市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

タゴ事件から18年目を迎える平成25年度を象徴する安中市のエープリルフール人事異動

2013-04-30 22:58:00 | 土地開発公社51億円横領事件

■ことしも4月1日付で、安中市職員の異動が発令されました。内示は3月22日にあった模様です。遅ればせながら、情報を掲載します。今回の異動で注目されるのは、なんといっても、4月1日に抜擢人事で昇格した課長級の職員が2日に急死しなければならなかった事件です。また、18年前の1995年(平成7年)に安中市土地開発公社を舞台に発覚した史上空前の巨額詐欺横領事件で、元職員タゴと一緒に業務をしていた方が、部長級にまで上り詰めたことです。岡田市政のもとで、もはやタゴ事件は完全に過去の出来事として葬り去られたかのようです。


**********
安中市異動(4月1日付)
 部長級昇任は3人
 安中市は22日、公立碓氷病院を含む人事異動を内示した。部長級ヘの昇任は3人。異動者数は268人、機構改革で、旧安中地区と旧松井田地区で別組織となっている農林、商工観光部門を、産業部農林課、商工観光課にそれぞれ統合する。

【部長級】
産業部長=昇格(保健福祉部子ども課長)竹内克美
松井田支所長=同(松井田支所保健福祉課長)土屋秀一
【参事級】
財務部収納課参事=昇格(財務部収納課長)中嶋薫
保健福祉部福祉課参事=同(保健福祉部福祉課長)上原茂
保健福祉部健康づくり課参事(保健尽福祉部介護高齢課参事)三宅勉
建設部土木課参事=昇格(建設部土木課長)柳沢治彦
建設部都市整備課参事=同(建設部都市整備課)角井富夫
松井田支所地域振興課参事=同(松井田支所地域振興課長)新井潤
【課長級】
市民部市民課長(.保健福祉部健康づくり課員)黒田修二
市民部環境推進課長=昇格(市民部環境推進課廃棄物対策係主幹)真下明
市民部クリーンセンター課長=同(市民部クリーンセンター職務2係長)小河原悟
保健福祉部子ども課長=同(保健福祉部子ども課保育助成係主幹)三浦尚明
保健福祉部介護高齢課長=同(保健捕祉部介護高齢課認定調査係主幹)木暮多美子
上下水道部浄水課長=同(上下水道部浄水課浄水係主幹)清水義行
上下水道部下水道課長=同(上下水道郎下水道課維持係主幹)須藤朗
松井田支所保健福祉課長=同(保健福祉部福祉課人権擁護係主幹)茂木雅俊
松井田支所耕地建設課長(松井田支所産業建設課長)瀬川広
教育委員会出向・課長=昇格(教育委員会出向・総務部庶務係主幹)田村武志
同(市民部クリーンセンター課長)田村昌俊
同=昇格(産業部商工観光課観光係主幹)田村昌俊
同=昇格(産業部工事観光係主幹)萩原弘
同(市民部市民課長)丸山誠一郎
【主幹】
総務部企画課企画調整係主幹(総務部秘書課研修厚生係主幹)須藤和俊
市民部市民課記録係主幹=昇格(市民部市民課記録係課長補佐)山村俊幸
市民部国保年金課医療年金係主幹(市民部国保年金課給付係主幹)阿部哲也
保健福祉部福祉課障害福祉係主幹=昇格(教育委員会出向・生涯学習課生涯学習係課長補佐)高橋信秀
産業部農林課主幹(松井田支所産業建設課土地改良係主幹)上原典夫
産業部農林課農村整備係主幹=昇格(産業部農林課農村整備係課長補佐)小板橋孝治
産業部商工観光課商工労働係主幹=同(産業部商工観光課商工労働係課長補佐)小泉正裕
建設部土木課庶務主幹=同(建設部土木課庶務係課長)中曽根久人
上下水道部上水道工務課工事係主幹=同(上下水道課上水道工務係工事係課長補佐)内田直幸
松井田支所保健福祉課福祉子ども係主幹(松井田支所保健福祉課健康介護係主幹)桑原孝宇
松井田支所耕地建設課耕地整備係主幹(松井田支所産業建設課農政係主幹)小林俊夫
監査委員事務局出向・主幹=昇格(監査委員事務局出向・監査係課長補佐)佐藤勉
監査委員会出向・主幹=同(教育委員会出向・学校教員課松井田学校給食センター課長補佐)青木博
【課長補佐級】
総務部秘書課研修厚生係課長補佐=昇格(市民部国保年金課国保係長)藤原喜康
財務部税務課市民税係課長補佐(松井田支所地域振興課管理係課長補佐)荻原正視
財務部収納課収納管理係課長補佐=昇格(財務部収納課収納管理係長)赤井英司
市民部国保年金課国保係課長補佐(総務部企画課企画調整係課長補佐)富田千尋
市民部環境推進課環境衛生係課長補佐=昇格(市民部環境推進課環境衛生係長)須藤辰樹
市民部環境推進課廃棄物対策係課長補佐(教育委員会出向・文化センター原市公民館課長補佐)町田博幸
市民部クリーンセンター管理係課長補佐=昇格(市民部クリーンセンター管理係長)石原勉
保健福祉部福祉課人権擁護係課長補佐(教育委員会出向・文化会館文化会館係課長補佐)飯野靖之
保健福祉部子ども課保育助成係課長補佐=昇格(保健福祉部子ども課子ども育成係長)志村千晶
保健福祉部健康づくり課予防係課長補佐(保健福祉部恵みの湯施設管理係課長補佐)上原好行
保健福祉部介護高齢課高齢者対策係課長補佐=昇格(保健福祉部介護高齢課高齢者対策係長)石田典久
保健福祉部恵みの湯施設管理係課長補佐=同(松井田支所産業建設課耕地整備係長)藤原伸康
産業部農林課林政係課長補佐=同(産業部農林課林政係長)清水芳秋
産業部商工観光課観光係課長補佐(松井田支所地域振興課商工観光係課長補佐)掘米純
産業部都市整備課事業係課長補佐=昇格(建設部都市整備課事業係長)赤見孝仁
建設部建築住宅課指導係課長補佐=同(建設部建築住宅課指導係長)桜井裕一
上下水道部上水道事務課業務係課長補佐(上下水道部上水道事務課業務係長)有阪修二
上下水道部浄水課浄水係課長補佐(上下水道部浄水課施設係課長補佐)児玉忠嘉
松井田支所地域振興課総務係課長補佐(財務部税務課市民税係課長補佐)大竹将夫
松井田支所地域振興課管理係課長補佐=昇格(市民部国保年金課国民年金係長)内田満二
松井田支所住民課市民係課長補佐=同(松井田支所住民課市民係長)武者寿子
教育委員会出向・課長補佐(保健福祉部福祉課生涯福祉係課長補佐)須藤隆
同=昇格(教育委員会出向・文化センター文化センター係長)中島彦一
同=同(松井田支所産業建設課林政係長)久保庭高明
同=同(教育委員会出向・文化センター東横野公民館係長)小林禎子
同=同(教育委員会出向・文化センター岩野谷公民館係長)原沢幸子
同=同(教育委員会出向・文化会館松井田図書館係長)佐藤律子
【係長級】
市民部クリーンセンター業務2係長=昇格(市民部クリーンセンター業務2係主査・4級)多胡明
保健福祉部子ども課子ども育成係長=同(松井田支所住民課税務保険係主査・4級)大野礼子
保健福祉部介護高齢課認定調査係長=同(建設部建築住宅課住宅管理係主査・4級)河井雅子
建設部建築住宅課住宅管理係長=同(財務部契約検査課審査検査係主査・4級)恩田敦
上下水道部浄水課施設係長=同(上下水道部浄水課施設係主査・4級)木村拓司
上下水道部下水道課維持係長=同(上下水道部下水道課工務係主査・4級)中島茂
松井田支所保健福祉課健康介護係長=同(松井田支所保健福祉課健康介護係主査・4級)石井美恵子
松井田支所耕地建設課国土調査係長(松井田支所産業建設課国土調査係長)町田和義
松井田支所耕地建設課建設係長(松井田支所産業建設課建設係長)中里見宏幸
会計課審査係長=昇格(建設部土木課庶務係主査・4級)武井文恵
教育委員会出向・係長(松井田支所地域振興課総務係長)萩原陽子
同=昇格(教育委員会出向・学校教育課指導係主査・4級)萩原宏明
同(建設部建築住宅課住宅管理係長)茂木浩之
同=昇格(教育委員会出向・文化センター文化センター係主査・4級)小林富喜子
同=同(教育委員会出向・文化会館文化会館係主査・4級)森田富美子
【係長代理級】
市民部クリーンセンター係長代理=昇格(市民部クリーンセンター業務1係主査・4級)阿部英樹
保健福祉部こども課係長代理=同(保健福祉部子ども課松井田第二保育園主査・4級)橋本みち代
【主査・4級】
市民部国保年金課主査・4級=昇格(市民部国保年金課給付係主査・3級)大林吉美
市民部環境推進課主査・4級(財務部財政課財務係主査・4級)中嶋寛之
保健福祉課福祉課主査・4級=昇格(保健福祉部福祉課保護係主査・3級)山田幸則
保健福祉部介護高齢課主査・4級=同(保健福祉部介護高齢課地域包括支援センター主査・3級)中島進一
産業部農林課主査・4級(松井田支所産業建設部土地改良係主査・4級)新井学
同=昇格(産業部農林課林政係主査・3級)佐藤康弘
同=同(同)新井雅彦
会計課主査・4級=昇格(会計課出納係主査・3級)中島香代子
教育委員会出向・主査・4級=同(教育委員会出向・学校教育課学事係主査・3級)小林晴子
同(総務部法制課法務係主査・4級)三浦和恵
同(市民部クリーンセンター管理係主査・4級)関口陽子
同(上下水道部上水道事務課業務係主査・4級)鯏莵ス
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4月1日にゴミ焼却施設の所長に昇進した途端、死に追いやられた安中市職員の一体なぜ?(続報2)

