市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役を兼務する弁護士を群馬弁護士会に懲戒請求

2017-09-29 23:04:00 | 高崎市の行政問題
■先日2017年9月6日、当会に寄せられた情報に基づき調査した結果、「高崎市斎場(高崎市寺尾町1084番地57)の指定管理者に選定されている株式会社プリエッセのホームページに当初、同社取締役として長井友之弁護士の名前が掲載されており、その後、9月13日に突然、取締役から相談役に書き換えられたことが確認されました。このため、高崎市の公平委員が同市の指定管理者の法人の要職についていることは同市や弁護士会のコンプライアンスに照らして問題があるのではないかという市民の声を踏まえて、当会では念のため、事実関係を確認する必要があると考え、同弁護士が所属する群馬弁護士会に調査委請求書を9月27日に提出しました。内容は次の通りです。

長井友之弁護士が所属するたかさき法律事務所(高崎市請地町11番地6 2階)

*****懲戒請求書*****
            懲 戒 請 求 書
                           平成29年9月27日
〒371-0026 群馬県前橋市大手町3丁目6-6 群馬弁護士会館県民法律センター
群馬弁護士会
会長 釘 島 伸 博 殿
             懲 戒 請 求 者
             住所 〒371-0801群馬県前橋市文京町一丁目15-10
             氏名 市民オンブズマン群馬
                代表 小川 賢     印
             生年月日 1952年3月5日
             TEL:090-5302-8312(携帯)、027-224-8567(事務局)
             FAX:027-224-662

             対 象 弁 護 士(被調査人)
             住所 〒370-0067群馬県高崎市請地町11番地6 2階
             氏名 長井 友之
             登録番号 22493
             法律事務所 たかさき法律事務所
             TEL:027-325-9123
             FAX:027-325-4101

            【懲戒請求の趣旨】
1 対象弁護士(被調査人)の懲戒の処分を請求する。

            【懲戒請求の理由】
1 対象弁護士は、所属弁護士事務所のHPの自身の紹介欄に「主な公務・会務」として「平成20年:高崎市等公平委員会委員長(現職)」と記載しています。
※参考URL:たかさき法律事務所http://www.takasaki-law.gr.jp/lawyers_nagai/
2 日弁連が発行している弁護士向けパンフレット「自治体内弁護士という選択~切り拓け自治体法務!」によれば、平成16年の時点では、弁護士の任期付き職員は2名だけでしたが、その後大幅に増加しており、その多くは総務・法務部門に配属されており、教育委員会や労働委員会などの行政委員会で活躍している弁護士もいるようです。
※参考URL:弁護士向けパンフレット
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/jichitainai_bengoshi_pam_2016.pdf
3 上記1と2が事実とすれば、平成20年から高崎市等の公平委員会委員長に就いている対象弁護士は、特定/一般任期付職員は平成14年に成立した「地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律」および条令に基づき、最長5年の任期で自治体の常勤職員となるとあり、既にこの認識を超過していることになります。
4 一方、高崎市斎場の指定管理者として株式会社環境保全センターと共同企業体を組んでいる株式会社プリエッセは2017年9月13日まで対象弁護士の氏名を「取締役」として自社のホームページに掲載していました。ところが同社は同9月13日中に突然対象弁護士の「取締役」を「相談役」に書き換えました。なお、9月6日発行の同社の履歴事項全部証明書で確認できる過去の役員に対象弁護士の名前は無かったが、なぜ同社が対象弁護士を取締役として掲載していたことに対象弁護士は気づかなかったのか、また、なぜ最近になって突然、対象弁護士の役職を相談役に呼称変更したのか、強い疑念が持たれます。
なお、法人税法上の相談役は「みなし役員」なので役員報酬を出すことも可能のようです。その場合、同社の定款に相談役の記載があるものとも予想されますが、高崎市は当方関係者による行政文書開示請求に対して、同社の定款を非開示としたため、遺憾ながら確認できておりません。
※参考URL:㈱プリエッセ http://www.prieese.co.jp/00profile.html
5 地方自治法第180条の5第5項の6によれば、「普通地方公共団体の委員会の委員(教育委員会にあつては、教育長及び委員)又は委員は、当該普通地方公共団体に対しその職務に関し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人(当該普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものを除く。)の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。」と定められています。対象弁護士は、㈱プリエッセのいわゆる社外取締役だった可能性があり、9月13日以降は「相談役」として取締役に準ずべき者として引き続き、高崎市斎場の指定管理者の㈱プリエッセに関わっている可能性があり、これが事実とすれば地方自治法の利益相反行為に抵触することになると考えられます。
※参考URL:地方自治法第180条の五第5項の6 
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxrefer.cgi?H_FILE=%8F%BA%93%F1%93%F1%96%40%98Z%8E%B5&REF_NAME=%92n%95%FB%8E%A9%8E%A1%96%40%91%E6%95S%94%AA%8F%5C%8F%F0%82%CC%8C%DC%91%E6%98Z%8D%80&ANCHOR_F=1000000000000000000000000000000000000000000000018000500000006000000000000000000&ANCHOR_T=1000000000000000000000000000000000000000000000018000500000006000000000000000000
6 日弁連の定める弁護士職務基本規程(会規第70号)によると、次のとおり、「組織内弁護士」として職務することを排除していません。
 第五章 組織内弁護士における規律
 (自由と独立)
 第五十条 官公署又は公私の団体(弁護士法人を除く。以下これらを合わせて「組織」という。)において職員若しくは使用人となり、又は取締役、理事その他の役員となっている弁護士(以下「組織内弁護士」という。)は、弁護士の使命及び弁護士の本質である自由と独立を自覚し、良心に従って職務を行うように努める。
 (違法行為に対する措置)
 第五十一条 組織内弁護士は、その担当する職務に関し、その組織に属する者が業務上法令に違反する行為を行い、又は行おうとしていることを知ったときは、その者、自らが所属する部署の長又はその組織の長、取締役会若しくは理事会その他の上級機関に対する説明又は勧告その他のその組織内における適切な措置をとらなければならない。
この中で、「官公署又は公私の団体」とありますが、仮に「官公署及び公私の団体」という場合、即ち「官公署の職員(行政委員会の委員)と同時に民間会社の役員(取締役)」を同時に兼務しつつ、その民間会社が官公署の指定管理者であるときは利益相反等の観点から問題が生じる可能性があります。
対象弁護士の場合、官公署の使用人(公平委員会の委員)及び公私の団体(公的な高崎市斎場指定管理者としての私的な団体であるプリエッセの取締役ないしそれに準じた相談役)に同時に就任していることになれば、利益相反の視点からも弁護士職務基本規程に違反していると解釈できることになります。
※参考URL:弁護士職務基本規程
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/rules/data/rinzisoukai_syokumu.pdf
7 自治体によっては、指定管理者制度において兼業禁止規定を設けているところもあります。たとえば富山県の場合、次の事例を紹介しています。
※参考URL:政策提言「指定管理者制度ってご存知ですか?」(富山県人事課 山本修)
http://www.pref.toyama.jp/branches/1133/derukui/vol200511/derukui22/dk22p14_21.pdf#search=%27%E6%8C%87%E5%AE%9A%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85+%E8%AD%B0%E5%93%A1%27
この中の「⑤ 兼業禁止規定」として、富山県の場合、「指定管理者制度の指定は、請負ではないと解されていますので、自治法上の兼業禁止は適用されず、法上は長や議員が経営する会社等が指定管理者になることも排除されないことになっています。しかし、業務の内容が公の施設の管理という性質上、指定管理者の選定及び指定は、公正に行われるべきことは当然であることから、本県では、手続条例において長や議員が経営する会社等については、自治法の兼業禁止規定を参考に、指定管理者となることができないという規定を置くことにしました。しかし、県の出資法人や公共的団体などについては、自治法の兼業禁止規定の但書きや、改正前の自治法等の規定を参考に、長や議員が代表者であっても、指定管理者となることができることとしています。」と解説が為されています。
※参考URL:「富山県公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例」↓
http://www.pref.toyama.jp/sections/1103/reiki_int/reiki_honbun/i001RG00001155.html
(注:第6条に「選定しないもの」とする記載あり。)
8 群馬県内の指定管理者制度の現状を分かりやすく解説した元高崎経済大学教授が執筆した「指定管理者制度の現状と課題」を見ると、26頁以降に「兼業禁止」について触れられています。その中で、首長や議員及び委員が指定管理者の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人に就いている団体の選定ができないと定めた県内の自治体を上げています。禁止・限定の濃淡はあるのですが、群馬県内では、桐生市・伊勢崎市・渋川市・榛東村・昭和村・玉村町の6団体がある程度の制限をしています。
※参考URL:『地域政策研究』(高崎経済大学地域政策学会)第10巻第1号2007年7月19頁~38頁「指定管理者制度の現状と課題」(執筆者:元高崎経済大学教授 生沼裕)
http://www1.tcue.ac.jp/home1/c-gakkai/kikanshi/ronbun10-1/oinuma.pdf#search=%27%E6%8C%87%E5%AE%9A%E7%AE%A1%E7%90%86%E5%88%B6%E5%BA%A6+%E5%85%BC%E6%A5%AD%E7%A6%81%E6%AD%A2%27
※参考URL:渋川市公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例施行規則
http://www1.g-reiki.net/shibukawa/reiki_honbun/r316RG00000147.html
(注:第4条に「選定することができない」との記載あり。)
9 ところが高崎市では「高崎市公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例」でも、選定の制限をすることなく無制限となっています。指定管理者は、法律で禁止されている請負ではないので委員と指定管理者の取締役との兼業は問題ない、とする見方もあります。けれども一方で、「首長・議員および委員の兼業はできない」と定めた自治体も数多くあります。中核市でもある高崎市や前橋市が、条例で選定を禁止していないからと言って、野放図に市の重要な施策に携わる対象弁護士のような人物が、市と利害関係のある法人の取締役ないしそれに準ずる相談役を兼務している状況を看過してはならないと思います。
※参考URL:高崎市公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例
http://ted.city.takasaki.gunma.jp/reiki/reiki_honbun/e203RG00001135.html
10 ましてや、公平委員が弁護士であるようなケースであれば、より高い遵法精神が必要であることは言うまでもありません。瓜田に履を納れず、李下に冠を正さずとの諺からも、昨今の総理大臣の如く疑われても当然だと考えられるからです。
高崎市の公平委員会の委員長を平成20年から長年勤めているのに、その高崎市の斎場の指定管理者であるプリエッセ社の都合で勝手に取締役にさせられていれば、当然、高崎市斎場をめぐるトラブルが市と指定管理者との間で起きた場合、当然、双方の立場で相談を受けたりする可能性があるわけですから、その場合には直ちに利益相反行為に抵触してしまいます。
11 こうした弁護士法や弁護士職務基本規程については、どの弁護士も熟知していなければなりません。対象弁護士は平成14年に群馬弁護士会副会長に就任しており、現在も、日弁連業務改革委員会委員や高崎簡易裁判所調停委員として県内外の法曹界の重要な業務を担っています。仮にプリエッセ社が勝手にホームページに取締役として自分の名前を掲載していた場合であっても、そのことに無頓着であってはならないことは人一倍熟知しているはずです。
こうして高崎市斎場を巡る指定管理者制度の運用と、組織内弁護士の利益相反行為に関する今回の情報提供に基づく当会の調査の結果、明確な違反行為が実際に行われたことを確認するには至りませんでしたが、葬儀業界と弁護士業界というともにある意味では「信頼性」が重視される分野で、こうした不明朗な状況が発生していることについて、住民からの信頼が棄損されてしまうことが懸念されます。
12 よって、本件は弁護士法第56条第1項に定めた、法令又は日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁祖議会の秩序又は信用を害し、弁護士としての品位を失うべき非行に該当するので、ここに懲戒を申し立て、貴弁護士会において調査し処分されることを求めます。
                        以上
**********

