■日本で8月30日に投開票された衆院選の衝激的な結果は、インターネットや衛星放送を通じて、この南海の孤島にも伝わりました。ツバル政府の高官は、こぞって、「我が国にとってもっとも大切な援助国である日本は、今後、我が国に対する外交政策はどのようになるのか」と、朝から熱心に訊ねてきました。
「日本は、平和主義国家だから、外交の基本政策は変わらないので、心配はいりません。むしろ今までの麻生政権より良くなると思います」と説明すると、ホッとした表情を皆一様にうかべます。このように、ツバルに対しては、援助額の大きい順に、日本、台湾、豪州、EU、ニュージーランドとなっているからです。
↑滑走路は週2便のフライトが、フィジーのスバから往復するだけなので、毎日夕方になると、一大レクリエーション地に早変わりする。日本が援助で作った発電所の前でサッカーに興じる若者たち。↑
↑総合庁舎の裏庭からみた、フナフチ環礁のラグーンの夕暮れ風景。↑
■平和を国是とするツバルの外交方針は、外航面でも平和を尊重する国々との付き合いを重視しています。台湾との関係を重視するのも、大陸中国に対する警戒心があるためです。
一方、台湾政府にとっても、ツバルは、現在27カ国にまで減少した貴重な国交樹立国のひとつです。懸命に、ツバルへの援助を行っているのも、その感謝の気持ちからです。
↑台湾が資金を出して、ニュージーランドの土建業者に発注して2005年に建設したツバル政府総合庁舎。↑
↑政府総合庁舎玄関前にある台湾の陳水扁総統の碑文。↑
↑滑走路の脇にある台湾政府農業プロジェクトの野菜農園。毎週金曜日の早朝、ここでとれた野菜の販売が行われ、この国では珍しいキュウリやトマトなどを買い求める島民が列を作り、その中には滑走路を隔てて向い側にある首相官邸から、首相がやってきて列に並ぶという。新鮮野菜で食生活を改善する試みは、巨漢揃いのツバルにとって大変意味深い。↑
日本国政府にとっても、ツバルは国際捕鯨委員会(IWC)をはじめ、国連での日本の立場に同調し、支援してくれる力強い1票です。なにしろ、人口1万人未満でも、国連の1票は1票だからです。また、日本の国土を上回る経済水域やそこでの漁業権なども大きな要素です。
↑環礁内のラグーンでは、海面が穏やかなので、こうしたアウトリガー式の小舟で、魚釣りが行われる。投網以外の網を使った漁法は資源保護の観点から禁止されている。ルアーなど釣り道具は、ツバルの人たちへのお土産として喜ばれる。↑
民主党政権となり、環境問題が実地に学べる場所として、ツバルは日本にとって、もっと見直されてしかるべきではないか。そう思う1日でした。
【この項「その7」に続く】
「日本は、平和主義国家だから、外交の基本政策は変わらないので、心配はいりません。むしろ今までの麻生政権より良くなると思います」と説明すると、ホッとした表情を皆一様にうかべます。このように、ツバルに対しては、援助額の大きい順に、日本、台湾、豪州、EU、ニュージーランドとなっているからです。
↑滑走路は週2便のフライトが、フィジーのスバから往復するだけなので、毎日夕方になると、一大レクリエーション地に早変わりする。日本が援助で作った発電所の前でサッカーに興じる若者たち。↑
↑総合庁舎の裏庭からみた、フナフチ環礁のラグーンの夕暮れ風景。↑
■平和を国是とするツバルの外交方針は、外航面でも平和を尊重する国々との付き合いを重視しています。台湾との関係を重視するのも、大陸中国に対する警戒心があるためです。
一方、台湾政府にとっても、ツバルは、現在27カ国にまで減少した貴重な国交樹立国のひとつです。懸命に、ツバルへの援助を行っているのも、その感謝の気持ちからです。
↑台湾が資金を出して、ニュージーランドの土建業者に発注して2005年に建設したツバル政府総合庁舎。↑
↑政府総合庁舎玄関前にある台湾の陳水扁総統の碑文。↑
↑滑走路の脇にある台湾政府農業プロジェクトの野菜農園。毎週金曜日の早朝、ここでとれた野菜の販売が行われ、この国では珍しいキュウリやトマトなどを買い求める島民が列を作り、その中には滑走路を隔てて向い側にある首相官邸から、首相がやってきて列に並ぶという。新鮮野菜で食生活を改善する試みは、巨漢揃いのツバルにとって大変意味深い。↑
日本国政府にとっても、ツバルは国際捕鯨委員会(IWC)をはじめ、国連での日本の立場に同調し、支援してくれる力強い1票です。なにしろ、人口1万人未満でも、国連の1票は1票だからです。また、日本の国土を上回る経済水域やそこでの漁業権なども大きな要素です。
↑環礁内のラグーンでは、海面が穏やかなので、こうしたアウトリガー式の小舟で、魚釣りが行われる。投網以外の網を使った漁法は資源保護の観点から禁止されている。ルアーなど釣り道具は、ツバルの人たちへのお土産として喜ばれる。↑
民主党政権となり、環境問題が実地に学べる場所として、ツバルは日本にとって、もっと見直されてしかるべきではないか。そう思う1日でした。
【この項「その7」に続く】