市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同有害スラグ問題を斬る!・・・豊洲の土壌汚染問題で都知事が所信表明!群馬県との大違いを徹底検証(1)

2016-09-30 23:36:00 | スラグ不法投棄問題
■知事は知事でも、同じ首都圏で100キロしか離れていないのに、こうも違い過ぎると、いくら政治に無関心な住民でも違いを感じざるをえません。東京都の小池知事は所信表明で、豊洲市場の問題について「都政は都民の信頼を失ったと言わざるを得ません」と指摘するとともに、信頼回復のために「誰が、いつ、どこで、何を決めたのか。何を隠したのか。原因を探求する義務が私たちにはある」と述べ、公約である「都民ファースト」の都政実現へ、情報公開などを進めることを改めて都民にむけ決意を発しました。

**********朝日新聞デジタル2016年9月28日13時31分
小池知事、初の都議会開会 所信表明で豊洲問題に言及

都議会で所信表明演説をする東京都の小池百合子知事=28日午後1時19分、関田航撮影

 東京都の小池百合子知事が初めて臨む都議会定例会が28日午後、開会した。小池知事は所信表明で、施設下の盛り土をめぐる問題が発覚した豊洲市場(江東区)の安全性の検証や、情報公開などの都政改革を進める意欲を示した。知事選で対立した自民党など各会派との論戦が注目される。
 小池知事は所信表明で、豊洲市場の問題について「都政は都民の信頼を失ったと言わざるを得ません」と指摘。信頼回復のために「誰が、いつ、どこで、何を決めたのか。何を隠したのか。原因を探求する義務が私たちにはある」と述べた。また、「都民ファースト」の都政実現へ、情報公開などを進めるとした。
 小池知事は7月の都知事選から、敷地の安全性や施設の使い勝手などについて検証が必要と主張し、先月末に築地市場(中央区)からの移転延期を表明した。その後に土壌汚染対策の盛り土がされていないことが発覚し、調査結果を月内にまとめる方針を示している。
都はこれまで都議会で、「敷地全体で盛り土をしてきた」などと実態と異なる答弁を重ねてきた。都議会各会派はこうした対応などについて厳しく追及する方針。石原慎太郎元知事らの参考人招致や、調査権限の強い調査特別委員会(百条委員会)の設置を求める動きもある。
 このほか、小池知事は「身を切る覚悟を示す」として、自身の給与を年約1448万円に半減させる条例案を提出した。実現すれば都議の報酬を下回る減額となるだけに、各会派の対応が注目される。
 待機児童対策を盛り込んだ126億円の補正予算案も提出された。また、2020年東京五輪・パラリンピックの開催計画について、小池知事が依頼した外部有識者らの調査チームが29日に大幅な見直しを含む提言を示す予定で、議論が交わされる見通しだ。
 会期は来月13日まで。代表質問は同4日、一般質問は同5日にある。
**********

■一方、我らが“群馬ちゃん”における土壌汚染対策への対応はどうでしょうか?

 大同特殊鋼渋川工場の鉄鋼スラグから、環境基準を超える有害物質が検出された問題が県議会で明らかにされた際、県議会議員の質問に答えた大沢群馬県知事は、「鉄鋼スラグの一部から有害物質が検出されたことは極めて遺憾。調査に万全を期すとともに、一日も早く問題の全容を解明し、県として必要な対策を取る」と述べていました。

 その後2年が経過しましたが、原因者のブラック大同・佐藤連合を刑事告発したものの、廃棄物と認定した有害スラグは撤去させず、汚染された土壌さえ何もせずに放置したままという、環境基本法・廃棄物処理法・土壌汚染対策法を無視した状況に陥っています。

 我らが大沢知事の場合、明らかにやる気のない、スピード感の見られない、「群馬県民レイト」の県政を実現していると言えるでしょう。県議会の最大会派である自民党なども、原因追及に及び腰であるといえるでしょう。

 群馬県でも「誰が、いつ、どこで、何を決めたのか。何を隠したのか。原因を探求する義務が」知事・県議会にはある、のではないでしょうか?

 大同有害スラグ問題では、群馬県が「有害スラグを使用しても良い」とする『お墨付き』が県土整備部より発出されています。有害スラグ問題の検証にはもってこいの通達ですので、もう一度見ていきましょう。

*****監理課通知(一部省略)*****
                       監第647-003号
                       平成22年6月11日
県土整備部内所属長
土木事務所長    様
関係機関の長
                       県土整備部監理課
                       建設政策室長倉嶋敏明
砕石骨材(クラッシャラン:C-40及びC-100)にクラッシャラン鉄鋼スラグ(CS-40)をブレンドした骨材の取扱いについて(通知)
 本県では、再生資源の利用及び再資源化施設の活用を図ることを目的とした「再生資源の利用に関する実施要領」及び「建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書」を定め運用しているところであり、工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで、原則として再生骨材を利用することとなっております。
 近年、中毛地区及び北毛地区において砕石骨材(クラッシャラン:C-40及びC-100)に電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグ(CS-40)をブレンドした骨材が流通しており、国、県、市町村が発注する公共工事での使用実績も多数あるとの報告を受けております。鉄鋼スラグの使用も再生資源の有効活用に繋がることから、下記のとおり取扱いを定めます。
 なお、土木事務所におかれましては、管内市町村への参考送付をあわせてお願いします。
※以下略(末尾参考資料に全文を掲載
**********

 監理課通達の説明文を、読んでいただきましたが、この説明文は群馬県で「誰が、いつ、どこで、何を決めたのか。何を隠したのか。」を解くカギとして大変興味深い文章となっています。

■まずは、第一段落について改めて考察してみましょう。

**********
本県では、再生資源の利用及び再資源化施設の活用を図ることを目的とした「再生資源の利用に関する実施要領」及び「建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書」を定め運用しているところであり、工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで、原則として再生骨材を利用することとなっております。
**********

 冒頭に、「本県では、再生資源の利用及び再資源化施設の活用を図ることを目的とした」と述べています。原則として再生骨材を利用することを説明しています。日本ではリサイクル社会を目指し、公共工事から出た建設廃材は砕いて優先使用することが法律で決められています。特に下層路盤材については、原則として再生砕石が使用されることが多くなっているそうです。

■しかし第二段落に入ると、わざわざ説明した再生資源の利用を無視して、とんでもない事が書いてあります。

**********
 近年、中毛地区及び北毛地区において砕石骨材(クラッシャラン:C-40及びC-100)に電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグ(CS-40)をブレンドした骨材が流通しており、国、県、市町村が発注する公共工事での使用実績も多数あるとの報告を受けております。鉄鋼スラグの使用も再生資源の有効活用に繋がることから、下記のとおり取扱いを定めます。
**********

 「近年、中毛地区及び北毛地区において砕石骨材に電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグをプレンドした骨材が流通しており、」として、天然石と有害スラグがブレンドされた骨材が流通しており、とこの問題の端緒を証する説明書きが始まっているのです。「再生資源の利用」とは真逆な有害スラグブレンド骨材が、突然、「流通している」などというトンデモナ話を持ち出し、冒頭の段落とは18度違う方向に振ってしまっています。

■当会では、「なぜブレンドした骨材が流通しているのを実施機関は知っているのか?」、また、「なぜ流通していてよいと判断したのか?」、これらの点について、当然に群馬県県土整備部が事前に調査をして、有毒スラグ混合骨材が「再生資源の利用に関する実施要領」及び「建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書」に合致した製品であることを確認したはずであるので、その経緯が分かる情報があるはずだ、と考えて、群馬県に情報公開請求をしましたが、何も示されませんでした。

 東京都の小池知事なら、こう発言するのではないでしょうか? ⇒ “何を隠したのか”

 このことについて、群馬県・答申第147号をご覧ください。↓↓
http://www.pref.gunma.jp/07/bj0100005.html

■もう少し第2段落を見ていきましょう。今度は、
「国、県、市町村が発注する公共工事での使用実績も多数あるとの報告を受けております。」
と書かれている部分に着目しましょう。

 なぜ監理課は「流通している」だの「国、県、市町村が発注する公共工事での使用実績も多数あるとの報告を受けております」というふうに判断したのでしょうか? その流通実績や使用実績の報告をもとに、判断した経緯がわかる内部資料があるはずですが、当会の情報公開請求に際し何も示されませんでした。

 東京都の小池知事ならこう発言するでしょう。⇒ “何を隠したのか”

 電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグをブレンドした骨材(=○○有毒スラグ混合骨材)に関する規定は、群馬県工事必携に記載されていません。無記載であるにもかかわらず、「使用実績が多数ある」と判断した根拠を示す内部資料が存在しなければなりません。

 「使用実績が多数あるとの報告を受けております」のであれば、その○○有毒スラグ混合骨材なる代物の中身を予め吟味するのが、県民の安全・安心な暮らしを守る実施機関の責務であるはずです。したがって、実施機関による○○有害スラグ混合骨材なる代物の調査分析結果に関する情報があるはずです。ところが当会の情報公開に際し、群馬県県土整備部からは何も示されませんでした。

 東京都知事ならこう発言するでしょう。 ⇒ “何を隠したのか”

■第二段落の最後には、更に愕然とする不正の事実が述べられています。
「鉄鋼スラグの使用も再生資源の有効活用に繋がることから、下記のとおり取扱いを定めます。」
とするくだりです。

 「再生資源の有効活用に繋がる」として、鉄鋼スラグが再生資源であると強引に宣言しています。これは完全に誤った記述です。故意に誤っているので、詐欺と同様に、不正と呼べる驚愕の失態です。

 言うまでもなく「再生資源」とは、公共工事などの建設工事から出るコンクリートやアスファルト等と定義されています。天然石と鉄鋼スラグは間違っても「再生資源」ではありません。有害スラグ混合砕石は「再資源化施設の活用」とは全く異なる大同特殊鋼から排出されることを考えても、お分かりいただけると思います。大同特殊鋼及び佐藤建設工業は「鉱さい」に分類される鉄鋼スラグをリサイクルする許可を持っていないので、リサイクル工場ではありません。それぞれ製鉄会社と砕石・土建業者です。ブレンドしていた東吾妻町の場所は、決して「再資源化施設」ではありません。

 東京都知事ならこう発言するでしょう。 ⇒ “誰が、いつ、どこで、何を決めたのか。何を隠したのか”

■この監理課通達は「県土整備部 監理課 建設政策室長 倉嶋 敬明」のお名前で平成22年6月11日に発出されています。当時、倉嶋氏は平成22年4月に監理課 建設政策室長に就任したばかりですので、前任者である古橋勉・前々県土整備部長がこの通達の作成に深く係った?ものと思われます。

 東京都知事ならこう発言するでしょう。 ⇒ “誰が、いつ、どこで、何を決めたのか”と。

 古橋・前々県土整備部長の発言についてはこちらを参照してください。↓↓
9.22県議会で本質を露呈した群馬県環境・土木行政…有毒スラグ問題はさながら県行政のリトマス試験紙
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1405.html
9.22県議会一般質問でわかる有毒スラグ推奨「倉嶋通知」を正当化したがる県土整備部長の真意
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1408.html

■このいかがわしい監理課通達は平成27年末に凍結されたようです。


※PDF ⇒ wmo.pdf

 公共団体で“凍結”とはなんなのでしょうか?この通知は正しいが、ひとまず“使用を凍結”するのでしょうか?ほとぼりが冷めたころ、春の雪解けを待つように解凍されてまた、有害スラグ不法投棄の悪夢が始まるのでしょうか?

