市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【続報】高齢化社会と行政の役割・・・神奈川県の三浦市で起きた行政ハラスメントから見えて来る行政の堕落

2024-09-17 19:42:35 | オンブズマン活動

三浦市役所本館

三浦市役所別館

■日本の少子高齢化は、近年ますますその進行が著しくなり、段階の世代が後期高齢者になる2025年を待たずして既に超高齢社会を呈しているとする意見に、もはや誰も異論を唱える人はいません。
 こうした中、神奈川県の三浦市で、病の父親を介護していた当時54歳の息子さんから、行政による差別的な不正行為によるハラスメントに巻き込まれた状況について、2年半ほど前に情報提供がありました。詳しくは次のブログ記事をご覧ください。
〇2022年2月18日:高齢化社会と行政の役割・・・神奈川県の三浦市で起きた行政ハラスメントの実態報告

 あれから30カ月経過しますが、今回、「あらためて行政による杜撰な個人情報の取扱いの実態について、広く皆さんに知ってほしい」との要請が当会にありました。さっそく、行政ハラスメントの被害を受けた相談者に話を伺いました。

■まずは、相談者が三浦市役所に自らの個人情報の開示申請を行ったところ、三浦市役所が開示をしてきた、「相談者 ご本人の個人情報」にかかる“数枚”の書類の中で、「もっとも黒塗り」の多い“一枚”をご覧ください。

 この書類で「黄色」で塗りつぶされた箇所は、「個人情報保護」の観点から、相談者自身が、三浦市職員などの名前を塗りつぶした箇所で、イニシャルをつけてあります、それ以外の黒く塗りつぶされた箇所のすべては、三浦市役所が情報開示のために黒く塗りつぶした箇所です。

 ちなみに、書類上の「黄色」で塗りつぶされた2か所に記載がある「三浦市職員М 」は、いずれも同一人物です。


三浦市役所が相談者に開示した相談者の個人情報にかかる黒塗り書類のうちの1枚

 これだけ黒く塗りつぶされていると、内容が分からず文章としての体をなしていません。文章の一部を黒塗りにして全体像が分かるならまだしも、これではそもそも情報開示ではありません。

 この黒塗りされた相談者自らの個人情報にかかる開示書類は、三浦市行政が以下の背景から作成したものですが、そこには重大な瑕疵があります。

 なぜならば、三浦市役所は、相談者に詳しい聞き取りや、きちんとしたコミュニケーションを取らないまま、このような文章を制作して相談者に対応しているからです。三浦市役所は、相談者に事実確認をしていない状況で、いったい「何を根拠に」このような書類(文章) を作成できたのでしょうか?




三浦市役所保健福祉部高齢介護課(高齢者支援担当)から委託を受けている地域包括支援センターの相談窓口

■相談者の父親が久里浜アルコール症センターに入院する際に、三浦市役所の職員が地域包括支援センター職員3名を伴い、相談者に同行しています。その職員とは、書類にも2か所の記載がある「職員М」のことです。

 当時、職員Мは介護課に所属していました。そして、相談者の父親の入院に同行した当日、高齢者の扱い方に慣れていなかった職員М父親にケガをさせてしまいました。一度は久里浜アルコール症センターで受診を受けるも、同センターから「当院ではケガの治療が出来ません、ケガの処置をしてから改めて受診をしてください」と言われました。そこで、同行した地域包括支援センター職員の指示で、同職員が面識があり、当時、久里浜アルコール症センターと同じ地域にあった、「新のび皮フ科」(横須賀市野比) で相談者の父親のケガの処置をしてから、同日、改めて久里浜アルコール症センターで受診を受ける事になりました。

 ちなみに、地域包括支援センターは、相談者とその父親の久里浜アルコール症センター入院に同行するにあたり、事前に相談者と相談し、相談者の在宅時に、職員2名で「父親の状態を確認するために自宅訪問」をしていました。その際も、地域包括支援センターは、相談者の父親が日中から飲酒をしている状況を把握するために、地域包括支援センター職員が父親と実際に言葉を交わすなどして、相談者の父親が、日常生活で飲酒のコントロールが出来ていない生活をしていることを確認しております。

 ところが後日、地域包括支援センターは、あろうことか、相談者の「了解を得ずに」、父親を支配しようとする父親の妹弟らに、相談者の個人情報をコピーして渡す「個人情報の漏洩」をしてしまいました。この個人情報の漏洩は、父親の妹弟らが、相談者の自宅の近隣を、そのコピーを持ちまわったことから、近隣の方から報告を受けるまで、相談者はこの事実を知りませんでした。このように、地域包括支援センターは、まったく酷い扱いを相談者にしています。

 この様に入院時に三浦市役所の職員Мが同行しており、三浦市役所は相談者の父親の病を認知していました。

 にもかかわらず、三浦市役所は、診断書の内容や相談者の意見を無視して、「長男であっても診断書があっても関係ない」と言い放ち、食道がんの治療で入院していた公立病院を退院した時に、公立病院の不注意で「父親の妹弟」に連れ去られ「支配」されてしまったアルコール依存症でアルツハイマー型認知症の相談者の父親について、「お父さんの意思です」の一点張りで、客観的な事実には目を向けようとしなかったのでした。

 こうして、相談者を排除した三浦市役所は、相談者の父親に対して責任が負えないのに、相談者の従姉(父親の妹弟の娘) のほうを、勝手に父親の保護責任者と決めてしまいました。

 その結果、父親の介護の件で相談者は、三浦市役所や地域資源の中で、何を訴えても受け付けてもらえない、「人権侵害」とも思える酷い状態に置かれることになった次第です。

■次に示すのは、相談者の父親の「入院・診断」にかかわった久里浜アルコール症センター(現・久里浜医療センター) が出した、相談者の父親の診断書です。ご覧のとおり、アルコール依存症、アルツハイマー型認知症、食道がんの疾患が確認できます。なお、個人情報部分は、相談者が掲載に伴い黒塗りにしました。


久里浜アルコール症センターが出した、相談者の父親の診断書

 この久里浜アルコール症センター(現・久里浜医療センター) は、日本におけるアルコール依存症研究の中心で、世界保健機関(WHO)の研修・研究機関でもあり、アルコール依存症治療を行っている、日本でも最も歴史のあるアルコール医療機関の一つです。


独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター。2012年に(独)国立病院機構久里浜アルコール症センターから改称。〒239-0841神奈川県横須賀市野比5-3-1、電話:046-848-1550(8:30~17:15)、FAX:046-849-7743

■相談者は、三浦市役所にも面識がある地元の司法書士に支援を依頼しました。そして、その司法書士からも、「ご長男が父親の保護責任者です。きちんとした対応をしてください」と三浦市に伝えてもらいました。しかし、三浦市は、司法書士を通じて申し入れた相談者の言葉に耳を傾けようとしませんでした。それどころか、相談者が助けを求めた保健所に「(長男・相談者が) おかしな言動を取っている」と三浦市が声がけをして、保健所に対しても「(この事案について) 動くな」と指示を出しました。

 三浦市には、アルコール依存症の相談なども行っている保健所として鎌倉保健福祉事務所三崎センターがあります。ところが、ここも、相談者の訴えを受け付けず、三浦市役所に従ってしまい、この問題について調査をすることもなく、簡単に手を引いてしまいました。まるで、ときどきニュースで耳にする、児童相談所のミスで、児童虐待から保護できなかった不祥事を彷彿とさせます。現に相談者が保護できなかった父親は、交通事故に遭い命を落としています。診断書などがあるのに、なぜ保健所までが相談者を排除したのかも疑問です。

 このため、三浦市内にある、自治体(行政)、介護事業者、ボランティア団体、NPOの方々が提供する介護サービス(これらを総じて「地域資源」と呼びます) から、相談者とその家族である父親は排除されてしまい、自宅訪問をして、父親が日中から飲酒のコントロール出来ていない生活も確認して、入院時にも同行した地域包括支援センターまでもが三浦市役所に同調しました。その結果、相談者の父親は、相談者の保護の手が届かない状態に置かれ続けられてしまい、「三浦市役所と同調する相談者の従姉らの意向に沿った生活」になり、病気治療も満足に受けられず、最終的に交通事故に遭い、命を落としてしまいました。

■三浦市役所は、相談者の父親が交通事故に遭い、命にかかわる場面においてすら、管轄の三崎警察署に対して、長男である相談者がいる事を認知していながら、「被害者(父親) には家族はおらず、この方(相談者の従姉) が保護責任者です」と説明し、警察を混乱させる始末でした。そのため、相談者のもとに「交通事故に遭い父親が危篤」の報告が三崎警察署から届くまでに時間がかかりました。

 先ほども触れましたが、相談者の父親の命にかかわる場面においても、市役所が実態を無視して勝手に保護責任者として決定した相談者の従姉にとって、責任を伴った対応をとることなど所詮無理でした。行政でありながら「ありえない決定」をして、このような緊急事態が起こる可能性も、三浦市役所は想像できなかったのでしょうか。

■この様なハラスメントの事実の証拠として、相談者は、自らの個人情報について三浦市に開示請求を行いました。すると、前述のような「黒塗り」だらけの文書が出されてくるのです。

 相談者は、三浦市役所によって、自分の父親に関して行政が関わる全ての事務事業で不当な制限や制約を受けています。例えば、父親が亡くなった時に、必要な手続きのために、相談者が、三浦市役所の出張所である南下浦市民センターに「戸籍謄本」を取りに行った際、受付をした南下浦市民センターの職員が、市役所の関連部署に「〇〇さん(父親) のお子さんが、お父さんの戸籍謄本を取りに来ていますが、どう対応したらよいでしょうか」と電話で確認をしています。

 また、相談者は、交通事故被害者の長男として、父親の交通事故死の裁判を余儀なくされましたが、法廷での決着による解決までに数年もかかり、大変な苦労を味わいました。

 市民の平穏な日常生活が「三浦市役所の意向で全て決められてしまう」という事態は、想像も出来ない苦難を引き起こし続けます

 相談者は、「父が治療を受けながら施設で生活していてくれれば、交通事故などに遭わずに済んだのに」と、今でも三浦市役所の不当な仕打ちから父親を救えなかったことを毎日悔やみ続けています。

■このような三浦市の行政対応は、到底許されるものではありません。

 なにしろ、自分自身の個人情報の開示を求めても、「黒塗り」なのです。

 さらに、父親の情報開示を求めても「お父さんの個人情報です」と言って、開示をしないのです。

 相談者の個人情報について、「(黒塗りで)開示された数枚の書類以外に、他にまだ書類が有るのか無いのか」と質問しても、三浦市は無回答を決め込んでいます

 相談者は、三浦市に対して、「相談者と父親の親子を地域資源から排除した責任の追及をしたい」と願っていますが、三浦市は黒塗り書類しか開示しようとしません。そのため、証拠が隠されてしまうので、相談者は追及が出来ない状態に留め置かれています

■相談者は、アルコール依存症の父親の適切な保護を行政により妨害され、そのせいで、本来は施設に入って病の治療をする予定であった父親を交通事故で亡くしました。大切な親子の絆や、相談者の人生をメチャメチャにされてしまった責任を追及したくても、肝心の三浦市行政が黒塗り書類で証拠を隠してしまうのです

 このため、相談者は、三浦市に対して責任の所在を明確化して、行政の責任を追及しようとしているのですが、それが出来ない状況に追い込まれています。

 三浦市役所の意向で全てが決まってしまうため、相談者が、父親の交通事故を招いた責任を追及しようとしても、ままなりません。相談者は、三浦市役所が相談者に対する名誉棄損とも言える書類を作成してまでも相談者を排除しようとした一連の不当な行為について、三浦市からの説明責任や正式な謝罪、そして、三浦市への慰謝料請求、損害賠償請求、相談者の名誉回復などを求めたいと欲しています。

 ですが、結果として行政が黒塗り書類で証拠を隠すため、被害を受けた相談者は、行政責任の追及が出来ないのです。市民にとって、住民本位の行政のはずが、実態は全く真逆なのです

■こうした三浦市のハラスメント行政の実態について、相談者は、父親の診断書や親子関係の証拠文書を示すことで、第三者に知ってもらおうと努力していますが、どうしても、三浦市役所の違法な言動のほうが、公的発言とみなされてしまいます。相談者が、行政から妨害や排除を受けた経緯について、いくら相談者自身が実態を世間にアピールしても、偏見の目で見られ、誰にも信じてはもらえないのが現実です

 相談者は、妨害や排除をされた三浦市内ではなく、それ以外の日本各地のアルコール依存症支援機関や介護支援機関、関連の支援団体・NPO、個人の活動家などにも、この三浦市の実態を報告し、支援の手を求め続けてきました。しかし、残念なことに、ほとんどの機関からの支援を得られませんでした。

■次に、話はこの問題がはじまったころに遡ります。三浦市役所による妨害や排除の言動に身動きが取れなくなった相談者は、やむにやまれず、藁をもつかむ思いで、政治の力を借りることにし、三浦市を含む三浦半島をカバーする神奈川11区選出の小泉進次郎・代議士の事務所を過去に訪ねたこともあります。

 三浦半島の大部分を占めるこの選挙区は、明治時代の1908年からずっと小泉ファミリーの地盤です。又次郎が公職追放された1946年(昭和21年)からの数年間を経て、初代の小泉又次郎から、その女婿(娘むこ)の小泉純也、その長男の小泉純一郎、そしてその二男の小泉進次郎に地盤が引き継がれています。


当時の小泉進次郎代議士の秘書からいただいた名刺

 相談者が、横須賀市内にある小泉進次郎事務所を訪ねると、小泉代議士の秘書を名乗る人物が応対してくれました。相談者は、さっそく小泉代議士の私設秘書とおぼしき人物に、「三浦市役所がらみの相談ですが」と告げて、直面している問題について説明しました。

 しかし、私設秘書とおぼしき御仁は、突然事務所を訪れた相談者を、有権者であることは理解しつつも、おそらく「アルコール依存症やら何やらゴチャゴチャ言っているが、“こいつ”は一体なんだ?」と思ったのでしょう。なぜなら、突然事務所に現れた有権者に対して、小泉代議士の私設秘書らしき人物は、相談者にとって「きちんと対応をしてくれず、自身の名刺を渡すのみにとどまった」と感じられたからです。

 相談者は、小泉進次郎代議士の事務所で話を聞いてもらえなくても、諦めずに、神奈川県以外の全国各地でさまざまな活動をしているかたがたに、この問題について相談をしました。

