市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

陥没事故の責任を認めたがらないガスパッチョ東京ガスの生返事

2009-04-29 10:58:00 | 東京ガス高圧パイプライン問題
■4月16日の陥没事故について、4月18日付で、公開質問状を東京ガスの社長や広報部、そしてCSR・コンプライアンス室あてに郵送し、写しを東京ガス群馬支社の建設事務所長あてにFAXと郵送で提出していたところ、4月28日の午前9時49分に、東京ガス群馬幹線建設PTからFAXで次の内容の回答がありました。

**********
平成21年4月28日
小川賢様
  東京ガス株式会社 群馬幹線建設事務所
平成21年4月18日付貴公開質問状に対する弊社回答
 拝復 陽春の候、貴殿ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 さて、平成21年4月18日付貴公開質問状について、下記のとおり回答申し上げます。  敬具
     記
1. 貴公開質問状1)について
 明確な因果関係は判明していないものの、周辺の埋設物の状況、陥没の位置や形状などの状況から、弊社のシールド工事がこのたびの陥没の原因のひとつとして影響している可能性は否定し得ないと考えております。
2. 同2)について
 推進工法とシールド工法では覆工(トンネル部の躯体)の構築方法が異なりますが、基本的な地中での掘削方法は同様の工法と位置付けられます。
3. 同3)について
 弊社では施工要領や図面等の資料等を外部に開示しない扱いとなっておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
4. 同4)について
 渋滞の影響を受けた車両数及び1台あたりの平均渋滞時間に関するデータは所有しておりません。
5. 同5)について
 陥没事故発生まで、弊社にて実施したパトロールや測量による路面状況調査において異常は確認されておりません。検査要領等につきましては、上記3)と同様の扱いとなっておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
6. 同6)について
 過去に弊社が発注したシールド工事において、道路が陥没したとの報告はございません。
7. 同7)について
 シールド工事の元請会社は、住友金属パイブエンジ株式会社であり、事故発生時の通報体制は施工要領にて取り決めがなされております。なお、各種責任者の個人名については回答を控えさせていただきます。
8. 同8)について
 弊社の工事がこのたびの陥没の要因のひとつとして影響しているものであれは、今後このような事故が発生することのないよう、一層の注意、努力をして参りたいと考えております。
9. 同9)および10)について
 これまで貴殿より賜りましたご要望及びご要諸に対しまして、弊社より再三にわたり、書面、ご面談及び工事説明会等にてご説明申し上げて参りましたとおりでございます。  以上、
     連絡先 渉外課 課長 ・・・・電話 027-327-5488
**********


↑シールド工事の発進抗が設置されていると思われる国道18号線脇の旧パチンコ宝塚跡地にある住友金属パイプエンジの資材置場兼高圧ガス導管加工場。この土地を借りられたことから、東京ガスは国道沿いの開削工法から国道直下1.4kmのシールド工法に変更したとみられる。当初は、途中、板鼻堰用水路、八幡大門交差点の雨水幹線、豊岡交差点だけをそれぞれ推進工法とする予定だった。一気にトンネルを掘ったため、シールドマシンも途中で先端の掘削用ビット(刃)を交換したという。しかし空洞検査は全線に掛けて実施しておらず、他にも空洞があるのではないかと懸念される。↑

■それでは、当会が提出した公開質問状と、東京ガスの回答内容を、それぞれの項目ごとに見てみましょう。

質問1)この陥没事故の原因は、貴社が現在、安中市磯部から高崎市下小塙町までの間で進めている群馬連絡幹線Ⅰ期工事によるものですか?
>回答:明確な因果関係は判明していないものの、周辺の埋設物の状況、陥没の位置や形状などの状況から、弊社のシールド工事がこのたびの陥没の原因のひとつとして影響している可能性は否定し得ないと考えております。
【当会コメント】
いまだに陥没原因を率直に認めようとしない東京ガスの体質や企業風土がうかがえます。事故原因の特定について手こずっているのでしょうが、自分たちの責任逃れのための原因調査ではなく、国道18号線の他の箇所にも空洞化現象を起こしていないかどうかを真剣に調査することが重要です。しかし、殿様商売の企業体質にどっぷり漬かっている東京ガスとしては、住民の意見など耳障りに過ぎないと思っているのかもしれません。


質問2)もしそうなら、陥没場所の地下で貴社が行なっていたトンネル掘削工事というのは、貴社が質問者の地元で天神川、岩井川のような小河川や、交通量の多い県道前橋安中富岡線で採用している推進工法と同様の工事ですか?
>回答:推進工法とシールド工法では覆工(トンネル部の躯体)の構築方法が異なりますが、基本的な地中での掘削方法は同様の工法と位置付けられます。
【当会コメント】
 なるほど分かりました。ということは、安中市の岩野谷地区の県道や小河川で実施している推進工法でも、地中空洞化による陥没の可能性がなきにしもあらず、というわけですね。


質問3)もしそうであるなら、今回の国道18号線と、岩井川、県道前橋安中富岡線で採用している推進工法の内容が分かる施工要領や図面等の資料を開示していただけますか?
>回答:弊社では施工要領や図面等の資料等を外部に開示しない扱いとなっておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
【当会コメント】
 やはり、当会の予想したコメントが返ってきました。CSR・コンプライアンス室も持たず、情報開示に消極的な企業なので、何を言っても馬の耳に念仏といった対応しかできないのでしょうが、CSR・コンプライアンスと銘打って、報告書をホームページに掲載しているのは、不可解です。同社の誰がどのような権限で行なっているのか、株主や顧客も戸惑うことでしょう。


質問4)16日未明の陥没事故から、同日午後1時過ぎまでのおよそ8時間余りにわたって、道路復旧のための交通規制が原因で、国道18号は大渋滞を引き起こしました。この渋滞の影響を受けた車両数と、1台あたり平均渋滞時間について教えてください。
>回答:渋滞の影響を受けた車両数及び1台あたりの平均渋滞時間に関するデータは所有しておりません。
【当会コメント】現場の仮復旧作業中の写真を別記事で掲載しましたが、大渋滞を引き起こしても、我関せずという雰囲気でした。東京ガスは、自社の利益最優先の企業体質だから、迷惑をかけているという自覚そのものが認識できないのでしょう。

質問5)貴社は「国交省高崎河川国道事務所と毎日、道路パトロールを実施し、道路の陥没や隆起などがないかチェックしていたが、異常はなかった」とマスコミに述べていますが、その根拠(パトロール要領と記録など)を示してください。
>回答:陥没事故発生まで、弊社にて実施したパトロールや測量による路面状況調査において異常は確認されておりません。検査要領等につきましては、上記3)と同様の扱いとなっておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
【当会コメント】
 東京ガスは「陥没事故がおきるまで、弊社にて実施したパトロールや測量による路面状況調査で異常は確認されておりません」との見解です。読み替えると、「路面の上しか調査していない」ということになり、現場担当者が言っていた「レベル測量はやっていたが、地中レーダ探査は陥没前に何もしていなかった」ということを裏付ける記述となっています。となると、シールド掘削工事で、国道下に空洞箇所が他にもできている可能性があり、それらは全て東京ガスの責任として疑われることになることを意味します。私たちの国有財産である国道がそのような瑕疵リスクにさらされていることについて、東京ガスはもっと真剣に調査し、対応しなければなりません。国交省には東京ガスに対して、厳しくこの点を指摘して欲しいものです。


質問6)貴社は「(貴社の)これまでのトンネル掘削工事では道路が陥没した例はない」とマスコミに述べていますが、その根拠(トンネル工事履歴とチェック記録など)を示してください。
>回答:過去に弊社が発注したシールド工事において、道路が陥没したとの報告はございません。
【当会コメント】
 当会が指摘したように、帝国石油に比べると東京ガスはまだシールド工事の経験が少ないようです。だからまだ路面陥没事故の経験がないのでしょう。下水道工事などによる路面陥没事故は、首都圏ではかなり頻発しているようですが、そのたびにガス管への影響調査で、東京ガスも出動を余儀なくされているようです。この場合、東京ガスは“被害者”の立場なのでしょうが、高圧ガス導管事業のように大規模な工事を今後も手がけてゆくために、今回の事故は東京ガスにとって貴重な経験になるはずです。だからこそ、当会は、しっかりした情報公開が必要だと指摘しているのですが、CSR・コンプライアンス室を持たない企業に対してどうすれば理解してもらえるのか、そこが課題です。


質問7)掘削工事に関して、直接施工を担当した会社名と、現場作業管理責任者、安全管理責任者を教えてください。また、事故が起きた場合の関係者間の通報体制はどのようになっていましたか。
>回答:シールド工事の元請会社は、住友金属パイブエンジ株式会社であり、事故発生時の通報体制は施工要領にて取り決めがなされております。なお、各種責任者の個人名については回答を控えさせていただきます。
【当会コメント】
 シールド工事の元請会社は分かっています。元請の住友金属パイプエンジは、そもそもパイプ業者です。現場にいた住金パイプエンジの技術者にきくと「土木施工部門はなく、掘削工事は全部外注しており、ましてシールド工事は自社では全く扱っていない。東京ガスからはガスパイプライン設置工事を一括で請負っているが、自前でやるのは住金で製造したパイプを加工して、現場で溶接し接続して、養生しているだけで、その他の土木関係の工事は、専門業者に丸投げで、工程調整だけやっている」のだとか。直接施工を担当した会社名を教示して欲しいと公開質問したのに、バッくれた回答をしてくるところは、さすがガスパッチョの東京ガスの面目躍如と言えるでしょう。事故発生時の緊急通報体制は、関係組織の担当者名をすべて明示して現場に張り出して公開することが義務付けられています。しかし、東京ガスは独自の社内規程で、そうした対応をしてはいけないルールがあるようです。ちなみに先日、現場で住金パイプエンジの担当者に聞いたら、シールド工事を直接施工した会社は「浅沼組」だと、すぐに教えてくれました。