■今後、群馬弁護士会懲戒委員会の場での陳述などを経て、調査結果と判断が下されることになる見込みです。追って、通知があり次第、ご報告します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報:「高崎法律事務所」
http://www.takasaki-law.gr.jp/officeinfo/
【事務所概要】
 たかさき法律事務所は、地元企業・地域住民の皆様に対する総合的な法律サービスの提供を行うべく、平成7年に設立されました。
 当時は、複数の弁護士で組織的に事件対応を行う法律事務所は少なく、設立後数年で所属弁護士数においても群馬県内有数の規模の事務所になりました。
<複数の弁護士が連携>
 現在では、弁護士数の増加により、当事務所を上回る規模の事務所も見られるようになりましたが、複数の弁護士が連携し、組織的に事件対応を行うという当事務所の特色は、未だにその独自性を失っておりません。
 当事務所には現在、8人の弁護士及び7人の事務職員(パラリーガル)が所属しており、それぞれが有機的に連携して、大規模な事件や複雑な事件に対応できるよう、万全の体制を構築しております。
<群馬のリーディング・ローオフィスとして
 更に、当事務所は、隣接士業(司法書士、弁理士、税理士、土地家屋調査士、社会保険労務士等)の先生方と緊密なネットワークを有しており、弁護士のみでは対応できない専門的分野の知見を要する事件にも、迅速かつきめ細かに対応する準備ができております。
 設立以降、所属する弁護士の顔ぶれには変遷もありますが、群馬県内におけるリーディング・ローオフィスとして、地元企業・地域住民の皆様のご期待にお応えするという当事務所の志は変わっておりません。
●たかさき法律事務所は、激動する時代を生きる皆様に良質の法律サービスを提供し続けるべく、高い志を持って地域社会に貢献して参ります。
事務所名:たかさき法律事務所
所在地:〒370-0067群馬県高崎市請地町11番地6 2階
TEL:027-325-9123
FAX:027-325-4101
E-mail:office@takasaki-law.gr.jp
Webサイト:www.takasaki-law.gr.jp
設立:平成7年
責任者:長井友之
休業日:土・日曜日
祝日/受付時間:9:00〜17:30
【業務内容:法人の方へ】
<一般企業法務・法律顧問>
 当事務所は、高崎市はもちろんのこと、群馬県内・県外の多数のクライアント企業に対し、経営上の対内的及び対外的諸問題、コーポレートガバナンス等、総合的・戦略的な法的助言を提供しております。
 また、その他にも、定款その他各種社内規程等の作成や運用、取締役会その他意思決定関与機関の運営等、広範な事項についても法的助言を提供しております。
 さらに、適切なコーポレートガバナンスの実現への寄与という面から、当事務所所属弁護士が企業の社外役員に就任することもございます。
 当事務所は、クライアントである企業を法的な助言等を通じて支え、共に歩んで行きたいと考えております。
 そのため、当事務所は、訴訟等の事後的な紛争解決に代理人等として関与することはもちろんですが、法的紛争の発生自体を予防することが重要であると考え、多くの企業と法律顧問契約を積極的に締結し、法律専門家としての立場から、継続的に、適切・迅速な法的助言を行い企業の経営を支援しております。
<企業再生・企業再編・破産>
 当事務所は、経営再建を要する企業への各種再建方法の法的助言等を提供しております。また、会社更生又は民事再生等の手続によらなければ再建が困難な場合は、その申立代理等を行っております。
 さらに、企業再生の手段が多様化するなか、事業譲渡及び会社分割等を利用した事業再生案件においても、実績を有しております。
 企業再生同様、企業再編の手段も多様化する中、当事務所は、会社分割・合併等の企業再編に関する企画立案・助言、これらに加えて、合弁企業の設立や合弁契約書の作成についての助言、企業間の資本・業務提携契約に関する法的助言等を行っております。
 その他にも、破産、特別清算申立などの法的倒産の分野では、申立代理人のあるいは管財人として多くの事件を手がけてきました。
<債権回収>
 債権を回収できないことは、事業を営み利益を上げることを目的としている企業にとって大きな問題です。
 しかし、適切な回収方法が分からず、請求書を送ることを繰り返したり、交渉に時間がかかったり、最終的には放置したりしてしまうケースが多々あります。また、企業の通常業務とは異なる債権回収に労を費やすことは、通常業務に支障を来すほか精神的な負担になることもあります。
 そこで、専門家である弁護士対応に切り替えることにより、通常の業務を滞りなく遂行できるうえ、回収可能性が上がって、利益向上にもつながります。
 債権回収の方法としては、裁判所を使った法的手続のほかに、任意での請求(内容証明郵便の送付、交渉、公正証書作成等)や、場合によっては相手方の資産を仮に差し押さえる民事保全手続等いくつもの手段が考えられますが、事案に応じ、適切な方法を試みることにより、債権回収のお手伝いをいたします。
<労務管理>
 企業活動を行う際には、必然的に複数の従業員を使用することになります。その際、企業経営者や労務担当者は、労働基準法等の関係諸法令をある程度理解している必要があり、紛争化する前に、適切な社内規定(就業規則、賃金規定、退職金規程等)を備えておくことが重要です。やむを得ず懲戒処分を行う際にも、事前の規定や適切な手続を行わなければ懲戒処分が違法となることもあり、懲戒処分が行えないという事態も発生しかねません。
 当事務所では、適切な労務管理を実現するため社内規定等の作成や助言等を行います。
 また紛争化してしまった場合の個別労使紛争及び団体労使紛争のいずれについても、任意交渉、あっせん、労働審判、仮処分、訴訟手続、労働委員会における手続等、各種法的手続にも対応しております。
<知的財産権関係>
 現在の企業活動において、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権等のいわゆる知的財産権が重要な意味を有することは言うまでもありません。
 当事務所は、これらの知的財産権について、その侵害に関わる交渉・訴訟・仮処分事件等についての各種対応の経験を有しております。
 また、クライアント企業による知的財産権の侵害等においても、紛争の解決に向けた法的対応について、適切・迅速な助言等を行っております。
 さらに、知的財産権が関わる取引において、助言の提供、契約書の作成等、様々な形でリーガルサービスを提供しております。
 知的財産権の分野で対象となる事業は様々ですが、専門的技術的な知見を要する案件の処理等に際しては、当事務所と提携する弁理士等、当事務所外の専門家とも協働し、万全の対応を期しております。
<契約書作成・契約書チェック>
 企業(個人事業主)の方は、取引先や顧客との間の種々の契約、従業員との間の雇用契約等、日常的に契約書を作成されていることと思います。契約書の作成は、企業活動において、その前提・基本ともいえます。
 しかしながら、契約書の内容等をめぐり、法的紛争が多発していることも事実です。
 契約書の内容を明確にして重要な事項も明記しておけば、後日の紛争を避けられることがあります。また不幸にして紛争が発生してしまった場合、訴訟等において、有利な証拠となることもあります。
 当事務所は、企業活動における各契約書の作成やチェックについて、数多くの経験を有しております。法律専門家としての立場から、法的に不備のない契約書の作成、契約書の内容のチェック等を通じて、円滑な企業活動をサポートいたします。
<その他(株主総会対策、民事介入暴力対策、設立・運営に対する法的アドバイス等)>
 企業経営上、種々の法的問題が発生することは不可避です。
 企業の抱える種々の法的問題全般について、当事務所は、最善のリーガルサービスを提供いたします。
【業務内容:個人の方へ】
<交通事故>
 交通事故における損害賠償に関する紛争は、一般的な法的紛争と比べ、比較的多くの方が経験される可能性のある法的紛争かもしれません。
 しかしながら、いざ交通事故の当事者となった場合、誰に相談すればよいのか、相手方・保険会社からの申し出や自分の言い分が妥当なのか、悩まれた方も多いと思います。
