毎日新聞が2019年8月9日 に、『「東邦亜鉛」が有害スラグ 公園や住宅の庭などで使用 健康被害懸念も』と題したスラグ報道を行いましたが、この報道記事に載っていた建設会社のリサイクルプラントやガーデニング会社の活動状況はその後どうなっているのでしょうか?当会の誇る老人徘徊群団のリットン調査団に調査を依頼していたところ報告がありました。
↑毎日新聞が入手した東邦亜鉛製のスラグ↑
新聞報道はこちらです。↓↓
○2019年8月9日:【鉛・ヒ素入りスラグ問題】ついにシラを切れずにスラグ対策で利益49億円減を公表した公害企業・東邦亜鉛↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3000.html#readmore
*****リットン調査団報告*****
スラグ不法投棄特別調査チーム“リットン調査団”集合(^^)/。
団長A:8月の毎日新聞のスラグ報道はお手柄だったね。
団員B:東邦亜鉛だけでなく、手下の建設会社や転売先まで取り上げられていてびっくりしましたね。
団員C:東邦亜鉛のスラグ問題は、一般住宅にまで被害が多数でていて腹が立ちますね。
団長A:建設会社のリサイクルプラントや転売先はどうなっているのかな?調査に行ってみよう。
↑東邦亜鉛の手下となってあちこちに鉛・ヒ素入りスラグをばら撒いた岡田工務店グループのリサイクルプラントです。門は空いてますね。↑
↑ちょっとアップで撮影。あれあれ~ベルトコンベアが回っていて砕石が積みあがっていますね。群馬県や高崎市は、なぜスラグ不法投棄事件をおこしたリサイクルプラントを一時営業停止させないのでしょうね。悪質な企業だから未だに鉛ヒ素入りスラグを隠し持っていて、コンクリートなどに混ぜ込んでいるかもしれない。これ以上被害を広げないために即時営業を停止させろ!↑
↑近くの違法盛り土製造場所に行ってみよう。こちらには未だに大量の鉛・ヒ素入りスラグが隠してある。おやおや~、建設重機が動いていてスラグをどこかに運んでいるぞ。直ちにこの違法盛り土置き場を封鎖し、悪質業者に触らせないでもらいたい。未だに不法投棄を続けているかもしれないぞ!↑
違法盛り土製造のお話はこちらをご覧ください↓↓
○2019年6月3日:鉛・ヒ素入りスラグ調査!…GW特別調査・他にもあった岡田ソーラー②↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2958.html#readmore
ここでちょっと、毎日新聞のスラグ報道をおさらいしましょう。
**********
「スラグは金属製錬の際に炉にたまる金属くずで、基準を超える有害物質が含まれていないことなどを条件に建設資材に再生利用されるケースもある。毎日新聞は同社製スラグを取引先から入手し、国指定の検査機関に分析を依頼したところ環境基準の55倍の鉛と6倍のヒ素が検出された。
同県高崎市の建設会社などによると、東邦亜鉛は少なくとも10年前からスラグを販売。建設会社は公園整備や道路舗装などの公共工事に利用したほか、県内のガーデニング会社に転売し、住宅の庭や駐車場に敷き詰められていた。専門家から子どもの健康被害などを懸念する声が出ている。」
**********
本当に悪い奴っているもんだね。ガーデニング会社にも行ってみよう。
↑群馬県榛東村のクラフトガーデンという会社に来てみました。もちろん当調査団は、どこにでも平気で大同有害スラグをまき散らした(株)佐藤建設工業と異なり、無断で敷地内には入ったりしません。↑
↑事務所の下は資材置場になっていますね、敷地いっぱいに鉛ヒ素入りスラグが敷き詰められています。今まで何人のマイホームの夢を台無しにしてきたのだろうか?↑
↑おいおい!今にも鉛色した東邦亜鉛の有害スラグを販売しそうではないか!高崎市や群馬県、今すぐこの悪質な庭師の営業を止めろ!これ以上被害者をださせるな!↑
*****続く*****
産業廃棄物は、最高裁判例に従い現在では5つの要素を総合的に検討して認定されます。
ア 物の性状・・・鉛やヒ素などが環境基準を超えていればアウト!