2013-04-29 20:27:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■4月2日の碓氷川クリーンセンター所長の急死については、翌3日の新聞で報道されて市民の知るところとなりましたが、当会は、この新聞記事を見て、安中市がマスコミにどのような経緯で連絡したのかを確認すべく、4月4日に次の内容でFAXにより岡田市長あてに情報開示請求をしました。なお、文中敬称は略させていただきます。

悲劇が起きた松井田の処分場入口。出入口の鉄扉にはこのようにカンヌキがかけられ南京錠で施錠されていた。なぜ8時半に連絡を受けて捜索を開始し、わずか15分後に発見できたのだろうか。この疑問に市秘書課はきちんと回答をしなかったのが気にかかる。
**********
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
平成25年4月3日の産経新聞は「ごみ焼却施設の所長 最終処分場で自殺か」と題して「安中市は2日、同市原市のごみ焼却処理施設『碓氷川クリーンセンター』所長(51)が急死したと発表した。自殺の可能性が高いとしている」「秘書課によると、所長は1日付で同センターの係長から所長に昇格し、同日はいつも通り仕事をしていたという」などと報じた。これに関する次の情報。
①安中市がマスコミに発表した全ての内容。
②平成10年4月以降、平成25年3月まで碓氷川クリーンセンター所長職にあった市職員の氏名、およびそれぞれの異動前、異動後の所属と職位。
③今回急死した職員の異動前の所属と職位。
④碓氷川クリーンセンターの組織体制(同居する環境推進課との関連)が分かるもの。組織図あるいは組織表を含む。
※急死した職員の氏名は開示対象に含めません。
**********

■この結果、4月16日付で開示通知があり、日時を調整の上、4月22日(月)午前9時に市役所本庁2階法制課で開示を受けたことは前回ご報告しました。

 そして、開示に際して、異例の「親族の心痛を逆なですることのないように配慮せよ」という主旨の書面が添えられていたことや、上記①の安中市がマスコミに発表した全ての内容と、④碓氷川クリーンセンターの組織体制についても前回報告しました。

■今回は、上記②と③について、分析してみました。

 上記②と③に対する安中市役所からの回答は次のとおりです。

**********
【岡田市長からの情報提供通知】
                    安秘発第101号
                 平成25年 4月16日
安中市野殿980
小 川  賢 様
                  安中市長  岡 田 義 弘
 平成25年4月4日に請求のありました行政文書の開示請求につきまして、下記のとおり情報を提供いたします。
          記
1.提供する資料
 行政文書開示請求書の「開示を請求する行政文書の内容又は件名」の②及び③
2.提供内容     別紙のとおり

【別紙:情報提供】
■「開示を請求する行政文言の内容又は件名」の②
 期 間 / 所長職氏名 / 前 職 名
・平成18年3月18日~平成24年3月31日/大塚敏彦/異動前:-、異動後:(H 24.3.31)退職
・平成24年4月1日~平成25年3月31日/田村昌俊/異動前:松井田支所産業建設課林政係主幹/異動後:(H 25.4.1)教育委員会生涯学習課課長
■「開示を請求する行政文書の内容又は件名」の③
異動前 所属:碓氷川クリーンセンター業務2係
異動前 職位:係長


【岡田市長からの承継行政文書の任意的公開回答書】
                    安ク発第63号
                    平成25年4月16日
安中市野殿980
 小 川  賢 様
                  安中市長 岡田 義弘
 平成25年4月4日付けで受理した行政文書開示請求書のうち、安中市情報公開条例附則第3墳に規定する承継行政文書に該当するものにっいて、実施機関において保有していないため、回答します。
開示請求に係る行政文書の内容:別紙行政文書開示請求「'②平成10年4月以降、平成25年3月まで碓氷川クリーンセンター所長職にあった市職員の氏名、およびそれぞれの異動前、異動後の所属と職位。」のうち合併前の安中・松井田衛生施設組合の情報
承継文書が存在しない理由:安中・松井田衛生施設組合の当時は碓氷川クリーンセンター所長職位はないため。なお、平成10年4月から平成18年3月17目までの期間において、碓氷川クリーンセンター所長職に相当する職は安中・松井田衛生施設組合事務局長であるため、別紙のとおり情報を提供いたします。
事務担当課:市民部 クリーンセンター課 電話番号 027-381-0747
備考:-

<行政文書開示請求に関する行政文書の写し一覧>
 開示請求の件名/行政文書の名称/開示の別/不開示とした箇所/不開示とした理由/開示請求に対する説明/枚数(枚)
・行政文書開示請求書「開示を請求する行政文書の内容又は件名の②/平成10年4月以降、平成25年3月まで碓氷川クリーンセンター所属職にあった市職員の氏名、およびそれぞれの移動前、移動後の所属と職位/-/-/-/-

<行政文書開示請求に関する情報提供の一覧>
 開示請求の件名/情報の名称/枚数(枚)
・行政文書開示請求書「開示を請求する行政文部の内容又は件名の②/開示情報が少ないため、一枚にまとめて提供します。/-

【情報提供】
「情報を請求する行政文言の内容又は件名」の②
 安中・松井田衛生施設組合事務局長の職にあった市職員の氏名
 期 間 / 職 / 氏 名
・平成10年4月1日/事務局長/小嶋六郎
・平成11年4月1日~平成12年3月31日/事務局長/半田晴美
・平成12年4月1日~平成16年3月31日/事務局長/高橋弘安
・平成16年4月1日~平成18年3月17日/事務局長/横田道夫
 それぞれの異動前、異動後の所属と職位に関する文書は存在しません。

**********

■ちょっと分かりにくいのですが、要するに歴代のトップはつぎのとおりでした。

<安中・松井田衛生施設組合>
・平成10年4月1日~平成11年3月31日/事務局長/小嶋六郎 移動前:? 異動後:?
・平成11年4月1日~平成12年3月31日/事務局長/半田晴美 異動前:? 異動後:?
・平成12年4月1日~平成16年3月31日/事務局長/高橋弘安 異動前:? 異動後:?
・平成16年4月1日~平成18年3月17日/事務局長/横田道夫 異動前:? 異動後:?
<碓氷川クリーンセンター>
・平成18年3月18日~平成24年3月31日/所長/大塚敏彦 異動前:?、異動後:(H 24.3.31)退職
・平成24年4月1日~平成25年3月31日/所長/田村昌俊 異動前:松井田支所産業建設課林政係主幹/異動後:(H 25.4.1)教育委員会生涯学習課課長 ←【当会注:田村昌俊は、平成22年4月1日付で、松井田支所住民税務環境交通係課長補佐から松井田支所産業建設部土地改良課主幹に昇格していた。つまり課長補佐から課長になるまで、主幹を2年間経ていた】

■開示されたこの情報を見て、思わず声が出そうになりました。合併前の安中・松井田衛生施設組合当時のトップには、あの有名な御仁らの名前が連なっているからです。

 秘書課に確認したところ、高橋弘安も横田道夫も既に退職しているとのことです。おそらく衛生施設組合の事務局長を花道に退職したものと見られます。

 高橋弘安は、最近まで安中市商工会の事務局長をしていましたが、秘書課によると、平成25年3月末で辞めたということです。また、横田道夫の現在の動静についても秘書課に質問しましたが、市役所からは離れているとしか答えてもらえず、現在の処遇は不明となっています。

 この御仁らは、安中市土地開発公社を舞台にした空前絶後の巨額詐欺横領事件で、重要な役割を果たしたかたがたですが、ふたりとも、退職前の花道に、当時、安中市民の目に付かずらかった安中・松井田衛生施設組合の事務局長にそれぞれ4年間と2年間も居座っていたことがわかりました。高橋弘安については、元公社の事務局次長としてタゴの直属の上司でしたが、タゴ事件の発覚後、民事訴訟でいつもタゴの配偶者と一緒に安中市・公社と群馬銀行との間の裁判を傍聴していたのが市民らによって目撃されていました。その民事裁判もおわり、103年ローンの和解が決まり、事件の幕引きと時を同じくして、タゴと家族ぐるみの付き合いをしていた高橋弘安が衛生施設組合に雲隠れをして、しかも報酬は2割程度アップするという情報が当時、市民の間で飛び交いました。

 ところが、タゴ事件で秘書課の係長として、市長公印を管理していた横田道夫が、高橋弘安が4年間居座った後に、2年間も引き続き居座っていたことが今回の情報開示でわかりました。この人物は、タゴに言われるまま偽造書類に市長公印をペタペタ押して、億単位の公金をタゴが群銀からおろせるようにしたのでした。警察の調書では「事情を知らないまま」と陳述していましたが、当時、市内に建てられたこの人物の自宅を見て、いぶかしく思った市民は少なからず居ます。

 このように、碓氷川クリーンセンターの前身だった安中・松井田衛生施設組合は、タゴ事件の残党の巣窟でした。

■こうした由緒ある組織のトップに抜擢されるというのはそれなりに人事異動の際に、重要な配慮がなされてしかるべきだと当会は考えています。それだけに、今回、係長から所長(=課長)への大抜擢人事の背景について、何らかの事情があり、それが今回の悲劇の遠因になったのではないか、という疑念が持ち上がるのです。

【疑問1】係長から所長=課長への大抜擢の背景は何か?

