■当会が今年の初めから取り組んできている桐生市新里町における産業廃棄物の不法投棄問題について、10月29日(日)午後1時からTBS衛星チャンネルの「噂の東京マガジン」で放映されました。まだ、ごらんになっていない方は、TVer(ティーバー)で11月6日(月)まで見られます。
この番組で、特に印象的だったのは、群馬県の環境行政の本質が如実に語られていることです。つまり、住民不在、業者優先のこれまでの群馬県の対応そのものがまさに凝縮された事案といえます。
番組でのやりとりを文字で表してみましたので、ぜひ、以下の内容を、上記のTVerの動画と合わせて、熟読いただければ幸いです。
*****10/29 BS-TBS「噂の東京マガジン」*****
ナレーション――続いて噂の現場。
●レポーター「あらら、これはひどいなあ」
――山間に大量のゴミの山。しかも、そのすぐ目の前には住民が暮らす家が。
〇住民「もう、わんさかわんさか、飛んでくるんです」
●うわーっ
――大量に飛んでくるゴミに困惑。ところが・・・
〇県に言っても、えー、著しい影響が出ない限りは、そのまんまの状態だって言うんですね
――県はなぜか支障がないという判断。そして、土地所有者を追跡すると・・・
「△〇□×」
●もしもし?
「・・・」
――声の主は本人なのか?住民を悩ませるゴミの山。いったいどうなるのか?
(CM)
■スタジオ:続いて噂の現場です。今回は家の目の前にゴミの山ができ、周辺住民は困っている問題なんです。住民はこれまでさまざまな迷惑を被っているんですが、県が「支障がない」と判断しているため、たいへん怒っています。
■キャスター:当の住民の方たちがね、「困っている」と言っているのに、支障がないといわれても・・・、それこそ困っちゃうなという話なんですけども、いったいこのゴミは誰が積み上げたのか。それも、併せて取材しました。
●群馬県桐生市にやってきました。桐生名物と言えば、これ!はい!コロリンシュウマイ!さあどんなお味なんでしょうね。・・・おいしいーっ!
――およそ40年前、桐生市で誕生したコロリンシュウマイ。シュウマイと言いながら、原材料はジャガイモ、玉ねぎ、でんぷんなど、ひき肉は使っていません。モチモチとした、どこか懐かしい味わいが、桐生市のソウルフードとして愛されています。
●いやあ、おいしいですね。この、コロリンシュウマイね。いや、このコロリンだったらいいんですけど、ここ桐生にはゴミがコロリンと転がってしまうような場所があるんだそうです。
――山口良一が見に行く。噂の現場。群馬県東南部に位置する桐生市は、市街地を流れる渡良瀬川や、屏風状に連なる赤城山に囲まれた自然豊かなまちです。ところが、このまちで今、ゴミの山が問題に・・・。
●えー、このあたり、住宅が並んでいるんですけど、なんか、現場だということなんですけどね。
――ゴミの山は・・・桐生市新里町の山間の住宅地にあると言います。
●あっ、こんにちは。すいません。今ちょっとお話大丈夫ですか?
〇はい。
●このあたりに何かゴミの山があるって聞いたんですけど。あるんですか?
〇あります。ものすごいんですよ。
●なにがすごいですか?
〇埃が。
●埃が?
〇ええ。それから4メートル以上あるようなビニールの破片が、電線に引っ掛って、何世帯か停電になって。
●えーっ、その絡まっただけで?
〇絡まっただけで。そのぐらい、その、ビニールゴミだとか、混じっているんですね。
●じゃあもう、いろんなゴミ。なにか特定のゴミっていうんじゃないですね?いろんなゴミがとにかく入っていると?
〇そうですね。
――住民は迷惑しているよう。
●あれですかねえ?いやあ、なんかいちおうね、鉄板で覆われてて、そうなのかもしれないんですが。こうやってみる限りはね。普通のなんかちょっと草生えている山?ちょっとした山にしか見えないんですね。
――一見、草が生い茂った普通の野山・・・本当にゴミ山なのか?そこで・・・。
(ドローンを飛ばす)
●全然草じゃないじゃない。ああー、これはひどい、ゴミの山だ。確かに。えらいこっちゃね。これ。
――鉄板の内側には大量のゴミが。その範囲は4400平方メートルに及んでいます。いったい何が捨てられているのか?
●うわーっ、あったあ、いきなり目の前になんかねえ。畳ですね。畳があったり、なんか、えー、なんかの機械のホースとか、なんかのモノの枠組みなのかな。ええ、あとはもうプラスチックから、なんかもう、いろんな種類ですね、これといったひとつの種類じゃないですね。いろんなモノを持ってきて積んじゃったという感じですね、
――大量に積まれた畳のほか、タンスや椅子など家具が散乱。捨てられているのは解体工事で出た産業廃棄物とみられています。このゴミの山の僅か30メートル先には住民が暮らす家が。話を聞いてみることに。
●あっ、おそれ入ります。BS-TBSの噂の東京マガジンというものですけど、すいません、ちょっと話、あ、すいません。こちらもうホント、もう目の前。
〇そうですね。はい。
●あれはいつ頃からできたものなんですか?
〇えーと、確か2021年ぐらい。
――住民によると、2年前の春ごろからゴミが捨てられ始めたと言います。
●実際、まあ、被害的にはどんなことがあるんですか?
〇えーとですね、この地域は、冬場特有の季節風が吹くんですよ。赤城おろしと呼ばれておいるんですけれども。あそこに見えるのが赤城山なんです。あちらの方向から、こう風が吹いてくるわけですよ。ですから、あそこにある軽いようなゴミ。発泡スチロールですとか、べニアの薄い板ですとか、ビニール袋ですとか、そういうのがもうワンサカワンサカか、飛んでくるんです。
●うわぁ!
――多い日は、この袋が2日でいっぱいになるほどのゴミが飛んでくると言います。
〇もともと私がここに越してきた理由の一つが、この景色、景観なんですよ。
●こういうね。
〇見てわかるように山々の稜線が、綺麗に見えるでしょう?
●赤城山が見えて。
〇はい。朝起きて、こう窓開けると、実に綺麗な景色があったのが、今はこの状態なんです。
●そういう場合、行政は何かしてくれるんですか?