イ 排出の状況・・・亜鉛製造に伴い副次的にできてしまうものはアウト!
ウ 通常の取扱い形態・・・毒が含まれていれば市場など無し、アウト!
エ 取引価値の有無・・・毒があれば価値など無しアウト!
オ 占有者の意思・・・毒があれば有償譲渡などできるはず無しアウト!
以上5つの要素を検討しますが、東邦亜鉛の有害スラグの場合、全てにおいてアウト! よって、完璧に「廃棄物」です。
東邦亜鉛は安中市に工場がありますので、廃棄物に認定するのは群馬県となります。群馬県は廃棄物処理法第18条に基づき報告の聴取を行ったり、法第19条に基づいて立入検査を実施しているはずですが、それ以前にまずやることがあるはずです。それは高崎市と協力して更なる被害者が出るのを防ぐことです。
まずやるべきは、東邦亜鉛の安中精練所のスラグ製造を止めること、そして不法投棄の実行犯である岡田工務店グループやその転売先の悪質な庭師の営業を一時停止させ、スラグの拡散を止めることです。
一刻も早く鉛やヒ素入りスラグの拡散を止めよ!
そして廃棄物認定し、法に則り適正に処分させよ!
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考資料:毎日新聞のスラグ報道
**********毎日新聞2019年8月9日 19時02分(最終更新 8月9日 21時35分)
「東邦亜鉛」が有害スラグ 公園や住宅の庭などで使用 健康被害懸念も
↑毎日新聞が入手した東邦亜鉛製のスラグ=東京都千代田区で2019年8月9日、竹内紀臣撮影↑
環境基準を大きく超える鉛やヒ素が含まれる砂利状の金属片「スラグ」が、群馬県内の公園、駐車場、住宅の庭などで使用されていた。東証1部上場の金属メーカー「東邦亜鉛」の安中製錬所(群馬県安中市)から排出されたもので、毎日新聞の取材に対し、同社の取引先の建設会社は自社工事分だけで使用が数十カ所に上ると明らかにした。東邦亜鉛は9日、有害なスラグの出荷を認めて関係者に謝罪。同社負担で回収・撤去する方針を示し、費用が約69億円に上る可能性があると発表した。
スラグは金属製錬の際に炉にたまる金属くずで、基準を超える有害物質が含まれていないことなどを条件に建設資材に再生利用されるケースもある。毎日新聞は同社製スラグを取引先から入手し、国指定の検査機関に分析を依頼したところ環境基準の55倍の鉛と6倍のヒ素が検出された。
同県高崎市の建設会社などによると、東邦亜鉛は少なくとも10年前からスラグを販売。建設会社は公園整備や道路舗装などの公共工事に利用したほか、県内のガーデニング会社に転売し、住宅の庭や駐車場に敷き詰められていた。専門家から子どもの健康被害などを懸念する声が出ている。
昨年9月、この建設会社も整備に関わった高崎市の公園駐車場などを群馬県や同市が調査し、基準の最大57倍の鉛や同3倍のヒ素を検出。県などは廃棄物処理法違反の疑いがあるとみて既に東邦亜鉛を立ち入り検査した。違反が認められれば行政処分や刑事告発などが行われる可能性もある。
建設会社社長は「東邦亜鉛から安全な資材と説明され、有害物質が検出されなかったという検査結果も受け取っていた」と話した。東邦亜鉛総務部は8日、毎日新聞の取材に「環境基準を超過する製品(スラグ)が出荷され、一部販売先で品質管理が十分されていなかった」とコメント。出荷件数などは調査中とした。
東邦亜鉛は1937年創業。群馬県安中市のほか広島県大崎上島町、福島県いわき市に製錬所を持ち、亜鉛製品や鉛、硫酸などを製造販売する。72年には、安中製錬所から排出されたカドミウム汚染水などが農作物に影響を与えたとして、地元農家らが損害賠償を求め提訴し、会社側が4億5000万円を支払うことなどで86年に和解している。【杉本修作、畠山哲郎】
