■平成21年12月4日付け安発18275号の「道路工事に伴う交通規制について(お願い)」と題して、地元回覧された文書により、市道幹131号線道路改良工事が、安中市野殿字下切通地内にて、平成21年1月12日~3月26日まで施工中です。
一方、平成21年11月吉日で東京ガス㈱群馬幹線建設事務所作成の「岩野谷地区の皆さま」宛の「岩野谷地区におけるガス工事の予定について(お知らせ)」という文書が11月30日ごろ地元回覧されました。
東京ガスのこの文書に添付されている「12月分」「全体予定」の図面上で、下切通地内の市道区間は、「ガス管埋設済み」を示す青線で示されています。東京ガスはガス工事後の本舗装を施工することになっているため、これに関連して、当会では、平成21年12月24日付で、次の資料について行政文書開示請求を安中市長に行いました。
①市道幹131号線道路改良工事にかかる入札調書
②同改良工事にかかる舗装工事部分の入札設計資料(舗装仕様、材料予量数値などを含む)
③安中市と東京ガスで当該区間改良工事及び本舗装工事に関して、交わされた一切の情報(協議録、打合せメモ、電話メモ、通達書、連絡書、内部稟議などを含む)
その結果、平成22年1月15日に、次の関係資料の開示を受けました。
①入札図書
②平面図、標準横断図及び歩道・左車道数量集計
③市道幹131号線打合せ記録
■今回の情報開示請求は、岡田市長が東京ガスに便宜を図りはしないかについて確認するのが目的です。
開示された資料を見ると、やはり次のような疑問点が浮かび上がり、東京ガスに少しでも便宜を図りたいとする岡田市長の方針が見えてきます。
■まず、公開された資料のうち、東京ガスと安中市との打合せ記録を見てみましょう。
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市道幹131号線打合せ記録
課長・多胡 庶務係長・滝川 工務係長・田中 維持管理係長・中山 供覧・中島、戸塚、河村、佐藤
1.日 時 平成21年8月26日(水) 11:10~
2.場 所 安中市役所 第二相談室
3.出席者 土木課3名 滝川、田中、中島
東京ガス3名 ■■■■■■■■■■■■
4.議 題 1.ガス管埋設工事に伴う本復旧について
資料 : 別紙
【東京ガス】今日は、幹131号線の本復旧工事について打合せをお願いしたい。
【市】その本復旧工事は、市が計画している道路工事箇所と重複している。よって、本復旧工事箇所(東側車線)が改良前と接しているため、道路工事に支障を来すことが予想される。東京ガスの本復旧工事について反対車線(西側車線)をお願いできないか?(別紙)
【東京ガス】そこについては、市の指示に従います。どちらの車線も施工規模は変わらないと思いますので。
【市】施工時期については、地元への交通制限等の負担軽減のため、当該工事の舗装と同時施工でお願いしたい。
【東京ガス】わかりました。道路工事の請負業者が決まったら、業者さんと相談させて頂きます。また、工事の周知についてですが。
【市】業者が確定次第、市において工事案内を地元回覧させて頂きます。
【東京ガス】今後、県道の本復旧についても予定しているのですが、市工事と重複しないようにしたいと思います。
【市】よろしくお願い致します。
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■この議事録は非常に簡単にしか書かれていませんが、この中で安中市は、本復旧工事箇所(東側車線)が道路改良(歩道設置のこと)部と接しているため、東京ガスの本復旧工事について反対車線(西側車線)をお願いしたい」と申し入れています。東京ガスは、二つ返事で「市の指示に従います。どちらの車線も施工規模は変わらないと思うので」と答えました。
もともと、市道幹131号線は幅員が狭いため、東京ガスは高圧ガス導管を敷設する際に、道路の半分以上を作業帯として使用し、車両通行帯は乗用車がぎりぎり通れるだけの幅を確保していたため、地元住民らをはじめとする運転者は、車幅感覚に緊張させられながら片側交互通行を足掛け3年間も強いられたのです。
■これまで、東京ガスによる安中市内の市道における高圧ガス導管敷設工事箇所では、すべて市道の幅員全面にわたり、本復旧工事が行われていました。