〇いえ何も。県に言っても、著しい影響が出ない限りはそのまんまの状態だということですよね。
●これじゃあまだ著しい状況ではないんですか?
〇ないんですね。行政側はそう判断しているんですけれども、住んでる住民にとっては、もう影響出ているんですよね。
――ゴミの飛散や悪臭があっても、群馬県は「現時点では支障がない、と判断している」と言います。家の目の前にゴミの山。でも、県は「支障がない」って、どういうこと? 2年前からゴミが積まれ始めたここは、そもそも、どんな場所だったのか?
〇これがですね、えーと、まだ、産廃のゴミが持ち込まれる前の状況。現在地はここの、木があるところに今いるんですよ。
●こっち側が山になっているほう。
〇はい、林になっていますね。
●ほう、いい林があったということですね?
〇風よけの防風林になるような林があったんです。それを全部伐採しちゃって、で、ダンプで残土をこう、埋めていっちゃったんです。
――これは2年前の3月の現場。まだ、鉄板もゴミもなし。ところがその後、衝立ての鉄板が立てられゴミが捨てられ始めたといいます。
○最初はこう綺麗に分別していたんですよ。
●ほう。
〇木のガラとかコンクリートとか鉄パイプとか。
●分けていた?
〇一応仕分けはしてあったんですよ。数カ月くらいは。それがいずれ、ゴミの量が多くなってくると、全部、もう運んできたダンプのゴミを、全部、山積みにしていっちゃったんですよ。
――こちらは去年6月、住民が撮影したもの。ダンプカーで運び込んだ大量の廃棄物を、ショベルカーで掻き出し、捨てています。その後も多い時は1カ月間、ほぼ毎日ゴミが捨てられ、いつしか鉄板を優に超える高さに。
●うーん。
〇山が高くなると行政指導が入るんですよ。高すぎるって言って。
●ああ、高さ制限的なものですね。
〇はい、低くしろと言われると業者は山の上から、こう、谷側にゴミをこう落としていく。そしてまた低くする。
――その繰り返しでゴミの山は広がっていると言います。
●山の反対側に回ってきたんですけど見てくださいよ。ほら!大きさもよくわかるし、なんか崩れている感じがしません?これほんとに危険ですよねえ。
――鉄板の衝立てのないこちら側はゴミの山がむき出し。手前の土地にいつ崩れてきてもおかしくありません。さらに、他にも問題が・・・。
●実際なんか、あのう、ああいうものができてなんかちょっと被害みたいなものあります?
〇まあ、見た目もよくないけど、一番の問題はやっぱり水質で、あのう、どんなものが浸透してくるか、田圃のほうに。それが一番じゃないんですかね?
●うーん。
――ゴミの山に隣接する土地には田圃が広がっており、水質への影響が心配されています。そして他にも・・・。
●この太陽光パネルを持っていらっしゃる?
〇はい。
●ああ、そうですか
〇結構、中に飛んできたわけですね。下ならいいんですけれど、こう、パネルの上に乗ると、やっぱり、影響がでるわけですね。
●日があたらないわけですものね。
――飛んできたゴミの影響で、一時は発電量が半分に落ちたことも。
●あの、非常に腹が立ってしょうがないんですけどねえ。
――住民によると、今年はじめごろからゴミの搬入はなぜかストップ。また、夏場は雑草が生えることで、ゴミの飛散や悪臭も一時的に収まりました。しかし、冬になれば雑草も枯れ、また被害が始まると危惧しています。県はこのゴミの山についてどう考えているのか? 番組が取材を申し込んだところ、文書で回答が。
――まず、県による廃棄物の撤去は可能なのか?という質問には、「生活環境保全上の支障、又はそのおそれがある場合、県が自ら支障の除去ができる。しかし、本件に関しては、現時点で生活環境保全上の支障等がない、と判断している」とのこと。つまり県は、このゴミの山について、周辺住民の生活に影響がない、とみなしているのです。しかし「太陽光パネルの電力が半減するなど、現実に支障が出ているのでは?」という問いには、「生活環境保全上の支障が生じている場合とは、何かしら規制基準値を超過している場合のことであり、支障等がある状況とは現時点で考えていない」とのこと。
つまり、いくらゴミが飛んできても、それは、支障等がある状況ではない、という見解でした。これに対し、住民は・・・。
〇まあ実際、やっぱり風が吹けばゴミも飛んできますし、何をもって、その、影響が出ているか出ていないか、というのは、住んでいる近所の人たちが決めるべきものであって、行政側にこうね、勝手に判断されるものではないというふうには思いますね。はい。
●うーん。
(スタジオへ)
●はい。ということで、住民の方はもう2年以上困っているんだけど、県は「支障がない」という話なんですよね。
■2年であんなにゴミの山がひろがっちゃうんですね。
●だから、やっぱりものすごい量をあっという間に持ってきたという感じですよね。ちょっと場所のね、もう一度確認をしておきますけどね。ここへ私と住民のかたが立っていた場所なんですけれども。この向かい側にこのゴミの山。で、2年間捨て続けている間に4400平米。ちょっと想像つかないですよね。
■すごいとしか言いようがないですよね。
●ウチですら4000平米くらいしかないのにね。
■そんなにないよ。
■そんな巨大な家ではないでしょう。
●すいません100平米もなかった。
■そこは言いわなくっていいですけど。
●とにかく、もう、いろんなものが。ガラのようなものも、入っていましたしね、いわゆるまあ、家庭ゴミではなく、ま、産業廃棄物になりますかね。
■あれだけ畳があるというのは、なんかの解体だろうね。やっぱり。
●そうです。解体したものを、ざーっと崩してそのまま持ってきたという。
■でも、たかだか2年間で、ここまでゴミって集まるの? ありとあらゆるものがというのも、驚きですよね。
●だから、ありとあらゆる所から持って来たではないかとは思うんですけどもね。これはどっちかというと、産業廃棄物ですから、県のほうの管轄になりますから、県のほうも住民からの知らせで、指導とか、すぐ見張りとかもやっていたんですけれども、まあ、この番組でも何度も取り上げていますけれど、指導とかあっても、ま、すぐ効果が表れるもんじゃないじゃないですか? 何とか指導してみたいになるから、その間にもどんどん溜まっていってあの状態になっていたというわけです。
■あれだけの支障があるにもかかわらず、県とか行政が動かないという、まるでコールドスタートのような・・・。
●ちょっと使い方、間違えていますよ。
■まあ、冷たいフライパンからスタートするという料理法ですけどね。まあ、最悪ですね、今のは。
●まあ、対応が冷たいという面じゃあ、そういうことなのかもしれないですけどもね。
■ということはコールドしか合っていないということね。
■全然動いていないということだよね。
●そのまま固まっちゃってて。でも支障って・・・。
■失敗したな。
●ええ、失敗しましたよ、先輩。取り戻してください。どっかでね。で、あのう、群馬県にちょっと質問してみましてね。あのう、生活に支障しないと判断しているのはなぜなんだろうと。まあおかしいですものね、
と、答えが赤いところだけ見ますけれども、公共用水域の環境基準を超過している場合とか、まあ、悪臭が発生し敷地境界で規制基準値を超過している場合などですね、そういう時に、まあ、出るんですけれども、生活環境への支障というのは・・・
■支障という意味はそういう意味だっていうこと?