東京農工大の渡辺泉教授(環境毒性学)の話 人体への影響が最も懸念されるのは鉛で、環境学者から見ても異常な濃度。敷いた上を歩く程度ならリスクは低いが、子どもが口に入れるなどすれば神経系の発達に深刻な影響を及ぼしかねず、すぐに撤去すべきだ。工事の作業員の健康被害も懸念される。これだけの濃度を把握しながら商業ベースに乗せていたとすれば企業として問題で、行政は即応すべきだ。
**********毎日新聞2019年8月9日 19時10分(最終更新 8月9日 20時08分)
東邦亜鉛 有害スラグ 住民や関係者に不安 健康被害や撤去費用負担巡り
↑毎日新聞が入手した東邦亜鉛製のスラグ=東京都千代田区で2019年8月9日、竹内紀臣撮影↑
↑スラグとみられる砂利が敷かれた駐車場=群馬県高崎市で、畠山哲郎撮影↑
環境基準を大きく超える有害物質を含む金属片「スラグ」が、群馬県内の住宅などに使われていた。健康被害や撤去費用の負担を巡り、住民や関係者に不安が広がっている。
「使用された場所の数がよく分からない」。東証1部上場の「東邦亜鉛」の安中製錬所(群馬県安中市)からスラグを購入した同県高崎市の建設会社社長は、こう言って声を落とした。東邦亜鉛からは当時、有害物質の説明は受けていなかったという。
この建設会社は公園などの工事に利用した数十カ所のスラグを撤去中だ。ただ、スラグは県内の別のガーデニング会社など複数の業者に転売され、全容を把握しきれていない。
スラグとみられる赤褐色の砂利を自宅の庭に利用した高崎市の女性(36)は「危険だという説明があれば選ばなかった」と悔やむ。庭の砂利からは環境基準の73倍の鉛と5倍のヒ素が検出された。
マイホームの庭に砂利を敷き詰めたのは昨年の夏前。知り合いから紹介された業者に3種の砂利を見せられ、一番安いものを選んだという。検査結果を受け、3人の子どもが触ったりなめたりしないよう、別の業者に撤去を依頼した。「子どもの将来に影響が出ることを大企業が説明もなくやっていたなら、悲しい」と話す。
県内のある寺では駐車場の20平方メートル分に敷かれた砂利から、基準の100倍の鉛と6倍のヒ素が検出された。住職だった男性(72)によると、十数年前に知り合いの建設会社に敷いてもらったという。東邦亜鉛製のスラグの可能性があり、男性は「危機管理はどうなっているのか」と憤った。【畠山哲郎、杉本修作】
**********毎日新聞2019年8月9日 19時13分(最終更新 8月9日 20時32分)
東邦亜鉛 有害スラグ 使用箇所の調査をするも公表せず 関係者に謝罪
↑毎日新聞が入手した東邦亜鉛製のスラグ=東京都千代田区で2019年8月9日、竹内紀臣撮影↑
毎日新聞は、当時の取引先を通じて入手した東邦亜鉛製のスラグ1検体と、同社製スラグの可能性がある群馬県高崎市の住宅の砂利など2検体について住民の許可を得て、国指定の検査機関に成分分析を依頼。その上で東京農工大の渡辺泉教授の研究室に成分比較や詳細な分析を頼んだ。
鉛、ヒ素、銅など30種類の物質濃度が酷似し、自然界では珍しいアンチモン、ビスマス、インジウムなどの物質も高濃度で検出された。これらの点から、渡辺教授は「自然界のものより濃縮されている可能性がある。同一の工場から排出されたとみて間違いない」と指摘した。鉛は中毒になれば脳障害などを引き起こすという。
東邦亜鉛によると、安中製錬所では年5万トンのスラグが発生し、砂利などの建設資材のほか、セメントの原料として販売。ただ、建設資材用のスラグは、業界内での利用厳格化の流れを受けて2016年4月から出荷を停止。使用箇所の調査を続けていたが、公表はしていなかった。
東邦亜鉛の元社員によると、同社は海外から亜鉛原料になる鉱石を輸入。鉱石には健康被害が懸念される物質が含まれ、スラグにも残存するという。元社員は「少なくとも直接触れる可能性がある使い方はすべきでなかった」と話す。
同社はスラグに関する地域住民向けの問い合わせ窓口(平日03・6212・1722)を開設した。
