市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【続報】高崎芸術劇場の官製談合事件…「バレちゃった」感満載の高崎市長の臨時記者会見の音声動画!

2019-12-14 23:57:00 | 高崎市の行政問題
■2019年9月28・29日に岐阜市で開催された市民オンブズマンの全国大会で、全国31県庁所在地市及び32中核市を対象に実施した2018年度の予定価格(税抜き)5,000 万円以上の2,576件の公共工事に関して、2位の豊橋市(97.1%)以下をしり目に堂々のワースト1位に輝く高崎市(※当会注:ちなみに前橋市は95.9%で63市のうちワースト12位、群馬県も95.9%で47都道府県のうちワースト3位)ですが、同市が鳴り物入りで建設した高崎芸術劇場を舞台に繰り広げられている官製談合事件の摘発が行われた11月18日の夜から、もうすぐ1か月が経過します。
 そうした中、当会会員らが11月22日に高崎市に請求していた情報公開のうち、市長臨時会見録音が先日開示されたので、さっそく音声動画に編集し、YouTubeに投稿しました。ぜひ、ご視聴ください。
〇2019年9月27・28日:全国オンブズ大会CD/2019年全国大会別冊資料1(入札・談合) ZIP ⇒ 2019nspidekj.zip
〇2019年12月13日:官製談合事件で2名の市職員と自身の後援会幹事長が逮捕された高崎市長の言い訳ばかりの臨時記者会見(全編)
https://www.youtube.com/watch?v=kLD5wZ04qpI

YouTube 動画 官製談合事件で2名の市職員と自身の後援会幹事長が逮捕された高崎市長の言い訳ばかりの臨時記者会見(全編) をプレビュー
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令和1年11月20日午前11時に高崎市役所で開かれた高崎市長・副市長・総務部長の記者会見の音声の全編
(画像は高崎市が記者会見の映像を公開しないため、管理人が参考程度に掲載しました。)
■事件の概要は以下記事を参照
【高崎芸術劇場 官製談合疑い 市長の「側近」逮捕に衝撃】
高崎市の高崎芸術劇場の照明整備を巡り、官製談合防止法違反などの疑いで同市職員と館長の「ラジオ高崎」役員、市内の電気工事会社の社長が十八日夜に逮捕された事件。九月に華やかにオープンした同劇場や市庁舎に十九日、県警が家宅捜索に入る事態となり、市関係者に衝撃が広がった。館長は、富岡賢治市長が能力を高く評価し抜てきした「側近」で、社長は市長の有力な後援者の一人。こうした関係に「現市政を支える中で関係を深めた」と指摘する声もある。 (石井宏昌、市川勘太郎)
 照明の入札予定価格を漏らした容疑で逮捕された市企画調整課付課長の佐藤育男容疑者(50)は二〇一七年度に市都市集客施設整備室長となり、劇場整備などを担当。市によると、劇場の照明備品の入札予定価格を漏らしたとされる今年一月は、整備の実務を担う中心的存在だった。四月、指定管理者として劇場を運営する高崎財団に派遣され、副館長に就任。劇場の予算などの事務を担当していた。
 館長の菅田明則容疑者(66)は市など出資のラジオ高崎の代表取締役社長で高崎財団の副理事長。市の文化事業などに関わり、企画力と人脈を高く評価した富岡市長の意向もあり昨年十二月に館長に就任した。
 落札した電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)は富岡市長の後援会連合会の幹事長。高崎商工会議所の副会頭など商工団体の要職に就く。高崎観光協会では同容疑者が理事長、菅田容疑者が副理事長を務める。
 菅田、阿久沢両容疑者は富岡市長を政策面や後援会活動などで支える存在で、佐藤容疑者は劇場の整備、運営で菅田容疑者を補佐する立場としてそれぞれ関係を深めたとみられる。三人とも地元の高崎高校OBという共通点もあった。
 富岡市長の支援者の一人で、市の政財界を知る関係者は「(菅田容疑者は)前市長の時代から市の施策に関わっていたが、富岡市長になって重用された。優秀だが、芸術劇場への関与には市や経済関係者から『少しやり過ぎでは』という声も聞いた。逮捕には驚いたが『やはり出たか』という思いもある」と話した。
2019年11月20日 東京新聞
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 実は、2019年11月22日付で当会会員らが次の3件の情報開示請求を行っていました。
〇行政文書公開請求書「市長臨時会見録音」ZIP ⇒ 201911221sjisj.zip
〇行政文書公開請求書「入札調書等」ZIP ⇒ 201911222sjidj.zip
〇行政文書公開請求書「コンプライアンス室など」ZIP ⇒ 201911223sjirvcaxj.zip

