ち入り禁止措置を講じた。
**********朝日新聞群馬版2018年7月28日
県道盛り土に鉛・ヒ素 高崎・榛東 立ち入り禁止 撤去へ
県は27日、県道高崎渋川線バイパスの約900メートルの区間で、路肩を保護する盛り土から土壌汚染対策法の基準を超える鉛とヒ素が検出された、と発表した。県は見つかった場所への立ち入りを禁止し、工事を受注した業者に盛り土の撤去を求めるという。
建設企画課によると、見つかったのは仲原交差点(高崎市金古町)~新蟹沢大橋付近(榛東村新井)の区間。車道と中央分離帯との間の盛り土を5カ所調べ、確認された。
この区間は2012年6月、暫定的に片側1車線で開通。今年度中に2車線化に向けた工事に着手する予定だった。
県は付近の住民に説明したほか、中央分離帯を立ち入り禁止とした。今後、盛り土を1メートル程度掘り下げ、さらに検査する。(寺沢尚晃)
**********読売新聞2018年7月27日
基準値上回る鉛とヒ素
県は27日、県道高崎渋川線バイパスの一部区間(高崎市金古町~榛東村新井、約900メートル)で、中央分離帯の盛り土から基準値を上回る鉛とヒ素が検出されたと発表した。県は、この区間の中央分離帯を立ち入り禁止とし、開通当時に土木工事を担当した業者に対し、盛り土の撤去を要請した。
この区間の盛り土について情報提供があり、県が調べたところ、土壌汚染対策補で定める基準の最大25倍の鉛、銅2倍程度のヒ素が溶け出しているのが検出された、健康被害は核にされていない。県は今後、周辺の土壌への影響も調べる。
**********東京新聞2018年7月28日
【群馬】高崎渋川線バイパス 基準超の鉛、ヒ素検出 中央分離帯から最大25倍
↑高崎渋川線バイパスで基準を超える有害物質が検出された区間。ポールの立つ中央分離帯部の盛り土で確認された=高崎市で(県提供)↑
県は二十七日、県道高崎渋川線バイパスの高崎市と榛東村の境の約九百メートル間で、中央分離帯部に使われた盛り土から土壌汚染対策法の基準を超える鉛とヒ素が検出されたと発表した。
鉛は最大で基準の二十五倍、ヒ素は同二倍で、県は地元住民に説明するとともに、中央分離帯部分にロープを張るなどして立ち入り禁止措置を実施。盛り土の工事を受注した事業者に盛り土の撤去を求め、今後、盛り土直下の土壌や健康への影響を調べる。
県によると、問題の区間はバイパスの仲原交差点(高崎市金古町)-新蟹沢大橋付近(榛東村新井)間約九百メートル。二〇一二年六月に暫定二車線で開通し、本年度、四車線化に着工予定だった。
基準超の有害物質が検出された部分は暫定二車線の工事で実施。両車線の中央分離帯側で舗装面の端を保護するために盛り土された。盛り土表面は液体状のアスファルトを散布して覆う措置をしてあったが、内部の土から検出された。
今年二月、県に「法の基準超の有害物質を含む盛り土が使われている」との内容の情報提供があり、県が六月下旬に環境調査を実施して判明した。
県は事業者から事情を聴くなどして、汚染土壌が使われた経緯を調べている。 (石井宏昌)
**********産経ニュース2018年7月28日 07:07
高崎渋川バイパスから基準25倍の鉛検出
県の県土整備部は27日、県道高崎渋川線バイパスの中央分離帯に使用された建築資材から、土壌汚染対策法で定める基準値の約25倍の鉛と、基準値を上回るヒ素が検出されたと発表した。人体への影響について、県は「直ちに健康被害が生じる可能性は低い」としている。