**********
↑毎日新聞が入手した東邦亜鉛製のスラグ↑
新聞報道はこちらです。↓↓
○2019年8月9日:【鉛・ヒ素入りスラグ問題】ついにシラを切れずにスラグ対策で利益49億円減を公表した公害企業・東邦亜鉛↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3000.html#readmore
*****リットン調査団報告*****
スラグ不法投棄特別調査チーム“リットン調査団”集合(^^)/。
団長A:8月の毎日新聞のスラグ報道はお手柄だったね。
団員B:東邦亜鉛だけでなく、手下の建設会社や転売先まで取り上げられていてびっくりしましたね。
団員C:東邦亜鉛のスラグ問題は、一般住宅にまで被害が多数でていて腹が立ちますね。
団長A:建設会社のリサイクルプラントや転売先はどうなっているのかな?調査に行ってみよう。
↑東邦亜鉛の手下となってあちこちに鉛・ヒ素入りスラグをばら撒いた岡田工務店グループのリサイクルプラントです。門は空いてますね。↑
↑ちょっとアップで撮影。あれあれ~ベルトコンベアが回っていて砕石が積みあがっていますね。群馬県や高崎市は、なぜスラグ不法投棄事件をおこしたリサイクルプラントを一時営業停止させないのでしょうね。悪質な企業だから未だに鉛ヒ素入りスラグを隠し持っていて、コンクリートなどに混ぜ込んでいるかもしれない。これ以上被害を広げないために即時営業を停止させろ!↑
↑近くの違法盛り土製造場所に行ってみよう。こちらには未だに大量の鉛・ヒ素入りスラグが隠してある。おやおや~、建設重機が動いていてスラグをどこかに運んでいるぞ。直ちにこの違法盛り土置き場を封鎖し、悪質業者に触らせないでもらいたい。未だに不法投棄を続けているかもしれないぞ!↑
違法盛り土製造のお話はこちらをご覧ください↓↓
○2019年6月3日:鉛・ヒ素入りスラグ調査!…GW特別調査・他にもあった岡田ソーラー②↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2958.html#readmore
ここでちょっと、毎日新聞のスラグ報道をおさらいしましょう。
**********
「スラグは金属製錬の際に炉にたまる金属くずで、基準を超える有害物質が含まれていないことなどを条件に建設資材に再生利用されるケースもある。毎日新聞は同社製スラグを取引先から入手し、国指定の検査機関に分析を依頼したところ環境基準の55倍の鉛と6倍のヒ素が検出された。
同県高崎市の建設会社などによると、東邦亜鉛は少なくとも10年前からスラグを販売。建設会社は公園整備や道路舗装などの公共工事に利用したほか、県内のガーデニング会社に転売し、住宅の庭や駐車場に敷き詰められていた。専門家から子どもの健康被害などを懸念する声が出ている。」
**********
本当に悪い奴っているもんだね。ガーデニング会社にも行ってみよう。
↑群馬県榛東村のクラフトガーデンという会社に来てみました。もちろん当調査団は、どこにでも平気で大同有害スラグをまき散らした(株)佐藤建設工業と異なり、無断で敷地内には入ったりしません。↑
↑事務所の下は資材置場になっていますね、敷地いっぱいに鉛ヒ素入りスラグが敷き詰められています。今まで何人のマイホームの夢を台無しにしてきたのだろうか?↑
↑おいおい!今にも鉛色した東邦亜鉛の有害スラグを販売しそうではないか!高崎市や群馬県、今すぐこの悪質な庭師の営業を止めろ!これ以上被害者をださせるな!↑
*****続く*****
産業廃棄物は、最高裁判例に従い現在では5つの要素を総合的に検討して認定されます。
ア 物の性状・・・鉛やヒ素などが環境基準を超えていればアウト!
イ 排出の状況・・・亜鉛製造に伴い副次的にできてしまうものはアウト!