 すると、相談した全国の方々の中で、数人の方々から、「三浦市は将来の総理の呼び声も名高い小泉進次郎代議士のお膝元ではないか。だったら、なぜ三浦市役所の暴走について、小泉事務所に相談に行かないのか。小泉代議士に相談に行ってみれば?」と言われるほどでした。なので、当時の小泉事務所のそっけない対応は、返す返すも悔やまれます。

「家族内のアルコール依存症者を治療に繋ぐことは難しい」と言われている中で、相談者の場合、せっかくアルコール依存症、アルツハイマー型認知症の父親を、一旦は治療に繋げたにもかかわらず、その後の父親の治療と家族の歩むべき道が、「三浦市役所の意向によって」妨害や排除を受けたため、全てが無駄になってしまいました

 相談者の父親は長年にわたり、飲酒によるDVなどの問題がありました。相談者が介護をしていた母親(父親の妻) が亡くなってからは、飲酒した際の父親の言動や生活が更に悪化してしまいました。そこで、相談者は父親の久里浜アルコール症センター入院を「決断」したのでした。

 アルコール依存症、アルツハイマー型認知症を発症していた相談者の父親でしたが、入院のタイミングが良かったため、幸運にも食道がんの早期発見・早期治療ができ、治療のための施設入所も決まっていたので、相談者としては父親の治療計画の目途がつけられるところでした。その矢先に、三浦市役所が行政の力を使い、アルコール依存症に長年苦しんできた「家族の未来」の全てを奪い、破壊してしまいました。

 アルコール依存症者を家族内に擁する家庭環境は、一般のかたがたの想像以上に過酷です。相談者の場合、三浦市役所に妨害を受けたため、相談者の父親の治療だけではなく、家族の回復の機会も奪われるなど、相談者自身も、依存症問題に巻き込まれてしまいました

 相談者は父親が存命中にも、三浦市役所に何度か書面で「何故このような対応をしているのか、書面で回答してください」と求めましたが、そのときも三浦市役所は回答しませんでした。

 三浦市役所は、相談者を排除すべく、行政の権限を不当に行使し、地域資源や保健所に指示や通達まで出しました。何故、これほどまでに特定の市民を狙い撃ちにして、その家族生活を妨害、家庭を破壊する言動をとったのでしょうか? 高齢化時代の到来で、読者の皆さんもいつ同じ目に遭うかもしれません。なので、再発防止のためにも、三浦市役所には、相談者に対して執った妨害や排除などの行為について、その理由を「きちんと世間に説明し公表する責務」言い変えれば「説明責任」が求められているのではないでしょうか?

■このような書類や証拠が、この他にも存在しているので、相談者はメディアに「これらの情報を提供するので、三浦市役所の言動について、ぜひ調査報道をお願いします」と要請してきました。しかし残念ながら、「こんなことは起こらない」、「市役所はこんなことしない」、「スポンサーがアルコール飲料メーカー(忖度から) である」などを理由に、メディアは取り合ってくれないのが実態です。

 相談者が「調査報道」のため、直面しているこの事案に関する資料を送った全国紙のある記者からは、「各種資料を拝見しましたが、個人的なご事情にかかわる事案であり、報道機関として立ち入るのは適当ではないと判断いたしました」との回答が届きました。保護できなかった父親が、交通事故に遭い命を落としている本件事案は、今の高齢化社会を反映しているにもかかわらず、メディアの対応は鈍いのが現状です。

■介護を必要とする高齢者が家族にいる場合、家族に予期しない責任が問われる事態が生ずることもあります。次の事案の裁判結果のURLをご覧ください。
「認知症鉄道事故裁判」

 高齢化社会に突入した日本で、介護で家族の責任が問われる時代に、責任を負う立場にある相談者を排除し、「すべてを三浦市役所の意向で決定し」、その挙句に、相談者の父親は交通事故で命を落としてしまい、あとの負担は排除した相談者に負わせる。三浦市役所の不誠実な対応は、あきらかに、その責任追及から逃れようとしており、無責任極まりないものです。

 行政の権限を不当に行使して、市民の生活の全てを三浦市役所の意向によって決定してしまう、三浦市役所の、相談者家族に対するこうした言動の事実については、多くの三浦市民は知る由もないでしょう。しかし、これは事実なのです。本件事案の介護の問題に限らず、三浦市役所は、他にもいろいろ勝手なことをしているのではないいでしょうか。

 相談者と同じような困難に直面する三浦市民のかたがたもいらっしゃるかもしれません。第二の相談者の様な被害者家族が三浦市内に生まれることは、絶対にあってはならないことです。

■相談者は、依然として現在もなお、調査報道をしてくれるメディアを探しておられます。

 この三浦市行政の実態や、メディアの偏向体質について、この記事を通じて、どうか、広く、多くの皆さんに分かっていただき、皆さんの声が「世論」となり、この行政ハラスメントの「調査報道」が行われることを願う次第です。

 末筆になりますが、残念なことに、日本のメディアは、世論がなければ動きません。最後までお読みくださりありがとうございます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連情報
**********NEWSポストセブン2023年02月16日11:45
小泉進次郎氏が求人サイトで秘書募集「月給25万円」「進次郎の分身として活動」

異例の秘書募集(求人サイトより)

 すっかり存在感が薄れていた自民党の小泉進次郎・衆院議員が、捲土重来を期して“異次元の対策”に着手したようだ。2月10日、求人サイト「インディード」に小泉進次郎事務所の私設秘書を募る求人が掲載されたのだ。抜群の知名度を誇る国会議員が、求人サイトで秘書を募集するという珍しい事態には、永田町の人たちも首をかしげている。
 〈小泉進次郎事務所での私設秘書業務〉と題した求人サイトの専用ページには、熱のこもった募集内容が記載されている。職務内容は〈小泉進次郎の地元事務所(横須賀市)にて、政治への関心や社会への問題意識を持って、政治に携わりたい方を募集しています〉〈小泉進次郎の分身として選挙区内(横須賀市・三浦市)で活動しつつ、有権者にセールスしてもらうお仕事です〉とあり、〈地元での議員随行〉〈各種会合への代理出席〉〈自民党員の勧誘〉〈自民党広報掲示板の設置〉などが並ぶ。
 環境相も務めた進次郎氏の「分身」とはなかなか荷が重そうで、「有権者にセールス」という言葉も聞き慣れないが、雇用形態は「正社員」とされていて給与は月給25万円。年収例として入社1年目で486万384円、入社5年目で564万9786円、年1回の昇給と年2回(3か月分)の賞与もあるという。2020年には現役閣僚として初めて「育休」を取得した進次郎氏らしく、「育児休業」「産前産後の休業」「生理休暇」などももちろん完備されているようだ。
 経歴や資格は不問で人物本位の採用として〈小泉進次郎と共に、政治を動かしたいという熱意のある方〉〈勤務態度などを考慮し、公設秘書(特別職国家公務員)への登用もあります〉とある。求める人材の「必須条件」は〈自民党に入党できる方〉など、通常の社員募集では見慣れない文言もあり、「こんな方も活躍できます!」という項目には〈芸能事務所などのマネージャーなどをご経験されてきた方も活躍できます〉との記載もある。
 全国紙の政治部記者がこう語る。

月給は25万円(求人サイトより)

「国民からは人気のあった進次郎氏ですが、秘書のなり手はなかなかいなくて困っているということのようです。2021年には進次郎氏の事務所の“女帝秘書”と報じられた公設第一秘書の影響もあって、議員会館と地元で計7~8人前後いた秘書が、1年で少なくとも5人が辞めてしまったと伝えられました。そういうところからも、進次郎氏の事務所は働きづらさがあるのかもしれません。
 私設秘書とはいえ、国会議員が求人サイトのようなところで秘書を公募することはめったにありません。秘書募集でいえば河井克行・元法相(公職選挙法違反罪で実刑確定)がハローワークで秘書を募集していたことが話題になったくらいです。ましてや進次郎氏は若くして閣僚経験もあり、4代続く国会議員一族で本人の知名度も抜群。いくらでも秘書のなり手は紹介されるはずなんです。もっとも、そうした旧態依然なことをせず、求人サイトのようなところで広く募ることで秘書にも新しいタイプの人材を採用して多様性をもたせたいということかもしれません」
 本誌・週刊ポストは進次郎氏の事務所に、求人サイトに秘書募集をした経緯などを訊ねたが、期日までに回答はなかった。
 進次郎氏といえば、岸田文雄首相の秘書官を務めた荒井勝喜氏の性的少数者や同性婚をめぐる差別発言についてブログ(2月4日付)で〈多様な価値観・生き方を否定するような発想では良い意味で「異次元」の政策には絶対にならない〉と批判し、〈「異次元」とは、自民党自身が過去の限界を超える政策に踏み込むことだと思います〉と岸田首相が掲げる「異次元の少子化対策」について注文をつけた。かつて自民党の若手ホープとされた頃の “進次郎節”が息を吹き返したとみるむきもある。
〈過去の限界を超える政策〉は、自身の事務所においても実行しようとしているようだ。

職務内容は…(求人サイトより)

アットホームな職場らしい(求人サイトより)

条件に「自民党に入党できる方」(求人サイトより)


土日出勤もあり(求人サイトより)
**********

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【大同スラグ問題】渋川市古巻公民館のスラグ撤去を巡り、大同特殊鋼への費用請求決議に迷走する群馬県共産党

2024-06-28 01:45:33 | 渋川市の行政問題

昨年8月19日に創業107周年を迎えた大同特殊鋼。「素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます」という経営理念を掲げて企業CMを作り、今年1月から時々TVでも見かけるが、群馬県内に大量に不正放置した有害スラグを、共犯の佐藤建設工業とともに適切に撤去させるのが先決のはず。↑

■渋川市では、古巻公民館が建て替え工事中です。この建設予定地には環境基準値を超えたフッ素が含まれたスラグが敷設されて放置されていました。(この記事の末尾参照)

渋川市・古巻公民館

 この公民館のすぐ近くには中学校もありますが、渋川市はスラグを放置してきました。遺憾ながら、市長や教育長は、市民の健康に興味がないようです。

↑古巻公民館南側の駐車場↑
 この公民館の南側には、敷砂利された広大な駐車場があります。ここに新たな公民館が建設されます。

建設予定地の駐車場に敷き詰められた大量の有害スラグ

 このとおり、スラグがザックザック敷き詰められた土地に公民館を新たに建てようとするのですから、公民館新築工事にあたり、まずこの駐車場を掘削し掘り下げないと工事ができません。そのために、スラグによりどこまで土壌がフッ素汚染されているか調査をし、令和6年2月にスラグとそれによって汚染された土壌の撤去工事が始まりました。

 そのスラグ調査費用約1千万円と撤去費用約1億円について、あろうことか、渋川市は、市民の皆さんが納めた血税から支出される予定だったことが判明しました。そのため、令和6年3月議会において「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」が議員提出されました。

 ところが、驚くべきことに、主に日本共産党渋川市議団の角田喜和議員と加藤幸子議員が中心となって反対したため、その決議案は否決されてしまいました。

*****3/21決議案*****
議員提出議案第5号
   古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議
 上記議案を別紙のとおり会議規則第14条第1項の規定により提出します。
  令和6年3月21日
渋川市議会議長 安 カ 川 信 之 様
           提出者 渋川市議会議員 埴 田 裕 之
           賛成者 渋川市議会議員 須 田   勝
            同     同    山 内 崇 仁
            同     同    望 月 昭 治

=====別紙=====
議員提出議案第5号
   古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議
 現在、渋川市では古巻公民館建設に向けて事業が進められているが、建設予定地のフッ素及びその化合物の環境基準値超過が判明し、その調査費用18,920千円及び汚染土壌等の除去搬出工事費用125,664千円の補正予算が令和4年12月及び令和5年12月に可決された。
 本件のフッ素及びその化合物の環境基準値超過は、平成23年度の古巻中部地区ほ場整備工事において埋設された再生路盤材の鉄鋼スラグに起因している。その鉄鋼スラグは当時、大同特殊鋼株式会社が排出し、株式会社佐藤建設工業に処理を委託したもので、株式会社佐藤建設工業はその鉄鋼スラグを正規の処理をせずに天然石と混合し、再生路盤材として当該土地に埋設した。このように、本件の土壌汚染については株式会社佐藤建設工業にその原因をつくり出した責任があり、また、同社に鉄鋼スラグの処理を委託した大同特殊鋼株式会社も排出事業者として責任を免れることはできない。
 このことから、今回の汚染土壌等に関する一連の支出はその原因をつくり出した上記2社が負担すべきであり、市民が納めた血税から負担することはあってはならない。
 よって、本市議会は渋川市長髙木勉に対し、汚染土壌等の調査費及び除去搬出工事費を原因者に請求すること並びに請求に伴う法的措置をとることを求める。
 以上、決議する。
  令和6年3月 日
                         群馬県渋川市議会
**********

■市民オンブズマン群馬渋川支部では、日本共産党渋川市議団所属の角田喜和議員の質疑と討論に強い疑問と戸惑いを感じたため、質問状を共産党に送ることにしました。そのため、同支部からの相談が寄せられたことから、市民オンブズマン群馬の代表名で、日本共産党群馬県委員長、北毛地区委員長、そして質疑・討論を行った角田喜和議員宛てに、それぞれ次の内容の公開質問状を送付しました。

*****5/27日本共産党群馬県委員長あて公開質問状*****
                             令和6年5月27日
〒371-0844群馬県前橋市古市町1-47-3
日本共産党群馬県委員会
委員長 渋沢哲男 様
電話:027-251-6994 FAX:027-252-2704

                〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
                市民オンブズマン群馬
                代表 小川 賢
                TEL: 027-224-5867(事務局・鈴木)
                   090-5302-8312(代表・小川)
                FAX: 027-224-6624
                Mail: ogawakenpg@aol.com

渋川市古巻公民館建設予定地のスラグ及びその汚染土壌の撤去費用について(公開質問)