仲原交差点(高崎市金古町)から新蟹沢大橋付近(榛東村新井)までの中央分離帯部分に使用された盛り土から検出。区間は全長約900メートルという。溶出量は基準値1リットル当たり0・01ミリグラムに対し、鉛が最大で同0・25ミリグラム、ヒ素が同0・021ミリグラムを検出。含有量は、基準値1キロ当たり150ミリグラムに対し、鉛は最大で同2千ミリグラムだった。
今年2月に県民から情報提供があり、6月に調査を開始し、発覚。同部は施工業者へ聞き取りを行い、盛り土の撤去を求めている。今後、この区間の中央分離帯部分を立ち入り禁止とするほか、盛り土直下約1メートルの土壌を調査するという。
↑7月28日の各社朝刊。↑
**********毎日新聞群馬版2018年7月29日
高崎渋川線バイパス 基準1.2~25倍の鉛、ヒ素検出 900メートルの盛り土に 県、全資材撤去へ /群馬
県は27日、県道高崎渋川線バイパスで、土壌汚染対策法で定める基準の1・2~25倍の鉛とヒ素が検出されたと発表した。今のところ健康被害の報告はないが、県は今後、追加調査して生活への影響を調べる。
県建設企画課によると、検出されたのは、県道高崎渋川線バイパスの仲原交差点(高崎市金古町)から新蟹沢大橋付近(榛東村新井)までの約900メートルの中央分離帯の路肩を保護する盛り土。県は中央分離帯の立ち入り防止柵を設置し、有害物質が見つかった区間の建設資材を全て撤去する。
現在、バイパスは2車線(片側1車線)で、今年度中に4車線化の工事に着手する予定だったが、工期が遅れる可能性もある。県は建設資材を搬入した施工業者に対して聞き取り調査を進めており、「撤去に伴う費用負担を含めた適正な処理を求めたい」としている。
【杉直樹】
**********
■今回も報道のポイントをまとめてみましょう。
ポイント①
なぜか盛り土から基準超す鉛、ヒ素が検出されたとなっていること。
ポイント②
土壌汚染対策法で定める基準値の約25倍の鉛と、基準値を上回るヒ素が検出されたと発表されていること。
ポイント③
施工業者へ聞き取りを行い、盛り土の撤去を求めていると報道されていること。
それではそれぞれのポイントについて詳しく検証していきましょう。
●ポイント①
なぜか盛り土から基準超す鉛、ヒ素が検出されたとなっていること。
現場の写真(上)をご覧ください。
この高崎渋川線バイパス工事は、路床材を全面に入れ、その上にアスファルト舗装を施す場所は、下層路盤材・上層路盤材と路盤工を施工してアスファルト舗装工を施しています。
真ん中の中央分離帯には、路床材に草が生えるのを防止するため、砕石を入れ、路肩を保護する目的で、アスファルト舗装の境目の表面をアスファルト乳剤処理しているように見えます。上毛新聞の報道でも「中央分離帯の境目に路肩を保護する目的で、表面をアスファルト乳剤で覆った」と報道されています。
ただし上毛新聞の報道では、「表面をアスファルト乳剤で覆った盛り土が設けられている。」と群馬県県土整備部建設企画課が説明した様子が報道されています。なぜか群馬県県土整備部は、盛り土の中に鉛やヒ素が混入されてしまったと話をすり替えています。
もう一度、現場写真(上)をご覧ください。
アスファルト舗装に続いて「表面をアスファルト乳剤で」処理した様子をご覧いただけます。乳剤処理をしたのは盛り土なのでしょうか?
