■公務員のズサンな勤怠管理で多額の血税が失われていることは各地の事例で明らかですが、不祥事件が多発する前橋市の場合、やはりきちんとした職員管理ができていないことが大きな要因の一つと思われます。そこで、当会では不倫相手の職員の時間外手当を不正に認めていた前橋市役所の実態について、7月2日付で、前橋市長に関する措置請求書を、前橋市監査委員あてに発出しました。その後、8月1日(水)午前10時から当会の代表と事務局長、および会員2名が前橋市役所を訪れて、代表と事務局著が約1時間にわたり陳述したりして、8月30日(木)に、前橋市監査委員事務局から、監査委員4名の名義で監査結果通知が送られてきました。その後、9月8日に同じく監査委員事務局から、「住民監査結果に対する措置通知」が届きました。内容を精査した結果、当会としては、ぬるま湯体質の前橋市役所を正すためには、やはり住民訴訟を提起するしかないとの結論に達し、本日9月28日午後3時半ごろ前橋地裁を訪れ、訴状提出の手続きを行いました。
なお、この問題の経緯等は次のブログをご覧ください。
〇2018年3月29日:
再発防止になるの?…印章偽造の職員に減給10分の1(1か月間)の大甘処分を決めた前橋市↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2600.html
〇2018年5月3日:
前橋市役所職員による勤務不正申告の実態について前橋市長に報告書を提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2628.html
○2018年6月5日:
前橋市職員による勤務不正申告の実態報告書の感想と見解を聴取すべく前橋市役所を訪問↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2659.html
○2018年7月2日:
前橋市職員による勤務不正申告の実態報告をもとに前橋市に損害回収を求める住民監査請求書を提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2683.html
〇2018年7月4日:
前橋市職員の勤務不正申告による損害回収を求める住民監査請求書の内容を確認してきた前橋市監査委員↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2684.html
○2018年7月15日:
前橋市職員の勤務不正申告による損害回収を求める住民監査請求書をようやく受理した前橋市監査委員↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2697.html
○2018年8月2日:
前橋市職員の勤務不正申告による損害回収を求める住民監査請求手続のため監査委員の面前で陳述↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2718.html
○2018年9月3日:
前橋市職員の勤務不正申告による損害回収を求める住民監査請求の結果通知が到来!↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2741.html
〇2018年9月21日:
前橋市職員の勤務不正申告による損害回収を求めた住民監査結果に対する措置通知到来!↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2761.html
■今回、提出した訴状は次のとおりです。
*****
訴状*****
訴 状
<収入印紙>
平成30年9月28日
前橋地方裁判所民事部 御中
〒371-0801 群馬県前橋市文京町一丁目15-10(送達場所)
原 告 鈴木 庸 印
電話 027-224-8567
携帯 090-9134-2942
FAX 027-224-6624
〒371-8601 群馬県前橋市大手町二丁目12番1号
被 告 前橋市長 山 本 龍
不倫職員時間外手当等不正支払損害賠償請求事件
訴訟物の価額 金160万円(算定不能)
張用印紙額 金13,000円
第1 請求の趣旨
1 被告は、被告の不倫職員らが、時間外に公民館を舞台に目的外使用したり、公務でもないのに時間外に勤務したとして、また重大な疾病でもないのに傷病休暇を認めて不倫職員らに支払った手当、給与を、期間の徒過に伴う遅延損害金にかかる法定利息5分を含めて、当該職員をして前橋市に返還させよ。