 当事務所は、被害者、加害者双方の立場の代理人として活動した実績が多数あります。
 訴訟になった場合の最終的な結果まで視野に入れ、任意の交渉から訴訟等の手続きまで、紛争の早期かつ適切な解決に向けて、依頼者の方にとって最善の活動をいたします。
<相続 (遺産分割、遺言作成、遺言執行、遺留分減殺等)>
 相続に関する紛争は、多くの方が見聞され、実際に経験されたことのある法的紛争かもしれません。
 相続人間の争いの有無にかかわらず、後日に紛争とならないよう、遺産分割についての協議・法的に不備の無い遺産分割協議書作成等のお手伝いをいたします。任意の交渉が不可能な場合、代理人として、調停等の法的手続により、妥当な解決を目指します。
 また、遺言書が作成されていれば、相続人間の争いを避けることが出来た事例も多々あります。被相続人の方の最後の意思を相続人の方に伝えることのできる、法的に有効な遺言書を作成するお手伝いをいたします。
 仲の良かった兄弟・親子が、相続を機会に仲違いしてしまうこともあります。そのようなことが起こらないよう、早期に、法律の専門家にご相談されることをお勧めいたします。
<後見>
 老齢や後遺障害等によって判断能力が低下した方が、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことを行うのが難しい場合があります。また、不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害に遭うおそれもあります。
ご本人の判断能力が低下した場合には、ご本人の利益を保護するための制度として、大きく分けると「法定後見制度」と「任意後見制度」の2つがあります。
 法定後見制度は判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれています。いずれも家庭裁判所の審判によって選任された後見人、保佐人又は補助人がご本人の法律行為の代理やサポートを行うことになります。
 任意後見制度は、現時点ではご本人の判断能力に問題がない場合であっても、将来の判断能力の低下に備えて、十分な判断能力があるうちにあらかじめ自らが選んだ代理人に自分の生活や療養看護、財産管理に関する事務について代理権を与える任意後見契約を締結しておき、判断能力の低下が現実のものとなった時点で任意後見人による保護を受けるための制度です。
 当事務所では、状況に応じ、ご本人の意思を尊重できる方法を選択し、安心して生活いただけるお手伝いをいたします。
<不動産関係>
 不動産は高価な財産であり、また生活の本拠となることが多い財産でもあります。したがいまして、不動産を巡る法的紛争は多発する傾向にあり、また深刻な問題となってしまうことが多いものです。
 当事務所は、不動産売買、不動産賃貸借、担保の設定等、各紛争において双方の当事者の立場の代理人として、多くの紛争を処理してまいりました。また、当事務所と提携する司法書士等、当事務所外の専門家とも協働し、万全の対応を期しています。
 問題が深刻化する前に、出来るだけ早期にご相談いただくことが、迅速かつ適切な解決につながります。
<離婚>
 当事務所は、離婚事件について取り扱っております。 離婚事件では、事案に応じ、交渉、調停、訴訟という段階を踏んで、解決を目指していきます。
ご本人同士によるお話し合いでは解決できないケースでは、なるべく早期に弁護士のアドバイスを受けることで、その後の手続きを有利に進めることができるケースがございます。
 養育費、財産分与、慰謝料等についても併せて解決することが可能です。
離婚は、個人のプライバシーに関わるため一人で抱え込んでしまい、思い悩まれている方が多くいらっしゃいます。お一人で悩まず、どうぞ当事務所までご相談ください。
<債務整理(破産、個人再生等)>
 当事務所は、破産、民事再生等の倒産事案について、管財人、申立代理人の各立場で数多くの案件を担当してまいりました。
 また、法的倒産手続きのみならず、私的整理についても幅広く取り扱っております。
<刑事事件>
 当事務所は、刑事事件についても取り扱っております。
 近年、痴漢等の冤罪による無罪判決が出されるなど社会的な問題になっております。
 突然、あなたやご家族など身近な人が逮捕されてしまったとき、警察から事情聴取を受けたときには、早期にご相談ください。
 身柄を拘束されているケースでは、留置場への接見、被害者との示談交渉等、捜査段階における弁護活動を検察官により起訴された後は公判(裁判)における弁護活動を行います。
<その他(医療紛争、建築紛争、税務紛争、消費者問題、労働問題、民事介入暴力等)>
 私たちが日常生活をしていく中で、法的なトラブルと無縁でいることは、非常に困難です。
そのようなトラブルに巻き込まれた際には、当事務所にご相談ください。
 当事務所は、迅速・適切に、最善のリーガルサービスを提供し、トラブルの解決に尽力いたします。
【弁護士紹介:長井友之】
生年月日:昭和31年8月23日生
学歴:高崎高校、中央大学法学部
目標:総合病院に例えられる専門性と多様性を備えたロ-ファームを築き上げ地域に貢献すること
所属弁護士会:群馬弁護士会
<主な公務・会務>
平成10年:日弁連業務改革委員会 委員(現職)
平成14年:群馬弁護士会副会長
平成20年:高崎市等公平委員会委員長(現職)
平成24年~平成26年:全国公平委員会連合会会長
平成26年:高崎簡易裁判所調停委員(現職)
平成28年~:全国公平委員会連合会 監事(現職)、高崎商工会議所議員(現職)
●企業の佳きアドバイザーとして、市民の佳き相談相手として
 企業も市民も、概して、弁護士の利用方法が下手だと思います。事が起きてしまってから、慌てて事務所に駆け込んでくることが多いようです。しかし、物事には、何か予兆があるはずですので、何か気になったことがある場合、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
 弁護士は「社会生活上の医師」に例えられています。皆様が医者を利用する時とパラレルに考えて貰えれば、分かり易いと思います。病気も重篤になってからでは、仮に名医に掛かったとしても手遅れとなりかねません。
 仮に治ったとしても、多額な費用と膨大な時間が必要となるばかりか、精神的にも多大なストレスを受けます。
 法律問題(社会的紛争)に直面したときも、同じです。早めの相談は、紛争の悪戯な深刻化を回避できますし、経済的・時間的なコストをも節約することができます。
 そして、何よりも有利な解決を実現する近道なのです。掛かり付けの医師と同じように、弁護士を身近な存在として考え、気軽に利用されることをお勧めします。
 ところで、最近、関心があり貢献できていると思える分野は、「相談役」業務です。予防法務の重要性に気付かれ顧問弁護士を擁する企業は増えてきています。しかし、顧問弁護士という切り口は、ともすると、「法務」分野の専門家(アドバイザー)という範疇に止まりがちです。しかし、企業活動の中で求められているのは「単なる法律家」ではないはずです。円滑な経済活動を支えるためには、伝統的な法務という枠を超えて、企業経営全般に精通した相談役機能が重要です。私は、蓄えてきた企業経営に関する経験と知見を提供しつつ、更なる精進をしたいと考えています。
【料金体系の一例】
<民事事件一般>
法律相談料:1時間毎に金1万円
<着手金及び報酬金>
経済的利益の額/着手金/報酬金
金300万円以下の部分/8%/16%
金300万円を超え,金3000万円以下の部分/5%/10%
金3000万円を超え,金3億円以下の部分/3%/6%
金3億円を超える部分/2%/4%
※ 別途消費税が加算されます。
●交通事故及び遺産相続の弁護士費用について
※ 交通事故及び遺産相続の案件に関しては、初回の法律相談料を原則無料とさせていただきます。お気軽にご相談ください。
※ 交通事故については、ご自身あるいはご家族がご自身の自動車保険契約等で弁護士費用特約に加入されていれば、ほとんどの場合、依頼者自身に弁護士費用の負担は発生しません。詳しくは以下をご覧ください。
あなたの保険、弁護士特約が付いていませんか?
●企業法務(顧問契約)の費用について
月額顧問料:5万円 ~
※ 上記金額はあくまで目安であり、企業規模、相談頻度、その他の事情を考慮して協議の上契約させていただきます。