 上述のとおり、平成25年3月31日まで所長だった前任者は次のように、課長補佐→主幹(2年)→所長(=課長)というふうに段階的に昇格しています。
●平成22年4月1日
松井田支所産業建設課土地改良係=主幹に昇格(松井田支所住民税務課環境交通係課長補佐)田村昌俊
●平成23年4月1日
松井田支所産業建設課林政係主幹(松井田支所産業建設課土地改良係主幹)田村昌俊
◆平成24年4月1日
市民部クリーンセンター課長=課長に昇格(松井田支所産業建設課林政係主幹)田村昌俊
◆平成25年4月1日
教育委員会出向・課長(産業部商工観光課観光係主幹)田村昌俊

 4月1日付の安中市異動によれば、課長として辞令が交付された13名のうち、異動前も課長だった4名以外の、新しく課長級になった9名のうち、異動前の職位は主幹級が8名で、今回急死した職員だけが係長級でした。

 今回、新たに課長に昇格した環境推進課長の真下明の場合は、課長補佐→主幹(3年)→課長に昇格しています。
●平成22年4月1日
市民部環境推進課廃棄物対策係=主幹に昇格(市民部環境推進課廃棄物対策係課長補佐)真下明
◆平成25年4月1日
市民部環境推進課長=昇格(市民部環境推進課廃棄物対策係主幹)真下明

 子ども課長に昇格した三浦尚明も、課長補佐→主幹(3年)→課長に昇進しています。
●平成22年4月1日
保健福祉部子ども課保育助成係=主幹に昇格(保健福祉部子ども課保育助成係係長補佐)三浦尚明
◆保健福祉部子ども課長=同(保健福祉部子ども課保育助成係主幹)三浦尚明

 松井田支所の保健福祉課長に昇格した茂木雅俊の場合も、課長補佐→主幹(3年)→課長というコースをたどっています。
●平成22年4月1日
保健福祉部福祉課人権擁護係=主幹に昇格(保健福祉部福祉課人権擁護係課長補佐)茂木雅俊
◆松井田支所保健福祉課長=同(保健福祉部福祉課人権擁護係主幹)茂木雅俊

 教育委員会に課長として出向する田村武志の場合も、課長補佐→主幹(3年)→課長です。
●平成22年4月1日
教育委員会出向・総務課庶務係=主幹に昇格(教育委員会出向・総務課庶務係課長補佐)田村武志
◆教育委員会出向・課長=昇格(教育委員会出向・総務部庶務係主幹)田村武志

 同じく教育委員会に課長として出向する萩原弘も、課長補佐→主幹(3年)→課長となっています。
●平成22年4月1日
産業部商工観光課観光係=主査に昇格(産業部商工観光課観光係課長補佐)萩原弘
◆平成25年4月1日
教育委員会出向・課長=昇格(産業部工事観光係主幹)萩原弘

 なお、本庁ではなく、公立碓氷病院の人事で4月1日付で課長になった竹内清孝の場合も、課長補佐→主幹(3年)→課長という過程を経ていることも注目されます。
●平成22年4月1日
松井田支所地域振興課総務係=主幹に昇格(松井田支所住民税務課国保年金係課長補佐)
●平成25年4月1日
事務部総務課長(市民部環境推進課長)竹田清孝
 ちなみにこの人物は、タゴ事件で今回産業部長に昇格した竹内克美とともに、タゴと一緒に土地開発公社で業務をしていたことで知られています。

■こうしてみると、クリーンセンター所長として課長に昇進した直後に急死した職員が、いかに大抜擢されたのかが良く分かります。前任者の田村昌俊の場合は、課長になる前に通常3年間の主幹の期間が2年と短くなっていますが、係長から課長補佐、主幹を経て課長になるまでには数年を要するものと見られます。ところが、急死した職員は、係長からいきなり課長に抜擢されました。

 既述のとおり、安中市の人事では、昇格の段階は、主事補→主事→主査3級→主査4級→係長代理→係長→課長補佐→主幹→課長→参事→部長という順番になっています。

 課長になるには、その手前の主幹で2、3年を過ごすことが殆どで、たまに課長補佐から主幹を飛び越えて課長にすることもあるようです。また、確かに平成22年4月1日付の異動を見ると、矢島正子が会計課審査係係長→市民部市民課長に昇格しています。しかし、矢島正子は平成23年4月1日付で退職しており、最後のお手盛り人事だったのかもしれません。ちなみに、平成22年4月1日付の異動では、矢島正子以外の13名の課長昇格者は全員主幹からの昇進者でした。

■市役所の人事は秘書課が担当しているとことですが、実際には、首長の裁量や議員の口利きなど、いろいろな要素が絡んでいるはずです。急死した職員の大抜擢の背景にはなにがあったのか、亡くなった場所が処分場であることから、公務との関連も気になります。引き続き、調査を進めていく予定です。

【ひらく会情報部・公務員労働環境調査班】

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4月1日にゴミ焼却施設の所長に昇進した途端、死に追いやられた安中市職員の一体なぜ?(続報1)

2013-04-26 00:22:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■4月2日に急死した安中市職員の訃報は、市民の間で驚きをもって受け止められました。そのため、当会では、4月3日に掲載された新聞記事をもとに、市役所ではどのようにこの悲しい事件に対処して、マスコミに報告したのかについて、情報開示請求をしていました。その結果、4月22日(月)に安中市役所本庁2階の法制課で開示を受けるとともに、マスコミに対する情報提供の内容について、発信元の秘書課の担当者からヒヤリングする機会を得ましたので概要についてご報告します。

日時;平成25年4月22日(月)09:00-10:40
場所:市役所2階法制課の応接コーナー
開示請求人:小川賢
面談者:秘書課 職員係 小黒勝明・係長
    秘書課 広報係 反町勇・係長
    立会者 法制課法務係 田島係長、伊藤主任

 なお、秘書課の田中課長も同席予定とのことでしたが、急遽別の会議が入ったということで、「遅れて参加する」という秘書課担当らの説明でしたが、結局、最後まで来ませんでした。

 当日、開示されたのは次の2つの資料でした。
①マスコミ向けFAX2通(高崎市役所内の高崎記者クラブあてに簡単な内容で2度発信している)



②安中市組織図(市民部の下にクリーンセンターが課のひとつとして示されている)


■今回の開示に際して、異例だったのは、当会が請求していた行政文書の開示について、4月16日付で、開示決定通知が当会に届きましたが、その封筒の中に、文書番号のない手紙が1枚同封されていたことでした。

**********
                    平成25年4月22日
小 川  賢   様
                  安中市長 岡 田 義 弘
                  (総務部秘書課)
平成25年4月4日付け情報公開資料の用途に関する配慮のお願いについて
 今回の情報開示は、安中市情報公開条例に基づき開示するものですが、故職員に関係する情報の用途につきましては、ブログヘの掲載や憶測での記述等により遺族の心痛を逆なですることのないようご配慮願います。

**********

 この文書は岡田市長の名前で、担当部署の秘書課の公印が押印してありますが、日付が開示日と同じく平成25年4月22日となっていました。しかも通常、行政文書には右上に日付と一緒に文書番号が記載されているのですが、それが全くないのです。

 そのため、当会では冒頭、秘書課に対して、当会宛のこの「遺族の心痛への配慮」に関して記述された行政文書の作成根拠と送付理由について質問しました。

 秘書課の職員係長の説明では、田中課長の指示で職員係長が作成したのだそうです。そこで、当会から「遺族への心痛配慮に留意するように、という意味について教えてください。ご遺族に面談して『どこからどこまでの範囲でブログにかいてよいか悪いかを確認しろ』という意味でしょうか?」と質問したところ、秘書課では「そうではなく、一般常識としての範囲でお願いしたい」という趣旨なのだそうです。

 「では、(この事件に関して4月3日にアップした)当方のブログで、どこがご遺族の心痛を逆なでしているのかを指摘してください」と訊ねたところ、秘書課からは「憶測で書かれた部分だ」と説明がありました。

 当会は「だから、憶測でかかないようにするために、こうして情報開示請求をして、さらに確実を帰す為に、人事をつかさどる秘書課の皆さんに、こうして直接質問して確認しています」と申し述べました。しかし、秘書課では、当会のブログ記事について、非常にナーバスになっている様子が伺えました。

■本館に関する当会のブログ記事では、4月3日の東京新聞と産経新聞の記事をもとに、当会の感想を記述しました。しかし、記事の内容が、死亡原因まで示唆していることから、その情報源となった秘書課からのマスコミ発表がどの程度まで詳しいものだったかについて裏づけを取るのが、今回の情報開示請求の目的でした。

 にもかかわらず、4月22日の開示に先立ち、秘書課では、手回しよく、このような「遺族配慮」の文書をわざわざ作成していたことから、当会を牽制しておかなければならない理由があることは明らかです。よほど何か知られたくない背景があるのか、と勘ぐらざるを得ません。

 そこで、この文書番号の無い手紙が、どのような位置付けで発信されるように至ったのかを遡及するため、秘書課の職員係長に「今回の開示手続に関する起案文書を見せてください」と頼みました。係長は、手持ちのファイルを開いて、「このとおりだ」と見せたので、「閲覧ということでデジカメで撮ってもいいでしょうか」とカメラをかばんから取り出そうとしたところ、「閲覧の場合も情報公開請求の手続を取る必要がある」と言われて、撮影を拒否されてしまいました。やむなく、開示手続をして、10枚ほどの資料を後日郵送してもらう為、コピー代と郵便代を支払いました。