質問8)今回の国道陥没事故により、直接被害者の車両の運転者をはじめ、国道事務所、警察、近隣住民、渋滞に巻き込まれて通勤や通学、ビジネス面で影響を受けた多くのドライバーや同乗者らに対して、原因者として貴社はどのような対応をするつもりですか?
>回答:弊社の工事がこのたびの陥没の要因のひとつとして影響しているものであれは、今後このような事故が発生することのないよう、一層の注意、努力をして参りたいと考えております。
【当会コメント】
 東京ガスは「原因調査で責任が明確になった場合には、今後の再発防止に向けて、一層の注意努力をする」と言っていますが、謝罪は予定していないようです。原因の調査結果も、どうやら国交省だけに提出するだけで、同社のホームページでの掲載やニュースリリース、マスコミ発表などは一切しない腹積もりなのでは困りものです。


質問9)貴社は、質問者がこれまでお願いしている生活道路沿いの高圧ガス導管敷設ルートの変更や、地元との災害防止協定、そして北野殿VS施設の情報開示について、再考するつもりはありますか?
>回答:これまで貴殿より賜りましたご要望及びご要諸に対しまして、弊社より再三にわたり、書面、ご面談及び工事説明会等にてご説明申し上げて参りましたとおりでございます。
【当会コメント】
 案の定の回答でした。


質問10)今後、必要に応じて、質問者をはじめ地元関係者=ステークホルダーから要請があったら、それらに謙虚に耳を傾けるつもりはありますか?
>回答:これまで貴殿より賜りましたご要望及びご要諸に対しまして、弊社より再三にわたり、書面、ご面談及び工事説明会等にてご説明申し上げて参りましたとおりでございます。
【当会コメント】
 これも同様。


■公益性を鑑みて、ガス事業者として法律で様々な特典と与えられ優遇されている意味を東京ガスは完全に履き違えてしまっています。

 とりあえず、連休明けまで、東京ガスの対応振りを見極めた上で、あらためて、国道陥没の原因調査の結果が出たころを見計らって、今度は東京ガスの広報部あてに、質問してみたいと思います。

【ひらく会情報部・東京ガス高圧導管敷設問題研究班】
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ノロウイルス院内感染の対応で、情報秘匿体質を露呈した岡田市政と群馬県

2009-04-28 15:10:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■平成21年4月28日(火)の朝刊をみた安中市民は仰天しました。次のような朝刊各紙の記事を目にしたからです。

**********
安中の「公立碓氷病院」 胃腸炎集団感染 発症26日後に公表
 安中市は、4月27日、同市立の「公立碓氷病院」(野際英司院長)で、4月1日から11日に、入院患者10人がノロウイルスが原因と見られる感染性胃腸炎に集団感染し、男性(71)が14日に死亡したと発表した。他の9人は既に回復している。結果的に、患者が最初に発症してから26日後、死亡者が出てから13日後の公表となった。
 今年2月に国立病院機構高崎病院(高崎市)で発生したノロウイルスによる患者や職員約40人の集団院内感染でも、公表や対応の遅れが問題化したばかり。「お腹の風邪」などと軽視されがちな感染性胃腸炎だが、重篤な患者が感染した場合には死につながりうることを再認識させるとともに、患者らからは公表の遅れに批判の声も上がった。4月27日に会見した公立碓氷病院の野際英司院長と、病院を設置する安中市の岡田義弘市長はともに謝罪した。
 安中市と同病院が同日午後に記者会見を開いて発表した概要によると、感染は一つの病棟内で起きた。病院が感染を最初に把握したのは、下痢を訴えた2人がノロウイルスの迅速検査で陽性と判明された4月1日。国立高崎病院の院内感染を受けて「迅速検査キット」を導入していたことが、早速役立った形だった。病院は、同日、群馬県高崎保健福祉事務所に連絡し、発症者が出た病棟フロアを消毒。
 死亡した男性は、「感染性胃腸炎とは別の重症の疾患」(野際院長)で入院しており、4月11日ごろ、下痢の症状が出て、同病院の検査でノロウイルスの陽性反応が出た。下痢に伴う脱水症状や衰弱が見られ、点滴などの治療を施したが、死亡した。「院内感染による胃腸炎が、死に影響を与えたと考えられる」(野際院長)という。
 感染発生当初の4月1日に高崎保健所に通報後、野際院長は公表せず、岡田市長への報告も死亡者が出た14日になってからだった。野際院長は公表を控えた理由について「院内感染が収束してからと考えた」と説明。岡田市長も結果的に院長の判断を追認する形となった。

 院内では、3日から患者への面会制限などを始め、14日に死亡者が出た後、病院内に「下痢・嘔吐(おうと)の患者が発生し、流行しています。うがい、手洗いを徹底して下さい」などとする文書を掲示。一部の入院患者にはノロウイルスの感染発生を伝えたが、27日の段階でも、多くの入院・通院患者らに発生を知らせていなかった。
 さらに、同病院はノロウイルスを対象にした講習会なども実施していなかった。
 公立碓氷病院での集団院内感染については、4月27日までに市民から新聞社など報道機関に問合せがあり、各社が取材を申し込んでいた。4月27日午後2時に定例の記者会見に臨んだ岡田市長は「午後5時に発表する」としたが、報道陣の要望で、引き続いての説明を余儀なくされた。ただ、死亡した患者の年齢、病状などを一切明らかにできないとする同病院側とのやりとりが続き、会見は同4時40分頃まで続いた。
 病院側は「取材を申し込まれたため公表したのではなく、以前から終息後に公表するつもりだった」とした。11日以降は陽性患者は出ていないため、野際院長は27日、「院内感染が終息した」と判断したという。野際院長は「来訪者や面会者などが発症していたかもしれない。もっと早くするべきで、配慮が足りなかった」と公表の遅れを認めた一方で、岡田市長は公表が遅れた理由を、「患者が不安を感じ、混乱を招くと心配し、控えた」としたが、「今から考えると、市民に適切な情報を与えられずに、間違った判断だった。亡くなった患者の家族への対応などを最優先させた。市民に心配をかけ、適切な処置に欠けた部分もあり、心からおわびする」」と陳謝した。
 公立碓氷病院の患者からは、公表遅れに不満の声が相次いだ。
 通院している安中市内の男性(65)は、「死者まで出たとは。ノロウイルスのことは詳しく分からず、怖くてしょうがない」と情報不足の不安を訴えた。入院患者への面会で訪れた富岡市の主婦(52)は、「手洗いやうがいなどで防げると聞いたが、注意を呼びかける掲示だけでは、読まなければ意味がない。きちんと公表し、病院と患者が連帯して感染を防ぐべきだ」と話した。
 公立碓氷病院の発表が発生確認から大幅に時間が経った4月27日になったことについて、群馬県は「発表は病院の判断」(医務課)との立場だ。ノロウイルスは、感染症法に基づいて県への報告が感染症とはされていないからだ。しかし、ノロウイルスは感染力が強く、感染者の嘔吐(おうと)物などが乾燥して浮遊し、吸い込んで感染する恐れもある。
 群馬県は公立碓氷病院から4月1日に発生の報告を受け、消毒の徹底などを指示、その後も随時状況を確認してきたが、これも、あくまで任意のもの。基本的には、発表の是非や時期について、病院に働きかけることはないという。群馬県健康福祉部医務課は「今月1日以降のやりとりの中で、拡大することはなく、大方で終息の方向に向かっているという情報を得ていたので、病院の判断を尊重した」と説明している。
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■通常、ノロウイルス等による食中毒事件が発生した場合には、群馬県食品安全局衛生食品課は直ちに公表していますが、病院を管轄する群馬県健康福祉部医務課が「発表は病院の判断」とマスコミに語ったことには耳を疑わせました。人の健康を預かる点では食品衛生も病院も同じはずです。

 事実、安中市内では、平成21年4月10日(金)に松井田地区の飲食店で食中毒事件が発生して次のように報じられました。

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安中市の飲食店で食中毒 /群馬
 群馬県衛生食品課は4月13日、料理を食べた客20人が食中毒を発症したとして、安中市松井田町の飲食店「若松庵」に13~15日の3日間の営業停止を命じた。いずれも症状は軽く、快方に向かっている。今月7日から同店のそばや定食などを食べた客が下痢やおう吐などの症状を相次ぎ訴え、西部保健福祉事務所が調査したところ、客5人と調理担当者からノロウイルスを検出したという。
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 この事件について、群馬県食品安全局衛生食品課は、ホームページ上で次のように詳細に公表しています。