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【建築設計事務所の方、必見!】詐欺にも「お墨付き」!高崎市“インチキ・騙し”建築確認手続(第9弾)

2017-09-28 22:40:00 | 高崎市の行政問題
■2017年7月13日の当会ブログで県民の読者の皆様にご報告した、高崎市の建築確認における、「建築確認申請時の添付証明図書類が今後提出不要となる」続編レポートをご紹介します。

 なお、この問題に関連して当ブログに掲載した記事は次の通りです。
〇2016年7月13日:高崎市役所の建築確認手続きにおける二重基準体質による“二枚舌騙し”行政の実態(続報)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2069.html#readmore
○2017年1月31日:建築確認申請提出時の添付証明関係図書類が今後不要となる高崎市の事例を市内建築関係者に伝達
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2226.html#readmore
〇2016年6月21日:高崎市役所の農地法手続きにおける二重基準体質による“騙し”行政の実態
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2035.html#readmore
〇2016年6月2日:建築確認申請提出時の添付証明関係図書類が今後不要となる高崎市の事例を全国に伝達
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2020.html#readmore
○2015年12月4日:農地法の杜撰な運用の実態まざまざ・・・高崎市農業委員会からの回答状から分かる行政の二重基準
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1821.html#readmore
○2015年9月12日:インチキ手続で農地法をなし崩しにする高崎市農業委員会がオンブズマンの公開質問状に回答延期
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1719.html#readmore
○2015年2月24日:インチキ書類・手続きを駆使して農地法をなし崩しにする高崎市農業委員会事務局と関係不動産業者の手管
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1539.html#readmore
○2015年1月29日:高崎市建築指導課の虚偽証言とデタラメ行政で、知らぬ間に不法建築がまかり通る理不尽さ
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1519.html#readmore


****インチキ・イカサマな高崎市の建築確認制度(第9弾)****
1.はじめに

 前回は、高崎市に建築確認申請をする際に、必要添付証明図書類が今後不要となるご報告をしました。当会会員によれば、この件の裁判を通じて、被告高崎市の「ダマシの建築確認の実態」をマザマザと見せつけられて、「これが納税先の行政の本質か」と呆れてしまい、開いた口が塞がらないとのことです。

 被告高崎市の証言は、裁判を通じてなされたものですから、疑いようもない真実です。建築確認の審査機関である被告高崎市自身が主張しているものですから、少なくとも今後一切の「土地証明関係の図書類の提出は不要」です。

 何故ならば、被告高崎市は本件裁判(平成27年(ワ)第335号損害賠償請求事件、次回口頭弁論期日は、平成29年10月2日、16:00 於:前橋地裁高崎支部)を通じて、一貫して「建築用地、及び接道用地などの土地所有権に関する審査権限はない」と主張してはばからないからです。

 換言すると高崎市は、「他人の土地を無断使用しても構わない」という主張をしているのです。

 今回、被告高崎市が出してきた被告準備書面8によると、建築確認に際して被告高崎市は、その必須前提条件である「接道使用について、『重複使用でも、建築許可を与える(建築確認)』」と言い切っています。

 なお、本件裁判を通じて高崎市は、「他人所有の土地についても、土地所有権は審査対象外とする」と主張しているのです。

 ここでもう一度、被告高崎市の主張を整理してみましょう。

2.建築確認に提出を求められていた図書類

 読者の皆様はご存じと思いますが、「家(建物)」(以下「建物」を総称して「家」という)を建てる際には、建築確認・許可が必要です。建築基準法により、無断勝手に家は建てられないためです。

 また、他人の土地に無断勝手に家を建てて良い筈がありません。このことは、小学生でもわかることです。

 法律以前の問題ですが、それを被告高崎市は「かまわない」と言っているのですから、驚きです。被告高崎市が、いかにウソをついてごまかそうとしても、程があります。

(1)「接道要件」とは?

 さて、家を建てる際には、1丁目1番地の大前提として、先ず「接道要件」を満たしているかどうか、被告高崎市のような審査機関により確認がなされます。そして、その次の段階として、「建物そのもの」の審査が始まります。

 実際「家」に通じる、出入りできる通路がなければ生活できませんから、当然のことです。

 建築基準法での「接道要件」とは、家に通じる通路のことです。

 建築基準法では、基本的に、建物用地に通じるその通路の幅を「2.0m以上なければならない」と規定しています。

 つまり、家1軒分について2mですから、もし仮に3軒分であるとしたら、基本的に「6m」となる訳です。

 但し、「位置指定道路」となる場合にはこの限りではありませんが、基本的には、「1軒分について2m」となります。

(2)提出が求められていた「必要証明図書類」とは?

