■安中市の広報あんなか5月号ページ7に案内のあった「都市計画区域マスタープランの変更案の縦覧」で、当会は、「安中都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」(都市計画区域マスタープラン)の変更について、期限日の5月29日(金)午後4時過ぎに、意見書を提出しました。
広報あんなかには、意見書の提出先として、各縦覧会場への提出として、群馬県都市計画課、群馬県安中土木事務所、安中市都市整備課が例示してあったため、最寄りの安中土木事務所に持参して提出しました。ところが縦覧のときにスッタモンダしたはずなのに、今回もスンナリ受け取ってもらえませんでした。
■当日は、安中土木事務所に入って担当課を探して、「安中市の広報を見たのでこれを持ってきました」と告げて、封筒に入れた意見書を提出しようとしました。応対の担当職員は「中身を見てもいいですか?」というので、当会は「どうぞ、どうぞ」とOKしました。すると、担当職員は「ちょっと待ってください」というと、上司のところに相談に行きました。預かってよいものかどうか迷っている様子で、相談を受けた上司も迷った挙句、安中市役所に電話をかけていました。
このように、群馬県安中土木事務所では、安中市が広報あんなかで市民に縦覧案内を出していることは、今回もまだご存じなかった様子でした。まさか、縦覧で、安中市民から意見書が出てくるなどとは、夢にも思わなかったのかもしれません。
前回の縦覧では、縦覧場所に資料が用意されていませんでしたが、今回の意見書の提出でも、受理してよいのかどうか職員が判断できませんでした。結果としてハッキリしたことは、群馬県庁、出先機関、安中市との間で、事前に全く調整が行われないまま住民に案内を出したため、縦割りの弊害がもろに出て、住民を混乱させる役所対応が浮き彫りになったことです。なお、意見書の内容は次のとおりです。

↑安中都市計画区域将来都市構造図↑
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平成21年5月29日
〒371-8570
前橋市大手町1-1-1県庁都市計画課 御中
住所 〒379-0114安中市野殿980番地
氏名 小川 賢
「安中都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」に関する意見書
<基準年次・目標年次について>
1.都市計画の目標
1)都市づくりの基本理念
①都市の位置・特性及び位置づけ
「自然や歴史的遺産、観光資源を活用しよう」とうたっていますが、ネガティブな側面もきちんと認識しておかねばなりません。マイナス面として位置づけられるのは、「東邦亜鉛安中精錬所の長年の稼動による降下煤塵等を起因として、周辺の農地を含む広範囲の土地の重金属汚染」です。
また、ちょうど14年前に安中市役所の元職員が起こした地方自治体ではおそらく空前絶後の51億円余の巨額詐欺横領事件による市役所組織そのものへの市民の不信感と、この事件による「安中市への財政面の影響」もきちんと基本理念の中に盛り込む必要があります。
「前橋・高崎広域都市圈西部の中核的機能を担う都市として位置づけられ」とありますが、今後、少子化傾向を考えると、高崎広域都市圏の後背地として、ベッドタウンや自然環境の提供エリアとしてはともかく、「高崎西方の中核的機能を担う都市」として位置づけるのは無理があると思われますので、この表現は削除すべきです。
②都市づくりの課題と重点項目
【課題】
「用途地域外での商業開発や住宅の開発などにより空洞化が進み、面的な基盤整備がほとんどなされていない未整備な市街地が広がっている。このため、市街地の都市機能の充実と都市の中心となる拠点づくりが課題となっている」という定義づけは再考すべきです。後述で述べられているように、もともと都市計画状の区分の無い市なので、むりやり都市機能の充実をこれ以上はかって、再び市街区域の公密集化を図る必要はありません。また、核となる拠点づくりをする必要もありません。空き地はあきちとして、緑化や避難ゾーンとして整備すれば、むしろ安全安心のまちづくりに役立ち、そのようなゆったりとした都市景観のほうが、これからの癒しの時代には好都合です。高密度化による都市機能集中や効率向上は、高崎市にまかせればよいことであり、空洞化は不可避なので、これをうまく活用すべきです。
また、北陸新幹線の安中榛名駅周辺について、「西毛地域の玄関口として来訪者に市の魅力をPRする拠点づくりが進められている。新幹線を使えば東京駅まで約1時間であり、この立地条件を活かした市街化の促進を図ることが課題となっている」とありますが、これも民間の総意と資本にゆだねておけばよいことであり、元職員がこの北陸新幹線による開発を口実に、多額の金を横領していた事を考えると、ここに他の地区の市民の税金をさらに投入することは、理解がえられるはずもありません。
群馬県の打ち出すスローガンのうち“活力と賑わいのある都市・地域づくり”は、安中市には無理に適用する必要が無いと思います。
【重点項目】
「現状のままでは、高崎市への都市機能の依存がますます強まる可能性があり、広域都市圈西部の中核的機能を担う都市としての役割を果たしていくことが難しい面がある」とか、このため「高崎市との都市機能の分担」「自立的な都市づくり」などと耳触りのよい言葉を並べていますが、前述のように、高崎への一極集中は避けられないのですから、このようなスローガンは撤回すべきです。
③都市づくりの基本理念と目標
これまでの記述と一変して「本区域において、大幅な人口の増加や産業の新たな集積による量的な拡大は困難な環境にある。むしろ、保有する都市機能の充実や歴史的背景を十分に活用して都市生活の質的向上を図るとともに、中山道を軸とする歴史をテーマとして本区域固有の魅力を高めることにより、定住の場・産業の場として選択されうる、農林漁業と調和した都市空間づくりを目指し」と記している。この考えには同意できる点が多いが、なぜ、前述のスローガンと大きく異なった理念が、同じ都市計画案の中に同居できるのか不思議です。執筆者がそれぞれの章わりで、方針を変えていることになり、この計画案そのものの重みが台無しになっています。