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安中市内の飲食店で発生した食中毒事件について
1 概要
 平成21年4月10日(金)17時頃、安中市内の医療機関から「安中市内の飲食店が提供した弁当を食べ、下痢、嘔吐等の食中毒様症状を呈している患者を複数名診察した。」旨の電話連絡が西部保健福祉事務所安中支所にありました。
 同施設を管轄する同保健福祉事務所が調査したところ、4月6日及び4月8日に同施設が提供した弁当を食べた45名中20名(3グループ)が同様の食中毒様症状を呈していることが確認されました。発症者の共通食は、同施設が提供した弁当のみであること、症状が共通していること、また発症者を診察した医師から食中毒届が提出されたこと及び発症者便5件及び従事者便1件からノロウイルスが検出されたことから、同保健福祉事務所ではこの施設が提供した弁当を原因とする食中毒事件と断定しました。なお、患者は快方に向かっています。
(1)発生日 平成21年4月7日 21:00(初発)
(2)発症者 20名(受診13名うち入院者0名)
  (調査中) 最年長者:59歳(男性)、最年少者:37歳(女性)
         喫食者数:45名(7グループ)
☆年齢別発症者数(平成21年4月13日 13時30分現在)
男:40代(3)、50代(16)、計19名
女:30代(1)、計1名
計:30代(1)、40代(3)、50代(16)、計20名
(3)症状 下痢、嘔吐等
(4)病因物質 ノロウイルス
(5)原因食品(調査中)
 主な提供メニュー
 4月6日:そば定食(そば、天ぷら)、ヒレカツ弁当
 4月8日:日替わり定食(ポテトサラダ、煮カツ、マス焼き、ナスとキュウリの漬け物、ご飯)
(6)原因施設
 施設名 若松庵(ワカマツアン)
 所在地 安中市松井田町新堀286-1
 営業者 小板橋 和子(コイタバシ カズコ)
2 施設の措置
 食品衛生法に基づき、営業停止3日間
 (平成21年4月13日から平成21年4月15日まで)
  なお、当該施設は、4月10日から営業を自粛しています。
*本県の食中毒発生状況(4月13日現在)
平成21年:発生件数2、患者数50(本件含む調査中)、死者数0
昨年同期:発生件数8、患者数203、死者数0
平成20年:発生件数25、患者数579、死者数0

<ノロウイルスによる食中毒>
 ノロウイルスは、100個以下の少量で感染し、人の腸管内で増殖します。便からは100億個/gが出され、用便後の手洗いが不十分のまま調理すると食品を汚染し、食中毒が発生してしまいます。
 また、ヒトからヒトへの直接感染により、嘔吐・下痢等の感染性胃腸炎の原因にもなります。
食中毒予防法
○食品を十分加熱する。(85℃以上で1分以上)
○まな板や手指を十分に洗浄・消毒する。
○調理する前、トイレの後、生の二枚貝処理後は、石鹸で十分に手を洗う。
感染防止法
○患者のふん便や吐物を処理する際、必ず手袋を着用し処理後は手洗いをする。
○処理に使用したぞうきんや手袋はすぐにビニール袋に入れて処分する。
○ドアノブ(手が触れる所)などを消毒する。

<連絡先>
食品安全局衛生食品課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-2452
FAX 027-243-3426
eiseika@pref.gunma.jp
**********

■このホームページを見ると、発生日時から、発生原因の飲食店の店名、住所、営業者名、それに食べ物のメニューまで公表しています。今年4月13日現在の食中毒発生状況として統計値も掲載されていますが、今年も昨年も死者数はゼロとなっています。

 碓氷病院での4月14日の死亡者はカウントするのかどうかを確認しようとして、当会が衛生食品課に電話で問い合わせたところ、担当者は「あくまで食事が原因によるものであり、病院の場合でも、出された食べ物が原因であれば、公表します」と話しています。

 また、「4月10日金曜日午後5時ごろ、安中市内の医療機関から電話連絡が西部保健事務所安中支所にあったというが、この医療機関はどういう形態でしたか?」と質問したところ「具体的な名称は答えられませんが、地元の開業医です」ということです。おそらく、飲食店で弁当を食べた3グループ45名中、たまたま地元で発症した患者が複数、同じ地元の開業医の門を叩いて診察を受けたことから、食中毒を疑った開業医が、直ちに旧安中保健所に通報したものと見られます。

■こうして、群馬県の出先機関である保健福祉保健所を通じて同じ月に、同様にノロウイルス発生の通報を受けながら、群馬県の医務課と衛生食品課のとった対応は、180度異なるものでした。

 この背景や原因としては、発生元が安中市と関係の深い「公営碓氷病院」であることが、主な理由として挙げられます。

■安中市の情報秘匿体質は、今に始まったことではありません。現在でも安中市の重荷になっている、あの安中市土地開発公社タゴ51億円詐欺横領事件でも、平成7年5月18日に市役所内で発覚して情報をつかんで置きながら、市民やマスコミに公表したのが同年6月3日でした。この間に、安中市役所内では、やばい書類を廃棄するなどして、証拠隠滅をはかり、市民に公表したときには、既に庁内に緘口令がひかれ、市長直々に東京から呼び寄せた弁護士らの指図で、市民への「大本営発表」作戦計画まで練り上げていたのでした。

 今回の公立碓氷病院内で発生したノロウイルス感染症とそれを起因とする死亡者の発生についても、タゴ事件発生当時の安中市役所の体質と同種の要素が疑われます。とくに、岡田市長は、当時、公社の理事監事として、タゴと一緒に公社の事業に係わっていたにもかかわらず、事件発覚時にたまたま県議会に打って出ていたことをよいことに、事件の真相について何も語っていません。

■病院内でのノロウイルス集団感染自体は、さほど珍しいことではありません。2月に国立高崎病院で発生例があるし、4月6日から15日にかけて旭川市の旭川医大病院でも発生事例の報告があります。高崎の場合はともかく、他県での場合、原因が特定されたらすぐに公表されています。安中市は、なぜこのような患者や市民にとって重大な発生事実を隠そうとしたのでしょうか。なにか背景に、市民には、はかり知れない何かがあるのでは、と疑わざるを得ません。

 また、群馬県の医務課の対応も不可思議です。保健所では、食中毒でも院内感染でも、直ちに現場から報告されたわけですから、同様に対応したはずです。すなわち、県庁の縦割りに沿って、それぞれの事案を衛生食品課と医務課に同じように通報したはずです。しかし、その後の対応が、前述のように雲泥の差だったわけです。

■タゴ51億円巨額詐欺横領事件のときは、群馬県地方課(現在の市町村課)が大事件の報告を受けましたが、安中市民の再三の要請を無視して、伏魔殿の安中市土地開発公社には一度も立入り検査をやろうとせず、再発防止用マニュアルを作成して、県内の他の自治体の土地開発公社に配布しただけでした。

 はからずも露呈した今回の公立碓氷病院で発生したノロウイルスの集団院内感染と死亡事件で、安中市と群馬県の一部の体質が依然として、旧態依然のままであることが判明しました。今回、不幸にして市民1名が犠牲になってしまいましたが、なぜ公表を遅らせたのかについての、真相の究明と責任の所在の明確化、そして再発防止策の徹底が、安全・安心な市民生活に不可欠であることを、ここに行政に対して強く申し入れたいと思います。

■なお、安中市は、広報あんなか「おしらせ版」平成19年1月21日号No.19の7ページ目に「ノロウイルス感染症」と題して、有益な情報を載せています。これを読んで感染防止に努めた市民も多いと思いますが、肝心の安中市がこのありさまでは・・・。もう遅いかもしれませんが、あらためて、次に掲載しますので、参考にしてください。

**********
-ノロウイルス感染症-

【ノロウイルスとノロウイルス症状など】
 ノロウイルスは感染性胃炎を引き起こすウイルスのひとつです。ノロウイルス感染症は1年中発生しますが、特に冬期(11月~4月)に多く発生します。
 ノロウイルスは感染力が強く、食品従事者がノロウイルス感染症に罹患していると、食品や食器などを介した食中毒を発生させることがあります。
 主症状は吐き気、嘔吐、下痢および腹痛で、潜伏期間は12~48時間です。特に王とは突然、急激に強く起こることが特徴で、乳幼児や高齢者では嘔吐が、成人では下痢が強くあらわれます。

【予防方法】
 ノロウイルスは85℃以上で1分間以上の加熱を行えば死滅します。食品は中央部までよく加熱して下さい。また、食品を扱った後は手指、調理器具もよく洗浄、消毒して下さい。
○手洗い・うがいの励行
 ウイルスを洗い流すため、調理の前後やトイレやおむつ交換時には、石けんと流水で特に丁寧に手を洗いましょう。特に水が冷たい冬季には洗浄時間が短くなりがちです。温水を使用するなど注意しましょう。
 また、外出から戻った後は必ずうがいもしましょう。
○糞便や嘔吐物の処理
 患者の糞便や嘔吐物には大量のウイルスが存在し、ヒトからヒトへ感染します。速やかに処理しましょう。
○施設・器具の消毒
 ノロウイルスにはアルコール消毒はあまり効果がありません。塩素系消毒剤または煮沸にて消毒しましょう。
【治療および対応】
 通常、症状(吐き気、嘔吐、下痢および腹痛)は1~2日続いた後に軽快しますが、時に脱水や重度の健康被害に陥る場合があります。医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
【問合せ】 本庁健康課(内線1173・1174)・支所保健福祉課(内線2155)
**********

■岡田市長は、公立碓氷病院の改革の重要性について、議会や地元の集会など、ことあるごとに強調していますが、このような重大事件の対応を見ると、実際はその反対の目的を目指しているのではないか、と勘繰りたくなります。これまで、定年間近な職員を事務長に配置してきたツケがここに来て、いよいよ組織を硬直化させているのではないかと懸念されます。

