市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

飲酒運転で高校生をひき逃げして意識不明に陥らせても刑が重過ぎると言える背景にあるもの

2010-08-04 22:39:00 | 安中市消防団員の飲酒ひき逃げ運転
■昨年の6月7日(日)午前1時ごろ、群馬県高崎市八千代町2丁目の群馬県立高崎高校正門前の市道で、安中市内の滝本印店主が酒気帯びで運転する乗用車が、同乗の知人女性を家に送る途中、文化祭の準備作業をしていた同高校1年生さんをはね、そのまま逃走した事件が発生したことは当会のブログでも詳しく報告したとおりです。

 今日の新聞に次の記事が報じられました。平成22年6月9日の刑事公判で検察側から「被告や家族に与えた苦痛は甚大」として懲役3年を求刑された安中市消防団の元副分団長でハンコ屋をしている御仁が、懲役1年10ヶ月の温情判決さえも不服として、もっと刑を軽くするように、東京高裁に控訴したというニュースです。

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高崎高正門前のひき逃げ、被告控訴
懲役1年10月に不服
 高崎高正門前の市道で昨年6月、文化祭の準備中に同校1年の男子生徒=当時(15)=が乗用車にはねられた事故で、自動車運転過失傷害と道交法違反(ひき逃げ、酒気帯び運転)の罪に問われた安中市安中、製印業、滝本雄次被告(63)は8月3日、懲役1年10月を言い渡した前橋地裁高崎支部判決を不服として、東京高裁に控訴した。
(上毛新聞平成22年8月4日水曜日記事)
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■実際の判決では懲役刑が求刑されていますが、判決に執行猶予がついているかどうかは未確認です。いずれにしても、今年6月9日に前橋地裁高崎支部で行われた検察による論告求刑公判で検察側は、提出された証拠を基に、滝本被告が当時酒気帯び状態であったこと、前方を注視していれば事故を回避できたことを指摘し、「被害者や家族に与えた苦痛は甚大」「飲酒運転に対する規範意識が極めて低く、人の生命を顧みず逃走した行為は危険かつ悪質」と指摘していました。さらに、ひき逃げされた男子生徒の父親が意見陳述し、「息子は何日も激しい痛みに耐えなければならなかった。事故は無念であり、痛恨の極み」と声を詰まらせながら訴えていました。

 ところが、被告側は「事故当時の被告の血中アルコール濃度は立証されていない。現場の状況で衝突前に被害者を発見するのは難しく、被告に過失はない」などと主張して、酒気帯び運転と自動車運転過失傷害について無罪を主張しました。

 検察と弁護人はそれぞれの立場で主張し、その結果、当初の懲役3年が約半分の1年10ヶ月になったのに、滝本被告は、まだ刑が重過ぎると言っています。

■この背景として、今年3月26日午後1時半から、安中市役所の安中市消防委員会で本件処分等について審議した結果、消防団への長年の功労や功績が大きいことと、既に本人から平成21年6月30日に、退職金等の辞退届と退団届が提出されていたことを勘案して、「懲戒処分をしないことに決定した」ことが挙げられます。

 配偶者が、安中市の現職市長をサポートする会派に所属しており、安中市幹部や議会幹部らに十分根回しをした結果、市長の理解も得られ、さらに仕上げとして、消防団の同僚幹部からも市長に対して寛大な処分を要請する決議が消防委員会で出されたことから、安中市は、本人から提出されていた退団届や辞退届を9ヶ月ぶりに正式に受理して、条例に基づく懲戒処分は行わないことを決めたため、温情判決によって求刑の約半分に一気に減らしてもらった1年10ヶ月の懲役さえも、不当だと感じたに違いありません。

 かつて「業務上過失致死傷罪」で裁かれていた交通事故は、すでに昔の話であり、2007年6月12日には、交通事故に限っての「自動車運転過失致死傷罪」が設けられ、懲役又は禁錮の上限が5年から7年へ引き上げられました。さらに、ひき逃げの罰則は、2007年9月19日から、それまでの「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」から「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」へと引き上げられました。

■このように、世間では酒気帯び運転だけでも重罪なのに、さらにひき逃げをしたら途方もない罰を受けるのが当たり前ですが、安中市長の覚えめでたければ、同様な違法行為をしても、世間とはかけ離れた温情処分にしてもらえることが、半ばルール化している状況ですので、本人もつい法廷で勘違いをしてしまったに違いありません。

 本人が、罰状が重すぎるとして、控訴を依頼している弁護士が一体誰なのかも興味がわきます。せっかく、酔っ払い運転撲滅に向けて世間がキャンペーンに注力し、警察も長年にわたり取り締まり強化策を講じてきているにもかかわらず、我らが安中市はそうした努力を骨抜きにしようとしているのではないか、と大変気になるところです。

【ひらく会情報部】

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酔払い運転で高校生をひき逃げしても懲戒処分せずコンプライアンスだけ強調する岡田市長の説明責任

2010-07-14 23:51:00 | 安中市消防団員の飲酒ひき逃げ運転
■平成21年6月7日(日)午前1時ごろ、高崎市の県立高崎高校の校門前で、文化祭の準備をしていた高校1年生が乗用車ではねられ、乗用車は、そのまま逃走しました。この乗用車を運転したのが、安中市の自営業者でした。

 事故から1年Ⅰヵ月が経過し、ひき逃げされて一時は意識不明の重体に陥って集中治療を続けていた被害者の高校1年生は、驚異的な回復ぶりを示して、昨年9月の2学期から登校していると、今年1月23日の高崎高校同窓会新年総会で、同校の藤倉校長から報告がありました。

 一方、ひき逃げをした加害者の製印業者は、安中市消防団の第1分団(安中)の元副分団長でしたが、その後、平成21年6月30日付けで、分団長を通じて安中市消防団の横山公男団長宛に退団届を提出しており、平成21年7月6日付けの東京新聞の報道によると、「安中市は受理する見通し。退職金の規定もあるが、現在は凍結し、刑事処分の内容によって支給の可否を判断する」という対応でした。