2.訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。
第2 請求の原因
1 当事者
(1) 原告は前橋市の住民であり納税者である。
(2) 被告は、前橋市長であり、上記・職員らを管理・監督する者である。
2 住民監査請求
(1)平成30年7月2日、原告は前橋市監査委員に、地方自治法第242条第1項により、不倫関係にあった前橋市職員石田健一と同小島美帆が南橘公民館を舞台に定時後も時間外と称して本来の公務ではない目的外使用をしたことや、週末に公務に従事していないにも関わらず出勤扱いとして時間外手当を故意に請求し、さらにはこれらの不正行為の発覚がバレたため、小島美帆に、特段業務に支障のない状態にあるにも関わらず精神的ストレスによる疾患を理由に、医師の診断書を提出して長期間ズル休みをさせて、もって前橋市に公金を不当に支出させたこと(以下、「本件損害」という。)について措置請求(甲第1号証)を行った。
(2)平成30年7月4日、前橋市監査委員は原告に対して住民監査請求に関して5項目の確認を依頼してきたので、同6日、原告は前橋市監査委員に対して5項目について回答を文書で提出した(甲第2号証)。
(3)平成30年8月1日、原告は前橋市監査委員に対して、地方自治法第242条第6項の規定に基づき、意見の陳述と証拠の提出(甲第3号証)を行った。
(4)平成30年8月30日、原告は、前橋市監査委員から監査結果(平成30年8月28日付、前監第13号)(甲第4号証)を受け取った。
(5)平成30年9月7日、前橋市監査委員は原告に対して、住民監査結果に対する措置(前監第15号)を通知し、小島美帆から3,226円を被告に返還させることを伝えた(甲第5号証)。
(6)しかしながら、原告は監査結果や結果措置に対して不服である。
3 監査請求の内容
(イ) 公金の賦課徴収を怠る事実
<事実関係と違法不当理由>
請求人には、2018年3月末まで前橋市の南橘公民館・市民サービスセンターで勤務していた市役所の職員とその関係相手の職員の仰天すべき行動について、複数の市民から情報提供が寄せられました。そして、その情報の内容からうかがえる前橋市のこの一部職員の行状は、あまりにも酷すぎるため、この南橘公民館における、こうした一部職員による不正行為の実態について、前橋市のトップである貴殿をはじめ、ひろく情報を知っていただくことが再発防止の為にも必要だと考えて、2018年5月2日付で前橋市長に書面で直接報告し、善処を求めました。その結果、当該職員とその関係相手の職員は、先日、降格処分や懲戒処分、そして配置転換が行われたようです。
しかし、いまだに当該職員らによって前橋市に与えられた損害に対する回収のための措置が取られていないため、ここに措置請求を行わせていただきます。
この南橘公民館における不正の対象者は2名です。
所長の石田健一氏(49歳)と小島美帆氏(25歳)であります。
勤務中にこの2名に対し【不信感や不正】を感じ始めたのは平成29年4月頃からです。
この二人は平成29年4月から不倫関係にありました。
現に、後日不倫関係が明るみになった時に、この関係を認める少なからぬ関係者のかたがたが証言をしております。小島氏の配偶者の証言もそのなかに含まれます。
不倫発覚の発端となったのは、幾度となく課業時間内に二人で外出を繰り返すようになったことです。あまりの外出頻度に「また買い物? 何しに行ってるの?業務と関係あるの?」という発言や不信感が、まっとうに勤務している南橘公民館の職員の皆さんの間で取り沙汰されるようにもなりました。
この2人の行動から、【休日出勤手当や残業手当や休暇取得】について、不正がありそうだという疑惑が職場内で広がりました。そして、不正の疑惑は真実となりました。
次に、それらの不正の実態例を列挙します。
<不正その①>平成29年6月10日(土)
この日は週末の土曜日でした。前橋市田口町のホタル祭りにおいて、小島氏は配偶者と子供と参加しました。ここで偶然居合わせた南橘公民館のまっとうな職員のかたが、小島美帆氏の飲酒をしている現場を確認しております。子供と配偶者と参加しているだけにも関わらず、時間外手当が支給されるように申請されていました。この件に関して、石田氏が自ら記載した簿冊もあります。