 東京都知事ならこう発言するでしょう。 ⇒ “何を隠したのか”

■最後にこの監理課通達が発出された平成22年6月11日より前に、有害スラグ混合砕石を使用した建設会社は、スラグの素性を知っていた可能性を指摘できます。群馬県の建設工事のマニュアルである、群馬建設工事必携に記載されていない有害スラグ混合砕石を使用した責任は重大であると言えます。もし佐藤建設工業に騙されたのなら、詐欺の被害届が提出されているはずです。

 大同スラグ事件の闇は底知れません。いったい誰が悪いのでしょうか? それはやはり政官業の癒着に慣れ切った行政の堕落と怠慢が、最大の元凶だと見るのが妥当でしょう。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考記事
**********2014年9月23日 毎日新聞群馬版
 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20140923ddlk10040048000c.html
ー有害物質:鉄鋼スラグ問題 県「厳正に対処」 /群馬ー
 大手鉄鋼メーカー・大同特殊鋼渋川工場の鉄鋼スラグから、環境基準を超える有害物質が検出された問題で、県の青木勝・環境森林部長は22日、県議会で「全容解明を急ぐのと併せ、法令の適用について環境省と慎重に協議を進めている。法令違反があれば厳正に対処していく」と答弁した。伊藤祐司議員(共産)の「県は刑事事件として告発して群馬の環境を守る毅然(きぜん)とした姿勢を示すべきだ」との一般質問に答えた。
 これまでに、大同製のスラグが使用された渋川市内の国道や市道など計29カ所で土壌から環境基準を超える六価クロムやフッ素が検出されている。
 一般質問で大沢正明知事は「鉄鋼スラグの一部から有害物質が検出されたことは極めて遺憾。調査に万全を期すとともに、一日も早く問題の全容を解明し、県として必要な対策を取る」と述べた。【角田直哉】

※参考資料:群馬県監理課通達
**********
                監第647-003号
                平成22年6月11日
県土整備部内所属長
土木事務所長    様
関係機関の長
              県土整備部監理課
              建設政策室長倉嶋敏明
砕石骨材(クラッシャラン:C-40及びC-100)にクラッシャラン鉄鋼スラグ(CS-40)をブレンドした骨材の取扱いについて(通知)
 本県では、再生資源の利用及び再資源化施設の活用を図ることを目的とした「再生資源の利用に関する実施要領」及び「建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書」を定め運用しているところであり、工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで、原則として再生骨材を利用することとなっております。
 近年、中毛地区及び北毛地区において砕石骨材(クラッシャラン:C-40及びC-100)に電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグ(CS-40)をブレンドした骨材が流通しており、国、県、市町村が発注する公共工事での使用実績も多数あるとの報告を受けております。鉄鋼スラグの使用も再生資源の有効活用に繋がることから、下記のとおり取扱いを定めます。
 なお、土木事務所におかれましては、管内市町村への参考送付をあわせてお願いします。
       記
1.砕石骨材(クラッシャラン)にクラッシャラン鉄鋼スラグをブレンドした骨材は、積算基準(地区単価)、出来高管理基準、品質管理基準を再生骨材と原則同様に取扱う。
①構造物の基礎工及び裏込材:C-100とCS-40のブレンドした骨材はRC-100と同様に取扱う。
②車道用下層路盤工:C-40とCS-40のブレンドした骨材はRC-40と同様に取扱う。
③当初設計では構造物の基礎工及び裏込材(RC-100)、車道用下層路盤工(RC-40)で積算し、工事請負業者が実施工でブレンド材を使用した場合にも変更設計の対象としない。
2.CS-40がブレンドされていることから、ブレンドされる前のCS-40について下記の膨張性試験結果①を提出させる。(鉄鋼メーカーの試験成績表での代用も可とする。)
①品質管理基準及び規格値(ブレンドされる前のCS-40、使用1ケ月以内)
 下層路盤工:鉄鋼スラグの水浸(蒸気)膨張性試験1.5%以下
     (道路用スラグの呈色判定試験は電気炉スラグの場合は必要無し)
また、土壌汚染対策法における鉄鋼スラグに残留のおそれのある5品目についてブレンドした後の下記の②溶出・含有試験結果を提出させる。(骨材プラントの試験成績表での代用も可とする。)
②5品目の溶出・含有試験結果(ブレンドした後、使用1年以内)
5品目成分名/土壌環境基準値【溶出量(mg/|)注1・含有量(mg/kg)注2】
六価クロム化合物  /  ≦0.05 ・≦250
セレン及びその化合物/  ≦0.01 ・≦150
鉛及びその化合物  /  ≦0.01 ・≦150
ふっ素及びその化合物/  ≦0.8  ・≦4,000
ほう素及びその化合物/  ≦1 ・≦4,000
**********

※参考資料:建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書 (抜粋)
**********
http://www.dobokunews.pref.gunma.jp/cgi-bin/cbdb/db.exe?page=DBRecord&did=420&qid=1424&vid=472&rid=22&Head=62&hid=1529&sid=1371&rev=&ssid=2-369-2524-g103

第 1 条 目的
この仕様書は群馬県県土整備部が使用する再生材(再生骨材、再生加熱アスファルト混合物)に 関する取扱い基準を定めることにより、建設副産物の適正処理ならびに省資源化を図り、もって公 共事業の円滑な推進に寄与することを目的とする。
第 2 条 用語の定義
用語の意義は次の当該各号に定めるところによる。
(1)建設副産物 建設工事に伴い生じたセメントコンクリート塊及びアスファルトコンクリート塊等をいう
(2)再生材 建設副産物を再利用する目的をもって加工生産した再生骨材、再生加熱アスファルト混合物をいう
**********

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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…関電工の排ガス量上限値を一律2割減らした群馬県環境行政の二重基準

2016-09-27 23:57:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■東電グループの関電工が群馬県のシンボルである上毛三山のひとつの赤城山の南麓で、あろうことか放射能の二次汚染源となる放射能汚染の間伐材や廃材を大量にチップ化して燃焼させ、非効率な発電を行い、群馬県民を再び放射の汚染の恐怖に陥れるための亡国事業に邁進していることは当会のブログで報告している通りです。このような最中、9月24日(土)に宮城公民館で関電工と地元住民とが協議する機会がありました。

 関電工からはこの事業の担当者が参加し、赤城山の自然と環境を守る会のメンバーを含む地元の住民らがいろいろ質問したところ、次のことが新たに判明しました。

**********
(1) 新しい問題点の発覚として、発電所で発生する排水(11トン毎時)を河川(例えば荒砥川)へ放出するよう自治会の石橋氏から提案があったという。ただし、この背景についての説明はなかった。

(2) 圧縮機(プレス)によるチップの脱水は端材等の未利用材だけで、間伐材は自然乾燥で圧縮機はかけないという。本当だろうか?

(3) 関電工曰く「実証実験は行う」として、計画中だという。この件は10月に向けた議論となろう。

(4) 環境アセスに関して、排ガス量の計算の際に、水分20%の減量は群馬県から指示されたもので、関電工からの提案ではないという。

(5) 遮音壁の工事日程の前倒し可否の回答は10月11日の予定だという。

(6) 飛灰2000㏃/㎏、主灰1000㏃/㎏で管理するのだと福本氏から発言あり。セシウムは気化していると思われる。本当のところが知りたいものだ。

(7) 遮音壁は基礎6m+4mの高さになる模様。これは最大の個所だというから、もし、赤城ビュータウンで2階建ての家は2階で騒音が2種の基準を超えたら、改善を要求することができることになるはず。

(8) 関電工からは、「覚書など、何らかの形で作成することを検討している」との回答あり。

(9) 関電工として、定期的な監査について、「前橋市から要請があれば受ける意向だ」という。「もし、前橋市から『監査メンバーに住民を含めるように』と要請があれば、拒まないつもりだ」としている。本当だろうか?

(10) 関電工との次回の協議は10月25日(火)13:00~15:00で、議題は①放射性物質の入出管理詳細について、②実証実験の計画と日程について、③発電所の排水処理法の詳細について(浸透方式の安全性評価を含む)の予定。
**********

■以上の中で、特に注目されるのは何といっても、(4)の「環境アセスに関して、排ガス量の計算の際に、水分20%の減量は群馬県から指示されたもので、関電工からの提案ではない」という具体的な事実関係の発言です。

 もしこのことが本当だとすると、二重基準行政、いわゆる二枚舌行政を日常化させている群馬県の本性が丸出しになったと言えます。また、特定の事業者のために便宜を図るという許しがたい暴挙ということも言えます。

 関電工が認めたこの事実の意味するところは極めて重大です。なぜなら、次の仮説が極めて真実味を伴うことになるからです。

【仮説】
平成27年1月、関電工は、排ガス量が40,000を超えてしまうことを知り、群馬県に圧力をかけ、県はアセスメント条例の運用変更を勝手に行うという暴挙に出たこと。


 この仮説が事実であるかどうかを占うべく、赤城山の自然と環境を守る会のメンバーがこれまでの経緯を振り返るとともに、群馬県環境政策課とやりとりしたメールを検証しました。

●平成27年1月
 本件事業について環境アセスメントの適応有無について協議を開始。(出典:関電工が群馬県に提出した事業計画より(平成27年6月末~7月上旬ごろ))
⇒疑問点:県条例ですでに決まっているのに、なぜ改めて協議が必要なのか?なぜ「相談」ではなく「協議」なのか?

●平成27年3月
 環境アセスメントの対象とならないことを群馬県環境政策課に確認。(出典:関電工が群馬県に提出した事業計画より(平成27年6月末~7月上旬ごろ)
⇒疑問点:運用変更の決定は3月末なのに、3月の時点でなぜ関電工は内容を知り得たのか?確認した日時はいつなのか?ちなみに、排ガス量を一律2割減オマケしてもらったことについて、関電工は「群馬県から持ち掛けられた」と証言した(平成28年9月24日)。
 
●平成27年4月1日
 群馬県環境アセスメント条例の運用変更を開始【排ガス量上限2割減を決定か?】

●平成28年3月4日
 群馬県環境政策課からのメール回答「規模要件未満であり、対象外

●平成28年3月8日
 群馬県環境政策課からのメール回答「40,000未満であり、対象外

●平成28年3月31日
 群馬県環境政策課職員らのしどろもどろ発言。
当会によるヒヤリングメモ参照:PDF ⇒ qo160331azxgnvfqb.pdf

●平成28年4月12日
 群馬県環境政策課からのメール回答「平成27年4月頃、関電工からの照会で、排ガス量42,000を知る
⇒疑問点:関電工から、平成27年1月に協議をした際には、42,000について報告を受けていたはず。だから、「平成27年4月ごろ排ガス量が42,000だと知った」というのはほんとに正しいのか?