■ところが、その後、現在に至るまで、「退団届は受理されたのか」「刑事処分は確定したのか」「退職金は支払われたのか」など、全く公表されていません。

 一方、滝本容疑者の配偶者で安中市議会議員の滝本夏代市議は、所属する創政会派代表の柳沢健一市議と一緒に、田中伸一市議会議長や、消防団長の任命権を有する岡田義弘市長に根回しをしていたことが、情報として伝えられています。その甲斐あってかどうか、未だに、滝本容疑者の動静については全くベールに包まれたままとなっています。

 そうした中で、平成22年6月10日付けの新聞記事で、元消防団分団長は、既に起訴されて、前橋地裁高崎支部で、6月9日に論告求刑公判が開かれていたことが判明しました。刑事処分が既に確定したことが判明していたことになります。

■そこで、その後の元分団長への処分の動向を確認するために、当会は、平成22年2月15日に引き続き、6月14日付けで、岡田市長宛に行政文書開示請求をしました。その結果、岡田市長(事務担当課:市民部安全安心課 TEL027-382-1111)から平成22年7月1日付け安安発第7044号で「行政文書開示決定通知書」が到来しました。

 それによりますと、「平成22年3月26日午後1時30分から安中市役所で開かれた安中市消防委員会で本件処分等について審議した結果、平成21年6月30日付けで元分団長から提出されていた退職金等の辞退届と退団届を正式に受理し、条例による懲戒処分は行わないことに決定した」ことが判明しました。

 それでは、平成22年3月26日に開かれた安中市消防委員会会議の審議の模様を見てみましょう。

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【消防委員会会議開催の復命書】
回議用紙
年度    平成21年度
文書種類  内部
文書番号  第27477号
保存年限  3年
受付年月日 平成22年3月26日
保存期限  平成25年6月1日
起案年月日 平成22年3月26日
廃棄年度  平成25年度
決裁年月日 平成22年3月26日
分類    大3 中5 小2 簿冊番号7 分冊番号3
完・未完別 完結
簿冊名称  各種団体(委員会)関係書類
完結年月日 平成22年5月31日
分冊名称
施行区分  普通
公関    1 非公開 時限秘( 年)部分秘 全部秘  2 公開
起業者   市民部安全安心課生活安全係 職名 主査 氏名 久保庭 高明 内線(1131)
決裁区分  市長
印欄    市長・- 部長・- 課長・原田 係長・丸山 係・佐藤  公印・-
件名 安中市消防委員会会議について(復命)
 平成21年度の安中市消防委員会会議を開催しましたので、下記のとおり復命します。
1.日時  平成22年3月26日(金)午後1時30分~
2.場所  市役所306会議室
3.出席者 委員5名、市長及び市民部長、事務局6名(安全安心課5名、安中消防署1名)
4.内容
①開会 別添会議次第にもとづき、安全安心課長の進行により開催される。
②あいさつ 市長によるあいさつ
③移植状の交付 前委員の在任期間である、富澤委員に市長が委嘱状を手渡しにより交付する。
④議題
Ⅰ.委員長の選出について
 安中市消防委員会条例第5条の規定により、委員による互選が行われる。(慣例により区長会長を座長とする。)
 互選により、委員長に小坂上司さん、引続き副委員長に新津勇さんが選出される。
Ⅱ.安中市の消防概要について
 「消防費等」「年齢及び勤続年数」「消防団及び女性防火クラブの活動状況」を丸山係長が、「安中市火災・救急発生状況について」を安中消防署中澤係長が説明する。
 説明終了後、一括して質疑応答がなされる。(内容については、別紙参照)
Ⅲ.安中市消防委員会条例第2条第1項第1号に基づく協議について協議がなされる。(内容については、別紙参照)
⑤閉会
    以上