●だけど、今回の場合は「生活環境保全上の支障等がある状況とは現時点では考えていません」。
■へえー、そうなんだ。
■それは何か、測ってそういうふうに言っているわけ?
●いや、測ってないんです。目視と言いましょうか、県のかたがいらっしゃって、状況を見て、「うんまあ、悪臭もそんなにないし、まあ、とりあえずは大丈夫かな」って。で、水質に至っては、検査はまだしていないんですよ。それで何となく「支障が無いでしょう。これくらいなら」っていう感じで。
■ああそう。普通、文書の回答で「調査中です」というのなら分かるんですけど、はっきり支障がないというのは・・・。結構びっくりなんですけど。
●まあ環境のね、基準というのがあるわけですけど、それは測ってて、そうなったらなんとなく、数値が以下だったらしょうがないと思えるんですけど、これ、なんか釈然としないでしょ?
■しないねえ。
■ということはさあ、誰が捨てたのよ?
●ほう、気になりますよね、やっぱりね。
■とにかく、いいこと言った?
●誰が捨ててあそこは誰の土地なんだっていう。
■ああ、そういうことね。
●気になっちゃいますよね。
■2年前から運び込んだんでしょう?
●そうなんです。
■ということは、2年前から持ち主が代わったということ?
●2年前の5月くらいから急にあんなことになったんですよ。
■ありゃま。
●実はですね、住民のかたがですね、土地所有者の居場所の手がかりを掴んでいたんですよ。はい。CMのあとお送りします。
(CM)
●群馬県桐生市のゴミの山の問題。ゴミの山の土地所有者はどんな人物でどこにいるのでしょうか?こちらをご覧ください。
――住民を悩ませるゴミの山。持ち込んでいるのは誰なのか?
●こう、誰がこうやったかとか、誰の仕業というのはわかっているのですか?
〇聞いた話なんですけすが、これはクルド系の外国人の人が。
●外国人の人が・・
〇所有していた、ということは聞きました。
●はい。
〇それは分かっていたんですけれども、行政とやり取りする間に、逃げちゃったんですね。国外に。自国に戻ったのかどうかはわかりませんけれども。
●もう日本にいない?
〇いないということで、それで行政もそれ以上はもう、追及することができないということで。
――住民が市から聞いた話によると、土地所有者は中東系のクルド人。しかし、既に国外とのこと。
〇実はですね、ちょっとこう、不審に思うことが。登記簿謄本を取り寄せてみたんですよ。いちおう見ていただくとわかるんですけれども・・・。
――その登記簿謄本には、カタカナの名前と現住所が記載されていました。どんな人物で本当に日本にいないのか?住所として記載されていた埼玉県の某所へ。
●登記簿に書かれていた住所はこのあたり、ということで、ちょっと行ってみたいと思います。えー、ゴミがすごいなあ。
――住所の部屋の周辺。なぜかこちらもゴミだらけ。
●ちょっと押してみますか。
「・・・・」
●あれっ、ピンポンと音がしないということは、これ、電気が来ていないのかな?
「・・・」
(コツコツコツとノックする)
「・・・」
――その後も反応はなし。人が住んでいる気配もありません。しかし・・・。
●なんか会社名と個人の名前と電話番号、携帯の番号が書かれているものがドアの前に貼ってありますね。
――ドアには、登記簿と同じ名前、さらに携帯番号も記載されていました。その番号にかけてみると・・・。
「ツーツーツー・・・〇□×△」
●あっ、もしもし。
「×ケンサムシムシ?」
〇あのう、●●●●●●●さんの電話でしょうか?これは?
「●●●●●●●、●●●●、●●●」
――聞こえてきたのは外国語。そして・・・。
「モシモーシ」
●もしもし。
「ハイ」
●えー●●●さんですか?
「トモウシマス」
●群馬県桐生市の鶴ケ谷というところにあるゴミの問題で、今お電話をさしてもらっているんですけれども、それは、あー、あなたがやったお仕事ですか?
「・・・・・・ウーン」
●今も住民のかたが、近所のかたが困っていて、で、県とか市とからもなんかいろいろ指導とか出ていると思うんですけれども。
「ウン」
●それをどうにかするという、あのう、片付けるとか、他の場所に移すとか、そういうことは今ないんでしょうか?
「・・・イナイノデ、ワカラナイ、ワタシハ」
●ほう。これからどうなるかはわからない?
「ウン」
●ほう。
――そして質問を続けていると・・・。
「ナンデ、コノバンゴウニデンワシタノカ?」
●●●●●●●●●
「ア、●●●●●●●ワタシシラナイヨ」
●あなたは●●●●さんではない?
「ジャナイヨ。●●●●ツカイハジメタバカリダヨ」
――自分は聞かれた名前の人物でなく、この番号の携帯も使い始めたばかりとのこと。
●ドアの前に電話番号が書いてあったんで、ちょっとお電話を差し上げたので、あの、間違いでしたらどうもすいませんでした。
「ハーイ」
●はい、どうもありがとうございました。失礼しまーす。・・・これはなんだろうなあ。ほんとの●●●●・●●●さんなのか、そうでないのか。それはもう全然わかりませんけれども、少なくとも今このかたは、普通に電話を買ったら、この番号になったということで、ひょっとしたら、前使われていた番号はもう、廃止になってて、それが新たに、新たなユーザーのかたの番号になったということなのかもしれませんけども、ちょっとそこは分かりません。でも外国のかたでした。はい。そんな偶然あるのかなあ。
――結局、話した相手が土地所有者とは断定できず、今も土地所有者は見つからないことに、住民は・・・。
〇結局これ、捨て得、逃げ得ですよね?