■引続いて質疑応答に入りました。

 秘書課では、なぜ当会がこの件で質問があるのか、よく理解できていないようです。そのため、当会は何が疑問なのかを最初に説明しました。その趣旨として、「新聞では自殺だとされており、確かに個人的な悲しい出来事であるが、我々市民が市政の執行を負託した公務員の方が自ら命を断ったということは、極めて重く、それについて背景や事情について疑問点を明らかにしたいというのは理由がある」というふうに伝えました。しかし、それでもなぜか理解を十分得られたとは言えず、秘書課では、歯切れの悪い説明や迷惑そうなそぶりが気にかかりました。

■疑問その1:マスコミへの伝達内容と時間

 開示された資料①を見ると4月2日に秘書課がマスコミ向けに発信したFAXは2通あることが分かりました。そこで、「マスコミ向けのFAX2通について、それぞれいつ発信したのでしょうか」と質問しました。これに対して広報係長は「上司(=田中課長)に言われてその時点で把握していた情報をもとに、内容文を考えて、上司に確認してからマスコミ向けに発信したが、当日はあわただしかったので発信時間はよく覚えていない」と説明しました。

 当会は「それではFAXの利用簿や受発信記録があるでしょうから調べてみてください」としつこく質問しました。すると、「最初は確か午前9時ごろで、次のは午後だとおもう」というので、「午後何時ごろか?」となるべく正確な時刻の確認を求めましたが、昼過ぎの3時か4時あたりをほのめかしたものの、結局正確な時刻は分からずじまいでした。

 また、市役所ではFAXの利用簿はつけていないことも判明しました。法制課法務係に調べてもらったところ、ムラテック(村田機械)製のファクシミリ機には、発信数が100件を超えるとメモリーが自動消去する機能が付いているので、4月5日ごろまでしか発信記録がなく、それ以前は消去されてしまったのだそうです。 ←【当会注:事務所用のファクシミリは通常、送信記録を定期的に打ち出す機能が付いているはずです。ところが、市役所では何らかの理由でその機能を解除して別の設定にしていました。】

 広報係長によると、最初のFAXは、4月2日の朝9時ごろ、その時点で分かっていた情報に基づき、いずれ公表をマスコミに迫られることもあり、先手を打って知らせておこうという上司の意向で、こうした文章に状況をまとめ、高崎市役所の記者クラブ宛に発信したのだそうです。そのあとマスコミ各社に個別に、朝日を手始めに、加盟各社全社(朝日、読売、毎日、産経、上毛、東京、群馬TV、NHK)に発信したそうです。

 すると、マスコミから電話が頻繁にかかってきたが、秘書課では、無用な混乱と錯綜を避けるために、情報統制の観点から、対外窓口は全庁のなかで唯一、秘書課広報係で一本化して対応したのだそうです。

 そこで、当会は疑問点として、「新聞記事で東京新聞が8時45分にご遺体発見ということを報じていますが、それはなぜでしょうか」と質問したところ、秘書課は「マスコミ各社にはFAXに書いたほかは、一切しゃべっていない」と断言しました。

 その後、4月2日の午後になって、秘書課の持っている情報が少しずつ増えてきたので、マスコミ対策として2回目のFAXを、1回目と同様のやり方で発信したのだそうです。しかし、2通目のFAXの詳しい送信時間については、結局秘書課では埒が明かないため、受信したマスコミ関係者に確認することにしました。しかし、まだ返事は得られていません。 ←【当会注:これについては4月26日に、記者クラブから「最初のFAXは午前9時30分、2番目のFAXは午後1時30分だった」と確認がとれました】

■疑問その2:遺体発見に至る時系列

 次に、急死した碓氷川クリーンセンター所長の遺体発見に至る時系列的な経緯について質問しました。歯切れの悪い秘書課の説明によれば、所長の家族から、4月1日の夜に帰宅がなかったという情報が、職場のクリーンセンターに寄せられたのは、4月2日の業務開始直後、つまり午前8時30分だったそうです。クリーンセンターの上司に電話で問い合わせがあり、クリーンセンターから直ちに秘書課にも連絡があったそうです。そして、クリーンセンターの職員らが手分けして捜索して遺体が松井田にある埋め終わった処分場で発見されたということのようです。「ようです」というのは、こちらの質問に断片的に答えるだけなので、秘書課の説明が非常に曖昧だからです。だから、上記の経緯も「憶測だ」と言われてしまうかもしれません。

 秘書課の説明に対して、当会は「それはありえないのではないでしょうか。8時半にクリーンセンターに電話があって、それから、部下の職員の皆さんが分担を決めて捜索準備にとりかかったのでしょうから、クリーンセンターを出発して、僅か15分で松井田の現場まで行って、門のなかにはいり、捜索をして、遺体発見に至るまでには、少なくとも30分以上は時間がかかったと思われます」と疑問を呈しました。あまりにしつこく、この疑問を投げかけたところ、職員係長は「その前から捜索を開始していたと思う」という感想を漏らしました。誰が見ても、家族が所長の未帰宅について連絡をした時点では、クリーンセンターの部下の職員は既に早朝から所長の行方を捜す活動に入っていなければ、矛盾することは明らかです。しかし、秘書課ではこの大きな疑問について、知ってか知らずか、重要視していないかのようです。

■疑問その3:係長から所長(=課長)への3階級特進の昇任

 続いて当会は、なぜ所長は係長から課長へと、課長補佐、主幹を飛び越えて3階級特進したのかについての疑問を秘書課に投げかけました。職員係長いわく「係長以上は管理職であり、係長と課長補佐、主幹と課長は号俸的には同じ。だから3階級特進はありうる」という説明でした。そこで当会は、もっと分かりやすい質問をしました。「では例えば100名が昇格したら、3階級特進はそのうち何パーセントくらいありうるのか」と質問したところ、「・・・」というので、「消費税くらいですか。それとも、もっと少ない?」と畳み掛けたところ、秘書課は「非常に稀だ」ということを認めました。どうやら、あるのかどうかも分からず、おそらくはあっても1%以下というニュアンスでした。その意味でも、今回のクリーンセンター所長人事は異例中の異例と言えるでしょう。

 さらに当会は「所長への昇進の内示はいつ伝えたのですか?」と質問しました。それに対して職員係長は「3月22日(金)に部課長昇任対象者全員を市役所の本庁に集めて、内示の説明をした」と言いました。その時、所長昇格の内示を受けた職員に、特段の変化はなかったとのことです。

 ちなみに、安中市役所では、大卒で入庁すると、初年度は「主事補」で、翌年「主事」となり、その後「主任」→「主査3級」→「主査4級」→係長→課長補佐→主幹→課長→参事→部長というふうに昇任するようです。能力主義を導入している民間と異なり、年功制が主体なので、係長までは横一線で昇進するようです。その後は、ポストの空き具合で人事が決められる要素が増えるようですが、役所では原則的に年功序列体制がまだまだ現存しているようです。

■その他、秘書課との質疑応答で明らかになったことがいくつかあります。

 所長は昇任直前、3月末までクリーンセンター業務2係の係長を勤めていました。クリーンセンター業務には1係と2係があります。業務1係はゴミ焼却部門で、係長を含め6名の職員がいます。業務2係はし尿処理部門で職員は係長を含め4名。管理係は一般事務を行っていて係長を含め6名の職員が在籍しているそうです。

 所長の入庁年について、秘書課に訊ねましたが「調べてみないと分からない。これは調べてあとで連絡する」というので、他の疑問点と合わせてあとでメールで質問することになりました。

 所長の葬儀には、職員係長も広報係長も会葬したというので、当会は「市長はいつものように弔辞を読んだのでしょうか」と質問したところ、二人は顔を見合わせて「なぜかしらないが、市長は弔辞を読まなかった」と言いました。これにはさすがに当会も驚き、「かつては弔辞議員とよばれるほど、弔辞好きな市長が、しかも市職員の葬儀で弔辞を読まなかったとなると、よほどの事情があるのでしょうね」としつこく訊ねたところ、「昔からかわいがっていた人や友人が弔辞を読み上げたので、(市長が弔辞を読む)時間がなかったせいかもしれない」とのことです。

■疑問その4:死亡の原因

 当会は「マスコミへ送ったFAXを見た限りでは、死亡原因については特定されておらず、それにもかかわらず新聞記事を読む限りでは、自殺と断定したかのような記述であり、さらには死亡の状況に事件性は無いと警察が判断していることなど、追加情報がいろいろ書いてありますが、それらの情報は、安中市としても把握して、きちんと遺族に伝えてあるのでしょうか。FAXをマスコミに発信すること自体についても、遺族に確認をとっているのでしょうか」と質問したところ、秘書課では「そうしたことはやっていない」ということでした。

 当会は、事前に「遺族感情への配慮」として秘書課から釘をさされたこともあり、「それでは遺族の心象を逆なでしたとして、何か遺族からクレームはつけられたという経緯はあるのでしょうか。それとも、遺族からは何も言われていないのでしょうか」と何度も確認を求めたところ、秘書課では返答に苦しむ表情を浮かべつつも、結局返事がありませんでした。「ご遺族の方々への配慮は十分にしており、そのような非礼なことは絶対ありえません」という答えが聞きたかったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。

 当会は、「急死された所長の後任人事は既に始めているのでしょうか。人選は決まったのですか。内示は出したのですか」と質問したところ、秘書課いわく「現在のところ空席のままで、後任の候補者の名前も上がっていない」とのことです。

