■依然として行政告発をされないことをよいことに、じっとダンマリを決め込んでいるブラック連合の大同特殊鋼と佐藤建設工業ですが、最近の様子はどうなっているのか気になるところです。ちょうどそんな時、国道353号線沿いの石合バス停付近にある佐藤建設工業の盛り土材置き場の現状を、通勤途中、車を停めて撮影してくださった方から、市民オンブズマン群馬あて写真が送られてきました。
↑写真1:今度は何を混ぜるのか?ゴミが散乱している。↑
↑写真2:撮影してくださった方も、佐藤建設工業の盛土材置き場がスラグだらけだと分かったそうです。↑
↑写真3:角バリ、黒光り、サビ浮。ごらんのとおり、有害スラグの特徴である3要素を満たす石が無数に写っています。有害スラグに間違いありません。写真ありがとうございました。↑
■国土交通省による上武道路工事では、平成27年3月いっぱいまで、佐藤建設工業の盛り土材が使われ続けました。平成26年2月19日の第186回国会予算委員会でもこのスラグ問題が取り上げられ、国土交通省の調査でも有害物質が検出された有毒スラグを混入したインチキ「混合砕石」ですが、佐藤建設工業は、何事もなかったかのように、有毒スラグを盛土材として使い続けたのです。
関係筋の情報によると、国交省では「施工業者の責任で安全な材料を使用してください」と、業者まかせにしてしまったようです。これだけ社会的に大きな騒動を巻き起こしているのに、「近隣住民の健康被害など関係ない。自分に責任が来なければそれで良い」と考えているとする国土交通用のお役人様には呆れ果ててしまいますが、それよりも、私たちの暮らす郷土群馬県の大地が、汚染され続けているのを放置していることは、どうしても許せません。
有害物質を盛り土に混ぜて、詐欺まがいに不法投棄した環境問題を含むこの問題事案に対して、業者まかせにする国土交通省のお役人様の対応は、国会等で取り上げ問題にしなければ、今後ますます模倣事案が増え、日本の将来に真っ黒な闇をもたらすことでしょう。
平成27年2月当時の、上武国道の工事現場の様子を見てみましょう。
↑写真4:目撃した方々は、口を揃えて、「佐藤の白いスラグ運搬車が我が物顔で走り回って、怖いほどだった」と語っています。↑
↑写真5:何台ものスラグ運搬車が出入りしている様子が見えます。スラグ運搬車が交差しているのがわかりますか?大同特殊鋼からの豊富なスラグマネーを背景に、大量に買いそろえたスラグ運搬車。いったい佐藤建設工業には何台の車があるのでしょうか?↑
↑写真6:現場搬入の様子。こんなに山盛りに積んで良いのでしょうか?てんこ盛りですね。↑
■さて平成27年4月以降も上武国道工事は行われます。スラグ問題の扱いはどうなっているのでしょうか?疑わしいブラック佐藤建設工業の建設資材が使用されるのでしょうか?
平成27年4月24日、国土交通省関東地方整備局は”鉄鋼スラグに関する土壌の分析試験結果について”を公表しました。国土交通省の公表内容はこちら↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000682.html
その中で、有害鉄鋼スラグに関して次のことが公表されました。
・「材料直下の土壌における有害物質の含有量等を確認するため、土壌汚染対策法に準じた分析試験を実施しました」
・「高崎河川国道事務所の発注した4工事の施工箇所において、「ふっ素」の溶出量が基準※3に定める基準値を超えて検出されました」
併せて、今後の対応についても言及しています。さらに、なお書きでは、「なお、土地の所有者の意向および関係機関の依頼により、当該材料を撤去することで調整の整った2工事の施工箇所については、撤去を実施します。」と撤去にまで公表に及んでいます。
■「高崎河川国道事務所の発注した4工事」とは次の工事を指します。
①半田拡幅改良工事
②田口改良その4工事
③漆原舗装その1工事
④上武道路橋梁下部その2工事
これらはいずれも、ブラック佐藤建設工業が建設資材を納入しています。調査箇所を見ると盛り土が3現場、路盤が1現場となっています。
市民オンブズマン群馬では、特別プロジェクトチームの「リットン」調査団らによる調査と分析の結果、「佐藤建設工業が納入した盛り土材・下層路盤材・上層路盤材の全ての建設資材に有害スラグが不法投棄された」ことが判明したと報じてきました。国交省の今回の公表内容を見ると、それを裏付けられた格好となっています。
■例えば、盛り土について「承認願い・材料試験成績表」では、天然石100%で製造した、となっているはずです。しかし実際には有害スラグが不法投棄されていました。どこかで偽装工作がおこなわれていたことになります。それでは、どの時点で、「承認願い・材料試験成績表」が偽装された詐欺まがいの試験表が使われたのでしょうか?大同特殊鋼が有害スラグ混合砕石の製造を止めた時点までなのでしょうか?