【質疑記録】
平成21年度安中市消防委員会会議における質疑
 日時:平成22年3月26日(金)
 場所:安中市役所第306会議室
 出席者:事務局 原田市民部長、原田課長、丸山係長、久保庭、佐藤
     消防署 中澤係長
     委 員 小坂、富沢、前川、横山、小俣
議題(2)消防概要
前川委員 団員及び女性防火クラブの定員の決め方は?
事 務 局 団員については、旧安中地区を例に挙げれば各地区条例で、磯部15名、板鼻20名、外の地区は12名と定めている。また、旧松井田地区については、条例変更無し、市全体では、定数545名。
前川委員 合併したのに、条例は統合されていない。アンバランスではないか?女性防火クラブは、どのような決め方をしているのか?
小俣委員 旧消防団員の人数に応じ配置。松井田地区は3支部あったが、合併後は、2地区と減ってしまった。
前川委員 団は、分団ごとに決めているのか?
岡田市長 合併協議会の中で、専決で決め、臨時議会にかけ最終的に決定している。
前川委員 最低人員の決め方、防火クラブを例に挙げれば、後閑地区は大字3つあるが、地区によっては定員割れを生じている。世帯数が少ないことによるものだが、面積が広くなれば、対応も取れなくなるので、定員を決めていくべきではないか?また、従来のものを引き継ぐことは良いことだが、適切な消防車両の配置も再検討した方が良いのではないか?
小坂議長 前川委員の意見を取り入れた、組織作りをしてもらいたい。
事 務 局 検討していきます。
富沢委員 車両火災の一例を挙げてもらいたい。
中澤係長 碓氷峠を持つ、坂本地区に多発。原因は、登り坂でもあり、オーバーヒートによるオイル漏れが元で、発火。車両の老朽化による火災が占めている。
富沢委員 その他については、どのようなものがあるのか?
中澤係長 河原等での野火火災やJRの架線によるものもある。
小坂議長 団員の定年制は?
事 務 局 活動面から見れば、60歳くらいまで。
議題(3)安中市消防委員会条例に基づく協議
横山委員 飲酒時は、団事業ではなかった。個人的な用事。しかし、瀧本氏は、性格は極めて円満で何事にも無欲闊達として献身的であり、実行力に富んで事にあたっては、旺盛な責任観念を十分発揮する気丈夫の人であった。温厚な人柄、また信頼感があり誰からも好かれ各階層に幅広く友人、知人を持ち、その人たちとの親交は深く広い。また、部長を命ぜられると団員の統率はもちろん、機械器具の点検整備、出動後の処理等完璧に責任を果たし、市民からの信望を得ていた。入団以来26年という永きに渡り、消防人としての使命に徹し、市の防災のために犠牲的奉仕活動を続けてきた。本団の意見でもあるが、団としては、退団届で処理したい。
前川委員 20年以上にも渡り、消防団活動に従事して来た功績を称え、また、報酬及び退職金も辞退していることを考慮して、寛大な処置を願いたい。
横山委員 瀧本氏は、これからの消防団を背負っていく大幹部の道もあったが、本当に残念な事になってしまった。私の方からも、市長さんに対して、寛大な処置を願いたい。よろしくお願いします。
小俣委員 私も、同じ意見です。
富沢委員 寛大な処置がよろしいのではないか。
小坂議長 寛大な処置を市長さんにお願いします。
その他
小俣委員 地区によっては、入団者がいない。現状では、自営業者は少なく、ほとんどが会社員である。消防回の部長から訓練等の行事に出席するように言われれば、断れない状況である。私の息子も団員であるが、そういった実情を聞かされると、親として入団させたくない気持ちも解る。部長の融通が効かない、もう少し個人の言い分を考慮し、臨機応変に対応してもらいたい。
事 務 局 地域の安全といった意味合いを含んで、仕事優先を前提に、勧誘していきたい。
小俣委員 消防団活動に参加するため、休暇を取る際、会社に言いづらい。
富沢委員 会社に言ってまで、抜けることは出来ない現実がある。
横山委員 消防車両は、ある程度、人数が揃えば出勤いたします。主な活動は、現在、放水のための中継送水を行っています。また、様々な実情を踏まえ、災害時に、人員による経費を減らすことよりも、詰所、及び消防車同等の統合を進めています。なお、施設面でもよりよい設備を構築していきます。
事 務 局 12分団についても、行田地区と八城地区の車両を1台に統合しました。
横山委員 地域の方や、それぞれの分団から、圧力的に自分勝手な言い方をしてきます。
富沢委員 板鼻地区の女性防火クラブは、25名おりますが、1,570世帯の割には、他の地区に比べて割合は低いのではないか、また、任期は3年であるので、各区長がクラブ員集めに、その都度、動いている。今回、3入の区長が交代します。
小俣委員 現にクラブ員も少ない。元々区長が作った女性防火クラブです。今後も、消防団とは、肩を寄せ合って活動をしていきます。
横山委員 団員等の募集時には、PR活動を応援して下さい。

【元分団長の処分決定に関する起案書】
起案用紙
年度    平成21年度
文書種類  内部
文書番号  第28309号
保存年限  3年
受付年月日 平成22年3月26日
保存期限日 平成25年6月1日
起案年月日 平成22年3月26日
廃棄年度  平成25年度
決裁年月日 平成22年3月26日
分類番号  大3 中5 小2 簿冊番号7 分冊番号3
完・未完別 完結
簿冊名称  各種団体(委員会)関係書類
完結年月日 平成22年5月31日
分冊名称
施行区分 至急
公開    1 非公開 時限秘( 年)部分秘 全部秘  2 公開
起案者   市民部安全安心課生活安全係 職名 課長補佐 氏名 丸山 誠一郎  内線(1131)
決裁区分  市長
決裁    市長・岡田 部長・原田 課長・原田 係長・- 係・-  公印・-
関係部署合議 総務部長・鳥越 安中市消防団長・横山 秘書行政課長・佐俣 職員課長・真下
件名 安中市消防委員会会議における市消防団員の処分等について
 上記のことについて、次のように決定してよろしいか伺います(別紙 枚)
 3月26日午後1時30分より市役所306会議室に於いて開催しました安中市消防委員会での議題「安中市消防委員会条例第2条第1項第1号に基づく協議について」の中で、昨年6月、高崎市内の市道で自動車運転過失傷害などの罪で逮捕、起訴された安中市安中の滝本雄次氏の処分等について審議していただいたところ、その内容は別紙のとおりでした。
 この審議結果に基づき、平成21年6月30日付けで本人から提出されました「手当・退職金の辞退及び退団届」を正式に受理の上、「安中市消防団員服務規律及び懲戒条例」による懲戒処分は行わないことに決定してよろしいか伺います。
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■つまり、消防委員会会議の審議結果をそのまま100%受け入れて、岡田市長は、「元分団長に対して、安中市消防団員含む規律及び懲戒条例による懲戒処分は行わない」という決定を下したことが分かります。

 消防委員会には、岡田市長も出席して挨拶をしており、会議に対する影響力を行使した形跡が見えます。一方、消防委員会での席上、出席委員からは、次の意見が出ました。あきらかに、結果有りきの討議だったことがわかります。

 冒頭、横山消防団長から、退団届の受理だけで処理したいとの発言要旨は次のとおりでした。

①飲酒時は団事業ではなく個人的な用事だった。
②本人の性格は極めて円満で無欲闊達で献身的で実行力に富み、旺盛な責任感を十分発揮する気丈夫だった。
③また、温厚な人柄、信頼感で、誰からも好かれ各階層に広く友人知人を持ち、信仰は深く広かった。
④部長として団員統率のみならず機械器具の点検整備、出金後の処理等完璧に責任を果たし市民の信望を得ていた。
⑤入団以来26年に亘り消防人としての使命に徹し、氏の防災のために犠牲的奉仕活動を続けてきた。