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。その活動方法としては、行政事件に関わる住民監査請求や住民訴訟にまで及ぶことがあり、そのための情報の入手手段としては、住民等からの情報提供のほか、行政への公開質問や情報開示請求等を活用しております。
 さて、弊団体は大同特殊鋼(株)や東邦亜鉛(株)が建設資材と偽って特定有害物質が含まれるスラグを広く群馬県中に投棄してしまった事件の対策に微力ながら取り組んでまいりました。東邦亜鉛のスラグ問題では、貴委員会が開催にご尽力された旧箕郷町におけるスラグ対策会議に当会も参加させていただき、問題点の共有化を図らしていただいたこともございました。これらのスラグ問題も十年余りの時間が経過いたしましたが、スラグを投棄した原因者の負担でスラグを撤去させることを前提にこの問題に取り組む当会の姿勢は少しも変わっておりません。
 ところで、令和5年12月渋川市議会定例会にて、古巻公民館建設予定地に敷設されたスラグが撤去されることを巡り、その撤去費用が問題になりました。そして、この議事に関して、角田喜和議員が遅刻する中、加藤幸子議員が税金でスラグを撤去する補正予算案に賛成しました。
 その後、令和6年3月議会で議員提出議案第5号「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」が提出されると、角田喜和議員が質疑の上、反対討論を行い、日本共産党渋川市議団の2名の議員は本議案に反対しました。
 弊団体は、渋川市や高崎市等におけるスラグ撤去運動を展開してきており、榛東村の高橋氏の自宅敷地内に埋設されたスラグ問題や太田市のスラグ問題の解決に向けても微力ながら応援しています。こうした取り組みの中で、貴委員会所属の渋川市議会議員2名による上記の行動には、大変戸惑っております。
 渋川市のスラグ問題では、加藤・角田両議員の上記の反対行動が入る中、それでも弊団体として粘り強く活動を続け、再び市議会の場で「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」を上程していただくよう、引き続き決議の実現に向けた運動を展開しています。
 そこで弊団体として、本議案が賛成多数で決議されることを目指してまいりたく、お忙しいところ誠に恐縮ですが、下記の質問にお答えくださいますようお願い申し上げます。
                                    敬具

                   記

第1 角田喜和議員の質疑について
 令和6年3月議会・議員提出議案第5号「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」において、角田喜和議員が質疑を行ったので、その内容を簡単に以下に示します。

――――――――――
角田議員:どのような法的措置をとるのか示してください。

埴田議員:妨害排除請求でございます。

角田議員:誰に対して法的措置をとるのでしょうか。根本的な問題については大同特殊鋼と佐藤建設工業ということになりますが、スラグを廃棄物としたのは群馬県が認定している。そうしますと「群馬県に対して対処せよ」というところが本筋ではないかと思うので、廃棄物と認定したところについては何ら見解をお持ちでないでしょうか?誰を相手に法的措置を取ろうとしているのでしょうか?

埴田議員:おそらく角田議員は群馬県県土整備部監理課通知のことを言っていると思われますが、この通知は凍結されている。しかもこの通知は出来高基準等を再生骨材と同等としたもので、敷砂利には使用できない、と書いてあります。古巻公民館の土地の利用を妨害しているのは市職員となりかねない状況です。市職員の責任を追及するというのであれば今後検討しますが、市職員に責任があるとは考えていません。佐藤建設工業と大同特殊鋼の両社に法的措置を取っていただきたいと考えています。

角田議員:私は倉嶋文書を否定するとか一切申し上げておりません。群馬県が廃棄物として認定したのです。その群馬県が認定した廃棄物の処理をどうするか、という問題がその前にあろうかと思います。この問題を起こした根本は佐藤建設工業と大同特殊鋼ということでありますけれども、(廃棄物と)認定した群馬県の対応が全くされていないというのが現状ではないでしょうか。例えば「行政代執行を行わせる」とか、そういったことも必要ではないかと思いますが、その辺についてどういう形で行わせるのか、私は全く分かりません。また誰に対して法的措置を、ということでしたが、佐藤建設工業と大同特殊鋼ということでありましたが、同時に訴えることはできない。例えば排出者なのかその辺についてもしっかりとした対応が求められる。法的措置について詳しく説明を求めます。また廃棄物認定した群馬県の対応をどう思うか。

埴田議員:角田議員がおっしゃる通り群馬県がしっかりと指導し撤去させていれば問題ないことだと思っております。ただ三者協議会の対応方針も、「(案)」のままで最終結論が出ていない状況です。また行政代執行についても市長に聞いたこともありますが、その気はないということでした。まず佐藤建設工業につきましては妨害排除請求していく。そして大同特殊鋼については排出者責任を追及していく。その辺は執行部の方でよく考えていただき、お願いするだけではなく、しっかり請求。請求に応じない場合には税金を回収でいるようしっかりと法的措置を取るという決議内容でございます。
――――――――――

 この質疑について質問します。
【質問1-1】
 角田議員は「佐藤建設工業と大同特殊鋼にスラグ撤去費用等を請求や法的措置を取る前に、廃棄物に認定した群馬県に対処せよ」との見解を示していますが、「群馬県への対処」とは何でしょうか?
 行政代執行を群馬県に要求しろと角田議員は話していますので、「群馬県に対して法的措置を取れ」と質疑の中で示唆されているようですが、渋川市の所有する土地に関する妨害排除請求は渋川市にしかできません。群馬県に行政代執行の要請を行うこととは別に、渋川市は市有地の管理者として法的措置ができる、と弊団体は考えます。
 渋川市議会の議員として、渋川市が群馬県に対する行政代執行の要請を行わないことにこだわるあまり、渋川市が市有地の管理者として法的措置を取ることについてなぜこれほど疑義をお持ちになった質疑を行うのでしょうか?
 日本共産党群馬県委員会として、どのような見解をお持ちでしょうか。

【質問1-2】
 現在、当団体に会員として所属している渋川市在住の松岡氏によると、「ありがたいことに群馬県森林環境部廃棄物・リサイクル課と伊藤・元県会議員の面談の場に参加させていただいたが、伊藤・元県会議員や塚越氏が一生懸命お話をされる中、角田喜和議員は下を向いて一言も話されなかった」と聞いています。
 弊団体は、伊藤祐司・元県会議員が群馬県に何度もスラグ撤去を迫ったことは知っています。それでも群馬県は行政代執行などの措置を取りませんでした。相手があることですから仕方がありません。伊藤祐司・元県議や大沢綾子県議のご努力に感謝しています。
 他方、角田喜和議員は、渋川市において「ミスタースラグ」と呼ばれたほど、盛んにスラグ問題に対応されてきた人物であると当会は認識しておりますが、同議員は渋川市議会議員として、スラグを認定した群馬県に行政代執行を要求したことがあるのでしょうか?
 同じく渋川市議会議員である埴田議員は、「市長に行政代執行しろ、とお話しした」と回答しています。この観点からしても、角田議員が、渋川市を超えて市議会議員として「群馬県に行政代執行を要求しろ」とは無理難題だとは思いませんか?
 日本共産党群馬県委員会としての見解をご教示ください。

【質問1-3】
 埴田議員によると、この議案を市議会に提出するにあたり、スラグ問題に詳しい弁護士に相談した、と当会は聞いております。相談の結果、「佐藤建設工業に妨害排除請求を請求すると同時に廃棄物処理法第3条に基づいて大同特殊鋼に排出者責任を追及する」という議案に決まったそうです。
 角田議員は「両社に同時に請求できない」と質疑の中で見解を述べていますが、これは日本共産党群馬委員会の指示でしょうか。

第2 角田議員の反対討論について
 令和6年3月議会・議員提出議案第5号「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」において角田喜和議員が反対討論を行ったので、その内容を簡単に示します。

――――――――――
角田喜和議員
「市民の税金を使ってスラグ撤去する費用を排出者また搬入者に責任を負わせるべきだというところは同じ立場であります。しかしながら、先ほどの質疑の中で誰を相手に法的措置をというところでは二社ということで出されましたが、その内容について妨害排除請求とそのほか責任を負わせるべきではないかということでありましたが、その法的措置を取る前の中身についてまだ結論が出ていない。それをしっかりとさせるべきではないかと思います。その後の措置でも何ら遅くはないと思いますので原因者に請求することについては賛成できますが、それに伴う法的措置を取っていくことには時期尚早と思い反対をいたします。」
――――――――――

 この討論について質問します。
【質問2-1】
 角田議員は「法的措置を取る前の中身についてまだ結論が出ていない、それをしっかりとさせるべきではないかと思います。」と発言しています。
 同議員は「群馬県に措置命令や行政代執行を発出させよ」ということを言っているのかと思われますが、弊団体では伊藤祐司・元県会議員が何度もスラグ撤去を群馬県に要求してきたことを知っています。また、大沢綾子県会議員が勉強しながら懸命に環境問題に取り組んでいることを知っています。スラグ問題も十年余りが経過しています、もう残された時間は少ないと考えています。
 そこで質問です。日本共産党群馬委員会では、角田議員に「群馬県に措置命令他を発出させる」よう行動させているのでしょうか?
 角田議員はスラグについて最近はあまり活動されていないようですが、自分の活動が停滞していることを棚に上げたまま、反対討論をすることについて、日本共産党群馬県委員会として、問題はないとお考えでしょうか?

【質問2-2】
 古巻公民館建設予定地のスラグが撤去されるにあたり、法的措置をとることは時期尚早ではなく、今しかないと思われます。
 このことについて、日本共産党群馬県委員会として、どのようにお考えでしょうか?

【質問2-3】
 角田議員は、「原因者に請求することについては賛成できますが、それに伴う法的措置を取っていくことには時期尚早と思い反対をいたします。」と反対討論されています。
 弊団体は、スラグの搬入者や排出者に請求の意思表示をすることが法的措置の第1歩であると考えます。つまり、原因者への請求も法的措置です。同議員が原因者に請求することに賛成なら、法的措置にも賛成しなければ辻褄が合いません。
 この点について、日本共産党群馬県委員会はどのように思われますか?

【質問2-4】
 日本共産党群馬県委員会のご見解として、スラグに対するお考えは、税金を使ってのスラグ撤去なのでしょうか?

【質問2-5】
 スラグを原因者負担で撤去させることを活動の基本と考えて行動してきた弊団体にとって、日本共産党渋川市議団所属のお二人の議員の存在は大きな戸惑いを禁じえません。現在、弊団体渋川支部では再び「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」を市議会に提出するよう運動をしています。
 日本共産党群馬県委員会はこの決議案が渋川市議会に上程された場合、どのように対応されるおつもりでしょうか?貴会の率直な見解をご教示ください。


 以上、よろしくお願いします。なお、回答については、公務多忙の折、誠に恐縮ですが、2024年6月7日(金)までに書面にて郵送あるいはFAXまたはメールにて上記弊連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。

 なお、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記弊連絡先までお伝えいただきたく存じます。

                                    以上

*****5/27日本共産党北毛地区代表者あて公開質問状*****
                             令和6年5月27日
〒377-0008群馬県渋川市渋川(藤ノ木)2661
日本共産党北毛地区委員会
代表者 福田あい子 様
電話:0279-22-0511 FAX:0279-23-9317

                〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
                市民オンブズマン群馬
                代表 小川 賢
                TEL: 027-224-5867(事務局・鈴木)
                   090-5302-8312(代表・小川)
                FAX: 027-224-6624
                Mail: ogawakenpg@aol.com

渋川市古巻公民館建設予定地のスラグ及びその汚染土壌の撤去費用について(公開質問)

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。その活動方法としては、行政事件に関わる住民監査請求や住民訴訟にまで及ぶことがあり、そのための情報の入手手段としては、住民等からの情報提供のほか、行政への公開質問や情報開示請求等を活用しております。
 さて、弊団体は大同特殊鋼(株)や東邦亜鉛(株)が建設資材と偽って特定有害物質が含まれるスラグを広く群馬県中に投棄してしまった事件の対策に微力ながら取り組んでまいりました。東邦亜鉛のスラグ問題では、貴委員会が開催にご尽力された旧箕郷町におけるスラグ対策会議に当会も参加させていただき、問題点の共有化を図らしていただいたこともございました。これらのスラグ問題も十年余りの時間が経過いたしましたが、スラグを投棄した原因者の負担でスラグを撤去させることを前提にこの問題に取り組む当会の姿勢は少しも変わっておりません。
 ところで、令和5年12月渋川市議会定例会にて、古巻公民館建設予定地に敷設されたスラグが撤去されることを巡り、その撤去費用が問題になりました。そして、この議事に関して、角田喜和議員が遅刻する中、加藤幸子議員が税金でスラグを撤去する補正予算案に賛成しました。
 その後、令和6年3月議会で議員提出議案第5号「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」が提出されると、角田喜和議員が質疑の上、反対討論を行い、日本共産党渋川市議団の2名の議員は本議案に反対しました。
 弊団体は、渋川市や高崎市等におけるスラグ撤去運動を展開してきており、榛東村の高橋氏の自宅敷地内に埋設されたスラグ問題や太田市のスラグ問題の解決に向けても微力ながら応援しています。こうした取り組みの中で、貴委員会所属の渋川市議会議員2名による上記の行動には、大変戸惑っております。
 渋川市のスラグ問題では、加藤・角田両議員の上記の反対行動が入る中、それでも弊団体として粘り強く活動を続け、再び市議会の場で「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」を上程していただくよう、引き続き決議の実現に向けた運動を展開しています。
 そこで弊団体として、本議案が賛成多数で決議されることを目指してまいりたく、お忙しいところ誠に恐縮ですが、下記の質問にお答えくださいますようお願い申し上げます。
                                    敬具

                   記

第1 角田喜和議員の質疑について
 令和6年3月議会・議員提出議案第5号「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」において、角田喜和議員が質疑を行ったので、その内容を簡単に以下に示します。

――――――――――
角田議員:どのような法的措置をとるのか示してください。

埴田議員:妨害排除請求でございます。

(以下、群馬県委員会あてと同文)
――――――――――

 この質疑について質問します。
【質問1-1】
 角田議員は「佐藤建設工業と大同特殊鋼にスラグ撤去費用等を請求や法的措置を取る前に、廃棄物に認定した群馬県に対処せよ」との見解を示していますが、「群馬県への対処」とは何でしょうか?
 行政代執行を群馬県に要求しろと角田議員は話していますので、「群馬県に対して法的措置を取れ」と質疑の中で示唆されているようですが、渋川市の所有する土地に関する妨害排除請求は渋川市にしかできません。群馬県に行政代執行の要請を行うこととは別に、渋川市は市有地の管理者として法的措置ができる、と弊団体は考えます。
 渋川市議会の議員として、渋川市が群馬県に対する行政代執行の要請を行わないことにこだわるあまり、渋川市が市有地の管理者として法的措置を取ることについてなぜこれほど疑義をお持ちになった質疑を行うのでしょうか?
 日本共産党北毛地区委員会として、どのような見解をお持ちでしょうか。