●平成28年4月19日
 群馬県環境政策課からのメール回答「平成26年度末(H27年3月末)に運用を定めた
⇒疑問点:つまり、平成27年1月の関電工との協議の時点から、条例の運用変更は動き出したことになる。となるとますます辻褄が合わない。

●平成28年5月20日
 群馬県環境政策課からのメール回答「平成26年度末(H27年3月末)に運用を定めた

●平成28年6月3日
 群馬県環境政策課からのメール回答「全国の状況を踏まえて、2割減を決めた
⇒疑問点:長野県に確認したところ、「長野県ではそういうことは行われていない」との回答だった。群馬県は本当に全国の状況を確認したのか?極めて疑わしい。

●平成28年6月22日
 群馬県環境政策課からのメール回答「平成26年4月の閣議決定を受け、再生エネルギー導入推進の観点から県として、2割減の検討を開始した
⇒疑問点:全国の状況が無いとわかり、今度は、閣議決定に理由をすり替えている。噓つきはドロボーの始まりではないのか?

●平成28年7月19日
 群馬県環境政策課からのメール回答「社会情勢を踏まえて県として定めた
⇒疑問点:二転三転する群馬県からの回答内容。今度は、社会情勢を説明するが、水分量をオマケするような社会情勢は見当たらず、逆に規制を強めるのが現在の社会情勢である。一体どんな社会情勢なのか、県からは説明がないまま現在に至る。

■県民の皆さん。群馬県の環境行政はこのようにブレまくっており、何を基準に判断しているのか、全くわかりません。どうやら大企業や政治家の口利きがあれば、環境基準はいかほどにでも特例として修正が効くのが群馬県環境行政の特徴のようです。

 これでは県民の安全・安心な生活環境は保全できません。群馬県は直ちに、関電工による前橋バイオマス発電事業に環境アセスを適用し、きちんとアセスメント手続きが済むまでは工事着工を差止めなければならないはずです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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政務活動費問題で例年に増して盛り上がった第23回全国市民オンブズマン香川大会参加報告

2016-09-27 00:04:00 | オンブズマン活動
■当会が所属する全国市民オンブズマン連絡会議が年1回開催する全国大会が9月23~24日の2日間にわたって、香川県高松市のサンポートホール高松5・6階を会場に開催されました。当会からは代表が参加し、初日の午後4時過ぎに各地報告の7番手としてパワーポイントを使って発表しました。また、2日目の分科会では「町内会」をテーマとした会議に参加し、ここでも群馬県の町内会・自治会に関する問題事例について発表しました。

会場のサンポートホール高松。JR高松駅の目の前にある。


JR高松駅。

5階の会場入口。

基調報告。


香川県知事と高松市長からの祝電披露。

 今回の香川県で開催された全国大会では、当初からメインテーマとして政務活動費を取り上げており、大会のロゴも「ふぅが悪いで、政務活動費!」と決めてありました。この背景には、昨年の兵庫県神戸市で開催された全国大会で、号泣議員で名を馳せた地元兵庫県議会の元議員による政務活動費の騙し取り事件が話題となり、今大会もこの問題を大きく取り上げる予定だったからです。


政務活動費の問題点をわかりやすく紹介した恒例の寸劇。

 そして、今年の7月6日に政務活動費約913万円をだまし取ったとして詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた元兵庫県議の・野々村竜太郎被告(49)に対し、神戸地裁(佐茂剛裁判長)が懲役3年、執行猶予4年(求刑・懲役3年)の有罪判決を言い渡したことはマスコミで大きくとりあげられました。

 ところが、9月に入り富山市議会で政務活動費を巡る不正受給問題が次々に明るみに出て辞職する議員が相次ぎ、さらに火の粉は富山県議会にも飛び火し、さらには山形県議会でも政務活動費の不正受給が明らかになったことから、さらにこの問題が大きくクローズアップされました。その最中に今回の全国大会の開催されたため、我々オンブズマンはもとより、マスコミや一般市民にも大きな関心を呼んだため、自由参加の市民も多く、例年にも増して厚い討議が2日間にわたり繰り広げられたのでした。

■当会は、初日の全国各地からの活動報告として、パワーポイントを使って、「高崎市授産施設内部告発者つぶし」と題して約8分間にわたり、大勢の参加者を前に発表しました。
※PPT「高崎市授産施設内部告発者つぶし」:PDF ⇒ sy.pdf

 また、2日目の分科会では「町内会」を扱った会議に参加し、大阪市、福岡県大野城市、福岡県春日市、滋賀県らのオンブズマンとともに群馬県内各地の自治会を巡る不正会計問題について発表しました。
※各分科会の紹介文: PDF ⇒ 2016s.pdf
※町内会分科会のレジメ: PDF ⇒ 20160927062601lw.pdf
※福岡県大野城町からの報告: PDF ⇒ 20160927062952ss.pdf
※福岡県春日市からの報告: PDF ⇒ 20160927063009sts.pdf


町内会問題分科会の座長の豊永弁護士(大阪)。

 さらに24日の午後6時半から隣のタワー棟29階で開催された懇親会でも、群馬県として挨拶をしました。例年、全国大会で顔なじみの各地のメンバーのほかに、高崎市の問題を扱った各地報告のためか、高崎経済大学OBで大阪市の市民オンブズマンのメンバーをしている公認会計士のかたや、下関市の障碍者虐待事件の問題に取り組んでいた山口県の市民オンブズマンのメンバーをしている臨床心理士のかたをはじめ、滋賀県の市民オンブズマンの皆さんからは滋賀湖畔に不法投棄された放射能汚染木材チップの撤去先である群馬県からのオンブズマンに面談したいということで大挙挨拶に来られて行政の情報秘匿体質の共通性について話が盛り上がりました。

 また午後の各地報告で当会が発表した障碍者虐待内部告発者つぶしについては、ユニークなテーマであり、どこでも起こり得る問題だとして、連絡会議のコーディネーターからも好評だったとのコメントをもらいました。



タワー棟29階からみた高松港と高松市街の夜景。

懇親会。

 市民オンブズマン全国大会は、今回で23回目ですが、1994年に第1回大会が仙台で開かれて以来、名古屋、京都、福岡、大阪(高石)、神奈川、東京、京都、栃木(宇都宮)、川崎、北海道(函館)、大分(別府)、福岡、山形、千葉、岡山、富山、長野(松本)、青森(弘前)、京都、岩手(盛岡)、神戸、香川(高松)とほぼ毎年開催されてきました。関東地方では、埼玉、茨城そして群馬県が未開催ですが、近い将来、ぜひ群馬県で全国大会が開催できるように、さらに精進してまいりたいと思います。


大会決議文の読み上げ。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1:第23回全国市民オンブズマン香川大会の開催情報
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第23回全国市民オンブズマン香川大会は、2016/9/24(土)午後-25(日)午前にサンポートホール高松で開催し、250名が参加しました。
テーマ:ふぅがわるいで、政務活動費!

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第23回全国市民オンブズマン香川大会 大会宣言を採択して終了
 全国市民オンブズマン連絡会議は16/9/24-25に香川県高松市で第23回全国市民オンブズマン香川大会を開催し250名が参加し、大会宣言ならびに政務活動費領収書等web公開を求める決議を採択して終了しました。
・大会宣言
 http://www.ombudsman.jp/taikai/2016sengen.pdf
・政務活動費領収書web公開を求める決議
http://www.ombudsman.jp/seimu/seimu160925.pdf
 また、政務活動費分科会から、全国一斉に政務活動費領収書等のweb公開を求める申し入れを行うことが提案され、今後具体的日程を検討することが確認されました。
 以下5つの分科会はいずれも会場が満員になり、活発に議論がなされました。
・政務活動費分科会
・説明責任分科会
・町内会分科会
・情報公開審査会分科会
・原発とカネ分科会
 なお、大会資料集(2000円)については若干余っております。ご入り用の方は、以下フォームもしくはFAXにてお申し込み下さい。
・チラシ・申込書PDF http://www.ombudsman.jp/houkatsu/2016kagawa.pdf
・申し込みフォーム  https://ssl.form-mailer.jp/fms/b9407c6c375139
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16/9/23(金)第23回全国市民オンブズマン香川大会 調査結果発表
 全国市民オンブズマン連絡会議は、16/9/23に香川県庁で記者会見を行い、以下資料を発表しました。
 16/9/24(土)-25(日)サンポートホール高松で開催する第23回全国市民オンブズマン香川大会で議論いたします。当日参加可。
・政務活動費開示度・執行率 全国調査(16/9/23版)【概要】(4枚)
http://www.ombudsman.jp/seimu/seimu2016-1.pdf
※9/23 17:00訂正 概要1ページ目23行目 不祥事があった議会(兵庫・高知)は、(兵庫県・徳島県)の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
政務活動費開示度・執行率 全国調査(16/9/20版)(22枚)
http://www.ombudsman.jp/seimu/seimu2016-2.pdf
政務活動費開示度・執行率 都道府県・政令市・中核市ごと並び替え(16/9/20版)(6枚)
http://www.ombudsman.jp/seimu/seimu2016-3.pdf
領収書の原本を議会事務局に提出する議会(平成28 年度)(1枚)
http://www.ombudsman.jp/seimu/seimu2016-7.pdf
・政務活動費 意見交換会費アンケート【概要】(2枚)
http://www.ombudsman.jp/seimu/seimu2016-4.pdf
政務活動費 意見交換会費アンケート(14枚)
http://www.ombudsman.jp/seimu/seimu2016-5.pdf
・政務活動費 分科会基調報告書(4枚)
 http://www.ombudsman.jp/seimu/seimu2016-6.pdf
・「口利き記録制度」調査【概要】(7枚)
http://www.ombudsman.jp/taikai/kuchi2016-1.pdf
「口利き記録制度」調査(16枚)
http://www.ombudsman.jp/taikai/kuchi2016-2.pdf
・自治体電力調査(16/9/22版)【概要】(2枚)
http://www.ombudsman.jp/nuclear/denki2016-1.pdf
自治体電力調査(16/9/22版)(19枚)
http://www.ombudsman.jp/nuclear/denki2016-2.pdf
・自治体入札分析【概要】(3枚)
http://www.ombudsman.jp/dangou/dangou2016-1.pdf
・自治体入札分析(27枚)
http://www.ombudsman.jp/dangou/dangou2016-2.pdf
 包括外部監査の通信簿は現在発送中です(大会資料集は9月下旬以降)。冊子に同封する振込用紙でお振り込みいただくか、銀行口座にお振り込みください。
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日程:2016年9月24日(土)13時~18時 (懇親会)18時半~20時
      9月25日(日) 9時~12時
会場:サンポートホール高松 5F 第2小ホール