2)地域毎の市街地像
①市街地ゾーン
何度も言うようだが、「中山道に沿うように帯状に形成されている市街地の特徴を活かした市街地づくり」に拘る必要はない。その後続けて「碓氷川の両側に分散する市街地の一層の一体化を図る」とあるように、あれもこれもみな重点に掲げては、税金がいくらあっても足りない。これからは少子化と経済不況が当然というベースで方針を立てなければならない。土地が安く、緑が濃く、安心安全な生活環境があれば、むしろ、広い場所に点在して住めることのほうが望ましいと思います。既に、道路や水道、電気など、インフラ的には、それがかなり可能になっていますから、ゆったりと緑の中にうずもれる住環境を市として売り出すべきです。
「中山道安中宿沿いの市街地は、宿場町としての風致を活かした景観づくりを行い、本区域の顔づくりを目指す」とありますが、既に、風致としてまとまった場所は失われており、これ以上、人工的に宿場町の景観をひねり出すのは、公的な事業としては資金対効果に乏しいとおもいます。もちろん、地元住民からのそうした自発的な動きと協力があれば、一考の余地はあると思います。
また、旧中山道沿いのそれ以外の市街地についても同様の対応を図り、帯状に形成されている市街地全体で歴史や安らぎを感じることができる空間づくりに努める。
市街地周辺を流れているのは、碓氷川や九十九川だけではありません。柳瀬川や岩井川、後述の猫沢川など、中小河川にも特色のある河川が多数あります。自然を残すこれら河川の活用には、さほど新たな投資もいらずに、工夫次第で親水空間の創出は可能です。
【都市拠点】
市役所周辺地区は、すでに充分整備が進んでおり、これ以上の公金投入は不要です。
【生活拠点】
原市、磯部、板鼻地区などの地区も、道路、鉄道による移動インフラが一定のレベルに達しており、これらを無理に拠点化する必要はありません。
【観光・交流拠点】
既存の観光地の活性化は、人が来なくては話しになりませんから、緑の中でゆったりと生活ができる都市空間作りを勧めてこそ、既存の観光地も引き立つことになります。安中榛名駅に拘らず、既設の信越線のさらなるローカル化(車両の短縮は不可避でも、便数の増発や駅数の増加)で対応すべきです。観光の活性化策としては、これからは近隣諸国へのPRにも目を向けてゆくべきです。
【産業拠点】
特に立地には指摘事項はないが、東邦亜鉛安中精錬所の周辺の土壌汚染対策に触れずに拠点化することは許されない。
②農地・集落ゾーン
今後の市の目指すべき方向だと思うので、特にこれ以上のコメントはありません。
③自然共生ゾーン
同上。
【広域交流拠点】
榛名町方面とその後背地はともかく、安中市として安中榛名駅を無理に西毛地域の玄関口とする必要はありません。高崎駅と信越線および国道18号線の活用に注力すべきです。また、高崎に隣接した板鼻、中宿、岩野谷地区は高崎からのアクセスの利便性があるため、里山の重要性をもっと再認識してゆけば、もっとも早く交流拠点となりうると思われます。
【観光・交流拠点】
これも無理して、秋間梅林、磯部温泉を安中榛名駅との関係付けるのではなく、安中市の中央を通る道路、鉄路の活用をより重点に考えるべきです。
【環境・学習拠点】
学習の森を引き合いに出すのはやめてください。安中の恥ですから。
④森林ゾーン
特にコメントはありません。
2.区域区分の決定の有無及び区域区分を定める際の方針
1)区域区分の決定の有無
「本区域に区域区分を定めない」ということを今後も続けるようですが、基本的に賛成ですが、サンパイ場業者に悪用されないようにしてください。時すでに遅しかもしれませんが。
3.主要な都市計画の決定の方針
1)土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針
①主要用途の配置の方針
【a 商業・業務地】
安中地区の市役所周辺、安中榛名駅周辺への商業・業務地の配置は、自然の成り行きに任せればよいと思います。原市、磯部、板鼻地区でも、今後の少子化により、これ以上、日常購買需要の対応する利便性は必要ないと思い増す。その次にあるように、物流や人の流れの多い国道18号バイパス周辺はほうっておいても商業・業務機能が進捗するでしょう。民間の開発行為がルールさえ守れるように監視するだけで、充分だと思います。
繰り返しますが、安中都市計画のうえで、安中榛名駅周辺については、重要度が少ないので、群馬県レベルではともかく、ここでは、「充実に努める」などという記載はやめて欲しいものです。
【b 工業地】
これからの経済状況を展望するに、新たな工業地の需要は見込めないので、現状維持で充分。ただし、環境の保全に配慮することは重要であり、その観点からも、現在放置されたままになっている、東邦亜鉛安中精錬所周辺土地の土壌汚染の実態はきちんと言及しておくべきです。
【c 住宅地】
「商業・業務地及び工業地以外の市街地に住宅地を配置する」ことに異議はありません。
②土地利用の方針
【a 居住環境の改善または維持に関する方針】
繰り返しますが、「中山道を軸として発展してきた既成市街地」の開発事業、または誘導施策は民間主導ならともかく、行政が音頭を積極的に取ることは不必要と考えます。
【b 都市内の緑地または都市の風致の維持に関する方針】
中山間農地などのサンパイ場開発などの環境を台無しにする乱開発だけは絶対やめてもらいたい。群馬県は、安中市の岩野谷地区に違法を無視してゴミ処分場を誘致した責任があるので、ぜひこのことは都市計画にも記載して欲しい。
【c 優良な農地との健全な調和に関する方針】