いや、アスファルト舗装のすぐ際まで乳剤処理されている様子を見て取れますので、乳剤処理をしたのは上層路盤材ではないでしょうか?つまり下層路盤材・上層路盤材と施工した上に、道路部はアスファルト舗装、中央分離帯部は乳剤処理したと考えられるのです。
ご覧いただいているように、鉛やヒ素が基準値以上含まれた建設資材は、盛り土でなく路盤材であること可能性が大であると言わざるを得ません。
路盤材に有害物質が含まれているとすれば、大同スラグ問題同様、産業廃棄物の不法投棄問題であることが考えられます。
鉛やヒ素が含まれている路盤材と言えば、群馬県では東邦亜鉛が有名です。また現在では見ることができませんが、岡田工務店・岡田興業がK砕と称して東邦亜鉛の非鉄スラグを扱っていることが、そのホームページ上で公開されていました。
大同スラグ問題を適当にごまかしていることで悪名高き県土整備部建設企画課は、またしても盛り土に鉛やヒ素がなぜか混入されてしまったことにして、土壌汚染対策法の問題ということにして、事をあやふやに済まそうと画策しているのかもしれません。
平成30年4月に全線開通した高崎渋川線バイパスは、建設初期段階で競うように、大同特殊鋼・佐藤建設工業グループと東邦亜鉛・岡田工務店(岡田興業)グループがスラグの不法投棄を行った可能性が否定できません。
県土整備部建設企画課は、本来であれば国土交通省が行ったように佐藤建設工業の材料試験成績表が提出されている高崎渋川線バイパスの工事現場を環境分析調査しなければなりませんが、なぜか全く行っていません。今度は、岡田工務店(岡田興業)の材料試験成績表が提出されている現場を含め、当会として、徹底的な調査を県土整備部に要求せざるを得ません。
この高崎渋川線バイパスの鉛・ヒ素混入問題は、土壌汚染対策法上の問題ではなく、廃棄物処理法上の不法投棄の問題である可能性が出てきました。県土整備部建設企画課は、群馬県環境森林部廃棄物リサイクル課にこの問題を通告し、廃棄物処理法に照らした問題解決を図らなければならないでしょう。
●ポイント②
土壌汚染対策法で定める基準値の約25倍の鉛と、基準値を上回るヒ素が検出されたと発表されていること。
土壌汚染対策法では、5カ所ほどサンプリング採取して、それを均等混合して環境分析調査を実施します。つまり基準値の約25倍の鉛という場合、鉛が含まれていない物質を含めて均等混合した結果が「基準値の約25倍」の可能性があります。具体的には「溶出量は基準値1リットル当たり0・01ミリグラムに対し、鉛が最大で同0・25ミリグラム」であったことが報道されていますが、これは大変危険な数値であると言えます。
産業廃棄物処理法では特別管理産業廃棄物という危険な廃棄物の規定がありますが、鉛についての規定は、”溶出量は基準値1リットル当たり0・3ミリグラム」となっています。
先ほど考察した通り、土壌汚染対策法上の分析調査は、サンプルを均等混合した可能性がありますので、場所によっては“溶出量の基準値1リットル当たり0・3ミリグラム”を超過した場所もあるかもしれません。
高崎渋川線バイパスは大変危険な道路である可能性があります。県土整備部は直ちに廃棄物リサイクル課に通告し、廃棄物リサイクル課は廃棄物処理法に基づいた立入調査を実施しなければなりません。我々は特別管理産業廃棄物と隣接して生活はできません。
●ポイント③
施工業者へ聞き取りを行い、盛り土の撤去を求めていると報道されていること。
鉛やヒ素が含まれた資材を撤去することは、当然のことです。
しかし鉛やヒ素があるのは、本当に高崎渋川線バイパス中央分離帯部分だけなのでしょうか?他の場所にも鉛やヒ素、そして(株)佐藤建設工業がばら撒いたフッ素や六価クロム入り鉄鋼スラグがあるかもしれません。
この問題は産業廃棄物処理法上の問題として、監督官庁の廃棄物リサイクル課の問題として、徹底的な真相究明を行わなければ、近隣住民の安全安心な生活は保全されません。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※関連情報「群馬県の記者発表」