■このうち2番目の開示請求「入札調書等」についても、12月6日付で高崎市の契約課と会計課から返事がありました。結果はなんと、ふたつとも「不存在決定」通知書です。理由は、警察に行政資料をことごとく押収されたので、手元にないので不存在だ、というのです。高崎市役所では電子ファイルでは文書・資料を保管していないのだそうです。

*****不存在通知書(契約課)*****ZIP ⇒ 20191202_0002_sm.zip
                        第241-3号
                     令和元年12月 2日
           行政文書不存在決定通知書
請求者
    小川 賢   様
                      高崎市長 富岡 賢治
 令和元年11月22日付で請求のありました行政文書について、当実施機関において保有していないため、高崎市情報公開条例第11条第2項の規定により、行政文書の不存在の決定をしましたので通知します。)
<公開請求に係る行政文書の内容又は件名>
高崎芸術劇場の入札を巡る官製談合が報じられていますが、これに関して、当該入札に関する一切の情報(入札公示、入札図書類―式(契約書様式および入札仕様書、特記事項など入札に係る付属文書等を含む)、入札調書、落札者の契約書、市による検収調書、その他、入札資格設定根拠がわかる情報も含む)。
<行政文書が存在しない理由>
警察に書類が押収されているため
<事務担当課>
財務部 契約課 電話番号 027-321-1279
<備考> -
注 この処分に不服がある場合には、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に実施機関に対し審査請求をすることができます。また、処分があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に高崎市を被告として(高崎市長が被告の代表者となります。)前橋地方裁判所に処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があつたことを知った日の翌日から起算して6か月以内であっても、処分の日から1年を経過すると訴えを提起することはできません。)。なお、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決の送達を受 けた日の翌日から起算して6か月以内であれば、処分の取消しの訴えを提起することができます。


*****不存在通知書(会計課)*****ZIP ⇒ 20191202_0004vsm.zip
                        第243-1号
                     令和元年12月 2日
           行政文書不存在決定通知書
請求者
    小川 賢   様
                      高崎市長 富岡 賢治
 令和元年11月22日付で請求のありました行政文書について、当実施機関において保有していないため、高崎市情報公開条例第11条第2項の規定により、行政文書の不存在の決定をしましたので通知します。)
<公開請求に係る行政文書の内容又は件名>
高崎芸術劇場の入札を巡る官製談合が報じられていますが、これに関して、当該入札に関する代金が全額支払い済であることがわかる情報。
<行政文書が存在しない理由>
警察に書類が押収されているため
<事務担当課>
財務部 会計課 電話番号 027-321-1278
<備考> -
注 この処分に不服がある場合には、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に実施機関に対し審査請求をすることができます。また、処分があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に高崎市を被告として(高崎市長が被告の代表者となります。)前橋地方裁判所に処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があつたことを知った日の翌日から起算して6か月以内であっても、処分の日から1年を経過すると訴えを提起することはできません。)。なお、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決の送達を受 けた日の翌日から起算して6か月以内であれば、処分の取消しの訴えを提起することができます。
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 そのため、12月10日15:21に高崎市役所の契約課に電話をしたところ、たらいまわしのあげくに、吉井課長補佐(女性職員)が応答したので、「本当に全部押収されたのでしょううか、何と何を押収され、何と何が押収対象から外れたのか、把握しているでしょうから、それを示してください」というと、「今回の小川さんの開示請求の対象情報の項目からすると入札関連ということなので、それは実際に、高崎芸術劇場にかかる入札関連情報として、入札図書、入札調書、契約書など本件以外のものも、本当に全部警察に押収されており、手元にありません」とのことでした。