大同特殊鋼が有害スラグ混合砕石を製造中止した後も、しばらく、東吾妻町箱島の中央混合所に有害スラグが山積みにされ、佐藤建設工業が勝手に積込み販売していたという目撃証言が当会に報告されています。中央混合所は元々佐藤建設工業の土地を大同に貸している場所であり、積込み用の重機も佐藤建設工業の所有・管理で自由にできたからです。
また毎日新聞によると大量の有害スラグが行方不明と報道されています。末尾に毎日新聞の記事を引用しましたので、ご参照ください。
■平成25年3月、有害スラグの置き場に困り、“群馬丸太運輸が大同特殊鋼から佐藤建設工業の村上砕石場まで運搬するダンプトラックを探し回っていた”という情報が当会に寄せられています。中央混合所だけでなく、村上砕石場など、佐藤建設工業の管理土地の全てが、有害スラグ置き場となっていたのです。今でも、有害スラグを隠し持っていて、「今度はバレないようにしなくちゃ。ほんの少しずつ、バレないようにね」と薄ら笑いを浮かべながら、慎重に天然砕石を混ぜているかもしれないのです。
佐藤建設工業は毎日新聞社の取材に対して、“(盛り土に)有害スラグを故意に混入したことはない”、と話しています。しかし、実際には盛り土に有害スラグは混入されています。佐藤建設工業の態度は悪質で、“何をしでかすか”わかりません。住民の不安は、ますます募るばかりです。
しかし、佐藤建設工業が公にスラグ混入を認めないかぎり、どこまでが安全な材料なのかは、調べようがありません。なぜなら佐藤建設工業は全て安全な材料と言い張っているからです。
■当会では、群馬県に“県が大同から聞き取り時に入手した有害スラグ出荷情報”を開示請求しました。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1642.html
しかし県土整備部は、「請求された情報は、不確定な情報のため、その内容を公にすることにより、県民の誤解や憶測を招き、不当に県民の間に混乱を生じさせるおそれや不利益を及ぼすおそれがあるため」として開示しませんでした。
奇しくも群馬県が指摘しているとおり、今回の有害スラグ不法投棄事件は、「不当に県民の間に混乱を招く恐れのある事件」であるといえます。佐藤建設工業のスラグ運搬が走り回れば、それだけで県民は混乱し、「不当に県民の間に不利益を及ぼす」ことでしょう。
群馬県の県土整備部様におかれましては、ただちに確定情報を収集する責任と義務を果たしてもらい、スラグ対策を業者任せにする国土交通省のお役人様に、“不当に県民の間に混乱を招く恐れがあるから、佐藤建設工業の建設資材を使用しないよう”、即刻ご指導いただきたいものです。
■さて、これから施工が佳境を迎える上武国道の工事と落札金額をネットで調べてみました。
・開札日2015年3月17日「上武道路上細井改良その5」 沼田土建 149,000,000円
・開札日2015年3月17日「上武道路上細井改良その6」 池下工業 124,000,000円
・開札日2015年3月17日「上武道路上細井改良その7」 沼田土建 129,800,000円
・開札日2015年4月24日「上武道路田口改良その2」 宮下工業 141,800,000円
・開札日2015年3月17日「上武道路日輪寺改良その5」 河本工業 260,840,000円
・開札日2015年4月24日「上武道路日輪寺関根改良」 池下工業 178,000,000円
ここで疑問なのは、平成26年12月26日に国土交通省が盛り土の中に有害スラグが含まれていることを公表したのに、またまた同じ業者に工事を発注していることです。
国土交通省の公表はこちら↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000671.html
なぜ、不法投棄に係った工事業者を指名停止にしなかったのでしょうか?水源県でもある我らが群馬県の県土の汚染に係わった業者を指名停止にするのは、お役人様の責務ではないでしょうか?