他の地区はともかく、東邦亜鉛安中精錬所の周辺の土壌汚染が放置されたままの農地のことは、きちんと是正措置をとった上で、優良農地として保全を図ることを明記してください。さもないと、東邦亜鉛から政治献金などを受けている現職の首長が、土壌汚染地にあろうことか墓地計画を進めているからです。このバチあたり事業が進まないように、きちんと都市計画で指摘しておいて欲しいと思います。
【d 自然環境形成の観点から必要な保全に関する方針】
前述のように、市内を縦横に流れる河川として碓氷川、九十九川のほかにも取り上げてほしい中小河川が多数あります。緑地保全もうたっていますが、安中市は住民の意見を聞かずに勝手に業者による開発にゴーサインを出すところなので、その懸念についても記載しておいてください。
【e 計画的な都市的土地利用の実現に関する方針】
集落地域については、特にコメントはありません。
また市街地内でも、ルールにのっとった運用は前提ですが、意図的に建築物の立地や集積を誘導することはないと思います。すでに、秩序ある土地利用の形成は、有名無実になっているからです。
2)都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定の方針
①交通施設
【a 基本方針】
ア 交通体系の整備の方針
一部区間で渋滞がひどいところがありますが、これを無理して大金を投じて解消する必要はないと思います。地元利用者は裏道や抜け道をよく知っており、あまり影響がないためです。したがって、広域的な観点からともかく、安中都市計画の観点からは、あまり気にする必要はないと思います。
「都市活動の活性化等により、交通需要は今後も着実に伸びる」としていますが、そうは思いません。今後は次第にエコロジーやエコノミーにより、交通需要は伸びないからです。おそらく漸減してゆくでしょう。したがって、交通体系整備に多額の公金を投入する発想はもうやめにすべきだと思います。
イ 整備水準の目標
「交通体系については、可能な限り長期的視点にたった整備を図っていくものとする」とありますが、上記の理由で、経済、少子化、環境面で、すでに必要充分な状態にあると思料がしますので、これ以上の大きな整備は不要で、今後はメインテナンス面を充実すべきです。
【b 主要な施設の配置の方針】
<道路>
「県道及び市道が交差しているが、道路幅員が狭く歩道の整備がされていない道路が多い」と断定していますが、そうは思いません。通学用の歩道の整備の必要性はまだあるかもしれませんが、それ以外は、もう現在より道路需要が大きくなることは考えられません。道が狭ければ、速度も抑制されるので、交通安全面からは、道を広くするだけでは解決にならないと思います。
「道路交通需要は、近年のモータリゼーションの進展、経済活動の増進、都市活動の増大等により自動車交通量が著しく増大してきており」とありますが、安中市に限っていえば事実誤認だと思います。
特に、本区域の主要幹線である国道18号は、長野、軽井沢方面への観光ルートとして重要な役割を担っており、高崎側では交通渋滞の緩和と、道路交通の安全確保を図るためバイパス計画が進められている。
「本区域の道路整備にあたっては、3・3・10号南北中央幹線による南北方向の新たな交通軸の形成と、市街地の一体化を促進する地区間補助幹線道路等の整備を一体的に進めていく」と、かつての小川市長時代から同じ事をいっていますが、いつになったら、骨太の道路網整備になるのか、市民はだれももう信用していません。このような古びたスローガンを毎年掲げ続けるのはもうやめましょう。
「道路の構造は、高齢者が歩きやすいよう、あるいは車いす等の通行が容易になるよう、歩道の段差解消等のバリアフリーを図ることにより、高齢者、身体障害者等すべての人にとって使いやすい構造とする」とありますが、山間地では物理的に無理です。バリアフリーは公共施設とその周辺だけで充分だと思います。
<自転車道>
サイクリングロード整備は、平坦地の高崎以東の東毛地区に任せて、安中市では、ウォーキング用の散策路の整備を図るべきです。安中市ではすでに山間地にも道路網が整備されていることから、ライド&ウォークの里山コースや河川湖沼の親水コースなどに適した多様なコース配置を工夫できる地形や環境に恵まれていると思います。
【c 主要な施設の整備目標】
「おおむね10年以内に着手または整備を予定する事業は次のとおりである。○03・3・1号国道18号線の整備 ○03・4・15号磯部原市線の整備」とありますが、国道18号線だけで充分です。
②下水道及び河川
【a 基本方針】
ア 下水道及び河川の整備の方針
下水道の整備は、現在の計画達成でもう充分だと思い増す。これ以上進める必要はありません。
「河川については、碓氷川、九十九川など25本の一級河川、4本の準用河川があり、地形条件から水が集まる特性に加え、本区域西部では急峻な地形を縫って流れ込んでおり、未改修の部分も相当あり、開発による保水機能の滅少や、流出量の増加・流水の水質汚濁等、本来河川が有する治水・利水等の独自の機能において支障が生じる恐れがある」とありますが、水害時の復旧対策のような対症療法以外には、無理に河川改修をする必要はありません。もちろん、老朽化して安全上問題な場所は例外ですが。
<下水道>
上述のとおり、現在の計画達成で充分です。少子高齢化傾向から、それ以上の整備計画の推進は無用です。
<河川>
上述のとおり、不要不急の箇所まで無理して整備を図る必要はありません。
イ 整備水準の目標
<下水道>
地形的にみて、下水道普及率の目標が高すぎるのではないでしょうか。現実的な数値に見直してください。その他の地域では、単独あるいは共同の合併浄化槽の設置で充分なのでは。
<河川>
上述のとおりです。
【b 主要な施設の配置の方針】
<下水道>
上述のとおり。
<河川>
上述のとおり。
【c 主要な施設の整備目標】