 それに対し当会では「しかし、電子ファイル化しているはずですし、写しも保管しているはずで、各職員のPCのなかにもデータがあるはずです。それらも出さない、あるいはそれらも存在していないということなのでしょうか」と訊くと、それには答えてもらえず、「書類リストで、なにをもっていかれたのか、はきちんと記録しています。それがないと、警察から書類が戻された際に、漏れがあったら大変だからです」などと説明をされました。

 どうやら、何が押収された書類なのかは、情報開示請求できそうなので、あらためて高崎市役所に対して、それらの開示請求をトライしてみたいと思います。

■臨時会見の内容は、時間のある方はぜひ音声録画を見ていただきたいと存じますが、この官製談合事件で職員2名と後援会幹事長が逮捕されたことを受けて、高崎市の富岡賢治市長は令和元年11月20日(水)午前11時より市庁舎内で臨時の記者会見を行いました。

 当会会員が高崎市に開示請求をした記者会見の様子を録音した情報が、今回、開示されましたが、お隣の前橋市では、市長の記者会見はYouTubeの前橋市のチャンネルに毎回動画投稿されます。しかし、高崎市ではそのようなことは一切していません。

 高崎市民が選んだ(無投票)市長が、市民に対し事件をいかに説明し、職員が逮捕されたことをどのように謝罪するのか、高崎市民でなくても注目するところです。

 会見は記者に向けた会見なので一般市民は会見会場には入れず、 市民は市長の声を聞くことはできません。

 高崎市は、他自治体と比較しても民主主義を前進させるために不可欠な行政情報の公開に非常に消極的な姿勢と感じざるを得ません。

■富岡賢治市長は、会見の中で「ただ・・・」など接頭語を付けて、言い訳ばかりしている印象です。

 残念ながら当会としては、この記者会見で市長らが市民に対して本当に謝罪する気持ちがあるとはあまり感じられませんでした。それよりも「バレちゃった」感が其処彼処に満載している記者会見だと感じました。

 1時間を超す長時間の動画ですが、客観的に見ても、事件に関係していないとはどうしても思えない市長が、言語不明瞭ですが何をしゃべっているのか、読者の皆さんのお時間のある時にごゆっくりお聞きください。

 富岡賢治・高崎市長が、モゴモゴと何を話してるのかよく聞こえないと思いますが、これは当会の録音修復技術をもってしても困難ですので、市長に代わって当会がお詫び致します。