 さて、被告高崎市では、従前より必ず「必要土地証明図書類」を添付提出として求めていました。具体的には以下のものがあります。添付資料1、2をご参照下さい

★添付資料1
 これは、本件裁判で、当会会員の原告が、裁判所に「文書送付嘱託申立」をして入手したもので、被告高崎市の建築確認の審査時における提出書類一覧の確認表(審査表)の内部資料です。
 「審査表」と銘ある通り、これに基づいて、被告高崎市は審査をしている様子がわかります。

 この審査表記載の土地証明関係の必要提出添付図書類としては、次の5点です。

①土地公図
②土地登記簿謄本
➂土地使用承諾書
:他人名義の土地を使用する場合に必要。例えば、接道や建物用地を借りて家を建てる場合などが該当します。
➃土地売買契約書写:土地を本当に購入して家を建てる場合に、その証明に必要です。
➄農地転用許可書・届出書:建物用地などが「農地」である場合に、無断勝手に家を建てられませんから、農業委員会の許可・届出が必要です。

★添付資料2
 これは、被告高崎市のホームページ上で公表されている「建築確認申請書一式」として必要な添付提出図書類を示しているものです。
 既に被告高崎市のホームページ上で、このように公表されているのですから、申請者は、これら書類を事前に用意する事は当然です。
 それによれば、やはり、次の書類の提出が必要とされています。


①土地公図
②土地登記簿謄本
➂農地転用許可書・届出書
関係規定以外でも必要と記載されて、「農地を転用する場合に許可・届出が必要となります」と示されています。

 つまり、「①土地公図、②土地登記簿謄本」により、被告高崎市は、土地現況を確認して、他人の土地であればその「土地使用承諾書」の提出を求め、農地であれば、農業委員会の許可を確認しているのです。

 これらの確認が必要な事は当然です。農地法によって、農地(田や畑など)に家を建てて良い筈もなく、ましてや、他人の土地を無断勝手に使用して、家を建てて良い筈もなく、その接道についても、土地所有者に無断で使用して良い筈もありません。

 さらに通常であれば、接道用地の重複使用もできないのです。

 そして、この無断使用に立脚した建築確認申請は、誰の目にも明らかな様に、当然に自己所有地ではありませんから、「原本不実記載の虚偽申請」となります。役所に提出する書類に瑕疵のある「虚偽申請」により不正に取得した許可は、取り消されてしかるべきです。

 ところが被告高崎市は、この土地の無断使用のインチキを事前に知っていながら、「『適法』である」と主張しています。その根拠として、被告高崎市は「建築確認は拒めない」ということを挙げているのです。

 したがって、今後は、審査機関である被告高崎市の、この様な「スゴイお墨付き」があるのですから、無断勝手に他人所有地に「家」が、あちらこちらで建ってしまうことになります。

 そしてその責任は、お墨付きを与えた被告高崎市が全部負うことになります。つまり、責任は被告高崎市に帰着するので、市民の皆さん、損害を被ったらどしどし損害賠償を高崎市に請求しましょう。

3.被告高崎市は、「接道の重複使用を認める」

 今回、ぜひ皆様にご報告したいことがあります。それは、本件裁判を通じて、被告高崎市は「土地所有権を審査対象外とする」と主張していることです。しかも、さらに加えて、「接道について、その重複使用も認める」ということを明言しているのです。

 添付資料3,2/2の、上から2から4行目をご覧ください。
**********
「被告高崎市としては,重複利用とならないように原告に対して行政指導を行ったことに対して,原告がこれに従わない場合,現行法上の解釈としては建築確認処分をせざるを得ない。」(原文ママ引用)。
**********

 本件では当該通路用地について「道路位置指定」を受けていないので、被告高崎市の答弁は、「位置指定道路」ではなく、「一般的な接道要件について示すもの」としています。

 これは、被告市高崎市の訴訟代理人である小林優公弁護士が、代理人として独断で主張しているものとは見なすことができません。なぜなら、必ず、被告高崎市の担当部署である「建築指導課」と打ち合わせの上での、裁判所においての被告訴訟代理人弁護士の答弁ですから、社会的効力があるものです。

 少なくとも高崎市に家を建てる場合には、他人の土地を無断使用して、家の建築をしたり、接道要件を満たしたりしても「建築許可を受けられる」ことにご注目ください。

 従って、被告高崎市に対しての建築確認申請の場合には、被告高崎市より、万一「必要提出書類であるから」と提出を求められても、応ずる必要はありません。高崎市はそれでも建築許可をすると、裁判で明言しているからです。

 ましてや、建築確認申請の「不受理などは、持ってのほか」のことです。

4.被告高崎市の建築確認制度の制度変更について

 以上の事実関係から見えてくることは、普通の社会常識的な観点から誰がどうひねくれて考えたとしても、被告高崎市は、堂々とウソをついている、ということです。「この裁判だけしのげればいいや」という考えがミエミエだからです。もし「そうでない」というなら、高崎市の二枚舌は大したものです。

 なぜなら、今後は土地証明などの添付必要提出書類は、不要であるからです。

 法廷における自らの証言の通り、添付必要提出書類が不提出でも、被告高崎市は「建築確認」を申請者に与えなければなりません。

 従ってこの実態は、被告高崎市における建築確認制度における「制度変更」となる訳ですから、広く「公報」などを通じて広く広報されなければなりません。

5.犯罪人的体質の被告高崎市

 第一審となる前橋地方裁判所高崎支部のこれまでの裁判においては、被告高崎市は未だに本件について真実を述べていません。

 資料1「審査表」審査記録からも明らかなように、「全ての土地証明欄には、チェックがなされた跡」が確認されており、何らの指摘指導事項もありません。全ての図書類一式は、耳を揃えて提出されることが必要である、と考えるのが普通です。

 そして、「若宮苑」ケアプラン偽造事件と同様に、原告である当会会員名義の「偽造された土地使用承諾書」は存在するものと推測されます。

 そもそも、役所に提出する図書類一式については、内容についてはともかくも、外観上形式的に必要書類が揃っていなければ受理されないはずです。

 被告高崎市の場合、土地使用承諾書は「印鑑証明が不要な認め印」で済ませられます。「認め印」ですから、何人もいとも簡単に「押印」できるのです。

 きちんと建築確認を行っている他の自治体では、真贋の証明の為に「印鑑証明の添付提出」を求められます。

 この裁判を通じて、被告高崎市は、きちんと行政運用をするどころか、「違法行為を幇助して、未だに犯人を庇い続けている」ことがハッキリしたのです。

 当会会員が直面している建築確認と、それに関連する農地転用を巡る裁判を通じて判明したことは、被告高崎市の「違法行為幇助」、犯人を庇い続ける「犯人隠匿・隠避」、「共同正犯行為」、「ウソ証言」など、別事件「若宮苑事件」と全く同じ構図であることす。

 この被告高崎市の市民に対するダマシの体質は、勤務する職員の業務態度を反映していると見なせますから、善良なる市民の皆様は今後、市役所を訪れる際には「ウソつきの巣窟に赴くのだ」というくらい、心して行動した方が良いでしょう。

 高崎市役所には、善良なる職員や市会議員が果たして居るのでしょうか? どうもそうとは思えないのです。

 なぜならば、法廷でも一向に高崎市は自らの非を認めようとせず、原告市民に対して謝罪もせず、平気でヌケヌケとウソをつき続けているからです。裁判沙汰にもなっているのにも拘わらず、です。

 そもそも、社会常識的に考えても、いきなり「裁判沙汰」になる筈はありません。裁判に踏み切らざるを得ない理由と経緯があるのです。市民の皆様、その辺の事情をよくよくお考え下さい。いつ、あなたご自身が同様の目に遭うかも知れないのです。

 当会会員も、この様に実際にヒドイ目に会うまでには、高崎市はきちんとしていると思っていたそうです。ところが、現実は、思っていた事と違っていました。

 当会会員は、当初、当会会員が交付したとされる「土地使用承諾書」の照会の為に、高崎市の担当部署の建築指導課に最初に訪れましたが、結局騙されてしまいました。そして正義を追及してくれることを期待して「共産党市議」のところにも相談に行きました。

 しかしこれまた何もしてもらえず、結果的に当会会員には裁判以外に取る道はなかったのです。

 その後も、当会会員は、この様な被告高崎市の、いわば犯罪人的体質とも言えるウソつき体質を正そうとしましたが、結局、未だに、高崎市職員も高崎市議も誰も何も対応してくれません。


 しかも、真面目な当該建築指導課の職員の方が、いわゆる「配置転換」、つまり、飛ばされたことを聞き及びました。この様なことがあって良いのでしょうか?