ところが、今回、大手組が施工中の歩道取り付けのための道路改良工事では、市道の幅員の片側だけを東京ガスが本復旧工事をするだけで、残りの片側車線は、安中市の予算を使って工事を行うというのです。
■東京ガスは、直径50センチの高圧ガス導管敷設工事の際に、油圧シャベルを使用して道路を掘削し、パイプの敷設のために長さ数十mに亘り、片側交通規制をしました。このとき、油圧シャベルの車幅だけで2.75mを占有していると見られ、さらにその外側にカラーコーンを置くため、実質的な道路占有は幅3m近いものになったと考えられます。そのため、通行車両は、側溝のふたの上を通ったり、ぎりぎりの車幅感覚に恐怖を覚え、低速での慎重な安全運転を強いられたのでした。
↑東京ガスが2009年11月末に地元に回覧版で配布した2009年12月の工事予定の資料。↑
したがって、今回、安中市による道路改良工事と重複している東京ガスの高圧ガス導管敷設箇所は、市道の幅員全面に渡り、東京ガスの費用で工事が行われなければならないはずです。ところが、安中市は気前よく、半分でよい、と先に申し入れたのです。
■安中市の左車道舗装面積計算書によると、全幅員は区間により3.15、3.43、3.53、4.00、4.08、4.12、4.15、4.53とばらつきがありますが、少なくとも、このうち、2.75mは東京ガスが工事費を負担すべきだと考えられます。
152.20mに対して548.0㎡の舗装面積となっていることから、平均幅員は3.60mになります。このうち2.75mが本来、東京ガスが負担すべきものだと考えられるので、舗装工事費用の76.38%がそれに該当します。
■今回、市道改良工事を受注したのは大手組です。入札調書によれば、平成21年11月20日に9社による指名競争入札が行われ、2回目で大手組が1270万円(消費税含まず)で落札したことになっています。
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入札調書
市長・岡田 部長・嶋田 課長・田村 係長・上原 係・萩原 供覧・?(判読不能)
入札結果は以下のとおりです。
指名競争入札
平成21年11月20日 09時30分 開札
案件名称 市道幹131号線道路改良工事
履行場所 安中市野殿字ヒヤ地内
単位:千円
入札者 第1回 第2回 落札通知確認印
安中土建(株) 13200 12870
井上道路(株) 13500 12850
(株)大手組 13000 12700 落札■
亀倉建設(株) 13700 12930
小板橋建設(株) 13350 12900
(株)野口組 13400 12930
萩原建設(株) 13450 12900
(株)萩原工業 13500 12870
(株)ユーキ建設 13550 12950
上記金額は、入礼者が見積もった契約希望金額の105分の100に相当する金額である。
予定価格(105分の100) 円
**********
■明らかに、大手組がチャンピョンになるように仕組まれた出来レースで、落札率は予定価格1296万円?に対して1270万円と、限りなく100%に近いものだったと思われる入札結果ですが、それはさておき、1270万円の工事費のうち、東京ガスの負担分は、いったいいくらになるのでしょうか。
標準横断図をみると、歩道部分には、幅90センチほどのL型ブロックと30センチのU字溝を敷設し、歩道の路盤に粒調砕石30-0を厚さ10センチで敷いたあと、その上に、厚さ3センチの再生密粒アスコンで舗装することになっています。
一方、車道との間には、幅30センチ、高さ15センチ程度の逆T型ブロックを設置し、その下及び道路側約50センチほどの掘削部分には、下から、東京ガスが敷設した高圧ガス導管を意識してか、山砂修正CBR20以上を60センチ厚で敷き詰め、そのうえに再生砕石RC40を厚さ22センチ、その上に粒調砕石30-0を16センチ、最後に表面を再生密粒アスコンで5センチ厚の舗装をすることになっています。そして、さらに道路の中央まで表層工として5センチの舗装をするのですから、明らかに東京ガスが施工すべき場所も安中市の公金で行われることになります。
■一刻も早く、東京ガスが施工する部分については、大手組の請負金額から減額して取り戻す必要があります。
もし、大手組が舗装工事に着手する前に、そうした減額協議が為されない場合には、当会として、住民監査請求を視野に入れた検討を行いたいと考えております。