おおむね10年以内に着手または整備を予定する事業は次のとおりである。
<下水道>
○「流域関連公共下水道(県央処理区)の整備」とあるが、人口の減る安中市関係では、メンテナンス程度で充分だと思います。
<河川>
○「九十九川、猫沢川の整備」とあるが、無理に特定する必要はありません。
③その他の都市施設
【a 基本方針】
「既成市街地、市街化進行地域、新市街地の人口動態に対応した公共施設の長期的な配置計画により整備を図る」とありますが、人口の減少と少子化と高齢化で、これ以上新規の配置整備は不要です。既存施設のメンテナンスの充実で充分です。
【b 主要な施設の配置の方針】
<火葬場>
特にコメントはありません。
<ごみ処理施設>
特にコメントはありませんが、現在安中市の焼却灰を持ち込んでいるサイボウ環境の処分場は、違法手続きで建設された事を、市民に知ってもらう必要があります。少なくとも、安中市の焼却灰の持込については、サイボウ環境に依存せず、自前で溶融設備を導入して、市道メンテナンス工事用の材料用にリサイクルすべきです。
3)市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針
主要な市街地開発事業の決定の方針
「中心市街地の活性化や居住環境の改善を円滑かつ効率的に実施していくため、市街地開発事業の導入を検討していく」とありますが、開発のルール遵守の監視だけで充分です。市が安中市土地開発公社の横領事件による巨額簿外債務を薄めるために無理して開発事業に手を染めることのないように、明記しておくべきです。
「特に中山道を軸として発展してきた既成市街地については、居住環境の改善を図るために土地区画整理事業の導入を図っていく。」とありますが、秋の増えた市街地に無理して土地区画整理事業を導入して、市民の財産権を脅かし、安中市土地開発公社の扱い事業創出による簿外債務返済資金捻出をもくろむような事業は不要です。
4)自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定の方針
【a 基本方針】
ア 自然的環境の特徴と現状、整備又は保全の必要性
一番重要なのは、東邦亜鉛安中精錬所による広大な土壌汚染土地問題です。これに言及せずに都市計画を語れません。しかも、現市長は東邦亜鉛安中精錬所の汚染土壌回復事業のための負担金軽減を慮って、東邦亜鉛安中精錬所に隣接して広大な墓地公園構想を進める有様です。この愚行について、きちんと不要である事を都市計画で明記してください。
「本区域における公園・緑地等の公共空地は、市民のレクリエーション活動に対する需要の的確な予測に基づくとともに、都市環境の向上、景観の保全、災害の防止等、機能を総合的に発揮できるよう計画する」のはそのあとのことです。
イ 緑地の確保目標水準
緑地確保目標水準(平成27年)
「将来市街地に対する割合 約 6%(約64ha)、都市計画区域に対する割合 約78%(約7883ha)」とありますが、それぞれ目標を10ポイントほど増やしてもよいとおもいます。
ウ 都市公園等の施設として整備すべき緑地の目標水準
「都市計画区域人口一人当たり目標水準 平成12年 15.8㎡/人、平成22年 26.2㎡/人、平成27年 67.1㎡/人」とありますが、これほど極端に増やす必要はないと思います。市街地周辺の緑地の保全で、充分緑化需要はまかなえるはずです。
【b 主要な緑地の配置の方針】
ア 環境保全系統
不要不急の緑地配置に無理矢理カネを投じる必要はありません。
イ レクリエーション系統
成り行きで達成できるはずなので、特にコメントはありません。「西毛総合運動公園の整備を進め、住民の多様化するレクリエーションの需要に応える」とありますが、里山の活用もはかってください。
ウ 防災系統
保安林が、役所の利権の都合で勝手に伐採されているのが安中市の実態です。したがって、有言不実行をあらためることが先決です。
エ 景観構成系統
「街並みの背景となる丘陵等を眺望できるよう、広場・公園・道路等の通景緑について配慮した都市づくりを行う」とありますが、何もしなくても達成できると思います。
「歴史的意義のある場所である社寺林等は、郷土景観を構成する緑地として保全を図る」につても、同様です。
オ 地域に特有な地形の保存
北部の森林ゾーンは、隣接する松井田町、榛名町、倉淵村と連担して県土の骨格を形成する自然緑地ゾーンであり、広域的な見地から保全を図る。
また、碓氷川、九十九川の水辺は、広域都市圈を横断する骨格的な水辺環境軸であり、広域的見地から保全を図る。
【c 実現のための具体の都市計画制度の方針】
無理して不要不急な公園を新規に作る必要もありません。かえって樹木剪定や草刈作業など余計なメンテナンスコストもかかります。
【d 主要な緑地の確保目標】
今後、10年以内に整備予定の主要な公園等の公共空地として次の2つが掲げられていますが、都市公園?について、「(仮称)築瀬二子塚公園の整備」だけを行う理由が分かりません。ほかにも整備対象の公園があるのではないでしょうか。(仮称)安中榛名駅周辺多目的広場の整備」は、現市長の公約にもあったように、そのまま緑地にしておけばよいことであり、特にここでハイライトするいわれは無いと思います。
以上
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【ひらく会情報部】
<参考資料>
安中都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
平成16年5月 群 馬 県
目 次
1.都市計画の目標 …………………………………………………………………1
1)都市づくりの基本理念 ……………………………………………………1
2)地域毎の市街地像 …………………………………………………………3
2.区域区分の決定の有無及び区域区分を定める際の方針 ……………………4
