市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ控訴審…10月31日に開かれた第2回口頭弁論で次回結審が決定!

2018-10-31 23:12:00 | スラグ不法投棄問題
■当会が東吾妻町萩生地区の圃場整備事業で、農道に大同のフッ素・六価クロム入り有毒生スラグが敷砂利として投棄されていた現場をはじめて2014年6月1日に確認して以来、4年4カ月が経過しました。「臭いものに蓋をしないでほしい」と農道舗装工事施工主体である吾妻農業所長に電話で懇願したにもかかわらず、その直後、有害スラグを撤去せずに舗装工事が行われたため、住民監査請求を2015年1月30日に提出しました。しかし、棄却されたため、2015年4月30日に住民訴訟を提起しました。以来ほぼ3年が経過しようとしていた2018年3月16日(金)午後1時10分に前橋地裁21号法廷で開かれた判決言渡弁論において、裁判長の「主文 原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする」という発声が法廷に響き渡りました。この判決を確定させてしまうと、さまざまな方面で収拾のつかない事態が発生し、我が国の土木建設業界のみならず、生活及び営農環境面に甚大な影響を及ぼしかねないため、当会は2018年3月26日(月)に、前橋地裁で控訴手続きをとり、その後、舞台を東京高裁第22民事部424号法廷に移し、同8月15日(水)午後2時に第1回口頭弁論、そして本日10月31日(水)午後2時から東京高裁第22民事部424号法廷で開かれました。


 一審敗訴以降のこの件に関する情報は、次の当会のブログ記事を参照ください。
○2018年3月27日:大同スラグ裁判・・・3月16日に前橋地裁が言渡した判決を不服としてオンブズマンが3月27日に控訴状提出!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2604.html
○2018年5月15日:大同スラグ裁判・・・3月16日の前橋地裁での敗訴判決を受けて、東京高裁に控訴理由書を提出!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2640.html
○2018年5月26日:大同スラグ裁判・・・控訴審の第1回口頭弁論が8月15日に東京高裁で開廷が決定!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2648.html
○2018年8月3日:大同スラグ控訴審…8月15日の第1回口頭弁論が迫り、被控訴人群馬県から控訴答弁書が到来!(前編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2714.html
○2018年8月3日:大同スラグ控訴審…8月15日の第1回口頭弁論が迫り、被控訴人群馬県から控訴答弁書が到来!(後編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2715.html
○2018年10月3日:大同スラグ控訴審…10月31日の第2回口頭弁論に向けて控訴人準備書面(1)を提出!(前編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2768.html
○2018年10月3日:大同スラグ控訴審…10月31日の第2回口頭弁論に向けて控訴人準備書面(1)を提出!(後編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2768.html

■当日は、朝8時半に高崎駅の新幹線に乗車し、9時20分に東京駅に着き、地下鉄丸の内線に乗り換えて、霞が関に午前9時43分に着きました。裁判所では入口の所持品検査で、金属探知ゲートをくぐったところ、ブーとアラームが鳴りました。どうやらズボンのベルトの金具がセンサーに引っかかったようですが、これまでなんともなかったのに初めての経験でした。裁判所でセンサーの感度を高めた可能性があります。

 エレベーターで4階に上がり、424号法廷に向かうと、前に2人ほど歩いていました。向かい側の423号法廷に用事がある方たちのようです。

 424号法廷の壁には次の開廷表が掲載されていました。

*****東京高裁開廷表*****
424号法廷(4階)開廷表
平成30年10月31日 水曜日
●開始/終了/予定 10:00/第1回弁論
○事件番号/事件名 平成30年(行コ)第221号/許可処分義務付け等請求控訴事件
○当事者      茨城県/有限会社マツモト
○代理人         /
○担当       第22民事部イ係
          裁判長 白井幸夫
          裁判官 庄司芳男
          裁判官 榎本光宏
          書記官 山崎豊
●開始/終了/予定 10:30/弁論
○事件番号/事件名 平成30年(行コ)第139号/住民訴訟控訴事件
○当事者      小川賢/群馬県知事大澤正明
○代理人         /
○担当       第22民事部ニ係
          裁判長 白井幸夫
          裁判官 岡口基一
          裁判官 田中孝一
          書記官 山崎豊

●開始/終了/予定 11:00/第1回弁論
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第3640号/請求異議控訴事件
○当事者      株式会社イースタジアグループ/大森佳紀
○代理人                    /
○担当       第22民事部ニ係
          裁判長 白井幸夫
          裁判官 岡口基一
          裁判官 田中孝一
          書記官 山崎豊
●開始/終了/予定 13:15/第1回弁論
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第3185号/離婚等請求控訴事件
○当事者      草階浩/草階扶美子
○代理人         /
○担当       第22民事部イ係
          裁判長 白井幸夫
          裁判官 庄司芳男
          裁判官 榎本光宏
          書記官 山崎豊
●開始/終了/予定 13:30/弁論
○事件番号/事件名 平成30年(行コ)第179号/ゴールド運転免許交付請求控訴事件
○当事者      山本幸子/神奈川県
○代理人          /
○担当       第22民事部ハ係
          裁判長 白井幸夫
          裁判官 岡口基一
          裁判官 田中孝一
          書記官 山崎豊
●開始/終了/予定 15:30/弁論
○事件番号/事件名 平成29年(ネ)第4096号/建物収去土地明渡等請求控訴事件
○当事者      彌栄興業株式会社/高木敏行 外
○代理人              /
○担当       第22民事部ホ係
          裁判長 白井幸夫
          裁判官 高取真理子
          裁判官 榎本光宏
          書記官 山崎豊
●開始/終了/予定 16:00/第1回弁論
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第3245号、同第3235号/損害賠償請求控訴事件
○当事者      鵜澤義和 外/宮田綾野 外
○代理人            /
○担当       第22民事部ニ係
          裁判長 白井幸夫
          裁判官 岡口基一
          裁判官 田中孝一
          書記官 山崎豊
**********

 4階の424号法廷の奥にある待合室で時間調整してから、10時15分ごろ、10時から開かれていた別の裁判が終わったらしく、ぞろぞろと法廷から出てゆく傍聴人の物音が聞こえました。さっそく入ろうとすると、すぐ後ろから関夕三郎弁護士が入るのに気づきました、

 入室すると書記官が「中に入っていてください」というので、法廷内に入り、着席していました。被告側にも関弁護士が着席後、まもなく県側職員で農政部農村整備課の篠原孝幸・次長(技術職)、同課整備係(納涼農村整備事業の実施、災害復旧)整備係長の稲木一秀・補佐(技術職)、吾妻農業事務所農村整備課整備係長の油井祐紀・次長(技術職)がやってきました。

 少し早めに入廷したため、関弁護士に雑談がてら声を掛けました。というのは、出頭者名簿の訴訟代理人の欄に、関夕三郎の名前の横に「笹本秀一」という名前があったからです。そこで、関弁護士にきいてみました。

 「一体、石原・関・猿谷法律事務所には何名の弁護士がいるのでしょうか?」

 すると関弁護士が「8人です」と答えました。
※参考URL「石原・関・猿谷法律事務所」↓
https://ishihara.gr.jp/attorneys

 「笹本さんは最近入られたんですか」と聞いたところ、「ずいぶん前からおります」とのことでした。

■その後、まだ時間があったので、今度は県側から出席した職員に声をかけてみました。

 「篠原さんと稲木さん、本日午後4時以降県庁に在席されていますか。午後お帰りになっているでしょう?」

 実は前回の第1回口頭弁論のあとも篠原次長に面談を申し入れたのですが、多忙を理由に別の職員に面談するように振られたからです。そこで、改めて面談の機会を打診してみました。

 篠原次長は「ええ帰ります」と答えたので、当会は「ちょっと相談ですが、東邦亜鉛の汚染土壌の関係です。農村整備課(が土地改良事業の担当部署)ですよね?これから関与するのは。いや、今も関与しているけれども」と面談時の相談の目的を話しました。

 藤原次長は「ええ?何の話でしょうか?」というので、当会は「東邦亜鉛。碓氷川流域の東邦亜鉛の重金属汚染対策事業のことです」と説明すると、「それは西部業事務所のほうで担当していますので」と次長は迷惑顔で言いました。

 当会は「しかし、この件は皆さんがとり仕切っておられるではないですか」とコメントしたところ、次長は「うちにこられても、東邦亜鉛の件は、流れとか進捗状況がよくわかりません」と言うので、当会は「いや、この(大同有毒)スラグ問題と不可分だから」と述べると、「それも含めて、農業事務所のほうに(相談は)お願いします」と次長はやはりこの件で面談をしたくない様子です。

 当会は「では西部農業事務所の担当者を県庁に呼んで下さい。あるいはこちらが西部農業事務所に行きますから、皆さん来てくれますか」と持ち掛けたところ、次長は「ちょっと今日は用があるので」と、相変わらず面談に消極的な態度でした。そして「とにかく西部農業事務所に言ってください」と重ねて県庁には来ないように意思表示がありました。

 当会は次長のあまりにもかたくなな態度に「でも、この(大同スラグ)事件の問題では、吾妻農業事務所の問題なのに、(吾妻農業事務所の)油井さんしか(ここに)来ていなくて、あとは県庁本部から皆さんが来ていますよね」と当会は、出先の農業事務所の問題なのに、なぜ県庁の本部が関与するのか、疑問を呈しました。

 すると次長は「東邦亜鉛安中製錬所周辺の畑地土壌汚染対策事業は、県の事業ではなく、地元の事業だと思うんです」と述べました。さらに「地元の方の事業なので、そのことをよろしく認識していただかないと」と明言しました。

当会は「行政でしょう」と確認したところ、次長は「別にうちがこうやりたいというのではなくて、地元の方がこうやりたいというのを受けてやる事業です」と説明しました。

 当会は「そもそもあの事業は土壌汚染の公害問題をまだひきずっているわけでしょう?」と言いましたが、次長は「それは土地改良事業とは、基本的に関係ないんですよね」と言い切りました。

 当会は「わかりました。今度、(県は)関係ないって言っておきます。住民の皆さんに。これではいくら時間がかかっても進まないよと。東邦亜鉛公害の後始末はね。皆さんは、この事業が懸案になっている限り、歴代、飯が食えるけれども、こちらはもう待っていられないんです」とこの場の話を締めくくりました。

 このように、群馬県の農業行政は、大同スラグにしても、東邦亜鉛のスラグにしても、有毒かどうかは、事業の実施のために、支障となる問題ではないようです。

 傍聴席には誰もいないので、単なる法廷における雑談でしたが、大同スラグも東邦亜鉛スラグも当会にとっては根っこが同じ問題なので、次長が示した上記の考え方は県の農業行政の本質は何か、を考えるためには非常に示唆に富んだものでした。

■そうこうしているうちに10時30分になり、裁判長が陪席裁判官2名を引き連れて法廷に入室してきました。

 書記官の「起立願います」の声に合わせて、一同起立し礼をしました。書記官が「平成30年行コ第139号」と述べると、裁判長の「おはようございます」の挨拶のあと、裁判所の構成がかわったこと、そのため、弁論の更新をしており、従前通りであることを確認しました。