■これらの落札業者のうち、特に沼田土建は、群馬県建設協会の会長を務め、県内の業界の重鎮企業です。にもかかわらず、同社は、佐藤建設工業と組んで上武道路工事を何本も受注してきており、有害スラグについても大量に不法投棄した疑惑が浮かび上がってきます。
また、池下工業、宮下工業も、ともに上武道路工事の常連であり、沼田土建とともに、有害スラグを使用していたにもかかわらず、国交省高崎河川国道事務所長の優良工事表彰を受賞しています。
佐藤建設工業と組んでの不法投棄疑惑が浮かんでいる、こういった錚々たる会社の皆様が、国土交通省の有害スラグ撤去の公表を契機に、佐藤建設工業との関係を断てるかどうか、非常に注目されます。
■佐藤建設工業が供給していた盛り土は、ただちに“撤去”されなければならないほどの有害物質を含んだ盛り土なのです。
再び、佐藤建設工業から盛り土を購入する業者が現れるとすれば、それこそ“一蓮托生”“毒を食らわば皿まで”と判断したと見なすことができます。今回の、政官業癒着による大規模な有害スラグ不法投棄疑惑は、原因者のみならず、共犯者の洗い出しにも場面を拡げていくことでしょう。
【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項つづく】
※参考情報
**********毎日新聞2014年08月06日 07時15分
http://sp.mainichi.jp/m/news.html?cid=20140806k0000m040150000c&inb=mo
八ッ場ダム:国道「路床」にも有害資材 帳簿から行方不明
国が群馬県長野原町で建設を進める八ッ場(やんば)ダムの移転代替地に有害物質を含む建設資材が使われていた問題で、同県を走る国道の「路床」にも有害資材が許可なく使用されていたことが毎日新聞の調べで分かった。有害資材は約3.5キロ離れた2カ所で検出され、関係者の証言によると大量使用されたとみられる。一方、ダムや国道の工事に関与した同県渋川市の建設会社では、帳簿上保管されているはずの同種の資材約9000立方メートルの行方が分からなくなっていることも判明した。【杉本修作、沢田勇、角田直哉】
有害資材の無許可使用が確認されたのは、前橋市などで建設中の国道17号バイパスの路床部分。八ッ場ダムの代替地などと同様、資材は大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から渋川市の建設会社が引き取った「鉄鋼スラグ」とみられる。
このスラグを巡っては同国道の「路盤」に使われていたことは判明しているが、路盤への使用は国土交通省に認められている。一方、路床については天然砕石の使用が義務づけられ、渋川市の建設会社は天然100%の砕石を使うとする材料証明書を提出していた。
関係者によると、同社がスラグを路床にも使用したのは、大同特殊鋼の工場から出るスラグの在庫を圧縮するのが目的。厚さが数十センチの路盤だけではスラグを使い切れないが、路床は盛り土部分を合わせると高さ数メートルにも達するため「天然砕石に混ぜて大量のスラグを使うことができた」(関係者)という。
毎日新聞は建設中の国道2カ所からスラグとみられる砕石を採取し、環境省指定の第三者機関に鑑定を依頼。主成分などがスラグの特徴と一致し、環境基準を超える有害物質「フッ素」が検出された。国交省もスラグと特徴の似た砕石を確認し、調べを進めている。
一方、大同特殊鋼から出たスラグと天然砕石を混ぜた資材約9000立方メートルが渋川市の建設会社に出荷後、行方不明になっている。
大同によると、渋川市の建設会社との「逆有償取引」などが問題になった今年1月に群馬県が廃棄物処理法違反の疑いで立ち入り検査したことに伴い、大同の出荷伝票と、建設会社から受け取った建設資材の管理報告書を調べたところ、約9000立方メートルについて行方を確認することができなかったという。県はスラグが廃棄されたり無許可で工事に使われたりした可能性もあるとみて調べている。
渋川市の建設会社社長は「帳簿と合わない理由は分からない。路床に故意に混入したことはない」とし、大同は「行方不明のスラグは今後も調査を続けたい。路床については事実関係を調べている」とコメントした。
**********毎日新聞 2014年08月05日07時30分
八ッ場ダム:代替地整備に有害資材 ふっ素 環境基準の23倍