 また、当会からは「3階級特進によって、本人はその責任の重圧を感じていた可能性があります。日頃からそうしたメンタルな管理はしているのでしょうか。ハラスメントのようなものがもしあったり、民間でいう労災、つまり、自殺の公務起因性について職務上のなにか関連についてはあくしていうのでしょうか」と質問したところ、秘書課では「関係者に聞いても本人が仕事上の悩みを抱えているという情報はない。メンタルケアについては、研修などをして対応している」とのことでした。

■1時間40分の間、秘書課との面談を通じて、いろいろ質問させていただきましたが、秘書課は「よく覚えていない、資料を調べないと分からない、クリーンセンターの幹部が知っていると思う」などと曖昧な返事に終始していたのが気になりました。

 秘書課長が結局同席しなかったのも気になります。

 このように不完全燃焼のかたちで、首をひねりながら市役所をあとにしましたが、どうにも気持ちがすっきりしません。そこで、4月23日に次の質問を秘書課に出しました。

**********
Sent: Tuesday, April 23, 2013 8:21 PM
Subject: 4月22日の秘書課を交えた情報開示に関連して(ご質問)

安中市役所 総務部 法制課
法務係 伊藤 様

昨日の情報開示では大変お世話になりました。
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
さて秘書課の担当者のかたがたとの面談時にも申し上げましたが、今回の出来事について次の質問があります。お手数ですが、秘書課に問い合わせていただければ幸いです。

1.故職員の入社年月。1991年か1992年というお話でしたが、正確に何年何月か、教えてください。
2.故職員は、クリーンセンターの前身の安中・松井田衛生施設組合に入社し、その後、ずっと同組織で勤務されていたのですね?
3.マスコミ向けに発信されたFAX2通の発信時刻。反町様によれば、最初のFAXは4月2日(月)午前9時で、続報のFAXは同日午後で、午後3時あるいは4時ごろだったかもしれないとことですが、もう少し確定的な情報を教えてください。ちなみに、高崎市役所の記者クラブにも問い合わせましたが、返事をいただけておりません。
4.秘書課がマスコミに発信した情報以外のことで、マスコミが報道した事項があります(遺体発見時間、死亡原因として自殺を示唆していること、事件性を否定していること)。それらは、マスコミが秘書課以外のほかのセクションから入手された可能性はあると思われますか。それともマスコミが警察関係者から入手した可能性のほうが強いと思われますか。
5.秘書課としては、マスコミに伝えなかったそうした情報について、4月2日の何時の時点で入手し把握していましたか。(当然マスコミにFAXを発信した後だということになりますが)
6.そうした情報は、4月2日に入手し把握した時点で、速やかに遺族にも伝えていましたか。それとも、伝えなかったのですか。
7.事件性がないという情報が新聞記事に書かれていますが、秘書課では、積極的に警察に対して、マスコミと同様に確認するなりしていましたか。それとも、警察から情報提供があったのですか。あるいは、4月3日の新聞記事を見るまで把握していなかったのですか。

取り急ぎ、上記の質問をさせていただきます。

安中市野殿980
小川賢
**********

■秘書課からはさっそく4月24日に回答がありました。

**********
送信日時: 2013/4/24, 水, 15:31
件名: 4月22日の秘書課を交えた情報開示に関連して(回答)
小川 様

お世話様になります。
4月23日いただきましたご質問に対しまして下記のとおり回答させていただきます。

回答
 1.平成5年4月です。
 2.そのとおりです。
 3.4月22日情報開示の際にご説明したとおりです。
 4.マスコミに伝えた以上の情報はありません。
 5.そういった情報はありません。
 6.警察からの情報提供はありません。 ←【当会注:これは7番の質問への回答。6番の質問への回答を避けたということは、結局、家族には2日の状況については何も連絡していなかった可能性もあったことになる。】

以上です。
よろしくお願いいたします。

**********************************
安中市役所
 総務部 秘書課 広報広聴係
 反町 勇
〒379-0192 安中市安中1-23-13
Tel 027-382-1111(内線1014)
Fax 027-381-0503
URL http://www.city.annaka.gunma.jp
**********************************

■以上のとおりのやりとりですが、これでは疑問点が依然として払拭できません。引続き、調査を進める必要がありそうです。

 安中市秘書課では、当会の調査活動そのものを「憶測で情報を垂れ流し、遺族の心痛を逆なでする」と見なしたがっているようですが、「憶測」と「疑問点に対する感想」は違います。当会は、あくまで「憶測」を排除し、今回の悲しい出来事が公務との因果関係の絡みで発生したのかどうかを市民納税者の観点から確認することが活動の目的です。しかし、市役所ではあいかわらず「遺族感情配慮」を理由に、当会の活動に対して制約を加えようとするかもしれません。

【ひらく会情報部・地方公務員労働環境調査班】

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みどり市大間々町13区を巡る不正会計問題について、オンブズマンが石原市長に最終確認状を提出

2013-04-25 00:31:00 | オンブズマン活動

■大間々町13区の公民館建設を巡る様々な不正会計を区長一派が行い、そのことを告発した住民らに対して、区長らが名誉毀損で住民らを前橋地裁桐生支部に訴えた事件で、裁判所は、区長らの不正会計の事実を認めたうえで、和解条項として民主的な区の運営を訴訟当事者双方に履行を促しました。不正会計を行っていた現区長本人(前区長はその後他界)は当然、裁判の和解条項の履行のために、区長の座から身を引くとおもわれました。

 と、思いきや、現区長本人は、区の総会で区長一派による強権的な決議によって再選されてしまったのです。それを受けて、かつて県議時代に区長一派から謝礼を受け取ったことのある石原市長は、不正会計をしていた区長に委嘱状を交付してしまいました。

 市民オンブズマン群馬では、大間々町13区在住の会員らの要請で、みどり市長宛に、これまで合計7回の公開質問状を提出していました。平成25年4月9日付で7回目の質問に対する回答があったため、その内容を分析するとともに、対応を検討してきました。

 その結果、本件問題に対するみどり市長の考え方をきちんと確認しておく必要が有るため、オンブズマンとして次の書面を総決算として、平成25年4月23日に、みどり市長に提出しました。

**********
                    2013年4月23日
〒376-0192群馬県みどり市笠懸町鹿2952
みどり市長 石原 条 様
                    市民オンブズマン群馬
                    代表 小川  賢
          最 終 確 認 状
 貴殿におかれましては、平素より地方自治に真摯に取り組まれ、そのご努力に対して、敬意を表します。
 さて、貴殿に対して、大間々町13区の民主化を阻んでいるさまざまな問題について、これまで7回にわたり公開質問状を提出したところ、貴殿から回答を賜ることができましたことを厚く御礼申し上げます。
 しかし、当会の質問に対して、貴回答内容には曖昧な点が多々見られます。そこで、貴殿からのこれまでの回答を踏まえて、次のとおり貴殿の考え方を整理させていただきましたので、ご確認くださるようよろしくお願い申し上げます。なお、異論がある場合に限り、下記宛に郵送又はFAXで、5月7日(火)必着で、具体的な説明をお寄せ下さい。
確認1:
 貴殿は、「公民館建設資金請負金額6500万円のうち、1800万円が国からの捕助金でその範囲で適正に処理されているので、残金4700万円については、どのように不正ないし不適切に会計処理されても何ら問題ない」という見解ですね?
確認2:
 ちなみに、公民館建設資金6500万円のうち、一部が判明した登記料の不明金も判明しています。それでも、その登記料は補助金の範囲内ではなく、残金4.700万円に中に含まれるから、どのように不正ないし不適切に会計処理されても関係ないという事ですね?
確認3:
 貴殿は「書類の保存年限が5年と規定されているので、現存されていない」と回答しましたが、地区の住民らによれば「役所の立会で開示したが、その時は4年しか経過しておらず、前回は有ると回答しており、(貴殿の回答は)矛盾している」とのことです。当会に対して事実でないことを回答したのですね? 当会が任意団体だからですね?
確認4:
 貴殿は、「本件が刑事不起訴になったので、不正会計ではなく不適切会計だ」と認識しているようです。桐生タイムスの記事にも「一部適切でない会計処理があつた」と記載されています。日本税理士会では「不適切会計とは不正会計そのものである」と断言しています。裁判官は、和解を促すために、敢えて不正会計という言葉を和解調書で使わなかったと思われます。貴殿は、民事裁判で原告区長の「不正会計ではなく不適切会計」が前提として認められたのだから、そのような人物が再び区長として不適切な会計をしても問題ないと判断して区長に委嘱状を交付したのですね?
確認5:
 したがって貴殿は、「区長が不適切会計をしても刑事罰を受けていない限り、市として区長を委嘱するための資格に何ら問題ない」と認識しているわけですね?
確認6:
 貴殿は「区長は地方公務員法を受けないので、市の職員に課せられる法令による縛りは一切無い」というお考えですね?
確認7:
 すなわち、不適切会計はもとより、不正会計を区長がしても、貴殿はすべて不問にするということですね?
確認8:
 大間々町13区の会則に「区会の円滑油で有れば、2次会で区費7万円を区長等がカラオケスナックで酒飲しても差し支えない」と記載されています。そういうことをしても、不適切会計の範囲内だから、問題ないということですね?ちなみに、他の区の会則には,そんなことは書かれていませんし、他の区の区長は、このことについて「そんなことは、有ってはならない事だ」と言っています。
確認9:
 貴殿が県議時代に、県から補助金をいただくために、大間々町13区の帳簿に「県議謝礼」と2回記載されています。群馬県庁では、このことについて「金銭の大小は関係なく、政治家がやってはいけない一番の問題である」とコメントしていました。しかし貴殿は、区民から謝礼を受け取ったことについて「ご質問の主旨は分かりかねる」として一蹴し、一切コメントしようとしませんでした。これについても貴殿は「住民から謝礼を受け取っても刑事罰を受けていないので、問題ない」という認識なのですね?ちなみに、「金銭出納帳簿の記載は住民自治の範囲と考える」という貴殿の見解は、群馬県庁の判断と違いすぎます。また、他の県庁も群馬県と同じ回答でした。
確認10:
 当会は公金の不正会計処理が無いかどうか、また、無駄な税金が使われていないかどうか、その原因を究明し、責任の所在を明確化し、再発防止に向けた対策をとることを重視して活動する団体です。前向きで建設的な対策を取っている場合には、積極的に支援をしています。今回、貴殿は当会の公開質問状について、区民によらない団体の任意の質問であると位置付けました。地元区民のかたがたを会員としていても、当会の公開質問状は、地元の声を反映したものではないから、区の運営を民主化する必要があると当会が指摘しても、貴殿はその質問に答えること自体、任意だとみなしていることになります。だから、裁判所が、原告区長の不適切会計を認めても、それは区民によらない団体(=裁判所)が出した任意の決定であるから、市として区長の委嘱状を交付する妨げにはならない、というわけですね?
          記
市民オンブズマン群馬 事務局長 鈴木 庸
〒371-0801群馬県前橋市文京町1-15-10 電話 027-224-8567 FAX 027-224-6624
**********