この日の時間外勤務申請は、「17:30~20:30」と記載されていました。
ここで当然のことですが、次の疑念が湧いてきます。
家族で出かけているだけにも関わらず、この時間外手当の申請は一体何なのでしょうか?この時間外勤務については、その後、平成29年6月28日(水)に職場で同僚たちから「不正受給だ」と追及を受けたため、小島氏は「石田氏が勝手に記載しただけだから」と自ら不満そうに取消しました。
<不正その②>平成29年6月13日(火)
このときの不正は、公民館事務所内で行われました。
不正に取得された時間外受給は「17:15~19:30」と記載されております。この日もいつものように石田氏と小島氏の二人で残業するとのことだったので、「本当に業務をしているのかどうか」を確かめるべく、ひとりの職員のかたがボランティアとして張り込みました。
ここで彼らがしていたのは、地域行政に関わる残業などではなく、【おしゃべりと淫行】だったのです。ここでの状況につきましては、小島氏が体調不良(発熱?)の子供と電話をしていた様子も併せて、当該張り込み職員が、確認をしております。この後ようやく、公民館内事務所での淫行が終了しました。そして19時25分に二人は職場を後にしております。
ここは市民の行政窓口であり、税金で建設されている公民館です。ホテルではありません。残業と嘘をつき、このような行為をして、税金による時間外手当を受給している事は市民感情として到底許せることではありません。もちろん税金の無遣い撲滅を活動の柱の一つに掲げている当会としても同じ気持ちです。
<不正その③>平成29年6月18日(日)
この日は前橋地域づくりフェスタが開催されました。ここでも小島氏は配偶者と子供と参加しました。その様子は南橘公民館の職員のかたがたが確かに目撃しております。家族連れで参加しているにも関わらず、時間外勤務手当が「10:00~12:00」分が支給されてしまっています。
しかも小島氏は、この地域づくりフェスタの担当者ではありませんでした。わざわざ休日出勤をする必要もない事は明らかですので、誰がみても不自然な出勤です。
本来の担当者は石田氏と出勤していますので、南橘公民館の職員からも「なぜ、担当者が出勤しているのに、担当者以外が休日出勤をして時間外勤務手当を受給するのだ?」との声も上がっておりました。
恋愛関係・不倫関係に熱を上げるのは自己責任の範囲内で自由なのかもしれません。しかし、市民の大切な税金が【正当な理由のない時間外勤務手当が、石田氏の一存で】支払われていたのです。
こうした事実を見れば、上記の行為は、まさに正当な理由のない「時間外手当」の支給、すなわち「不正支給」と疑われても反論の余地は無いのではないのでしょうか?
この日の支給金額についても詳細な情報は当会としてもまだ入手できておりませんが、確実に市民の税金が石田氏の一存で目的外に費消されたことは明らかです。
この件(不正その③)に関しては、本庁の職員課に報告が上がり、そのあおりで南橘公民館の職員の皆さんは平成30年2月5日(月)に聞き取り調査を公民館において受けております。
ここで驚くべきことは、【正当な理由のない時間外勤務手当の受給はおかしい!】と勇気をもって声をあげたまっとうな職員に対し、職員課の課長補佐は「証拠はあるのか? 証拠は無いでしょう? テント内部で勤務していたそうだが、それは見たのか?」と逆に高圧的に、追及をしてきたとの事です。
なお、この聞き取り調査を絶好の機会と捉えた職員からは、併せて【石田氏からの宴席等でのセクハラ】についての重要な報告が申し述べられました。ところが、この件に関しても、調査役の課長補佐は、石田氏の不正行為に係る大事な情報なのに、あろうことか「証拠はあるのか?・・・・・・」などというトンデモナイ発言を繰り返していたとのことです。勇気をもっての報告にも耳を貸そうともしないのでは、一体何の為の聞き取り調査なのでしょうか。これでは、市民としては行政への不信感のみが増幅するばかりです。
勇気を振り絞ってセクハラの被害を報告した職員のかたは、逆に自ら正しいと思ってした行動を否定されたかたちとなったことから、吐き気を催し、その日は体調不良となってしまいました。不正を報告してもすべてもみ消されてしまうのが前橋市役所内の現状です。
話しが前後してしまいますが、再び不正項目に戻ります。
<不正その④>【不正行為に対する前橋市の事なかれ主義】