国が群馬県長野原町で建設を進める八ッ場(やんば)ダムで、水没予定地からの立ち退きを求められた住民の移転代替地の整備に、有害物質を含む建設資材が使われていることが分かった。国土交通省も同様の情報を得て調査を進めている。有害物質は環境基準の5〜23倍に達し、専門家は「撤去が望ましい」と指摘。今後のダム工事や住民の移転計画に影響を与える可能性が出てきた。(社会面に関連記事)
ダム関連工事の関係者によると、有害物質を含む建設資材が許可なく使われたのは、代替住宅地の盛り土や周辺の生活道路など。毎日新聞は地権者の同意を得て代替地3カ所から建設資材の砕石を採取し、環境省指定の第三者機関に鑑定を依頼。その結果、有害物質のフッ素が環境基準の5〜23倍検出された。環境基準の対象ではないが、植物に影響を及ぼすとされる強アルカリ性も示した。
建設資材は、その主成分から鉄の精製時に出る副産物で石や砂の形をしている「鉄鋼スラグ」とみられ、製造過程で添加されたさまざまな化学物質が残存することがある。スラグは、環境基準を下回ることを前提に道路資材など一部での使用が認められている。
スラグを巡っては大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出た有害物質を含むスラグが渋川市の建設会社に販売された際、販売額より高額な「引き取り料」とみられる費用を支払う「逆有償取引」だったことが1月に発覚し問題化。今回の代替地を巡る工事にも同じ建設会社が関与していた。同社はこれまで八ッ場ダム関連工事十数件に参加し、大同から引き取ったスラグを天然砕石に混ぜて使っていたという。
国交省は八ッ場ダムの代替地の盛り土などの工事に天然砕石を使用するよう義務付け、渋川市の建設会社から提出された材料証明書にも天然砕石と記されていた。だが、毎日新聞と同様の情報を得た同省は現場の砕石を採取し、スラグとみられる砕石を確認。施工業者から事情を聴いている。
八ッ場ダムの代替地には2007年時点で水没予定5地区の134世帯が移転を希望し、今年3月末時点で84世帯が移転。10月にはダムの本体工事に入る見通し。
スラグは廃棄物処理法上は産業廃棄物とされ、最終処分には通常1トン当たり2万〜3万円掛かるが、「逆有償取引」なら1トン当たり数百円程度で引き渡すことも可能とされ、費用が大幅に削減されるという。
八ッ場ダムは1952年に旧建設省が調査に着手し85年に住民が建設を容認、2007年から水没予定地の代替地の分譲を始めた。09年の民主党政権誕生時に一時工事が中断したが、11年に建設再開を決定し、今年10月からダムの本体工事に入る見通し。代替地には07年時点で水没予定5地区の134世帯が移転を希望し、今年3月末現在、84世帯が既に移転している。
渋川市の建設会社社長は毎日新聞の取材に「スラグが誤って混じったことはあるかもしれないが、故意に入れたことはない。仮に出てきたとしても混入がわずかであれば有害物質の影響は低いから障害はない」と説明。大同特殊鋼は「盛り土にスラグが利用された事実は把握していない。指摘の事実関係を調査する」としている。【杉本修作、沢田勇、角田直哉】
◇言い逃れはできないフッ素値の高さ、すぐにも撤去を
日本環境学会顧問の畑明郎・元大阪市立大大学院教授の話 通常の自然界では環境基準を超えるようなフッ素は検出されず、(偶発的との)言い逃れはできないフッ素値の高さだ。少量でも周囲に悪影響を与えるので、本来、基準を超えれば建設資材に使ってはいけない。むき出しになっているような所はすぐにでも撤去した方がいい。既に建物を造ってしまったなら、側溝の水を調べるなどして監視を続けるべきだろう。
◇環境基準とフッ素
環境基準は人の健康や生活環境の保全のため環境基本法や土壌汚染対策法で定められ、有害物質ごとに上限値がある。有害物質の一つであるフッ素は自然界に存在し、低濃度では虫歯予防効果が知られているが、高濃度では嘔吐(おうと)や腹痛などの中毒症状を起こす可能性がある。
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↑写真1:今度は何を混ぜるのか?ゴミが散乱している。↑
↑写真2:撮影してくださった方も、佐藤建設工業の盛土材置き場がスラグだらけだと分かったそうです。↑