ウ 通常の取扱い形態・・・毒が含まれていれば市場など無し、アウト!
エ 取引価値の有無・・・毒があれば価値など無しアウト!
オ 占有者の意思・・・毒があれば有償譲渡などできるはず無しアウト!
以上5つの要素を検討しますが、東邦亜鉛の有害スラグの場合、全てにおいてアウト! よって、完璧に「廃棄物」です。
東邦亜鉛は安中市に工場がありますので、廃棄物に認定するのは群馬県となります。群馬県は廃棄物処理法第18条に基づき報告の聴取を行ったり、法第19条に基づいて立入検査を実施しているはずですが、それ以前にまずやることがあるはずです。それは高崎市と協力して更なる被害者が出るのを防ぐことです。
まずやるべきは、東邦亜鉛の安中精練所のスラグ製造を止めること、そして不法投棄の実行犯である岡田工務店グループやその転売先の悪質な庭師の営業を一時停止させ、スラグの拡散を止めることです。
一刻も早く鉛やヒ素入りスラグの拡散を止めよ!
そして廃棄物認定し、法に則り適正に処分させよ!
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考資料:毎日新聞のスラグ報道
**********毎日新聞2019年8月9日 19時02分(最終更新 8月9日 21時35分)
「東邦亜鉛」が有害スラグ 公園や住宅の庭などで使用 健康被害懸念も
↑毎日新聞が入手した東邦亜鉛製のスラグ=東京都千代田区で2019年8月9日、竹内紀臣撮影↑
環境基準を大きく超える鉛やヒ素が含まれる砂利状の金属片「スラグ」が、群馬県内の公園、駐車場、住宅の庭などで使用されていた。東証1部上場の金属メーカー「東邦亜鉛」の安中製錬所(群馬県安中市)から排出されたもので、毎日新聞の取材に対し、同社の取引先の建設会社は自社工事分だけで使用が数十カ所に上ると明らかにした。東邦亜鉛は9日、有害なスラグの出荷を認めて関係者に謝罪。同社負担で回収・撤去する方針を示し、費用が約69億円に上る可能性があると発表した。
スラグは金属製錬の際に炉にたまる金属くずで、基準を超える有害物質が含まれていないことなどを条件に建設資材に再生利用されるケースもある。毎日新聞は同社製スラグを取引先から入手し、国指定の検査機関に分析を依頼したところ環境基準の55倍の鉛と6倍のヒ素が検出された。
同県高崎市の建設会社などによると、東邦亜鉛は少なくとも10年前からスラグを販売。建設会社は公園整備や道路舗装などの公共工事に利用したほか、県内のガーデニング会社に転売し、住宅の庭や駐車場に敷き詰められていた。専門家から子どもの健康被害などを懸念する声が出ている。
昨年9月、この建設会社も整備に関わった高崎市の公園駐車場などを群馬県や同市が調査し、基準の最大57倍の鉛や同3倍のヒ素を検出。県などは廃棄物処理法違反の疑いがあるとみて既に東邦亜鉛を立ち入り検査した。違反が認められれば行政処分や刑事告発などが行われる可能性もある。
建設会社社長は「東邦亜鉛から安全な資材と説明され、有害物質が検出されなかったという検査結果も受け取っていた」と話した。東邦亜鉛総務部は8日、毎日新聞の取材に「環境基準を超過する製品(スラグ)が出荷され、一部販売先で品質管理が十分されていなかった」とコメント。出荷件数などは調査中とした。
東邦亜鉛は1937年創業。群馬県安中市のほか広島県大崎上島町、福島県いわき市に製錬所を持ち、亜鉛製品や鉛、硫酸などを製造販売する。72年には、安中製錬所から排出されたカドミウム汚染水などが農作物に影響を与えたとして、地元農家らが損害賠償を求め提訴し、会社側が4億5000万円を支払うことなどで86年に和解している。【杉本修作、畠山哲郎】