 今回の事件でも、本来、病院長が事態を把握すると同時に、安中市から派遣されている事務長も直ぐに事件発生を知らされていたはずです。病院長から安中市長への通報が遅れたかのように記者会見では言われているようですが、実際には岡田市長からの意向に従った行動だったかもしれません。この点は、きちんと確認する必要があると思われます。

 折から世界的に豚インフルエンザが変異した新型インフルエンザの蔓延がわが国でも重大な脅威になりつつあります。群馬県や安中市の対応を見ると不安を禁じえません。

【ひらく会情報部】

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今しばらく時間を・・・国道陥没の原因調査に手こずるガスパッチョ東京ガス

2009-04-26 23:02:00 | 東京ガス高圧パイプライン問題
■平成21年4月16日(木)未明に発生した国道18号線の陥没事故について、当会は4月18日付で、東京ガス本社代表取締役の鳥原光憲社長宛に、同社広報部気付、CSR・コンプライアンス室御中で公開質問状を送ったことは既に当会のブログで報告済です。併せて、写しを、高崎市東町の東京ガス群馬ビルにある東京ガス群馬幹線建設事務所の鹿沼所長あてにFAXしました。

 すると、当会が設定した期限日の4月24日(金)午後6時15分に、東京ガスの群馬幹線建設事務所から、次の内容のFAXが届きました。

**********
平成21年4月24日
小川賢様
     東京ガス株式会社 群馬幹線建設事務所
平成21年4月18日付貴公開質問状に対する回答時期について
 拝復 陽春の候、貴殿ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、4月18日付貴公開質問状につきまして、回答期限として4月24日(金)とのご要望を承りましたが、今しばらくのお時間を戴きたく、よろしくお願い申し上げます。
                      敬具
連絡先 渉外課 課長・・・・ 電話027-324-5438
**********


↑東京ガスは、4月16日に発生した国道18号線の陥没箇所の穴を仮に埋め戻していたが、4月25日(土)の深夜に、当該箇所の走行車線1レーン分にわたり、再度仮復旧工事を施した。なお、現場にいた東京ガスと住金パイプエンジの担当者らによると、陥没事故を受けて、全長1.4kmにわたる国道下のシールド掘削工事後のレベル測量は全面的に行なったが、地中レーダ探査による空洞調査は応用地質㈱に頼んで実施したが、可能性のある箇所を部分的に実施しただけであり、しかもシールド掘削工事前の地中レーダ探査は行なわなかったという。現在、調査を実施した範囲でのデータ分析を行なっており、今週中には国交省に報告し、本格復旧について指示を仰ぐという。またまた渋滞を引き起こしそうだ。なお、シールド工事は淺沼組が施工したとのこと。↑

■CSR・コンプライアンス室からの回答を期待しましたが、やはり、東京ガスにはCSRとかコンプライアンス室というものがなさそうです。しかも、今回も前回同様、所定の期限内に回答が得られず、しかも回答予定期日についても摘示がありません。これまでと同じように、おそらく質問者が忘れかけたころ、突然回答書を送ってくるものと想像されます。

 それにしても、首都高の炎上事故での多胡運輸やその元請運送会社といい、今回の東京ガスやその外注先の会社といい、事故の原因についての説明責任や謝罪のための記者会見を開催する気のない企業が最近増えています。

 東京ガスやその関係会社は、道路管理者の国交省関東運輸局に対して事故原因究明の報告書はせっせと作成しているところですが、同じステークホルダーの地元住民に対しては「守秘義務」とやらで、報告書を見せないのでは困ります。もし、公開質問状への回答がなかったり、内容が中途半端だったりした場合は、同社の広報部あてに情報開示請求を行なうことにします。

 首都高速道路5号線では、道路管理者の首都高速道路株式会社に対して、経営を危うくさせるような大損害を与え、首都圏の不特定多数のドライバーに計り知れない時間のロスを与えたにもかかわらず、既に9ヶ月近く経過してもなお、多胡運輸も、元請の運送会社のホクブも、石油元売りの出光興産も、いずれも事故原因や謝罪の記者会見を何もしませんでした。まさか、東京ガスも、国道管理者の国交省に対して、この多胡運輸ファミリーのやり方を踏襲する方針ではないとは思いますが・・・。

【ひらく会情報部・東京ガス高圧導管敷設問題研究班】
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首都高5号線炎上事故・・・多胡運輸等への損害賠償請求に万全を期す首都高

2009-04-26 12:39:00 | 首都高炎上とタゴ運輸
■平成20年8月3日(日)早朝に発生した東京都板橋区熊野町の首都高5号線下り線と中央環状線外回りの合流地点で、5号線を走っていたガソリンと軽油を満載したタンクローリーがカーブを曲がりきれずに横転し、側壁に衝突して炎上した事故で、約3時間半後に火は消し止められましたが、路面や側壁などが長さ数百メートルにわたって燃え、下り線の上に上り線が走る2階建て構造のため、熱で上り線の鋼鉄製の桁が変形し、路面が約40mにわたって、最大で約70cmほどV字型に沈下し、隣接するマンションの外壁も焼けるなどする大事故でした。

 このため、全面通行止めとなり、その後8月9日から一車線開放による部分通行止めとして、復旧工事が続けられ、同年10月14日、復旧工事が終わり、約2カ月ぶりに全面開通しました。首都高速道路会社は同日、この事故による被害額は約45億円に上る見通しであると発表し、事故を起こした多胡運輸(本社・高崎市)に、相応の損害賠償を請求する方針を表明しました。

■首都高によると、復旧工事では一部を通行止めにしながら、熱で歪んだ橋桁を40mにわたり架け替えたため、この復旧工事費に約20億円を計上し、通行止めがあった8、9月の料金収入は393億8000万円で、前年の約419億2000万円から25億4000万円減収したとして、復旧工事費と合わせ、首都高はこの事故による被害額は合わせて最大45億4000万円に上る見通しであることを公表しました。

 ただし、料金収入の減少は、景気低迷やガソリン高でマイカー利用が減ったなどの要因もあるとみられ、首都高は事故の影響で収入がどれだけ減ったかを精査し、平成20年度内に賠償請求額を確定し、事故を起こした群馬県高崎市の多胡運輸に求める方針を打ち出しました。


↑ふりしきる雨のなかでも、いつもと同様に営業を続ける多胡運輸。同社を囲む得体の知れないバリアを果たして首都高は突き崩せるだろうか?(4月25日撮影)↑
■その日、記者会見した首都高の佐々木克己社長は「損害が経営に与える影響は小さくない。賠償請求をきちんとやりたい」と述べ、多胡運輸だけでなく、ガソリン運搬を依頼した荷主にも賠償請求できるかどうかも検討する方針を示しました。首都高の広報部も、マスコミの取材に対し、「支払い能力のある無しにかかわらず、賠償請求はきっちり行います」と話していました。ただし、今回の事故による減収分の請求に関しては、景気の動向や原油高の影響を考慮することになるとし、請求額が決定するのは少し先になるとしていました。

 当会は、昨年秋に首都高に対して、多胡運輸への損害賠償請求額と請求の事実の有無について情報開示請求書を提出しましたが、まだ損害額が確定しておらず、そのため請求していないため、情報が不存在だとして、情報開示請求を取り下げるようアドバイスを受けて、請求を取り下げた経緯があります。

■その後、平成20年度も終わり、新年度に入ってもなお、多胡運輸やその元締めのホクブトランスポートは平常どおり営業を続けているように見えるとともに、タンクローリー横転炎上現場に隣接して、事故による輻射熱で損傷していた9階建てのマンションの外壁タイルの修繕工事が平成20年10月下旬から進められていたことが分かり、4月10日付で当会は首都高速道路株式会社に、次の情報について開示請求しました。

①平成20年8月3日(日)早朝の首都高速道路5号線熊野町ジャンクション付近のタンクローリー横転炎上事故に起因する貴社の収入減と復旧工事に要した費用のうち、これまでにタンクローリーの所有会社もしくはその関係先に請求した金額。
②平成20年8月3日(日)早朝の首都高速道路5号線熊野町ジャンクション付近のタンクローリー横転炎上事故の火災で、隣接のマンションの外壁が損傷したため、平成20年11月から平成21年6月までの予定で施工中の補修工事に関して、貴社が支出した金額。

 ①②ともに「開示を求める理由」として、「タンクローリーの所有会社について、地元では有力政治家筋との関係を取りざたす声がしきりです。民営化をめざす貴社がそのような関係にとらわれることなく、損害金を回収できるよう、一市民団体として全力で応援したいと存じます」と当会の意見を記載しました。情報の開示場所は、同社の事務所において直接交付を希望しました。

■その後、4月22日(水)午後1時過ぎに首都高の営業部担当者から当会宛に、次の電話がありました。「首都高としてはまだ損害が確定していない。前も申し上げたように、残工事の清算が残っているので、開示請求いただいた情報は不存在ということになる。」「もうひとつのマンションの外壁補修工事の件は、首都高として関与していないので請求した情報は不存在となります。」

 そして「今回も取り下げますか?」というので、当会として「今回は、開示請求をした証拠を残したいので、取り下げではなく、不存在の回答通知をいただきたい」と言うと、「その場合手数料が1件当たり300円かかりますが」というので、「今回は請求の事実を残したいので、2件で600円支払います」と返事をしました。

 マンションの外壁損傷については、首都高が関与していないとなると、マンションの管理組合が加入する保険で求償できたのか、あるいは、タゴ運輸が修理したのか、いずれにしても、首都高にとって、非常に参考になる情報には違いないわけで、「どこがカネを出したのか調査しましたか?」と質問しましたが、首都高の担当者からは「マンションの外壁工事には首都高として関与していない」とだけしか回答をいただけませんでした。