    http://www.sunport-hall.jp/access/
参加費:5000円(資料代込) 懇親会費5000円
学生参加費:無料(資料なし)
参加申し込み・お問い合わせ
■問い合わせ・申し込み先 第23回全国市民オンブズマン香川大会現地実行委員会
電話/Fax 087-813-0715 090-3788-4746(植田)
e-mail ombuds.kagawa@gmail.com
https://ombuds-kagawa.localinfo.jp/
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プログラム(16/9/25現在)
9月24日(土)
  13:00      開会+実行委員会挨拶
  13:05~13:15  基調報告
  13:15~13:35  全国政務活動費調査報告
  13:35~13:55  政務活動費「意見交換会費」アンケート結果
  13:55~14:15  口利き記録アンケートまとめ
  14:15~14:35  「秘密保護法とビートルズ」情報公開の現状+共謀罪制定過程情報公開
  14:35~15:05  森田明氏講演 「これでわかる 国の情報公開審査会の活用法」
  15:05~15:20  休憩
  15:20~15:40 政務活動費寸劇「領収書1枚 怪我一生」
  15:40~17:30  各地報告
          ・富山 政務活動費問題の現状
          ・仙台 議員派遣ニュージーランド・ベトナム視察
          ・八ツ場ダム訴訟報告
          ・かながわ 横浜市監査請求却下 門前払いは違法
          ・大阪 文書件名簿公開
          ・栃木 エコシティ宇都宮補助金訴訟
          ・群馬 高崎市授産施設内部告発者つぶし
          ・千葉 野田市高齢者情報 警察提供阻止
          ・おおいた 大分県警別府署野党施設監視カメラ設置
  17:35~17:40  地方自治法改正について
  17:40~17:55  包括外部監査の通信簿表彰スピーチ
  17:55~18:00  分科会宣伝、事務連絡
  18:30~20:00  懇親会(スーツァンレストラン陳)
9月25日(日)
  8:50      会場設営
  9:30~11:20   分科会 (6階)
          分科会案内(PDF ⇒ )
           政務活動費・説明責任・町内会・情報公開審査会・原発とカネ
  11:30~11:35  落札率調査、電力購入・売却調査(5階 第2小ホール)
  11:35~12:00  大会宣言、決議
  12:00~     撤収

※参考情報2:マスコミ報道記事
**********毎日新聞2016年9月23日 22時42分(最終更新 9月23日 22時42分)
富山市議会
政活費「返納するな。増額提案できない」

 「一度支給された金は使い切ってしまおう」。政務活動費を巡る不正が相次いだ富山市議会のそんな体質が、全国市民オンブズマン連絡会議の調査で浮かび上がった。一方、政活費については、領収書のインターネット公開などで、執行率が低下している議会もある。透明性の向上と厳しいチェック体制が不正防止のかぎになりそうだ。
 「(政活費を)返納するな。使い切ってくれないと(議員報酬の)増額提案ができない」。8月末、不正請求を認めて市議を辞職した自民会派の中川勇元会長は、未使用の政活費を過去に返還した共産の市議にこう語ったという。公金への意識の低さが不正請求による使い切りにつながったとみられる。
 2015年度の執行率が、最低の46.4%だったのは函館市議会。政務活動費(当時は政務調査費)の一部支出を違法と判断した10年9月の札幌高裁判決や市民からの陳情を受け、11年6月に領収書などを全国で初めてネット上で公開した。以降は「議員の意識の高まりと透明性の向上で、執行率は年々低下している」(市議会事務局)。
 同連絡会議によると、ほかに兵庫県や西宮市、大津市など8議会が領収書をネット上で公開し、大阪府や愛知県、鳥取県など13議会がデータをCDなどで交付しており、比較的執行率が低い議会が多い。
 「号泣会見」で注目され、詐欺罪に問われた野々村竜太郎・元兵庫県議が所属した兵庫県議会は15年度は66.4%。野々村氏の問題発覚前の13年度は87.8%、発覚した14年度は76.8%で、低下が続いている。
 富山市議会は情報公開請求すれば、支出報告書や領収書のコピー(1枚10円)が受け取れるが、ネット公開については、市議会内の「議会改革検討調査会」の検討事項に上がっただけで、「議論に入る前に今回の問題が発生した」(市議会事務局)という。
 ネット公開による透明性の向上に加え、同連絡会議事務局長の新海聡弁護士は「政活費を補助金と同じ扱いにし、事前に積算根拠を出させて第三者のチェックを受けたものだけを支給すべきだ」としている。【木下訓明、岩崎邦宏】

**********読売新聞2016年09月24日
県議政活費 執行率92.7% 
◇オンブズ連絡会議 「意見交換会」問題視 昨年度
 全国市民オンブズマン連絡会議が23日、高松市で発表した政務活動費に関する調査結果。2015年度、交付総額に対する使用割合を示す執行率は、県議会で92・7%、高松市議会では87・1%。全国平均(86・6%)よりも高い水準となった。また「意見交換会」への参加費名目で毎年多額の政活費が使われているとして、問題視された。
 同会議によると、「意見交換会」は領収書を発行しているのが町内会や個人だったり、件数が多かったりすることから、実態が疑われている。県議会では13年度、26県議が2400件の「意見交換会」に出席し、政活費から計約1700万円が支出されたという。
 こうした支出の是非などを問うアンケートを実施したが、回答した県議は41人のうち7人にとどまった。回答した県議からも「使わないと経済的にやっていけない」という意味のコメントがあった。
 新海聡事務局長は「政活費を『第2の報酬』とする意識が根強い。富山市議会のような問題は、どこででも起こり得る」と訴えた。

 「第23回全国市民オンブズマン香川大会」は24、25両日、高松市のサンポートホール高松で開かれる。2日間の参加費は一般1000円、学生は無料。問い合わせは現地実行委(090・3788・4746)。

**********NHK News Web 2016年9月24日 17時50分
市民オンブズマン全国大会 政務活動費支出先すべて公開を

 政務活動費の不正が相次いで明らかになる中、市民オンブズマンの全国大会が開かれ、不正を防止するため、各議会に活動費の支出先をすべて公開するよう求めていく方針を確認しました。
 市民オンブズマンの全国大会は24日から高松市で始まりました。
 この中で、去年支給された全国の主要な114議会の政務活動費を調べた結果、不正が相次ぎ、9人の議員が辞職した富山市議会では支給額の全額を使いきっていたほか、10の議会が95%以上を使っていたことが報告されました。
 市民オンブズ富山の代表は問題の背景について、「会派による支出の管理が甘く、政務活動費の意義について真剣な検討が行われてこなかった」と報告しました。
 一方、各議会の情報公開の状況について調べたところ、半数以上の61の議会が支出先が個人名の場合は名前を公表していないことがわかったということです。大会では今後、個人名を含めて支出先を全面的に公開するよう各議会に求めていく方針を確認しました。
 全国市民オンブズマン連絡会議の新海聡事務局長は「一連の不正で、政務活動費を第2の給与だと考える意識が根強いことがわかった。不正な支出を減らすために今後も支出の公開を求め、監視活動を続けたい」と話しています。

**********共同通信2016年9月24日 19:15
高松でオンブズマン全国大会
「政活費資料全て公開を」

 全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)は24日、全国大会を高松市で開催した。児嶋研二代表幹事は地方議会の2015年度の政務活動費の調査結果に関し、使用率が前年度からやや減少した一方、情報公開が依然として不十分だと訴えた。不正が相次ぐ富山市の地元団体も「政活費の支給方法を変え、関連資料を全て公開する必要がある」と強調した。
 児嶋代表幹事は基調講演で、都道府県と政令指定都市、中核市を対象に実施した調査の結果、領収書のインターネット公開や安価なCD提供などを実施している議会が2割弱にとどまったなどと紹介した。

**********毎日新聞2016年9月25日 地方版
全国オンブズ大会
富山市不正に「特異性」 政活費問題など報告 /香川


富山市議会の政務活動費の不正支出問題を報告する青島代表理事=高松市内で、待鳥航志撮影
 第23回全国市民オンブズマン香川大会が24日、高松市で始まった。政務活動費を巡る不正が相次いでいる富山市議会など各地の現状を地元のオンブズマンが報告し、全国から集まった約250人が耳を傾けた。25日まで。【岩崎邦宏、待鳥航志】
 富山市議会の不正について、「市民オンブズ富山」代表理事の青島明生弁護士は、問題の背景に政活費の前渡しや支出基準の緩さに加え、「大会派の自民だけで全てを決められる富山市議会の特異性があった」と指摘。「議会のあり方や政活費について真剣に検討せず、議員は市民を甘く見ていた」と述べた。
 また、市政報告会に政活費を充てることを問題視し、「市政報告会のほとんどが本来は自費で賄うべき後援会活動だ。現職議員が政活費を後援会活動に使うことは許されない」と批判した。
 一方、「おおいた市民オンブズマン」の永井敬三理事長は、今夏の参院選の際に大分県警別府署員が候補者の拠点施設にビデオカメラを設置した事件を報告。同団体は事件発覚後、県警にカメラ設置目的、関係する決裁・命令文書などについて情報公開請求を行ったという。永井理事長は「基本的人権に関わるような重要な問題が含まれている。粘り強く追及していきたい」と話した。
 同大会が県内で開かれるのは初めて。「市民オンブズ香川」代表の植田真紀高松市議は冒頭、「政活費の問題を取り上げると議員から『重箱の隅をつつくな』と批判を受けるが、重箱そのものだ。議員の公金意識を問うことは議員の仕事が何かを問うことだ」と話した。

**********中日新聞2016年9月25日 19時35分
政務活動費のネット公開促進を オンブズマン全国大会で宣言採択
 高松市で24日から開かれていた全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)の全国大会は25日、政務活動費に関するインターネットでの情報公開を一層促進するよう地方議会に求める宣言を採択、閉幕した。情報公開請求者名などが議員側に伝わる事例が各地で相次いでいることを踏まえ「表現の自由や民主主義の危機に対抗する」との一文も盛り込まれた。
 この日は分科会で政活費問題を取り上げ、支出の適正化に向けた対策などについて討議。参加者からは「条例を改正し、前払い方式を見直すべきだ」「活動の報告書を充実させる必要がある」などの意見が出た。
(共同)

全国市民オンブズマン連絡会議の全国大会で開かれた、政活費問題について討議する分科会=25日、高松市

**********日経 2016年9月25日 22:56
政務費、ネット公開促進を オンブズ全国大会が宣言
 高松市で24日から開かれていた全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)の全国大会は25日、政務活動費に関するインターネットでの情報公開を一層促進するよう地方議会に求める宣言を採択、閉幕した。情報公開請求者名などが議員側に伝わる事例が各地で相次いでいることを踏まえ「表現の自由や民主主義の危機に対抗する」との一文も盛り込まれた。
 この日は分科会で政務費問題を取り上げ、支出の適正化に向けた対策などについて討議。参加者からは「条例を改正し、前払い方式を見直すべきだ」「活動の報告書を充実させる必要がある」などの意見が出た。領収書などのネット公開や電子データの提供を各地方議会に促す方針を確認した。
 実行委員会によると、大会には2日間で延べ約450人が参加した。〔共同〕