 また、弁論事項について、裁判長は、控訴人から準備書面(1)が提出されていること、同じく甲18号証から甲91号証をいずれも写しで提出されたことを確認する旨、述べました。

 そして、裁判長は被控訴人に向けて「被控訴人の主張の関係はもうこれでよいか」と確認を求めたところ、被控訴人訴訟代理人の関弁護士は「若干反論させていただきたいことが、現時点では次の2点ほどあります」と発言しました。

 それによると、1点目は、次の通りです。

1.控訴人から指摘のあったように、この事件では、被控訴人はスラグの取り扱いについて、保存的な対応、つまりスラグを撤去せずに「存置する」という対応を全体的にしているが、その方針を決めたのは県土整備部の会議ではないか、とする控訴人からの指摘がある。
 もちろん、これに先行して環境森林部で、「保存的な対応で十分」という判断が示されているわけだが、その点がまだはっきりしていないところがある。
 そのため、そこのところを反論しておく必要がある。


 また、2点目は次の通りです。

2.大同スラグを撤去した場所が何カ所かあり、明確になっている場所は水資源機構の水源地の脇の道の部分、それ以外には八ッ場ダム等という関係のところを、控訴人から指摘された。この点についても、撤去した部分もあるらしいという情報も得ているが、それがどのような場所なのか、撤去した部分と撤去していない部分があるのか、撤去した部分はどういう理由で撤去したのか、というところが、まだ整理がついていなかったので、そこも必要であれば補足説明しておいたほうがいいのかと思う。

■被控訴人から上記2点について、反論や補足が必要だとする認識が示されたことに対して、裁判長は、「仮にそのようなことをする場合には、どの程度の期間が必要になりますか?」と、被控訴人に質問しました。

 これに対して被告群馬県の訴訟代理人は、「期間として1カ月半程度もらいたい。おそくとも年内に反論の準備書面を出せる」と答えました。

 裁判長は「つまり、基本的には、控訴人から指摘があったところについて、反論ないし補充したいということなのだね?」と確認のための念押しをしたところ、被控訴人は「はい」と答えました。

 裁判長は「それでは、その他にとくになければ、そういうこととして・・・」として、次に、控訴人に向かって「控訴人は、その点について、何か意見があるか?」と質問しました。

 控訴人である当会は「その点については、いまさらという感じだが、(被控訴人が)主張したいというのであれば、それはそれで否定しません」とコメントしました。

 裁判長は「はい、わかりました」と言うと、陪席裁判官とともに1分余り法定を退出したあと、再び戻ってきて、控訴人と被控訴人に向かって「それでは、(被控訴人側が)補充したいということで、弁論期日をもう一回取りたいと思う。ただし、(被控訴人は補充のための準備書面を)なるべく早めに出してもらいたい。また、(その補充や反論に対する)控訴人側の検討期間もとってもらうことにして、次回で裁判の終結としたい」と言明したうえで、被控訴人に対して「改めてお聞ききするが、急いで出すという前提で、いつごろまでに準備書面を出せるのか?」と問いました。

すると被控訴人は「12月14日金曜日あたりでお願したい」というと、裁判長は「そうすると、それを控訴人も見られたうえで、次回弁論を年明けに予定して、終結としたい」と述べました。

 そして、最後に裁判長は「では12月14日までに(被控訴人に補充のための準備書面を)出していただく前提として、次回期日は年明けにしたい」と述べ、「少し早めだが、次回1月9日(水)午前10時でどうか?」と控訴人、被控訴人の双方に打診しました。

 控訴人は「異議ありません」と言い、被控訴人は「はい、結構です」と言うと、裁判長は「では次回弁論は1月9日(水)午前10時から。特段のことがなければ、これで終結となる。では本日はこれで」と言い残すと、2名の陪席裁判官を従えて、法定を退出していきました。

■大同スラグ控訴審はいよいよ次回で結審し、おそらく判決は3ヶ月ほど後の、今年度末か来年度初めになる可能性があります。

 12月14日に被控訴人群馬県がどのような補充や反論をしてくるのかを注目し、必要に応じで、当方もコメントしたうえで、来年1月9日の結審を迎えたいと思います。




司法の判断を信じて裁判をした結果、敗訴したかたがたの無念さをこのような形で連日雨の日も風の日も示しているさまを見るにつけ、まだ完全勝訴を一度もしたことがない当会としても、このような看板の前を通るたびに共感を禁じ得ない。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


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【出張!オンブズマン】文科省天下り校長を持て余す長野高専と関係先を電撃訪問

2018-10-29 23:31:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■ちょうど仕事休みの機会を得て、10月26日に懸案事項を片付けるべく、朝から高崎市役所、群馬県庁、そして前橋地裁と周り終わり、午前11時15分に前橋駅に戻りました。そこで、かねてより当会が出張活動を行っている長野高専とその関係先に、当会が関心を持つ他事件の調査も兼ねて、一度は足を運んでみようと思っていたことから、急遽現地訪問することにしました。北陸新幹線を使えば、長野高専の最寄りである三才駅へ13時8分に到着できるようなので、さっそく長野に向かいました。







タゴ巨額横領事件の地面師職員の舞台となった安中榛名駅はパスして、次の停車駅は「軽井沢」だった。


地元のヒロイン、平昌五輪金メダリストの小平選手のポスターが出迎える佐久平駅ホーム。


田圃の刈入作業も終わり、稲わらを燃やす風景が秋の深まりを感じさせる。


上田駅を出ると次第に山々が車窓に迫ってくる。


市場規模年間約1500億円の味噌業界で売上高400億円とシェア第1位を誇るマルコメ本社を過ぎると終着駅長野はもうすぐ。


あさま号の終点長野。


一旦改札口を出る。




切符を買ってしなの鉄道線に乗る。↑




北長野駅の次が三才駅。




まもなく三才駅。左手に長野高専の建物が見える。


三才駅。後ろに駐輪場が見える。





■三才駅では10人ほどが降りましたが、無人駅でした。駅を出ると右手に広い駐輪スペースがありました。予めGoogle Mapを見て長野高専の位置の見当をつけておいたので、三才駅に着く前に、進行方向左手に長野高専らしきグラウンドと建物が見えるのが分かりました。その後、三才駅に着くまでにかなり列車が走行したため、歩いて25分程度かかりそうだと思いました。


三才駅待合室の列車時刻表。昼下がりはとくに列車本数が少ない。帰りは14時40分発長野行に間に合うかな。




西三才交差点。


途中で泣きじゃくりながらやってくる学生(生徒?)とすれ違った。「高専生?どうかしたの?」と訊ねると「市立です。大丈夫です」と小声での返事があったので、「一人で悩むなよ。誰かに相談するんだぞ。決して自分で抱え込まないように」と声をかけた。「ありがとうございます」と言って、駅のほうに歩いて行った。てっきり高専のアカハラかと思ったが、ホッと胸をなでおろした。

■三才駅前にタクシーは止まっていませんでしたが、左手の踏切を見ながら少し歩くとタクシー会社がありタクシー1台が待機していました。とりあえず急ぐほどのこともないので、横目で通り過ぎ、しばらく狭い歩道を歩いてゆくと、左手に大きな学校が見えてきました。


15分ほど歩くと学校があった。これが先ほどの学生が通っている市立長野高校。長野県内では最後に残った公立女子校だったが10年前の平成20年に校名変更、男女共学、単位制、総合学科へ移行、2017年には中学校を併設し併設型中高一貫校となった。道理で校舎が新しい。


ちょうど校門から女子生徒が出てきたので「高専はどこでしょうか?」と聞くと、この先を道なりに左に曲がっていくと、左手に見えるのですぐわかります」と丁寧に教えてもらった。


教えられたとおりにテニスコートの横を道なりに歩く。歩道が狭く歩きにくい。


まもなく左手に長野高専の看板が。駅から25分近くかかってしまった。


紅葉がそろそろ始まりそうだ。構内はよく清掃されていて気持ちがいい。


通学にはやはり自転車が便利そうだ。


構内案内図。左下が正門。上(茶色)が寄宿舎(寮)、中央(青色)が管理棟・学科棟・福利厚生施設、真ん中(紫色)が地域共同研究のためのテクノセンター、下(緑色)が体育施設。


管理・一般学科棟。


ここが玄関。


玄関ロビー。




1階正面が学生課なので、群馬高専と同じく総務課は2階かもしれないと思い、階段を上がる。


2階に上がると案内図があった。群馬高専と同じく校長室は2階にある。しかし、総務課はない。かわりに事務部長室が隣にある。


「校長室・事務部長室を訪問する方は総務課総務係(1階)にお立ち寄りください」とある。どうやら総務課は1階のようだ。


1階に降りると配置図があった。総務課は向かって右手奥の突き当りの部屋だ。


総務課総務係の金井係長は一番手前の部署。

■ドアを開けて一番手前の席にいた職員に「群馬のオンブズマンの小川ですが、金井さんはどちらでしょうか?」と訊ねると、すぐに奥の席にいた方が顔を上げました。金井係長でした。最初、かなり驚いた風情でした。無理もありません。アポイント無しで突然当会が面前に現れたのですから。

 挨拶もそこそこにさっそく係長に質問しようとしましたが、歩いてきたため汗が引かず、ハンカチで顔と頭をぬぐっていると、見かねた金井係長からタオルと冷えた麦茶の差し入れがありました。

■今回訪問の目的は、長野高専の様子を実際に視察することと、いつも電話とメールでやり取りしている長野高専総務課の担当者と直接面談して、開示されたものの黒塗りだらけの文書(特に自殺及び自殺未遂に関する文書)についてさらなる開示を要請すること、そして各種事項について聞き取りを行うことです。

 訪問に先立ち、長野高専総務課の情報開示担当の金井係長とは、この件で次のやり取りがありました。

**********
【当会⇒長野高専】
【1】自殺・自殺未遂に関する文書について
(1)文書を拝見させていただいたところ、貴学からの開示文書2は発生年月日を含め関連日付は全て黒塗り(不開示)とされています。しかし、群馬高専に同種の文書開示請求を行って同様の文書の開示が行われた際は、これらは黒塗り(不開示)されていませんでした。高専機構という同一法人なのですから、さすがに大枠としての対応は統一していただく必要があります。
 これらの経緯については、機構本部に事実関係を確認のうえで、処分を再考していただければ幸いです。
(2)自殺・自殺未遂については、自殺4件と自殺未遂6件の合計10件で、文書は基本的に新しい順ということでよろしいでしょうか。念のため文書2については、どの文書が、自殺・自殺未遂の何件目に区分されるのかご教示いただけませんでしょうか。