 冒頭に消防団長からここまで明確な方針が示されると、あらかじめ根回しされていた他の4人の委員からは、これに異議を唱える意見が出るはずもありません。を擁護したり支持したりするものばかりとなるのは無理もありません。「寛大な処置を市長さんにお願いしたい」という横山委員(消防団長)の意見にただただ同調一色で、僅か2分で懲戒処分はかき消されたのでした。

■飲酒運転事故という反社会的な行為を犯した事実に対しても、同じ釜の飯を食ってきた消防団員の仲間意識のほうが、長年付き合った者同士としては強いのでしょうが、誰も、異論を唱えないというのはやはり違和感を覚えます。民間では、問答無用でクビにされても仕方のないケースだからです。

 しかし、日ごろから真のボランティア精神を掲げている岡田部長としては、条例遵守、法規順守を遵守するように指導するはずですから、消防委員会の協議結果を示されても、妥協せず、きちんと元分団長を懲戒処分にして、規律のけじめをつけるはずでした。

■ところが、上記の起案用紙が回覧されるやいなや、岡田市長はイの一番に、自ら「でかいハンコ」を決裁欄に押印したのでした。



 隣に女性を同乗させた上、酔払い運転で高校生を撥ねて意識不明の重体に陥れたまま、その場から逃げ去り、自分から出頭せずに、市会議員の妻が本人に代わって警察に電話をしたのに、条例に基づく懲戒処分をしないとなると、未来塾との裁判の過程等で岡田市長が、声高に発信してきた次の理念は、一体どうなっているか、日ごろから岡田市長の強調する説明責任の必要性が今こそ必要なのではないでしょうか。

①いろいろな意昧での条例順守の一つの方向性を持った地域づくリ、新しい都市づくりへ結び付けていかなければなりません。
②ボランティア文化の理念を実現するためには「法規遵守(コンプライアンス)」を正確に把握しつつ、これから、どのような時間的視野のもとで、いかなる努力を積み重ねる必要があるかについて未来塾関係諸氏から語られることは無かった。
③「フリーマーケットinあんなか」を持続するためには「法規遵守(コンプライアンス)」という不自由な我慢も必要であるという点にある。その不自由を我慢してこそ、その目的実現のために「持続と蓄積」の精神で働き続けてこそ、ボランティア文化の尊い仕事である。理念のみに振り回され、現実の判断を誤ることだけは避けねばならない。
④未来塾は県議、市議(未来塾運営委員兼務)を有していることから細心の注意力をもって「法規遵守(コンプライアンス)」に努める責務がある。
⑤ボランティア活動には、市民によって育てられるボランティアの特性である関係性を大事にする心が求められると共に確固たる哲学理念が求められる。未来塾には「語るべきこと」を語ることを切望する。
⑥併せて市行政の公正公平な経営感覚もない「行政」との「なれあい」に対して、市民が納得できる説明も重要である。
⑦未来塾の行政への介入も問題だが、これまで長期に渡って市行政の「無気力」も原因であることから、重規すべきは「法令遵守(コンプライアンス)」の履行であることの再認識を最優先したい。
⑧「フリーマーケットinあんなか」主催者として、運営委員の人間教育には、これまで以上に本腰を入れなくてはならないし、それ抜きにして「ボランティア」を名乗る資格はない。市行政は条例違反の疑いがあれば詳細を明らかにし市民世論が公平性と透明性を求めるようになっていることも軽んじてはいけない。
⑨市行政が何を行い、何を行ってはいけないか、これは「この市行政の形」に関する最重要な部分である。

■とどのつまり、岡田市長としては、「未来塾と消防団ではボランティアの定義が異なる」と言いたいのでしょう。また、未来塾はメンバーに議員らを擁しながら条例を無視したり、軽視したりすることはけしからんが、元分団長の配偶者の議員が真っ先に警察に電話をしたことは、コンプライアンス上からもなんら問題ない、と言いたいのでしょう。

 こうしてみると、岡田市長の温情が200%発揮されて、条例軽視の判断が出されたことで、安中市民は、市長のコンプライアンスのよりどころがどこにあるのかをはっきりと認識したことでしょう。

■ではなぜ、消防委員や岡田市長は、元分団長への懲戒処分を行わなかったのでしょうか。その理由として、例えば既に元分団長への褒章申請などの計画が進んでいるものと思われます。51億円事件に関わった行政関係者らの多くも、その後各種の褒章を受賞しており、安中市のコンプライアンスは以前からむちゃくちゃでしたが、岡田市政になってからはますます世間の常識から離れてゆく感があります。

 こうして、退団届と退職金等辞退届が3月26日に正式受理されたことで、岡田市長としては、飲酒運転ひき逃げ事故の責任は不問にして、近い将来、消防関係の褒章対象に元分団長を推薦するものと思われます。やはり、「持つべきは与党会派所属の市議会議員の配偶者」ということができそうです。



■これでは、昨年秋に飲酒運転で人身事故を起こして即刻クビになった安中市職員と比較で、著しい不公平感が払拭できません。消防団員で、市議会議員を妻に持てば、かえって社会的道義的責任が重くなるはずですが、これは安中市民の感覚であって、岡田市政の感覚は全く別のようです。

 なお、被害にあった高校生に対する安中市からの謝罪を示す資料は、今回も不存在でした。

【ひらく会情報部】

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飲酒ひき逃げで高校生を重体にしたハンコ店主への懲役3年求刑と未処分を続ける安中市長の温情

2010-06-10 23:54:00 | 安中市消防団員の飲酒ひき逃げ運転
■先週の週末、6月5日(土)から6月6日(日)にかけて、高崎高校で毎年恒例の文化祭、第58回翠巒(スイラン)祭が盛大に行われ、無事終了しました。天候にも恵まれて絶好の文化祭日和だったようです。