■みどり市の大間々町13区を巡る不適切会計=不正会計問題は、この最終確認状をもって、この問題に関するみどり市の石原条市長の考え方をしっかりと確認して、とりあえずの節目とします。そのうえで、市民オンブズマン群馬としては、今後は大間々町13区住民の皆さんとともに、この問題の広報活動に軸足を移してゆくことにしています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの連絡】

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グラフぐんまを業者に丸投げせず県庁職員が自ら県政を広報できる環境作りの為オンブズマンが意見書を提出

2013-04-24 22:39:00 | オンブズマン活動
■グラフぐんまという月刊の県政写真誌があります。他県で発行されている類似の広報誌と異なり、群馬県のこれは、大澤知事のチョウチン記事ばかり熱心に掲載し、自治体や公共施設、政治家、役人OB、銀行、農協、床屋・美容院、旅館にはタダで気前よく配りながら、納税者である群馬県民には350円の有料で販売して、しかも県庁の広報課のホームページには記事の見出ししか載っておらず、無料でダウンロードできない状況になっています。

 市民オンブズマン群馬としては、この広報誌そのものの製作・発行が税金の無駄遣いだと考えています。それはともかくも、グラフぐんまがどのような手続きで発注されるのか、調べて欲しいとの外部からの要請があり、長年グラフぐんまの製作・発行を請け負っている上毛新聞と群馬県総務部の関係についても見極める必要があると考えた市民オンブズマン群馬では、平成24年4月11日に情報開示請求をしました。

 その結果、不透明な入札手続きで発注価格がよその自治体の写真広報誌に比べて異常に高い状況にある上に、広告料さえ業者に丸投げしていることが判明しました。その為、群馬県監査委員に住民監査請求を提出しましたが、事実証拠が不十分だとしてあっさり棄却されてしまいました。

 ところが、群馬県監査委員の決定書をみると、オンブズマンが情報公開で入手した資料のほかにも、入札手続きに関していろいろな公文書を群馬県が作成したり、業者から受領していたことが分かりました。

 そのため、昨年4月の情報公開に遡り、群馬県が勝手に不存在だと見なした公文書をあらためて開示するよう、市民オンブズマン群馬では平成25年1月21日付で異議申立をしていました。詳細は次のブログを参照ください。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/949.html

■その後、この異議申立を審査する群馬県公文書開示審査会から、平成25年3月26日付で次の通知がありました。グラフぐんまの発注をしている群馬県総務部広報課広報紙係(電話027-226-2163)が3月25日に理由説明書を審査会に提出したので、それをみて反論等意見があれば、4月23日までに意見書として提出せよ、というのです。

**********
【群馬県公文書開示審査会からの意見書提出依頼】
様式第4号(規格A4)(第7条関係)
                    公開審第30151-3号
                    平成25年3月26日
市民オンブズマン群馬
事務局長 鈴木 庸 様
                 群馬県公文書開示審査会長
                 (第二部会部会長 村上大樹)
          意見書の提出の求めについて
 下記1の諮問事件について、当審査会の調査審議の参考としたいので、群馬県公文書開示審査会,審議要領第7条第1項の規定に基づき、下記2のとおり意見書の提出を求めます。
          記
1 諮問事件
  諮問番号:諮問第141号
  事 件 名:「県政写真誌『グラフぐんま』の製作・発行委託について(平成24年度)」及び「県政写真誌『グラフぐんま』配達委託について(平成24年度)」の公文書部分開示決定に対する異議申立て
2 意見書の提出
(1)提出期限
 平成25年4月23日(火)
(2)提出を求める意見書及び提出方法
 別紙様式により作成した書面を、持参又は郵送で群馬県生活文化部県民生活課に提出してください。
 なお、提出された意見書は、群馬県公文書開示審査会審議要領第7条第2項の規定に基づき諮問庁にその写しを送付しますので、念のため申し添えます。
               〒371-8570前橋市大手町1-1-1群馬県庁
               事務局:県民生活課情報公開係
                   電話:027-226-2271

(別紙)
                    平成○年○月○日
群馬県公文書開示審査会会長 様
                    不服申立人住所・氏名
          「意見書」の提出について
 このことについて、群馬県公文書開示審査会審議要領第7条第1項に基づく「意見書」
を下記により提出します。(諮問第141号)
          記
1 開示請求公文書の特定について
2 群馬県情報公開条例における開示・非開示の解釈について
3 諮問庁の公文書を開示しない理由に対する意見

【群馬県知事が開示審査会に出した理由説明書】
                    広第30022-40号
                    平成25年3月25日
群馬県公文書開示審査会
会長 新井 博 様
               群馬県知事 大澤 正明
          「理由説明書」の提出について
 このことについて、群馬県公文書開示審査会審議要領第6条に基づく「理由説明書」を下記により提出します。
          記
1 理由説明書
  別添のとおり
             事務担当:広報課広報紙係
             電話:027-226-2163
※収受印 群馬県25.3.25県民生活課収受

【理由説明書】
          理 由 説 明 書
1 開示請求公文書等について
 開示請求の内容については、次のとおり該当すると判断した。
(1)グラフぐんま配達委託について
 請求文書の「毎月10日発行の「グラフぐんま」に関する次の情報のうちバ2)「多くの県民の皆さんに見てもらえるよう、図書館をはじめ、金融機関、理・美容院、旅館、飲食店などに置いてあります」とあるが、その具体的な内訳(配置先、配置部数、配置先として制定した基準と根拠、配置に必要な費用jと記載されているので、グラフぐんま配達契約締結伺いの起案及び添付書類が該当すると判断した。
(2)グラフぐんま製作・発行委託について
 請求文書の「毎月10日,発行の「グラフぐんま」に関する次の情報のうち、(4)「グラフぐんま」には、「企画/群馬県 編集・発行/上毛新聞社」とあるが、上毛新聞社との間で編集・発行に関して取り交わした全ての契約や覚書等」と記載されているので、グラフぐんま製作・発行契約締結伺いの起案及び添付書類が該当すると判断した。
 いずれの文書も、平成24年4月25日付け広第30022-3号により公文書開示決定及び公文書不存在決定としたが、部分開示文書について部分開示決定及び文書の交付が漏れていたため、平成25年1月15日付け広第30022-31号によりその処分の一部を取り消し、改めて公文書部分開示決定をした。
2 群馬県情報公開条例における開示・非開示の解釈について
 群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号。以下「条例」という。)における非開示情報は、個人の権利利益の保護、法人の権利保護、公共の安全と秩序の維持、事務又は事業に関する情報で公にすることによりその適正な執行に支障を及ぼすおそれがあるもの等の観点から条例第14条各号に限定的に規定されており、実施・機関は、条例第13条の規定にFより条例第14条各号に規定されている非開示情報が記録されている場合をのぞき、開示請求に応じて公文書を開示しなければならない義務を負うとともに、非開示情報のいずれかが記録されている場合には、条例第14条の規定により当該公文書を関示してはならないとされている。
 本件開示請求に係る公文書の開示・非開示の決定は、上記の目的、趣旨等を踏まえ、こうした考えに基づいて検討した結果、本件公文書については条例第14条第6号ロに該当するため、一部分開示決定としたものである。
3 公文書を部分開示とした理由
(1)非開示とした部分
 予定価格調書に記載されている「予定価格」
(2)予定価格について
 予定価格は、県が契約をする際にその契約金額を決定する基準として、契約担当者があらかじめ定める見積価格であり、不当な価格での入札を防止するために定めるものである。予定価格が入札参加者に知られると、競争入札に当たり極めて都合のよい条件を与えることになり、公正な入札ができなくなる。
 予定価格は改札後であっても、以下のような理由により公表すべきでないとされている。
 ア 入札が不調に終わり、新たに入札を実施する場合又は再度公告をして入札を実施する場合がある
 イ 落札者が契約に応じない場合がある
 ウ 当該入札における積算基準等を推察することが可能となる公表することにより、その後の競争入札において、県にとって有利な価格で契約することができなくなるおそれがあるためである。
(3)委託業者の選定について
①グラフぐんま製作・発行業務の委託
 グラフぐんまは、県政の話題や県内の出来事などを、写真を中心にわかりやすく県民に伝える広報誌である。
 製作・発行に係る業務は、県内全域を対象に取材、写真撮影を行い、記事を執筆し、編集を行うなど、高度な専門的技術や能力が求められ、その製作-・発行業務は、一般競争入札により業者を選定している。
 入札の執行に当たっては、企画料、原稿執筆料、編集デザイン料、印刷経費など製作にかかる経費について、1回分の経費を算定した上で、12回発行分の予定総額を記載し、この予定総額の一番低い者を落札者と決定する。
②グラフぐんま配送業務の委託
 グラフぐんまを広く県民の方に読んでいただけるように、県内の金融機関や理容室、美容院、飲食店などに配布しており、その配送業務についても、一般競争入札により業者を選定している。
 入札の執行に当たっては、配達単価を算定して1回分の経費を算定した上で、
 12回分の予定総額を記載し、この予定総額の一番低い者を落札者と決定する。
(4)条例第14条第6号ロの該当性について
①一般競争入札の状況
 グラフぐんまの製作・発行及びグラフぐんまの配達は、毎年業務を委託しており、いずれも仕様は毎年ほぼ同様で、一大幅な変更はしていない。
 製作・発行業務は、多くの企業に契約の機会を与え、競争原理のもと経費節減を図るため、平成14年度から一般競争入札による契約に移行したが、業務の専門性等から一般競争入札の導入後も、入札参加者は限られ、平成17年度以降は応札は2者の状況が続いている。
 また、配送業務も同様に一般競争入札に付しているが、導入以降、入札参加者は1者の状況が続いている。
②予定価格の非開示について
 異議申立人は、異議申立書の中で、「グラフぐんまは毎年、同様な内容で契約を継続しており、開示しても事業の性質上、適正な遂行に支障を及ぼすおそれがない」と主張している。
 しかし前述のとおり、例年ほぼ同様な仕様での業務委託であることや、入札参加者が寡少な中での入札が続いている実情を勘案すると、
 予定価格を開示することは、
○今後同様の入札を実施するに当たり、事前に予定価格が類推されてしまうおそれがある
○そのため、入札参加者の企業努力が減殺され、落札価格の高止まりや不正等が生じることが懸念される
○その結果、県として有利な価格での契約を締結できないおそれがある
 このように、公正で自由な競争を阻害し、県の財産上の利益文は当事者としての地位を不当に害するおそれがあると考えられる。
 よって、本件は条例第14条第6号ロに該当し、非開示と判断したものである。
**********