●まあ、そうなりますよね。
〇元通りの綺麗な環境の里山に返してほしいというのが、私の願いですね、はい。
(スタジオへ)
■はーい。所有者は、クルド人のひとなの?
●まああのう、住民のかたが市から聞いた話によると土地所有者はクルド人。
■へぇー。
●で、まあ、国外に逃亡したんじゃないか、っていうふうに今聞いたとおっしゃっているんですけれども。
■でも結局そうすると、あれは誰がやったかもわからない。所有者もどこにいっちゃったかもわからない。で、あのまんま、ウヤムヤになっちゃうということですか?
●一応ですね。あのう、ま、市が差し押さえたんですよ。あの土地を。
■えっ、どういうこと? 買い取ったの?
●買い取ったというか、一応ほら、固定資産税とか払われていない場合、よく税金を取り戻さなければならないので、一回差し押さえて、まあ、払ってもらうという。
■所有権が移っているわけではないでしょ?
●所有権はまだもとのままなんですよ。ただ、差し押さえましたけども、差し押さえたとはいえど、市のものではないし、で、それはもちろん競売にかけて売ったお金で・・・っていう部分は。
■競売にかけられるの?
●かけられる。かけられるんですが、たとえ競売にかけたとて、えー、あの土地を買ったところで、ゴミが付いてくるわけじゃないですか? あれを、なんとかしなければ使えないじゃないですか? 多分、土地の値段よりも安く買ったとしても、片付けるお金のほうがかかっちゃうから。そんな・・・。
■あれだけのゴミを片付けるとなると、億単位になるよね。
●そうなると、そんなマイナスになってまでも手に入れたくないですよね?
■そうだね。
●結局、そうなると、今いくらか年数が経っても、どうしようもないから、結局市も解除しちゃう、差し押さえを。結局、困っているのは住民のかたが、ずーっと困ったままだけ残っちゃうっていう、ことになるわけです。
■いつの間にか、ゴミの山は、もうあのまんま放置されるわけだよね?
●はい、そうですよね。
■で、草がボウボウに生えちゃって、なんか、緑の山になっちゃった、というようなことになると、ゴミの山だかなんだか、もう分かんなくなっちゃうっていうことでしょう。
●そうなんですよ、いわゆる行徳富士という・・・。(注:「行徳富士」とは、成田空港方面に向かって首都高湾岸線を走行中、千葉県市川市行徳に差し掛かると左手に見えて来る高さ37mの山で、実際は不法投棄された産廃と残土がうず高く積まれ、放置されたままとなっている場所のこと)
■行徳富士がそうでしたよ、ねえ。この番組でも取材しました。
●最初は土の山だったのが、今は緑の山になっちゃいましたものね。ああいうことになっちゃうという。
■そういうところが全国的に出てくるということだね。
●結局、捨て得、逃げ得みたいな形になっちゃうおそれがあるという、ことですねえ。
■なんか組織的なものは絶対あるんでしょうね? 土地を探すグループですとか、そういうことを引き受けるグループですとか、表に立つ顔のひとを探す人とか、そういうのがあるんでしょうね?
●だってとても個人で一人で動けるようなスケールではね、ないと思うんですけどねえ。
■で、あのう、県のほうはですね、土地の所有者がどこにいて、廃棄物についてどうするつもりなのかは把握しているのか? お聞きしたところ、はい。ま、調査指導を継続中であり、回答は差し控えますと。
■はあー、分からない。
●分からない、ということですね? 今後どういうような対応を考えているのか? さあ、こちらでございます。はい、えー、今後、監視とかね、指導を継続すると。で、まあ、随時確認し、必要と判断した場合には適切に対応する、というんですけれど、具体的にこうしますとか、こうこうでなくて・・・。
■これはだってね、所有者が、もう、どこにいっちゃったんだか分からないわけだし・・・。
●監視も何もねえ。
■監視も何もね。
●絶対に戻ってこないと思いますね。
■そうだよね。
●わざわざね。
■もうあそこは、用済みになっちゃんたんだな?
●そうですね、うん。もう、あそこで一儲けできたから、もう、じゃあ次に、ということだと思うんですね。
■ですけど、やり得やなこれね。
●そうなんですよね。
■こんなん、他にも出てきますよね。
■いやあ、どんどん出てくるよね
●だから、本当にこうなってからじゃ、丸々遅いですよね?