**********毎日新聞2016年9月26日 地方版
全国オンブズ大会
香川大会閉幕 「政活費、ネット公開を」 114議会に要望へ 住民チェック「不正の抑止力に」 /香川


全国市民オブズマン香川大会で大会宣言を読み上げる参加者=高松市で、岩崎邦宏撮影
 高松市で開かれていた第23回全国市民オンブズマン香川大会は2日目の25日、政務活動費についてインターネットによる一層の情報公開を求めるなど4項目の大会宣言をして閉幕した。大会を主催した全国市民オンブズマン連絡会議(事務局・名古屋市)は、少なくとも全国の都道府県と政令市・中核市の計114議会に対し、政活費の領収書などをネット上で公開するよう要望する方針を決めた。【岩崎邦宏】
 連絡会議は全国の市民オンブズマンに要望の協力を呼びかける方針。連絡会議の調査によると、領収書をネット上で公開しているのは114議会のうち9議会にとどまっており、代表幹事の土橋実弁護士は「全ての住民が税金の使われ方をネット上でチェックできる体制の確立を求める」と話した。
 大会宣言に先立ち、五つの分科会で議論が行われた。政活費の分科会では、富山市議会などで明らかになった領収書の偽造問題について、「市民オンブズ富山」代表理事の青島明生弁護士は「領収書の裏を取る作業は全国のオンブズマンがどんどんやってほしい。それが議員側に伝われば不正の抑止力になる」と話した。
 また、政活費を使った海外視察などについて、「自治体の事務との関連や視察の成果まで書かせるなど報告書を充実させれば、今のようなめちゃくちゃな使い方を防げる」と指摘した。
**********

※参考情報3:配布資料
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201609241_kagawa_mokuji_p0.pdf
201609242_kagawa_zentaihoukoku_seimukatudouhi_p155.pdf
201609243_kagawa_zentaihoukoku_kuchikiki_himituhogohou_p5694.pdf
201609244_kagawa_zentaihoukoku_jouhoukoukaisinsakai_bunkakaisiryo_p95110.pdf
201609245_kagawa_houkoku_jouhoukoukaisiminnsenter_p111137.pdf
201609246_kagawa_houkoku_setumeisekininbunkakai_p37161.pdf
201609247_kagawa_houkoku_chounaikaibunkakai_genpatutokanebunkakai_p162170.pdf
201609248_kagawa_houkoku_siryouhen_2015nyuusatu_jichitaidenryoku_hjoukatugaibukansa_p171232.pdf
201609249_kagawa_houkoku_siryouhen_chiikikatudouhoukoku_p233255.pdf
2016092410_kagawa_houkoku_siryouhen_chiikikatudouhoukoku_p256266.pdf
2016092411_kagawa_houkoku_siryouhen_chiikikatudouhoukoku_p267274.pdf
2016092412_chiikikatudouhoukoku_mokuji.pdf
2016092413_chiikikatudouhoukoku_p283291.pdf
2016092414_chiikikatudouhoukoku_p292297.pdf
2016092415_chiikikatudouhoukoku_p298319.pdf
2016092416_chiikikatudouhoukoku_p320322.pdf
2016092417_chiikikatudouhoukoku_p323323.pdf
2016092418_chiikikatudouhoukoku_p324324.pdf
2016092419_chiikikatudouhoukoku_p325325.pdf
2016092420_chiikikatudouhoukoku_p326331.pdf
2016092421_chiikikatudouhoukoku_p332336.pdf
2016092422_chiikikatudouhoukoku_p337349.pdf
2016092423_chiikikatudouhoukoku_p350360.pdf
2016092424_chiikikatudouhoukoku_p361378.pdf
2016092425_chiikikatudouhoukoku_p379419.pdf
2016092426_chiikikatudouhoukoku_p420430.pdf
2016092427_chiikikatudouhoukoku_p431435.pdf
2016092428_chiikikatudouhoukoku_p436440.pdf
2016092429_chiikikatudouhoukoku_p441455.pdf
2016092430_chiikikatudouhoukoku_p456478.pdf
2016092431_chiikikatudouhoukoku_p479483.pdf
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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…知事への要望書(公開質問状)に回答拒否をしてきた林業振興課

2016-09-26 22:38:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■当会は、赤城山の自然・環境・景観の保護、そして未来の子どもたちの健康に配慮し、子育て群馬に相応しい群馬県を具現化すべく活動している、「赤城山の自然と環境を守る会」と「赤城南麓の環境と子供たちを守る会」と連名で、放射能の二次汚染源となりかねない赤城山南麓に建設されようとしている関電工らによる前橋バイオマス燃料・発電施設の建設問題に関し、要望書=公開質問状の形で知事の見解を質そうと次の内容の文書を8月末に発信しました。

*****要望書*****PDF ⇒ 28n831mvijjo.pdf
                      平成28年8月31日
群馬県知事
 大澤正明 様
                    赤城山の自然と環境を守る会
                     会長 横川忠重
                    赤城南麓の環境と子供を守る会
                     会長 井上 博
                    市民オンブズマン群馬
                     代表 小川 賢

         要 望 書(公開質問状)
件名:前橋バイオマス燃料・発電施設に係る疑問・矛盾等の解消について

拝啓 貴殿におかれましては、県政のトップリーダーとしてますますご清栄のこととお慶び申しあげます。また、日頃より群馬県の発展や県民の福祉向上のためにご尽力いただき、誠にありがとうございます。

 私たち「赤城山の自然と環境を守る会」、「赤城南麓の環境と子供たちを守る会」および「市民オンブズマン群馬」は、赤城山の自然・環境・景観の保護、そして未来の子どもたちの健康に配慮し、子育て群馬に相応しい群馬県を希求してそれぞれの立場で活動している団体です。この度の前橋バイオマス燃料・発電の建設問題に関し、県民サイドの立場に立ったならば、政官業が一体となった発電所建設有りきの強引なやり方に対し、いくつか要望がございますので、期日までにご回答ください。

 貴殿は、8月11日に開催された山の日記念「21世紀の森まつり」で、『県民共有の財産である豊かな森林や美しい自然を見つめ直し、その恵みに感謝するとともに、森林を活用しながら、多様な自然生態系を次の世代に引き継いでいくことは、私たちの責務でもあります』と挨拶されました。しかし、今年3月に発表された『森林・林業基本計画(改訂版)』の中で、東京ドーム64個分の森林をただ燃やすために、丸裸にしようとする『皆伐』という文字が初めて記載されました。

 また、同計画には、森林に住む生き物について、野生獣類だけが盛り込まれておりますが、『野生獣類による林業被害は、前年度に比べ減少しましたが、依然として高水準にあり、森林所有者の経営意欲の減退や木材資源の消失を招くなど深刻な状況が続いています』と、被害者気取りの人間独裁の身勝手な事情だけが記載されています。まったく前出の知事の挨拶のかけらもありません。

 貴殿の公式ウェブサイトには、「第3回議会の開会を前に」と題し、9月7日付でコラムが掲載されています。9月4日に9月補正予算案の発表に関して、木質バイオマス発電燃料製造施設の整備が明記され、現在では、知事の査定通り、前橋バイオマス燃料に対する4億8,000万円の補助金の支給が決定されております。しかし、昨年6月に県に提出された事前補助金申請書類を見ますと、5月19日の宮城支所長との打ち合わせで、「住民説明は戸別訪問のみで、不在時は再訪問は必要ない」との助言を受けたとか、5月25日~27日に行われた戸別訪問では、『住民は反対者なし』などと、事実とは全くかけ離れた文章になっており、知事は、その虚偽の書類で査定されたことになります。

 虚偽についてもう一つ。関電工及びトーセンは、「木を乾燥させるのに9ヶ月を要す」という一般論を持ち出し、貴殿を騙し、知事査定を急がした疑いがあります。初めから、殆ど乾燥の要らない全国初であろうチップのプレス式脱水方式を採用していたからです。このことを、正式な申請が出された平成28年6月まで県には黙っていました。更に、その資料には、プレスによる年間約2万トンも排液が出ることは一切隠されています。

 『群馬の未来を創生』するために3期目の意欲を公式ウェブサイトで表明されました貴殿ですが、知事の過去に選挙ポスターを見ましても、『ふるさと群馬に新しい力を(2007)』、『群馬を元気に、実行力(2011)』、『実行力で未来を拓く(2015)』とスローガンが書かれており、その他にも『創りあげたい郷土がある』、『創る、群馬の未来』というポスターも有ります。貴殿には、9年前の群馬県はどのように見え、そして、未来の群馬県はどのように見えているのでしょうか。

 私たちは、このバイオマス発電計画が、未成熟であり、県と県民との議論もされていないなか、強引に推し進めていることに関して、赤城山や自然環境、群馬県民の健康等にマイナスであると考え、要望書を提出した次第であります。この1年間で、建設反対の署名も12,000筆を越えようとしています。

 こうした事実も鑑み、指定の期日までに、要望に対して、真摯に応えていただきたいのです。
                            敬具

別紙:要望(=公開質問)項目

*****別紙*****
       要望(=公開質問)項目

【要望(=公開質問)その1】群馬県バイオマス活用推進計画(H24~H33)との整合性担保について

(1-1)原子力発電所の事故に伴う課題(P17)として、「バイオマスを活用する際、原子力発電所の事故に伴う放射性物質を含む物の取り扱いは、安全・安心に関わる新たな課題となっています。」と記載されています。このことに照らして、貴殿は、現在建設中の、前橋バイオマス燃料及び発電施設に対し、汚染チップを脱水し地下への垂れ流す等の当該計画内容に関して、どのように考えておりますか?

(1-2)バイオマス活用に関する理解の促進(P18)として、「バイオマスの活用を推進するためには、多くの人々のバイオマスへの理解と協力が不可欠ですが、その必要性や意義等については、まだ十分に認識されていないのが現状です。(中略)このため、今後、関係者が連携して、バイオマス活用に対する理解や意識の向上を図るための取組を推進します。」と記載されていますが、今回の前橋バイオマス燃料・発電に関し、県民の理解と協力が得られたとお考えですか?

(1-3)林地残材の需要の拡大(P22)として、「小規模な木質バイオマス発電施設、熱利用施設等の設置を検討します」と記載されております。このことについて、計画にもない今回の大規模な木質バイオマス発電を知事は『緊急性と必要性がある』と査定しておられますが、「群馬県バイオマス推進計画」にもない巨大な木質バイオマス発電を委員会や議会、県民の理解なしに、知事決済で承認したのかその根拠、理由をお聞かせください。また、そのことによる県民のメリットを全てお教えください。

(1-4)計画(P9)として、「H33年での林地残材の賦存量は67,000トンで、利用量20,000トン」と記載されております。一方、今回の前橋バイオマス発電では、計画の4倍である年間8万トンの木質燃料を確保するとあります。この食い違いについてなぜだろうかと疑問に思っていたところ、平成28年3月に改定された『群馬県森林林業基本計画』の中で、突然、東京ドーム64個分の森林を丸裸にする計画が貴殿より発表されました。このため、貴殿の真意をお聞きしなければなりません。現時点において、8万トンの間伐材等を確保するための設備やマンパワー、また、貯木場所は確保されておりますでしょうか?現状の整備状況を具体的に、且つ詳細に全てお教えください。また、本来の林地残材を利用した木質バイオマス発電ではなく、今回のような燃やすための皆伐・間伐では、本末転倒であると考えられますが、100年後の森林に問題は起きないのでしょうか?起きないと判断されておられるのであれば、その裏付けや根拠を詳細にお教えください。

【要望(=公開質問)その2】知事査定(平成27年度9月補正予算検討案)の妥当性について

(2-1)貴殿は、この事業の緊急性・必要性について、「原木の調達・乾燥に9ヶ月を要するので、平成27年10月に工事を着工しないと計画通りに発電のための燃料の製造が出来ない」として、事業者の計画をそのまま査定されています。貴殿のいう「9ヶ月」と言うのは一般的な自然乾燥の話だと考えます。ところが、関電工とトーセンは、補助金の査定者である貴殿に対して、許可、承認を早めるために嘘をついています。なぜなら、実際の燃料の製造工程では、燃料の脱水を促進するための巨大なプレス機を導入することで計画されており、ほとんど乾燥期間は要さなくても良いはずだからです。このことに関して、貴殿はどのようにお考えですか?