6.二重基準、二枚舌がまかりとおる高崎市行政

 本件裁判中でも未だに、被告高崎市は、「土地証明図書類の提出は、行われていない」とウソ偽りの証言をしているありさまです。

 そもそも土地証明書類がなければ、被告高崎市は、何ら土地所有権を確認できる筈もありません。加えて、その様な土地証明書類を自ら「不要だ」と主張しているにも拘らず、裁判では被告高崎市から突如として脈絡もなく「原告の土地使用承諾書の代わりとする『理由書なるもの』」が証拠として提出されてきているのです。

 もちろん、この「理由書なるもの」に記載されている内容は、「偽り」の内容であり、事実ではありません。そしてそのウソを立証する証拠も、原告の当会会員は裁判所に提出しました。

 被告高崎市らの主張によれば、建築確認申請者はこのような「ウソ事実の理由書なるもの」を提出さえすれば良いのです。この「ウソ事実の理由書なるもの」は、「土地使用承諾書の代わり」として有効だというのですから、このように土地証明書類がなくても「貰えませんでした」と役所に報告さえすれば良く、建築確認申請者にとってこれ程楽なことはありません。(添付資料4)

 そして被告高崎市は、裁判で全く合理的説明ができないにも拘らず、未だに被告らの「罪」を認めようとしません。

 果たして、公平・公正である筈の裁判所は、どのような判断をするのでしょうか?

7.ドロボーに追い銭の税金の無駄遣い

 被告高崎市の建築指導課は、いつも弁論日当日、税金で雇っている訴訟代理人の弁護士と一緒に、本来の役所での公務を放棄して、最低でも2名、或は3名の建築指導課の職員が裁判所を訪れています。その間の職員の給与は、支払われるのでしょうか?

 市民を騙しウソの証言をして、弁護士を雇って自らの不正を正当化する為に、結局、我々市民の税金が使われています。この不条理は決して看過できません。

8.まとめ

 「被告高崎市は、いい加減に『真実』を話したら良いのに」と思うのですが、本件裁判における被告高崎市の証言により、建築設計事務所の方々には、思いもかけず、大変都合が良い事になりました。

 なぜならば、今後は、今まで必ず提出が必要であった「土地証明書、特に土地所有者交付の「土地使用承諾書が不要になった」からです。これほど「楽」なことはないでしょう。そして、「接道の重複使用」も認められるのです。

 今後はもう頭を下げて貰いに、何度も何度も、土地権利者の処に訪問しなくて良いのですから。そして土地所有権などの「審査は不問」になったのですから。
                  以上
**********

■以上のレポートをお読みになり、善良なる市民・国民の皆様は、現在の高崎市の建築確認制度についてどのような考えを抱かれるでしょうか?

 市民・国民の皆様の貴重なご意見を、ぜひとも当会事務局までどしどしお寄せ下さい。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※添付資料
●1:審査表
JPG ⇒ siryo1_sinsahyou.jpg
●2:被告高崎市のホームページ
PDF ⇒ siryo2_takasakisi_homepage.pdf
●3:被告高崎市の「接道についての重複使用を認める」準備書面8
JPG ⇒ siryo31_hikoku_junbishomen_no.8_p1.jpgsiryo32_hikoku_junbishomen_no.8_p2.jpg
●4:土地使用承諾書の代わりと認める「理由書なるもの」
   (同一物で証拠番号だけ異なる)
   被告建築主、建築会社らの証拠番号:「乙A第5号証」
   被告高崎市の証拠番号:「乙B第3号証」

JPG ⇒ siryo4_riyuusho.jpg
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驚きの高崎市監査委員列伝・・・オーパ!

2017-09-28 01:04:00 | 高崎市の行政問題
■JR高崎駅の西口で3年前に閉店した高崎ビブレの跡地に建設中の大型商業施設「高崎オーパ」がいよいよ2017年10月13日(金)にオープンされることになり、高崎駅の西口のさらなる商業活性化が期待されています。一方、西口前広場から西に向かって総延長880mのシンフォニーロードが伸びていますが、そのわきに聳え立つ群馬県で2番目に高い建物が高崎市役所です。今回は、その市役所のお目付け役である高崎市監査委員について調べた結果をご報告します。

15日後にオープンとなる大型商業施設「オーパ」。ちなみにポルトガル語で「オーパ!」は「おお!(驚き)」という意味の感嘆詞。作家の開高健のアマゾンの釣り本の題名で知られる。



こちらが高崎市役所。内部は魑魅魍魎で「オーパ!」などと言われないように、監査委員にはきちんと仕事をしてもらわねば。

 さっそく高崎市HPから「高崎市監査委員」を検索してみました。また関連情報をネット検索してみました。文中、敬称略。

*****高崎市監査委員(平成29年4月1日より)*****
■田口 幸夫 (元市職員・代表監査委員)
平成29年4月1日~          高崎市監査委員(常勤) 

<本人情報>
~平成24年3月31日          高崎市都市整備部都市計画課長
平成24年4月1日~平成29年3月31日 高崎市議会事務局長 
平成29年4月1日~          高崎市監査委員(常勤) 
平成29年8月27日~          群馬県後期高齢者医療広域連合監査委員(見識者)
<当会注>
 本年度から高崎市の監査委員に成るや否や代表監査委員。先月から群馬県後期高齢者医療広域連合の監査委員も兼務する元高崎市議会事務局長を5年も務め上げた元市職員。
 常勤監査委員の月額給料は「高崎市特別職の給与に関する条例」第3条で35万円と決まっていますが、田口委員の場合は同第3条の2が適用されて、おそらく既定の倍近くの給料を得ていて、年額給料は軽く1千万円を超えるかも知れません。
 そして、なんと驚いたことに田口委員は見識者として群馬県の後期高齢者医療広域連合の監査委員を高崎市議会の逆瀬川議長と一緒に兼務しておられます。余程こういった高齢者医療に精通しておられることでしょうから、高崎市民の切なる願いである住民監査の申し立てを、特によく吟味して頂くよう、庶民としてお願いする次第です。
 ※参考URL:群馬県後期高齢者医療広域連合組織図
 http://www.gunma-kouiki.jp/about/organization/

■石井 明 (税理士)
平成29年4月1日~    高崎市監査委員
<本人情報>
 関東信越税理士会群馬県支部連合会高崎支部所属の税理士で、石井明税理士事務所(群馬県高崎市問屋町1丁目3-2 TEL 027-361-4619 FAX 027-363-5080)を主宰。ちなみに、群馬県支部連合会(県連)は、県内9支部から構成され、2017年4月1日現在833名の会員が所属。そのうち高崎支部には現在294名の会員が所属。
<当会注>
 税理士のかたは、税理士法第37条に基づき、税理士としての信用や品位を害するような行為をしてはならないと規定されています。これは税理士の信用失墜行為の禁止とよばれます。この観点から、せっかく集めた税金の使途について、きっちりと監査する義務が税理士のかたには余計あるはずです。
 したがって、高崎市の通常の定期監査や会計監査にはその知識と腕力を発揮してさぞかし頂けることでしょう。我々オンブズマンが、仕事をしなくてもいいように事前に厳しい鑑査をして頂くようにお願いする次第です。

■石川 徹 (市議会議員・新風会所属・市民経済常任委員会委員)
平成28年5月16日~    高崎市監査委員

<本人情報>
 議会選出の監査委員。自宅は高崎市箕郷町東明屋106-1(電話027-371-3344 FAX 027-371-3344)、ホームページ http://shinpukai.com/?member=%E7%9F%B3%E5%B7%9D-%E5%BE%B9、市議としての信条は「~努力と責任感~」「各地域それぞれの特色を生かし調和のとれた新高崎市の大いなる発展をめざします」。
 生年月日 昭和26年7月27日。
 昭和48年 前橋市立工業短期大学卒業
 平成11年:箕郷町議会議員(2期)
 平成19年:高崎市議会議員(3期)
 平成27年:高崎市議会議長
 平成28年:高崎市監査委員
 趣味は映画鑑賞・ドライブ・読書。
<当会注>
 箕郷町議会議員からスライドした元市議会議長経験もある新風会の重鎮。以前は、年一回は必ず一般質問をしていたのですが(もちろん年間1回の一般質問では少なすぎるけど)、議長退任以降、ここ最近一度も質問しなくなりました。趣味がドライブとのことですが、政務活動費を使用してガソリンを購入するのも、自身が経営するガソリンスタンドで購入しています。領収書は、数量と日付が機械打ちされたサーマルレシートではなくて、数量も記入されていない手書きの領収書です。まさか政務活動費でドライブしてないですよね? ガソリンを自分の会社で購入して、しかもこういう領収書を提出されると何か変な事を疑ってしまいますね。
 石川センセイが市議から議長になった時に手を取り足を取って優しく議長職を指導してくれた当時の田口議会事務局長でした。だから田口代表監査委員に対して頭があがる筈もありませんね。