 ところで、昨年の第57回翠巒祭は6月6日(土)と7日(日)に開催されましたが、二日目の6月7日午前1時ごろ、同校正門前の市道で、スイラン祭の準備作業中だった同高1年の沢田拓朗さん(15)が乗用車にはねられたことを記憶している市民も多いと思います。

 このとき、沢田さんは頭を打ち、意識不明の重体となったのです。しかし、その後の、賢明な治療と、なによりも若い肉体と強靭な精神のおかげで一命をとりとめたばかりか、驚異的な回復力を見せて、現在は若干の事故の後遺症は残るものの、勉学にはほとんど支障ない状況まで回復しています。きっと、今年のスイラン祭にも元気よく参加したことでしょう。

■昨年6月に事故をおこしたのは、安中市のハンコ屋の店主で、安中市消防団の副分団長の経験者でもあり、配偶者は安中市議会議員として、岡田市長を支える創政会のメンバーです。

 昨年の事故の報道によると、高崎署は平成21年6月7日に、道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで、同県安中市安中、自営業、瀧本雄次容疑者(62)が逮捕されました。そして、同日午前6時半ごろ、同容疑者の家族が「(同容疑者が)人をはねたと言っている」と同署に通報しました。同署によると、同容疑者は「飲酒運転の発覚を恐れて逃げた」と容疑を認めているとのことでした。

 つまり、ひき逃げした店主本人は気が動転して何もできず、市議会の修羅場をくぐった経験のある妻が、本人に代わり、高崎警察署に連絡をとり、警察に対してアピールをしたかったのか、あるいは危機管理対応ができない本人に代わり、度胸のあるところを示したことがわかります。

■ひき逃げ傷害事件から、ちょうど約1年を経過した今年の6月9日に、このひき逃げ傷害事件で起訴された製印業店主の滝本雄次被告に対する論告求刑がありました。それを報じた上毛新聞の社会面の記事です。

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懲役3年を求刑 高崎高前ひき逃げ 一部、無罪を主張 地裁高崎支部
 高崎高正門前の市道で昨年6月、文化祭の準備中に同校1年の男子生徒=当時(15)=が乗用車にはねられた事故で、自動車運転過失傷害と道交法違反(ひき逃げ、酒気帯び運転)の罪に問われた安中市安中、製印業、滝本雄次被告(63)の論告求刑公判が9日、前橋地裁高崎支部(佐藤基裁判官)であり、検察側は「被害者や家族に与えた苦痛は甚大」として、懲役3年を求刑した。
 論告で検察側は、提出された証拠を基に、滝本被告が当時酒気帯び状態であったこと、前方を注視していれば事故を回避できたことを指摘。「飲酒運転に対する規範意識が極めて低く、人の生命を顧みず逃走した行為は危険かつ悪質」と非難した。
 被告側は「事故当時の被告の血中アルコール濃度は立証されていない。現場の状況で衝突前に被害者を発見するのは難しく、被告に過失はない」として、酒気帯び運転と自動車運転過失傷害について無罪を主張した。
 男子生徒の父親が意見陳述し、「息子は何日も激しい痛みに耐えなければならなかった。事故は無念であり、痛恨の極み」と声を詰まらせながら訴えた。
<上毛新聞平成22年6月10日付け社会面>
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■高校生をひき逃げして重体にしたまま放置して、同乗の女性を送り届けてから自宅に逃げ帰って、明るくなってから市議の妻に高崎署に電話してもらって、警察の来るのを待っていたのに、「事故当時の被告の血中アルコール濃度は実証されていない」などと無罪を主張するとは、あきれ果ててしまいます。

 しかも、被害者にまともに謝罪さえしていないのですから、罪の意識が希薄なのはあきらかです。にもかかわず、検察がたった懲役3年しか求刑しないのみ不可思議です。

■一方、安中市議でもある被告の妻は、来年4月の安中市議選に再度立候補する意向のようですが、この背景には、岡田市長を支える与党会派所属という自負があると思われます。事故発生直後から、市議会議長を同伴して、岡田市長のところに挨拶にいっており、司直に対する岡田市長の政治的な影響力を期待しているものと見られます。

 これを裏付けるかのように、消防団員だった滝本雄次被告の退団届は、事故直後に消防団長に受理されましたが、退職金の取り扱いも含め、処分の方法については、事故発生から1年以上経過するのにまだ先送りされているようです。

■安中市では、一昨年の10月4日午前0時5分ごろ、長野県軽井沢町追分の町道で車体がへこんだ軽乗用車を運転中、通報で駆けつけた軽井沢署員の調べで呼気1リットル中0・2ミリグラムのアルコールが検出されたことから、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕された当時55歳の公民館長補佐の例があります。

 この安中市職員の場合は、その後の調べで、平成20年10月3日午後11時50分ごろ、同町内の交差点で信号待ちしていた乗用車に追突、2人に2週間のけがを負わせて逃げた疑いもあることが分かり、同24日、長野地裁佐久支部に自動車運転過失傷害と道交法違反(酒気帯び、ひき逃げ)の罪で起訴されて、安中市は同被告の上司の教育長ら3人も文書による厳重注意にしたあと、逸早く、翌25日付けで懲戒免職処分にしたことを同26日に発表しました。

■一方、滝本雄次被告の場合は、事故発生から1年経過しておりますが、本人からの退団届は受理されていても、処分はまだ行われていない可能性があります。安中市は今回の飲酒運転致傷事故については、なぜか、まったく公表しようとせず、当会は都度、情報公開請求で事情を把握してきました。

 安中市では当初は、滝本容疑者の起訴を待って、処分を検討するとしていましたが、既にとっくに起訴されて、裁判で論告求刑が行われた現在もなお、未処分のままなのか、疑問の声が上がっています。


いつもながらの摩訶不思議な安中市役所の二重基準で、店主が未処分のまま起訴されながらも通常通り営業中の店舗。

■市民の間には、岡田市長が政治圧力を行使して、滝本被告の刑事判決では、執行猶予付きの判決が出され、実質的に無罪になることを見越して、未処分のままにしているのではないか、とのうがった見方もあります。