■そして、4月23日付で首都高から次の書面と請求書が、翌24日に郵送で当会事務局に届きました。

**********
総務第6号
平成21年4月23日
市政をひらく安中市民の会 小川 賢 様
    首都高速道路株式会社 代表取締役社長 佐々木 克巳
首都高速道路株式会社が保有する情報の開示決定について(通知)
 平成21年4月10日付けで市政をひらく安中市民の会小川賢様から開示の求めがあった件について、下記のとおり不存在でありますので、通知いたします。
       記
1 開示の求めがあった情報の名称及びその件数
 ①平成20年8月3日(日)早朝の首都高速道路5号線熊野町ジヤンクション付近のタンクローリー横転炎上事故に起因する貴社の収入滅と復旧工事に要した費用のうち、これまでにタンクローリーの所有会社もしくはその関係先に請求した金額。
 ②平成20年8月3日(則早朝の首都高速道路5号線熊野町ジヤンクション付近のタンクローリー横転事故の火災で、隣接のマンションの外壁が損傷したため、平成20年11月から平成21年6月までの予定で施工中の補修工事に関して、貴社が支出した金額。
 以上2件
2 不存在の理由
 上記1①について
  現時点では請求を行っていないため、不存在。
 上記1②について
  弊社は、隣接マンションの外壁損傷に係る補修工事に何ら関与しておらず、当該工事費用も支出していないため、不存在。
3 手数料の額
(1)手数料の額
   630円(消費税及び地方消費税を含みます。)
(手数料の内訳)
 開示の求めに係る手数料 630円(2件。消費税及び地方消費税を含みます。)
(2)手数料のお支払い方法 銀行振込
<振込先> みずほコーポレート銀行 本店 普通預金 首都高速道路株式会社
 なお、銀行振込手数料は、開示を求めた方のご負担となります。
(3)お支払い期限
 本通知をお受け取りになってから30日以内にお支払いください。
 なお、期限内にお支払い頂けない場合には、開示の求めが無かったものとして取り扱わせて頂きます。
4 再検討の求めについて
 本通知をお受け取りになってから14日以内に当社に対して再検討の求めを行うことがで
きます。
以 上

【請求書】
N0.2009-46 平成21年4月23日
市政をひらく安中市民の会 小川 賢 殿
   千代田区霞が関1丁目4番1号
    首都高速道路株式会社 代表取締役社長 佐々木克已.
下記金額を請求します。
   金額630円
 ただし 保有情報の開示手続きにかかる開示の求めに係る手数料として
   納入期限 開示決定通知書を受け取ってから30日以内
   振込先  みずほコーポレート銀行本店
   普通預金 XXXXXXX
   口座名義 首都高速道路株式会社
   ※なお、振込み手数料は、各自ご負担願います。
**********

■今回の当会にとって、第2回目の情報開示請求の結果、判明したことは次のことでした。
(1)首都高は、現時点では多胡運輸にもその元請けにも、さらに、ガソリン運搬を依頼した荷主にも、まだ請求を行なっていないこと。首都高いわく「まだ修理工事等の精算が済んでおらず、損害額が確定していない」とのこと。
(2)炎上事故の輻射熱で損傷した隣接のマンションの外壁の補修工事には、首都高は全く関与していないため、支出も皆無であること。

 このうち(1)について「いつごろ精算を終え、損害額が確定するのか」と、首都高に電話で聞いてみましたが、曖昧な回答でした。つまり、「損害額の確定はそう遠くない時期」というニュアンスでしたが、時期的には確たることは決まっていない様子です。しかし、多胡運輸への請求をあきらめているわけではなく、あくまでも首都高のスタンスは原因者の相応の負担を求めることに変わりはないようです。精算に時間がかかっているのは、間接損害の部分の計算を含んでいるかもしれません。交通量の減少は、天候やガソリン高の影響もあるため、事故による減少分の精査について、慎重に時間をかけているのかもしれないからです。

■一方、事故を起こしたタンクローリーを所有する多胡運輸は、タンクローリー6台を含む46のトラックを保有し、年間売上高は2億円強という情報があります。もし、約45億円の賠償金を請求された場合、膨大な賠償金を払えるのかどうかが、注目されていましたが、4月25日現在、看板を掲げて、事務所も修理工場も稼動中で、駐車場には従業員の車や、保有する出光興産のアポロマークを付けたタンクローリーや、プロパンガス運搬用のトラックがずらりと見え、平常どおり業務をしている様子が伺えます。

 昨年秋にマスコミが、事故を起こした多胡運輸に対し、賠償金を支払う能力があるのか聞いたところ、多胡運輸は当初「責任者がいないので答えられない」と回答していましたが、そのうち「まだ確定した賠償請求が来ていないため(支払えるかどうか)わからないが、誠心誠意対応していきたい」と話すようになりました。「どれだけの保険に入っているか」という質問に対して、多胡運輸は「担当者が不在でわからない」ということでした。当時の報道では、「仮に、首都高側が裁判に持ち込み、あくまで高額賠償を求めれば、会社が存続していくのはきわめて難しいのは確かだ」などとするマスコミのコメントがされていました。

■また、当時の報道では、「今後、首都高速道路会社が多胡運輸に損害賠償を請求した場合、多胡運輸が加入している関東交通共済協同組合の共済を使って賠償額を支払うとみられる。 ただし、危険物を搭載するタンクローリーの損害保険や共済は、 無制限の契約であっても、支払い条件を定めた様々な特約が付くのが一般的。多胡運輸や同組合が首都高速道路会社の請求に対してどこまで応じられるのかどうかは不明だ」というコメントもありました。同組合では「個別の契約内容に対してお答えできない」と報道陣に話したからです。

 関東交通協会協同組合も、多胡運輸が加盟するトラック協会も、国交省の天下り先だといわれています。首都高は、職員らは生え抜きが占めていますが、幹部はやはり国交省からの天下りが占めているようです。

■片や、多胡運輸は、安中市土地開発公社で発覚した51億円余という超巨額詐欺横領事件の主犯だった安中市元職員の親族が経営しており、地元出身の超大物政治家を頂点とする政治派閥の関係議員らが多数、元職員の周辺でうごめいていたことは、安中市民の誰もが知る公然の事実です。今回の首都高炎上事故を契機に、多胡運輸が成長した背景には、多胡運輸に出光興産の石油製品の配送を下請けに出していた元請会社の存在が浮上しました。この元請会社の会長は、地元の出身の超大物政治家の事務所の運転手をかつてやっていたことも判明しています。

■このように首都高5号線のタンクローリー横転事故は、「国交省とそのファミリー企業」対「群馬県の超大物政治家とそのファミリー企業」のせめぎあいの構図となっています。だから、いまだに事故を起こした多胡運輸はもとより、その元請会社や、石油元売り会社の出光興産さえ、事故に関する謝罪会見さえ開いていません。いや、開くことができないのかもしれません。

 この構図からすると、政治的圧力とやらで、超大物政治家の派閥関係者から、首都高の天下り元となる国交省に対して、この事件を表ざたにしないように強く働きかけがなされていることは想像に固くありません。しかし、超大物政治家の意向を受けて、民営化した首都高としては、政治的圧力により不明朗な会計処理をするわけにはいきません。いち早く損害額を45億円余りとマスコミを通じて発表したり、ガソリン運搬を依頼した荷主にも損害賠償できるかどうか検討する方針を示したり、首都高として、そうした政治的圧力を意識した対応措置だったのかもしれません。

■この想像を裏付けるかのように、当初「平成20年度内に、多胡運輸に損害賠償請求をしたい」と言っていた首都高は、いまだに多胡運輸に対して損害額の請求を行なっていません。損害額が請求された場合、多胡運輸に支払能力はないでしょうから、何らかの代替案、例えば、当会が地元情報としてトラック協会関係者から入手した情報としては「多胡運輸の元締めの運送会社が多胡運輸を吸収したうえで、賠償金を支払うらしい」とか、多胡運輸が加盟するトラック組合の共済等からの支払いが関係者の間では検討されている、などという見方がありました。

 首都高の炎上事故のとばっちりを受けた隣接マンションでは、昨年10月末から損傷した外壁の補修工事が始まっています。首都高がこの補修工事に関与していないことが明らかになったため、おそらくマンション管理組合が加入している損保会社あたりから保険金が出ている可能性があります。後日原因者に対して、損保会社は請求するつもりなのでしょうか。

■首都高は8月28日の時点で、2008年8月の首都高速道路全体の交通量が2007年8月の実績と比べておよそ8%減少していると発表しました。「料金収入は1日当たり約5000万円減っている」として、同社の藤井敏雄常務執行役員は「事故に起因する収入減と復旧工事に要する費用は、タンクローリーの所有会社に請求する」と話しました。こうして、多胡運輸やその取り巻きに対して、牽制球を投げてきた首都高ですが、ここにきて、未だに多胡運輸に請求書を出していないことが心配です。

 今回の首都高炎上事故の損害賠償請求の対象になる45億円余は、史上最高額と見られ、石油やガソリンを積んだタンクローリーの事故は大惨事になる可能性が高く、中小の運送会社ではとうてい支払えそうもない巨額な数字でした。石油会社大手によると、下請けの運送会社には事故が起こった場合を想定し、「最低でも10億円以上の保険」に入る事を指導していて、火災や爆発が付帯された保険だということです。ただし、運送会社全部が守っているかどうかは不明でした。