■うーん。
●だからトラックが搬入し始めた時点で、あれはおかしいと思った時、皆がそれを止める手立てみたいなのがほしいですよね。
■なかなかね。で、この番組でも散々モヤモヤしましたけれども、指導を続けて10年とかね。
■そうそう。
■そうですね。
●そうなっちゃうんで、指導じゃない、新しい対処の仕方というんですかね。ただまあ、これからは、まあ、勿論日本のかたでもそういうね、土地を買ってそういうことをやろうという人もいるだろうし、国籍も関係なく、土地を持っている方にまず気を付けてもらわなけりゃあいけないというのがある。どういうかたに売るのか、それをね、考えていただければと思うんですけれどもね。まあ、県の担当者の方はですね、「現地の状況を確認したうえで支障がない」って、・・・したそうなんですけれども、どうなんでしょうね。住民のお話を聞く限りね、やっぱり私も現場で見ましたけれども、支障はあちこち出ていると思うんですよね。ぜひ、この、赤城おろしが、こう、吹きおろす前に何とか対策を取ってほしいと思いました。以上、噂の現場でした。
(エンディングの音楽)
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この番組を視聴した読者から、「最後のテロップに市民オンブズマン群馬の名前が見つからなかった」とのコメントが寄せられました。実際には、この番組作成にあたり、当会の桐生支部会員で副代表が大きな役割を果たしました。
当会代表に突然電話がかかってきたのが9月26日(木)午後8時過ぎでした。夜遅くいったい誰なのだろうと電話をとると、BS-TBSの番組制作担当者と名乗る人物から「桐生市と太田市の現場を取材したいのだが、とりわけ桐生市の廃棄物不法投棄現場をよく知っている人はいないか」という要請がありました。
そのため、急遽、桐生市在住の副代表に電話をして、番組取材班の目的と地元のかたがたに取材をお願いする際の橋渡し役を要請したところ、快く引きうけてもらい、よく27日にその旨、番組制作担当者に伝えました。すると、早くも9月28日(土)午前10時から、現場で取材と撮影が行われたのでした。筆者は生憎用事があったので、現場での立会いはできませんでした。
■最終的な編集がどうなったのか、BS-TBSからは放送日までなにも事前連絡がありませんでした。しかし、当日放送を見た当会は、大きなショックを受けました。
それは、群馬県が「生活環境保全上、著しい支障がない」という呆れたコメントを繰り返したことではなく、テレビ局からの質問状に対して、すぐに回答書を出していたことです。
当会は、桐生市新里町のサンパイ不法投棄問題では、令和5年5月22日付で県知事あてに公開質問状を出していますが(末尾「※参考情報」参照)、いまだになしのつぶてです。群馬県環境森林部廃棄物・リサイクル課不法投棄対策係に行くたびに、「いつ回答してもらえますか」と回答を促しているのですが、「内部で協議中」と答えるだけです。
しかし、テレビ局からの質問状に対しては、すぐに回答していることがこの番組で明らかです。
■実は、当会が「噂の東京マガジン」から、当会の扱っているテーマについて取材協力依頼を受けたのは今回が2度目です。前回は、4年前で、当時は、レポーターとして笑福亭笑瓶(ショウヘイ)氏が、当会事務局を訪問し、取材を受けました。
残念ながら笑瓶氏は今年の2月22日午前、急性大動脈解離のため、66歳で急逝されましたが、その時の取材や放映された番組等については次のブログ記事を参照ください。
〇2019年12月20日:噂の東京マガジン放映後…動画スタジオをめぐる一太知事の公式ブログ記事での言いたい放題↓
この時も、テレビ局の取材陣は、県庁6階の知事室に入って取材をしました。納税者県民の大半は、6階の秘書課の中ですら、短時間でしか滞在が許されません。あまり長時間にわたり、ずるずるいたりすると、当会の場合、2階の行政暴力対策業務担当部署に通報され、県庁1階のロビーまで、エスコート付で降ろされることがあります。やはり、メディアに対する知事の思い入れを、県職員も十分認識していることがわかります。反面、納税者県民に対しては、セキュリティを口実に、絶対に知事室などには入れさせてもらえないのです。
■以上のように、群馬県環境森林部は、環境基本法の根幹である国民の生活環境の保全について、全く誤った解釈をしていることが、今回明らかになりました。
群馬県環境森林部がテレビ局側に対して送った文書に記した回答を見ると、環境基本法における「生活環境」の範囲ではなく、「公害」の定義を前提にしていることがわかります。
なぜかというと、環境基本法第2条第3項で、「公害」について「環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずること」を指すとされているからです。これは、まさに、TBSの質問に対する県の回答そのものです。
では、環境基本法における「生活環境」の範囲は、どういう定義なのでしょう。環境基本法の解説によれば、「生活環境」という用語は、様々な法律において用いられているが、法律上の明確な定義が置かれている例はなく、常識的な意味で理解されるものを指すものであって、環境基本法では、そうした意味のほかに、さらに「人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境」をも含めた意味で「生活環境」という用語を用いることとしている、とされています。
群馬県は今回の番組を通じて、県民の安心・安全な生活環境の保全は、実際に、大気、水、土壌、騒音、振動、地盤沈下、悪臭が、環境基本法の定める基準値を明らかに超えていて、人の健康や生活や財産に実際に被害が生じない限り、しかも、県職員により、そうした被害が出ているかどうかについて判断がなされない限り、生活環境の保全に著しい支障があるとは言えない、という見解を示したことになります。
■そして、もう一つ重要な事として、群馬県が、当会の公開質問に対して全く返事をしないのに、テレビ局の取材クルーから出された質問に対して、どのように迅速に回答できたのか、当会として、そのあたりをしっかり検証する必要があると考えています。さもないと、行政の一貫性が担保されず、特定の質問者にだけ、行政サービスを優遇することになりかねず、不公平の助長にもつながるおそれがあるからです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報「5月22日付の県知事あて公開質問状」
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令和5年5月22日
〒371-8570 群馬県前橋市大手町1−1-1
群馬県知事 山本 一太 様
TEL:027-223-1111
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢
〒376-0052 桐生市天神町3丁目14番36号
副代表/桐生支部長 長澤健二
TEL: 090-5302-8312(代表・小川)/
090-7197-6449(副代表・長澤)
FAX: 027-224-6624(事務局)
桐生市新里町の廃棄物不法投棄等の対応に関する公開質問
拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。その活動方法としては、行政事件に関わる住民監査請求や住民訴訟にまで及ぶことがあり、そのための情報の入手手段としては、住民等からの情報提供のほか、行政への公開質問や情報開示請求等を活用しております。
さて、貴殿におかれましてもマスコミ、テレビ報道により、御存じとおもいますが、桐生市新里町に大量の産業廃棄物が不法に投棄された挙句、土地所有者が、母国に帰国してしまい、周辺住民の安心・安全な生活環境が脅かされています。住民の皆様方からの意向を踏まえて、我々市民オンブズマン群馬として、この問題の経緯を各方面から調査し、問題点を検証した結果、「一刻も早く産業廃棄物を撤去すること」が最も必要であると考えております。
産業廃棄物の不法投棄を巡る問題は古くからあります。その最たる事案のひとつに、香川県の豊島(てしま)を舞台にした産廃不法投棄事件があります。これは豊島総合観光開発(豊島開発)が1975年から16年間にわたり、豊島の西端の海岸近くに産業廃棄物を大量に不法投棄し続けていた問題で、1990年に発覚し、当時は戦後最大級の不法投棄事件と言われました。これを受け、翌1991年には廃棄物処理施設の設置が届出制から許可制となるなど規制が強化されましたが、1999年に発覚し国内最大規模と言われた青森県・岩手県境の不法投棄事件を防ぐことができませんでした。
豊島事件では産業廃棄物の撤去等に総額820億円(毎日新聞資料)もの税金が使われました。しかし、まだ、土壌汚染問題が残っているそうです。