■そこでこの度、市民オンブズマン群馬は、期限日の4月23日に次の内容の意見書を群馬県公文書開示審査会宛に提出しました。

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                    平成25年4月23日
群馬県公文書開示審査会会長 様
            不服申立人 住所 前橋市文京町1-15-10
                  氏名 市民オンブズマン群馬
                     事務局長 鈴木 庸
          「意見書」の提出について
 このことについて、群馬県公文書開示審査会審議要領第7条第1項に基づく「意見書」を下記により提出します。(諮問第141号)
          記
1 開示請求公文書の特定について
 不服申立人らは平成24年4月11日付けで群馬県知事に対して「毎月10日発行の「グラフぐんま」に関する次の情報 (1) 価格350円(税込み)の設定から決定に至る過程と根拠が分かるもの。また、その内訳。 (2)「多くの県民の皆さんに見てもらえるよう、図書館をはじめ、金融機関、理・美容院、旅館、飲食店などに置いてあります」とあるが、その具体的な内訳(配置先、配置部数、配置先として制定した基準と根拠、配置に必要な費用) (3) 過去3年間の毎号の発行部数。それに占める販売部数と、上記(2)の配置部数、および残った部数の処分措置(廃棄部数、保管部数を含む)(4)「グラフぐんま」には、「企画/群馬県 編集・発行/上毛新聞社」とあるが、上毛新聞社との間で編集・発行に関して取り交わした全ての契約や覚書等 (5)上毛新聞社による編集記事を県でチェックする場合の基準と根拠、及び担当部署と担当者・決裁者の職名」にかかる情報開示請求を行った。これに対して、平成24年4月25日付け広第30022-3号で公文書開示決定及び公文書不存在決定処分とされた経緯がある。不服申立人らは、このとき開示された情報をもとに、その後平成24年10月23日に住民監査請求を群馬県監査委員に行ったが、同12月26日付けで監査委員は監査結果として棄却を不服申立人らに通知した。しかし、監査結果の中で、当初の開示情報には含まれなかった情報が引用されており、当初の開示請求で開示すべきものがあったにもかかわらず、知事が開示を行ったことがわかり、不服申立人らは今回異議申立を行ったものである。
 すなわち、不服申立人らは、住民監査請求により、群馬県知事が次の情報を組織的に用いるものとして保有していることを知った。これらは、平成24年4月25日付けの公文書開示決定において不開示とされていたが、住民監査請求を経て、今回追加開示された情報は「予定価格調書」のみであったことから、次の情報は開示請求の対象となる公文書として、あらためて開示決定処分に含まれるべきものである。
1)平成24年2月10日付け入札広告。
2)平成24年3月12日付けで、上毛新聞社と朝日印刷工業が提出した入札参加資格書類。
3)平成24年3月19日付けで、群馬県知事が入札参加予定者2社に対して送付した入札参加資格確認通知書。
4)平成23年10月25日付けで、上毛新聞社から群馬県知事に提出された見積書(広告料収入込み)とそれに先立つ群馬県知事から同社あての見積提出依頼書。なお、朝日印刷工業からも見積書が提出されていれば、それも含む。なお、上毛新聞社のみに見積提出依頼をした場合は、なぜ上毛新聞社を選定したのか、その理由を示す文書も含む。
5)広報課が平成25年度に「グラフぐんま」の広告単価について、受託業者以外の広告代理店から聴取した見積書。監査結果通知によると、平成24年度契約で見積もった広告単価の方が高いことが確認されたという。
6)グラフぐんま制作・発行委託業務の積算内訳(広報課が広告料収入を見込まずに積算した金額を含む)
 不服申立人らは、当初の開示請求の冒頭に、グラフぐんまの「(1) 価格350円(税込み)の設定から決定に至る過程と根拠が分かるもの。また、その内訳。」と特定して請求していたが、それにもかかわらず、知事は入札広告から積算に関する情報を意図的に開示しなかった。その結果、群馬県監査委員によって、不服申立人らの住民監査請求が棄却されてしまった。

2 群馬県情報公開条例における開示・非開示の解釈について
 知事は、住民が情報公開条例に基づき異議申立をすると、理由説明の際に必ず、条例の目的と運用の定義をもっともらしく記述する。
 今回も知事は、いつものように、「条例における非開示情報は、個人の権利利益の保護、法人の権利保護、公共の安全と秩序の維持、事務又は事業に関する情報で公にすることによりその適正な執行に支障を及ぼすおそれがあるもの等の観点から条例第14条各号に限定的に規定されており、実施・機関は、条例第13条の規定により条例第14条各号に規定されている非開示情報が記録されている場合をのぞき、開示請求に応じて公文書を開示しなければならない義務を負うとともに、非開示情報のいずれかが記録されている場合には、条例第14条の規定により当該公文書を関示してはならないとされている。」と、非開示の判断のよりどころである当該条項を引用して記述している。
 知事は、「本件開示請求に係る公文書の開示・非開示の決定は、上記の目的、趣旨等を踏まえ、こうした考えに基づいて検討した結果、本件公文書については条例第14条第6号ロに該当するため、一部分開示決定としたものである」と主張するが、これは、本来「原則開示」を基本とする条例の運用をゆがめており、失当である。
 グラフぐんまは毎年、同様な内容で契約を継続しており、開示しても事業の性質上、適正な遂行に支障を及ぼすおそれがないため条例第14条第6号ロに該当しない。むしろ開示しないことによる不透明感を県民に抱かせるおそれのほうが高く、原則開示という条例の基本的な目的により、予定価格は公にされるべきである。

3 諮問庁の公文書を開示しない理由に対する意見
 知事の理由説明(青色)に対して、それぞれ意見を「→赤色の太字のイタリック体(斜体)」で付記する。
(1)非開示とした部分
 予定価格調書に記載されている「予定価格」
(2)予定価格について
 予定価格は、県が契約をする際にその契約金額を決定する基準として、契約担当者があらかじめ定める見積価格であり、不当な価格での入札を防止するために定めるものである。予定価格が入札参加者に知られると、競争入札に当たり極めて都合のよい条件を与えることになり、公正な入札ができなくなる。 →毎年、同じ内容の契約を同じ業者と締結していることから、予定価格はむしろ公表すべきである。とくに県民の血税を投入し群馬県というブランドをタイトルとしたグラフぐんまに掲載する広告料を見積価格に反映しないまま、作成に要する費用を見積もった価格を何年にもわたり予定価格として維持し続けているのは極めて不自然である。
 予定価格は改札後であっても、以下のような理由により公表すべきでないとされている。
 ア 入札が不調に終わり、新たに入札を実施する場合又は再度公告をして入札を実施する場合がある
 イ 落札者が契約に応じない場合がある
 ウ 当該入札における積算基準等を推察することが可能となる公表することにより、その後の競争入札において、県にとって有利な価格で契約することができなくなるおそれがあるためである。