■事故を起こした多胡運輸は、タンクローリー6台を含む46のトラックを保有し、年間売上高は2億円強という情報があります。もし、約45億円の賠償金を請求された場合、膨大な賠償金を払えるのかどうかが、注目されていました。そこで、マスコミが、事故を起こした多胡運輸に対し、賠償金を支払う能力があるのか聞いたところ、「まだ確定した賠償請求が来ていないため(支払えるかどうか)わからないが、誠心誠意対応していきたい」と同社では話している。同社がどれだけの保険に入っているかについては、担当者が不在でわからない、ということでした。当時の報道では、「仮に、首都高側が裁判に持ち込み、あくまで高額賠償を求めれば、会社が存続していくのはきわめて難しいのは確かだ」などとコメントがありました。

■一方、平成20年8月27日に、国交省関東地方整備局は、「首都高速5号線車両事故に伴う一般道路等対策協議会」の第2回協議会を開催し、当時の交通状況等を取りまとめた結果を同年8月28日に記者会見発表したことがあります。

 それによると、首都高タンクローリー炎上事故の通行止めに伴う渋滞による経済的損失として、国交省が事故発生直後から5日間(8月4日~8日)の経済的損失額を計算したところ、渋滞量が2倍に増加した一般道でおよそ6億円、渋滞が増加した首都高は8億円にのぼり、合計で16億円に達したとしています。 1日あたりの損失額は3億円以上にのぼり、8月28日時点でも一部通行止めが続いていることから、今後も経済損失額が増えると見ていました。

 この数字は首都高が平成20年10月14日に発表した損害額とは少し観点が異なりますが、この炎上事故が、わが国の首都圏の経済社会に多大な影響を及ぼしたことは確かです。

■最近では、先週、平成21年4月19日(日)午前9時半から正午にかけて、5号線池袋線熊野町JCT付近における事故検分に伴う交通規制が行なわれました。これは多胡運輸のタンクローリー火災事故の再検分が警視庁高速道路交通警察隊により実施されたもので、多胡運輸による事故の過失責任について、まだ確定していない部分がある事を示唆しています。

 他にも、平成21年4月7日(火)には、首都高による第3回(最終)5号池袋線熊野町カーブ大型車横転事故再発防止対策会議(座長:赤羽弘和・千葉工業大学教授)が開催されました、この会議では、主に大型車運転手に当該S字カーブの直前で速度抑制を直接働きかける対策が必要との観点から具体的な安全対策の実施方法について討議し、第1回からの審議結果に基づいて、事故再発防止のための安全対策を進めていくとして、一応、安全対策面では、これをもって方針が固まったとしています。

■このように、対策的にはほぼ完了しましたが、今後は損害賠償の進み方に注目が集まります。

 今のところ、首都高が多胡運輸に損害賠償を請求した場合、多胡運輸が加入している関東交通共済協同組合の共済を使って賠償額を支払う可能性が高そうです。ただし、危険物を搭載するタンクローリーの損害保険や共済は、無制限の契約であっても、支払い条件を定めた様々な特約が付くのが一般的であり、多胡運輸や同組合が首都高速道路会社の請求に対してどこまで応じられるのかどうかは不明だとも言われています。事実、同組合では「個別の契約内容に対してお答えできない」と話しているからです。

 国交省にとっては、天下り先の首都高に損害を被らせるわけにも行かず、かといって、自民党政権が続く限り、群馬県の誇る?超大物政治家の関係筋からの政治的圧力に抗することもまた難しいため、様子見というところかもしれません。現在の政局は、自民党と民主党のせめぎ合いが一進一退を繰り返しており、遅くとも9月まで、早ければ連休明けにでも衆議院解散総選挙の可能性があります。

■首都高が、予定に反して、未だに多胡運輸に45億円余りの損害賠償請求書を出せないでいる背景には、こうした複雑な事情があるに違いありません。目下の焦点は、おそらくトラック協会と関係の深い関東交通共済協同組合を通じた保険求償措置の可否だと思われます。とりあえず共済保険で措置をしておき、あとはどうやって共済組合の資本を公金で補強するかなど、緊急に対応しておいて、対策は先送りすることも検討されているかもしれません。そこで前提材料となるのが、解散総選挙の行方です。

 いすれにせよ「恐るべし! 多胡運輸」。史上最大、前代未聞の地方自治体を舞台にした巨悪詐欺横領事件とも深く関連するこの巨額損壊事件である、首都高5号線タンクローリー横転炎上事故の解決に向けて、名実ともに民営化を目指す首都高速道路株式会社の前には、数々の困難が立ちはだかっているようですが、きちんと多胡運輸の責任を問おうとする首都高の姿勢が続く限り、当会はエールを送り続けたいと思います。

【ひらく会情報部】

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酒気帯び事故の日弁連元副会長、業務停止4ヶ月の非ジョーシキ

2009-04-24 09:30:00 | 不良弁護士問題
■4月23日の朝刊各紙に、日本弁護士連合会(日弁連)元副会長の内田武弁護士について、所属する群馬弁護士会が、業務停止4ヶ月の懲戒処分にしたと発表したことが報じられました。

*********
日弁連元副会長 業務停止4ヶ月 酒気帯びで弁護士会
 群馬弁護士会は、08年10月に酒気帯び運転で対向車に衝突する交通事故を起こした日本弁護士連合会元副会長の内田武弁護士(65)について、21日付で業務停止4ヶ月の懲戒処分にしたと22日発表した。
 発表によると、処分理由について「弁護士としての品位を失う非行。飲酒運転に対する社会的非難は高まっており、結果は重大」などとしている。
 内田弁護士は、08年10月5日午後、安中市野殿の県道前橋安中富岡線で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転中、乗用車と衝突し、運転の高崎市内の女性に軽症を負わせたとして、自動車運転過失傷害などの疑いで現行犯逮捕された。前橋簡裁から同年12月、罰金70万円の略式命令を受け、即日納付した。
 内田弁護士は同日午前から午後にかけて、ゴルフのプレー中や昼食の際にビール、焼酎を飲んでいたといい、帰宅途中に交通事故を起こしたとされる。
 同弁護士会や県民からの懲戒請求を受け、外部有識者らを含む同弁護士会の懲戒委員会が処分を決定し、今月21日に内容を本人に伝えた。処分は同日付。
 処分内容に不満がある場合、60日以内であれば不服の申し立てができるが、22日現在では申し立てはない。内田弁護士が引き受けていた事件は他の弁護士が引き継ぐことになる。
 内田弁護士は1973年に群馬弁護士会に弁護士登録し、同会会長、03年度に日本弁護士連合会副会長などを務めた。
 処分について、同会の鈴木克昌会長は「県民の信頼を損なう事件が起き大変残念。再発防止のため、綱紀を引き締めて、会員の規律維持に努めたい」と語った。
 同弁護士会での懲戒処分は、2002年1月に、仕事の処理が遅れたとして所属弁護士に業務停止2ヶ月が下されている。
**********

■この新聞報道記事の中にある、「県民からの懲戒請求」というのが当会メンバーが行った懲戒請求のことです。

 当会では、平成20年12月8日付けで、群馬弁護士会あてに、同会所属の内田武弁護士に関する懲戒請求書を提出しました。その後、平成20年12月25日に、群馬弁護士会の神谷保夫会長名で、当会の懲戒請求に関して懲戒請求事案通知という書類が送られてきました。これによると、群馬弁護士会の綱紀委員会(戸枝太輔委員長)の議決に基づき、当会の懲戒請求について、「群馬弁護士会 平成20年(綱)第19号事案」として、懲戒委員会に事案審査を求める決定を、平成20年12月15日付けで行なったというものです。

 今年に入り、群馬弁護士会から、1月21日付けで「審査期日通知書」と「本事案合併についての伺い」という書類が送られてきました。そこで、2月9日付で、「審査期日に出席し、本件は合併しない」旨の返事を書面で提出しておきました。

 審査期日当日の3月10日(火)午後5時30分から、群馬弁護士会2階の中会議室に赴き、「法曹人だからこそ厳しく処分されるべきであり、世間では懲戒免職が常識である」旨、懲戒委員会の席上で、陳述しました。そして、約1ヶ月半経過した4月23日に、群馬弁護士会から、書留郵便で、次の内容の懲戒書と議決書が送られてきました。

**********
【懲戒通知】
平成21年4月21日
懲戒請求者 小川 賢 殿[平成20年(懲)第2号事案]
    群馬弁護士会 会長 鈴木克昌(弁護士会長印)
弁護士の懲戒について(通知)
 本会は,本会会員に対し、下記のとおり懲戒処分を行いましたので,通知します。
      記
1 懲戒処分を受けた弁護士の氏名,登録番号及び事務所
    氏  名  内 田   武
    登録番号  13572
    事務所  群馬県前橋市大手町3-4-15 内田武法律事務所
4 懲戒処分の内容
          業務停止4月
5 懲戒処分の理由
          別紙懲戒書の謄本を参照のこと
 なお,弁護士法第64条の規定により,この処分が不当に軽いと思われるときは,この通知を受けた日の翌日から起算して,60日以内に日本弁護士連合会に異議を申し出ることができます(ただし,送付に要した日数は参入しません。)。
 異議の申し出は書面によってしなければなりません。記載事項及び必要部数等の定めがありますので,異議の申し出をしようとするときは,あらかじめ日本弁護士連合会(〒100-0013 東京都千代田区霞が関1丁目1番3号 電話03-3580-9841)にお問い合わせください。