【質問1-2】
 現在、当団体に会員として所属している渋川市在住の松岡氏によると、「ありがたいことに群馬県森林環境部廃棄物・リサイクル課と伊藤・元県会議員の面談の場に参加させていただいたが、伊藤・元県会議員や塚越氏が一生懸命お話をされる中、角田喜和議員は下を向いて一言も話されなかった」と聞いています。
 弊団体は、伊藤祐司・元県会議員が群馬県に何度もスラグ撤去を迫ったことは知っています。それでも群馬県は行政代執行などの措置を取りませんでした。相手があることですから仕方がありません。伊藤祐司・元県議や大沢綾子県議のご努力に感謝しています。
 他方、角田喜和議員は、渋川市において「ミスタースラグ」と呼ばれたほど、盛んにスラグ問題に対応されてきた人物であると当会は認識しておりますが、同議員は渋川市議会議員として、スラグを認定した群馬県に行政代執行を要求したことがあるのでしょうか?
 同じく渋川市議会議員である埴田議員は、「市長に行政代執行しろ、とお話しした」と回答しています。この観点からしても、角田議員が、渋川市を超えて市議会議員として「群馬県に行政代執行を要求しろ」とは無理難題だとは思いませんか?
 日本共産党北毛地区委員会としての見解をご教示ください。

【質問1-3】
 埴田議員によると、この議案を市議会に提出するにあたり、スラグ問題に詳しい弁護士に相談した、と当会は聞いております。相談の結果、「佐藤建設工業に妨害排除請求を請求すると同時に廃棄物処理法第3条に基づいて大同特殊鋼に排出者責任を追及する」という議案に決まったそうです。
 角田議員は「両社に同時に請求できない」と質疑の中で見解を述べていますが、これは日本共産党群馬委員会の指示でしょうか。

第2 角田議員の反対討論について
 令和6年3月議会・議員提出議案第5号「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」において角田喜和議員が反対討論を行ったので、その内容を簡単に示します。

――――――――――
角田喜和議員
「市民の税金を使ってスラグ撤去する費用を排出者また搬入者に責任を負わせるべきだというところは同じ立場であります。しかしながら、先ほどの質疑の中で誰を相手に法的措置をというところでは二社ということで出されましたが、その内容について妨害排除請求とそのほか責任を負わせるべきではないかということでありましたが、その法的措置を取る前の中身についてまだ結論が出ていない。それをしっかりとさせるべきではないかと思います。その後の措置でも何ら遅くはないと思いますので原因者に請求することについては賛成できますが、それに伴う法的措置を取っていくことには時期尚早と思い反対をいたします。」
――――――――――

 この討論について質問します。
【質問2-1】
 角田議員は「法的措置を取る前の中身についてまだ結論が出ていない、それをしっかりとさせるべきではないかと思います。」と発言しています。
 同議員は「群馬県に措置命令や行政代執行を発出させよ」ということを言っているのかと思われますが、弊団体では伊藤祐司・元県会議員が何度もスラグ撤去を群馬県に要求してきたことを知っています。また、大沢綾子県会議員が勉強しながら懸命に環境問題に取り組んでいることを知っています。スラグ問題も十年余りが経過しています、もう残された時間は少ないと考えています。
 そこで質問です。日本共産党群馬委員会では、角田議員に「群馬県に措置命令他を発出させる」よう行動させているのでしょうか?
 角田議員はスラグについて最近はあまり活動されていないようですが、自分の活動が停滞していることを棚に上げたまま、反対討論をすることについて、日本共産党北毛地区委員会として、問題はないとお考えでしょうか?

【質問2-2】
 古巻公民館建設予定地のスラグが撤去されるにあたり、法的措置をとることは時期尚早ではなく、今しかないと思われます。
 このことについて、日本共産党北毛地区委員会として、どのようにお考えでしょうか?

【質問2-3】
 角田議員は、「原因者に請求することについては賛成できますが、それに伴う法的措置を取っていくことには時期尚早と思い反対をいたします。」と反対討論されています。
 弊団体は、スラグの搬入者や排出者に請求の意思表示をすることが法的措置の第1歩であると考えます。つまり、原因者への請求も法的措置です。同議員が原因者に請求することに賛成なら、法的措置にも賛成しなければ辻褄が合いません。
 この点について、日本共産党北毛地区委員会はどのように思われますか?

【質問2-4】
 日本共産党北毛地区委員会のご見解として、スラグに対するお考えは、税金を使ってのスラグ撤去なのでしょうか?

【質問2-5】
 スラグを原因者負担で撤去させることを活動の基本と考えて行動してきた弊団体にとって、日本共産党渋川市議団所属のお二人の議員の存在は大きな戸惑いを禁じえません。現在、弊団体渋川支部では再び「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」を市議会に提出するよう運動をしています。
 日本共産党北毛地区委員会はこの決議案が渋川市議会に上程された場合、どのように対応されるおつもりでしょうか?貴会の率直な見解をご教示ください。


 以上、よろしくお願いします。なお、回答については、公務多忙の折、誠に恐縮ですが、2024年6月7日(金)までに書面にて郵送あるいはFAXまたはメールにて上記弊連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。

 なお、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記弊連絡先までお伝えいただきたく存じます。

                                    以上

*****5/27日本共産党渋川市議団角田市議あて公開質問状*****
                             令和6年5月27日
〒377-0008群馬県渋川市渋川(藤ノ木)2661 日本共産党北毛地区委員会気付
日本共産党渋川市議団
角田喜和 様

                〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
                市民オンブズマン群馬
                代表 小川 賢
                TEL: 027-224-5867(事務局・鈴木)
                   090-5302-8312(代表・小川)
                FAX: 027-224-6624
                Mail: ogawakenpg@aol.com

渋川市古巻公民館建設予定地のスラグ及びその汚染土壌の撤去費用について(公開質問)

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。その活動方法としては、行政事件に関わる住民監査請求や住民訴訟にまで及ぶことがあり、そのための情報の入手手段としては、住民等からの情報提供のほか、行政への公開質問や情報開示請求等を活用しております。
 さて、弊団体は大同特殊鋼(株)や東邦亜鉛(株)が建設資材と偽って特定有害物質が含まれるスラグを広く群馬県中に投棄してしまった事件の対策に微力ながら取り組んでまいりました。東邦亜鉛のスラグ問題では、貴委員会が開催にご尽力された旧箕郷町におけるスラグ対策会議に当会も参加させていただき、問題点の共有化を図らしていただいたこともございました。これらのスラグ問題も十年余りの時間が経過いたしましたが、スラグを投棄した原因者の負担でスラグを撤去させることを前提にこの問題に取り組む当会の姿勢は少しも変わっておりません。
 ところで、令和5年12月渋川市議会定例会にて、古巻公民館建設予定地に敷設されたスラグが撤去されることを巡り、その撤去費用が問題になりました。そして、この議事に関して、角田喜和議員が遅刻する中、加藤幸子議員が税金でスラグを撤去する補正予算案に賛成しました。
 その後、令和6年3月議会で議員提出議案第5号「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」が提出されると、角田喜和議員が質疑の上、反対討論を行い、日本共産党渋川市議団の2名の議員は本議案に反対しました。
 弊団体は、渋川市や高崎市等におけるスラグ撤去運動を展開してきており、榛東村の高橋氏の自宅敷地内に埋設されたスラグ問題や太田市のスラグ問題の解決に向けても微力ながら応援しています。こうした取り組みの中で、貴委員会所属の渋川市議会議員2名による上記の行動には、大変戸惑っております。
 渋川市のスラグ問題では、加藤・角田両議員の上記の反対行動が入る中、それでも弊団体として粘り強く活動を続け、再び市議会の場で「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」を上程していただくよう、引き続き決議の実現に向けた運動を展開しています。
 そこで弊団体として、本議案が賛成多数で決議されることを目指してまいりたく、お忙しいところ誠に恐縮ですが、下記の質問にお答えくださいますようお願い申し上げます。
                                    敬具

                   記

第1 角田喜和議員の質疑について
 令和6年3月議会・議員提出議案第5号「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」において、角田喜和議員が質疑を行ったので、その内容を簡単に以下に示します。

――――――――――
角田議員:どのような法的措置をとるのか示してください。

埴田議員:妨害排除請求でございます。

(以下、群馬県委員会あてと同文)
――――――――――

 この質疑について質問します。
【質問1-1】
 貴殿は「佐藤建設工業と大同特殊鋼にスラグ撤去費用等を請求や法的措置を取る前に、廃棄物に認定した群馬県に対処せよ」との見解を示していますが、「群馬県への対処」とは何でしょうか?
 行政代執行を群馬県に要求しろと貴殿は話されていますので、「群馬県に対して法的措置を取れ」と質疑の中で示唆されているようですが、渋川市の所有する土地に関する妨害排除請求は渋川市にしかできません。群馬県に行政代執行の要請を行うこととは別に、渋川市は市有地の管理者として法的措置ができる、と弊団体は考えます。
 渋川市議会の議員として、渋川市が群馬県に対する行政代執行の要請を行わないことにこだわるあまり、渋川市が市有地の管理者として法的措置を取ることについてなぜこれほど疑義をお持ちになった質疑を行うのでしょうか?
 貴殿はなぜ群馬県への行政代執行と渋川市が土地所有者として法的措置を取ることを同時に行えないと考えておられるのでしょうか。

【質問1-2】
 現在、当団体に会員として所属している渋川市在住の松岡氏によると、「ありがたいことに群馬県森林環境部廃棄物・リサイクル課と伊藤・元県会議員の面談の場に参加させていただいたが、伊藤・元県会議員や塚越氏が一生懸命お話をされる中、角田喜和議員は下を向いて一言も話されなかった」と聞いています。
 弊団体は、伊藤祐司・元県会議員が群馬県に何度もスラグ撤去を迫ったことは知っています。それでも群馬県は行政代執行などの措置を取りませんでした。相手があることですから仕方がありません。伊藤祐司・元県議や大沢綾子県議のご努力に感謝しています。
 他方、貴殿は、渋川市において「ミスタースラグ」と呼ばれたほど、盛んにスラグ問題に対応されてきた人物であると当会は認識しておりますが、貴殿は渋川市議会議員として、スラグを認定した群馬県に行政代執行を要求したことがあるのでしょうか?
 同じく渋川市議会議員である埴田議員は、「市長に行政代執行しろ、とお話しした」と回答しています。この観点からしても、貴殿が、渋川市を超えて市議会議員として「群馬県に行政代執行を要求しろ」と言うのは無理難題だとは思いませんか?

【質問1-3】
 埴田議員によると、この議案を市議会に提出するにあたり、スラグ問題に詳しい弁護士に相談した、と当会は聞いております。相談の結果、「佐藤建設工業に妨害排除請求を請求すると同時に廃棄物処理法第3条に基づいて大同特殊鋼に排出者責任を追及する」という議案に決まったそうです。
 貴殿は、なぜ両社に同時に請求できないと考えておられるのでしょうか?

第2 角田議員の反対討論について
 令和6年3月議会・議員提出議案第5号「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」において角田喜和議員が反対討論を行ったので、その内容を簡単に示します。

――――――――――
角田喜和議員
「市民の税金を使ってスラグ撤去する費用を排出者また搬入者に責任を負わせるべきだというところは同じ立場であります。しかしながら、先ほどの質疑の中で誰を相手に法的措置をというところでは二社ということで出されましたが、その内容について妨害排除請求とそのほか責任を負わせるべきではないかということでありましたが、その法的措置を取る前の中身についてまだ結論が出ていない。それをしっかりとさせるべきではないかと思います。その後の措置でも何ら遅くはないと思いますので原因者に請求することについては賛成できますが、それに伴う法的措置を取っていくことには時期尚早と思い反対をいたします。」
――――――――――

 この討論について質問します。
【質問2-1】
 貴殿は「法的措置を取る前の中身についてまだ結論が出ていない、それをしっかりとさせるべきではないかと思います。」と発言しています。
 貴殿は「群馬県に措置命令や行政代執行を発出させよ」ということを言っているのかと思われますが、弊団体では伊藤祐司・元県会議員が何度もスラグ撤去を群馬県に要求してきたことを知っています。また、大沢綾子県会議員が勉強しながら懸命に環境問題に取り組んでいることを知っています。スラグ問題も十年余りが経過しています、もう残された時間は少ないと考えています。
 そこで質問です。貴殿は「群馬県に措置命令他を発出させる」よう行動されておられるのでしょうか?
 貴殿はスラグについて最近はあまり活動されていないようですが、自分を棚に上げたまま、反対討論をすることについて、問題はないとお考えでしょうか?

【質問2-2】
 古巻公民館建設予定地のスラグが撤去されるにあたり、法的措置をとることは時期尚早ではなく、今しかないと思われます。
 貴殿は、市議会議員が関心をなくすまで時間を引き延ばすおつもりでしょうか?

【質問2-3】
 貴殿は、「原因者に請求することについては賛成できますが、それに伴う法的措置を取っていくことには時期尚早と思い反対をいたします。」と反対討論されています。
 弊団体は、スラグの搬入者や排出者に請求の意思表示をすることが法的措置の第1歩であると考えます。つまり、原因者への請求も法的措置です。同議員が原因者に請求することに賛成なら、法的措置にも賛成しなければ辻褄が合いません。
 この点について、貴殿はどのようにお考えですか?

【質問2-4】
 貴殿や加藤幸子議員のご見解として、スラグに対するお考えは、税金を使ってのスラグ撤去なのでしょうか?