1)区域区分の決定の有無 ……………………………………………………4
3.主要な都市計画の決定の方針 …………………………………………………5
1)土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針 ………………………5
2)都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定の方針 ………………6
3)市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針 ………………10
4)自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定の方針 …………10
<基準年次・目標年次について>
「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」は、20年後の都市の姿を展望した上で、10年後の都市将来像について記載したものです。基準となる年(基準年次)は「国勢調査」との関係から平成12年としており、目標とする年(目標年次)は10年後の平成22年としています。
1.都市計画の目標
1)都市づくりの基本理念
①都市の位置・特性及び位置づけ
安中都市計画区域は、高崎市の西側に接している安中市の全域である。地形的には碓氷川と九十九川の流域に広がる標高110m~200mの平坦地と、それを囲むように標高300m程度までの丘陵地があり、その北西部には山地が展開して地形の起伏が多い。山地部や丘陵地部では植林地が主であるが、一部には照葉樹林などの自然植生など貴重なものも残されている。
市街地は中山道に沿うように東西に細長く形成され、宿場町や安中城の城下町の面影を今に伝えている。また、野殿天王塚古墳、後閑城趾、旧安中藩武家長屋・郡奉行役宅、国天然記念物に指定されている安中原市の杉並木など各時代の歴史的遺産や、秋間梅林、磯部温泉などの観光レクリエーション機能にも富んでいる。このような豊かな自然、歴史とともに赤城山、榛名山、妙義山の上毛三山を一望できる良好な眺望も有している。
交通条件は、東西方向の軸として、広域的な幹線道路である国道18号や、北陸新幹線の安中榛名駅、JR信越本線があるものの、南北方向の軸が不足している。将来的に南北方向の軸である西毛広域幹線道路が完成すると、上信越自動車道や関越自動車道とのアクセス向上や隣接都市との連携強化が図られる。
本区域は、このような豊かな自然や歴史的遺産、観光資源を都市づくりに活用し、前橋・高崎広域都市圈西部の中核的機能を担う都市として位置づけられる。
②都市づくりの課題と重点項目
【課題】
本区域の市街地は、碓氷川、九十九川、柳瀬川に囲まれて東西に細長く展開している。中心地域では、用途地域外での商業開発や住宅の開発などにより空洞化が進み、面的な基盤整備がほとんどなされていない未整備な市街地が広がっている。このため、市街地の都市機能の充実と都市の中心となる拠点づくりが課題となっている。
北陸新幹線の安中榛名駅周辺は、西毛地域の玄関口として来訪者に市の魅力をPRする拠点づくりが進められている。新幹線を使えば東京駅まで約1時間であり、この立地条件を活かした市街化の促進を図ることが課題となっている。
これらは、「ぐんま都市・地域づくりビジョン」が示す方針、“活力と賑わいのある都市・地域づくり”“文化・自然・景観を活かした都市・地域づくり”“安全で安心に暮らせる都市・地域づくり”を目指すためにも、早急に対処していくべき課題といえる。
【重点項目】
本区域は、関東内陸部における中核的都市として位置づけられる高崎市に隣接しているため、その影響を直接受ける状況にある。現状のままでは、高崎市への都市機能の依存がますます強まる可能性があり、広域都市圈西部の中核的機能を担う都市としての役割を果たしていくことが難しい面がある。このため、高崎市との都市機能の分担を図りつつ、自立的な都市づくりを目指し、本区域の自然や歴史などを十分に活用した魅力ある都市空間を築くことが都市づくり上の特に重要な課題である。
③都市づくりの基本理念と目標
本区域は、中山道の宿場町であり、古くから広域交通の中継地として発展し、また、安中城の城下町でもあったため、街並みにはその面影が残っている。全国的に人口が減少する中で、本区域において、大幅な人口の増加や産業の新たな集積による量的な拡大は困難な環境にある。むしろ、保有する都市機能の充実や歴史的背景を十分に活用して都市生活の質的向上を図るとともに、中山道を軸とする歴史をテーマとして本区域固有の魅力を高めることにより、定住の場・産業の場として選択されうる、農林漁業と調和した都市空間づくりを目指し、以下のような都市づくりの基本理念と目標を設定する。
(群馬県 都市づくりの基本理念)
『豊かな田園と自然環境・美しい景観と文化が感じられる都市』
<前橋・高崎広域都市圈 都市づくりイメージ>
『県の中枢を担う商業・業務、行政、交流居住機能が充実した都市圈づくり』
『活力ある中心市街地の再生と豊かな田園環境のもと、ゆとりある居住環境と共生した都市圈づくり』
[安中都市計画区域 都市づくりの目標]
○広域的なネットワークによる賑わいと活力ある都市づくり
○豊かな自然と歴史・文化が感じられるまちづくり
○住みよさが実感できるまちづくり
2)地域毎の市街地像
①市街地ゾーン
市街地ゾーンでは、本区域の有する歴史や自然資源などを有効に活用して都市居住の魅力を高め、中山道に沿うように帯状に形成されている市街地の特徴を活かした市街地づくりを目指すとともに、碓氷川の両側に分散する市街地の一層の一体化を図る。
旧中山道安中宿沿いの市街地は、宿場町としての風致を活かした景観づくりを行い、本区域の顔づくりを目指す。