【懲戒書】
群馬県前橋市大手町3-4-15
  内田 武法律事務所
  対象弁護士 内田 武(登録番号13572)
 本会は,上記対象弁護士について,懲戒委員会の議決に基づき,次のとおり懲戒する。
    主  文
 対象弁護士内田 武を4月の業務の停止とする。
    理  由
 本会は,対象弁護士に対する懲戒の請求について,懲戒委員会が別紙議決害のとおり議決したので,弁護士法第56条に基づき主文のとおり懲戒する。
平成21年4月21日
 群馬弁護士会 会長 鈴木克昌(自著)

【議決書】
平成20年(懲)第1号、同第2号
議 決 書
  群馬県前橋市大手町3-6-6
    懲戒請求者   群馬弁護士会(平成20年(懲)第1号)
    会長      神 谷 保 夫
  群馬県安中市野殿980番地
    懲戒請求者   小 川   賢(平成20年(懲)第2号)
  群馬県前橋市大手町3-4-15 内田武法律事務所
    対象弁護士   内 田   武(登録番号13572)
  群馬県前橋市大友町1-3-2 東和ビル3F 小磯正康法律事務所
    対象弁護士代理人弁護士   小 磯 正 康
 上記対象弁護士に対する懲戒請求事案につき審理した結果、次のとおり議決する。
   主  文
 対象弁護士を業務停止4月にすることを相当とする。
   理  由
1 懲戒請求の要旨
(1) 平成20年(懲)第1号
 対象弁護士が、平成20年10月5日午後3時55分ころ、群馬県安中市野殿地内の県道前橋安中富岡線において、酒気を帯びた状態で乗用車を運転したうえ、センターラインをはみ出し、対向してきた乗用車と衝突し、対向車両の運転手(女性75歳)に傷害を負わせたと報道された内容の事実は、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当すると思料される。
(2) 平成20年(懲)第2号
 対象弁護士は、平成20年10月5日午後3時50分~55分ごろ、酒を飲んだ状態で乗用車を運転し、群馬県安中市野殿の県道前橋安中富岡線の野殿駐在所付近で、対向車線を走っていた同県高崎市の無職女性(75)の乗用車と衝突し、女性は胸や頭などに軽傷を負った。群馬県警安中署は対象弁護士を自動車運転過失傷害と道交法違反(酒気帯び運転)容疑で現行犯逮捕した。対象弁護士は群馬県富岡市のゴルフ場で、昼食時にビールと焼酎を飲み、プレー終了後、帰宅途中に対向車線にはみ出した。呼気1リットル中0.15ミリグラムのアルコールが検出された。対象弁護士は容疑を認めている。
 対象弁護士は群馬県弁護士会に所属し、群馬弁護士会長を歴任し、前橋市に法律事務所を構えている。平成15年度には日弁連副会長を務めたことがある。対象弁護士の、酒気帯び運転を起因とする自動車運転過失傷害は、民間会社に所属する従業者の場合、即刻、懲戒解雇に当たるものであり、公務員の場合は懲戒免職をもってその自己責任を負わされる。この度の自動車運転過失傷害と道交法違反(酒気帯び運転)による不祥事は、法曹人としてあるまじき行為である。よって、対象弁護士を、弁護士法56条の、懲戒処分に該当する行為であるとし、懲戒処分を請求する。
2 対象弁護士の弁明の要旨
(1) 対象弁護士は、富岡ゴルフクラブの10月月例杯に参加し、ハーフ終了午前10時40分頃、後半のスタート時間11時15分頃の間に、昼食を取りながら、生ビール小ジョッキ1杯、焼酎水割1杯を飲んだ。
(2) プレー終了後、サウナを含む入浴をした後、表彰式を径て午後3時30分頃帰路についたため、体に酒気が残っているという自覚はもちろんなく、アルコールは既に消えているものと考えてしまった。これが安易軽率であったことについて、対象弁護士も重々反省をしている。
(3) 対象弁護士は、後半プレー終了、2時10分頃に入浴(サウナを含む)、3時20分頃に表彰式、3時30分頃にゴルフ場を出て、県道富岡安中前橋線を安中市内の国道18号に向かって進行した。本件現場である安中市野殿2110番1先道路は片側1車線、はみ出し禁止の黄色センターラインがある。富岡方面から安中市国道18号方面に向かってゆるい右カーブであり、当時の車両は双方向とも数珠つなぎ状態であり、時速約40~45kmで流れに従って走行しており、雨も降ってきて、対象弁護士は「バカに車が多いなあ」と右前方向に顔を上げたところ、自車がセンターラインをオーバーして対向車と正面衝突してしまった。道路は狭く、センターラインを挾んで双方向に進行していたため、回避措置を取るゆとりも場所もなかった。事故の発生時間は3時53分頃であった。従って、直接アルコールの影響で運転に支障が出たために事故が発生したものではない。
(4) 対象弁護士は、飲酒から既に4時間以上経過し、しかも途中1時間以上入浴してサウナで十分汗を流していたので、当然アルコールは抜けているものと思って運転を開始した(数値が出たことについては、富山の人権大会で三泊四日の出張、前日帰宅したばかりであり、その疲労が残っていたのかもしれない。)。
 飲酒運転にしても過失によるもので、故意若しくは故意に準じるような状態ではなかった。
 アルコールの量は検知管によれば呼気1リットル中0.15mgとの数字が読みとれたとの捜査官の説明であった。酒気を帯びて運転したこと自体重大な法律違反であり、対象弁護士としては言い訳のできないものと自覚しているが、本件は、数値的には酒気帯び運転のいわば限界事例として検挙されたものと言える(平成14年6月から改正によりそれまで呼気1リットル中0.25mg以上のアルコール量から0.15mg以上の同量に変更となった)。また、直進歩行等の運動機能の検査においても、何らの異常は認められなかった。
(5) 事故後の措置については、対象弁護士の車両にはレクサスオーナーズサービスが装備されており、それによって、救急車手配、警察への通報、レッカー車の手配を依頼した。
(6) 被害者は75才の主婦で、救急車で高崎市の■■病院に搬送され、そこで診断、治療を受けた。対象弁護士は、警察官から、全治2週間を要する胸部打撲傷で入院治療の必要はないが、事後の様子をみるため2日間の入院をする予定であると聞いていた。翌10月6日夕方、対象弁護士は、釈放後連やかに病院に被害者を見舞ったが、その際被害者は、「■■病院に親戚がいて、今月(10月)いっぱい入院していられるようになった。今月中は入院するつもりだ。」と話していた。対象弁護士は、「十分に療養して下さい、一日も早く回復するように祈っております。」等と答えた。その後5回お見舞いしたが、そのときのやり取りでは、「レントゲン上も、MRIでも異常は認められなかった。」とのことである。しかし、被害者は、しばらく右腕等が痛いと言っており、実際には11月12日に退院した。医師の指示による入院は2日間程度と考えられ、他は自主的入院と思われる。なお、検察庁が刑事処分を判断するに当たり病院に傷害内容等の照会をかけ、その回答結果を踏まえて障害の程度は「加療約2週間を要する」ものとされている。被害者は退院後も、通院を行っているとのことである。
 なお、被害者は、入院翌日から個室を使用し、退院直前になって通常入院と個室使用との差額1日当たり6300円を支払うよう対象弁護士に請求し、対象弁護士は11月21日これを支払った。また対象弁護士は、被害者を病院に見舞った際、10月6日に見舞い金として金10万円、同月30日諸掛り費用として金10万円を被害者に渡している。
(7) 対象弁護士は、道路交通法違反(酒気帯び運転)及び自動車運転過失傷害の罪で、平成20年12月19日前橋簡易裁判所における略式裁判手続により、罰金70万円の処分を受けた。同日、罰金全額を納付し、命令は確定している。
 なお、略式命令で認定された罪となるべき事実は次のとおりであった。
 第1 酒気を帯び、呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールを身体に保有する状態で、平成20年10月5日午後3時53分ころ、群馬県安中市野殿2110番地1付近道路において、普通乗用自動車を運転した。
 第2 前記日時ころ、前記車両を運転し、前記場所先道路を富岡市方面から高崎市方面に向かい時速約45キロメートルで進行するに当たり、同所は右方に緩やかに湾曲する道路であったから、その安全を確認し、適正な進路を保持して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り、進路遠方に気を取られ、その安全を確認せず適正な進路を保持しないまま漫然前記速度で進行した過失により、自車を対内車線に進出させ、折から対向進行してきたA子(当時75歳)運転の普通乗用自動車を前方約34.7メートルの地点に迫ってようやく認め、急制動の措置を講ずる間もなく、同車右前部に自車右前部を衝突させ、よって、同人に加療約2週間を要する前胸部打撲等の傷害を負わせた。
(8) 対象弁護士は、道路交通法による減点として、酒気帯び運転6点、人身事故2週間以内の軽傷3点の計9点により、12月1日より60日の期間の免許停止処分を受け、同日及び同月2日の2日間講習を受け、30日間に短縮された。
(9) 対象弁護士は、次のとおり反省の態度を示し、また、社会的制裁を受けている。
① 対象弁護士は、事故の翌日から法廷活動を自粛し、事実上の業務停止を実施している。
② 対象弁護士は、前橋家庭裁判所家事調停委員の辞任の申出をし、弁護士会の綱紀委員を辞任し、上場企業の監査役を辞任し(実質的には解任)、国選弁護人契約解約及び国選付添人契約の解約の申出、私選刑事弁護人を辞任した。