【長野高専⇒当会】
(1)ご指摘部分は、平成30年8月3日付けの法人文書開示決定通知書(長野高専総第39号)にも記載していますが「個人に関する情報が記載されている部分」に該当します。
>  発生年月日を含めた関連日付を開示することで、本校学生・保護者等の関係者にとっては当該学生を特定することが可能であり、当該学生個人の権利利益を害するおそれがあることから、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第五条1項に該当すると判断し、独立行政法人国立高等専門学校機構情報公開取扱規則第4条2項に基づき、不開示決定をしています。
 また、日付を不開示とすることについて、妥当であるとする答申がありますので、参考としてお知らせいたします。
 〇日付を不開示することについて妥当であることの答申書
  http://koukai-hogo-db.soumu.go.jp/reportBody/12913
 今回の開示文書の一部不開示箇所については事前に高専機構本部と協議の上決定をしています。群馬高専との開示基準の差異理由については、本校ではわかりかねることですので、ご了承ください。
(2)
 本ご質問について回答すると不開示情報を開示することになりますので回答することはできません。恐れ入りますが、開示文書から読み取っていただければと思います。

【当会⇒長野高専】
 しかし、回答の(2)に関して残念ながら未だ疑義が残っております。「本ご質問について回答すると不開示情報を開示することになる」ということですが、通知書を見ても全体としての件数が不開示情報となっている旨の記述はなく、また全体としての件数は特定個人のプライバシーや貴学の業務に影響を与える情報ではないため、そうする具体的な根拠も見当たりません。
 さらに言えば、「開示文書から読み取っていただければと思います」とのことですが、読み取れるというのならつまりすでに明らかな情報なのであり、念のための確認を目的とした質問に金井様が答えても何ら差し支えないかと思います。

【長野高専⇒当会】
 お問い合わせの件について回答いたします。
 前回のメールでも回答したことと同じになりますが、ご質問の内容について回答することは本校学生・保護者等の関係者にとっては当該学生を特定でき、当該学生個人等の権利利益を害するおそれがあることから回答することはできません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
**********

■今回、金井係長に直接面談して、自殺・自殺未遂事件の発生年月程度までの情報開示をお願いしましたが、やはり無理だとのことでした。金井係長は、群馬高専での自殺事件の開示情報について、今回の当会の質問を受けた後、当会のHPをチェックしており、たしかに事件発生日を含め相当な部分まで開示されていることは確認できたものの、機構からの指示がすべてであるとしました。

 当会からは、群馬高専の自殺事件の情報開示がなされた理由について、「機構の説明では、マスコミによる報道の有無が、情報開示・不開示の判断基準だということであり、群馬高専の場合、オンブズマン活動がその端緒となったことから、オンブズマンへの開示は結果的に妥当だと考えられるのでは」と、群馬高専の開示との違いと背景を説明しましたが、残念ながら担当者ベースでは理解が得られませんでした。

 参考までに、この件に関する機構への問い合わせと回答のやりとりを次に示します。

*****当会⇒機構あて送信メッセージ*****
From: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>
Date: 2018年10月15日(月) 15:25
Subject: 長野高専の情報開示における不開示に関する要請と質問
To: <soumu@kosen-k.go.jp>

国立高専機構事務局総務課
中島様

 毎々お世話になります。市民オンブズマン群馬の小川です。
 さて、先日、長野高専宛に当会から情報開示請求を提出したことは中島様もご存知のことかと思われますが、過去10年間に発生した自殺・自殺未遂に関して、発生日時をはじめすべての関連する年月日の記述が不開示とされており、時系列や件数の把握すら不可能になっています。
 しかし、2016年の6月に当会が群馬高専に同種の情報開示請求を出した際には、関連する年月日は問題なく開示されており、同一法人であるにも関わらず請求間の対応に明らかな差別を付けたことに関して、極めて不適当な措置であると感じております。
 この点に関して、長野高専総務課の金井様にお聞きしたところ、「高専機構本部との情報共有・調整の結果であり、その他の事情は関知していない」という回答がなされましたため、「情報共有」を行ったとされる中島様に改めて以下の要請を行う次第です。
(1)上記の事情により、当該箇所の不開示を解除しての再開示を求めます。
(2)前項の要請について拒否される場合は、群馬高専が開示した際の前例を長野高専との情報共有時に教示しなかった理由、および、同一法人間で開示請求によって差別的な扱いをすることを適法とする理由をお答えください。

以上、よろしくお願いします。

市民オンブズマン群馬
代表 小川賢
携帯 090-5302-8312

*****高専機構⇒当会の受信メッセージ*****
From: 総務課総務係(高専機構) <soumu@kosen-k.go.jp>
Date: 2018年10月24日(水) 18:39
Subject: Re: 長野高専の情報開示における不開示に関する要請と質問
To: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>
Cc: <soumu@kosen-k.go.jp>

市民オンブズマン群馬
代表 小川賢 様

国立高等専門学校機構総務課の中島と申します。
お世話になっております。

お問い合わせいただきました下記の件について、回答いたします。

(1)上記の事情により、当該箇所の不開示を解除しての再開示を求めます。

  本機構の開示決定は妥当であると考えておりますので、開示決定に不服がある場合は、審査請求を行っていただきますようお願いいたします。

(2)前項の要請について拒否される場合は、群馬高専が開示した際の前例を長野高専との情報共有時に教示しなかった理由、および、同一法人間で開示請求によって差別的な扱いをすることを適法とする理由をお答えください。

  群馬高専、長野高専ともに機構における法人文書の開示決定等に係る審査基準に基づき開示又は不開示決定を行っております。群馬高専で開示した情報は、新聞で取り上げられ、日付についても、報道されています。機構としましては、当該情報が現に公衆が知り得る状態に置かれているものであったため、開示を行いました。
 以上です。
**********

■金井係長との面談では前述と重複するのも含めて、次の項目について聴取しました。

<自殺・自殺未遂事件について>
⇒この情報を出す・出さないについて、群馬高専との差異があるということで、市民オンブズマン群馬のHPを見て、たしかに日付が公開されていたのは確認した。我々としては、個人情報保護法に基づいて開示しない方針を採っている。群馬高専のほうは新聞で既に載っていることなので、日付を殆ど隠すことなく出した、ということは機構からきいている。

(当会から、10件の事件の日時を教えてもらえないか、との強い要請に対して)
⇒そこの部分はどうしても伝えられない。

<開示の判断や人事など単位高専の裁量権について>
(「大学と違って高専の場合、こうした問題の対処から人事に至るまでいちいち高専機構本部にお伺いを立てなければならず、長野高専の諸問題もそのあたりに原因があるのでは?」との当会からの問いに対して)
⇒末端にいる立場の者としては、そうした事情は知り得ない。

<学内施設の見学について>
⇒OK。このあと案内する。

<OB叩き出し事件について>
(この事件発生の時、ここに在職していたのか、との問いに対して)
⇒別の係にいて、当時、学校には居たが、詳しい情報は分からないが、一応は知っている。刑事は私服で来た。学校に警察が来るときには制服は脱いでくる。パトカーが覆面だったのかは不明。

<オンブズマンへの対処について>
(当会からの質問や請求に対して、学校側で判断しているのか、それとも機構に都度相談しているのか、に対して)
⇒一応機構に報告はしている。

<水銀流出した場所の視察について>
⇒機械工学科の流体実験室は普段は鍵がかかっており、外側だけだったらともかく、中まではお見せできない。

<結核患者の発生について>
(当会注:内部関係者から、結核に感染した学生が出たにも関わらず、HPで報告もしていないことから、感染拡大に努めていないのではないか、との指摘が当会に寄せられたため、この点についても質問した)
⇒結核に感染している学生が1名出たため、保健所の指導を全面的にもらい、接触者をすべてリストアップし、検査した。これらは保健所と協力したかたちで実施した。先週、当校は文化祭だったので、それまでにすべて対象者の検査を済ませた。なお、感染して隔離していた学生は、すでに治療により治癒して現在は学校に通っている。この経緯について、全保護者や関係者にも連絡して、直ちに対応マニュアルを配布した。結核は感染拡大すると危険なのですべて情報はオープンにしており、また保健所も既に入っていて、情報を隠蔽することはあり得ない。

■そのほか、長野高専の一般的なことについても聴取しました。金井係長から、「学校要覧」をもらいました。これはHPからもダウンロードできるとのことです。↓
http://www.nagano-nct.ac.jp/download/pamphlet/docs/youran2018.pdf

① 学科は5つ。電気系(電子に情報と電気電子)、機械系(機械と電子制御)、環境系(環境都市=建築・土木)。群馬高専のような物質工学科はないが、材料の講義は機械系でやっている。高専毎に学科の構成は異なる。

② 生徒が専門課程に入れば自由に学科が選択できる。つまり2年から3年に入るときには、学科を変えることもできる。

③ 現在、応募状況は、あまり減っていない。倍率は徐々には下がっているが、ほぼ横ばいと言える。かつて、何十年前には倍率が2倍、3倍あったが、当時に比べると低くなっている。だが、一応倍率2くらいの学科もある。そこそこ今のところ定員の確保はできている。これからは少子化となり危惧されるところではある。

④ ハラスメント防止のために以前より学生相談室を設置している。仕事上、担当業務外なので、詳しくはないが、3年前に今の石原校長がこちらに赴任した時に、学生相談室には常勤で専門の人を雇った。当校の学生相談室は保健室の隣にある。そこでは、外部から見られない形にして、相談しやすいように配慮してある。勿論相談者のプライバシーに配慮し、相談内容を上司に報告することなど絶対にない。実際に学生からも「相談し易い」という意見も上がってきている。我々として、学生が一番の存在なので、その意味では学生のメンタル面には気を使って、重点を置いている。

⑤ 寮生については、定員1000人のうち、半分程度が寮生。具体的にいうと学校便覧によれば、現在422名が寮生活をしている。

■当会からは、「オンブズマンとして、教育機関のトップは教育者であるべしとの考えでおり、とりわけ、文科省から天下ったキャリア官僚がトップに就いた学校で不祥事が起きることのないよう、防止してゆくことが大事だと認識しており、長野高専の場合も危惧している」と述べましたが、係長は「正直のところ、それは当校には当てはまらない」とコメントしました。

 係長は地元長野の出身で10年前の平成18年3月1日に総務課人事・情報班主任として長野高専に転入されて以来、ずっと総務課に所属しておられるとのことです。当初は当会の突然の訪問に若干緊張されていた様子ですが、ほどなく丁寧に応対をしていただけました。おそらく石原校長の信頼も厚いものと思われます。

 係長との面談の中で、高専の今後について、今の小学校1、2年生の数が急激に減っている状況から、高専の存続や形態は、近い将来必ず避けて通れない変化に晒されるとの見方が示されました。同係長のお子様の様子から、間違いなく少子化の波が高専に押し寄せるというのです。これはアカハラ防止対策と同様に、高専の改革を迫る大きな要因となるに違いありません。

 30分ほどの面談の最後に、当会から「石原校長にも、本日群馬からオンブズマンが来たことをよろしくお伝えください」と金井係長に告げると、「校長は生憎本日不在ですが、あとで報告しておきます」とのことでした。