群馬県にも県内各地で産業廃棄物を巡る問題が多々発生しています。地元桐生市の新里町で今回発生した表記の産廃不法投棄事件を検証することにより、群馬県における産廃問題の実態を貴殿にぜひご承知いただくとともに、そして、何にもまして、県民と共にこの産業廃棄物問題を住民の目線で考えて、群馬県から産業廃棄物の不法投棄を根絶したいと願っております。
貴殿におかれましてはご承知のことと存じますが、令和4年9月26日の一般質問において、環境森林部長が「産業廃棄物の問題は“早期発見”が重要である」と答弁されております。今回、桐生市新里町に持ち込まれた産業廃棄物においては、令和3年4月21日にさいたま市より御庁に情報提供があり、翌日御庁から群馬県警生活安全課に情報提供をしたとの記録があります。しかしながら、当該現場はすでに、2年以上経過した挙句、産業廃棄物が放置されたままであることは誠に遺憾です。
令和5年5月11日の知事の定例会見において、記者より、桐生市新里の産業廃棄物について現状認識と今後の見通しに関する質問がありましたが、貴殿に代わって答弁した環境森林部長は「引き続きどういった状況かを確認し、必要があればたような行政代執行や、その前提となる措置命令といったものについても必要があれば選択肢としては排除しないで検討したい」と他人事のような答弁に終始しまいた。このことは、群馬県の環境行政を預かる実務トップの発言として不適切です。
同部長は、令和4年9月26日の県議会の一般質問に対する答弁で「早期発見が重要である」との見解を示しました。ところが、不法投棄が発覚して2年以上経過するにもかかわらず、大量の産廃が放置されたままなのに、この期に及んで「土地所有者と連絡が取れない。鋭意努力して、コンタクトを試みているところだ」などと居直っている始末です。
しかし、産業廃棄物の適正な処理については、排出業者にも大きな責任を課しています。これは、平成29年3月21日付環廃対発第1703212号・環廃産発第1703211号の「廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底について(通知)」に明示されています。群馬県が、この通知を知らないわけはありません。その中に「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」と、排出事業者の責任が明確に規定されています。
このことから我々市民オンブズマン群馬のみならず、広く県民の皆様は「群馬県は、排出事業者を特定してその責任を明確にしつつ、行政代執行をすればよかろう」と思うことでしょう。釈迦に説法で恐縮ですが、産業廃棄物の排出事業者は元請け業者であります。このような、何もしない、また、しようとしない環境森林部長の任命責任は貴殿にあることを肝に銘じていただきたいのです。
つきましては、公務多忙な折り誠に恐縮ですが、下記の質問事項に対して、群馬県知事である貴殿の見解をお示しいただけますと幸いです。回答の程、よろしくお願い致します。
記
【質問1】
群馬県には県民の生命、財産を守る義務があると思います。桐生市新里町の産業廃棄物の不法投棄、不適正保管事件は、これに該当する事案であると当会は考えておりますが、貴殿はどう思いますか?貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問2】
地方自治法第1条は「この法律は、地方自治の本旨に基づいて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営にかんする事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体の民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする」と明示しており、第1条の2第1項では「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的総合的に実施する役割を広く担うものとする。」と定められています。表記事件では、地元民から、ごみの散乱、悪臭、景観等の苦情が御庁や桐生市に出されています。地自法の総則に照らして、「新里の廃棄物」の問題を貴殿はどう考えますか?貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問3】
産業廃棄物110番受付簿によると令和3年4月30日に不法投棄の通報があり、令和3年5月11日から調査記録の記載が始まりました。しかし、調査記録には、土壌検査で調査に行った際、当該検査会社の事務長から情報提供を受け発覚した事案であると記載されています。同年6月2日の調査記録には、令和3年4月21日にさいたま市から情報提供があったと記されています。このように、表記事件の初動対応について混乱が見受けられます。環境森林部廃棄物・リサイクル課(「廃リ課」)の職員は、速やかに情報共有していたのでしょうか?情報共有をしていればこのような対処になりません。貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問4】
冒頭に記したように、令和4年9月26日の県議会の一般質問で環境森林部長は「早期発見が重要である」と答弁しています。令和3年4月30日の産業廃棄物110番受付簿によれば、令和3年4月21日にさいたま市より情報提供があり、「4月頃からフェンスを建て廃棄物を搬入している」との通報があった、と記されています。すなわち、令和3年4月初旬には産業廃棄物が桐生市新里町鶴ケ谷に搬入されていたとする情報を、廃リ課は同4月21日に覚知していたことになります。ところが、令和3年5月11日まで廃リ課は現地調査をしておらず、同日に土壌調査に行った際、当該検査会社の事務長より情報提供があり、初めて現地調査を行っています。その際、廃リ課は、産業廃棄物処分業の取得、収集運搬業の許可を取得するよう行為者に指導しました。この時点で、御庁は産業廃棄物処理法違反の事実を認識していたことになります。この一連の行動をどう解釈するのかご説明をお願いします。併せて、県議会の一般質問で環境森林部長の「早期発見が重要である」との答弁がありましたが、「早期発見」の観点からすれば、さいたま市からの情報提供により、直ちに現地確認することが必須だと、普通、考えるのではないでしょうか?環境森林部長が重要視する「早期発見」を担保するには、どうしたらよいのでしょうか?貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問5】
環境森林部廃リ課は、表記事件行為者らによる産業廃棄物の無許可営業、収集運搬業の無許可営業を結果的に認めているも同然です。刑事訴訟法第239条第2項には「官吏または公吏はその職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」と明記されています。すなわち、公務員には告発義務が課せられているのです。表記事件において、御庁は何故これまで告発してこなかったのでしょうか?貴殿からのご説明をお願い致します。
【質問6】
産業廃棄物の適正処理に際して、排出業者にも大きな責任が課せられています。これは、平成29年3月21日付環廃対発第1703212号・環廃産発第1703211号の「廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底について(通知)」に明示されています。群馬県がまさかこの通知を知らないはずはないでしょう。その通知の中に「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」と排出事業者の責任が規定されています。排出事業者の責任に関する環境省の通知は、「平成28年1月、建設廃棄物において、下請け業者に処理の委託を無責任に繰り返し、最終的に処理能力の低い無許可解体業者によって不法投棄がなされた不適正処理事案が判明したことがきっかけです。」と記しています。正に、桐生市新里の産業廃棄物不適正保管事案と同じ構図を念頭に通知されたものと言えます。令和3年6月2日に行為者が判明したため、来課させた当該行為者に「解体現場から排出された廃棄物は無許可で収集運搬し、収集した廃棄物を分別したり、その廃棄物を埋めることは廃棄物処理法違反に抵触すること。現地に保管している廃棄物は許可業者に依頼し、適正に処理すること等を指導した」と記録にありますが、当該行為者は令和3年5月11日に現地で作業していた人物です。同じ人物に同じ指導を繰り返しても改善されないのでは意味がありません。この時に、指導を繰り返すのではなく業務改善命令等を出すべきではなかったでしょうか?