■ 時間がないながらも、市長と陪席幹部職員、および質問する記者側とのやりとりを少し書き出してみました。

*****臨時記者会見(一部)*****
【市長】状況について、まったく警察からも聞いていないので、詳しい経緯がわからない。
今後の起訴内容などからわかるのだろうが、本人らに接触しておらず、我々の立場では調べられない。ただ、コンプライアンスへの取り組みがちょっと甘かったと反省を持っている。高崎市の地方行政でもいろいろ法令上どう考えるべきかという場面が増えてきたが、組織のなかでその審査や相談したり、資料を借りたりする組織を作っていない。自分自身、法改正のときに是非を聞けるラインがなかった経験がある。風紀係というものしかなかった。今この事件の経緯は詳しくは分からないが、反省点と思っており、速やかに対処していこうと思う。
<記者>逮捕を知ったのは)夜の9時か10時だった。それまで全然知らなかった。
【陪席幹部職員】実は、昨日午後9時52分に、高崎警察署から私の携帯に架電があった。内容的には、報道機関のかたがたが報道しているような全く同じ内容で、これから高崎警察署と県警が合同で、高崎市役所および財団、それと芸術劇場に家宅捜索に入るというもの。協力依頼があり、その内容を市長に伝えて警察への協力準備をした。そのとき市長から指示をいただいた。その報告をしたことから、市長が初めて本事件を知ったのだと思います。】
【市長】収賄など、お金がからんでいるのかと最初に非常に心配した。今のところ、詳しい経緯は知らないが、今のところ、それはなさそうだね。それは救いではあるのだろが、だけど、よくないことだからね。どういう背景かは、知らないが、よくないことは良くないことだし、適正化しなければと思います。(→当会注:自分の支援者らが贈収賄でしょっぴかれなくてよかった・・・思わずホンネが出ちゃいましたね)
<記者>市長、それ今何と言ったのか。何の件か。よく聞き取れなかったが。
【市長】えっ?
<記者>聞こえづらかった。何を言いたかったのか。贈収賄のことか。
【市長】あのね。お金がからんでいるのかというふうに、一瞬、そういうことはないのかと心配した。こっちはしらないんだから。突然の話だから、えーっ、贈収賄かな、そういうことでもあったのかと、それ最初に頭をよぎってね。まさかそういうじゃないかなと一瞬心配したけれど、そういうことはどうやらなかったようだ。不確かな情報だが、それは救いというか、それは救いではあるんです。だけど価額を教えることはそれはよくないことだ。どういう経緯があったのか、どういう心理的なものがあったのか、それはわからないけど、あるのか知れないが。それはやっぱりよくないことで、適正化してゆかなければね。
<記者>阿久澤電機が高崎芸術劇場でかかわっているのは、ムービングライト納入だけなのか、それとも、他にあるのか。
【陪席幹部職員】阿久澤電機さんが関わっているのは、このムービングライトの納入に関わったが、ただ、工事でJVの下請け、協力店として関わっているというふうな話は聞いている。
【市長】ムービングライトって、結局それ何なのか。私は聞いたことがない言葉だ。(→当会注:お惚けがお上手)
<記者>照明器具です。
【市長】照明器具って、えーって、それ何ですか。舞台かなにに使うやつですか。(→当会注:お惚けがお上手)
<記者>そうです。舞台のことです。
【市長】市長はそんないちいち一品ずつ見ませんから。何百品目もあるから。そうですよね。(→当会注:市長決裁なら責任がないなんて言えないでしょ)
<記者>こういった形で市職員もそうだし、財団の副理事長の菅田さんが逮捕され、高崎芸術劇場は館長と副館長が逮捕された状況にある。高崎市としては、財団に運営管理委託しているが、トップ二人がいない状況をどう受け止めて、今後どうするのか。
【市長】それはもう困りましたよ。実務はちゃんとやっていけるように人事を含めて、対処していくつもり。いろいろなやり方があるから、当面、課長代行みたいなのを置くのかな。佐藤くんは実務をもっぱらやっていたので、優秀な実務をやれる職員を配置しなければならないと思っている。これは昨日の話だからね。いますぐどうするということはないので。
<記者>すぐになにか支障がでたりとかっていうのは。
【市長】支障はでますよ。だって、いろいろなことが分からなくなっちゃったもの。
<記者>あのう・・・。
【市長】だけど行政には積み上げがあるから、それは簡単にはいかない。大変と言えば大変ですよね。ただ、菅田さんのやったことはアートの部分の、ソフトなことを彼は中心にやっていたから、それはすぐに余人をもってすぐ帰られるという仕事のしかたではない。これは頭が痛い。我々のような事務方ではないので。だけど知恵をだしてやっていく。
<記者>芸術劇場のイメージダウンについては。
【市長】せっかくイメージよくスタートとしたのに、残念だが、劇場の内容そのものに瑕疵があったわけではないので理解していただけると思います。
<記者>以上幹事社からは以上です。各社から自由に質問をお願いします。
<朝日新聞野口記者>260億円もかけて市長が鳴り物入りで作った劇場だが、こういう事件に絡んでどう思うか。
【市長】高崎市が力を入れた劇場でこういうことがあったのはちょっと、残念だ。劇場の基本的な票かは変わることはないとおもう、
<記者>今の時点で公演のキャンセルは。
【市長】そういうことは聞いていない。
<記者>皆さん市長も含め、全部高崎高校のOBだが、高崎高校の人脈がこのようなことになったという思いは?