【ひらく会情報部・東京ガス高圧ガス導管敷設問題研究班】
一方、平成21年11月吉日で東京ガス㈱群馬幹線建設事務所作成の「岩野谷地区の皆さま」宛の「岩野谷地区におけるガス工事の予定について(お知らせ)」という文書が11月30日ごろ地元回覧されました。
東京ガスのこの文書に添付されている「12月分」「全体予定」の図面上で、下切通地内の市道区間は、「ガス管埋設済み」を示す青線で示されています。東京ガスはガス工事後の本舗装を施工することになっているため、これに関連して、当会では、平成21年12月24日付で、次の資料について行政文書開示請求を安中市長に行いました。
①市道幹131号線道路改良工事にかかる入札調書
②同改良工事にかかる舗装工事部分の入札設計資料(舗装仕様、材料予量数値などを含む)
③安中市と東京ガスで当該区間改良工事及び本舗装工事に関して、交わされた一切の情報(協議録、打合せメモ、電話メモ、通達書、連絡書、内部稟議などを含む)
その結果、平成22年1月15日に、次の関係資料の開示を受けました。
①入札図書
②平面図、標準横断図及び歩道・左車道数量集計
③市道幹131号線打合せ記録
■今回の情報開示請求は、岡田市長が東京ガスに便宜を図りはしないかについて確認するのが目的です。
開示された資料を見ると、やはり次のような疑問点が浮かび上がり、東京ガスに少しでも便宜を図りたいとする岡田市長の方針が見えてきます。
■まず、公開された資料のうち、東京ガスと安中市との打合せ記録を見てみましょう。
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市道幹131号線打合せ記録
課長・多胡 庶務係長・滝川 工務係長・田中 維持管理係長・中山 供覧・中島、戸塚、河村、佐藤
1.日 時 平成21年8月26日(水) 11:10~
2.場 所 安中市役所 第二相談室
3.出席者 土木課3名 滝川、田中、中島
東京ガス3名 ■■■■■■■■■■■■
4.議 題 1.ガス管埋設工事に伴う本復旧について
資料 : 別紙
【東京ガス】今日は、幹131号線の本復旧工事について打合せをお願いしたい。
【市】その本復旧工事は、市が計画している道路工事箇所と重複している。よって、本復旧工事箇所(東側車線)が改良前と接しているため、道路工事に支障を来すことが予想される。東京ガスの本復旧工事について反対車線(西側車線)をお願いできないか?(別紙)
【東京ガス】そこについては、市の指示に従います。どちらの車線も施工規模は変わらないと思いますので。
【市】施工時期については、地元への交通制限等の負担軽減のため、当該工事の舗装と同時施工でお願いしたい。
【東京ガス】わかりました。道路工事の請負業者が決まったら、業者さんと相談させて頂きます。また、工事の周知についてですが。
【市】業者が確定次第、市において工事案内を地元回覧させて頂きます。
【東京ガス】今後、県道の本復旧についても予定しているのですが、市工事と重複しないようにしたいと思います。
【市】よろしくお願い致します。
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■この議事録は非常に簡単にしか書かれていませんが、この中で安中市は、本復旧工事箇所(東側車線)が道路改良(歩道設置のこと)部と接しているため、東京ガスの本復旧工事について反対車線(西側車線)をお願いしたい」と申し入れています。東京ガスは、二つ返事で「市の指示に従います。どちらの車線も施工規模は変わらないと思うので」と答えました。
もともと、市道幹131号線は幅員が狭いため、東京ガスは高圧ガス導管を敷設する際に、道路の半分以上を作業帯として使用し、車両通行帯は乗用車がぎりぎり通れるだけの幅を確保していたため、地元住民らをはじめとする運転者は、車幅感覚に緊張させられながら片側交互通行を足掛け3年間も強いられたのです。
■これまで、東京ガスによる安中市内の市道における高圧ガス導管敷設工事箇所では、すべて市道の幅員全面にわたり、本復旧工事が行われていました。
ところが、今回、大手組が施工中の歩道取り付けのための道路改良工事では、市道の幅員の片側だけを東京ガスが本復旧工事をするだけで、残りの片側車線は、安中市の予算を使って工事を行うというのです。