**********群馬県報道提供資料2018年7月27日
【7月27日】県道に使用された建設資材の基準値超過について(建設企画課)
県道高崎渋川線バイパス(仲原交差点~新蟹沢大橋付近)の中央分離帯部に使用された一部の建設資材から、土壌汚染対策法で定める基準値を超える「鉛」及び「砒素(ひそ)」が検出されました。
1.対象区域
県道高崎渋川線バイパスの仲原交差点(高崎市金古町地内)から新蟹沢大橋付近(榛東村大字新井地内)までの約900m間。(別添1 参照)
※別添1(pdfファイル:263KB)⇒ yytpzu.pdf
2.分析試験結果
土壌溶出量調査(環境省告示第18号)において、鉛及び砒素ひその溶出量が土壌汚染対策法で定める基準値を超えて検出され、また、土壌含有量調査(環境省告示第19号)においても鉛の含有量が、土壌汚染対策法で定める基準値を超えて検出されました。(別添2 参照)
※別添2(pdfファイル:64KB)⇒ yytqz.pdf
速やかに中央分離帯部の立入禁止措置を実施します。
その後、当該建設資材直下の土壌における有害物質の含有量及び溶出量を確認する土壌調査に着手します。
当該建設資材を撤去することとします。
なお、この土壌調査の結果が出ましたら、お知らせします。
このページについてのお問い合わせ
県土整備部建設企画課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-3531
FAX 027-224-1426
E-mail kensetsukika@pref.gunma.lg.jp
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○2018年7月27日:【速報】群馬県スラグ行政を象徴!…当会の告発から1年かかってようやく公表の背後に東邦亜鉛の影か↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2708.html
その後、7月28日に各新聞社が朝刊にこの記者発表の内容を報じました。毎日新聞だけは、7月28日にみなかみ町長の不信任案可決とセクハラ特集記事を群馬版に大きく掲載したため、翌29日に掲載しました。さっそく報道記事を見てみましょう。
**********上毛新聞2018年07月28日
基準超す鉛、ヒ素 盛り土から検出 県道高崎渋川線バイパス
県道高崎渋川線バイパスの中央分離帯の盛り土について、群馬県は27日、環境基準を超える鉛とヒ素が検出されたと発表した。土壌汚染対策法が定める溶出量の基準値(1リットル当たり0・01ミリグラム)に対し、最大で鉛が25倍、ヒ素は2・1倍だった。撤去したり、土壌に与える影響を調べたりするため、仲原交差点(高崎市金古町)―新蟹沢大橋付近(榛東村新井)の約900メートル区間の4車線化が遅れる見通し。
2012年に暫定2車線で開通した同区間は、拡幅するための用地が中央部にある。車道と中央分離帯の境目に路肩を保護する目的で、表面をアスファルト乳剤で覆った盛り土が設けられている。
有害物資が混入しているとの情報が今年2月に県に寄せられ、5カ所からサンプルを採取して調べたところ、基準超過を確認。含有量の調査で、基準値(1キログラム当たり150ミリグラム)の13倍の鉛が検出された。
県は工事の請負業者に盛り土の撤去を求める方針で、中央分離帯への立ち入り禁止措置を講じた。
**********朝日新聞群馬版2018年7月28日
県道盛り土に鉛・ヒ素 高崎・榛東 立ち入り禁止 撤去へ
県は27日、県道高崎渋川線バイパスの約900メートルの区間で、路肩を保護する盛り土から土壌汚染対策法の基準を超える鉛とヒ素が検出された、と発表した。県は見つかった場所への立ち入りを禁止し、工事を受注した業者に盛り土の撤去を求めるという。
建設企画課によると、見つかったのは仲原交差点(高崎市金古町)~新蟹沢大橋付近(榛東村新井)の区間。車道と中央分離帯との間の盛り土を5カ所調べ、確認された。