↑写真3:角バリ、黒光り、サビ浮。ごらんのとおり、有害スラグの特徴である3要素を満たす石が無数に写っています。有害スラグに間違いありません。写真ありがとうございました。↑
■国土交通省による上武道路工事では、平成27年3月いっぱいまで、佐藤建設工業の盛り土材が使われ続けました。平成26年2月19日の第186回国会予算委員会でもこのスラグ問題が取り上げられ、国土交通省の調査でも有害物質が検出された有毒スラグを混入したインチキ「混合砕石」ですが、佐藤建設工業は、何事もなかったかのように、有毒スラグを盛土材として使い続けたのです。
関係筋の情報によると、国交省では「施工業者の責任で安全な材料を使用してください」と、業者まかせにしてしまったようです。これだけ社会的に大きな騒動を巻き起こしているのに、「近隣住民の健康被害など関係ない。自分に責任が来なければそれで良い」と考えているとする国土交通用のお役人様には呆れ果ててしまいますが、それよりも、私たちの暮らす郷土群馬県の大地が、汚染され続けているのを放置していることは、どうしても許せません。
有害物質を盛り土に混ぜて、詐欺まがいに不法投棄した環境問題を含むこの問題事案に対して、業者まかせにする国土交通省のお役人様の対応は、国会等で取り上げ問題にしなければ、今後ますます模倣事案が増え、日本の将来に真っ黒な闇をもたらすことでしょう。
平成27年2月当時の、上武国道の工事現場の様子を見てみましょう。
↑写真4:目撃した方々は、口を揃えて、「佐藤の白いスラグ運搬車が我が物顔で走り回って、怖いほどだった」と語っています。↑
↑写真5:何台ものスラグ運搬車が出入りしている様子が見えます。スラグ運搬車が交差しているのがわかりますか?大同特殊鋼からの豊富なスラグマネーを背景に、大量に買いそろえたスラグ運搬車。いったい佐藤建設工業には何台の車があるのでしょうか?↑
↑写真6:現場搬入の様子。こんなに山盛りに積んで良いのでしょうか?てんこ盛りですね。↑
■さて平成27年4月以降も上武国道工事は行われます。スラグ問題の扱いはどうなっているのでしょうか?疑わしいブラック佐藤建設工業の建設資材が使用されるのでしょうか?
平成27年4月24日、国土交通省関東地方整備局は”鉄鋼スラグに関する土壌の分析試験結果について”を公表しました。国土交通省の公表内容はこちら↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000682.html
その中で、有害鉄鋼スラグに関して次のことが公表されました。
・「材料直下の土壌における有害物質の含有量等を確認するため、土壌汚染対策法に準じた分析試験を実施しました」
・「高崎河川国道事務所の発注した4工事の施工箇所において、「ふっ素」の溶出量が基準※3に定める基準値を超えて検出されました」
併せて、今後の対応についても言及しています。さらに、なお書きでは、「なお、土地の所有者の意向および関係機関の依頼により、当該材料を撤去することで調整の整った2工事の施工箇所については、撤去を実施します。」と撤去にまで公表に及んでいます。
■「高崎河川国道事務所の発注した4工事」とは次の工事を指します。
①半田拡幅改良工事
②田口改良その4工事
③漆原舗装その1工事
④上武道路橋梁下部その2工事
これらはいずれも、ブラック佐藤建設工業が建設資材を納入しています。調査箇所を見ると盛り土が3現場、路盤が1現場となっています。
市民オンブズマン群馬では、特別プロジェクトチームの「リットン」調査団らによる調査と分析の結果、「佐藤建設工業が納入した盛り土材・下層路盤材・上層路盤材の全ての建設資材に有害スラグが不法投棄された」ことが判明したと報じてきました。国交省の今回の公表内容を見ると、それを裏付けられた格好となっています。
■例えば、盛り土について「承認願い・材料試験成績表」では、天然石100%で製造した、となっているはずです。しかし実際には有害スラグが不法投棄されていました。どこかで偽装工作がおこなわれていたことになります。それでは、どの時点で、「承認願い・材料試験成績表」が偽装された詐欺まがいの試験表が使われたのでしょうか?大同特殊鋼が有害スラグ混合砕石の製造を止めた時点までなのでしょうか?