【市長】全然関係ない。そういう思いは全然ない。高崎高校の同窓生だからといって、仕事なんかをするなどないですよ。それは知り合いだから挨拶は省略することはあるけど。そういうことはないです。あのう私、市長になって9年ですけど、同窓会、同窓だとか、なんとかと仕事をするなんで、見たことないですよ。いや、個人的な付き合いはしているけど。と、私は思っているけど。(→当会注:記者の質問は、高崎高校の人脈がこうしたことになった思いは?というものなのに、全然関係ないという返事はないでしょ。だったら同窓会の懇親会に出席するのみならず、クラス会の会場をハシゴする必要はないのでは)
<毎日新聞記者>企画の中心的人物だった菅田さんが逮捕されたことについて、今後芸術劇場へのダメージは。
【市長】それは悩ましい。まさにダメージと言ってよい。彼はいろいろな意見や評価があるが、ずばぬけていますから。だから館長さんをやってもらった。企画力や人脈、これはもうずば抜けている。それらをすぐ替わりをしてくれる人がいるかと、昨日の今日だから、すぐには思い浮かばない。でもまあ、皆で知恵を集めて乗り切るしかない。当面スケジュールは埋まっている。来週せっぱつまってという状況ではないので。でも、ダメージと言う言葉はぴったりだ。
<記者>菅田さんへの評価が非常に高いが、8年前に市長就任以来、いつからつきあっているのか。
【市長】市長選挙に出る9年半前に、ある人を通じて紹介してもらった。当時はラジオ高崎だったかな。ちょっと癖があるので評価が分かれるが、私は買ったね。
・・・・(中略)・・・・
<東京新聞記者>そうやって菅田さんのことを高く買ったことから、いまになってみると、彼に大部分を丸投げをしたことからこの事件をおこしてしまったという考えは。
【市長】そこまではない。今回逮捕されたのでいろいろな理由があるのだろう。企画でリードしている人が、意見を言えば、それに沿ってやるという世界だったのだろう。それは自ずと組織全体で対応する話だよね。だから、共謀したということが考えにくい。だからもし事実であれば、コンプライアンスがちょっと薄かったかもしれない。我々市役所としても、最近法令などで、法令の解釈が求められる場合が多くなっている。憲法違反にならないか、これ法令上、大丈夫かと。そのときすぐに脇にあって助言する課がない。法規係はあるが、事務系職員がいるだけ。法律に詳しい人材をはいちしているわけではない。だから将来的に弁護士をトップにして、弁護士さんに来ていただいて、コンプライアンス室というものを設けたい。すぐに思いついて、こう思ったことではない。
<記者>今回を機に、ということか。
【市長】そうそう。これだけでなく、行政全体でそういう話が聞けるようにしたい。民間には法務部というのがあるが、市役所にはなかった。これは反省の一つとして、それも身内ではなく外部の弁護士に相談したいと思う。これはすぐに実行したい。なにか分からないことがあったらすぐにその部屋で聞けるように。弁護士には、いつもいられる人を見つけるのは難しいので、嘱託になると思うが。昨日の夜考えた。12月1日付くらいでもしたいと思う。川崎市の場合はトップが弁護士で、配下に法規に詳しい職員を3人ほど付けている。他の課から引き抜いてね。
<記者>今、賠償問題などの裁判はどこがやっているのか。
【市長】企画調整課だ。だけどそれだけでは頼りない。すぐに弁護士に相談する作業は行ってきた。
<記者>コンプライアンス意識が薄いという指摘は財団も含めてか。
【市長】財団を含めて市の職員全体。財団でもあった。3年前にぺデストリアンデッキで反戦の催し物をやるとき、なんでも催し物ならいいのか、一方を規制したら憲法違反か。その議論が起きた。その相談を弁護士にしようとしたができなかったという反省がある。私が判断するとき、私も法学部だけどわからない。そういう組織があればいいと思う。必要だと思う。
<記者>そのコンプライアンス室は行政執行上の法的な疑義のみならず、損害賠償など訴訟になったことにも対応するのか。
【市長】前半のほうだね。訴訟になれば弁護士を起用するので。弁護士に頼む前に場合に尻をするためのコンプライアンス室。事前に注意を喚起すれば今回の事件は止まったかもしれない。公共事業をやるときには、あらためてチェックしてほしいと。担当者として、今回は不正競争防止法や、官製談合防止法など、それらを職員が見ることはないので。(→当会注:高崎市役所を巡り、法律を逸脱する行政行為が非常に多く、あとを絶たないのはやはりそこにあったわけだ。納得)
・・・(中略)
<記者>捜索が入ったのは。
【陪席幹部職員】総務部の職員課、企画調整課、財務部の財政課、契約課、独立課の会計課、それと都市集客施設整備室。私の記憶では3時半ちょっと過ぎに捜索が始まり、終わったのが7時40分、8時ちょっと前だった。
<NHK橋本記者:入札のムービングライトだが、これまで応募したのはムービングライトだけか、ほかにも落札できなかったのか。
【陪席幹部職員】書類は、警察のほうに関係書類を押収されており、記憶だけで答えるかまよっている。
<記者>阿久澤電機がどれくらいかかわっているのか。
【陪席幹部職員】書類関係を全て押収されている。なので、確認できないので、間違ったことをいうと失礼になるので差し控えたい。今の代ではない。高崎市内の電気会社で中心的存在だった。
<記者>いつごろから引き合いはあったか、分からないのか。
【市長】今は2代目だから。先代のころからもう高崎市内でメジャーだ。
・・・後略・・・
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【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