【質問2-5】
 スラグを原因者負担で撤去させることを活動の基本と考えて行動してきた弊団体にとって、日本共産党渋川市議団所属のお二人の議員の存在は大きな戸惑いを禁じえません。現在、弊団体渋川支部では再び「古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議」を市議会に提出するよう運動をしています。
 貴殿はこの決議案が渋川市議会に上程された場合、どのように対応されるおつもりでしょうか?また、反対ありきの理不尽な質疑や討議を行うのでしょうか?率直な見解をご教示ください。


 以上、よろしくお願いします。なお、回答については、公務多忙の折、誠に恐縮ですが、2024年6月7日(金)までに書面にて郵送あるいはFAXまたはメールにて上記弊連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。

 なお、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記弊連絡先までお伝えいただきたく存じます。

                                    以上
**********

■さて、市民オンブズマン群馬渋川支部の切なる願いが功を奏したかどうかは、分かりませんが、令和6年6月24日の渋川市議会閉会日に同じ決議案が再び上程されました。

*****6/24決議案*****
https://www.city.shibukawa.lg.jp/manage/contents/upload/667a60242112d.pdf
議員提出議案第7号
   古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議
 上記議案を別紙のとおり会議規則第14条第1項の規定により提出します。
  令和6年6月24日
 渋川市議会議長 安 カ 川 信 之 様
           提出者 渋川市議会議員 埴 田 裕 之
           賛成者 渋川市議会議員 須 田   勝
            同     同    望 月 昭 治
            同     同    角 田 喜 和

=====別紙=====
議員提出議案第7号
   古巻公民館建設予定地のスラグ関連調査費用及びその撤去費用の請求とその法的措置を求める決議
 現在、渋川市では古巻公民館建設に向けて事業が進められているが、建設予定地のフッ素及びその化合物の環境基準値超過が判明し、その調査費用18,920千円及び汚染土壌等の除去搬出工事費用125,664千円の補正予算が令和4年12月及び令和5年12月に可決された。
 本件のフッ素及びその化合物の環境基準値超過は、平成23年度の古巻中部地区ほ場整備工事において埋設された再生路盤材の鉄鋼スラグに起因している。その鉄鋼スラグは当時、大同特殊鋼株式会社が排出し、株式会社佐藤建設工業に処理を委託したもので、株式会社佐藤建設工業はその鉄鋼スラグを正規の処理をせずに天然石と混合し、再生路盤材として当該土地に埋設した。このように、本件の土壌汚染については株式会社佐藤建設工業にその原因をつくり出した責任があり、また、同社に鉄鋼スラグの処理を委託した大同特殊鋼株式会社も排出事業者として責任を免れることはできない。
 このことから、今回の汚染土壌等に関する一連の支出はその原因をつくり出した上記2社が負担すべきであり、市民が納めた血税から負担することはあってはならない。
 よって、本市議会は渋川市長髙木勉に対し、汚染土壌等の調査費及び除去搬出工事費を原因者に請求すること並びに請求に伴う法的措置をとることを求める。
 以上、決議する。
  令和6年6月 日
                        群馬県渋川市議会
**********

■他方、当会代表が、日本共産党の関連3組織あてに提出した公開質問状への回答は、6月7日(金)を期限としていました。すると、期限日当日の午前10時7分前に、群馬県委員会の渋谷委員長から当会代表に「いただいた3通に対してそれぞれ回答すべく、調整しており、もう少し時間が必要なので容赦願いたい」との電話連絡がありました。当会からは「事情は承知しました。では、来週中にはいただけるということで」と伝えました。

 そして、翌週の6月14日(金)11時32分に再び渋谷委員長から当会代表に電話がありました。内容は「回答書はほぼ出来上がっているが、まだ組織として稟議が残っているので、もう少し待ってほしい」というものでした。

 しかし、その後一週間経過した6月21日になっても回答書は届く気配がなく、時間だけが日々過ぎる中で、地元渋川市の日本共産党渋川市議団がどのような対応をするのか、注目されましたが、上記の6月24日の決議案をご覧いただくとお分かりのとおり、なんと角田喜和議員が賛成議員に名を連ねたのです。「すわっ、スラグ撤去費用を税金で負担することから取り戻せるのか!?」と、良識ある市民の間で期待が高まりました。

 しかし、その期待は敢え無く潰えてしまいました。

■この決議案の提出者である埴田議員によると、「角田・加藤議員とも賛成していただける予定だった」とのことでした。ところが、いざ採決となると、加藤議員は反対しました。やはり加藤議員は、何が何でもスラグ撤去費用を税金から支出させたいようです。共産党渋川市議団所属の両議員ですが、賛否が分かれるという異常な事態です。

 他方、これとは別に日本共産党は不可解な決議案を提出しています。

*****6/24共産党の決議案*****
https://www.city.shibukawa.lg.jp/manage/contents/upload/667a60337a9c1.pdf
議員提出議案第8号
   古巻公民館建設予定地のスラグ及びその汚染土壌の撤去費用の請求と市内のスラグ汚染土壌の全量撤去・原状回復を排出企業に求めることに関する決議
 上記議案を別紙のとおり会議規則第14条第1項の規定により提出します。
  令和6年6月24日
 渋川市議会議長 安 カ 川 信 之 様
            提出者 渋川市議会議員 角 田 喜 和
            賛成者 渋川市議会議員 加 藤 幸 子
             同     同    埴 田 裕 之

=====別紙=====
議員提出議案第8号
   古巻公民館建設予定地のスラグ及びその汚染土壌の撤去費用の請求と市内のスラグ汚染土壌の全量撤去・原状回復を排出企業に求めることに関する決議
 大同特殊鋼株式会社の有害鉄鋼スラグ問題については、使用箇所の全容解明・撤去にはほど遠いばかりか、渋川市が古巻公民館建設予定地のスラグ及びその汚染土壌の撤去と費用負担を大同特殊鋼株式会社に求めても拒否する状況が続いている。
 渋川市は、責任企業の開き直りを許すことなく、全量撤去、原状回復の措置命令を行うことを群馬県に要求してきた。
 第一に、古巻公民館のスラグ撤去については、いつまでも現状のままでは、地元住民の切実な願いであった公民館の建設はできず、市税を使い撤去したことは妥当な選択であった。しかし、スラグ撤去の責任は排出者である大同特殊鋼株式会社にあることは変わりない。よって、渋川市は徹底的に企業責任、排出者責任を取らせるように、引き続き群馬県に要望するとともに、原因者である大同特殊鋼株式会社に対する責任追及と鉄鋼スラグ・汚染土壌の撤去費用を請求すること。
 第二に、いまだに市内の至るところに残存するスラグが、市民の健康を脅かしている。市民の健康と安全・安心を守る観点で、全市をあげて、知恵と力を尽くし、渋川市が明確な方針を出して、大同特殊鋼株式会社に請求できるような状況をつくり、一刻も早く市内のスラグを全量撤去すること。
 本市議会は髙木勉渋川市長に対し、上記2項目について早急に対処することを求める。
 以上、決議する。
  令和6年6月 日
                         群馬県渋川市議会
**********

 以上のとおり、共産党の決議案の内容は、スラグ撤去費用を税金から支出することは妥当である事、またスラグ排出者の大同特殊鋼にスラグ撤去費用を請求することが書かれています。

 しかし古巻公民館建設予定地のスラグ撤去費用については、今まで1円たりとも大同特殊鋼が費用負担に応じていません。なので、共産党がこの決議案はあまり意味がありません。実行する決意を伴わない決議案など絵にかいた餅同然ですので、共産党のこの不可解な決議案は「市民が忘れるのを待つ」という思惑を含んだシロモノとしか思えません。

■それよりなによりも、スラグ投棄の実行犯である㈱佐藤建設工業に対して、丁寧に請求と法的措置の手段を執っていくことが効果的と思われます。ところが、加藤議員の行動をみていると、議員同士の約束を破ってまで、厳しい決議案に反対し、緩い決議案には賛成している様子がうかがえるのです。どうやら共産党渋川市議団として、スラグ撤去費用を原因者の大同特殊鋼や佐藤建設工業に請求することについて、拒絶反応を払しょくできていないようです。

 渋川市では、市内にばらまかれている有害なスラグ撤去の費用を税金で支出することが決まっています。その費用について、渋川市の高木勉・市長は「大同特殊鋼に粘り強く費用負担に応ずるようお願いしていく」と、事あるごとに話しています。ところが実際には、1円たりとも回収できておらず、行き詰まりを見せています。

 この困難な状況をなんとか打開しようと、スラグ投棄の実行犯に対して、丁寧に、撤去費用の請求とそのための法的措置をとるよう、一部の市議会議員が求めています。ところが、日本共産党渋川市議団の加藤幸子議員は、この動きに対して拒絶反応を示しています。よっぽど、㈱佐藤建設工業に対して、丁寧に撤去費用を請求することを嫌がっているようです。

 日本共産党は当会の公開質問状に対する回答について、時間稼ぎをするのみで未だに返事をよこしません。今の所、共産党の本音としては、スラグは税金で撤去することにあり、しかし、それでは良識ある渋川市民の手前、体裁が悪いため、体裁を取り繕るため、表面上は大同特殊鋼(株)に費用負担をお願いするようなふりをする必よぐあると考えていて、その実態は、「この問題を市民が忘れるのを待つ」という考えのように思われてなりません。

【6/28追記】
 そうした最中、6月28日午後1時2分に当会事務局あてに日本共産党群馬県委員会から次の回答FAXがありました。

*****6/28日本共産党群馬県委員会からのFAX*****
24-06-28;13:02                                                               1/1
市民オンプズマン群馬
代表 小川 賢 様

2024年6月28日
                       日本共産党群馬県委員会
                       委員長    渋沢哲男
                      前橋市古市町1-47-3
                 電話027-251-6994 • FAX027-252-2704

「渋川市古巻公民餡建設予定地のスラグ及びその汚染土壌の撤去喪用について」の公開質問についての回答

 貿団体の県民の命と安全、利益を守る献身的な活動に心から敬意を表します。
 また、回答が遅れたことを心からお詫びいたします。
 大I司特殊鋼の有害鉄鋼スラグ問題については`使用力所の全容解明・撤去にはほど遠いばかりか、渋川市がスラグの撤去と盤用負担を求めても拒否する状況が続いています。
 日本共産党は、費任企業の開き直りを許すことなく、全景撤去、原状回復の措罷命令を行うことを群馬県に求めるとともに、渋川市に対しても、群馬県に措晋命令を出すように繰り返し要求してきました。
 渋川市古巻公民館建設予定地のスラグ及びその汚染土壌の撤去喪用についても、前述のような観点で、市民の安全と利益を守るために、徹底的に企業責任、排出者責任をとらせるように、渋川市や群馬県に要望するとともに、渋川市が市民の税金で撤去したスラグの炭用については、原因者である大同特殊鋼株式会社が負担するのが当然だと考えています。
                                  以上。
**********

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報
**********群馬建設新聞2023年10月28日
群馬県渋川市 古巻公民館建設、12月補正予算に盛り込む方向で計画

 渋川市は、建て替えを計画している古巻公民館(八木原678)について、建設工事費を12月の補正予算に盛り込む方向で準備を進めている。工期を14カ月とし、2023年から26年の3カ年での債務負担行為に設定する方向で検討を行っている。
 同公民館の実施設計は2022年度に神山設計(前橋市)がまとめており、建物構造をRC造2階建てとし、延べ床面積2500㎡程度としている。地元の代表者などとの建設検討委員会が19年から開かれており、地元からの要望として500席のホールほか、学習室120席、図書室、視聴覚室、和室、創作室、調理室などの設置があがっていた。新たなホールは移動式観覧席となる計画で、多目的ホールや災害時には避難所として活用する方針。また、発電設備として太陽光パネルも設置する方向で計画を進めている。20年度に委託した基本設計についても神山設計が担当した。
 同公民館では長らく建て替え事業が計画されており、当初、24年度の供用開始を目指していたものの、既存の駐車場から基準値を超えるフッ素およびフッ素化合物が検出されたことから計画を変更。土壌汚染の要因として大同特殊鋼渋川工場(石原500)のスラグが見込まれ、22年度に土壌汚染状況調査を環境技研(高崎市)へ委託し、敷地全体4126・23㎡を対象に調査した。23年8月末で調査が終了し県へ報告。9月に県から土壌汚染対策法に基づく人の健康被害の恐れがない形質変更時要届出区域に指定された。これを受け、区域解除に向けた土壌除去費用についても、12月補正予算に盛り込むとしている。
 駐車場の拡張も想定。敷地東側の利用が現在検討されている。整備には農用地区域からの除外申請や農地転用などの手続きが必要となる。
 公民館建設については、敷地北側に位置する既存公民館を稼働しつつ、南側に新施設を建設、完成後に機能を移す。ただし、既存公民館の図書室に当たる部分が建て替え時に新施設と重なるため、先行して解体する計画となっている。
 既存公民館は1988年に農業用研修施設として建設、後に公民館へ転用した。建物規模はS造平屋、床面積645・94㎡。老朽化や手狭になっているなどの課題に対応するため、建て替えを決定した。
 古巻地区は人口増加が見込まれる地域でもあり、ユニバーサルデザインの追求や多様なイベントの開催、防災機能や住民票の発行などの行政サービス機能を持たせるなどといった施設を目指している。
 公民館関連の建設事業では、20年度に子持公民館の別棟改修工事を行っている。建築・電気・機械の3分離とし、建築はA・B等級、機械と電気はA等級を対象とした。いずれも市内に本店を条件とする一般競争入札で公告した。
**********
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【仰天報道!】磯貝建材破産を「待ってました」とばかりにM&A承継SPCが破産…闇の連鎖が示す深淵!!