石田氏・小島氏の目に余る秩序を乱す行動そして、公務員として地域行政携わる者としての、品格の欠如や業務不履行に我慢のできなくなったある職員のかたは、平成29年7月10日(月)夜半、この二人に対して、直接会話で「通常業務をさせてほしい、窓口業務に支障がでている。恋愛ごっこは職場外でやって欲しい。もし変わらないのであれば小島氏の配偶者にも相談する。」とこれ以上職場の規律が乱されないようにすべく懇願しました。調べによると、小島氏の配偶者のかたも市役所職員であることが分かっています。後日判明したことですが、その当日の夜、小島氏は自ら配偶者に不倫関係の概要をカミングアウトしたということです。
平成29年7月12日(水)、小島氏の配偶者は不倫関係を確認するため南橘公民館に来館してきました。
ここで大きな問題かつ重要な項目は、不倫が明るみになるや否や、小島美帆氏は平成29年7月14日(金)に傷病休暇申請をし、平成29年7月18日(火)より以後4か月間の傷病休暇を取得したことです。これは言わば、勝手に不倫をした挙句、自らの立場が悪くなったと察すれば、傷病休暇で雲隠れをしておいて、しかし給料はしっかりともらい受けるという、民間では有り得ないウルトラC(今でいうG難度やH難度)を発揮したことです。
そして、こうした社会のコンプライアンスに反する行動さえも、不倫相手の石田氏は無論のこと、市役所さえ容認していることが最大の問題であると言うことができます。
南橘公民館の職員の皆さん全員が、この問題について本庁の関係部署に報告していたにもかかわらず、こんなにも理不尽な事が実際にまかり通っているのですから、モラルもコンプライアンスもあったものではありません。身勝手な不倫をした挙句に、なおも市民の税金を食い物にした行動が、果たして許されてよいのでしょうか?
現在、小島氏の傷病理由は「職場内のいじめ」ということにすり替えられてしまいました。しかし、到底「いじめ」を受けていた者とは思えない宴会等においてはしゃぐ姿を記録した写真も多数当会に寄せられております。傷病休暇理由を「いじめ」にすり替える事で、正当な理由に対して許されるべき傷病休暇の取得がないがしろにされてしまった事に、オンブズマンとしては、看過するわけにはまいりません。ここでも給料(税金)受領の為に偽装行為がまかりとおっていることをうかがわせます。
<不正その⑤>【他人名の印鑑を無許可購入後の不正利用】
平成30年3月29日のマスコミ記事でも報じられたように、石田氏は平成29年8月31日に退職した職員の名前と同じの印鑑を購入し、自らの休暇簿の【不正改ざん】をしていました。改ざん日付は平成29年6月20日(火)でした。
平成29年6月20日(火)、石田氏は休暇を取得していましたが、他人の名前の印鑑を購入後に、不正に出勤簿を作り替えました。
平成29年6月20日(火)の休暇取得は、「無かったこと」として作り替え(いわゆる森友問題でも取りざたされている「改ざん」と同義語)られました。概要は平成29年8月31日に退職した「庶務職員」がいなくなったのちに、石田氏は自らの休暇簿を新たに作成し直し、上記記載の退職した職員の印鑑を勝手に購入し、自らの休暇取得の隠ぺいのために使用しました。
所属長であれば、部下の印鑑も勝手に購入して、不正に使用し、休暇簿の不正修正にも利用する事が許されるのでしょうか?まさに、当会が23年前に群馬県庁で蔓延していた悪弊を浮き彫りにした「カラ出張」「出張費の水増し」「官官接待」をほうふつとさせる「カラ出勤」「傷病休暇の水増し」「官官同士の慣れ合い」であります。
(ロ)財産の管理を怠る事実
<事実関係と違法不当理由>
今回、請求人が措置請求をさせていただいたのは、石田氏との不倫関係の結果、“実現”してしまった小島氏の「家族同伴(不正時間外勤務)出勤」についてです。
民間の家庭においては、「休日出勤」をどうしてもしなければならないなら、子供さんを休日料金のかかる保育園・託児所等に預けて出勤・生活をするのが、常識ではないかと思います。ところが、あろうことか、小島美帆氏は「所属長が許可したことだから!」と悪びれる様子もなく、上記に記したとおりの行動にもかかわらず、なぜか【正当な理由のない時間外勤務手当】を受給していました。あるいは誰も知らないところで、今でもその状況が続いているかもしれません。
所属長の一存で、こんなにも市民からすれば理不尽な税金の使われ方があっていいのでしょうか?ごく一部の不正に手を染めた公務員だけが手厚い待遇を受けることも許されるのでしょうか?