■その後、金井係長の案内で、学校の構内施設を20分ほど見学させてもらいました。


図書館(左)と福利施設(右)。構内の清掃が行き届いている印象を伝えたところ、係長いわく「職員全員で都度清掃作業をしている」という。


学生相談室のある福利施設入口。


1階の学生食堂。




2階にある学生相談室。


すぐ前の保健室。小中学校と同様、いろいろな悩み事相談は保健室の役割でもあるため、保健室と学生相談室のカウンセラーが連携体制をとっているとのこと。




寮は校内の低い場所にあり、男子寮が5棟、女子寮が2棟(2棟目は少し小さい)から成る。外国の留学生用の部屋もある。


左側が機械工学科棟、右側が一般校舎。


中庭。草ぼうぼうというが、手入れがよいと感じた。


水銀流出事件が起きた機械工学科の流体試験室の入口扉。


手前が機械工学科。十字路から奥が電気電子工学科。


地域の企業との連携、交流事業を行っているテクノセンター。同係長曰く「地元企業との交流を重視している。群馬や他と比べても、当校では協力してくれる企業がかなり多いと思う。それらと連携して学生のインターシップ実務訓練をしている」とのこと。確かに長野県は精密機械や先端企業が多いというイメージがある。




情報都市工学科。


左右の建物が技術教育センター第1工場と第2工場、奥が専攻科棟。


情報教育センター、情報系の中心部という。


電子制御工学科。同係長によれば、人気倍率の高いのは情報系で、環境系も高いという。


体育館は2つあり、正面にあるこちらは大きい方。


5階建ての電子情報工学科棟。一番新しい学科なので、敷地の中で3階建てで建てる場所がなく、上に伸ばすしかなかったとのこと。

■群馬高専の場合、隣接の埼玉県に公立の高専がない為、本庄などからも入学者があると話したところ、係長の話では「長野県の場合南北に距離があるため、北部(北信)に立地する長野高専の場合、地元の北信出身者が多い」とのことです。

 勿論、中信や南信からも入学者はありますが、北信ほどではないそうです。ただし長野高専の評判がいいということを知っている学生は、結構優秀な人が来てくれるそうです。ただし、待ちの姿勢ではなく、こちらからも南信地区に対して学校のPRをしてアプローチを掛けているとのこと。やはり南信地区の学生は通学距離が遠く、寮生活となるため親元を離れることを心配するので、入学者が相対的に北信地区に比べると少ないのはやむを得ないかもしれません。


20分ほどの施設見学後、三才駅方面への所要時間を5分短縮出来るという近道を教えてもらい、金井係長には用水路まで案内していただいた。写真は近道に面した弓道場。


電車通勤の学生は、こちらの校門から登校している。


三才駅への近道。


大通りまでもうすぐ。


三才駅に到着。




↑三才駅の中にあったハロウィンのカボチャ。↑


今日できれば長野県警にも寄れれば寄りたいと考えていた。午後2時40分発の長野行きにタッチの差で間に合わず、次の列車までは約50分待つことになった。そこで駅の近くのタクシー会社でタクシーに乗り、長野市内に向かった。道中、数年前に起きた長野県建築業厚生年金基金を舞台にした巨額横領事件の犯人が、西三才地区に住んでいた話題で盛り上がった。運転手は犯人の当時の自宅のあった場所は知らなかったが、もしかしたら当時、毎日タクシーで長野市内に通勤していたという犯人を載せたこともあるかもしれない、と語っていた。長野市内までは20分ほどで到着した。料金は3610円。

※参考情報「長野県建設業厚生年金基金24億円横領事件
**********
○2010年9月12日:長野県建設業厚生年金基金で発覚した22億円横領事件と安中公社タゴ51億円事件
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/529.html
○2010年9月18日:長野県建設業厚生年金基金22億円横領事件の発覚後1週間の様子
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/531.html
○2011年2月7日:横領額が23.8億円にアップした長野県建設業厚生年金基金に安中タゴ51.1億円事件を報告
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/591.html
○2011年2月8日:長野県建設業厚生年金基金サカモト24億円事件と安中市土地開発公社タゴ51億円事件の類似性
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/592.html
○2012年2月29日:AIJ投資顧問会社2100億円ネコババ問題と泣きっ面にハチの長野県建設業厚生年金基金が教えるもの
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/592.html
○2013年11月2日:海外逃亡3年余りで捕まった長野県建設業厚生年金基金の元事務長と24億円使途不明金の行方
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1152.html
○2013年11月15日:容疑者帰国で真相解明が始動する長野県サカモト24億円事件と真相が闇のままの安中タゴ51億円事件
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1162.html
○2014年6月26日:安中タゴ51億事件の半額以下なのに懲役15年をくらった長野県建設業厚生基金横領事件のサカモト元事務長
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1325.html
**********

■長野高専訪問後、返す刀でOB叩き出し事件の当事者のひとつでもある長野県警に足を運ぶことにしました。


長野県庁。




今話題の免震構造物。長野県は10月17日、性能検査記録データの改竄が明らかになった油圧機器メーカーのKYB(東京都港区)と子会社のカヤバシステムマシナリー(同)の免震・制振装置が、県庁の本館棟と議会棟に使われていると発表したばかり。


受付で聞くと長野県警は9階と10階にあるそうだ。


エレベーターで9階にある受付に行く。


9階の県警記者クラブ。


受付で手続きをして、入場証No.7を受け取り、階段を上って10階に赴く。階段には面白いスローガンが。


監察課はかなり奥まったところにある。


監察課で呼び出しボタンを押すと、直ぐに現れた人が清水担当だった。

■当会ではこの訪問に先立ち、事実確認のために9月21日に次の内容の質問状を長野県警本部監察課に送達していました。



*****当会⇒長野県警宛て質問書*****PDF ⇒ 20180921xyyt.pdf
                           2018年9月21日
〒380-8510
長野県長野市大字南長野字幅下692-2
長野県警察本部警務部監察課 御中
              〒371-0801 群馬県前橋市文京町一丁目15-10
                市民オンブズマン群馬  代表  小川 賢
         TEL: 027-224-8567(事務局)/090-5302-8312(代表小川)
                          FAX: 027-224-6624

     長野高専での警察活動に関する問合わせ

 日頃より長野県における市民の安全の確保にご尽力いただき篤く御礼申し上げます。
 弊会「市民オンブズマン群馬」は、群馬県を主な活動地域として、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないし不行使による一般国民への権利利益侵害、ならびに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。必要に応じて、近隣県への出張活動も随時行っております。

 さて、近頃、弊会に対してある告発が寄せられました。その内容は、「2016年6月23日、長野工業高等専門学校(以下「長野高専」)のOBが、同校に対して運営の改善等を申し入れに校長と面談したところ、逆上した校長により永久立入禁止という極めて不当な扱いを受けた。しかも、それに長野県警が加担していた」というものです。事実関係の確認のため、弊会で長野高専に法人文書開示請求を行ったところ、長野高専の認識している経緯も明らかとなりました(参考のため、本件について報告している弊会ブログの関連記事内容を添付いたします)。

 これらの情報を精査したところ、残念ながら、長野県警の対応に極めて重大な問題が多々見受けられましたため、下記のとおり、問合せいたします。

             記

 添付の経緯(長野高専側の認識)によって、次の事実が認められます。
①当該OBは、訪問にあたりアポイントメントを取り、校長も面談を認可していた。
②当該OBは、正式に長野高専を卒業した者であることが確認されている。
③当該OBが、傷害および同未遂・脅迫・恐喝・業務妨害等、刑法や条例に抵触する犯罪行為を行ったとは認められない。また、凶器を振り回すあるいは見せつける、暴れる、あるいは悪質な罵倒を行う、学生の勉学に支障をきたさせるような迷惑行為といったことを行ったわけでもない。
④当該OBの行為に一切の常習性・反復性は認められない。
⑤長野高専は、通報理由として、「意味不明な発言、怒鳴るなど、不穏な言動があったため」としているが、全て長野高専側の主観に過ぎない。長野高専が意図を汲み取れなければ「意味不明」、多少懇願や要請で声を張り上げる場面があったら「怒鳴る」と認定することも可能である。

【問合わせ事項1】
 上記のとおり、本件は明らかに軽度の民事トラブルに過ぎないものですが、これに対して制服警察官のみならず刑事までもを出動させたことは明らかに過剰ではないでしょうか。長野県警では、通報内容に関わらず全ての出動に対して刑事を帯同させているのでしょうか。

【問合わせ事項2】
 出動した刑事は当該OBに対して、「再度敷地内に立ち入った場合、検挙する」という警告を行ったようですが、上記①~⑥の事実関係があり、極言すれば通報理由・立入禁止理由は「長野高専が面談の場での当該OBに多少『むかついた』」だけにも関わらず、長野高専側の言い分のみを一方的に鵜呑みにして、逮捕すら仄めかした永久立入禁止警告を行ったのは、明らかに理不尽な措置であり、人権の侵害ではないでしょうか。
 なお、高専は一般的に、構内立ち入り基準の面では大学と同等であり、一般人が散歩や観光に使うことも多々あります。加えて、学園祭等のイベント時は言うまでもありません。これでいちいち立ち入るたびに検挙を行うというのは、警察権力を濫用した不当な脅しに他なりませんから、極めて問題と考えます。

 以上の点について、弊会から当時の経緯や事情、この過剰な警察行為の理由についてお問い合わせいたします。場合によっては、当該OBへの謝罪や立入禁止解除が必要であり、また長野高専が事実にそぐわない著しく誇張された内容の通報を行っていた場合は、逆に長野県警から長野高専への注意・警告が必要であると考えております。なお、通報を行った長野高専は、国の機関であり、これが警察への通報を行った事実に関しては一定の責任や説明義務が伴うものであることを付記します。また、本問合せにつきましては、必ず文書にてご回答をいただきたく存じます。
                          以上

添付:経緯
**********

 内部関係者からの情報によれば、その後10月初旬にかけて長野県警から長野高専に確認連絡がなされていたようです。しかしその後、電話連絡で「回答不能」の旨を告げられたため、しっかりと担当者の見解をうかがう必要がある、との判断も当会の訪問を後押ししました。

■さっそく清水氏に「長野高専に用事があったので、帰り道に立ち寄りました。先日の質問状に対してご返事を頂けないということで、個別案件は刑事課に聞くようにとのコメントがありましたが、こちらのメンツもあるので、直接話を聞かせてもらえたら」と来訪の目的を告げました。

 清水氏は「一般的な問い合わせは刑事課ということです」というので、当会は「普通、学校に警察が入るのは重大な出来事と思います。長野高専の場合、OBが騒いだのでもないのに、石原校長が赴任直後とはいえ、警察に通報し、私服刑事3人でOBをつまみ出したということ事ですが、疑問があるので質問しました」というと、清水氏は「ご本人からの問い合わせであればある程度答えられる範囲がもう少し広くなるが、立ち話でなく部屋をとるので少し待ってください」といいました。