それとも、廃リ課は令和3年6月2日までに現地確認をして、状況が改善されたと判断したのでしょうか?貴殿からのご説明をお願い致します。また、どうして、行為者に廃棄物の処理を依頼した排出事業者に関する情報(契約書、マニュフェスト等の有無とそれらの内容)を調査しないのでしょうか?この点についても貴殿からのご説明をお願い致します。
【質問7】
令和3年5月11日から6月2日まで現地調査した記録が見当たりません。どうなっているのでしょうか?貴殿からのご説明をお願い致します。そもそも、同5月11日の調査記録には、今後の対応として「監視指導を続ける」と記してあります。これがきちんと実行されていれば、早期発見して、早期対応し、その後の廃棄物の搬入をくい止められたのではないでしょうか?これについても、貴殿からのご説明をお願い致します。
【質問8】
令和3年6月7日の調査記録には、行為者(解体業社長カラハン・メメト)に指導書を渡した、と記してあります。ところが、その後の調査記録は令和3年8月5日まで見当たりません。しかも、同8月5日は、行為者から産廃処理の依頼を受けた者(株式会社ジュマ工業)が来庁してから、調査記録が記録されています。
令和3年6月8日には通報記録が記され、同6月17日には地元の方が来庁し、同6月18日に通話記録が記され、同7月6日には地元民の記録によると「桐生市に対して県担当課に転送するように依頼したところ、県の廃棄物・リサイクル課から電話連絡があった」ことが記されていますが、県の開示資料には見当たりません。廃リ課は、1度指導票を発行するとそれで業務を終了したとして、その後フォローはしないのでしょうか?貴殿からのご説明をお願い致します。
指導票を発行した後は、通報を受けたり、地元民の来庁があったりしても、なぜ現場調査をして確認しないのでしょうか?貴殿からのご説明をお願い致します。
また、桐生市の記録によれば、「県の廃リ課の調査で土地所有者が帰国した」旨、記されています。御庁は土地所有者が帰国した事実をいつ、どのように知ったのでしょうか?貴殿からのご説明をお願い致します。
さらに、同6月18日の通話記録には「県は相手に指導していますが、今後も引き続き相手方に繰り返し指導する予定です」と記されています。そして、同8月5日になって、行為者から産廃処理を依頼された者が来庁した際に指導したわけですが、この48日間における御庁の対応について、貴殿からのご説明をお願い致します。
すなわち、御庁は「相手方に繰り返し指導する」と通報者に説明したわけですから、いつ、誰に、どのように指導したのか、貴殿からのご説明をお願い致します。
以上についてご説明できないのであれば、通報者に嘘をついたことになるのではないでしょうか?
【質問9】
令和3年10月20日の調査記録によると、「通報があり、現場に向かったが作業員と接触出来ず、行為者に依頼を受けた者に、電話聴取した」と記してあります。また、「現場には廃棄物が2トン車で10台分運び込まれていた」と記録されており、同年10月22日には作業者が「解体業(株式会社ARIN代表取締役)」に変わっています。これは明らかに行為者が意図的に作業者を変更して、廃棄物処理法違反の摘発を逃れる目的を意図していると考えられます。それ以降も作業者が替わっています。この流れをくい止めるには、早急に排出事業者を特定して、改善命令を出し、行政代執行をする必要があると思われます。県知事として貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問10】
令和3年10月25日の通話記録には「群馬県は取締機関でないため、事件化などの理由については、回答できないが、この状況については桐生警察署へ情報提供して、協力して対応している。」と記録されています。上記【質問5】で触れたように公務員には告発の義務があります。「警察への情報提供」とは、具体的にどのようなものだったのでしょうか?貴殿からのご説明をお願い致します。
【質問11】
令和3年11月2日の調査記録には「行為者から廃棄物の撤去が完了した旨の連絡があり、行為者を立会人として確認を行った。調査場所に置かれた廃棄物は撤去されていた」と記録されています。しかし、この記載内容は非常に曖昧であると言わざるを得ません。令和3年10月26日の調査記録には行為者(運搬者)は「RAMO工業社員」と記録されており、11月2日の立会人として、「RAMO工業の社長」との記載があります。記録は、事実関係を証拠づけるものですから、正確に記録して頂かねばなりません。開示資料には訂正箇所がいくつもあります。これでは、果たして、記録が正確に記述されているかどうか、疑問を払拭できません。次に、「通報があって現地調査した」とありますが、通報記録が見当たりません。これでは、「他にも通報記録があったのではないか」と県民が疑問を持つことでしょう。
次に、令和3年10月26日の記録にダンプの荷台の廃棄物の写真が載っていますが、この廃棄物はこの後ヤードから排出させたのだろうと想像されます。ところで、ここでいう行為者は誰を指すのでしょうか?
また、「行為者が搬入した廃棄物は撤去した」とあり、「別の行為者の廃棄物はそのままである」と記録されていますが。行為者の搬入した廃棄物と別の行為者が遺した廃棄物の区分はどうなっているのでしょうか?貴殿からのご説明をお願い致します。
さらに、搬入者が廃棄物収集運搬業の許可を所持しているのかどうか、確認したことについての記載が見当たりません。このことからも、御庁は排出事業者の資格すら特定する意向もないと思われます。
廃棄物の排出事業者は、マニフェストを5年間保管する義務があります。そして、罰則もある。御庁は「捜査機関でない」と主張するのであれば、せめて、告発の義務を守って頂きたく存じます。貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問12】
御庁は、令和3年11月2日以降の調査記録として、令和3年12月7日まで現地調査の記録はなく、電話対応のみとなっています。御庁は、現地調査もやらず、法的対応もやらなくても、産業廃棄物の不法投棄が自ずと解消するとでも思っているのでしょうか?