この区間は2012年6月、暫定的に片側1車線で開通。今年度中に2車線化に向けた工事に着手する予定だった。
県は付近の住民に説明したほか、中央分離帯を立ち入り禁止とした。今後、盛り土を1メートル程度掘り下げ、さらに検査する。(寺沢尚晃)
**********読売新聞2018年7月27日
基準値上回る鉛とヒ素
県は27日、県道高崎渋川線バイパスの一部区間(高崎市金古町~榛東村新井、約900メートル)で、中央分離帯の盛り土から基準値を上回る鉛とヒ素が検出されたと発表した。県は、この区間の中央分離帯を立ち入り禁止とし、開通当時に土木工事を担当した業者に対し、盛り土の撤去を要請した。
この区間の盛り土について情報提供があり、県が調べたところ、土壌汚染対策補で定める基準の最大25倍の鉛、銅2倍程度のヒ素が溶け出しているのが検出された、健康被害は核にされていない。県は今後、周辺の土壌への影響も調べる。
**********東京新聞2018年7月28日
【群馬】高崎渋川線バイパス 基準超の鉛、ヒ素検出 中央分離帯から最大25倍
↑高崎渋川線バイパスで基準を超える有害物質が検出された区間。ポールの立つ中央分離帯部の盛り土で確認された=高崎市で(県提供)↑
県は二十七日、県道高崎渋川線バイパスの高崎市と榛東村の境の約九百メートル間で、中央分離帯部に使われた盛り土から土壌汚染対策法の基準を超える鉛とヒ素が検出されたと発表した。
鉛は最大で基準の二十五倍、ヒ素は同二倍で、県は地元住民に説明するとともに、中央分離帯部分にロープを張るなどして立ち入り禁止措置を実施。盛り土の工事を受注した事業者に盛り土の撤去を求め、今後、盛り土直下の土壌や健康への影響を調べる。
県によると、問題の区間はバイパスの仲原交差点(高崎市金古町)-新蟹沢大橋付近(榛東村新井)間約九百メートル。二〇一二年六月に暫定二車線で開通し、本年度、四車線化に着工予定だった。
基準超の有害物質が検出された部分は暫定二車線の工事で実施。両車線の中央分離帯側で舗装面の端を保護するために盛り土された。盛り土表面は液体状のアスファルトを散布して覆う措置をしてあったが、内部の土から検出された。
今年二月、県に「法の基準超の有害物質を含む盛り土が使われている」との内容の情報提供があり、県が六月下旬に環境調査を実施して判明した。
県は事業者から事情を聴くなどして、汚染土壌が使われた経緯を調べている。 (石井宏昌)
**********産経ニュース2018年7月28日 07:07
高崎渋川バイパスから基準25倍の鉛検出
県の県土整備部は27日、県道高崎渋川線バイパスの中央分離帯に使用された建築資材から、土壌汚染対策法で定める基準値の約25倍の鉛と、基準値を上回るヒ素が検出されたと発表した。人体への影響について、県は「直ちに健康被害が生じる可能性は低い」としている。
仲原交差点(高崎市金古町)から新蟹沢大橋付近(榛東村新井)までの中央分離帯部分に使用された盛り土から検出。区間は全長約900メートルという。溶出量は基準値1リットル当たり0・01ミリグラムに対し、鉛が最大で同0・25ミリグラム、ヒ素が同0・021ミリグラムを検出。含有量は、基準値1キロ当たり150ミリグラムに対し、鉛は最大で同2千ミリグラムだった。
今年2月に県民から情報提供があり、6月に調査を開始し、発覚。同部は施工業者へ聞き取りを行い、盛り土の撤去を求めている。今後、この区間の中央分離帯部分を立ち入り禁止とするほか、盛り土直下約1メートルの土壌を調査するという。
↑7月28日の各社朝刊。↑
**********毎日新聞群馬版2018年7月29日
高崎渋川線バイパス 基準1.2~25倍の鉛、ヒ素検出 900メートルの盛り土に 県、全資材撤去へ /群馬
県は27日、県道高崎渋川線バイパスで、土壌汚染対策法で定める基準の1・2~25倍の鉛とヒ素が検出されたと発表した。今のところ健康被害の報告はないが、県は今後、追加調査して生活への影響を調べる。