※参考情報「11月29日以降の後の関連報道記事」
**********産経新聞2019年11月29日07:00
高崎市長の後援会、高崎芸術劇場元館長の会社に支出
 高崎市の富岡賢治市長の後援会の平成30年分の収支報告書が公開され、同年1月の「新春の集い」で、高崎芸術劇場元館長の菅田明則容疑者が社長を務めていたラジオ高崎(同市八島町)に映像製作代として約398万円を支払っていたことが明らかになった。
 後援会は、菅田容疑者が起業し、かつて社長を務めていたグラスロード社(同市上中居町)にもパンフレット、チケットの制作代として計約44万円も支払っていた。
 菅田容疑者は逮捕後、劇場館長や、劇場を運営する高崎財団副理事長、ラジオ高崎社長などを辞任した。

**********毎日新聞2019年11月30日
芸術劇場談合で高崎市長が陳謝 「信頼損なう行為」 /群馬
 高崎市の富岡賢治市長は29日、市議会本会議で、高崎芸術劇場の備品入札を巡る官製談合事件について陳謝した。この日の一般質問の前に発言を求めた富岡市長は「市民の行政に対する信頼を著しく損なう行為で、改めて深くおわびします。捜査中で事案の詳細はつまびらかになっていないが、改めるべき点が明らかになれば速やかに対処する」と述べ、頭を下げた。【増田勝彦】

**********毎日新聞2019年12月6日
高崎官製談合 2社を指名停止処分へ 新部署トップに弁護士 /群馬
 高崎市の富岡賢治市長は5日の定例記者会見で、高崎芸術劇場の備品購入を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反容疑などで逮捕された阿久沢茂容疑者(68)が社長を務める阿久沢電機と、菅田明則容疑者(66)が社長だった(11月25日辞任)ラジオ高崎の2社を、指名停止処分とする手続きに入ると明らかにした。処分されれば、2社の市発注指名競争入札への参加が一定期間禁止される。
 また富岡市長は会見で、今回の事件を受けて、市の法令順守体制の強化のために月内に設置する新部署「コンプライアンス室」の概要も示した。弁護士をトップに充てる新部署は、行政執行で法律的な疑義が生じた場合の相談窓口機能や、市の設置する会議体の民間委員などに法令と守秘義務の順守の説明・注意喚起を行うなどと説明した。【増田勝彦】