■2分ほど廊下で待機していると、同じ階の相談室という部屋に通されました。

 初めに自己紹介のあと、当会の活動の説明と長野高専との関わり合いを説明しました。そして、「OB叩き出しの件で、警察がどのような判断で校長の要請に応じたかを聞きたかったのであのような手紙を差し上げた。幼稚園や小学校に不審者侵入ならともかく、母校をきちんとした身なりのOBが訪問して校長と面談しただけで、特に非礼行為もないのに校長が警察を呼んで排除したのは明らかに異常だと言わざるを得ません。警察としては事件性を懸念して取りあえず駆けつけたのかもしれないが、その辺の線引きがどうなっているのかについては気になるところです。大学と異なり、高専は学校長が一番偉いわけではなく、その上に機構という全国的組織があります。だから我々がいろいろ問い合わせても、天下りの官僚が校長の場合は特に、なんでもすぐ「本部に聞け」という対応をします。今回の事例が今後前例となって、他の高専で同じようなことが起きた時、「長野では校長が読んだら警察がすぐに来てくれた」として前例になると問題ではないかと思って、しかるべきガイドラインなどを決めておいたほうが良いのではと思い、不躾ながらあのような手紙を差し上げました。ところが、お答えできないということなので、こちらとしてもどのようにこの問題に対してよいのか分からないのが実情。今日は長野高専に来たので、ご挨拶がてらここにも寄らせてもらった次第です」と話しました。

 すると清水氏は「文書を受けてから、こちらも本件についてかなりしっかり調査したが、その結果もこちらもわかっている。それを踏まえて本部長まで決裁を上げた。その結果、どうしても回答することは適当でないという判断になってしまったものです」と説明したのでした。

 当会は「ということは、個別の案件で指針を示すということは、警察の立場として、なにか将来的に自分の行動を縛ってしまうとか、そういう事に繋がりかねないから、特に対外的には方針として、ガイドライン的なものを示すのは芳しくないと判断したのでしょうか。それともオンブズマンからの問い合わせなど無視してしまえと判断したのでしょうか」と問いました。

 清水氏は「そんな邪険なことはしない、ということはご理解いただきたい。どうしても当事者本人が居るので、当事者から直接の話であればご本人にお返しという形で話はできる。ところが、当事者不在の中での話となると、結局、俺はそんなことを言ったつもりは無いのに、という話にもなりかねない。やはり本人であれば、こうだったんだよと言えることもある。ちょっと今回そういう判断で一切お答えしないほうがよいのではないか、という判断になってしまった」と述べました。

⇒【当会注:ここで監察課の言う「当事者」とは叩き出されたOBご本人のことです。この「当事者」に今回の当会の質問を受けて長野県警が調査した際に、実際にOBご本人に聴取したかどうかについては言及がありませんでした。つまり、当事者には何も知らせていないことが強く窺がわれます。おそらく、当時の捜査(要請出動)記録を読み返し、長野高専関係者(校長を含む)には再聴取したことは監察課の説明ぶりから間違いなさそうですが、それ以上のことはしていないと考えられます。】

 また、この追い出し事件から懸念されることとして、「このような前例が与えられてしまうと、長野高専のみならず全国の高専で、我々オンブズマンのように善意で活動している者に対してまで、訪問したとたんに校長の通報で叩き出されて永久に立ち入り禁止、ということにもなりかねません。そのような形で警察から刃を向けられてしまうとさすがに理不尽なのですが、そういう事はないですよね」と質してみました。

 これに対して清水氏は「全然、全くありません」と答えました。

■当会は続けて、「と言うのも、(群馬高専の西尾前校長のように)オンブズマンのことを色眼鏡で見る校長先生もいて、『なんだ、またオンブズマンか。またあいつら、コワモテでろくに話も聞かずに自分らのやり方で好き放題やっている』というふうに判断されて、つまみ出されてしまいかねません。何も知らない警察としては、何かことが起きてからでは困るのでそれはやはり駆けつけるのでしょうかね」と投げかけました。

 これについて清水氏は「一般的な話であれば、事件という通報があった場合、通報内容がどうしても断片的にならざるを得ません。事案の内容が掴めていない状態なので、大人数で駆けつけて、不必要であれば返すという方法で対処しています」と説明しました。

 当会は「では、すいません。この件でご返事の手紙はいただけませんが、今のお話を咀嚼して、今後の参考にします。今度もしまた、校長から警察に派遣要請の電話があったら、校長の考え方がちょっと、いや、たくさん独裁的なかたらしいので、その辺を斟酌して対処していただけるようお願いしたい」と申し入れました。

 清水氏は最後に「確かに閉鎖的な社会なので。そうした傾向はあると思います」とつぶやかれました。そして「ご希望に添えず、しかも足をわざわざ運んでいただき恐縮です」と慰労の言葉を賜りました。

■別れ際、当会から「ところで、県警本部を目指してグーグル地図を頼りに来ましたが、どこにも建物が見当たらず、所在地のここの県庁1階の受付に聞いたら、9階と10階を間借りしているというので驚きました。群馬県警は立派な庁舎が県庁の隣に建っています」と疑問に思っていたことを伝えたところ、「長野県はいろいろと予算が脆弱なもので。独自の県警庁舎を持つという話は出ています。県議会でも、なぜ独立の庁舎を建てないのかと言う話は出ています」とのことでした。

 当会は、「実は今から数年前に長野中央署を訪れたことがあります。長野建設業高専年金基金の巨額横領事件のことを聞こうと思ったが忙しくて話が聞けなかったが、今回はそれ以来の長野訪問です」と伝えて、退室しました。

 なお、監察課が「本件については刑事課に聞いてみてくれ」というので、刑事課にも足を運んで話を聞こうかと思いましたが、あまり時間が残されていなかったため断念しました。とりあえず監察課の見解は聞けたと判断したため、今後は刑事課を中心に問合せを行っていく予定です。

【11/10追記】
■当初、訪問前に電話口で回答拒否を伝えられた際に清水氏が「個別なら刑事課に聞いてくれ」というので、てっきり当会では「個別案件については刑事課に聞いてくれ」という意味に解釈していたのですが、訪問後電話で改めて真意を確認したところ、「当会としての個別の問合せは刑事課にしてくれ」という意味だと判明しました。

 そして、どうも、「“一般的な問い合わせ”は刑事課に聞け」ということのようで、この追い出し事件に関する具体的なことについては、どこを突いても一切出てこないようです。

 また、回答拒否の理由である「当事者」というのは、やはりOB本人ということのようです。そこで、「県警から、追い出されたOB本人にきちんと当会から問合せがあった旨伝え、聴取を行ったのか」と聞くと、清水氏は「調査に関する事項だ」としてこれも回答を拒否しました。

 このように、石原校長の当時の異常行動の解明と追及は極めて困難な状況であることが分かりました。しかし、石原校長やその他の天下り校長がこれ以上警察を便利屋として使わないよう牽制するという意味では、この当会の追及は一定の効果を収めたと確信しています。
**********



長野県庁前の交差点。


信濃毎日新聞社の堂々たる社屋。


善光寺から長野駅へと通じる中央通り。




長野駅発午後5時7分発のあさま号に乗って高崎駅についたのは午後6時少し前だった。

■長野高専訪問の感想として、キャンパスは群馬高専よりゆったりと配置されており手入れも行き届いていること、訪問者に対する総務課総務係長の対応は群馬高専総務課よりも格段に丁寧で親切であること、周辺は住宅地区で群馬高専よりも閑静な雰囲気であり、勉学には好都合であること、などです。

 残念ながら石原学校長は不在でしたので、総合評価は出すことはできませんが、実務レベルでは、群馬高専に比べて全く遜色無しと感じました。ただし、強権運営や隠蔽まで群馬高専と「遜色無し」では困りますので、都度改善を求めて継続して活動していく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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鉛・ヒ素入りスラグ問題!…梅花見物は恐ろしい!(その1)

2018-10-28 23:17:00 | スラグ不法投棄問題

■高崎市や榛東村の道路や駐車場、公園などから環境基準を大幅に超えた鉛やヒ素が含まれている建設資材が発見されています。2018年9月18日みさと芝桜公園の駐車場▽公園付近の路上▽善地梅林広場の駐車場▽みさと梅公園蟹沢駐車場が鉛やヒ素だらけだと報道されました。読者の皆様、この現場がどうなっているか?気になりませんか。


ようこそ箕郷梅林へ。梅公園と善地梅林広場の二つが箕郷(みさと)梅林の駐車場になっているということらしい。

 ちなみに、9月18日の新聞報道はこちらです。↓↓
〇2018年9月18日:【速報】公園にも鉛スラグ報道…やはり高崎渋川線バイパスだけでなかった非鉄スラグ投棄問題!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2757.html#readmore

■この事件で、当会の専属調査団によるスラグ調査レポートが届いています。さっそく見ていきましょう!

 今回の調査場所はこちらです。↓↓


 衛星写真はこちらです。↓↓


*****リットン調査団・非鉄スラグレポート*****
 スラグ不法投棄特別調査チーム「リットン調査団」集合(^^)/。

団長A:みさと芝桜公園の周辺は非鉄スラグがたくさん投棄されていて、悲惨な状況でしたね。
団員B:子供やお年寄りが楽しみにやってくる公園が鉛やヒ素まみれなんて許せませんね。
団員C:水道施設周辺にも情け容赦なく投棄している様子は、まるで悪徳建設資材(株)佐藤建設工業の萩生川西地区の投棄現場のようでしたね。
団員D:高崎市箕郷町から榛東村にかけてかなりの量の非鉄スラグが投棄されているようですから、他の公園とかも調査してみましょう!


↑うめ公園駐車場にやってきました。あれ?駐車料金300円支払わなきゃいけないかな?しかし誰もいませんね。梅花シーズンになると駐車料金を集金するようですね。ここに車を停めて梅林を見物して歩くくのかな?それとも、この駐車場でイベントでもあるのかな?


ようこそ箕郷梅林蟹沢会場へと書いてありますね。9月18日新聞報道にあった“みさと梅公園蟹沢駐車場”で間違いないようですね。


さて駐車場を見ていきましょう。白い石に混じって赤茶けた資材が目につきますね。


赤茶けた部分をズームアップすると、みさと芝桜公園で見た、赤褐色の鉛・ヒ素入り非鉄スラグに間違いなし!


お!なにやらカラーコーンが置いてありますね。しかし注意喚起の張り紙とかなにもありませんね。しかもほんの一部の規制では何の意味か、さっぱり分かりませんね。もし高崎市の仕事だとしたら、税金を使って何の意味もないことをしていることになってしまいますね。税金の無駄使いと言われても仕方がありませんね。


奥の方にもカラーコーンが見えますが、なんとそこまでの間が鉛ヒ素入り非鉄スラグだらけで真っ赤ですね。まさか非鉄スラグ100%生一本状態なのではないでしょうか?