大同特殊鋼が有害スラグ混合砕石を製造中止した後も、しばらく、東吾妻町箱島の中央混合所に有害スラグが山積みにされ、佐藤建設工業が勝手に積込み販売していたという目撃証言が当会に報告されています。中央混合所は元々佐藤建設工業の土地を大同に貸している場所であり、積込み用の重機も佐藤建設工業の所有・管理で自由にできたからです。
また毎日新聞によると大量の有害スラグが行方不明と報道されています。末尾に毎日新聞の記事を引用しましたので、ご参照ください。
■平成25年3月、有害スラグの置き場に困り、“群馬丸太運輸が大同特殊鋼から佐藤建設工業の村上砕石場まで運搬するダンプトラックを探し回っていた”という情報が当会に寄せられています。中央混合所だけでなく、村上砕石場など、佐藤建設工業の管理土地の全てが、有害スラグ置き場となっていたのです。今でも、有害スラグを隠し持っていて、「今度はバレないようにしなくちゃ。ほんの少しずつ、バレないようにね」と薄ら笑いを浮かべながら、慎重に天然砕石を混ぜているかもしれないのです。
佐藤建設工業は毎日新聞社の取材に対して、“(盛り土に)有害スラグを故意に混入したことはない”、と話しています。しかし、実際には盛り土に有害スラグは混入されています。佐藤建設工業の態度は悪質で、“何をしでかすか”わかりません。住民の不安は、ますます募るばかりです。
しかし、佐藤建設工業が公にスラグ混入を認めないかぎり、どこまでが安全な材料なのかは、調べようがありません。なぜなら佐藤建設工業は全て安全な材料と言い張っているからです。
■当会では、群馬県に“県が大同から聞き取り時に入手した有害スラグ出荷情報”を開示請求しました。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1642.html
しかし県土整備部は、「請求された情報は、不確定な情報のため、その内容を公にすることにより、県民の誤解や憶測を招き、不当に県民の間に混乱を生じさせるおそれや不利益を及ぼすおそれがあるため」として開示しませんでした。
奇しくも群馬県が指摘しているとおり、今回の有害スラグ不法投棄事件は、「不当に県民の間に混乱を招く恐れのある事件」であるといえます。佐藤建設工業のスラグ運搬が走り回れば、それだけで県民は混乱し、「不当に県民の間に不利益を及ぼす」ことでしょう。
群馬県の県土整備部様におかれましては、ただちに確定情報を収集する責任と義務を果たしてもらい、スラグ対策を業者任せにする国土交通省のお役人様に、“不当に県民の間に混乱を招く恐れがあるから、佐藤建設工業の建設資材を使用しないよう”、即刻ご指導いただきたいものです。
■さて、これから施工が佳境を迎える上武国道の工事と落札金額をネットで調べてみました。
・開札日2015年3月17日「上武道路上細井改良その5」 沼田土建 149,000,000円
・開札日2015年3月17日「上武道路上細井改良その6」 池下工業 124,000,000円
・開札日2015年3月17日「上武道路上細井改良その7」 沼田土建 129,800,000円
・開札日2015年4月24日「上武道路田口改良その2」 宮下工業 141,800,000円
・開札日2015年3月17日「上武道路日輪寺改良その5」 河本工業 260,840,000円
・開札日2015年4月24日「上武道路日輪寺関根改良」 池下工業 178,000,000円
ここで疑問なのは、平成26年12月26日に国土交通省が盛り土の中に有害スラグが含まれていることを公表したのに、またまた同じ業者に工事を発注していることです。
国土交通省の公表はこちら↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000671.html
なぜ、不法投棄に係った工事業者を指名停止にしなかったのでしょうか?水源県でもある我らが群馬県の県土の汚染に係わった業者を指名停止にするのは、お役人様の責務ではないでしょうか?