結果的に、不倫関係の“おかげ”であらゆる不正手当を許されていたから、何の躊躇もなく、市民の税金を使用した【正当な理由のない傷病休暇】も取得できるわけです。
今回の一件で、上記のような理不尽な実態から眼を逸らせることなく、決して個人的な感情ではなく、公務員倫理に照らしてきちんと判断された南橘公民館のまっとうな職員の皆さんには、当会として最大限の賛辞を贈りたいと思います。
皆さんは、社会人として、大人として、目の前で起きている不正に対し声を上げてくださいました。もしこうした行為がなされなければ、彼ら二人は何の不利益も被ることなく税金をこれからも食い物にしていくことでしょう。
公務員であれば常にこうした気持ちを強く持ち続けなければなりません。真面目に働いている職員の皆さんも沢山います。しかし、今回報告させていただいた上記の内容のとおり、前橋市役所には、何のためらいもないまま、このような不正を働く者が存在するのです。
これらの問題を、まっとうな職員の皆さんが。勇気を出して上層部に報告しても、取り合ってもらえないのが前橋市である事もまた事実なのです。実際に、今回の事案では、職員の皆さんは、職員課、生活課、生涯学習課等に報告をして来ました。なぜもっと円滑時克迅速に問題解決が図れなかったのでしょうか。
石田氏のこの事案により、館長の一存で南橘公民館の時間外手当等は何とでもなることがわかりました。市民の大切な税金のこのような使い方を、我々オンブズマン活動を実践している請求人としては、決して許すわけにはまいりません。
さらに付け加えれば、当該職員らの前橋市管理施設内の密会という目的外行為は住居権侵害(刑法第130条)に相当します。そして、その違法行為について未だに告訴しない前橋市長の不作為は犯罪告発義務(刑事訴訟法第239条第2項)違反に当たります。
この根拠としては、最高裁判例(昭和58年4月8日)により、管理権者が予め拒否の意思を明示していなくても現に行われた立ち入り行為を管理権者が容認していないと合理的に判断される時は、他に犯罪成立の阻却事由(=正当事由)がない限り住居侵入罪が成立すると判示しており、前橋市当局には告発義務が当然生じます。にもかかわらず、当該職員を懲戒処分で停職9か月、管理職からの降任処分で済ませた前橋市長の措置は不当ということができます。これは、財務会計上の行為とは別ですが、今回の措置請求の背景として勘案していただければ幸いです。
<前橋市が被る損害>
前述の通り、前橋市が被る損害額は、表面的には、時間外勤務については、不正その①に関して3時間、その②に関しては2時間15分、不正その③に関しては2時間、不正その④に関しては、4か月間分の給与が不正に支出されたことになります。このほかにも、当該職員とその相手方の職員による不正行為の存在が強く推認できますが、これらについては前橋市当局の調査が不可欠です。
よって請求人は、上記に特定した違法又は不当な「財務会計上の行為又は怠る事実」について、請求人は、前橋市長に対して、当該職員らから前橋市が被った損害をきちんと回収するよう勧告することを求めます。
4 監査結果に対する不服
(1)ところが前橋市監査委員からの監査報告によれば、不正その②「請求事項2」について、公民館で所長と部下が淫行をしていた2017年6月13日(火)の17:15~19:30に亘る時間外手当の不正給付については、原告が、今回の住民監査請求を行った2018年7月2日の直前の6月の給与を差し引く形で、返還済みであることが明らかになった。しかし、この時の返還金額は不詳であり、しかも、1年間の遅延損害金として法定金利が加算されているかどうかも不明のままである。被告は返還金額を明らかにし、遅延損害金がいくら加算されているのか否か、加算されていない場合にはきちんと法定金利5分が加算されなければならない。