**********毎日新聞2019年12月7日
官製談合の「高崎財団」 別施設の管理者に 市議会可決へ /群馬
 高崎市議会総務常任委員会で6日、官製談合事件の舞台となった高崎芸術劇場の指定管理者「高崎財団」を、浜川運動公園に新設するテニスコート(同市井手町)の指定管理者に指定する議案が審議された。議案は賛成多数で可決したが、反対意見も出された。本会議でも可決する見通しだ。
 同テニスコートの指定管理者は公募によらない指定。委員会審議で、市側は審査過程の質問について「庁内組織の指定管理者選定委員会で審議して決定した。審議内容は非公開としている」と説明。非公開理由については「管理・運営のノウハウなどを公にすることで申請団体の利益を損なうから」と述べた。
 委員からは、官製談合事件で官製談合防止法違反容疑で逮捕された菅田明則容疑者(66)が同財団副理事長だったことなどを理由に「安直に議案を通すことは抵抗がある」との反対意見も出された。【増田勝彦】

**********上毛新聞2019年12月09日
【新着】芸術劇場官製談合容疑で再逮捕

 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で県警は9日、別の備品でも入札予定価格を漏らしたとして、官製談合防止法違反などの疑いで劇場元館長ら3人を再逮捕した。

**********NHK News Web 2019年12月9日 15時30分
劇場設備めぐる官製談合 ほかの設備も落札させたか 再逮捕

 群馬県高崎市が発注した「高崎芸術劇場」の照明設備をめぐって、高崎市の課長と、業者の社長ら3人が逮捕された官製談合事件で警察は、劇場のほかの設備についても入札の予定価格を業者に漏らし落札させていたとして3人を再逮捕しました。
 再逮捕されたのは高崎市総務部の課長で「高崎芸術劇場」副館長の佐藤育男容疑者(50)と「高崎芸術劇場」元館長の菅田明則容疑者(66)、それに高崎市内の業者の社長、阿久澤茂容疑者(68)の合わせて3人です。
 警察によりますと佐藤課長はことし2月、市が発注した劇場で使うドライアイスで白煙を発生させる装置や延長コードなど一式の入札の予定価格を、菅田元館長を通じて阿久澤社長側に漏らし落札させた官製談合防止法違反などの疑いが持たれています。
 この入札では予定価格が1090万円だったのに対して、阿久澤社長の業者は1070万5070円で受注していたということで、落札率は98.2%でした。
 警察は3人の認否を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、容疑を大筋で認めているということです。
 3人はことし1月ごろ、劇場の照明設備の入札で予定価格の情報を漏らして落札させたなどとして先月、逮捕されています。
 警察は市役所などから押収した資料を分析して、引き続き実態の解明を進めることにしています。

*********朝日新聞2019年12月9日16時09分
高崎芸術劇場の別備品でも談合か、3人再逮捕 群馬県警

今年9月にオープンした高崎芸術劇場=2019年11月19日午前2時47分、群馬県高崎市栄町、松田果穂撮影
 高崎芸術劇場(群馬県高崎市)の照明備品購入をめぐる官製談合事件で、群馬県警は9日、同劇場元館長の菅田明則容疑者(66)=同県安中市安中2丁目、11月25日付で辞任=ら3人を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで再逮捕し、発表した。別の備品購入をめぐる指名競争入札でも予定価格の漏洩(ろうえい)があったなどとしている。
 ほかに再逮捕されたのは高崎市企画調整課付課長で劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市大八木町=と、電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市江木町。県警は認否を明らかにしていないが、捜査関係者によると、3人はおおむね容疑を認めているという。
 高崎芸術劇場は市が約260億円を投じ、今年9月にオープンしたばかり。
 捜査2課によると、劇場建設を所管する市都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者は2月ごろ、市が発注した舞台装置の延長コードやドライアイスマシンなど数十点に関する指名競争入札で、菅田容疑者を通じて阿久沢容疑者に予定価格が1090万円(税抜き)であることを漏らし、落札させるなどした疑いがある。入札には12社が応札し、落札率は98・2%だった。
ここから続き
 また捜査関係者によると、阿久沢容疑者は指名競争入札に参加した同業者に対し、自社よりも高い価格で応札するよう指示していた疑いがあり、県警は複数の同業他社に働きかけていたとみて調べている。
 県警は11月18日、照明備品「ムービングライト」の購入をめぐる入札でも予定価格を漏らし、不正に落札したなどとして今回と同様の容疑で3人を逮捕した。前橋地検は今月9日、3人を処分保留とした。