令和3年12月22日になって、廃リ課は、初めて行為者(RAMO工業社長)に「廃棄物の撤去を令和4年1月22日」と記載した指導票を交付しました。指導票には罰則についても記載されています。ところが、令和4年1月22日になっても、是正措置命令を発することもなく、再度、令和4年2月8日に指導票を交付しています。すなわち、令和4年2月8日に行うべきは指導票ではなく、業務改善命令等の法的拘束力のある行政処分が適正であると考えられるのではないでしょうか?何故なら、令和3年5月11日に指導して以降、現場の違法投棄状態が改善される見通しがないどころか、持ち込まれ続けた産業廃棄物の量がさらに増加しているからです。
また、令和4年2月8日の調査記録として、黒塗りされた5ページにわたる開示資料があります。これは明らかに、御庁が、県民の知る権利に背を向けて、情報を隠している証拠だと言えるのではないでしょうか?なぜなら、群馬県の情報公開条例では、個人情報や、当該法人の不利益な情報は開示しなくてよいことになっていますが、それは、書いてある内容のことだからです。例えば、最初の黒塗り箇所は、その大きさから、免許証のようなものと考えられますが、「免許証」の文字そのものは個人情報ではありません。「○○免許証」は公開情報として扱われるべきです。次の4ページの黒塗り部分は、何の情報なのかさっぱりわかりません。仮に、事情聴取に関するものであれば、タイトルにあろうかと思われる「事情聴取」の文字は個人情報ではありません。貴殿は、知事部局によるこの行為について、どう思いますか?貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問13】
上記【質問8】に示した原因者への指導書の手交以降、御庁は指導の繰り返しをするだけであり、一向に産業廃棄物がなくならないどころか、搬入の通報があることから、逆に産業廃棄物が増加していると考えられます。何故、廃リ課は、指導だけでなにもしないのでしょうか?理解に苦しむのは我々だけではないと思います。
現に令和4年2月10日の調査記録には、「近隣住民から重機で穴を掘って埋めているとの通報で現地調査を実施した」と記されていて、同年2月19日の調査記録では、「RAMO工業従業員がマニュフェストを持参したので確認し、指導した」と記されていますが、どのように確認したのでしょうか?ついては、貴殿からのご説明をお願い致したい疑問点として、以下の事項があります。
①RAMO工業が排出事業者であるとしていますが、本当に元請け業者であると確認するため、マニフェストA票の産業廃棄物発生場所を確認したのでしょうか?
②中間処理業者と契約を交わしているのでしょうか?
③中間処理業者がマニフェストを返送しているのでしょうか?
④マニフェストA票によると運搬車両が4枚とも同じナンバーであるのに、調査記録には、2回現場から搬送したと記録されています。同じナンバーであるなら、4回搬送したことになるのでしょうか?
⑤マニフェストの流れで言えば、収集運搬業者はマニュフェストB1、B2、C1、C2、D、E票を中間処理業者に渡し、中間処理業者はB1、B2、C1、C2、D、E票の「運搬の受託(1)」欄に運搬終了日を記入し、廃棄物とともに中間処理業者の担当者に渡します。中間処理業者は、廃棄物を受領した際、B1、B2、C1、C2、D、E票の「処分の受託(受領)」欄に受領日及び処分受託者(会社名)を記入の上、受領担当者がサイン又は押印し、B1、B2票を収集運搬事業者に渡します。中間処理業者は、廃棄物の処分を終了した際、C1、C2、D、E票の「処分の受託(処分)」欄に処分終了日及び処分受託者(会社名)を記入の上、処分担当者がサイン又は押印し、処分終了後10日以内に収集運搬業者に返送します。また、中間処分業者は、D票は廃棄物の処分が終了した際、10日以内、E票は最後の最終処分終了の報告を受けとき、10日以内に返送します。ということは、令和4年2月19日には、B1、B2票も無ければなりません。明らかにマニフェスト違反ではないでしょうか?
上記①から⑤までの疑問点について、わかりやすく、貴殿からのご説明をお願い致します。
【質問14】
桐生市が開示した資料によると、「令和4年9月14日、地元自治会の○○さんより説明会を開いてほしいとの要望あり。県産リ課は出せる情報がないとのことで断る。市では更に説明できるものがないことを説明し、納得していただいた」とのことです。しかし、我々市民オンブズマン群馬が、令和2月17日に情報開示請求を行い、同4月17日に貴殿から開示を受けた情報を見る限り、当時令和4年9月14日時点で廃リ課が集めていた情報は有り余る程の量と思えます。群馬県のこうした対応について、「情報隠しではないか」という疑念を払拭できせん。貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問15】
令和5年5月11日の知事の定例会見において、環境森林部長はまるで他人事のように「行政代執行を検討する」と答弁し、「土地所有者とは現時点でまだ連絡は取れていないが、鋭意努力して、コンタクトを試みているところだ」と、照れ笑いを交えながら主張しています。これは、明らかに、県の対応ミスではないでしょうか?香川県豊島のごみ問題では、香川県は対応ミスを認めています。このような環境森林部長の対応ぶりをすぐそばで見て聞いていた貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問16】
令和5年5月14日現在、地元民は悪臭等により、窓を閉めており、洗濯物も外に干せない状況と聞いております。周辺住民の安全・安心な生活環境の保全を担保するために、生活環境調査をする予定はありますでしょうか?貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
【質問17】
今後の対応について、どうしたら良いと思われるでしょうか?貴殿の見解を御教示いただきたくお願いします。
以上、よろしくお願いします。なお、ご回答については、大変勝手ながら、2週間後の2023年6月7日(火)までに書面で郵送あるいはFAXにて上記弊連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。
なお、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記弊連絡先まで、書面にてお伝えいただきたく存じます。
なお、この公開質問と回答の内容は、マスコミにも情報提供致します。
敬具
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