(2-2)しかも、この方式はおそらく全国初ではないでしょうか?

(2-3)そうなると、放射能に汚染されたチップ等をプレスで絞ることによって、年間2万トン程度の廃液が生じることになります。ところが、関電工とトーセンの計画では、この膨大な廃液について何の処理もせず、地下浸透させてしまう設計となっております。関電工らは住民との話し合いも行っていない時点での状況で、貴殿は、知事査定を早々に行った訳ですが、未来永劫、土壌汚染や地下水汚染はおきないとお考えですか?またその根拠を詳細にお教えください。

(2-4)関電工らの事業の狙いに関して、貴殿は「前橋木質バイオマス発電の燃料チップ約8万トンは、県内素材生産量の3割を占め、森林・林業計画を1年前倒しして達成できる」と評価しています。一方で、本来、木質バイオマス発電は、群馬県バイオマス活用推進計画(前出)にも貴殿により書かれているように、未利用のまま林地に残置されている間伐材である『林地残材』を活用するのがそもそもの目的のはずです。どうみても、発電のための間伐・皆伐を伴う木質バイオマス発電事業は森林・林業との共生とは真逆でありますが、貴殿はこのことについて、どうお考えですか?

(2-5)現在、群馬県が県民から徴収しているいわゆる緑の県民税と称する税金のピンハネ分は、奥山の切捨て間伐にも充当できるとなっています。そうなると、林地に放置することを前提とした切捨て間伐に、この緑の県民税を使うことは、その間伐材を集めて燃料にするための費用を助成していることになり、さらにその燃料を製造する施設に我々の血税を補助金として投入することは、税の無駄遣いそのものではありませんか?

(2-6)知事査定時において、木質チップを巨大なプレス機で圧縮・脱水し、そのままその排液を地下に垂れ流すことの説明を受け、認識されていましたか?

(2-7)また、その危険性について、また、放射能対策の必要性等について、知事査定に際し、どのような議論がありましたか?その全てをお教えください。

【要望(=公開質問)その3】環境影響評価条例の適用除外について

(3-1)第四条(技術指針)において、「(1) 知事は、既に得られている科学的知見に基づき、環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法の選定その他の環境影響評価を行うために必要な技術的事項に関する指針(以下「技術指針」という。)を定めるものとする。(2)知事は、技術指針について常に必要な科学的判断を加え、変更を行わなければならない。(3)知事は、技術指針を定めるに当たっては、あらかじめ群馬県環境影響評価技術審査会の意見を聴かなければならない。(4)知事は、技術指針を定めたときは、遅滞なく、その内容を公表しなければならない。」などと貴殿の知事としての責務が記載されています。また、群馬県バイオマス活用推進計画(前出)に「バイオマスを活用する際、原子力発電所の事故に伴う放射性物質を含む物の取り扱いは、安全・安心に関わる新たな課題である」と記載されています。これらの方針や安全管理の観点を踏まえて、貴殿は、3.11東日本大震災以来、上記の環境影響評価対象案件に対してどのような姿勢で指示をされたり取り組まれてきたのでしょうか?その全てをお教えください。

(3-2)また、貴殿は、上記の責務を完全に責任を果たしているとお考えですか?それともまだ責任を果たしていないとお思いですか?どちらにせよ、その理由をご説明ください。

(3-3)第四十六条(勧告及び公表)において、「知事は、事業者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該事業者に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。(1)この条例の規定に違反して環境影響評価その他の手続を実施しなかったとき。(2)虚偽の記載をした第一種事業方法書、第一種事業準備書若しくは第一種事業評価書又は第二種事業方法書、第二種事業準備書若しくは第二種事業評価書を送付したとき。(3)第三十九条第一項又は第三項の規定に違反して対象事業を実施したとき。(4)第四十一条第一項の規定により求められた環境影響評価その他の手続を実施しなかったとき。(5)第四十三条第一項に規定する環境の保全のための措置を実施しなかったとき。」と記載されております。これによりますと、前橋バイオマス発電の排ガス量は42,000㎥/h(県環境政策課情報)であり、排ガス量が40,000㎥/h以上の場合、第一種事業となり環境影響評価を実施しなければならないことになっていますが、担当部局の単独の判断で、木質燃料については2割を差し引いても良いことを決め、環境アセスメントの実施をしないような処置が取られています。このことについて、貴殿は、その行為の事実をご存じですか?

(3-4)また、「知事の責務である科学的根拠、群馬県環境影響評価技術審査会での承認の必要性、技術指針変更の公表等」に関して、貴殿の知事としての見解をお聞かせください。
                           以上

なお、貴殿のご回答を得た上で、当会のブログ等においても明らかにし広く群馬県民等に広報してまいる所存です。つきましては、平成28年9月15日(木)必着で、文書で回答し投函くださるようお願い申し上げます。

               【ご回答送付先】
                赤城山の自然と環境を守る会
                 会長 横川忠重
                 〒371-0244 群馬県前橋市鼻毛石町1991
                 電話027-284-1688
**********

■これに対する回答として、9月14日付で群馬県環境森林部環境政策課長、環境エネルギー課長、林業振興課長の連名で赤城山の自然と環境を守る会の横川会長あてに文書が郵送されてきました。文書の内容は次の通りです。

*****回答*****PDF ⇒ m.pdf
                              (公印省略)
                         林振第30260-10号
                         平成28年9月14日
赤城山の自然と環境を守る会
  会長 横川 忠重 様
赤城南麓の環境と子供を守る会
  会長 井上 博 様
市民オンブズマン群馬
  代表 小川 賢 様
                   群馬県環境森林部
                     環境政策課長 須藤 雅紀
                     環境エネルギー課長 中田 富久
                     林業振興課長 山崎信明

         要望書(公開質問状)について(回答)

 平素、群馬県の発展のために、ご活動いただき、誠にありがとうございます。
 担当しております環境政策課、環境エネルギー課、林業振興課から回答いたします。
 平成28年8月31日付でご要望(ご質問)のありました「前橋バイオマス燃料・発電施設に係る疑問・矛盾等の解消について」は、前橋バイオマス燃料製造施設への補助金支出に関して住民訴訟を提起され、前橋地方裁判所で審理中の案件となりますので、回答は差し控えさせていただきます。
 今後とも、県政の推進に対し、ご理解、ご協力いただきますよう、お願い申し上げます。

                   担当:群馬県環境森林部林業振興課
                     TEL:027-226-3241
                     FAX:027-223-0154
**********

■何というハレンチな返事なのでしょうか。生活環境面での不安を訴える住民らに対して、このように平然と説明責任を放棄した役人らは税金に基づく報酬を受け取る資格があるとは到底おもえません。

 群馬県の職員として県民の声に答えるのは当然の義務のはずですが、裁判を理由に口をつぐむのでは、公僕失格と言わざるを得ません。

 そこで今後は直接、群馬県知事に対して要望書(公開質問状)を届けようと、総務部気付けて再チャレンジすることにしました。果たして、総務部経由で知事の回答は得られるのでしょうか? 注目してみたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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大同有毒スラグ問題を斬る!・・・【報道】群馬県内・榛東村5ヶ所でスラグ使用(最大7倍フッ素)!③

2016-09-25 23:34:00 | スラグ不法投棄問題
■2016年9月16日、榛東村の広報に大同スラグの分析調査結果が掲載されたとする新聞報道がありました。今回はその③をお伝えします。その①②はこちらです。↓↓
※その①: http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2121.html
※その②: http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2126.html

 まずは新聞報道の内容のおさらいから始めましょう。

**********2016年9月16日毎日新聞群馬版 
榛東村 5カ所でスラグ使用
最大7倍のフッ素 広報に結果公表

 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題で、榛東村の5カ所の工事で、この鉄鋼スラグが使われ、最大で環境基準の約7倍のフッ素が検出されたことが村の調査で分かった。村は16日配布の村広報に結果を掲載し、今後の対応を県と協議する。
 村によると、スラグが使われていたのは、「ソフトバンク榛東ソーラーパーク」と「白子の海ソーラーポート」の太陽光発電所2カ所のほか、キャンプ場などがある「創造の森」入口付近、茅野公園の駐車場――など5カ所。発電所と創造の森ではスラグ砕石がむき出しになっている。
 フッ素の環境基準は、含有量で1キログラムあたり4000ミリグラム以下、溶出量で1リットル当たり0.8ミリグラム以下。ソフトバンク榛東ソーラーパークはソーラーパネルの外側で、土壌中のフッ素溶出量が最大で基準の約7倍だった。ソフトバンクによる調査では、パネル内部でも最大で6倍超。白子の海ソーラーポートでは路盤材のフッ素溶出量が2.5倍だった。村はソフトバンクや「白子のり」を製造する白子とも対応を協議する。
【尾崎修二】
**********

■今回もスラグ報道のポイントを考察して見ましょう。

① 榛東村内5カ所から環境基準の7倍もの有害フッ素が検出されたにも関わらず、いまだ群馬県と対応を協議する段階であること

② 有害スラグが未だにむき出しの状態であるのに、のんきに協議をこれからすること

③ 「ソフトバンクソーラー」パネルの外周のみならず、パネルの下からも環境基準の6倍超の有害スラグが検出されたこと

④ 「白子の海ソーラーポート」では路盤材のフッ素溶出量が2.5倍だったこと。
 (この路盤材については群馬県が安全宣言を過去に行い、混乱を招き大変迷惑であること。)


■それでは、それぞれのポイントについて検証してみます。

ポイント①
榛東村内5カ所から環境基準の7倍もの有害フッ素が検出されたにも関わらず、いまだ群馬県と対応を協議する段階であることについて

 当会が「ソフトバンク榛東ソーラーパーク」と「白子の海ソーラーポート」を取り上げてから早2年の月日が流れました。その間に、国土交通省がスラグの有毒分析を発表したり、公共団体の有毒分析方法に疑問を持った市会議員による分析調査など色んな立場の方から、有害スラグの分析調査結果が新聞報道されました。

 しかし、「水質が汚染されていなければ、生活環境保全上の支障がない」などとする環境基本法を無視したおバカな?お役人様の不作為により、有害スラグの撤去などの対策は全くなされていないのが現状です。