■これらの落札業者のうち、特に沼田土建は、群馬県建設協会の会長を務め、県内の業界の重鎮企業です。にもかかわらず、同社は、佐藤建設工業と組んで上武道路工事を何本も受注してきており、有害スラグについても大量に不法投棄した疑惑が浮かび上がってきます。
また、池下工業、宮下工業も、ともに上武道路工事の常連であり、沼田土建とともに、有害スラグを使用していたにもかかわらず、国交省高崎河川国道事務所長の優良工事表彰を受賞しています。
佐藤建設工業と組んでの不法投棄疑惑が浮かんでいる、こういった錚々たる会社の皆様が、国土交通省の有害スラグ撤去の公表を契機に、佐藤建設工業との関係を断てるかどうか、非常に注目されます。
■佐藤建設工業が供給していた盛り土は、ただちに“撤去”されなければならないほどの有害物質を含んだ盛り土なのです。
再び、佐藤建設工業から盛り土を購入する業者が現れるとすれば、それこそ“一蓮托生”“毒を食らわば皿まで”と判断したと見なすことができます。今回の、政官業癒着による大規模な有害スラグ不法投棄疑惑は、原因者のみならず、共犯者の洗い出しにも場面を拡げていくことでしょう。
【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項つづく】
※参考情報
**********毎日新聞2014年08月06日 07時15分
http://sp.mainichi.jp/m/news.html?cid=20140806k0000m040150000c&inb=mo
八ッ場ダム:国道「路床」にも有害資材 帳簿から行方不明
国が群馬県長野原町で建設を進める八ッ場(やんば)ダムの移転代替地に有害物質を含む建設資材が使われていた問題で、同県を走る国道の「路床」にも有害資材が許可なく使用されていたことが毎日新聞の調べで分かった。有害資材は約3.5キロ離れた2カ所で検出され、関係者の証言によると大量使用されたとみられる。一方、ダムや国道の工事に関与した同県渋川市の建設会社では、帳簿上保管されているはずの同種の資材約9000立方メートルの行方が分からなくなっていることも判明した。【杉本修作、沢田勇、角田直哉】
有害資材の無許可使用が確認されたのは、前橋市などで建設中の国道17号バイパスの路床部分。八ッ場ダムの代替地などと同様、資材は大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から渋川市の建設会社が引き取った「鉄鋼スラグ」とみられる。
このスラグを巡っては同国道の「路盤」に使われていたことは判明しているが、路盤への使用は国土交通省に認められている。一方、路床については天然砕石の使用が義務づけられ、渋川市の建設会社は天然100%の砕石を使うとする材料証明書を提出していた。
関係者によると、同社がスラグを路床にも使用したのは、大同特殊鋼の工場から出るスラグの在庫を圧縮するのが目的。厚さが数十センチの路盤だけではスラグを使い切れないが、路床は盛り土部分を合わせると高さ数メートルにも達するため「天然砕石に混ぜて大量のスラグを使うことができた」(関係者)という。
毎日新聞は建設中の国道2カ所からスラグとみられる砕石を採取し、環境省指定の第三者機関に鑑定を依頼。主成分などがスラグの特徴と一致し、環境基準を超える有害物質「フッ素」が検出された。国交省もスラグと特徴の似た砕石を確認し、調べを進めている。
一方、大同特殊鋼から出たスラグと天然砕石を混ぜた資材約9000立方メートルが渋川市の建設会社に出荷後、行方不明になっている。
大同によると、渋川市の建設会社との「逆有償取引」などが問題になった今年1月に群馬県が廃棄物処理法違反の疑いで立ち入り検査したことに伴い、大同の出荷伝票と、建設会社から受け取った建設資材の管理報告書を調べたところ、約9000立方メートルについて行方を確認することができなかったという。県はスラグが廃棄されたり無許可で工事に使われたりした可能性もあるとみて調べている。
渋川市の建設会社社長は「帳簿と合わない理由は分からない。路床に故意に混入したことはない」とし、大同は「行方不明のスラグは今後も調査を続けたい。路床については事実関係を調べている」とコメントした。