■東京ガスは、直径50センチの高圧ガス導管敷設工事の際に、油圧シャベルを使用して道路を掘削し、パイプの敷設のために長さ数十mに亘り、片側交通規制をしました。このとき、油圧シャベルの車幅だけで2.75mを占有していると見られ、さらにその外側にカラーコーンを置くため、実質的な道路占有は幅3m近いものになったと考えられます。そのため、通行車両は、側溝のふたの上を通ったり、ぎりぎりの車幅感覚に恐怖を覚え、低速での慎重な安全運転を強いられたのでした。
↑東京ガスが2009年11月末に地元に回覧版で配布した2009年12月の工事予定の資料。↑
したがって、今回、安中市による道路改良工事と重複している東京ガスの高圧ガス導管敷設箇所は、市道の幅員全面に渡り、東京ガスの費用で工事が行われなければならないはずです。ところが、安中市は気前よく、半分でよい、と先に申し入れたのです。
■安中市の左車道舗装面積計算書によると、全幅員は区間により3.15、3.43、3.53、4.00、4.08、4.12、4.15、4.53とばらつきがありますが、少なくとも、このうち、2.75mは東京ガスが工事費を負担すべきだと考えられます。
152.20mに対して548.0㎡の舗装面積となっていることから、平均幅員は3.60mになります。このうち2.75mが本来、東京ガスが負担すべきものだと考えられるので、舗装工事費用の76.38%がそれに該当します。
■今回、市道改良工事を受注したのは大手組です。入札調書によれば、平成21年11月20日に9社による指名競争入札が行われ、2回目で大手組が1270万円(消費税含まず)で落札したことになっています。
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入札調書
市長・岡田 部長・嶋田 課長・田村 係長・上原 係・萩原 供覧・?(判読不能)
入札結果は以下のとおりです。
指名競争入札
平成21年11月20日 09時30分 開札
案件名称 市道幹131号線道路改良工事
履行場所 安中市野殿字ヒヤ地内
単位:千円
入札者 第1回 第2回 落札通知確認印
安中土建(株) 13200 12870
井上道路(株) 13500 12850
(株)大手組 13000 12700 落札■
亀倉建設(株) 13700 12930
小板橋建設(株) 13350 12900
(株)野口組 13400 12930
萩原建設(株) 13450 12900
(株)萩原工業 13500 12870
(株)ユーキ建設 13550 12950
上記金額は、入礼者が見積もった契約希望金額の105分の100に相当する金額である。
予定価格(105分の100) 円
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■明らかに、大手組がチャンピョンになるように仕組まれた出来レースで、落札率は予定価格1296万円?に対して1270万円と、限りなく100%に近いものだったと思われる入札結果ですが、それはさておき、1270万円の工事費のうち、東京ガスの負担分は、いったいいくらになるのでしょうか。
標準横断図をみると、歩道部分には、幅90センチほどのL型ブロックと30センチのU字溝を敷設し、歩道の路盤に粒調砕石30-0を厚さ10センチで敷いたあと、その上に、厚さ3センチの再生密粒アスコンで舗装することになっています。
一方、車道との間には、幅30センチ、高さ15センチ程度の逆T型ブロックを設置し、その下及び道路側約50センチほどの掘削部分には、下から、東京ガスが敷設した高圧ガス導管を意識してか、山砂修正CBR20以上を60センチ厚で敷き詰め、そのうえに再生砕石RC40を厚さ22センチ、その上に粒調砕石30-0を16センチ、最後に表面を再生密粒アスコンで5センチ厚の舗装をすることになっています。そして、さらに道路の中央まで表層工として5センチの舗装をするのですから、明らかに東京ガスが施工すべき場所も安中市の公金で行われることになります。
■一刻も早く、東京ガスが施工する部分については、大手組の請負金額から減額して取り戻す必要があります。
もし、大手組が舗装工事に着手する前に、そうした減額協議が為されない場合には、当会として、住民監査請求を視野に入れた検討を行いたいと考えております。
【ひらく会情報部・東京ガス高圧ガス導管敷設問題研究班】