(2)不正その③「請求事項3」について、前橋市監査委員は、職員小島は、職員石田の指揮命令下に置かれていたと評価できないとして、職員小島に3,226円の返還を求める結果措置をおこなったが、これについても、1年余りの遅延損害金が見込まれるが、それが含まれているのかどうか、定かでない。加算されていない場合にはきちんと法定金利5分を加算しなければならない。
(3)不正その④「請求事項4」について、前橋市監査委員は、職員小島の4カ月に及ぶズル休みを傷病休暇だとして、「私傷病により休職にされたときは、その体職の期間が満1年に達するまでは給与等の100分の80を支給する旨を規定している」ことを根拠に、「それぞれ該当する期間について、医師から安静療養を要すると診断されており、それをもって、病気休暇の承認及び休職発令を行い、その期間中、給与等の支払をしたことについては、法令、条例、規則に基づいた適正な手続及び支給であり、また、その判断は決裁権者の裁量の範囲内と認められることから、違法若しくは不当な財務会計上の行為とする請求人の主張には理由がないものと判断する」として、問題視しなかったが、実際には、職員石田や職員課ら市関係者の不当な配慮により、でっち上げたものであり、休暇期間中でも職員小島が平常通り行動していたとする目撃情報もある。よって、4カ月の傷病休暇中に給与等を支払う根拠はなく、相当の遅延損害金を含め、休暇中に支払われた公費は返還されなければならない。
(4)原告は住民監査請求において「このほかにも、当該職員とその相手方の職員による不正行為の存在が強く推認できますが、これらについては前橋市当局の調査が不可欠です。」として、陳述の際にも、職員石田と職員小島の勤怠簿を詳しくチェックし、違法不当な時間外手当が職員小島に支給されているかどうか、例えば平成29年5月4日の時間外手当のチェックを監査委員に求めたが、監査結果には全くそのような調査をした経緯も記されておらず、黙認したかたちとなっている。その後、これまでの原告の調査によれば、平成29年5月4日に加えて、少なくとも同年5月3日、13日、27日、および6月4日などが時間外手当の不正申告による公金支払いが推認される。これらについて、監査委員の怠慢を糾弾するとともに、被告は再度徹底的に事実関係を精査して、損害金を返還させなければならない。
5 前橋市の損失
本件時間外手当の不正支払いや傷病休暇を装ったズル休みに対する給与の不正支払い、に伴い被告が支出した100万円を超えると想定される金額は、公金で負担すべき理由がなく、前橋市の損失である。さらには当該不正支払い金の返還までの約1年前後の期間に生じた遅延損害金として法定利率5分についても、未回収のまま放置されていることから、これらも前橋市の損失である。
6 むすび
以上の通り、〝好色〟公務員による不倫行為を起因とした公的施設における目的外使用は言語道断であるが、不倫行為の対価として、実際には公務に従事していないにも関わらず残業代を申告し時間外手当をせしめる行為をろくに取り締まろうともせず、さらに、そのことにより職場のチームワークを乱す要因を造った職員を、不倫発覚により、職場から隔離すべく、医師の診断書の提出があったとして、疾病の真偽もろくに確かめもせずに傷病休暇を積極的に取得させたことは、日頃から市民に対して税の滞納について厳しく対応している被告のふるまいとは真逆である。このような〝官高民低〟の行政の本質を正すために、本訴を提起した次第である。