県建設企画課によると、検出されたのは、県道高崎渋川線バイパスの仲原交差点(高崎市金古町)から新蟹沢大橋付近(榛東村新井)までの約900メートルの中央分離帯の路肩を保護する盛り土。県は中央分離帯の立ち入り防止柵を設置し、有害物質が見つかった区間の建設資材を全て撤去する。
現在、バイパスは2車線(片側1車線)で、今年度中に4車線化の工事に着手する予定だったが、工期が遅れる可能性もある。県は建設資材を搬入した施工業者に対して聞き取り調査を進めており、「撤去に伴う費用負担を含めた適正な処理を求めたい」としている。
【杉直樹】
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■今回も報道のポイントをまとめてみましょう。
ポイント①
なぜか盛り土から基準超す鉛、ヒ素が検出されたとなっていること。
ポイント②
土壌汚染対策法で定める基準値の約25倍の鉛と、基準値を上回るヒ素が検出されたと発表されていること。
ポイント③
施工業者へ聞き取りを行い、盛り土の撤去を求めていると報道されていること。
それではそれぞれのポイントについて詳しく検証していきましょう。
●ポイント①
なぜか盛り土から基準超す鉛、ヒ素が検出されたとなっていること。
現場の写真(上)をご覧ください。
この高崎渋川線バイパス工事は、路床材を全面に入れ、その上にアスファルト舗装を施す場所は、下層路盤材・上層路盤材と路盤工を施工してアスファルト舗装工を施しています。
真ん中の中央分離帯には、路床材に草が生えるのを防止するため、砕石を入れ、路肩を保護する目的で、アスファルト舗装の境目の表面をアスファルト乳剤処理しているように見えます。上毛新聞の報道でも「中央分離帯の境目に路肩を保護する目的で、表面をアスファルト乳剤で覆った」と報道されています。
ただし上毛新聞の報道では、「表面をアスファルト乳剤で覆った盛り土が設けられている。」と群馬県県土整備部建設企画課が説明した様子が報道されています。なぜか群馬県県土整備部は、盛り土の中に鉛やヒ素が混入されてしまったと話をすり替えています。
もう一度、現場写真(上)をご覧ください。
アスファルト舗装に続いて「表面をアスファルト乳剤で」処理した様子をご覧いただけます。乳剤処理をしたのは盛り土なのでしょうか?
いや、アスファルト舗装のすぐ際まで乳剤処理されている様子を見て取れますので、乳剤処理をしたのは上層路盤材ではないでしょうか?つまり下層路盤材・上層路盤材と施工した上に、道路部はアスファルト舗装、中央分離帯部は乳剤処理したと考えられるのです。
ご覧いただいているように、鉛やヒ素が基準値以上含まれた建設資材は、盛り土でなく路盤材であること可能性が大であると言わざるを得ません。
路盤材に有害物質が含まれているとすれば、大同スラグ問題同様、産業廃棄物の不法投棄問題であることが考えられます。
鉛やヒ素が含まれている路盤材と言えば、群馬県では東邦亜鉛が有名です。また現在では見ることができませんが、岡田工務店・岡田興業がK砕と称して東邦亜鉛の非鉄スラグを扱っていることが、そのホームページ上で公開されていました。
大同スラグ問題を適当にごまかしていることで悪名高き県土整備部建設企画課は、またしても盛り土に鉛やヒ素がなぜか混入されてしまったことにして、土壌汚染対策法の問題ということにして、事をあやふやに済まそうと画策しているのかもしれません。
平成30年4月に全線開通した高崎渋川線バイパスは、建設初期段階で競うように、大同特殊鋼・佐藤建設工業グループと東邦亜鉛・岡田工務店(岡田興業)グループがスラグの不法投棄を行った可能性が否定できません。
県土整備部建設企画課は、本来であれば国土交通省が行ったように佐藤建設工業の材料試験成績表が提出されている高崎渋川線バイパスの工事現場を環境分析調査しなければなりませんが、なぜか全く行っていません。今度は、岡田工務店(岡田興業)の材料試験成績表が提出されている現場を含め、当会として、徹底的な調査を県土整備部に要求せざるを得ません。