また、旧中山道沿いのそれ以外の市街地についても同様の対応を図り、帯状に形成されている市街地全体で歴史や安らぎを感じることができる空間づくりに努める。
市街地周辺を碓氷川と九十九川が流れていることから、身近に触れ合うことのできる水辺空間として積極的な活用を目指し、潤いを感じることができる市街地づくりに努める。
【都市拠点】
市役所周辺地区では、既存の公共施設を活かすとともに、道路網の整備などによる車利用の利便性向上による機能強化を図り、安全性にも配慮した賑わいのある拠点づくりを進める。
【生活拠点】
原市、磯部、板鼻地区では、公共サービスに加え、日常購買需要などにも対応できる、生活利便性を有した拠点づくりを進める。
【観光・交流拠点】
磯部地区では、温泉観光地が形成されていることから、日常購買需要とともに観光ニーズに対応し、安中榛名駅、秋間梅林などとも連携した拠点づくりを目指す。
【産業拠点】
JR安中駅の南側地区、JR磯部駅の南側地区及び安中工業団地には、工業地などを集約的に配置し、環境の保全にも配慮した産業拠点の形成を図る。
②農地・集落ゾーン
市街地を囲む農地・集落ゾーンについては、本区域の豊かな自然環境と美しい郷土景観を形づくる大切な要素であることから、農業振興を図るとともに生活基盤の整備を図り、美しい田園景観を保全する。
③自然共生ゾーン
本区域の北部及び南部に広がる丘陵地は、緑豊かな自然環境や景観を保全しつつ、これらと共存する以下の拠点の形成を図る。
【広域交流拠点】
安中榛名駅を中心に、西毛地域の玄関口として来訪者に市及び広域の魅力をPRする拠点の形成を図る。
【観光・交流拠点】
秋間梅林周辺では、観光・交流拠点づくりを図り、安中榛名駅、磯部温泉などとも連携した観光周遊の拠点として位置づけていく。
【環境・学習拠点】
学習の森周辺では、みどりの中で自然・歴史・文化を通じ、環境と共生した暮らしの重要さや伝統文化を学べる拠点の形成を図る。
④森林ゾーン
本区域の北西部に広がる山地は、森林などの豊かな自然環境を活かし、防災
についても配慮しつつ、緑豊かな自然環境や景観の保全を図る。
2.区域区分の決定の有無及び区域区分を定める際の方針
1)区域区分の決定の有無
本区域に区域区分を定めない。
区域区分を定めないとした根拠は、次のとおりである。
■都市計画区域内人口や世帯数は、ほぼ横ばいの傾向にあり、市街地が拡大する可能性はそれほど大きくないものと考えられる。
■産業の面からも、工業出荷額、商業販売額ともにほぼ横ばいに推移すると予測され、市街地が拡大する可能性はそれほど大きくないものと考えられ、今後の土地需要の見通しは、ある程度予想されるが、限定的であると考えられる。
■したがって、本区域における無秩序な市街化の進行は見込まれないと判断され、国土交通省令に規定される既成市街地要件も満たさない状況にあることから、区域区分を定めないとした。
なお、
■今後は各種法令との連携を図りつつ、既に指定されている用途地域や、地区計画等の都市計画制度の活用により、開発・建築を規制・誘導し計画的な都市づくりを進めていくものとする。
3.主要な都市計画の決定の方針
1)土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針
①主要用途の配置の方針
【a 商業・業務地】
安中地区の市役所周辺、安中榛名駅周辺に商業・業務地を配置する。また、原市、磯部、板鼻地区では日常購買需要を賄う商業地を配置する。
安中地区の市役所周辺の中心市街地には商業地が形成されているが、車利用の不便さ、商業施設の国道18号バイパスヘの立地などにより中心商店街の衰退が進んでいる。このため、車利用の利便性を向上させるなどの工夫や郊外型商業施設との機能分担を図りつつ、中心市街地にふさわしい商業・業務機能の充実を図る。なお、国道18号バイパス沿道は沿道サービス施設の立地動向が強いことから、中心市街地との機能分担を図りつつ、沿道土地利用の適正化とともに良好な都市景観の形成に配慮する。
生活拠点となる原市、磯部、板鼻地区では、日常購買需要を賄う商業機能の充実を図る。なお、磯部地区では観光拠点としての性格も有していることから、
観光需要に必要な機能の強化にも努める。
安中榛名駅周辺は、西毛地域の玄関口として来訪者に市の魅力をPRする場であることから、それにふさわしい景観と機能を備えた商業・業務機能の充実に努める。
【b 工業地】
既存の郷原地区の安中工業団地、磯部駅と安中駅南側の既存工場が集積している地区に工業地を配置する。
工業地については、今後とも環境の保全に配慮した専用的な工業地として維持する。
【c 住宅地】
商業・業務地及び工業地以外の市街地に住宅地を配置する。
安中、原市、板鼻地区は、中山道を軸として発展してきたことから、比較的建物が建て込んでいるため、既存の風致を活かしつつ居住環境の改善に努める。
磯部地区は、温泉街以外については良好な居住環境の形成に努める。
安中榛名駅周辺は、駅への近接性や周辺の豊かな自然環境を活用した住宅地づくりに努める。
②土地利用の方針
【a 居住環境の改善または維持に関する方針】
中山道を軸として発展してきた既成市街地については、道路などの基盤施設が十分に整っていない中に老朽化した木造建築物等が建て込んでいるため、居住環境の改善が必要である.このため市街地開発事業、または誘導施策により都市施設の整備を行い、居住環境の改善に努める。
【b 都市内の緑地または都市の風致の維持に関する方針】
郷土景観を構成する身近な緑である社寺林等は小規模でも保全に努める。また、旧中山道沿いの市街地については、歴史街道としての風致を考慮した景観形成を目指す。
【c 優良な農地との健全な調和に関する方針】
用途地域周辺部には優良な農地が分布しており、農業振興地域内の農用地区域となっている。これら優良な農地については保全を図るものとする。
【d 自然環境形成の観点から必要な保全に関する方針】