東京農工大の渡辺泉教授(環境毒性学)の話 人体への影響が最も懸念されるのは鉛で、環境学者から見ても異常な濃度。敷いた上を歩く程度ならリスクは低いが、子どもが口に入れるなどすれば神経系の発達に深刻な影響を及ぼしかねず、すぐに撤去すべきだ。工事の作業員の健康被害も懸念される。これだけの濃度を把握しながら商業ベースに乗せていたとすれば企業として問題で、行政は即応すべきだ。
**********毎日新聞2019年8月9日 19時10分(最終更新 8月9日 20時08分)
東邦亜鉛 有害スラグ 住民や関係者に不安 健康被害や撤去費用負担巡り
↑毎日新聞が入手した東邦亜鉛製のスラグ=東京都千代田区で2019年8月9日、竹内紀臣撮影↑
↑スラグとみられる砂利が敷かれた駐車場=群馬県高崎市で、畠山哲郎撮影↑
環境基準を大きく超える有害物質を含む金属片「スラグ」が、群馬県内の住宅などに使われていた。健康被害や撤去費用の負担を巡り、住民や関係者に不安が広がっている。
「使用された場所の数がよく分からない」。東証1部上場の「東邦亜鉛」の安中製錬所(群馬県安中市)からスラグを購入した同県高崎市の建設会社社長は、こう言って声を落とした。東邦亜鉛からは当時、有害物質の説明は受けていなかったという。
この建設会社は公園などの工事に利用した数十カ所のスラグを撤去中だ。ただ、スラグは県内の別のガーデニング会社など複数の業者に転売され、全容を把握しきれていない。
スラグとみられる赤褐色の砂利を自宅の庭に利用した高崎市の女性(36)は「危険だという説明があれば選ばなかった」と悔やむ。庭の砂利からは環境基準の73倍の鉛と5倍のヒ素が検出された。
マイホームの庭に砂利を敷き詰めたのは昨年の夏前。知り合いから紹介された業者に3種の砂利を見せられ、一番安いものを選んだという。検査結果を受け、3人の子どもが触ったりなめたりしないよう、別の業者に撤去を依頼した。「子どもの将来に影響が出ることを大企業が説明もなくやっていたなら、悲しい」と話す。
県内のある寺では駐車場の20平方メートル分に敷かれた砂利から、基準の100倍の鉛と6倍のヒ素が検出された。住職だった男性(72)によると、十数年前に知り合いの建設会社に敷いてもらったという。東邦亜鉛製のスラグの可能性があり、男性は「危機管理はどうなっているのか」と憤った。【畠山哲郎、杉本修作】
**********毎日新聞2019年8月9日 19時13分(最終更新 8月9日 20時32分)
東邦亜鉛 有害スラグ 使用箇所の調査をするも公表せず 関係者に謝罪
↑毎日新聞が入手した東邦亜鉛製のスラグ=東京都千代田区で2019年8月9日、竹内紀臣撮影↑
毎日新聞は、当時の取引先を通じて入手した東邦亜鉛製のスラグ1検体と、同社製スラグの可能性がある群馬県高崎市の住宅の砂利など2検体について住民の許可を得て、国指定の検査機関に成分分析を依頼。その上で東京農工大の渡辺泉教授の研究室に成分比較や詳細な分析を頼んだ。
鉛、ヒ素、銅など30種類の物質濃度が酷似し、自然界では珍しいアンチモン、ビスマス、インジウムなどの物質も高濃度で検出された。これらの点から、渡辺教授は「自然界のものより濃縮されている可能性がある。同一の工場から排出されたとみて間違いない」と指摘した。鉛は中毒になれば脳障害などを引き起こすという。
東邦亜鉛によると、安中製錬所では年5万トンのスラグが発生し、砂利などの建設資材のほか、セメントの原料として販売。ただ、建設資材用のスラグは、業界内での利用厳格化の流れを受けて2016年4月から出荷を停止。使用箇所の調査を続けていたが、公表はしていなかった。
東邦亜鉛の元社員によると、同社は海外から亜鉛原料になる鉱石を輸入。鉱石には健康被害が懸念される物質が含まれ、スラグにも残存するという。元社員は「少なくとも直接触れる可能性がある使い方はすべきでなかった」と話す。
同社はスラグに関する地域住民向けの問い合わせ窓口(平日03・6212・1722)を開設した。
**********