 いずれにせよ、本当にまだ未処分のままなのかどうか、当会としては、さっそく情報公開請求で事実関係の確認を取ってみたいと思います。

【ひらく会情報部】


こちらも首都高で大事故を起こしながら平常通り営業中の多胡運輸。
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【速報】飲酒ひき逃げ運転で起訴され既に第2回公判を経ても懲戒処分しない岡田市長

2010-03-02 09:06:00 | 安中市消防団員の飲酒ひき逃げ運転
■平成21年6月7日の深夜に高崎市の県立高崎高校の正門前で発生した飲酒運転ひき逃げ事件の動向を確認するために、当会は、平成22年2月15日に、岡田市長宛に行政文書開示請求をしたところ、岡田市長から平成22年2月26日付で「行政文書不存在通知」が到来し、その中で、岡田市長は「当政事案について懲戒処分に至っていないため、また、被害者への見舞いはしていないため存在しない」と回答しました。

 このため、当会では、てっきり、未だに刑事訴追がされていないのが理由だとばかり、思っていたところ、実は、当の昔に高崎署は地検に本件を送検、起訴し、既に地裁高崎支部で2回も公判が開かれていたことが判明しました。議会関係者に甘い岡田市政の、公平・公正・透明性が改めて問われます。
**********
警官らが実況見分状況など説明
高崎高前ひき逃げ地裁支部で公判
 高崎高正門前の市道で昨年6月、文化祭の準備中に同校1年の男子生徒=当時(15)=が乗用車にはねられた事故で、自動車運転過失傷害と道交法違反(ひき逃げ、酒気帯び運転)の罪に問われた安中市安中、製印業、滝本雄次被告(63)の第2回公判が3月1日、前橋地裁高崎支部(村田鋭治裁判官)であった。実況見分調書を作成した警察官と鑑定書を作成した県警科学捜査研究所職員の証人尋問が行なわれた。
 警察官は視認状況の確認などを行なった実況見分の様子を説明。「現場の約30メートル手前で人影を確認でき、衝突は避けられたはず」と述べた。職員は時間をさかのぼってアルコール濃度を算定でいるとした上で、「被告人の事故当時のアルコール量を、呼気1リットル当たり0.5~0.8ミリグラムと算定した」と鑑定書の内容を説明した。
 被告側は「実況見分の内容は低支持の視認状況であり、事故の状況を正確に示していない」、「時間の経過によるアルコールの減少量には個人差があり、一概には判断できない」などと反対尋問の中で指摘した。
 起訴状などによると、滝本被告は昨年6月7日午前1時ごろ、高崎市八千代町の同校正門前の市道で、朱熹を帯びた状態で乗用車を運転士、路上に立っていた男子生徒をはね、そのまま逃げたとされる。男子生徒は一時、意識不明の重体となった。
【上毛新聞3月2日朝刊】
**********

■ところで、当会では、滝本容疑者の配偶者である滝本夏代市議が所属する安中市議会議長宛に、平成22年2月15日付(受付同16日)で、次の行政文書開示請求書を提出しておりました。

**********
平成22年2月15日
行政文書開示請求書
〒379-0192 安中市安中1-23-13
安中市議会議長 田中伸一 様
          郵便番号 379-0114
          住所 安中市野殿980番地
          氏名 小川 賢 
安中市情報公開条例第6条第1項の規定により、次のとおり行政文書の開示を請求します。
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
平成21年6月16日付け東京新聞の朝刊記事に「容疑者、消防団員勤める 高崎のひき逃げ」と題して、次の内容記事が掲載された。
高崎市の県立高崎高校正門前で七日に生徒(15)がひき逃げされ重体となった事件で、高崎署に自動車運転過失傷害などの疑いで逮捕された安中市安中、製印業の容疑者(62)が、安中市の消防団員を務めていることが分かった。消防団員は市議などと同じ特別職の地方公務員に当たるため、市は条例に基づく懲戒処分を検討している。安中市によると、容疑者は一九八三年に入団。二〇〇四年度から四年間、役員に相当する第一分団副分団長を務めた。市が年二回報酬を払っている。市の条例によると、消防団員は「職務の内外を問わず、団員たる体面を損する行為があったとき」は市長への通知を義務付け、免職、停職、戒告の懲戒処分を定めている。市では「条例に触れる行為であり、手続きを進めたい」としている。高崎署によると、容疑者は「酒を飲んで運転したので逃げた」と供述。(以下省略)
これに関して容疑者の配偶者である市議から、議長宛にひき逃げ事件に関して提出された一切の情報および議会でのその取扱に関する一切の情報、また、市議会でこの事件に関して討議あるいは決議をした事実を証する一切の情報。(8月24日付で開示された情報を除く)
**********

■この結果、安中市議会議長から、平成22年2月26日付で次の回答がありました。

**********
安議発第24274号
平成22年2月26日
行政文書不存在通知書
請求者 小川賢 様
         安中市議会議長 田中伸一 (公印)
 平成22年2月16日に請求のありました行政文書について、当実施機関において保有していないため、安中市情報公開条例第11号第2項の規定により通知します。
<開示請求に掛かる行政文書の内容又は件名>
 別紙行政文書開示請求書に記載の「開示を請求する行政文書の内容又は件名」と同じ。
<行政文書が存在しない理由>
 市議からの議長宛に提出された書類はございません。また、市議会で、この件に関する討議或いは議決はありませんので、該当する文書はございません。
<事務担当課>
議会事務局 電話番号027-382-1111 内線1354
**********

■市長が市長なら、市議会も市議会。市長を監視する側の市議会は、きちんと公務員の飲酒運転の撲滅に向けた決意を全会一致の議決で示し、滝本市議にけじめをつけるように勧告をするとともに、岡田市長にも、滝本容疑者の懲戒処分を速やかに行なうよう提言する必要があるでしょう。