**********毎日新聞 2014年08月05日07時30分
八ッ場ダム:代替地整備に有害資材 ふっ素 環境基準の23倍
国が群馬県長野原町で建設を進める八ッ場(やんば)ダムで、水没予定地からの立ち退きを求められた住民の移転代替地の整備に、有害物質を含む建設資材が使われていることが分かった。国土交通省も同様の情報を得て調査を進めている。有害物質は環境基準の5〜23倍に達し、専門家は「撤去が望ましい」と指摘。今後のダム工事や住民の移転計画に影響を与える可能性が出てきた。(社会面に関連記事)
ダム関連工事の関係者によると、有害物質を含む建設資材が許可なく使われたのは、代替住宅地の盛り土や周辺の生活道路など。毎日新聞は地権者の同意を得て代替地3カ所から建設資材の砕石を採取し、環境省指定の第三者機関に鑑定を依頼。その結果、有害物質のフッ素が環境基準の5〜23倍検出された。環境基準の対象ではないが、植物に影響を及ぼすとされる強アルカリ性も示した。
建設資材は、その主成分から鉄の精製時に出る副産物で石や砂の形をしている「鉄鋼スラグ」とみられ、製造過程で添加されたさまざまな化学物質が残存することがある。スラグは、環境基準を下回ることを前提に道路資材など一部での使用が認められている。
スラグを巡っては大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出た有害物質を含むスラグが渋川市の建設会社に販売された際、販売額より高額な「引き取り料」とみられる費用を支払う「逆有償取引」だったことが1月に発覚し問題化。今回の代替地を巡る工事にも同じ建設会社が関与していた。同社はこれまで八ッ場ダム関連工事十数件に参加し、大同から引き取ったスラグを天然砕石に混ぜて使っていたという。
国交省は八ッ場ダムの代替地の盛り土などの工事に天然砕石を使用するよう義務付け、渋川市の建設会社から提出された材料証明書にも天然砕石と記されていた。だが、毎日新聞と同様の情報を得た同省は現場の砕石を採取し、スラグとみられる砕石を確認。施工業者から事情を聴いている。
八ッ場ダムの代替地には2007年時点で水没予定5地区の134世帯が移転を希望し、今年3月末時点で84世帯が移転。10月にはダムの本体工事に入る見通し。
スラグは廃棄物処理法上は産業廃棄物とされ、最終処分には通常1トン当たり2万〜3万円掛かるが、「逆有償取引」なら1トン当たり数百円程度で引き渡すことも可能とされ、費用が大幅に削減されるという。
八ッ場ダムは1952年に旧建設省が調査に着手し85年に住民が建設を容認、2007年から水没予定地の代替地の分譲を始めた。09年の民主党政権誕生時に一時工事が中断したが、11年に建設再開を決定し、今年10月からダムの本体工事に入る見通し。代替地には07年時点で水没予定5地区の134世帯が移転を希望し、今年3月末現在、84世帯が既に移転している。
渋川市の建設会社社長は毎日新聞の取材に「スラグが誤って混じったことはあるかもしれないが、故意に入れたことはない。仮に出てきたとしても混入がわずかであれば有害物質の影響は低いから障害はない」と説明。大同特殊鋼は「盛り土にスラグが利用された事実は把握していない。指摘の事実関係を調査する」としている。【杉本修作、沢田勇、角田直哉】
◇言い逃れはできないフッ素値の高さ、すぐにも撤去を
日本環境学会顧問の畑明郎・元大阪市立大大学院教授の話 通常の自然界では環境基準を超えるようなフッ素は検出されず、(偶発的との)言い逃れはできないフッ素値の高さだ。少量でも周囲に悪影響を与えるので、本来、基準を超えれば建設資材に使ってはいけない。むき出しになっているような所はすぐにでも撤去した方がいい。既に建物を造ってしまったなら、側溝の水を調べるなどして監視を続けるべきだろう。
◇環境基準とフッ素
環境基準は人の健康や生活環境の保全のため環境基本法や土壌汚染対策法で定められ、有害物質ごとに上限値がある。有害物質の一つであるフッ素は自然界に存在し、低濃度では虫歯予防効果が知られているが、高濃度では嘔吐(おうと)や腹痛などの中毒症状を起こす可能性がある。
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