市街地周辺を流れる碓氷川、九十九川の周辺は、自然緑地としての機能を果たしており都市景観や親木環境の保全に努める。
市街地をとり囲む斜面緑地は、地域性緑地の指定を検討し、その保全に努める。
【e 計画的な都市的土地利用の実現に関する方針】
集落地域は、各種法令の適用による土地利用の整序を図るなど、生活環境の向上に努めるものとする。
また市街地内では、用途地域等の運用により、適切な用途の建築物の立地と集積を誘導することにより、良好な市街地環境をもつ秩序ある土地利用の形成を図る。
2)都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定の方針
①交通施設
【a 基本方針】
ア 交通体系の整備の方針
本区域の交通体系は、公共輸送機関として鉄道及びバス路線網があるものの、現在の交通手段別の利用状況としては自家用自動車による道路利用が多い。
本区域の道路交通需要は都市化の進展等により伸びており、特に高崎及び長野、軽井沢方面と連絡する幹線道路である国道18号では、首都圏からの観光交通の流入に生活道路としての機能も加わり、渋滞解消が課題となっている。
都市活動の活性化等により、交通需要は今後も着実に伸びるものと思われる。この中で、特に、高崎方面への増大が著しいものと予測される。また、碓氷川に沿って市街地が帯状に発達していることから交通流は特定のルートに集中しやすく、通過交通と日常交通の混在などにより市街地交通の円滑性が阻害されている。
道路の整備状況では、幅員が狭く都市機能を大きく低下させている等、交通需要に対して整備がかなり遅れている。
このような状況を踏まえ本区域の交通体系は、次のような基本方針のもとに整備を進める。
・今後とも増加する交通需要に対しては、極力公共輸送機関である鉄道及びバスの活用を図りつつ総合的な交通体系を関係機関とともに計画する。
・施設計画にあたっては、交通管理にも十分配慮し効率的な交通体系の確立を目指す。
・施設整備にあたっては、既存施設の有効利用を図りつつ、計画的・段階的整備を行う。
イ 整備水準の目標
交通体系については、可能な限り長期的視点にたった整備を図っていくものとするが、道路については、次のような整備水準を目標として整備を進める。
道路網の整備率は18%(平成13年3月31日現在)程度にとどまっているが、おおむね10年後には広域的交通需要に対する骨格道路の整備をすることを目標にし、おおむね20年後には幹線道路網の目標水準である3.5 km/km2に近づけるよう整備を進める。
【b 主要な施設の配置の方針】
<道路>
本区域の道路網は、東西を走る国道18号を軸として、県道及び市道が交差しているが、道路幅員が狭く歩道の整備がされていない道路が多い。
一方、道路交通需要は、近年のモータリゼーションの進展、経済活動の増進、都市活動の増大等により自動車交通量が著しく増大してきており、年々、市街地交通が絹綾してきている。
特に、本区域の主要幹線である国道18号は、長野、軽井沢方面への観光ルートとして重要な役割を担っており、高崎側では交通渋滞の緩和と、道路交通の安全確保を図るためバイパス計画が進められている。
このほか、本区域の道路整備にあたっては、3・3・10号南北中央幹線による南北方向の新たな交通軸の形成と、市街地の一体化を促進する地区間補助幹線道路等の整備を一体的に進めていくものとする。
道路の構造は、高齢者が歩きやすいよう、あるいは車いす等の通行が容易になるよう、歩道の段差解消等のバリアフリーを図ることにより、高齢者、身体障害者等すべての人にとって使いやすい構造とする。また、既存歩道のバリアフリー化を推進する。
<自転車道>
自動車交通から自転車交通への転換を促進するため、群馬県と安中市で策定した「群馬県サイクリングロードネットワーク計画」に基づき、「段差解消等既存歩道の再整備」や「車道を狭めて路肩を拡げ自転車走行空間を確保する裏道を利用した整備」、「河川沿いの自転車歩行者専用道路の整備」などを実施し誰もが気軽に自転車の利用しやすい環境の整備に努める。
【c 主要な施設の整備目標】
おおむね10年以内に着手または整備を予定する事業は次のとおりである。
○03・3・1号国道18号線の整備
○03・4・15号磯部原市線の整備
②下水道及び河川
【a 基本方針】
ア 下水道及び河川の整備の方針
下水道については、安全で快適な住環境の形成を図り、公共用水域の水質を保全し、良好な水環境を創出するため、下水道の整備を進める。
また、河川については、碓氷川、九十九川など25本の一級河川、4本の準用河川があり、地形条件から水が集まる特性に加え、本区域西部では急峻な地形を縫って流れ込んでおり、未改修の部分も相当あり、開発による保水機能の滅少や、流出量の増加・流水の水質汚濁等、本来河川が有する治水・利水等の独自の機能において支障が生じる恐れがある。
このような状況を踏まえ今後とも増大する排水量に対応し、都市の健全な発達と公衆衛生向上に資する基盤施設の整備のみならず、良好な水質環境の回復と保全のため、下水道と河川の一体的な整備を図り、特に流域の保水・遊水機能の保全を図るとともに必要な箇所について整備を行う。
<下水道>
市街地を中心に関連公共下水道による整備を進めているものの、公共下水道の普及率は14%(平成13年3月31日現在)程度にとどまっており、引き続き計画的な整備を進めていくものとする。
今後、人口が集中し投資効果の高い地区等を中心に計画的な整備の促進を図る。その他の区域では、地域特性に応じた各種汚水処理施設により整備を図る。
さらに市街地の浸水被害を解消するため、雨水排水施設の整備を図る。
<河川>
今後の河川の整備は、周辺環境等に配慮しつつ、治水対策が必要な箇所について整備を図る。
イ 整備水準の目標
<下水道>
将来的には、下水道の普及率をおおむね50%まで高めることを目標とする。
なお、その他の地域においても各種事業により、汚水処理を進めるものとする。