 榛東村は「16日配布の村広報に結果を掲載し、今後の対応を県と協議する。」と新聞報道されていますが、残念ながら、今の群馬県と協議しても無駄?といえるでしょう。たとえ土壌が汚染されていても、環境基本法を無視し“土壌汚染は関係ない、水質の汚染のみが生活環境保全上影響がある?”と、間違った考えを恥ずかしげもなく表明されてはどうにもなりません。

 榛東村が群馬県に相談しても、群馬県環境部局は圧力勢力に気兼ね?して、水質を調査して、汚染の事実が無ければ、アスファルトで蓋をして、残置する?といった小手先のゴマカシで済ましてしまう事でしょう。

 東京の豊洲の問題では、汚染された土壌を撤去せず、盛り土で遮断する処置を選択し、結局効果が疑問な盛り土さへも省略するという、結果的には2度手間、3度手間の莫大な費用が掛かる事態に陥っているのではないでしょうか?こんなことなら、汚染土を撤去する方が費用が安く済んだのでは?または、汚染土が撤去できないなら建物を建築しない方が良かったのでは、という疑問が湧いてきます。

 群馬県は今、役人の不作為により、時間が無駄に浪費されスラグから染み出した有害フッ素がどんどん土壌を汚染している状況です。このまま放置すれば、東京・豊洲のような問題が置き、その時、環境部局の皆さまの責任を追及する声があがるのではないか?と予想されます。環境部局には一定の権限が与えられているのですから責任を追及されるのは当然の事です。今すぐ環境基本法を読み直し、土壌汚染も生活環境保全上支障をもたらすことを、ご確認の上、土壌汚染元の有害スラグを撤去する命令を発出されますことを切に希望します。このままでは、大同スラグのフッ素の二次汚染の原因者は群馬県となってしまうのでは、ないでしょうか?

ポイント②
有害スラグが未だにむき出しの状態であるのに、のんきに協議をこれからすることについて


写真は、今年春に、一部のリットン調査団員の本来の趣味である、春の山歩きで水沢山周辺の散策を楽しんでいたところ、間違ってソフトバンクソーラーの近くに迷い込んでしまった時の様子です。


迷い込んでしまって、本当に申し訳ありせん。決してここからパネルには近づいていませんのでお許しください。できれば、山歩きの人のため、広く柵を作っていただけると、迷い込まなくて済むと思います。


迷い込んだとはいえ、せっかくの機会ですから、道路を見ていきましょう。簡単に目に飛び込んできた道に敷きこんであるサビ浮石を撮影。なんで写真を撮るのかって?「そこに、スラグが あるからさ!」 ほいでもって、有害スラグがザックザク!


白い塊をあちこちに発見、有害スラグ100%生一本だ!あれ~大同特殊鋼は有害スラグと天然石を混ぜてフッ素毒が薄まると思っていたから、スラグ混合砕石を思いついたのですよね(そう、人を欺いたのですよね)。ところがこの白い塊はいったい何ですか? 有害スラグ100%じゃないですか? 毒は薄まっていないので完全な“毒別”管理産業廃棄物の不法投棄ですよね! 群馬県も廃棄物に認定しています。フッ素毒100%の廃棄物の不法投棄ですよね!


あちこちというか、道の全体に有害スラグ100%生一本が広がっているかのようです。


徘徊老人も思わず絶句。こりゃひどい。これは、有害スラグ100%生一本をまず道に大量に引き込み、その上にお化粧をするかの如く、天然石を薄く引き込んだのではないじゃろか? 雨で天然石が流れ有害スラグが顔を出したと思われる。これは、まぎれもなく有害スラグ100%の捨て場じゃ! 廃棄物の不法投棄じゃ! 榛東村議会議事録では、天然石類は設計の段階で指示がないそうな。指示がないのに有害物100%を投棄することを「不法投棄」と呼ぶのではないじゃろか?

■いつまで、有毒なスラグを山の上に放置しておくのでしょうか。風が吹けば風害な粉じんが舞い飛び、雨が降れば土壌を汚染し続けます。お役人様がダラダラ時間を浪費している間に、土壌汚染や大気汚染が広がっているのです。東京の豊洲問題のように、お役人様責任のなすりあいは、有害スラグを撤去してからにしていただきたいものです。

ポイント③
「ソフトバンクソーラー」パネルの外周のみならず、パネルの下からも環境基準の6倍超の有害スラグが検出されたこと


当会に寄せられた、ソフトバンクソーラーパークの発電所の様子。

 当会では、榛東村村議会議事録の様子から(末尾資料参照)、佐藤建設工業の寄付で「ソーラーパネルの外周のみ有害スラグが敷きこまれていた」と考えていました。

 しかし新聞報道から、パネルの下からも環境基準の6倍超の猛毒スラグが検出されたことに愕然といたしました。というのは、榛東村関係筋の情報で、この発電所の敷地造成工事をたった500万円でブラック佐藤が請け負ったことが分かっていたからです。

 通常ソーラー発電所の造成工事では高い所の土を掘削し(切り土)低い所に盛り上げる(盛り土)ことにより平らな場所を作るのが常識です。榛東村村議会議事録の様子から、パネルの下に天然石などの小石を敷き込む榛東村の指示がないことが分ります。

 「ソフトバンクによる調査では、パネル内部でも最大で6倍超。」という新聞報道によれば、ソーラーパネル設置の平らな場所を作るのに、盛り土で四角く外壁をつくり、その結果できたプールのような穴に、有害スラグ100%を叩き込んだと想像できるのです。

 そうでもしなれば、こんな大規模な土地の造成をたった500万円でできるはずがないからです。不足の予算は大同特殊鋼から、名目は違えども、「スラグ処分料」をいただくことにより補てんするわけです。

 山の中に穴を作り、有害スラグを叩き込む。これを不法投棄と呼ばずに何と呼ぶのでしょう。しかも環境基準値を超えるフッ素が検出されているのです。まさか群馬県の環境部局殿、「環境基本法など守らなくても良い」というのでしょうか?

ポイント④
「白子の海ソーラーポート」では路盤材のフッ素溶出量が2.5倍だったこと。(この路盤材については群馬県が安全宣言を過去に行い、混乱を招き大変迷惑であること。)

 この路盤材というのは、ブラック佐藤建設工業が販売していた、有害スラグ混合砕石のことです。この路盤材について、新聞報道はフッ素の溶出量が基準値の2.5倍だったと報道しています。 

 この佐藤建設工業が販売した路盤材は、ソーラー発電のみならず、群馬県や国土交通省の公共工事に広く使用されています。現在裁判中の東吾妻町萩生の農道にも使用されています。この路盤材について群馬県は安全宣言を声高らかに発表しています。群馬県のスラグ混合砕石安全宣言はこちらです。↓↓
https://www.pref.gunma.jp/06/h8000248.html

 こちらもお読みください。↓↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1294.html

■なぜ、群馬県県土整備部・建設企画課が調査すると安全で、他の団体が調査すると必ずと言っていいほど「有害」となってしまうのでしょうか?ここまで群馬県以外の有害スラグ報道に接すると、「群馬県の安全宣言は間違いだ」と言わざるを得ません。 

 東京豊洲の問題で指摘された、あるシナリオのもと環境アセスメントを作成した疑いのように、安全宣言ありきで分析調査に臨んだ?と思われてなりません。ボーリングマシンで掘削し天然石と有害スラグが混合された状態で、しかも5カ所ほど均等混合すれば、結果はおのずと環境値を下回るとシナリオを描いて分析調査したのではないか?と疑ってしまうのです。

 疑いの元として、環境の専門家である群馬県環境部局を差し置いて、県土整備部が自ら分析調査をしていることが、余計に“いかがわしさ”を浮き彫りにしていると言えるでしょう。火のない所に煙は立ちません。

■以上三回にわたり、毎日新聞の榛東村の有害スラグ報道を考察してまいりました。やはり群馬県が、しっかりと廃棄物の不法投棄問題として有害スラグ問題を取り扱おうとしないことが、混乱を招いているという認識が、読書の皆様と共有できたのではないかと感じています。

 その群馬県に、榛東村は相談をするようですが、読者の皆様はいい結論が出るとお思いになるでしょうか?

 ソーラー発電にとどまらず、国土交通省が上武道路などで、有害盛り土を撤去せずに何事もなかったかのように工事を進めています。もし英断を以って、今、適切に対処しておくならば、結果として税金を無駄遣いせずに済むことでしょう。

 これまでの国や県のやり方だと、「後になって、税金の無駄遣いをしないように」などと思っても、“交通渋滞など影響が多大だ”として、周辺住民の健康被害などを無視し、何も対策をしないことが容易に想像できます。果たして、法治国家日本がこのような結末でよいのでしょうか?