2024-06-23 16:42:10 | 県内の税金無駄使い実態

↑「磯貝建材を買収するために設立された投資目的会社」が破産したことを報じた6月18日上毛新聞朝刊

■5月31日をもって事業を停止し、自己破産申請準備中の磯貝建材ですが、昨年2月に同社のM&Aを仕掛けた事業承継JP1株式会社という特定目的会社が、後を追いかけるように、6月7日付で前橋地裁から自己破産開始決定を受けたことが、地元紙により報じられました。磯貝建材の自己破産については以下のブログ記事を参照ください。

〇2024年6月8日:【速報!】シナリオどおり?磯貝建材が破産手続開始…情報公開に及び腰の群馬県が示す隠蔽体質の悪質性

 さっそく上毛新聞の6月17日のWEB記事と同18日の朝刊記事を見てみましょう。殆ど同じ文章ですが、微妙に異なっていることがわかります。また、記事の中で「同社」という言葉が、どの事業者を指しているのか、曖昧であることが気にかかります。

**********上毛新聞2024年6月17日13:19
経営コンサルの事業承継JP1(群馬・前橋市)が破産 磯貝建材(安中市)の関連会社 負債3億6000万円
 経営コンサルティングの事業承継JP1(群馬県前橋市)が前橋地裁から破産開始決定を受けたことが17日、分かった。7日付。帝国データバンク群馬支店によると、負債総額は約3億6000万円。
 同社は2022年12月、都内の投資会社が、コンクリート製品製造の磯貝建材(安中市)を買収するために設立した特定目的会社(SPC)。23年3月に買収し、同社から経営指導料を得ていた。
 しかし同年2月に磯貝建材が製造した側溝で、県が定める規格と異なる鉄筋が使われていた粗悪品が見つかった。調査の結果、偽装が判明。売り上げが激減して経営指導料が得られなくなり、資金繰りが行き詰まっていた。
 磯貝建材は24年5月末に事業を停止し、現在自己破産申請を準備している。事業承継JP1は買収資金の一部を磯貝建材から借り入れており、同社から破産を申し立てられていた。

**********上毛新聞2024年6月18日
磯貝建材を買収の事業承継JP1破産 負債3億6000万円
 経営コンサルティングの事業承継JP1(前橋市南町、福士裕社長)が前橋地裁から破産開始決定を受けたことが17日、分かった。7日付。帝国データバンク群馬支店によると、負債総額は約3億6千万円。
 同社は2022年12月、都内の投資会社が、コンクリート製品製造の磯貝建材(安中市)を買収するために設立した特定目的会社(SPC)。23年3月に買収し、同社から経営指導料を得ていたが、同年2月に同社が製造した側溝で、県が定める規格と異なる鉄筋が使われていた粗悪品が見つかった。
 調査の結果、偽装が判明し、売り上げ激減に伴い経営指導料が得られず、資金繰りが行き詰まった。
 同社は今年5月末に事業を停止し、現在、自己破産申請を準備している。事業承継JP1は買収資金の一部を磯貝建材から借り入れており、同社から破産を申し立てられていた。
**********

■先日の磯貝建材の自己破産の時と同じように、国内の倒産情報・自己破産情報、政治・経済情報などを配信するニュースサイトが、この特定目的会社の破産について、17日に報じています。

**********JC-NET 2024年6月17日
事業承継JP1(株)/破産手続き開始決定 <群馬>
 「事業承継JP1(株)」は(群馬県前橋市南町3丁目***)に所在している企業です。
 同社は、令和6年(2024年)6月7日午前10時に前橋地裁民事部破産再生係にて破産手続きの開始決定を受けました。(官報より参照)
 この破産手続きに関しては、選任された金井勇樹弁護士が破産管財人として担当することが決定されています。
 同破産管財人によって行われる破産手続きに関して、債権者に対する届出期間が設定されています。この期間は、令和6年7月19日まで。また、財産状況に関する情報を報告するための調査も実施されます。この調査に関する報告集会や一般調査、廃止意見聴取、計算報告などの期日は、令和6年9月24日午後1時15分となっています。
 当該事件は、令和6年(2024年)に発生したもので、番号は(フ)第153号となっています。
**********

■立て続けに起きた破産の連鎖ですが、「事業承継JP1株式会社」とか「特定目的会社(SPC)」という普段聞きなれない言葉が並びます。そこで、報道その他を調べてみた結果をまとめてみました。

 まず「事業承継JP1株式会社」ですが、群馬県前橋市南町3丁目に所在していた経営コンサルティングの特定目的会社で、2022年12月に設立されましたが、2024年6月7日に破産手続きの開始決定を受けています。破産管財人として伊勢崎市太田町851-22の金井法律事務所の金井勇樹弁護士(電話0270-27-7288)が選任され、債権者に対する届出期間は2024年7月19日までと設定されており、財産状況に関する報告集会などの期日は2024年9月24日13:15予定ということまで決まっています。

 破産管財人として選任された金井勇樹弁護士が業務として取り扱う分野は、借金・債務整理、交通事故、離婚・男女問題、不動産・建築、遺産相続、労働問題、企業法務・顧問弁護士、犯罪・刑事事件、債権回収とあるので、債務整理に関わる本件を担当することになったようです。

■また、事業承継JP1株式会社の福士裕・社長のプロフィールは、LinkedIn等によると次のとおりとなっています。

福士裕CEO。LinkedInより。

 1987年に東京大学経済学部卒業後、同年に日本興業銀行(興銀とも呼ばれ、最末期の2000年からはみずほフィナンシャルグループの傘下に入り、みずほコーポレート銀行を経て、みずほ銀行の前身行の一つ)に入社し、1991年から93年にかけて米国カリフォルニア州立バークレー校でMBA取得後、興銀証券初期メンバーとして参画。当初は事業法人、金融法人向け外債仕組債営業に従事しました。

 2000年、みずほ証券に合併後は一貫して投資銀行業務を担当。DCM、ECM、シンジケーションを中心に資本市場における専門知識を蓄積するとともに、トータル12年にわたるロンドン、香港での数多くの日本企業によるクロスボーダー調達案件を通じた投資銀行業務経験を有し、加えて2011年にみずほ証券ロンドン現法副社長、2015年4月~16年3月にかけて同証券グローバル資本市場グループ長、2016年4月から17年3月までみずほ証券香港現法副会長と同証券シンガポール現法会長(17年9月まで)を歴任しました。

 その後、2017年4月からSBI証券投資銀行本部執行役員を経て、2019年12月20日にサザンクロス・キャピタル㈱を設立し代表取締役に就任しました(なお、同社は2022年10月26日に㈱ワイアールキャピタルに社名変更し、2024年3月6日に閉鎖登記)。そして、2022年5月には事業承継JAPAN㈱を立ち上げ、同年8月から同社代表取締役CEOを務めるとともに、㈱ワイアールパートナーズの代表取締役CEOも兼務するなど、通算で投資銀行ビジネスに30年以上従事して、現在に至っています。

サザンクロス・キャピタル㈱の第3期決算公告(令和3年12月31日現在)

 また、事業承継JAPAN株式会社(法人番号: 2010401167237、会社法人等番号:010401167237、本店所在地:〒160-0023東京都新宿区西新宿8丁目1番2号PMO西新宿3階)は、2022年5月9日に設立され、その直後の同年5月30日に本店所在地を東京都港区虎ノ門4丁目3番1号に変更しました。さらに同年8月24日に、本店所在地を東京都港区虎ノ門4丁目3番1号城山トラストタワー27階に移した後、2023年7月31日に東京都新宿区西新宿2丁目1番1号新宿三井ビルディング11階に変更しています。

 事業承継JAPAN㈱に関する情報は、上記以外はよくわかりません。しかし、事業承継は既にビジネスモデルとして、近年もてはやされています。たとえば、テレ朝の報道ステーションのスポンサーの一つとなっているM&Aキャピタルパートナーズ㈱があります。

 Wikipediaによると、同社は、2005年(平成17年)10月に設立され、事業内容はM&Aのアドバイザリーや仲介を主な業務とし、代表取締役社長は中村悟氏で、2022年9月30日現在の資本金は28億円、2022年9月期の売上高は207億6百万円(連結ベース、以下同様)、営業利益97億13百万円、経常利益97億66百万円、純利益67億94百万円、純資産325億98百万円、総資産399億13百万円(2022年9月期)、従業員数は連結で229名、単体で159名となっています。

 同社はM&A仲介大手として東証プライム市場上場企業で、その特徴として着手金無料、専門コンサルタントによる専任担当制を掲げており、より多くの企業がM&Aをひとつの選択肢として検討できる体制を整えていて、子会社には、日本のM&A業界の草分け的存在である株式会社レコフと株式会社レコフデータ、また、企業再生を得意とするみらいエフピー株式会社があり、グループによるシナジー(相乗)効果を効かせた様々な案件を取り扱っています。

■今回の磯貝建材を巡る“連鎖”倒産事件ですが、いろいろ不可解な点があります。まずはこの事件の時系列を見てみましょう。

 冒頭に示した報道記事の情報によれば、磯貝建材を巡るM&A(Mergers and Acquisitionsの略で、企業の合併や買収を指す。「合併」は二つ以上の企業が一つの企業になること、「買収」はある企業が別の企業を買うこと、「資本提携」も含まれることがある)の時系列は、次のとおりとなります。

●2022年12月
 都内の投資会社が磯貝建材を買収するために特定目的会社(SPC)として事業承継JP1㈱を設立した。
(※この「都内の投資会社」が買収後の磯貝建材の経営陣を指すのか、事業承継JP1㈱の社長の福士裕氏が経営する事業承継JAPAN㈱を指すのか、定かでない)

●2023年02月
 磯貝建材製造の側溝の偽装が、甘楽町における県営林道整備事業で発覚した。
(※当会は、この発覚から2023年9月1日の山本知事の偽装側溝調査結果の公表までの経緯について、2023年11月1日に県土整備部に情報開示請求をしているが、未だに側溝の規格に関するごく一部の情報が開示されただけで、発覚から県内の偽装側溝使用状況調査、破壊検査、非破壊検査など重要な情報は依然として不開示のまま)

●2023年03月
 都内の投資会社が、コンクリート製品製造の磯貝建材を買収した。買収に当たって、事業承継JP1は買収資金の一部を磯貝建材から借り入れた。買収後、事業承継JP1は「同社」から経営指導料を得ていた。
(※「都内の投資会社」とは、磯貝建材の現社長の長谷川裕貴氏が持っていた会社なのか、事業承継JP1のことなのか定かでない。また、「同社」とは、磯貝建材を指すと思われるが、そうすると、磯貝建材から経営指導料の名目で、カネが事業承継JP1に流れていたことになる)

●2024年05月
 同月末までに、磯貝建材が事業を停止した。JC-NETの倒産要約版によると、以下のとおり。
 破綻企業名:磯貝建材(株)
 本社地  :群馬県安中市簗瀬620-1
 代表   :長谷川裕貢
 設立   :1937年4月(昭和12年/業暦:87年)
 資本金  :1000万円
 事業   :コンクリ二次製品製造販売(U字溝、歩道用ブロック、側溝蓋など)
 売上高  :2021年7月期、約8.5億円
       2023年7月期、約4億円
 破綻   :2024年5月31日、事業停止/自己破産申請の準備中
 委託弁護士:伊藤博昭弁護士(TH総合法律事務所)、電話:03-6911-2500
 裁判所  :未定
 負債額  :約2億円
 破綻事由 :同社はコンクリ二次製品メーカー。U字溝、歩道用ブロック、側溝、側溝蓋など製造していた。2023年3月に現代表が創業家から買収、しかし、同年に群馬県発注工事の側溝で県の指定以外の鉄筋が使用されていることが発覚、同年9月に県が40ヶ所で鉄筋の大きさなどに偽装があったとして公表し、同社の信用は失墜、受注は激減し、先行きの見通しも立たないことから、今回の事態に至った。追、買収前から鉄筋偽装が常態化していたようだ。

●2024年06月
 群馬県前橋市南町3丁目にある事業承継JP1㈱が、6月7日午前10時に前橋地裁民事部破産再生係で破産手続きの開始決定を次のとおり受けた。
 令和6年(フ)第153号
 債務者  事業承継JP1株式会社(群馬県前橋市南町)
 1 決定年月日時 令和6年6月7日午前10時
 2 主文 債務者について破産手続を開始する。
 3 破産管財人 弁護士 金井勇樹
 4 破産債権の届出期間令和6年7月19日まで
 5 財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日 令和6年9月24日午後1時15分
 前橋地方裁判所民事部破産再生係

■以上の一連の時系列の流れを見ると、いくつかの疑問が沸いてきます。

【疑問1】
 2023年2月に偽装側溝が公共事業で使われていたことが発覚したのに、なぜ、翌月の3月に事業継承JP1と長谷川裕貴氏はM&Aを実行したのか? 

【疑問2】
 群馬県県土整備部は2023年2月の甘楽町での林道工事で発覚した磯貝建材製造の偽装側溝について2023年9月1日の山本一太知事による記者発表までこの事件を公表しなかったが、県土整備部内では情報共有されていたはず。他方で、磯貝建材の創業者一族である旧・経営者や工場長ら幹部らは、昔から不正な側溝を製造し納入していたことは自覚していたはず。ひょっとして、偽装製品がバレるリスクを想定して、М&Aによる事業売却を企て、実際に県にバレたため、急遽、売却に踏み切ったのではないか?

【疑問3】
 となると、2023年2月の磯貝建材製の偽装側溝が甘楽町の林道現場で発覚し、それが県土整備部で共有された際に、何らかのルートにより磯貝建材の旧・経営者らに、その情報が伝えられたのではないか?

【疑問4】
 そうすると、群馬県が2023年2月に甘楽町での林道工事で磯貝建材製の偽装側溝発覚から、同年9月1日の山本知事による本件の記者発表までの経緯を示す公文書開示請求を、当会が11月1日に行ったところ、いまだに県土整備部が開示を拒んでいるところから、上記の疑問1から3について、当会をはじめ納税者・県民に知られると困ることがあるのではないか?