第3 証拠方法
甲第1号証の1 前橋市職員措置請求書
甲第1号証の2 事実証明書「事実証明書1 2018年5月2日付前橋市あて文書「前橋市役所(南橘公民館)で起きていた(いる)こと」
甲第2号証 住民監査請求に関する監査委員からの5項目の確認依頼と原告の回答
甲第3号証 住民監査陳述における原告の陳述原稿(監査委員に事前提出)
甲第4号証 監査結果通知
甲第5号証 監査結果に対する措置通知
第4 添付書類
訴状副本 1通
証拠説明書 各1通
甲号証写し 各1通
以上
*****
証拠説明書******
平成30年(行コ)第 号 不倫職員時間外手当等不正支払損害賠償請求事件
原告 鈴木 庸
被告 前橋市長 山本龍
平成30年9月28日
前橋地方裁判所民事部 御中
原告 鈴木 庸 印
証拠説明書
●号証:甲1の1
〇標目:前橋市職員措置請求書
〇原本・写し:写し
〇作成年月日:H30.7.2
〇作成者:原告
〇立証趣旨:被告の不倫職員らの時間外勤務に関する実態と被告の問題意識の希薄な対応の事実。また、本件訴訟の前置を経ている事実。
●号証:甲1の2
〇標目:事実証明書「前橋市役所(南橘公民館)で起きていた(いる)こと」
〇原本・写し:写し
〇作成年月日:H30.7.2
〇作成者:原告
〇立証趣旨:同上。なお、平成30年5月2日に被告に面談時直接手交したもので、住民監査請求書を反映する内容。
●号証:甲2
〇標目:住民監査請求に関する監査委員からの5項目の確認依頼と原告の回答
〇原本・写し:写し
〇作成年月日:H30.7.6
〇作成者:原告
〇立証趣旨:甲1の補足として、9月4日に監査委員がメールで原告宛てに送って来た確認依頼に対する原告の回答。
●号証:甲3
〇標目:原告の陳述原稿
〇原本・写し:写し
〇作成年月日:H30.8.1
〇作成者:原告
〇立証趣旨:住民監査陳述の場における原告の陳述の際に事前に監査委員に配布し、原告がこの原稿にそって口頭説明したことを示す事実。
●号証:甲4
〇標目:監査結果通知
〇原本・写し:写し
〇作成年月日:H30.8.28
〇作成者:前橋市監査委員
〇立証趣旨:被告の不倫職員らの時間外勤務に関する実態と被告の問題意識の希薄な対応の事実指摘に対する前橋市監査委員の怠慢ぶりを示すもの。また、本件訴訟が住民訴訟の前置を経ている事実。
●号証:甲5
〇標目:監査結果に対する措置通知
〇原本・写し:写し
〇作成年月日:H30.9.7
〇作成者:前橋市監査委員
〇立証趣旨:同上。
以上
*****
甲号証*****
●甲第1号証の1 前橋市職員措置請求書
PDF ⇒
●甲第1号証の2 事実証明書1 2018年5月2日付前橋市あて文書「前橋市役所(南橘公民館)で起きていた(いる)こと」
PDF ⇒
●甲第2号証 住民監査請求に関する監査委員からの5項目の確認依頼と原告の回答
PDF ⇒ bqeumf.pdf
●甲第3号証 住民監査陳述における原告の陳述原稿(監査委員に事前提出)
PDF ⇒ broseuqe20180801.pdf
●甲第4号証 監査結果通知
PDF ⇒ bsm.pdf
●甲第5号証 監査結果に対する措置通知
JPEG ⇒ btosum.jpg
**********
■訴状の提出手続きは円滑に進み、地裁に受理されました。おそらく年内に第1回口頭弁論の通知があるものとみられます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】