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料:榛東村議会議事録
**********
■平成26年第3回榛東村議会定例会会議録第1号
http://www.vill.shinto.gunma.jp/gikai/03kaigiroku/pdf/H26teirei3.pdf
平成26年9月3日
○3番(小山久利君) 皆様、おはようございます。ご苦労さまでございます。
 質問に入る前に、議長、村長からもお話しございましたが、8月19、20日に広島県で発生しました豪雨による土砂災害で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 今回質問いたしますのは、八州高原と白子の海両発電所の建設資材についてですが、具体的には有害物質を含む建設資材が使われた心配はないか、訪れた方々はもちろん、近隣住民の健康を害するおそれのある物質が含まれた鉄鋼スラグの混入された砕石が使用されていないか、確認させていただきたいと思います。議長に許可をいただきましたので、貴重なお時間をいただきまして質問させていただきます。
 以降、自席に戻りまして質問を続けさせていただきます。
○議長(金井佐則君) 3番小山久利君。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) ことし3月、第1回定例会中の全員協議会で水資源機構群馬用水管理所より調査の結果、村内の群馬用水管理道路の一部から環境基準を超える六価クロムやフッ素などの有害物質が検出されたので、路盤材を入れかえるという報告がございました。これは、舗装材料として使用された大同特殊鋼渋川工場の鉄鋼スラグから有害物質が検出されたことにより、急遽検査したことによる結果だと思います。
 これに関連して、毎日新聞の8月5日付のインターネット配信、また8月6日付の上毛新聞によりますと、鉄鋼メーカー大同特殊鋼の渋川工場の有害物質を含む鉄鋼スラグが混入した砕石が八ッ場ダムの代替地整備や、生活道路の工事に使われたと報道されました。毎日新聞によれば、有害物質は環境基準の5から23倍に達し、専門家は撤去が望ましいと指摘しているそうです。ダム関連工事の関係者によると、有害物質を含む建設資材が許可なく使われたのは代替地住宅の盛り土や周辺の生活道路などで、毎日新聞では、地権者の同意を得て建設資材の砕石を採取し、環境省指定の第三者機関に鑑定を依頼しました。
 結果、有害物質フッ素が環境基準の5から23倍検出され、また環境基準の対象ではないが、植物に影響を及ぼす強アルカリ性を示したと書いてあります。
 スラグをめぐっては、大同特殊鋼の渋川工場から出た有害物質を含むスラグが、渋川市内の建設会社に販売されたときに、販売額より高額な引き取り料と見られる逆有償取引だったことが問題化しました。今回の代替地をめぐる工事にも同じ建設会社が関与しており、同社はこれまでダム関連工事十数件に参加し、大同から引き取ったスラグを天然砕石にまぜて使っていた。国交省も同様の情報から現場の砕石を採取し、スラグと見られる砕石を確認し、業者から事情を聞いていると報道されました。
 本村でもゴルフ場跡地に太陽光発電所をつくるに当たり、格安で造成工事をしていただけるということで、渋川市内の業者により平成24年1月12日から2月29日までの工事で4万9,300平方メートルの造成を終了しました。その後、平成24年4月5日から7月31日にかけて自然エネルギー施設関連安全修景整備工事として同事業者に外構工事も契約しております。そして、大雨による災害復旧工事でもこの同一業者の砕石が使われていると思います。この業者が、毎日新聞で報道された渋川市内の建設会社と同一会社であることがわかり、非常に心配しているところです。
 そこで総務課長にお尋ねいたします。
 このような報道がされたことはご存じでしょうか。
○議長(金井佐則君) 村上総務課長。
〔総務課長 村上和好君発言〕
○総務課長(村上和好君) 大同特殊鋼のスラグの関係については、前の課のときに群馬用水の関係についてはうちのほうもかかわりがありましたので、その関係については承知しているところです。
 大同特殊鋼の関係の県の工事の関係ですが、平成21年度以降、27工事で鉄鋼スラグを含む砕石を使用したことが確認されております。内訳では、県の森林部の工事が2工事、農政部が4工事、県土整備部は21工事でした。なお、施行に当たっては、県では品質規格証明書により安全性を確認しておりまして、現場で安全性を確認するため、環境安全品質基準の分析試験を実施しているところです。
 その結果、抽出されました6工事につきましては、全てこの基準値に適合していることが確認されております。
 以上です。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) そこでこの一連の発電所建設に当たる工事の中で、どのくらいの量の砕石が使われたのか教えてください。
○議長(金井佐則君) 暫時休憩します。
午前9時22分休憩
───────────────────────────────────
午前9時23分再開
○議長(金井佐則君) 会議を再開します。
村長。
〔村長 阿久澤成實君発言〕
○村長(阿久澤成實君) 私のほうからお答えさせていただきます。
 過日、議長名で設計書の情報提供の請求があり、写しを提供してある2件についてのお尋ねだと思っております。
しかしながら、造成の過程においては施工土、必要となった砕石については、無償で入れていただいたものもありますので、また外周道路についても全国議長会の視察が予定されておりまして、5月3日の集中豪雨災害箇所視察のときに、私が当業者に現地でここへ入れたらどのくらいお金がかかるんですかということで見積もりをお願いした経緯がございます。
 しかし、そのときに金額で約250万円ほどかかりますよねという見積もりをいただきまして、いろいろ精査したところ予算化できないということで、依頼をとめた経緯がございます。そして、6月末の完成時にそれを当該社長が覚えておりまして、全国の議長さん方が訪れるのに恥をかかせないという思いで、村長の意を酌んで無償で実施してくれた経緯がございます。そのような状況の中で、平成24年度、平成25年度の両年に村が発注したものについては、鉄鋼スラグは使用されておりません。
 それから、無償で提供していただいたものについては、国土交通省、県環境森林部の調査の結果、全て安全基準をクリアしているものであると報告を受けております。そのような状況の中で、村で発注したものについては、それ以上というか、量としてはちょっと把握できませんけれども、無償で入れたものもそういう状況ですので、量の確認はできないということでございます。
 ただ、面積からいいますと、外周道路のフェンス延長が約800メートルございます。それから、外周路の幅については約10メートル、それから進入路は約100メートルで道路幅は約7メートルと推定されます。厚みについては不明でございます。それから、ビジターセンター付近のものについては、造成工事は含まれておりません。
以上です。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) 工事の施工については公共事業の一般的なルールからすれば、使用材料の基準は仕様書等で定められていると思います。国交省ではダム関連工事に天然砕石を使用するよう義務づけ、渋川市の建設会社から提出された材料証明書にも「天然資材」と記入されていたそうです。
 村の工事で使用材料の基準、使用材料証明書はどうなっているのか、その辺仕様書に記載されていたのか、教えてください。
○議長(金井佐則君) 総務課長。
〔総務課長 村上和好君発言〕
○総務課長(村上和好君) 今回のうちのほうの造成工事の中では、この砕石の関係については設計書にも入っておりません。もちろん仕様書にも入っていないということでございますので、入っていないものについて証明書をとるということはしていないということです。
以上です。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) 工事の手順として基準の仕様書とか、業者からの使用証明書の提出の必要がないものでよろしいんですか。
○議長(金井佐則君) 総務課長。
〔総務課長 村上和好君発言〕
○総務課長(村上和好君) 通常の工事であれば、例えば、建設課が発注する道路工事、これにつきましては、設計書はもちろん、また設計図、また仕様書等があると思います。その中で使用材料についてうたっていると思います。ただ、今回の造成工事につきましては、設計仕様の中に入っていない、ということでございますので、それをうちのほうからあえて証明書なり、そういうものを求めるということのものはないということです。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) 証明書がないということで、発電所用地以外にビジターセンターと称する周辺施設でも同じく開発した面積とその使用した砕石の量はわかるものでしょうか。先ほど村長から外周道路とかの説明はあったんですけれども、ビジターセンター周辺ですね。その開発した面積と使用した砕石の量を教えてください。
○議長(金井佐則君) 総務課長。
〔総務課長 村上和好君発言〕
○総務課長(村上和好君) そちらのほうについても、先ほど言ったように設計図書に入っておりませんので、それの証明の関係については求めておりません。
○議長(金井佐則君) 暫時休憩します。
午前9時29分休憩
───────────────────────────────────
午前9時30分再開
○議長(金井佐則君) 会議を再開します。
総務課長。
〔総務課長 村上和好君発言〕
○総務課長(村上和好君) 余りあやふやなことを言ってしまうとあれなんですけれども、先ほど言ったように設計図書に入っていないということでございますので、面積的なものはここでは言えないということでよろしいでしょうか。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) 面積はわからないということで、当然入れた砕石の量もわからないということでよろしいんだと思います。こちらの砕石についても、仕様書や使用材料証明書はないということでよろしいんでしょうか。
○議長(金井佐則君) 総務課長。
〔総務課長 村上和好君発言〕
○総務課長(村上和好君) 先ほども言ったとおり、設計図書に入っていないということでございます。あくまで無償という形ですので、そういう証明書はありません。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) このスラグに関しては、強アルカリ性ということで一定の植物にも反応するということで、たしかあの周りにはラベンダーを植えたはずですが、今行ってみても見当たりません。影響が疑われるとすれば、この場所は榛東の上位部でもあり、環境や水質にも影響するところです。
 渋川市でも市内の11カ所で検査を実施し、環境基準を超えるフッ素などを検出したとしていますが、榛東村でも検査を実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(金井佐則君) 村長。
〔村長 阿久澤成實君発言〕
○村長(阿久澤成實君) ラベンダーの話からさせていただきます。
ラベンダーは、もともと上記の建設会社からご寄附をいただいたものであります。そして、現地の冬場での囲いの寒冷に対しての管理が不十分であったことと、それから管理上のミス、というのは、草刈り等で刈り取ってしまったところがあります。そして、村で予算化して購入した大鉢のものはちゃんと生育しております。これは確認をしております。それから、もしということで答えさせていただくのはどうかと思うんですけれども、質問でありますので答えさせていただきます。調査をするのであれば、全村の建設箇所に該当するのではないかというふうに思っております。しかしながら、渋川市で既に実施していますが、その中で数値に異常のあった箇所も当時の環境基準に合っており、その環境基準等が変更になった平成22年度以降のものは全く異常数値を示していないことが公表されております。必要となるのは、平成21年度以前である本件のお尋ねの箇所については調査の必要はないというふうに考えております。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) 調査の必要がないということで回答をいただきました。
 次に、白子の海のソーラーポートについてお聞きします。
 この事業も自主財源の確保ということで農業用水維持管理基金から2億円を取り崩し、シャープとの随意契約で工事が行われたと記憶しています。この工事にもやはり渋川市内の建設会社が関係したと記憶しております。この工事においても砕石が使われていると思うんですが、品質を明記した仕様書等があるのか教えてください。
○議長(金井佐則君) 総務課長。
〔総務課長 村上和好君発言〕
○総務課長(村上和好君) この現場につきましても、先ほど言ったとおり同様でございまして、設計図書等に入っておりませんので、その辺の証明はございません。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) ここもないとすると、どの品質の砕石をどのくらい入れたというのも全くわからないでしょうか。
○議長(金井佐則君) 村長。
〔村長 阿久澤成實君発言〕
○村長(阿久澤成實君) 先ほどから申し上げておりますように、その骨材については、今問題になっているのは21年度の前の骨材がこうだああだというお話であって、今ご指摘のものは24年、25年にまたがった工事で採用させていただいたものでございます。これには全くそういったものの疑念はないという報告を受けております。
以上です。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) 渋川市の建設会社社長は、毎日新聞社の取材に対し、スラグが誤ったことはあるかもしれないが、故意に入れたことはない。仮に出てきたとしても混入がわずかであれば、有害物質の影響は低いから障害はないと説明したそうです。
 しかし、鑑定結果では、環境基準の5から23倍という数値が検出されています。誤ってスラグが混入したことがあるかもしれないと発言していることがあるわけです。また、同社の砕石が使われた可能性も高いわけですから、やはりこれは検査する必要があると思いますが、どうでしょうか。
○議長(金井佐則君) 村長。
〔村長 阿久澤成實君発言〕
○村長(阿久澤成實君) 社長がどういうふうにおっしゃったかわかりませんけれども、先ほどから申し上げておりますように、疑問を持たれている骨材については、21年度前のものについてもそこの当時はクリアしていたと。22年度からその基準が違ってきたというものであって、村で発注しております24年、25年の骨材については、ないというふうに私は思っております。
 それから、先ほど課長のほうからも話されましたように、群馬県では平成21年以降、27工事で大同特殊鋼の鋼材スラグを含む砕石を使用した箇所を確認した中で分析結果をしたところ、基準以内であるという報告を受けておりますので、またインターネットでも出ておりますので、そのことを私たちは信じて、ないというふうに思っております。
○議長(金井佐則君) 3番。
〔3番 小山久利君発言〕
○3番(小山久利君) 白子さんも非常に協力的に快く土地を貸していただき、また榛東村でも数少ない食品を扱う大手の企業ですから、この先も友好な関係を保つという観点からもぜひ検査をしていただき、公表していただくことで安心できると思います。
 次に、八州高原の榛東ソーラーパークの第2の目的であります観光の拠点ということで、ことし桜の苗木を植えました。ふだんゲートで閉ざされているこの周辺に今後も投資をして観光開発をしていくのか、お聞かせください。
*****以下略*****


コメント (2)
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