 →予定価格の公表は、業者と公務員の癒着を防ぐために有効だとされており、多くの都道府県で導入されている制度である。
 発注側の自治体は、適切な価格で落札されるように、落札可能な金額の上下限をあらかじめ設定している。予定価格は上限のことをいい、以前は下限も含め、入札後も公表しない自治体がほとんどだった。しかし、入札を有利に運ぼうとする業者の働きかけにより価格情報を漏らした自治体職員が逮捕される事件が後を絶たず、不正の原因そのものをなくすため予定価格を事前に公表する動きが2000年ごろから広がっていた。
 ところがその後の傾向として、予定価格が入札前に明らかになると価格のたたき合いが広がるということから、とくに過当競争に陥っている土建業界保護の考えが不況を背景に台頭してきたため、最近は事前公表から事後公表に移行する傾向がみられる。
 今回のグラフぐんまの製作・発行に係る業務は、本来、群馬県総務部広報課が責任をもって編集し、それを印刷・製本・配送する業務だけを業者に外部委託すればよいのであるが、群馬県はそうではなく、企画段階でごく基本的な指針だけを業者に指示して、あとは全て丸投げというやりかたをとり、さらには広告料の管理さえも業者任せにして、血税で用意し、県のブランド付きの広告欄(しかも全体のページ数の20%を広告欄に割いている)をタダ同然で業者に提供している。群馬県は、業者が集めてきた広告主や広告内容をチェックしているのに、その広告料金についてチェックしようとしないのは、不思議でならない。広告料をきちんと設定し、その分の収入はきちんと見積もり金額から除外して、その他のコストに対して、正当な見積金額を算出して予定価格を設定し、業者にはその中で入札価格を提示させることが公平な入札と言える。
 もし、知事が上記のア~ウのような懸念があるのであれば、毎年同じ業者が同じような価格で落札しているのであるから、むしろ、しっかりした積算見積価格をもとに随意契約にしたほうが、入札不調を防止し、群馬県にとって現在より有利な価格で契約できるはずである。なお、知事がイで主張する「落札者が契約に応じない場合がある」というのは失当である。なぜなら、落札者は事前の条件を受け入れることを前提に応札するのであるから、落札者が契約に応じないということはありえない。

(3)委託業者の選定について
①グラフぐんま製作・発行業務の委託
 グラフぐんまは、県政の話題や県内の出来事などを、写真を中心にわかりやすく県民に伝える広報誌である。
 製作・発行に係る業務は、県内全域を対象に取材、写真撮影を行い、記事を執筆し、編集を行うなど、高度な専門的技術や能力が求められ、その製作-・発行業務は、一般競争入札により業者を選定している。
 入札の執行に当たっては、企画料、原稿執筆料、編集デザイン料、印刷経費など製作にかかる経費について、1回分の経費を算定した上で、12回発行分の予定総額を記載し、この予定総額の一番低い者を落札者と決定する。

→この10年来、毎年、応札者は上毛新聞と朝日印刷興業の2者のみのようである。群馬県は、応札者の増加を図ろうとするのであれば、それなりの努力をすべきであるが、それを怠っているのは、この2者だけを事実上、入札指名していることになる。そして、上毛新聞がグラフぐんまを受注し、別の県の関連の広報誌(たとえば福祉関係)は朝日印刷が落札するといったように、結果的には継続的に、落札者の間で棲み分けがなされている。
 とくに群馬県総務部が、こうして毎年繰り返される同じ業務にかかる発注業務を毎年定期的に出している案件は多数あると思われる。したがって、もっと多くの業者に参加してもらえるよう、不断の努力をする必要があるが、群馬県総務部の体質からしてそのような姿勢は全く見られない。
 であれば、もっとも血税を節約するには、総務部広報課が汗をもっとかき、グラフぐんまの編集は外部業者にまかせずに、自分たちの手作りで行うという姿勢を強化すべきである。それをやらずに、あたかも上毛新聞に掲載費用を支払ってグラフぐんまを製作・発行し続けているのはどうみても怠慢としか言えない。
 他の自治体の例をよく調査し、もっともコストを節約し、成果品である広報誌の内容の品質を高める努力をすることが、最小のコストで最大限の成果を得るとする地方自治法の精神にも合致するのである。

②グラフぐんま配送業務の委託
 グラフぐんまを広く県民の方に読んでいただけるように、県内の金融機関や理容室、美容院、飲食店などに配布しており、その配送業務についても、一般競争入札により業者を選定している。
 入札の執行に当たっては、配達単価を算定して1回分の経費を算定した上で、12回分の予定総額を記載し、この予定総額の一番低い者を落札者と決定する。

→これも、上記と同じく入札参加者を増やす努力をしなければならない。配送を得意とする業者は、宅配業者やJP、個人や法人の大乗の運送屋は他にもたくさんある。なぜ赤帽運送だけしか応札しない状況を放置しているのか。知事は疑問に思わないのか。その意味では、入札公告をどのようにしているのか、不服申立人らは情報開示で確認しようとしたが、そうした情報は開示されずに現在に至っている。入札手続きの情報を開示=公表するとよほど都合が悪いと見える。業者との癒着という懸念を県民に抱かせないような配慮が強く望まれる。

(4)条例第14条第6号ロの該当性について
①一般競争入札の状況
 グラフぐんまの製作・発行及びグラフぐんまの配達は、毎年業務を委託しており、いずれも仕様は毎年ほぼ同様で、大幅な変更はしていない。
 製作・発行業務は、多くの企業に契約の機会を与え、競争原理のもと経費節減を図るため、平成14年度から一般競争入札による契約に移行したが、業務の専門性等から一般競争入札の導入後も、入札参加者は限られ、平成17年度以降は応札は2者の状況が続いている。
 また、配送業務も同様に一般競争入札に付しているが、導入以降、入札参加者は1者の状況が続いている。

→毎年、同じような契約を、しかも同じ契約先としているのであれば、いっそ随意契約にしたほうがよい。ただし、これはグラフぐんまの製作・発行業務に当てはまる。もちろん、知事のちょうちん記事ばかり載せている現在のグラフぐんまの内容が、県民にとって魅力の無いものになっており、果たして血税が有効に県民に還元されているのかと言う観点からは、グラフぐんまの必要性そのものについて、不服申立人は疑問視するものである。
 知事は、配送業務も一般競争入札に付しているというが、導入してから応札者は1社の状況が続いていると、平然と主張している。このことからも、知事が、多くの企業に契約の機会を与えようとする努力を怠っていることが如実に伺える。たとえば全県配送を入札条件にするのではなく、配送地域ごとに別々に入札できるように改善すれば、それぞれの地域を得意の営業エリアとするローカル業者の参入が見込める。現在はどのような入札資格を入札要件にしているのか不明であるが、1者入札が長年繰り返されている状況を改善しようとしないのは、怠慢というしかない


②予定価格の非開示について
 異議申立人は、異議申立書の中で、「グラフぐんまは毎年、同様な内容で契約を継続しており、開示しても事業の性質上、適正な遂行に支障を及ぼすおそれがない」と主張している。
 しかし前述のとおり、例年ほぼ同様な仕様での業務委託であることや、入札参加者が寡少な中での入札が続いている実情を勘案すると、
 予定価格を開示することは、
○今後同様の入札を実施するに当たり、事前に予定価格が類推されてしまうおそれがある
○そのため、入札参加者の企業努力が減殺され、落札価格の高止まりや不正等が生じることが懸念される
○その結果、県として有利な価格での契約を締結できないおそれがある
 このように、公正で自由な競争を阻害し、県の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれがあると考えられる。
 よって、本件は条例第14条第6号ロに該当し、非開示と判断したものである。

→県民の為に何をすればよいか、という観点を持たず、毎年同じことを繰り返せば血税を原資とする報酬が得られ、不況でもクビになる心配の無い輩には、民間でよく言われるカイゼンという概念がないらしい。上記の県知事への反論は既にこれまでにも述べているので、ここでは改めで述べない。そのかわりに、次のことを主張する。
 不服申立人らは、グラフぐんまの発行の意義や必要性そのものについて、住民監査請求で主張したが、ここではそれはさておき、ここで問題なのは、繰り返しになるが、群馬県総務部広報課が、自らの広報活動に対する重要性を認識しておらず、専門業者に丸投げ刷ればいい、という発想を引きずっていることにある。県民の血税を原資に、恵まれた報酬を得て、さまざまな方面で公僕として従事している部署や職員が群馬県には大勢いるのであるから、それらの情報を自らの言葉で原稿を書かせ、写真やグラフなど資料を準備させ、それらを広報課がまとめて編集すれば、もっと県民の目線に近い記事で満たされた内容の写真広報誌ができるはずである。
 写真広報誌を標榜しているのであれば、職員にかならず写真付きの原稿を用意させるように指示すればよい。
 そして、そうした情報を集めた後、広報誌というハードコピーの形で製作し発行するのもよいが、それらを原則的にはネットで発信すべきである。
 グラフぐんまの場合、製作・発行費用は全額県民の血税で負担しており、さらには、それで設えた全体の20%にも及ぶ広告スペースを、業者に全てタダで進呈しており、血税が垂れ流しの状況にある。その一方で、やはり血税を食んでいる総務部の職員は、広報業務を業者に丸投げして汗をかこうとしない。知事として、こうした状況をこのまま放置していくことはできないはずである。
          以上
**********

■群馬県公文書開示審査会では、早ければ1ヶ月で異議申立についての判断をまとめ、県知事に答申し、その後、県知事からオンブズマンに対して決定通知が出されることになります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの連絡】

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