【ひらく会情報部】

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飲酒運転で高校生をひき逃げ後約9ヶ月経過しても刑事訴追も処分もされない摩訶不思議

2010-03-01 18:40:00 | 安中市消防団員の飲酒ひき逃げ運転
■平成21年6月7日(日)午前1時ごろ、高崎市にある、県立高崎高校の校門前で、文化祭の準備をしていた高校1年生が乗用車ではねられ、乗用車は、そのまま逃走しました。この乗用車を運転したのが、安中市の自営業の滝本雄次容疑者(62)でしたが、あれからそろそろ9ヶ月経過するのに、事件のその後についてさっぱり報じられません。

 ひき逃げした後、知人女性を家に送ったのかどうかは定かでありませんが、安中市の自宅に逃げ帰った滝本容疑者は、さっそく安中市会議員の妻に報告したことでしょう。ひき逃げを告白された妻は、機転を効かして、午前6時半になって高崎署に通報しました。午前6時半というと、まだ警察官は殆ど出勤していません。事前に幹部に相談したかもしれません。通報を聞いて、警察官が自宅に駆けつけたところ、滝本容疑者が犯行を認めたため、午前8時半に自宅で緊急逮捕されました。

 逮捕された際、滝本容疑者は酒に酔っていて、警察の調べに対し、「酒気帯び運転が発覚するのを恐れて逃げた」と供述しました。警察は事件当時、車に一緒に乗っていた滝本容疑者の知人女性についても道路交通法違反の疑いで調べを進めていました。こちらもその後全く音沙汰がありません。

■あれから約9ヵ月が経過しました。ひき逃げされて一時は意識不明の重体に陥って集中治療を続けていた被害者の高校1年生は、驚異的な回復ぶりを示して、昨年9月の2学期から登校していることは、今年1月23日の高崎高校同窓会新年総会で、同校の藤倉校長から報告があったとおりです。

 一方、ひき逃げをした加害者の滝本印店の店主で、2004年度から2008年度まで安中市消防団の第1分団(安中)の副分団長だった消防団員は、その後、平成21年6月30日付けで、分団長を通じて安中市消防団の横山公男団長宛に退団届を提出しましたが、7月6日付けの東京新聞の報道によると、「安中市は受理する見通し。退職金の規定もあるが、現在は凍結し、刑事処分の内容によって支給の可否を判断する」という対応でした。

 ところが、その後、現在に至るまで、「退団届は受理されたのか」「刑事処分は確定したのか」「退職金は支払われたのか」など、全く公表されていません。

 一方、滝本容疑者の配偶者で安中市議会議員の滝本夏代市議は、所属する創政会派代表の柳沢健一市議と一緒に、田中伸一市議会議長や、消防団長の任命権を有する岡田義弘市長に根回しをしていたことが、情報として伝えられています。その甲斐あってかどうか、未だに、滝本容疑者の動静については全くベールに包まれたままとなっています。

■そこで、その後の本件の動向を確認するために、当会は、平成22年2月15日に、岡田市長宛に行政文書開示請求をしました。その結果、岡田市長(事務担当課:市民部安全安心課 TEL027-382-1111)から平成22年2月26日付け安安発第24554号で「行政文書不存在通知」が到来しました。

 それによりますと、「平成21年8月24日付、請求分(平成21年9月4日付、開示・不開示・不存在決定分)の後の行政文書は、当政事案について懲戒処分に至っていないため、また、被害者への見舞いはしていないため、存在しません」として、全部不存在となっています。

すなわち、内訳で見てみますと、
①容疑者の懲戒処分及び処分に至る経緯、処分を決めた理由→不存在
②処分直前の容疑者への支払給与条件→安中市消防団員の定員、任免及び給与に関する条例参照
③退職金支給の有無と結果→不存在
④消防団の服務規程と処罰規定に関する条例→安中市消防団員服務規律及び懲戒条例
⑤被害者への市としての見舞い対応の有無と内容→不存在

 このうち、②の「安中市消防団員の定員、任免及び給与に関する条例」及び「安中市消防団員服務規律及び懲戒条例」については、安中市ホームページの例規集で閲覧できるため、今回開示文書としては含まれませんでした。

■こうしてみると、滝本容疑者の配偶者である滝本市議が、ひき逃げ事件で動転した容疑者本人に成り代わり、最初から高崎署に電話をしたり、所属会派代表を引き込んで、議長や市長に慎重に根回ししたり、そつのない行動が注目されますが、十分にその効果が発揮されていることが分かります。

 というのは、①未だに、刑事処分が出ていないこと。つまり、警察から送検されたのかどうか、送検されたとしても、検察で立件して起訴されたのかどうか、が確認できていないのです。被害者が回復したので、通常の交通違反として処理される可能性もあります。なぜなら、警察や検察、それに裁判所にも顔のきく岡田市長が口利きをすれば、不可能なことも可能になることがあるからです。

 つまり、退団届は平成21年6月30日に提出されましたが、安中市では、刑事訴追がされていないことを理由に、受理が保留になっており、退職金についても、不起訴になれば、支給する態勢にあるのです。やはり、「持つべきは与党会派所属の市議会議員の配偶者」ということができそうです。

■末尾に参考資料として掲げた「安中市消防団員服務規律及び懲戒条例」の第6条(懲戒)によれば、「市長は、消防団員が職務上の義務に違反し、又は義務を怠っとき、免職など懲戒するものとする」と定めています。にもかかわらず、滝本容疑者からの退団届を棚上げして、不起訴になるまで9ヶ月近くも待ち続けている岡田市長の温情は尋常ではありません。

 これでは、昨年秋に飲酒運転で人身事故を起こした安中市職員との比較で、著しい不公平感が払拭できません。消防団員で、市議会議員を妻に持てば、かえって社会的道義的責任が重くなるはずですが、これは安中市民の感覚であって、岡田市政の感覚は全く別のようです。