石川センセイの大豪邸。松に風格が感じられます。

石川センセイが経営する(有)石川石油のガソリンスタンド。

■後閑 賢二 (市議会議員・新風会所属・自由民主党党員・保健福祉常任委員会委員)
平成29年4月1日~    高崎市監査委員

<本人情報>
 議会選出の監査委員。自宅は高崎市塚田町222-2(電話027-373-2214 FAX 027-323-2214)、ホームページはhttp://shinpukai.com/?member=%E5%BE%8C%E9%96%91-%E8%B3%A2%E4%BA%8C、政治信条は「ぬくもりのある人づくり、ぬくもりのある街づくり」。
 生年月日 昭和19年12月8日
 平成15年:群馬町議会議員(1期)
 平成19年:高崎市議会議員(3期)
 平成29年4月:高崎市監査委員
 職業は農業、趣味は手づくり紙芝居。
<当会注>
 以前は民主党系会派に所属していましたが、民主党が選挙で惨敗すると自民党系会派に鞍替えした風見鶏議員。現在は群馬で貴重な正規の自民党党員議員。毎朝、国府小学校の児童の登校を見守る姿に父兄ならずとも尊敬の念に堪えません。昨年今年と問題になった高崎市議会議員らの政務活動費不正使用事件では新風会で唯一問題が無かった清廉な議員。
 高崎市の監査も紙芝居のように子ども達たちにもわかるよう、また、子ども達に後ろ指を指されないような正確な監査をお願いする次第です。

後閑センセイの豪邸。あと数メートル東は前橋市との市境。

■現在の高崎市監査委員のかたがたについて当会の調査結果を紹介しました。偽造ケアプランでも公金が支出できるような自治体が、果たして自浄作用で歯止めがかけられるかどうかの鍵を握るキーパーソンが監査委員なのですから、しっかりと職責を果たしてもらわないと、納税者市民としては心配でなりません。

【市民オンブズマン群馬・高崎支部からの報告】

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若宮苑不正給付事件…偽造ケアプランを巡る住民監査制度の機能不全で今暴かれたインチキ監査の実態!!!

2017-09-27 23:14:00 | 高崎市の行政問題
■監査委員の存在が今全国各地で問われています。オンブズマン全国大会でも、監査委員制度の形骸化の事例が多数指摘されています。とりわけ議会選出監査委員の無能ぶりはひどいものがあります。また、弁護士や税理士等が監査委員として選出されるケースが多々ありますが、行政の顔色を窺うため行政の都合のよいように監査を「忖度」するため、この点についても実効性に疑問符が付く場合が多々あります。

 そのため、1997年の地方自治法改正により、外部監査制度の導入が、都道府県、政令指定都市および中核都市に義務付けられました。この制度は自治体の財務監査を外部の監査人に委託する制度で、監査契約には、年間契約によって全般的な監査を委託する包括外部監査と、特定の案件ごとに個別に契約を結ぶ個別外部監査の2種類があります。なお、一般の市町村に関しては、導入は任意とされています。

 このうち包括外部監査制度について、全国市民オンブズマン連絡会議では毎年全国の該当自治体が作成する外部監査報告書の中身をチェックして、優れた監査を行った外部監査人らに対してオンブズマン大賞を授与しています。

 群馬県関係では、群馬県のほか中核市である前橋市と高崎市の包括外部監査結果について、評価を下しています。詳細はこの記事の末尾をご覧ください。

■というわけで、高崎市監査委員の場合について、当会会員が若宮苑の偽造ケアプランを巡る住民監査請求の手続きを通じて感じた問題点をレポートにまとめましたので、ご紹介します。

 結論としては、高崎市の住民監査委員は高崎市長の下僕に徹していることがわかりました。だからといって、偽造、隠蔽、公金流用など不正や違法行為の片棒を担げ、などとは関係法令のどこを読んでも書いてありません。

*****【緊急報告】偽造ケアプランの調査を怠る高崎市監査委員の実務問題*****

 現在、高崎市長を相手取り若宮苑の偽造ケアプランに給付した介護報酬の返還請求を、求める住民訴訟を前橋地裁で係争中である当会会員・岩崎優氏は、住民監査を実施するに当たり、偽造と鑑定された筆跡鑑定書を監査委員に提出し監査をお願いしました。

 ところが監査委員は、筆跡鑑定書を蔑ろにし、住民監査請求をあっけなく棄却してしまったのです。そこで岩崎氏は高崎市監査委員に対し、どのような方法で偽造ケアプランについて監査したのかが分かる情報を開示するために高崎市情報公開条例に基づき、次のとおり個人情報の開示請求をしました。

①偽造の同意サインについて、担当の指出栄養士が岩崎優からサインをもらったことが分かる情報。
②偽造サインについて、岩崎優がサインしていないことが分かる情報。
③同意のサインに関し、岩崎優がサインしたことが分かる情報。


 以上について当会会員は、文書偽造について監査を実施した監査委員に監査方法についての個人情報の開示請求をしたものです。

 本来、見識ある監査委員ならば、偽造サインについては監査の着眼点にするはずです。偽造に関する情報は、多ければ多いほど適正な監査が実施できるからです。

 この観点からしても、偽造に関する情報収集、証拠等の取得は監査執行過程において当然に重要な要件のはずでした。

 ところが、監査委員は偽造サインの件について、何ひとつ監査しておらず、それどころか、監査対象となっている若宮苑の指出直美栄養士からの聞き取り調査さえも怠っており、『偽造サインが分かる行政文書を作成及び取得しない』で監査を実施したことが個人情報開示請求をした結果、判明したのです。

■監査請求前置主義の趣旨

 監査請求前置主義とは、住民訴訟を提起するには、その前提として、必ず、地方自治法第242条に定める住民監査請求を行わなければならないということです。

 この基本的な趣旨を、高崎市監査委員は全く理解していません。当会会員いわく『市民を代表するはずの監査委員が、高崎市長の下僕に成り下がって、市民の監査請求をブロックするための制度である。』と勘違いしてしまうほどの体たらくです。それほど、高崎市の住民監査制度の現状は悲惨な状況となっています。

 もちろん、こんなインチキ監査は本来の趣旨であるはずではありません。そのため当会会員・岩崎氏は、当会代表と連名で、流用された介護保険の財源回収を、高崎市監査委員ではなく、今度は群馬県監査委員に対して、真に適正な監査方法を用いて住民監査のやり直しを行ってもらおうと住民監査請求を提出しました。

 この推移については、日々の厳しい環境のもとで真面目にお年寄りのケアに努めている県内の介護事業所に勤務する376名以上の介護関係職員の皆さんが注目しています。

■さて、高崎市監査委員に話を戻します。偽造ケアプラン事件に蓋をし、本来あるべき福祉制度の維持を軽視し、結果的に“姥捨て山”の介護保険制度を容認する高崎市の虐待介護を目の当たりすれば、違法な介護報酬支給を容認する高崎市長は、この制度を悪用しているとしか思えません。

 そして今もなお、違法に支出された公金のツケを市民に回していることになります。この高崎市長が議会の同意を得て選任された監査委員は次の4名で構成されています。これらの監査委員のお歴々が、偽造ケアプランについて情報収集をしないでインチキ監査を実施していた張本人です。

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 高崎市監査委員   村上 次男 (代表監査委員)
    同      有賀 義昭 (税理士)
    同      松本 賢一 (市議会議員・新風会)
    同      石川  徹 (市議会議員・新風会)

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 なお、当会会員の請求を棄却した上記4人のうち、3人は任期満了で交代していますが、石川徹委員のみが未だに委員を続けています。

 市長と監査委員が一体となり、偽造ケアプランでお年寄りをダマした不正給付事件を見ると、いかに高崎市の住民監査請求制度が機能不全に陥り、住民にとって悲惨な結果を招いてしまったかが分かります。このように現在の高崎市では、全く内部監査委員制度が機能していないと言っても過言ではありません。