■この数年来、М&A(企業の合併・買収)は中小企業の事業を継承する有力な手段として脚光を浴び、それをビジネスモデルとして手掛けるM&A仲介各社は急成長してきました。それと共に、M&Aに絡む事件も最近メディアを賑わすようになっています。


一般的なM&Aの手順の流れ。

 たとえば、日本M&Aセンターホールディングス(HD)は、業界を切り開いたパイオニアであり、シェアトップですが、同社は2021年12月に売上高に関する不適切会計が発覚し、それをきっかけに、急成長を支えてきた有力幹部が次々と退職するなどして、同社の体力は急速に弱まりました。

 モルフォ事件は、今から9年前の2015年12月に、画像処理およびAI(人工知能)技術の研究・製品開発型企業の㈱モルフォが、デンソーと業務提携すると公表した際、㈱モルフォの役員及び社員らが、この重要事実を事前に知り、同年10月に従業員持ち株会への拠出金を増額するなど、インサイダー取引をしたとして、証券取引等監視委員会から課徴金納付命令の勧告を受けました。

■このように、M&Aは影の部分も背負っていることが分かります。今回の磯貝建材の事件は、単なる側溝の偽装ではなく、M&Aを偽装した前代未聞の「経済の大事件」となる展開を孕んでおり、29年前、安中市土地開発公社を舞台とした忌まわしい大事件、すなわち、安中市民が今での「タゴ51億円事件」として語り継ぐ、空前絶後の巨額詐欺横領事件に匹敵する可能性すら予感させます。

 タゴ事件では、安中市役所・土地開発公社をはじめ、市長ら歴代幹部、上司、同僚、家族、親戚縁者、骨董屋、地元事業者、愛人、ヤクザ、政治家、群馬銀行、甘楽信金、群馬県企業局らが複雑多岐に絡んでおり、当会は、共同正犯の存在を、さまざまな証拠を入手して警察に通報しました。ところが最終的に、警察は、元職員の単独犯行と認定して幕引きしました。

 疑獄事件とは、犯罪事実が曖昧な事件を指す言葉であり、政・官・財界に波及する利権関係事件の総称として使われる呼び方です。同時に、多額の贈収賄事件を指すことが多く、役所の幹部らが絡んでいると思われる事件が該当します。

 この意味で、安中市のタゴ51億円事件は、決して犯罪事実が曖昧ではなく、その証拠は警察の捜査でも山ほど集まったはずですが、なぜか大疑獄事件には発展しませんでした。

■しかし、この磯貝建材を巡っては、同社はもとより、M&A仲介者・投資会社、群馬県県土整備部、安中土木事務所、安中市幹部、地元金融機関、地元コンサル会社、埼玉県コンクリート製品協同組合など、多数の幅広い分野の登場人物を巻き込んでおり、「大疑獄事件」に発展するかどうかは、ひとえに捜査当局の出方次第と言えます。

 29年前のタゴ51億円事件では、結局、タゴと共犯同然の群馬銀行に対して、安中市は土地開発公社の連帯保証人として、毎年2000万円ずつ、あと78年間かけて15億5千万円を和解金の名目で返済するハメになりました。

 今回の磯貝建材を巡る偽装側溝事件では、長年にわたる偽装側溝の製造と出荷により、巨額の不当利得をマネーロンダリングすべく、M&Aという新手の手法が使われており、はやくも連鎖倒産のかたちで、資金洗浄する動きが表面化しました。

■今後の動きは、引き続き予断を許しませんが、当会の奮闘空しく29年前に元職員の単独犯行として不発に終わったタゴ51億円事件の教訓を生かして、積極的に警察や検察への告発や、住民監査請求による住民訴訟などの手段を活用して、真相の究明、責任の明確化、そして再発の防止をはかってまいりたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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ぐんま赤い糸プロジェクト参加費の男女差について、群馬県に公開質問した回答結果…!?

2024-06-13 11:54:54 | 県内の税金無駄使い実態

ぐんま赤い糸プロジェクト(通称:あいぷろ)/ぐんまスマイルライフのロゴ・マーク

■4月下旬に当会事務局に、県内在住の40代男性の方から電話を頂きました。

 男性の話によると、群馬県が提供している行政サービスで「ぐんま赤い糸プロジェクト」というサービスを利用し、婚活パーティに参加しようと考えて、先日「群馬県デジタル窓口」内で「LINE版あいぷろ通信」に登録し、その婚活パーティの開催日程などを通知してもらえるようにしたそうです。

 そして、その後、パーティ開催の通知が男性に届いたので、さっそく内容を確認し、参加しようと思ったところ、そのパーティの詳細を確認すると、男性と女性の間で参加費用に差があることに疑問を抱き、男性は参加するのを断念したとのことです。

 男性は、参加を断念した理由について、次の考えを示しました。

(1)公では法の元に平等で、公では性別による差別はされないと謳っていること。
(2)すなわち、憲法の第14条「国民は法の下に平等で性別などの社会的関係において差別されない」に基づいた関連法令に関する基本理念であること。(3)また、群馬県でもその関係法令に基づき群馬県男女共同参画推進条例が制定されていること。
(4)にも関わらず、県(公)の名前のお墨付きの婚活事業なのに、男女間で参加費用に差がある民間のサービスを提供しているのは、矛盾しており、強い違和感を禁じ得ないこと。
(5)実際に、婚活の参加費が男子6000円で女子4000円とか。男子3000円で女子2000円というふうに男女差を設けていること。
(6)群馬県の担当者に理由を尋ねたところ、「女子の参加が少ない傾向があるので、少し安くして女子の参加を促している」という趣旨の説明をしていること。

 そして「ついては、この婚活サービス提供事業に関して、調査していただき、サービスを是正するよう、当局と話していただけますと幸いです」という要請をいただきました。

■この相談事案について、当会会員の皆さんの間でも、以下に示す通り、さまざまな意見が示されました。

・憲法14条には「絶対的平等」の他に「相対的平等」がある。相対的平等とは何が何でも平等にするのではなく、各人の性別、能力、年齢、財産、職業などの種々の差異を前提として、同一の事情と条件の下では均等に取り扱うことである。

・これを婚活パーティに当てはめて考えた場合、いわゆる「かわいい」女子の参加料は500円で、そうでない女子の参加料は1000円とするのはダメだが、婚活パーティのニーズの差からくる男女間の参加人数の違いから、女子1000円で、男子3000円という差を設けることには合理性があるので、群馬県の説明は一概に違憲性は問えないのではないか。

・例えば、趣旨目的は異なるかもしれないが、「学割」や「60歳以上無料」などと同類という気がしないでもない。

・確かに、この問題については、民間業者が婚活パーティを主催する場合は、それぞれの主催者がターゲットとする男子、女子のカップル成立の戦略により、相対的平等でもよいと思われる。

・しかし、行政が主導して行う場合は、やはり会費を同じにする方が合理的である。なぜなら、相談者が言うように「県が群馬県男女共同参画推進条例を制定しているにも関わらず、県(公)の名前のお墨付きで男女間で参加費用に差がある民間のサービスを提供しているのは矛盾している」という主張は、筋が通っていると思われるからだ。

・実際に、下記のURLなどで調べてみると、男女間で参加費用に差のない婚活パーティを開催しているケースもある。
※参考にしたURL↓
○男女平等なのに…? 「婚活パーティー」の参加費、なぜ男性の方が高い? | オトナンサー (otonanswer.jp)
○婚活パーティーで男性の参加費が高いのは男性差別?その理由や弊害は?|アラフォー男性の結婚応援団~うまくいかない婚活にサヨナラ (arafour-kekkon.com)
○婚活パーティーの参加費が女性より男性が高い理由(男性差別、少子化)<生きる知恵ブログ> - 生きる知恵 (ikiruchie.com)
他多数。

・したがって、行政が主導するからには、行政が定めた条例の趣旨に反するような形での婚活パーティ等のサービスを提供する業者を行政自身が県民に対して紹介する事業は、矛盾しているという相談者の指摘には一定の合理性があると思える。

 こうした当会会員の忌憚のない見解をまとめた結果、群馬県には、行政が主体となって婚活サービスを行う場合はもとより、業務委託のかたちで「赤い糸」事業を民間の力を借りて推進するのであれば、婚活男女間で参加費用に差のない婚活イベントやサービスを提供する業者を対象にすべきだというふうに申し入れるのがよいのではないか、という方針を当会として確認しました。

 なぜなら、当会のオンブズマン活動の行動規範に照らして、活動目的である①税金の無駄遣い、②行政の不当な権限の行使による県民の不利益の是正の観点に合致すると考えられるからです。そのため、知事あてに次の公開質問を行い、県側の見解を問い、その結果を公表することにしました。

*****5/2県知事宛公開質問*****
                       令和6年5月2日
〒371-8570群馬県前橋市大手町1丁目1-1
群馬県知事 山本一太 様
(群馬県生活こども課少子化対策係 御中)
Tel:027-223-1111(代表) 027-226-2392(あいぷろ窓口) FAX:027-226-2100(生活こども課)

            〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
            市民オンブズマン群馬  代表  小川 賢
            TEL: 090-5302-8312(代表・小川)
            FAX: 027-224-6624(事務局)

   男女間差別のある群馬県の行政サービス是正について(公開質問)

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。
 さて、本年4月24日に当会事務局に、県内在住の40代男性のかたから、次の内容の相談が寄せられました。
  「私は、群馬県の行政サービスで『ぐんま赤い糸プロジェクト』)、というサービスを利用し婚活パーティに参加しようと考えています。先日『群馬県デジタル窓口』内で『LINE版あいぷろ通信』、というものに登録し、その婚活パーティの開催日程などを通知してもらえるようにしました。
   ある日、その通知内容を確認し参加しようと思ったところ、そのパーティの詳細を確認すると男性と女性の間で参加費用に差があることに疑問を抱き、参加するのをやめました。理由は以下となります。
   ①公では法の元に平等で、公では性別による差別はされないと謳っております。
   ②憲法第14条も「国民は法の下に平等で性別などの社会的関係において差別されない」と定めており、その関連法令もあります。
   ③群馬県でもその関係法令に基づき群馬県男女共同参画推進条例というものが制定されています。
   ④にも関わらず、県(公)の名前のお墨付きで、男女間で参加費用に差がある民間のサービスを提供しているのは如何なものなのか?矛盾しているのではないか?」
 この相談内容について、当会で協議した結果、群馬県に行政サービスの適否や改善の要否について、確認が必要との結論に至りました。つきましては、本件行政サービスに関する以下の質問に係る貴殿の見解をお聞かせください。なお公務多忙の折、誠に恐縮ですが、令和6年5月17日(金)必着で、上記連絡先まで文書あるいはFAXでご回答ください。
【質問1】当該行政サービスは、憲法や条例の趣旨に照らして是正する必要があるとお考えですか?必要の有無およびその理由をご教示ください。
【質問2】出会いの場の企画・実施に際して、男女の参加費を同等に設定している企業・店舗等業者も少なからず存在していますが、こうした業者を「協賛団体」として選定することへの賛否およびその理由をご教示ください。
                               敬具
**********

 すると、5月22日付で、次の回答が届きました。

*****5/17県からの回答FAX*****
05.17 17:19 群馬県こども政策課  0272262100 #9683 P 1/3    1

       FAX送信票
               群馬県生活こども部生活こども課
                TEL 027-226-2392
                FAX O27-226-2100
令和6年5月17日  送信枚数 3(送信票を含む)
宛先:市民オンブズマン群馬代表 小川 賢 様 (027-224-6624)
発信者:群馬県生活こども部生活こども課 政策推進室少子化対策係
件名:当課へお寄せいただいた御質問への回答について
内容:
 日頃より、群馬県行政にご理解ご協力を賜り、ありがとうございます。
 さて、過日当課あてにFAXにてお送りいただきました御質間について、別添のとおり回答いたしますので、ご査収の程よろしくお願いします。


=====別添=====




                        (公印省略)
                        生こ第30094-2号
                        令和6年5月17日

市民オンプズマン群馬 代表 小川 賢 様

             群馬県生活こども部生活こども課長  富澤 恵子

      ぐんま赤い糸プロジェクトに関する御質問について(回答)

 令和6年5月2日付けで御質問いただきました件につきまして、下記の通り回答いたします。

【質問1】当該行政サービスは、憲法や条例の趣旨に照らして是正する必要があるとお考えですか?必要の有無及びその理由をご教示ください。

【回答1】
・ぐんま赤い糸プロジェクト(通称「あいぷろ」)は、少子化の要因の一つである未婚化、晩婚化に社会全体で対応するため、結婚を希望しながらも出会いの機会の少ない独身の方に対し、出会いの機会を提供する事業として実施しています。
・本事業は、事業趣旨に賛同する協賛団体(民間企業や団体)がイベントを主催し、県がその情報を「群馬県結婚・子育て応援ポータルサイト『ぐんまスマイルライフ』」で広報するものであり、官民が連携して事業実施しています。
・具体的なイベント内容については、協賛団体において、多くの方に出会いの機会を提供できるよう、試行錯誤の上、決定されています。
・特に、近年は女性のイベント参加者が減少傾向であることから、出会いの機会を等しく参加者に提供するためには、女性の参加率を上げることが大きな課題となっています。イベント参加者へのアンケート調査によると、参加黄用に対する考えについて男女間に差があるため、女性の参加者を増やす1つの方策として、女性の参加費用の軽減措置が講じられています。こうした協賛団体による対応については、効果的なイベント実施の観点から一定の合理性があるものと考えられます。
・男女の参加費用に著しい差が生じないよう配慮しながら、効果的な実施のために、やむを得ず男女で異なる参加費を設定したイベントをあいぷろ事業として実施することは、男女に等しく出会いの機会を提供することや、より多くの出会いの機会を提供する点からも適当と考えています。

【質問2】出会いの場の企画・実施に際して、男女の参加費を同等に設定している企業・店舗等業者も少なからず存在していますが、こうした業者を「協賛団体」として選定することへの賛否およびその理由をご教示ください。

【回答2】
・あいぷろ事業の趣旨に賛同していただける協賛団体につきましては、毎年期間を設け募集を行っており、一定の基準に華づき協賛団体として登録しています。協賛団体において、婚活イベントをあいぷろ事業として実施する際には、男女の参加費用に著しい差が生じないよう参加費の設定をお願いしておりますので、同等に設定していただくことについては当然問題はございません。

                      生活こども課政策推進室
                      少子化対策係
                      TEL: 027-226-2392
**********

■ご覧の通り、生活こども課長名の文書は、当会の質問に対して面と向かおうとしない歯切れの悪い回答となっています。

 このため、5月22日付で、あらためて群馬県としての婚活サービス事業におけるジェンダーの観点から、参加費の男女差についての見解を求めるべく、次の再質問書を提出しました。

*****5/22県宛再質問書*****
                          令和6年5月22日
〒371-8570群馬県前橋市大手町1丁目1-1
群馬県知事 山本一太 様
(群馬県生活こども課少子化対策係 御中)
Tel:027-223-1111(代表) 027-226-2392(あいぷろ窓口) FAX:027-226-2100(生活こども課)

            〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
            市民オンブズマン群馬  代表  小川 賢
            TEL: 090-5302-8312(代表・小川)
            FAX: 027-224-6624(事務局)

   男女間差別のある群馬県の行政サービス是正について(再質問書)

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。弊団体は、税金の無駄使いや行政の不正を追及する市民団体です。
 さて、本年5月2日付で表記に関する公開質問書を貴殿に提出したところ、5月17日付の生こ第30094-2号で「ぐんま赤い糸プロジェクトに関する御質問について(回答)」をFAXにて受信いたしました。
 当会の質問1「当該行政サービスは、憲法や条例の趣旨に照らして是正する必要があるとお考えですか?」について貴殿の回答は「協賛団体において、試行錯誤の上、イベント内容が決定されている」「女性の参加費用の軽減措置は、効果的なイベント実施の観点から一定の合理性がある」「異なる参加費を設定したイベントを(県の)事業として実施することは、より多くの出会いの機会を提供する点からも適当である」というものです。
 また当会の質問2「男女の参加費と同等に設定している業者も少なからず存在しているが、こうした業者の選定についてどういうお考えですか?」について、貴殿の回答は「男女の参加費用に著しい差が生じないように参加費の設定をお願いしており、同等に設定することは当然問題ない」というものです。
 貴殿の回答の意味するところは、「協賛団体に任せている」というものであり、群馬県の定めた「男女共同参画推進条例」の視点からの貴殿の見解を問うた当会の質問の要旨に照らして、違和感を禁じ得ません。
 たまたま5月14日から17日かけて、LINEの「群馬県デジタル窓口」から、直近の「あいぷろイベントの案内」を確認したところ、以下の企画すべてで、男女の参加料が異なっていました。
https://smilelife.pref.gunma.jp/encounter/event/23090/ 男性:4,000円 女性:2,000円
https://smilelife.pref.gunma.jp/encounter/event/23101/ 男性:2,000円 女性:1,000円
https://smilelife.pref.gunma.jp/encounter/event/23118/ 男性:6,000円 女性:3,000円
https://smilelife.pref.gunma.jp/encounter/event/23113/ 男性:2,000円 女性:1,000円
 そこで質問です。貴殿は、群馬県男女共同参画推進条例を自ら無視しているのではないでしょうか?そのため、直ちに条例に照らして、本件行政サービスの参加料を男女平等とすべきではないでしょうか?
 この質問に係る貴殿の見解をあらためてお聞かせください。なお公務多忙の折、誠に恐縮ですが、令和6年5月31日(金)必着で、上記連絡先まで文書あるいはFAXでご回答ください。
                             敬具
**********

 この再質問書の回答期限は5月31日とさせていただいておりましたが、こちらへの回答は、現時点で未だに届いておりません。

 群馬県には、今回の婚活にかかる行政サービスにおいても男女間に差別のないものを選定してもらうよう、引き続き申し入れてまいりたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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【磯貝不正側溝】住民監査請求を却下した安中市監査委員に情報開示請求!