うわぁ~っ、まさに赤褐色の非鉄スラグ100%生一本投棄だ。カラーコーンの意味が分かりましたぞ。立入禁止の意味だったのでないかな?それなら、全体をカラーコーンやトラロープで規制しないと意味ないね。


おいおい。ところどころ非鉄スラグ100%生一本が押し固まって、鉛色しているではないか!鉛の投棄現場に他ならないぞ!これって不法投棄じゃないのか!いい加減にしてよ!
*****非鉄スラグレポート・続く*****

■当会では、群馬県東吾妻町萩生川西地区の田園の中を通る農道に有害スラグ100%生一本が投棄されている状況に危機を感じ、住民訴訟を提起しました。現在、東京高等裁判所で係争中です。来る10月31日(水)10時30分から東京高裁424号法廷で開かれる第2回控訴審口頭弁論で、再反論の要否について、裁判長が意見を群馬県に聞くことになっており、県の回答内容次第で、もう一度今度は被控訴人群馬県側に主張させるかどうかを見極めたいというのが、前回8月15日の第1回控訴審口頭弁論での裁判長の訴訟指揮でした。

 群馬県が誇る田園地帯に悪徳建設資材販売業者の(株)佐藤建設工業により、大同有害スラグ100%生一本が投棄されている状況は、それはそれは悲惨であり、食の安全を脅かす重大な事態です。そのため当会は、大同有害スラグの徹底撤去を求めて、住民訴訟を提起し、徹底的に法廷で戦う決意を固めました。

 ところが、食の安全にはもっとも敏感であるはずの群馬県農政部農村整備課や出先の我妻農業事務所は、なんと応訴をして、有害スラグが投棄された農道に簡易舗装をしただけで、有害物質による農業環境への脅威はありえない、と法廷で主張しているのですから、あきれ果ててしまいます。

■今回、リットン調査団からレポートのあった箕郷梅林公園蟹沢会場駐車場は、雨ざらし・風曝しの状況が何年も続いています。その周りにある梅林に影響を与えないのでしょうか?
長い冬が終わりに近づく2月後半から3月前半にかけて、梅の花が咲きたくさんの人々が春を求めて花見にやってきます。その駐車場が鉛やヒ素まみれな状況を放置して良いのでしょうか?また花見が終わると、梅の実の収穫を迎えますが、鉛やヒ素がすぐそばにある梅の実は大丈夫なのでしょうか?

 当会が、群馬県県土整備部が建設を進める高崎渋川線バイパスに、非鉄スラグが投棄されている状況を告発してから、早くも1年余りが過ぎようとしています。廃棄物の監督官庁である環境森林部は結局、未だに何のアクションも示しません。せめて今度は高崎市の管理地での廃棄物投棄ですうので、監督権を有する高崎市産業廃棄物対策課は、きっと直ぐに何らかの適切な対応のためのアクションを採ってくれることでしょう。大いに期待したいと思います。

 廃棄物処理法に基づいて粛々と調査、廃棄物認定、撤去原状回復の措置命令が発出されなければなりません。当会は微力ながら“きれいな群馬ちゃん”を守るため活動を続けてまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料1「県による佐藤建設工業への行政処分」
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 (株)佐藤建設工業は、大同有害スラグを天然石と混合したことで群馬県より廃棄物の許可を取り消される行政処分を受けた悪質建設資材販売業者です。
 また(株)佐藤建設工業は豊富なスラグマネーを背景に建設業にも手を広げ、ソフトバンクソーラー造成工事(榛東村)、ビックカメラソーラー造成工事(安中市)、八ッ場ダム関連建設工事などを請け負い、その工事でスラグと知りながら積極的に有害物を使用しました。
 (株)佐藤建設工業は産業廃棄物の処理や運搬する許可を群馬県から受けていたので、廃棄物について熟知しており、スラグを取り扱うことが違法であることを知りながら、悪意で建設工事に有害スラグを使い続けていたのです。せめて自ら請け負った工事に使用したスラグは(株)佐藤建設工業に撤去片づけさせなければなりません。
 行政処分の内容はこちらです。↓↓
○2016年08月05日:【速報】佐藤建設工業に行政処分
http://blog.livedoor.jp/lytton_cyousadan/archives/5289331.html
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※参考資料2「群馬県による非鉄スラグ調査結果」
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 群馬県の調査により非鉄スラグから環境基準を超える鉛やヒ素が検出され大変危険な状況です
〇2018年7月29日:【速報】高崎渋川線バイパスにスラグ汚染報道・・鉄鋼スラグに続いて非鉄スラグの不法投棄か
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2710.html
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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10.26前橋バイオマス補助金返還第11回弁論準備でついに証人尋問決定!

2018-10-27 23:07:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■東電グループの関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電施設は、群馬県が定めた環境アセスメントを行わないまま、昨年末迄に事実上竣工し、本年2月から本格運転が開始され、4月24日には行政関係者を招いて完成披露式=開所式まで開かれてしまいました。この暴挙を食い止めようと、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造の施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起しました。それから早くも2年3カ月が経過した10月26日(金)午前10時30分から前橋地裁3階の31号ラウンド法廷で第11回弁論準備が開始されることになりました。

前橋バイオマス発電補助金返還のための第11回弁論準備が開かれた10月26日前橋地裁。

 当日は午前8時40分ごろ高崎市役所環境部を訪問後、午前9時30分ごろ県庁2階県民センターを訪れ、用事を済ませた後、午前10時過ぎに前橋地裁に移動しました。

 いつものように1階ロビーの開廷表をチェックしたところ、この日は午前中10時から2件の事件の弁論が行われるのみでした。

*****前橋地裁開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
平成30年10 月25日 金曜日
●開始/終了/予定 10:00/10:10/弁論
○事件番号/事件名 平成29年(ワ)第614号/損害賠償請求事件
○当事者      井上早苗/関東西濃運輸株式会社
○代理人      吉野晶 /采女英幸
○担当       民事第2部合議係
          裁判長 菅家忠行
          裁判官 吉田達二
          裁判官 金澤康
          書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 10:00/10:10/弁論
○事件番号/事件名 平成30年(行ウ)第3号/売却決定取消等請求事件
○当事者      佐田土地開発株式会社/前橋市
○代理人      渡那部博         /関夕三郎
○担当       民事第2部合議係
          裁判長 菅家忠行
          裁判官 吉田達二
          裁判官 金澤康
          書記官 清宮貴幸
**********

 当会が群馬県を相手取り係争中の事件は、今回が実に11回目の弁論準備となります。弁論準備は非公開のため、開廷表には掲載されません。

■午前10時10分に原告2名が揃い、10時20分に3階に上がって、エレベーター前のロビー中央に置いてあるテーブルについて待機していると、まもなく被告群馬県の訴訟代理人の石原栄一、織田直樹、安カ川美貴弁護士ら3名と、群馬県の指定代理人の職員として、環境森林部林業振興課の板垣哲夫・次長(事務職)、同課県産木材振興係の生方宏久・係長(技術職)、同係の武藤淳・副主幹(技術職)、北群馬渋川振興局渋川森林事務所の浅見淳・次長(技術職)、同所林業緑化係林業緑化係長の石井米吉・補佐(技術職)の5名の総勢8名がやってきました。

 訴訟代理人の関夕三郎弁護士は、10時から21号法廷で開かれている行政訴訟の被告前橋市の訴訟代理人として出廷しているため欠席でした。また県職員で林業振興課の笛木元之・次長(技術職)も欠席しました。

 10時30分が迫り、森山書記官の案内でいつもの31号法廷(ラウンド法廷)に入り、判事が来るまで20分余り待機しました。割合広めの会議室といった風情のラウンド法廷も、原告2名+被告8名の計10名が入ると、ランドテーブルには座り切れません。県職員2名は後ろにある椅子に着席しました。

 裁判官3名の椅子を挟んで、雑談をしながら時間を過ごしていたところ、まもなく渡邉和義・裁判長が陪席の高橋浩美・裁判官と浅川浩輝・裁判官を従えて入室してきました。

■さっそく弁論準備が開始されました。裁判長は、被告から第8準備書面、それに原告から証拠申出書が、被告から証拠意見書が提出されたことについて言及があり、原告と被告それぞれが「陳述します」と言って、弁論が交わされたことになりました。
※被告第8準備書面:PDF ⇒ 20181007078ihj.pdf
※原告証拠申出書:PDF ⇒ oioowj20180929.pdf
※被告証拠意見書:PDF ⇒ 20181019.pdf

 その後、裁判長は、証人として聞いてみたい人物として、唐澤素子証人と福本雅邦証人の2名を挙げました。唐澤素子証人には、「被告の環境アセスメントの作成経過」について、福本雅邦証人には、「関電工として発電と燃料との関係性等」について、尋問を希望したいとのことです。

 一方、残りの3名(被告側の補助金支出担当者である石井米吉証人、桑原光二証人、およびトーセン社長の東泉清壽証人については、「尋問の必要度がそれほどあるのかやや疑問」として、尋問対象から外したい意向が示されました。

 裁判長は原告に向かって「これについてどう思うか」と質問してきたので、「裁判長の判断であれば仕方がありません」と感想を述べたところ、裁判長曰く「ほかの3名の尋問申出について却下したわけではなく、最初の2名の尋問次第で、必要性があれば再考するつもりである」ことを表明しました。

 原告としては、裁判長が県職員の唐澤素子・主幹(当時・環境政策課所属、現在・県立女子大事務課出向派遣中)と関電工の戦略事業本部環境エネルギー発電事業部の福本雅邦・部長の2名を優先的に証人尋問の対象者として選んでいただいたことについて、「まったく異存ありません」と述べました。

 一方、被告群馬県側は、裁判長のこの提案にかなり動揺した様子でした。ほっとした表情を浮かべていたのは、後ろの椅子に着席していた石井米吉・補佐だけでした。裁判長が被告に向かって「原告としては敵性証人となることから、被告が主尋問を採ることになるが、そのために陳述書を用意してもらわないといけない。どのくらい陳述書の作成に時間が必要か」と尋ねた際、被告側はしばし言葉を失って沈黙が続いたからです。

 裁判長は「1か月あるいは1カ月半程度か」と水を向けましたが、被告群馬県の職員らは誰も提案をする気配がありません。訴訟代理人弁護士が見かねて、「来年初めくらいかな・・」というと、裁判長は、「年末でもあと丸まる2か月もある。特に急がせるわけではないが、ある程度期間を提示しないと、得てして長期間を希望されることが多いので1か月程度かなと申し上げた」として「では、来年1月11日(金)ではどうか」と提案が出されると、被告側は顔を見合わせながら、「もう少し時間がほしい」として、結局1月18日(金)午前中までに陳述書を提出することで、渋々同意しました。