③ 本件は平成20年10月6日朝から昼までNHKをはじめ全国ネットのテレビで放映されたほか、全国紙はもとより地方紙の全国版に報道され、書類送検については、上毛、朝日、読売、毎日、産経新聞等の地方版に報道されるとともに、上毛新聞で群馬弁護士会が綱紀委員会に対し、懲戒処分の事実確認調査を求めたことを報道した。罰金70万円の刑を宣告された旨の報道等がすべて白日の下にさらされ、わずか2ケ月強の間に4回もマスコミで取り上げられたことは、弁護士業務を生業とする対象弁護士にとって決定的なものであった。
(10) 他方、対象弁護士は、当会の会長をはじめ各種の委員、委員長を歴任するとともに日弁連副会長時には、司法制度改革の真只中で総合法律支援法、裁判長制度、労働審判法、行政訴訟法改正等に尽くした功績は誠に大なるものがあった。
 また、地方公共団体の委員、特に土地収用委員は15年間もこれを勤め、関越自動車道、長野新幹線、上信越自動車道の建設等をはじめとする公共事業等発展のため大変な尽力をしたことは公知の事実である。
(11)被害者との示談については、代理人において協議中である(無制限賠償保険あり。)
 なお、被害者は、病院の検査によって格別の傷害が見当たらない状況であったにもかかわらず、当初の入院見込みより相当長期間入院し、退院後も通院しているとのことであり、最終的な示談の取り纏めに至っていない。また、被害者側の交渉窓口として、中途より被害者の娘婿が間に入っているが、物損として自動車車両損害について保険会社と示談(示談額77万円)しているにもかかわらず、交渉過程での言葉尻を捉えて新車購入代金(198万円)との差額の先行支払いを要求したり、一般には損害の対象とは考え難いものについても、弁護士の非行であることを強調して、請求をするなどしているため、調整がやや難航している。
(12) 本件において対象者が弁護士であったこと、とりわけ元日弁達引会長の職にあったことが、社会から如何に高い関心を寄せられ、厳しく見詰められているかを対象弁護士は痛感している。それだけ弁護士に対する社会的な期待、信頼が大きいものであることを再確認させられた。酒を飲んでの自動車の運転は、その危険性から、繰り返し「禁止」がアピールされ、近年は違反者や飲酒に基づく事故の惹起に対して厳罰化への法改正も進んでいることも承知している。
 職業柄、これら違反者や犯罪者に対し、飲酒しての運転の危険性を説き、再犯をさせないための誓約をさせている弁護士でありながら、本件を起こしてしまったことを真摯に恥じており、弁護士ないし群馬弁護士会への信頼を損なう虞があるものとただただ申し訳なく思っている。対象弁護士としては、事の重大性を自覚しており、貴委員会におけるいかなる処分も受け容れるつもりである。
 上記弁明を斟酌の上、厳正かつ適正な処分を願う。
3 当委員会の認定した事実
(1) 対象弁護士は、平成20年10月5日、メンバーになっている富岡ゴルフクラブの月例杯に自家用車を運転して参加した。
(2) 対象弁護士は、午前8時21分、アウトからスタートし、5ホールが終了した午前9時30分頃、売店において、デルカップ1杯(50ミリリットル、アルコール分29度)をオロナミンCで割って飲んだ。
(3) 対象弁護士は、午前10時40分頃、前半のハーフが終了し、後半のスタートである午前11時15分頃までの間に、生ビール小(375ミリリットル)と酎ハイ1杯(アルコール分25度の焼酎の水割、90ミリリットル)を飲んだ。
(4) 対象弁護士は、後半のハーフ、14番をホールアウトしたところにある売店においてチューハイ(アルコール分7度、250ミリリットル)を半分位飲んだ。
(5) 対象弁護士は、後半のハーフを午後2時10分頃終了し、クラブハウスで風呂やサウナに入り、表彰式が終了した午後3時30分頃、自家用車を運転して帰路についた。
(6) 対象弁護士は、自家用車を運転して主要地方道前橋安中富岡線を富岡市方面から高崎市方面に向かって時速約45キロメートルで走り、緩い右カーブの地点で「交通量が多いな」と思い、遠方や対向車線の方を見ながら進行していたところ、突然「ガッガッガッ」と音がしたので前を見るとセンターラインを越えて対向車線にはみ出しており、「あっ」と思った直後に衝突回避措置を取る間もなく対向車両と衝突した。対向車と衝突したことから、その後続車が対向車と衝突し、対向車は道路脇にあるリアルオートの敷地に飛ばされ、ガードレールを破壊し、敷台の車両を破壊して止まった。
(7) 本件事故により、対向車を運転していた被害者は医療法人■■■会■■病院へ入院し、加療2週間を要する見込みである旨の診断を受けた。
(8) 事故後のアルコール量は検知管によれば呼気1リットル中0.15mgであったが、直立歩行等の運動機能の検査によれば、異常は認められなかった。
(9) 対象弁護士は、前記のとおり、道路交通法違反(呼気1リットルにつき0.15mgの酒気帯び運転)および自動車運転傷害(被害者の傷害は加療2週間を要する胸部打撲等)で略式起訴され、罰金70万円の刑事処分を受けた。
(10) 対象弁護士は、前記のとおり、道路交通法違反による減点として60日間の免許停止の行政処分を受けた。
(11) 対象弁護士は、事故後弁護士活動を自粛し、前橋家庭裁判所家事調停委員の辞任の申出、群馬弁護士会の綱紀委員の辞任、上場企業の監査役の辞任、国選弁護人契約及び国選付添人契約の解約の申出、私選刑事弁護人を辞任する等して反省の態度を示した。
(12) 対象弁護士の本件行為、書類送検、懲戒申出、罰金刑の処分等は前記のとおり、テレビ、新聞等で報道された。
(13) 対象弁護士と被害者間には、物損の示談が成立し、保険より示談金77万円が支払われ、通常入院と個室使用との差額(1日当り6300円)を対象弁護士が負担し、見舞金として10万円、諸掛り費用として10万円が、対象弁護士より支払われた。本件事故による被害者車両以外の車両の破損及びガードレール等破損について弁償がなされた。人身損害については、未だ示談が成立していない。
4 当委員会の判断
(1) 飲酒運転は、人身事故等の重大な交通事故を発生させる危険の高い契機となるものであり、これに対する社会的な非難は大きく高まっているところ、前記のとおり午前9時30分頃デルカップ1杯、午前10時40分頃から午前11時15分頃までの間に生ビール小1杯及び酎ハイ1杯、後半のハーフの途中で酎ハイ半分を飲んだうえ、午後3時30分頃、自家用車を運転して帰路についたことは、法を遵守しなければならない立場にある対象弁護士として、極めて不適切であったと言わざるを得ない。
(2) 本件交通事故は、対象弁護士が時速約45キロメートルで進行するに当たり、同所は右方に緩やかに湾曲する道路であったから、その安全を確認し、適正な進路を保持して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り、進路遠方に気を取られ、その安全を確認せず適正な進路を保持しないまま漫然前記速度で進行した過失により、自車を対向車線に進出させ、折から対向進行してきた被害者運転の普通乗用自動車を前方約34.7メートルの地点に迫ってようやく認め、急制動の措置を講ずる聞もなく、同車右前部に自車右前部を衝突させ、よって、同人に前胸部打撲等の傷害を負わせた外、後続車、ガードレール、道路脇に駐車中の車両数台を次々に破損させたものであり、対象弁護士の自動車運転者として基本的なミスから発生したものであって、その結果は重大であり、弁護士として、極めて不適切であったものと言わざるを得ない。
5 以上、対象弁護士の飲酒運転、交通事故の惹起は、弁護士としての品位を失うものというほかはなく、しかも被害者は平成20年11月12日まで入院したこと現在もリハビリで通院中であること等を考慮すれば相応の処分は免れない。しかしながら、対象弁護士は、前記のとおり反省の態度を示していること、物損についてはすべて示談していること、個室使用料を負担し、見舞金等も支払っていること、人的損害については示談が成立していないが、その原因は、対象弁護士側のみにあるものとは言えないこと、弁護士会(日弁連を含む)に尽くした功績は大なるものがあること、社会的制裁を既に受けていること等を斟酌し、対象弁護士を業務停止4月に処するを相当とし、主文のとおり議決する。
 平成21年4月20日
    群馬弁護士会懲戒委員会
      委員長 春山  進(自署押印)
       委員 渡辺 明男(自署押印)
       委員 黒須 俊夫(自署押印)
       委員 荒木 俊夫(自署押印)
       委員 松丸伸一郎(自署押印)
       委員 中山新三郎(自署押印)
       委員 熊川 次男(自署押印)
これは謄本である。
平成21年4月21日
   群馬弁護士会
      会 長 鈴 木 克 昌 (弁護士会長印)
**********

■やはり、身内が身内を裁く形になるため、群馬弁護士会を追放するようなことはせず、僅か4ヶ月の業務停止であっさりとセーフになりました。懲戒委員会の審査期日にも出席して意見を陳述しましたが、お仲間クラブといった雰囲気であったため、厳しい処分を期待するのは難しい気がしましたが、やはり結果は案の定でした。

 今後、60日以内に、上級機関である日本弁護士連合会に対して、不当に処分が軽いとして異議申立をするかどうか、各方面の意見を聞いた上で、真剣に検討していきたいと思います。

【岩野谷の水と緑を守る会】

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