■この「監査請求前置主義」の本来の趣旨ですが、「住民訴訟の前置手続きとして、まず監査委員に住民の監査請求に係る財務会計上の行為または怠る事実に関して監査の機会を与え、当該行為または怠る事実の違法・不当を当該地方公共団体の自治的、内部的処理によって、その予防や是正をさせることを目的とするものであるとされている」と最高裁の判例などで示されています。

 すなわち、まずは市長サイドの自主的な自浄能力を期待しているわけです。

■この趣旨を、せめて、市長と監査委員が理解してくれていれば、少しは高崎市も「まとも」になるはずです。

 監査委員は、議会の同意を得て市長によって選任されることから、偽造ケアプランを精査しないまま監査が進められたとなると、市長が黙認しがたっている偽造ケアプランに対して監査のメスを入れることに監査委員らが遠慮したのかもしれません。或いは、監査のやり方を知らなかったのかもしれません。

 いずれにせよ、市長と監査委員が結託すれば、どのような違法不当な財務事案でも、不問にすることができます。その結果、今回の事件のように、お年寄りをダマした偽造ケアプランを有効なものとして、介護報酬を支給するという、およそ民間では有り得ない出来事が簡単に実現してしまうのです。
※参考URL:高崎市の監査委員制度と監査委員↓
http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014010700285/

■当会会員が高崎市の介護保険制度の信頼性の根本を問うために行った今回の住民監査請求において、高崎市監査委員は偽造ケアプランに公金を支出することを容認しました。よって、この監査は市民サイドにとってはクソの役にも立たなかったばかりか、公金による高額報酬を無能な監査委員に支払うという二重のムダを生じたことになります。

 当会会員・岩崎氏が提起している偽造ケアプラン裁判の次回、第7回口頭弁論期日は、2017年11月15日(水)13時10分に前橋地方裁判所本館2階の第21号法廷で開催されます。

 市長に選任された監査委員の監査において、「高崎市が若宮苑に支払った介護給付費が適正である」という結果が出ているわけですから、基本的に高崎市は裁判で敗訴することはないはずです。

 そして、実際に、本件裁判で高崎市が勝訴した瞬間に、偽造ケアプランでもなんでも、形式的に書類さえ作成されていれば、それが偽造であろうが変造であろうが、適正、不適正にかかわらず、介護保険法に基づき、介護報酬が公金から支払われることになります。

■高崎市監査委員は、絶大なる権限を持ちながら、公金流用の基となった偽造ケアプランにメスを入れませんでした。このことは、高崎市長の不当な支出を黙認=容認したことになります。

 この監査委員のインチキ監査において、関連条項に罰則規定がないことが最大の要因ですが、監査委員の法的責任は市長や議会の責任に劣らず大きいはずです。しかし、その責任が問われることはほとんどありません。ただし監査委員に故意がある場合などはその賠償責任が問われることもあるといいますから、これについては、一度、検討してみる必要があるかもしれません。

■監査委員は、地方自治法第195条の規定により、自治体組織内に必ず設置される機関です。

 高崎市は、住民の皆さんに行政サービスを提供するために、公金をはじめとする様々な資産を保有しています。いわば「住民全体の共有財産」を預かっているわけですから、その管理、運用は常に性格で、効率的なものでなければなりません。

 しかし、この度の事件については、若宮苑が偽造ケアプランを作成し、高崎市から介護報酬をダマし取ったにも拘わらずに、高崎市長はこれを黙認し、介護報酬と称して公金を流用したのです。

 これは住民全体にとって大きな損害となります。そこで監査委員が自治体のお目付け役として介護保険法に違反していないかを監査するはずでした。ところが、高崎市長の下僕となってしまい、インチキ監査を実施してしまったのです。

 高崎市監査委員のレベルの低さには呆れさせられます。偽造ケアプランについて監査を実施するに当たり、その実は偽造サインについては、何ひとつ証拠を入手しようとせず、そのため、保持さえしておらず、茶番劇にも劣るインチキ監査を実施していたのです。

■介護保険制度の信頼性の根幹が問われる偽造ケアプラン裁判の第7回口頭弁論をぜひ傍聴しましょう。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※添付資料
●1:個人情報不存在決定通知書「偽造サインについて」           3通
PDF ⇒ u1.pdf
PDF ⇒ u2.pdf
PDF ⇒ u3.pdf
●2:要望書「件名:ケアプラン作成のお願い」               2通
PDF ⇒ u4.pdf
PDF ⇒ u5.pdf
●3-1:公開質問状「件名:施設サービス計画が作成されない母への虐待について」1通
PDF ⇒ u6.pdf
●3-2:公開質問状「件名:施設サービス計画が作成されない介護保険制度について」1通
PDF ⇒ u7.pdf
●4:群馬県・高齢者・虐待防止について                  1通
PDF ⇒ v8.pdf
●5:群馬県・みんなで防ごう高齢者虐待                  1通
PDF ⇒ u9.pdf

※参考情報:「地方公共団体の監査制度の見直しに関する意見書」(2016年6月16日日弁連)
PDF ⇒ ncx20180616.pdf
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【速報】大同有毒スラグを斬る!…処分場地下水汚染隠蔽10年で近隣住民毒殺か!ふざけるな群馬県環境部局!

2017-09-27 21:33:00 | スラグ不法投棄問題
■我々群馬県に住む納税者県民は、いったい誰のために、何のために税金を納めているのでしょうか?群馬県は県民よりも特定の公害企業のほうに加担していることが、次の記事ではっきりしました。これで公平、公正、透明な行政と果たして言えるのでしょうか?さっそくこの呆れた行政判断を報じた記事を見てみましょう。

**********2017年09月27日朝日新聞デジタル
10年以上前から断続的 渋川の産廃場、六価クロム汚染水 /群馬県
 渋川市金井の民間の産業廃棄物最終処分場で今年4月、地下水から有害物質六価クロムが環境基準を超えて見つかった問題で、県は26日の県議会一般質問で、10年以上前から基準値を超える六価クロムが断続的に検出されていたことを明らかにした。業者側は地下水汚染の改善に向けた対策などをしているため、行政処分にはあたらないとしている。伊藤祐司県議(共産)の質問に答えた。
 県廃棄物・リサイクル課によると、処分場は県の許可を得た産廃処理会社「小林製工運送」(渋川市)が設置した管理型最終処分場。1981年ごろから大同特殊鋼渋川工場から出るスラグや汚泥などが埋め立てられている。
 場内に業者が設けた井戸から2005年11月、環境基準の7倍超にあたる1リットル当たり0・38ミリグラムの六価クロムが検出された。業者側は県の指導で、汚染された地下水をくみ上げる作業を始めたが、その後も改善されなかった。07年には、くみ上げ井戸を増やして対策を強化したが、09年10月ごろには、いくつかある観測用の井戸の1カ所で基準値の30倍になった。
 県は抜本的な改善策として、埋め立て地の土壌の入れ替えや、産廃と区切る遮水シートの設置を指示し、11年から工事が続いている。地下水汚染の原因物質について同課は「埋め立てられていた産廃」と指摘するが、汚染の経緯は不明という。
 県は、来月にも再度、検査する方針。(上田雅文)

■サンパイ処分場の地下水が基準値を超えて汚染されていても、それを一旦くみ上げて、タンクローリーで大同特殊鋼の渋川工場に持ち込んで、工場の排水に混ぜて河川に流せば、基準値の10倍の排水基準が適用され、適切に処理されているから問題ない、というのです。

 群馬県は東電グループの関電工の赤城山南麓の放射能汚染木質チップのバイオマス発電設備では、水分が多いという理由で勝手に環境アセスメント条例に定めた毎時4万ノルマル立米の排ガス基準の適用を超法規的に見送ったり、今回の六価クロムが環境基準の7~30倍も上回る地下水が大同特殊鋼のスラグや汚泥から検出されても行政処分の対象にはあたらないとしたり、特定企業に対する超法規的な措置が目立ちます。

 これが我らが群馬県の行政の実態なのでしょうか?大同スラグ問題の追及を続けることで、その本質を浮き彫りにしていきたいと思います

【市民オンブズマン群馬・大同スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

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