 そのため、結果的に次回第12回弁論準備は1月30日(水)10時30分と決まりました。

■次回弁論準備までに、必要な手続きが進めば、早ければ今年度内に証人尋問が実現するかもしれません。

 原告住民側としては、次回までにとくに裁判資料を作成する必要性はありませんが、できる限り、証人尋問を見据えて、反対尋問をする際に役立ちそうな、いろいろな情報を収集し整理しておきたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「前橋バイオマス発電・燃料を巡る出来事の時系列表」
**********
日付/補助金交付決定の経緯
●H25年08月01日/那珂川バイオマス発電所建設開始(トーセンと関電工)。
〇H26年02月28日/株式会社松井田バイオマス設立(発電+チップ)。
〇H26年02月/知事査定で2億円の補正予算。
〇H26年04月01日/群馬県計画段階環境配慮実施要綱が施行されず。【注:闇に葬られた。】
          群馬県素材生産流通協同組合バイオマス燃料供給センターが稼働。
〇H26年06月17日/松井田バイオマスの今後の対応についての被告群馬県とトーセンが面談を行い、トーセンは松井田バイオマスの開発を断念し、他を模索する。
〇H26年07月/トーセンが松井田バイオマスを断念した半月後には、関電工が、電中研を視察している。
〇H26年07月10日/被告群馬県が各都道府県・関係市に県境影響評価条例における木質バイオマス発電所建設事業の対象要件等について照会を実施。
          【注:アンケート結果からも分かるとおり、全国どこにも木質バイオマスの合水率を考慮している自治体は皆無である。また、排ガス量の判断基準も、事業者自らが判断するなどという自治体も皆無である。しかし、被告は、前橋バイオマス発電(株)等を救うために、条例の解釈を捻じ曲げ、義務ではないと開き直っている。】
〇H26年09月/トーセンが松井田バイオマスを断念した二か月後には、関電工とトーセンが共同で電中研を視察している。
〇H26年10月01日/那阿川バイオマス発電売電開始。
〇H26年10月/関電工とトーセンが電中研を視察し、まもなく両者は、群馬県森林組合に挨拶に行っている。
〇H26年10月02日/関電工とトーセンが群馬県森林組合に挨拶に行った直後には、トーセンは、木質バイオマス燃料安定供給協定書締結を精力的に行っている。
 ①県産材加工組合と前橋バイオマス燃料が木質バイオマス燃料安定供給協定書を締結(製材端材30,000t)。
 ②トーセンと前橋バイオマス木質バイオマス燃料安定供給協定書締結(間伐材50,000t、製材端材30,000t)。いずれも社長が同一人物である。
          【注:会社法人が別でも代表者が同一である場合、直接取引は利益相反行為にあたる。即ち民法上の双方代理の禁止である(民108)。ただし民事上は無権代理行為となるが、商法上は特則があり、取締役会設置会社なら取締役会の承認、非設置会社なら株主総会の承認により有効となる。
     ↑↓【注:本来あるべき手続きの順序が前後!関電工ら事業者のルール軽視が窺える】
〇H26年10月30日/松井田バイオマスは、株式会社前橋バイオマスに名称変更(発電+チップ)
●H27年01月/①前橋市と調整開始。②群馬県と環境アセス協議開始と記載(7月10日提出文書より)。
●H27年02月/関電工らが前橋市長を表敬訪問。
●H27年03月/関電工が、県環境政策課より「アセスの対象とならない」ことを確認したと記載(7月10日提出文書)。この結果、関電工にとってアセス問題解決。【注:関電工の思惑その1「アセスを実施しない」を目出度くクリア
●H27年03月31日/被告が「未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場については、排ガス量を計算するにあたっては、含水率(乾量基準含水率)を20%として算出できるものとする」とする群馬県環境影響評価条例施行規則別表第1の適応に関する運用を制定。【注:上記のこの文書が、平成27年3月31日に決済されたものなのか、はなはだ疑わしい。それは、電子データで公開された文書を解析すると、印刷日は、作成された日になっているが、作成日は、平成28年10月27日及び平成28年11月4日になっている。これは、明らかに、印刷日を作成されたとされる日に偽造したとしか考えられない。明らかに、人が後から手を加えていることははっきりしている。また、被告県は、別表第1を改定したと言っているが、平成29年1月15日現在でも別表にその運用は追記されていない。この運用の決裁は、どこにも公開されることなく、群馬県パイオマス活用推進委員、群馬県環境影響評価技術審査会、群馬県環境審議会の委員は誰一人も知らない運用であり、作成部署は、そのままロッカーに保管している。つまり、関電工の付度に応える文書なのでお役御免ということである。また、この文書は、公印や施行日の印は押されていないため、公文書とは言えない文書である。】
●H27年04月27日/土地誌渡に関する同意書(電中研と関電工)。
●H27年06月22日/前橋バイオマス発電株式会社設立(東泉社長が役員に)
●H27年07月10日/(株)関電工及び(株)トーセンが被告に前橋バイオマス発電所及びチップ製造施設の概要等関する資料を提出。この提出された資料には、事業者は、H27年1月に環境アセスの実施について被告群馬県と協議を開始し、3月には、環境政策課から非該当との回答を得たと記載されている。【注:時期を同じくして、トーセンは日光のチッププレスセンター計画を断念!?→※脱水機は前橋で流用か?
●H27年07月22日/前橋バイオマス発電定款作成(発電の他、チップへの加工業も記載)
●H27年07月30日/(株)関電工が被告に手続き状況を具体的に説明し、その中で前橋バイオマス発電所は環境アセスメント対象事業非該当であることも説明。【注:被告群馬県は、この時点でアセスメントを実施しないことを知ったようなフリをしているが、原告羽鳥とのメールのやり取りの際には、平成27年4月に排ガス量を知ったと回答している。また、上記のこの説明の際には、関電工は「非該当」と発言しているが、これは事業者としての自らの判断ではなく、「排ガス量は4万㎥以下だから群馬県環境影響評価条例のアセスメントの実施規模以下である」と堂々と主張したのだ。つまり、関電工は、被告群馬県が平成27年3月31日に作成したとされる木質バイオマスの排ガス量の運用を奇貨として、環境アセスメントの実施からの逃れる格好を被告と作り上げたのである。】
●H27年08月11日/関電工が住民の質問に文書で回答した際に、「環境政策課より環境アセスメントの対象外との見解をもらう」と記載。
●H27年09月初旬/知事査定で4億8000万円の補正予算決まる。
●H27年09月03日/冷却用水確保のための井戸の試掘調査依頼書を被告群馬県が関電工から受理。【注:その結果は?】
●H27年09月14日/被告が県議会へ、前橋バイオマス燃料(株)のチップ製造施設に対する群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業4億8千万円(基金4億円、県費8千万円)を含む補正予算案を提出。
●H27年09月28日/前橋バイオマス→前橋バイオマス燃料株式会社へと社名を変更。役員に関電工の石塚浩基、八木原勇治森林組合会長、内山右之助開発事業部長が追加登記。
●H27年09月29日/前橋市宅地開発指導要綱に基づく事前協議に関する覚書における指示事項で、前橋市環境政策課の指示は、騒音規制のない区域に、住民との相談なしに、「第二種区域と同等の対策を講じること」と勝手に判断してしまい、その半年後に、「前橋バイオマス燃料及び前橋バイオマス発電から発生する騒音は、第二種区域にする」という条例をつくり、事業者を保護してしまった。また、前橋市政策推進課は、関電工に対して「環境影響評価の対象外となっているが先進地を見習い実施するよう検討すること」と指導しているが、「(被告の)群馬県より、環境アセスメン卜の対象外ということを何度も確認した」と発言している。
●H27年10月02日/平成27年9月29日に前橋市に騒音問題を考慮してもらった事業者は、その4日後には、前橋市に早くも開発許可申請をした。【注:まさに出来レースそのものである。その結果、関電工の思惑その2「騒音は第二種区域より低くにはできない」を目出度くリア】
平成27年10月03日/関電工による第一回地元説明会開催で、資料配布。この中で、チッププレス機の存在に触れず、住民に知らせずに隠した。
●H27年10月07日/県議会において前橋バイオマス燃料(株)のチップ製造施設に対する群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業4億8千万円(基金4億円、県費8千万円)の予算が可決成立。
●H27年10月19日/群馬県が関電工らに開発許可を出す。
●H27年10月20日/前橋市が前橋バイオマス燃料(株)及び前橋バイオマス燃料(株)に対し環境配慮計画の提出を要請。
●H27年10月21日/前橋バイオマス燃料(株)が被告に森林整備加速化・林業再生基金事業計画を提出。【注:森林整備加速化・林業再生事業実施要綱の第1(趣旨)において、森林整備加速化・林業再生事業費補助金及び森林整備加速化・林業再生整備費補助金を都道府県に交付して、森林整備加速化・林業再生基金を造成し、この基金を財源として事業実施主体が行う事業を実施することにより、東日本大震災からの復興を着実に推進するとともに、森林の多面的機能を発揮しつつ林業の成長産業化を実現することとする。と記されているが、前橋バイオマス燃料(株)の事業は、東日本大震災からの復興には全く影響しないことから、補助金の支給は、この基金の趣旨から逸脱している。】
●H27年11月13日/トーセンが山形県の鶴岡バイオマス発電の売電を開始。
●H27年12月20日/関電工による第二回地元説明会開催で、資料配布。この中で、チッププレス機の存住を始めて関電工が住民に唐突に説明
〇H28年03月27日/関電工による第三回地元説明会開始で、資料配布。
〇H28年03月31日/原告小川が県庁を訪問し環境政策課の唐澤素子と遠藤次長に環境アセス適用についてヒヤリング。県は「排ガス量規制適用に係る文書は無い」と説明。原告小川はその後、真偽確認のため公文書開示請求。
〇H28年04月01日/前橋市がパブリックコメントを得て(2月)、事業実施予定地を含むエリアを第二種区域として騒音規制実施。
〇H28年05月07日/原告小川の開示請求に対して被告県が「文書不存在」決定通知。
〇H28年05月18日/前橋バイオマス発電(株)と前橋バイオマス燃料(株)が前橋市長に「前橋バイオマス発電施設に関る環境配慮計画」を提出。【注:被告群馬県は、平成24年4月1日より、環境評価法の改正により群馬県計画段階環境配慮実施要綱を施行しようとパブリックコメントまで実施したが、都合が悪くなったのか、知らないうちに施行を引っ込めてしまった。この要綱が、実施されていれば、前橋バイオマス発電(株)は、事業開始のかなり前から、計画的な環境配慮計画を自治体や地域住民との間で図っていたはずである。しかし、前橋市も被告群馬県も、自分たちの義務を放棄し、ただ単に事業者に環境配慮計画をつくらせたという事実だけで、その中身については全く議論も指導もなく、そのまま鵜呑みにしている。さらに、付け加えるならば、管理基準値の殆どは原子力発電所の基準値であり、それを木質バイオマス発電に当てはめてしまうという掟破りの極めて乱暴な策である。そして、原発でも許されていない、放射能を高濃度に含む木質チップをプレス脱水した廃液等を放射能除去処理もせずに、そのまま地下に浸透してしまう事業者の計画を、被告群馬県は事業者の村度を受け、コメントを全く付さないまま見過ごしてしまった。】
〇H28年05月25日/被告群馬県が前橋市より「前橋バイオマス環境配慮計画」を受領。【注:前橋市も何もコメントを付さないまま、群馬県に事業者の環境配慮計画を渡した。】
〇H28年06月17日/被告が前橋バイオマス燃料(株)へ補助金交付予定額を内報。
〇H28年06月20日/前橋バイオマス燃料(株)が被告群馬県に実施計画書を提出。チッププレス機の見積もり。
〇H28年6月27日/被告が前橋バイオマス燃料(株)へ補助金予定額を内示。
〇H28年06月28日/前橋バイオマス燃料(株)が被告に補助金交付申請書の提出。
〇H28年07月04日/被告群馬県による本件補助金の交付決定。
〇H28年07月05日/前橋バイオマス燃料(株)、川重商事、トーセンの間で、チッププレス機等の売買契約書を取り交わす。契約者は、買主(甲)前橋バイオマス燃料株式会社代表取締役東泉清嘉、売主(乙)川重商事株式会社執行役員小縣郁夫、甲連帯保証人(丙)株式会社トーセン代表取締役東泉清壽。【注:甲と丙、いずれも社長が同一人物である。会社法人が別でも代表者が同一である場合、直接取引は利益相反行為にあたる。即ち、民法上の双方代理の禁止である(民108)。ただし民事上は無権代理行為となるが商法上は特則があり、取締役会設置会社なら取締役会の承認、日設置会社なら株式総会の承認により有効となる。】
〇H28年08月16日/被告群馬県が前橋バイオマス燃料(株)へ補助金概算払請求額2憶2230万円を支出。
〇H28年08月25日/チッププレス機の支払い①250,000,000円が行われる。
〇H28年08月26日/被告群馬県が前橋バイオマス燃料(株)へ補助金概算払請求額1,620万円を支出。
〇H28年09月24日/地元住民らによる関電工との交渉。
〇H28年10月04日/唐澤素子に係る文書公開が決定。
〇H28年10月18日/唐澤素子に係る文書公開決定を知った原告小川が「不存在のはずではなかったのか」と真偽を確認すべく県庁を訪れた。納得できる説明がない為、原告小川はその後審査請求を行い、棄却されたため、住民訴訟を提起した(一審、二審とも敗訴し確定)。
〇H28年10月27日/唐澤文書作成①「未利用木質バイオマス運用」
〇H28年10月28日/唐澤文書の電子版の公開が決定。
〇H28年11月04日/唐澤文書作成②「運用起案説明(1)」
●H29年05月19日/前橋バイオマス燃料(株)による補助対象事業が完了。チッププレス機が納品される。
●H29年05月22日/前橋バイオマス燃料(株)が被告群馬県に補助事業実績報告書を提出。
●H29年05月24日/被告群馬県が補助事業の完了確認を実施し、補助金額を4億8000万円と確定。【注:開示された被告群馬県の検査報告書で、チッププレス機に使用されている写真は、検査時の写真ではなく、虚偽の報告写真である。理由①5月に検査を行っているのに、ジャンパーを着用していること。②浄化槽が平成29年12月22日に至っても未完成のため、脱水排液が流せなく、チッププレス機は作動させることができない状態であるにもかかわらず、プレス作業をしている写真が使用されている。
●H29年5月31日/被告が前橋バイオマス燃料(株)へ補助金未払分の2億4150万円を支出。
●H29年6月上旬/被告群馬県がホームページで、環境アセスメント条例において、「未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場については、排ガス量を計算するにあたっては、含水率(乾量基準含水率)を20%として算出できるものとする」とする特例を群馬県環境影響評価条例施行規則別表第1の適応に関する運用としてはじめて掲載。【注:このときはじめて公表したのだから、この時点より以前に申請されたバイオマス発電工場は、この特例が適用されないはずだから、環境アセスをやらないまま稼働している前橋バイオマス発電所(燃料工場併設)は条例違反である。】
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鉛・ヒ素入りスラグ問題!…高渋バイパスに投棄のスラグ履歴情報非開示を不服として知事に審査請求書を提出