【ひらく会情報部】


<参考資料>
【安中市消防団員の定員、任免及び給与に関する条例】
平成18年3月18日
安中市条例第203号
(趣旨)
第1条 この条例は、消防組織法(昭和22年法律第226号)第15条の2第2項及び第15条の6第1項の規定に基づき安中市消防団員(以下「団員」という。)の定員、任免及び給与について定めるものとする。
(定員)
第2条 団員の定員は545人とする。
(任用)
第3条 消防団長(以下「団長」という。)は、消防団の推薦に基づき市長が、その他の団員は、市長の承認を得て団長が、次の各号のいずれにも該当する者のうちから任命する。
(1) 本市消防団の区域内に居住し、又は勤務する者
(2) 年齢18以上の者
(3) 志操堅固でかつ身体強健な者
2 前項の団長の推薦には、団長以外の団員総数の過半数以上の同意を必要とする。
(分限)
第4条 団長は、団員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これを降任し、又は免職することができる。
(1) 勤務実績が良くない場合
(2) 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
(3) 前2号に規定する場合のほか、団員に必要な適格性を欠く場合
第5条 団員に別表に掲げる報酬を支給する。
2 報酬の支給方法については、安中市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成18年安中市条例第42号)の例による。
(費用弁償)
第6条 団員が公務のため旅行するときは、その旅行について費用弁償として旅費を支給する。
2 旅費の支給方法については、安中市旅費支給条例(平成18年安中市条例第52号)の例による。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年3月18日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の安中市消防団給与条例(昭和30年安中市条例第46号)又は松井田町消防団給与条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。
3 別表の適用については、平成18年3月18日から平成20年3月31日までの間、同表中
[団長   271,000円]
とあるのは
[団長   271,000円]
[方面隊長 271,000円]
とする。
附 則(平成18年6月29日条例第228号)
この条例は、平成18年7月1日から施行する。
別表(第5条関係)
(平18条例228・全改)
区分  /  報酬年額
団長    271,000円
副団長   232,000円
分団長   184,000円
副分団長  154,000円
ラッパ長  154,000円
副ラッパ長 124,000円
部長    118,000円
班長     82,000円
運転手    64,000円
ラッパ手   60,000円
警鐘手    57,000円
団員     46,000円

【安中市消防団員服務規律及び懲戒条例】
平成18年3月18日
安中市条例第205号
目次
第1章 服務規律(第1条―第4条)
第2章 賞罰(第5条―第8条)
附則
第1章 服務規律
(服務)
第1条 消防団員(以下「団員」という。)は、招集によって出動し、服務するものとする。
2 招集の命を受けない場合でも、水火災の発生その他非常災害等の発生を知ったときは、あらかじめその指定した要領に従い、直ちに出動し、服務しなければならない。
第2条 出動した団員が解散する場合は、人員及び携帯機具につき点検を受けなければならない。
第3条 団員で、10日以上居住地を離れる場合は、消防団長(以下「団長」という。)にあっては副団長に、その他の者にあっては団長に届け出なければならない。
(遵守事項)
第4条 団員は、次の各号を遵守しなければならない。
(1) 常に水火災の予防及び警火心の喚起に努め、一朝ことある場合は、身を挺して難に赴く心構えを持つこと。
(2) 規律を厳守し、上司の指揮命令のもとに上下一体ことに当たること。
(3) 上下同僚の間は、互いに相敬愛し、礼節を重んじ、信義を厚くし、常に言行を慎しむこと。
(4) 平素いつでも招集に応じ得る準備を整え、ことに当たり不都合のないようにしなければならない。
(5) 職務に関し私に金品の寄贈若しくは饗応、接待を受け、又はこれを請求する等のことがあってはならない。
(6) 職務上知得したこと、又は他より聞知したことで、機密な事項を漏らさないこと。
(7) 消防団又は団員の名義をもって、みだりに政治運動に関与し、又は他人の訴訟若しくは紛議に関与しないこと。
(8) 消防団又は団員の名義をもって、みだりに寄附を募集し、又は営利行為をなし、若しくは義務の負担となるような行為をしないこと。
(9) 貸与品、給与品はこれを大切に保管し、服務以外において使用し、若しくは他人に貸与しないこと。
(10) 機械器具その他消防団の設備資材は、職務をもってする場合のほか、これを使用しないこと。
(11) 服務中に功を争い、又は持場を離れるようなことがあってはならない。
(12) 上司の命のないときは、職務のためであってもみだりに建造物その他の物件を損傷しないこと。
第2章 賞罰
(表彰)
第5条 市長は、消防団又は団員がその任務遂行に当たり、功績が特に抜群である場合は、これを表彰することができる。
(懲戒)
第6条 団員で次の各号のいずれかに該当するものがあるときは、市長は、懲戒するものとする
(1) 職務上の義務に違反し、又は義務を怠ったとき。
(2) 職務の内外を問わず、団員たる体面を損する行為があったとき。
第7条 前条の懲戒は、次の区別によりこれを行う。
(1) 免職
(2) 停職
(3) 戒告
2 停職は、1年以内において、期間を定めてこれを行う。
3 団員中に懲戒の事由に該当すると認める者があるときは、団長は、市長に通知しなければならない。
(懲戒の猶予)
第8条 懲戒に該当するもので、情状を酌量すべき点ある者に対しては、1年以内の期間を限り、その懲戒を猶予することができる。
2 前項の規定により、懲戒猶予を受けた者で、改悛の情がないときは、猶予を取り消して、その懲戒を行う。
3 猶予を取り消されることなく、猶予の期間を経過したときは、その懲戒はこれを行わない。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年3月18日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の安中市消防団員服務規律及び懲戒条例(昭和30年安中市条例第45号)又は松井田町消防団員服務規律及び懲戒条例(昭和30年松井田町条例)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。
3 平成18年3月18日から平成20年3月31日までの間、第3条中「副団長」とあるのは「方面隊長」とする。

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