この高崎渋川線バイパスの鉛・ヒ素混入問題は、土壌汚染対策法上の問題ではなく、廃棄物処理法上の不法投棄の問題である可能性が出てきました。県土整備部建設企画課は、群馬県環境森林部廃棄物リサイクル課にこの問題を通告し、廃棄物処理法に照らした問題解決を図らなければならないでしょう。
●ポイント②
土壌汚染対策法で定める基準値の約25倍の鉛と、基準値を上回るヒ素が検出されたと発表されていること。
土壌汚染対策法では、5カ所ほどサンプリング採取して、それを均等混合して環境分析調査を実施します。つまり基準値の約25倍の鉛という場合、鉛が含まれていない物質を含めて均等混合した結果が「基準値の約25倍」の可能性があります。具体的には「溶出量は基準値1リットル当たり0・01ミリグラムに対し、鉛が最大で同0・25ミリグラム」であったことが報道されていますが、これは大変危険な数値であると言えます。
産業廃棄物処理法では特別管理産業廃棄物という危険な廃棄物の規定がありますが、鉛についての規定は、”溶出量は基準値1リットル当たり0・3ミリグラム」となっています。
先ほど考察した通り、土壌汚染対策法上の分析調査は、サンプルを均等混合した可能性がありますので、場所によっては“溶出量の基準値1リットル当たり0・3ミリグラム”を超過した場所もあるかもしれません。
高崎渋川線バイパスは大変危険な道路である可能性があります。県土整備部は直ちに廃棄物リサイクル課に通告し、廃棄物リサイクル課は廃棄物処理法に基づいた立入調査を実施しなければなりません。我々は特別管理産業廃棄物と隣接して生活はできません。
●ポイント③
施工業者へ聞き取りを行い、盛り土の撤去を求めていると報道されていること。
鉛やヒ素が含まれた資材を撤去することは、当然のことです。
しかし鉛やヒ素があるのは、本当に高崎渋川線バイパス中央分離帯部分だけなのでしょうか?他の場所にも鉛やヒ素、そして(株)佐藤建設工業がばら撒いたフッ素や六価クロム入り鉄鋼スラグがあるかもしれません。
この問題は産業廃棄物処理法上の問題として、監督官庁の廃棄物リサイクル課の問題として、徹底的な真相究明を行わなければ、近隣住民の安全安心な生活は保全されません。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※関連情報「群馬県の記者発表」
**********群馬県報道提供資料2018年7月27日
【7月27日】県道に使用された建設資材の基準値超過について(建設企画課)
県道高崎渋川線バイパス(仲原交差点~新蟹沢大橋付近)の中央分離帯部に使用された一部の建設資材から、土壌汚染対策法で定める基準値を超える「鉛」及び「砒素(ひそ)」が検出されました。
1.対象区域
県道高崎渋川線バイパスの仲原交差点(高崎市金古町地内)から新蟹沢大橋付近(榛東村大字新井地内)までの約900m間。(別添1 参照)
※別添1(pdfファイル:263KB)⇒ yytpzu.pdf
2.分析試験結果
土壌溶出量調査(環境省告示第18号)において、鉛及び砒素ひその溶出量が土壌汚染対策法で定める基準値を超えて検出され、また、土壌含有量調査(環境省告示第19号)においても鉛の含有量が、土壌汚染対策法で定める基準値を超えて検出されました。(別添2 参照)
※別添2(pdfファイル:64KB)⇒ yytqz.pdf
速やかに中央分離帯部の立入禁止措置を実施します。
その後、当該建設資材直下の土壌における有害物質の含有量及び溶出量を確認する土壌調査に着手します。
当該建設資材を撤去することとします。
なお、この土壌調査の結果が出ましたら、お知らせします。
このページについてのお問い合わせ
県土整備部建設企画課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-3531
FAX 027-224-1426
E-mail kensetsukika@pref.gunma.lg.jp
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