2018-10-27 17:47:00 | スラグ不法投棄問題
■2018年7月27日に群馬県が「県道に使用された建設資材の基準値超過について(建設企画課)」と題して記者発表しましたが、その内容たるやビックリ仰天!鉛やヒ素が基準値を爆発的に超えて含まれているというものでした。しかし、群馬県の記者発表では、そのような危険有害物質がどこからどのように県道に投棄されたのか、さっぱり分かりません。そこで当会は8月1日に公文書開示請求を群馬県知事あてに提出すると、8月14日に開示の連絡がありましたが「実は開示といっても、A4判1枚のみで、開示手数料はいらない」という連絡がありました。つまり、非開示通知だったのです。
 「であれば、わざわざ仕事を休んで、県庁まで出向く必要はない」と言うと、群馬県建設企画課は「非開示の理由をひとつずつ説明するから」というので、「それなら」とばかりに、8月15日の午前8時半に県庁2階の県民センターを訪れたところ、その場で手渡されたのは、「公にすることにより、当該法人等権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため、群馬県情報公開条例第14条第6号に定める『公にすることにより、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため』に該当する」として非開示決定処分とする通知書だったため、10月26日に異議申立てのための審査請求書を提出しました。

このように審査請求書を県側は様式の不備がないかどうか確認して一旦受け取ったが、その後、請求人の押印がないという連絡があり、1時間後に再度県民センターに赴き、押印した。

 この間のこの問題の経緯は次のブログを参照ください。
○2018年7月27日:【速報】群馬県スラグ行政を象徴!…当会の告発から1年かかってようやく公表の背後に東邦亜鉛の影か↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2708.html
○2018年7月29日:【速報】高崎渋川線バイパスにスラグ汚染報道・・鉄鋼スラグに続いて非鉄スラグの不法投棄か!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2710.html
○2018年8月5日:高崎渋川線バイパスの鉛・ヒ素入りスラグ撤去方針!…じゃ~佐藤がばら撒いた有害スラグも撤去しろよ!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2712.html
○2018年8月12日:鉛・ヒ素入りスラグ不法投棄問題!…群馬県中にばら撒かれているかも?
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2724.html
〇2018年8月17日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…鉛・ヒ素入りサンパイを盛り土扱いする群馬県が情報開示拒否を当会に通知
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2729.html

■その後、現在に至るまで、鉛・ヒ素入り非鉄スラグを巡る動きは活発に続いています。次のブログ記事をご覧ください。

〇2018年8月21日:鉛・ヒ素入りスラグ不法投棄問題!…群馬県中にばら撒かれているかも?(その2)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2730.html
〇2018年8月21日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…鉛・ヒ素だらけでも「土壌に影響なし」宣言した群馬県の重金属汚染思考マヒ
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2731.html
〇2018年8月26日:【緊急レポート】鉛・ヒ素入りスラグ問題・・・なんと早業!撤去始まる!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2734.html
〇2018年8月30日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…鉛・ヒ素入り資材を猛スピードで撤去中の群馬県に経緯と根拠を開示請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2738.html
○2018年9月2日:【緊急レポート】鉛・ヒ素入りスラグ問題…高崎市に続き榛東村にも飛び火!しかも大同スラグと無法コラボ!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2739.html
〇2018年9月8日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…猛スピードでサンパイ撤去中の群馬県が経緯と根拠の開示を先送り
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2751.html
〇2018年9月10日:【ついでにレポート】鉛・ヒ素入りスラグ問題…飛び火した榛東村を更に調査!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2744.html
〇2018年9月16日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…高渋バイパスで有毒な非鉄スラグを撤去中の現場レポート
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2756.html
〇2018年9月18日:【速報】公園にも鉛スラグ報道…やはり高崎渋川線バイパスだけでなかった非鉄スラグ投棄問題!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2757.html
〇2018年9月19日:【続報】公園にも鉛スラグ報道…やはり高崎渋川線バイパスだけでなかった非鉄スラグ投棄問題!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2759.html
〇2018年9月20日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…高渋バイパスどころか箕郷町の県道脇ソーラー発電造成地にもスラグ捨て放題!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2758.html
〇2018年10月13日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…みさと芝桜公園周辺をさらに調査!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2777.html
〇2018年10月21日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…高崎市の水道施設前はスラグだらけだった!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2787.html
〇2018年10月26日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…高崎市内の多数の公益施設に投棄された非鉄スラグの早期撤去を高崎市長に要請!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2793.html

■こうして、次から次へと有毒な鉛・ヒ素スラグの問題が広がりを見せていますが、この問題を初めて群馬県に報告して、有毒性の根拠を示す分析データも提供し、県に善処を求めた当会に対して、群馬県は一貫して無視する姿勢をとり続けています。

 そのため、冒頭の8月15日付の非開示決定通知に対する異議申立て、つまり「審査請求」を3ヶ月以内に行わないと失効してしまうことから、当会では10月26日に群馬県庁2階県民センターを訪れて、非開示決定処分に対する審査請求書を提出しました。内容は次のとおり。

*****審査請求書*****
              審査請求書
                       平成30年10月26日
群馬県知事 大澤正明 様
(実施機関 県土整備部建設企画課)
                       審査請求人 小川 賢

次のとおり審査請求をする。

1. 審査請求人の氏名・住所
 氏名:小川賢
 住所:〒379-0114安中市野殿980番地

2.審査請求に係る内容
 群馬県知事の平成30年8月15日付第215-2号の審査請求人に対する行政文書非開示決定通知書による処分

3.審査請求に係る処分があったことを知った日
 平成30年8月15日

4.審査請求の趣旨
 上記2. の処分内容に疑義があるため処分の取り消しを求める。

5.審査請求の理由
(1) 請求人は、群馬県内に居住し、納税義務を果たしている住民である。
(2) 請求人は、平成30年8月1日付で群馬県知事に対し、次の情報について開示請求を行った。
   高渋バイパスで見つかった鉛、ヒ素含有建設資材の記者発表について、県民からの通報を端緒とし、調査方法・費用・スケジュール等に係る内部協議、そして、調査の実施決定、さらに調査による測定データ報告結果、およびその分析・評価を経て記者発表に至った過程のわかる一切の情報(廃掃法、土対法、JISなど関係法の、他部署との協議の過程も含む)
(3) すると、平成30年8月15日付で公文書非開示決定通知書が送られてきた。
(4) 請求人が開示請求した情報は、住民の生活環境の保全上、不可欠のものであり、仮に「当該法人等権利、競争上の地位その他正当な利益を害する恐れがある」としても、住民の安全・安心で健康的な生活保全が優先されるから開示されるべきである。
(5) また、群馬県知事はこれらの情報は「公にすることにより、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため」としているが、具体的に誰のどのような事務又は事業にどのような支障が生じるのか適示していない。むしろ、公にすることにより、群馬県はもとより当該法人等にとっても、いわゆる情報非開示から生じる事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションの解消につながることから、積極的に開示することが求められる。
6.処分庁の教示及びその内容
 平成30年8月16日付第215-2号で群馬県知事からの公文書非開示決定通知書に、「なお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます。(処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。)。
 また、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、群馬県を被告として(訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、 処分の日から1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する採決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。」と教示があった.

                            以上
**********

■当日、県民サービスセンターを9時半ごろ訪れて、県民生活課県民センター情報公開係の奥野聡・主幹と中下怜・主任に事情を説明した上で、審査請求書を提出したところ、30分ほどして、情報公開係長の柳下(やぎした)文孝・補佐から電話があり、「さきほど提出していただいた審査請求書に印鑑が押印していない」というので、前橋地裁での前橋バイオマス補助金訴訟の第11回弁論準備が終わった後、午前11時ごろ再度県民センターを訪れて、審査請求書に押印し、今度は正式に受理されました。

 この問題を初めて群馬県に報告して、有毒性の根拠を示す分析データも提供し、県に善処を求めた当会に対して、一貫して無視する姿勢をとり続けている群馬県に対して、審査請求を通じて、説明責任を果たしてもらうようにしたいと考えております。


さっそく10月25日から始まった4車線化工事の通告看板。10月26日撮影。以下同様。







見える所だけスラグを撤去した高渋バイパス分離帯。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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