2024-06-12 23:37:33 | 県内の税金無駄使い実態



安中市による破壊検査の結果集計表。全ての結果が「不可」となっている。鉄筋の径は規格よりも遥かに細く、バラツキがある上に縦方向の鉄筋は異型でなく単なる丸棒(出所:安中市)

■群馬県内の道路インフラの安全性の信頼を大きく損ねた磯貝建材による群馬県型側溝(GPU)の製品偽装問題は、その後も引き続きメディアが報じており、その衝撃は止みそうにありません。

**********朝日新聞デジタル2024年6月11日10:45
磯貝建材、自己破産申請へ 偽装側溝問題
 群馬県発注の道路工事で規格を偽装したコンクリート側溝が見つかった問題で、偽装側溝を製造した磯貝建材(群馬県安中市)が事業停止し、自己破産申請の準備に入ったことがわかった。信用調査会社の帝国データバンク群馬支店によると、負債総額は少なくとも2億円を超える見込み。
 同支店によると、磯貝建材は1937年創業。公共土木工事に使われるU字溝などのメーカーとして、2021年7月期には年売上高約8億4700万円を計上していた。
 だが昨年9月、県は同社の偽装側溝が県発注工事に使われていたことを公表した。2月に甘楽町の林道整備工事で品質が劣ると見られるコンクリート側溝が見つかり、調査の結果、中に入っている鉄筋が県の定めた規格と比べて細く、本数も少ないことが確認された。
 同社は問題発覚前にM&A(合併・買収)で経営陣が創業家から代わっており、偽装を始めた時期や理由について「3月の社長交代以前のことは分からない」と説明したとされる。
 偽装公表後、売り上げは激減。安中市発注工事でも偽装側溝が使われていたことが発覚するなど、先行きの見通しが立たないことから事業の継続を断念したという。(杉浦達朗)
**********

 この問題は、原因(真相)究明と責任の所在の明確化、そして再発防止策が重要ですが、道路インフラの安全性を担保するためには、規格通りの側溝に交換することが必要です。そのための費用は、責任の所在を明らかにすることで、当然原因者である製造者の磯貝建材が負担しなければならないはずです。また、検査を省略して不正の温床を助長させた群馬県にも責任の一端が問われるべきです。

 しかし、群馬県は未だに真相解明や責任の所在の明確化に二の足を踏んでおり、当会の情報開示請求にも極めて消極的です。そうした中、安中市が独自で非破壊検査と破壊検査を実施しました。これらは既に群馬県が実施していますが、なぜか、情報共有がなされていないようです。そのため、当会は、これ等の検査にかかる費用を安中市が負担するのではなく、群馬県が負担すべきであと考え、4月16日付で住民監査請求を行ない、6月6日付で監査結果通知が交付され、6月8日に配達記録付き郵便で届けられました。この経緯は、以下のブログ記事を参照ください。
○2024年6月10日:【磯貝不正側溝】県とは別に独自に非破壊・破壊検査を自前で実施した安中市に住民監査請求した結果、なんと「却下」

 ところが、このタイミングで、上記のとおり、磯貝建材が自己破産申請手続きを開始する準備を進めているとメディアが報じたのです。

 このままだと、側溝の取り換えに必要な費用が原因者から回収できなくなります。せめて、安中市が実施した非破壊検査・破壊検査の費用は、事前に群馬県からの検査結果の情報を得ていれば、余計な支出をせずに済んだわけで、本当に必要だったのかどうかを問うため、当会は住民監査請求をしたわけです。

 ところが、安中市監査委員は、「棄却」ではなく、あっさりと「却下」の判断を下して、当会の住民監査請求を切り捨ててしまいました。

■安中市監査委員2名のうち、田島龍一氏は、市内で公認会計士・税理士事務所を営んでいますが、その経歴たるや、目を見張るものがあります。

 ネット情報等によると、同氏は、安中市2丁目にある田島屋本店を実家にもち(事務所も同じ住所)、公認会計士・税理士の両方の国家資格を持ち、関東信越税理士会や安中ロータリークラブの会員です。新島学園から同志社大学経済学部に進み、在学中、1973年米国ホイットマン大学への留学を経て、同志社大を1974年に卒業後、1977年に監査法人サンワ東京丸の内事務所(現・有限責任監査法人トーマツ)へ入所し、6年間会計監査業務を担当、1982年に公認会計士登録を果たし、1983年、国際税務コンサルティング部に移り、国際税務・組織再編税務等に従事しました。1990年、勝島敏明税理士事務所(その後、税理士法人トーマツを経て、現・デロイト・トーマツ税理士法人)開設とともに転籍し、組織再編チームの長として海外から日本へ、及び日本から海外へのM&A税務デューデリジェンスや日本国内での合併・分割等の組織再編税務相談業務に従事し、税理士法人トーマツの代表社員を歴任しました。2008年に、実家に戻り、公認会計士・税理士田島龍一事務所を群馬県安中市に開設し、現在に至っています。

 もう一人の監査委員である高橋由信氏は、安中市議会議員で、現在8期目のベテランです。

 そのプロフィールを拝見すると、同氏は1956年、安中市岩井に生まれ、1975年、県立安中高等学校を卒業し、1953年に安中手話サークル設立とともに手話通訳及び指導を開始しました。1955年に安中市青年団連合会会長、第9回群馬県洋上大学への参加を経て、1988年に仲間と共に地域づくり団体「未来塾」を創立しました。1991年に安中市議会議員に初当選を果たし、2010年には安中市長選挙に立候補し次点となりました。その後再び市議に返り咲き、2022年に安中市議会副議長、2023年4月の安中市議会議員選挙で8期目の当選を果たして、現在、安中市監査委員、高崎安中消防組合監査委員、総務文教常任委員会委員として活動しています。この間、ボランティア歴47年の経験から、群馬県地域づくり協議会理事、地域づくり団体「未来塾」運営委員、安中聴覚障害者協会相談役、安中手話サークル役員手話検定2級取得の資格を有しています。

 このように、市議会から選任された高橋由信氏の監査委員としての資質や実績はともかく、税理士と公認会計士としての田島龍一氏の赫々たる経歴は、まさに監査委員の職能にふさわしいと言えるでしょう。

 なぜなら、税理士は税のスペシャリストとして、納税者に代わって確定申告や相続税申告を作成する「税務書類の作成」や税務調査の立ち合いを行う「税務代理」、様々な税金についての相談に回答する「税務相談」が主な業務として挙げられますが、「公平な税負担により、住みやすい豊かな暮らしを守ること」が税理士の社会的使命であるからです。

 また、公認会計士は、会計の専門家として、各国の制度によって業務の範囲と比重は異なるものの、共通して会計監査(財務諸表監査)を独占業務としています。主な業務には、財務情報が適正に表示されているかどうかについて、独立した立場から意見を表明する財務諸表監査が挙げられます。これは、上場会社などの社会的に影響力の大きい会社に義務付けられており、虚偽の財務情報によって投資者や債権者などの利害関係者が損害を被ることを防ぐための重要な役割を担っています。これは、行政に義務付けられた監査を、市民の目線で行う監査委員としての役割に合致するものです。

■そのため、当会では、今回の磯貝建材製の不正側溝にかかる実態調査として、非破壊検査と破壊検査を安中市が独自に支出したのは、果たして適切であったのかどうか、国際税会計コンサルティング業務に精通した田島龍一・監査委員であれば、しっかりと調査し、判断していただけるに違いないと期待していたのも事実です。

 だからこそ、たまたま、監査委員事務局で、5月の定例監査のため、出席した田島委員と高橋委員と話す機会があったので、非公式ながら口頭で、この住民監査請求の重要性を熱っぽく説いたのでした。

■しかし、誠に残念ながら、当会の住民監査請求は、門前払い同然の「却下」という結果に終わりました。そこで、今回の住民監査に関して、監査委員はどの程度のレベルの労力を費やして、監査業務を実施したのか、検証する必要性を感じ、6月10日に次の開示請求書を安中市監査委員あてに提出しました。

*****6/10安中市行政文書開示請求書*****
                        令和6年6月10日
           行政文書開示請求書
 安中市監査委員 田島龍一様・高橋由信様
                   郵便番号 379-0114
                   住  所 安中市野殿980
                   氏  名 小川 賢
                   電話番号 090-5302-8312
 安中市情報公開条例第6条第1項の規定により、次のとおり行政文書の開示を請求します。
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
 令和6年6月6日付安監委発第66001号「安中市職員措置請求書について(通知)」に関する次の情報。
①4月16日の請求書提出以降、現在に至るまで、監査委員2名がそれぞれ本件の監査に割いた時間
②本件の監査の過程で、ヒヤリングや聴取をした関係先(請求人のほか、副市長ら市幹部、契約検査係など関係市長部局関係者、群馬県県土整備部など知事部局関係者、市顧問弁護士など)
③本件の監査の過程で、請求人が提出した資料以外に、関係先から収集し、監査の判断に用いた文書があれば、それらの内訳(聴き取りメモも含む)
④地方自治法第242条第7項及び第8項に定める請求人の証拠の提出及び陳述と市長その他の執行機関又は職員(関係職員等)の陳述や同席について、どのように判断したのか、また、その根拠
**********

 当会では、この開示請求により、監査委員がどの程度、真剣にこの住民監査請求に取り組んだのかどうか検証したうえで、住民訴訟に踏み切るかどうか、検討する所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連情報
**********JC-NET 2024年6月12日
磯貝建材(株)(群馬)/自己破産へ コンクリ二次製品鉄筋偽装 倒産要約版
 群馬に拠点をおく、磯貝建材(株)が自己破産の準備に入ったことが判明した。負債総額は約2億円。
 以下要約。
【倒産要約版 JC-NET版】
1 破綻企業名   磯貝建材(株)
2 本社地     群馬県安中市簗瀬620-1
3 代表      長谷川裕貢
4 設立      1937年4月.(昭和12年/業暦:87年)
5 資本金     1000万円
6 事業      コンクリ二次製品製造販売
          U字溝、歩道用ブロック、側溝蓋など
7 売上高     2021年7月期、約8.5億円
          2023年7月期、約4億円
8 破綻      2024年5月31日.
          事業停止/自己破産申請の準備中
9 委託弁護士   伊藤博昭弁護士(TH総合法律事務所)
          電話:03-6911-2500
10 裁判所     未定 
11 負債額     約2億円
12 破綻事由    同社はコンクリ二次製品メーカー。U字溝、歩道用ブロック、側溝、側溝蓋など製造していた。2023年3月に現代表が創業家から買収、しかし、同年に群馬県発注工事の側溝で県の指定以外の鉄筋が使用されていることが発覚、同年9月に県が40ヶ所で鉄筋の大きさなどに偽装があっとして公表し、同社の信用は失墜、受注は激減し、先行きの見通しも立たないことから、今回の事態に至った。追、買収前から鉄筋偽装が常態化していたようだ。
[2024年6月12日]

**********日経クロステック2024年05月21日
鉄筋偽装の側溝が40カ所判明、群馬県に続き安中市の発注工事でも
 群馬県安中市の建材メーカー、磯貝建材が鉄筋の太さなどを偽装したコンクリート製側溝を出荷していた問題で、市発注工事の40カ所で偽装製品が使われていたことが分かった。市が2024年5月10日に明らかにした。

安中市による破壊検査で、鉄筋の径が規格を満たしていないと判明した側溝(写真:安中市)
 磯貝建材の製品を巡っては群馬県が23年9月、県発注工事で偽装側溝が使われていたと発表している。群馬県型落蓋式側溝(GPU)として県の承認を受けていた同社製品が、規格を満たしていないと判明した。この発表を受け、安中市も市発注工事で偽装製品の使用について調査した。
 市が工事関係資料を残している過去5年間に施工した磯貝建材の側溝の延長は約3.1kmに上る。全ての工事区間を網羅するよう各区間から1~3カ所を抽出して非破壊検査を実施。計99カ所の検査箇所のうち、35カ所で鉄筋の径が規格を満たさないことが分かった。
 非破壊検査で判別できなかった偽装を見抜くため、市は残り64カ所から5カ所を選んで破壊検査を実施。その結果、5カ所全てで規格を満たさない鉄筋が見つかった。直径が規格では6.35mmのところ4mmしかなかった鉄筋を20本、4mmのところ3.2mmだった鉄筋を11本確認した。市は全ての箇所で偽装製品が使われている可能性が高いと見ている。

安中市が5カ所で実施した破壊検査の結果(出所:安中市)
(青野昌行)
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