<河川>
河川は、今後計画的に整備を実施すべき区間については、河川整備計画を策定するとともにその整備水準を検討していく。
【b 主要な施設の配置の方針】
<下水道>
本区域における市水道計画は、用途地域内の未整備地区を重点的に整備するとともに、5年に1度程度の浸水を解消するための整備を図る。
<河川>
基本方針を踏まえ、自然環境や景観に配慮しつつ治水対策が必要な箇所について護岸等の整備を推進する。
【c 主要な施設の整備目標】
おおむね10年以内に着手または整備を予定する事業は次のとおりである。
<下水道>
○流域関連公共下水道(県央処理区)の整備
<河川>
○九十九川、猫沢川の整備
③その他の都市施設
【a 基本方針】
既成市街地、市街化進行地域、新市街地の人口動態に対応した公共施設の長期的な配置計画により整備を図る。
【b 主要な施設の配置の方針】
<火葬場>
火葬場は、周辺の環境の保全に配慮しつつ、既存のすみれケ丘聖苑の適正な維持管理を図る。
<ごみ処理施設>
ごみ処理は、安中・松井田衛生施設組合により共同処理を行っているが、資源の有限性とごみの効率処理という観点から、ごみの減量化を積極的に進めるとともに、再資源化、再利用に努め、既存の碓氷川クリーンセンターの適正な維持管理を図る。
3)市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針
主要な市街地開発事業の決定の方針
中心市街地の活性化や居住環境の改善を円滑かつ効率的に実施していくため、市街地開発事業の導入を検討していく。
特に中山道を軸として発展してきた既成市街地については、居住環境の改善を図るために土地区画整理事業の導入を図っていく。
4)自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定の方針
【a 基本方針】
ア 自然的環境の特徴と現状、整備又は保全の必要性
本区域の市街地は、碓氷川、九十九川、柳瀬川に囲まれて東西に細長く形成されている。その周囲は丘陵地となっており自然環境が豊かな土地である。これらの豊かな自然環境を維持し都市における良好な生活環境を形成するために、その目標量等を設定し、都市環境の改善・レクリエーション需要の充足並びに都市防災の強化など、健康で安全かつ文化的な都市づくりに資するものとする。
本区域における公園・緑地等の公共空地は、市民のレクリエーション活動に対する需要の的確な予測に基づくとともに、都市環境の向上、景観の保全、災害の防止等、機能を総合的に発揮できるよう計画するものとする。今後、市街地においては、地区状況に合わせた整備手法の導入により適正な規模で配置を行い、近隣・街区公園等を計画的に整備し、公共空地の確保に努めるものとする。
イ 緑地の確保目標水準
緑地確保目標水準(平成27年)
将来市街地に対する割合 約 6%(約64ha)
都市計画区域に対する割合 約78%(約7883ha)
ウ 都市公園等の施設として整備すべき緑地の目標水準
都市計画区域人口一人当たり目標水準 平成12年 15.8㎡/人
平成22年 26.2㎡/人
平成27年 67.1㎡/人
【b 主要な緑地の配置の方針】
ア 環境保全系統
市街地周辺を流れる碓氷川と九十九川の河川緑地は、治水計画との整合を図りながらオープンスペースとして保全に努める。(地域制緑地)
市街地内における社寺境内地の緑は、小規模なものでも身近で貴重な緑として保全するとともに、市街地内の工業用地では、環境保全を図るため緑地の配置に努める。
また、市街地をとり囲むオープンスペースとして、市街地に接する農用地も位置づける。
イ レクリエーション系統
各住区に、おおむね4ヵ所の街区公園、1ヵ所の近隣公園を適正に配置する。
西毛総合運動公園の整備を進め、住民の多様化するレクリエーションの需要に応える。
ウ 防災系統
山林等、自然災害発生の恐れがある場所については、これらの保全を行うとともに、保安林等法令により定められているものは、積極的に保全を図る。
本区域において、避難機能を持つ緑地の配置は、各住区に計画される近隣公園及び地区公園として位置づける。最終避難地として総合公園等の都市基幹公園を位置づける。
エ 景観構成系統
街並みの背景となる丘陵等を眺望できるよう、広場・公園・道路等の通景緑について配慮した都市づくりを行う。
また、歴史的意義のある場所である社寺林等は、郷土景観を構成する緑地として保全を図る。
オ 地域に特有な地形の保存
北部の森林ゾーンは、隣接する松井田町、榛名町、倉淵村と連担して県土の骨格を形成する自然緑地ゾーンであり、広域的な見地から保全を図る。
また、碓氷川、九十九川の水辺は、広域都市圈を横断する骨格的な水辺環境軸であり、広域的見地から保全を図る。
【c 実現のための具体の都市計画制度の方針】
区 分 / 方 針
都市公園 街区公園/利用圈域人口、居住者の利用の容易性、市街地整備事業、土地利用状況及び将来の見通し等を勘案して配置するものとする。
都市公園 近隣公園/同上
都市公園 地区公園/住区基幹公園の配置バランスや都市基幹公園との機能補完を考慮して配置するものとする。
都市公園 総合公園/広域的な観点から配置するものとする。
都市公園 運動公園/同上
都市公園 特殊公園/市街地の周辺部に分布する緑地のうち、歴史的風土のシンボル性を有する地区については、歴史公園として整備する。
緑地保全地区/特に良好な自然環境を有する緑地については、緑地保全地区の積極的・計画的な活用により、保全を図る。
風致地区/里山となる市街地背後の丘陵地や水辺地などにおいて指定を検討し、良好な自然環境や風致の保全を図る必要がある。
【d 主要な緑地の確保目標】
おおむね10年以内に整備予定の主要な公園等の公共空地は次のとおりである。
○(仮称)築瀬二子塚公園の整備
○(仮称)安中榛名駅周辺多目的広場の整備