**********東京新聞2019年12月10日
【群馬】元館長ら3人再逮捕 高崎芸術劇場 官製談合容疑で
 高崎市の高崎芸術劇場の備品発注を巡る官製談合事件で、県警は九日、劇場で使う延長コードの入札でも予定価格を漏らしたなどとして、官製談合防止法違反などの疑いで、劇場の元館長菅田明則容疑者(66)=安中市安中二=ら三人を再逮捕した。三人の認否は明らかにしていない。
 他の二人は、高崎市総務部企画調整課付課長佐藤育男容疑者(50)=高崎市大八木町=と、高崎市にある阿久沢電機社長阿久沢茂容疑者(68)=高崎市江木町。
 再逮捕容疑は共謀し、ドライアイスを使って白煙を発生させる機械や延長コードなどの指名競争入札に際し、佐藤容疑者が今年二月、菅田容疑者を通じて阿久沢容疑者に予定価格を漏らし、二月二十一日、阿久沢電機に落札させたとされる。
 県警によると、漏えいした予定価格は千百七十七万二千円。落札額は税抜き千七十万五千七十円で、税込みでは約千百五十六万一千円となる。
 県警は十一月、今年一月にあった照明の入札で予定価格を漏らしたなどとして、同じ容疑で三人を逮捕した。
◆高崎市長が謝罪「一日も早く信頼取り戻す」
 佐藤容疑者らの再逮捕を受け、富岡賢治市長は九日、「行政に対する市民の信頼を損なったことについて、あらためて申し訳ないというおわびの気持ちを強くしている」と謝罪した。その上で「一日も早く信頼を取り戻し、適切で力強い行政を襟を正して進めていきたい」と語った。
 市議会定例会の会期中で、市長はこの日は午前と午後に常任委員会に出席。その合間に再逮捕を知ったという。
 県警によると、今回も佐藤容疑者から予定価格を聞き出した菅田容疑者が、阿久沢容疑者に漏らす構図とみられる。
 民間出身の菅田容疑者が館長として事件に関与したとされることを踏まえ、富岡市長は「先進的な施策を行っていくには今後も民間の力を活用する必要がある。市職員だけに綱紀粛正するのではなく、市の施策に関わる民間人にもコンプライアンス(法令順守)を徹底するよう取り組んでいきたい」と話した。
 市役所や劇場などでは同日、再度、県警の家宅捜索が行われた。 (石井宏昌)

*****一面記事*****上毛新聞2019年12月10日
高崎談合 3人再逮捕 別の予定価格漏えい 県警 市役所など捜索

押収物を車両に積み込む捜査員=9日午後9時50分ごろ、高崎市役所
 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で、別の高崎市発注の入札でも予定価格を漏えいしたなどとして、県警は9日、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで、同劇場元館長の菅田明則(66)=安中市安中=ら3容疑者を再逮捕した。県警は複数の入札で予定価格の漏えいが繰り返されていた可能性もあるとみて詳しく調べる。
◎落札率98.2%
 ほかに再逮捕されたのは、高崎市課長で同劇場副館長の佐藤育男(50)=高崎市大八木町、電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂(68)=同市江木町=の両容疑者。
 3人の再逮捕容疑は共謀して2月ごろ、市発注の指名競争入札の際、劇場に使用するための延長コードやドライアイスマシンなどの備品数十点について、予定価格1090万円(税抜き)を漏えいし、入札の公正を害した疑い。県警は3人の認否を明らかにしていないが、捜査関係者によると、3人は大筋で容疑を認めている。
 この入札を巡っては、市内の電気工事関係の12社が応札し、阿久沢電機が2月21日、最低価格の約1070万円(同)で落札した。落札率は98.2%だった。
 佐藤容疑者は当時、市の都市集客施設整備室長で、県警は、佐藤容疑者が同劇場に関する備品の予定価格を知り得る立場だったとみている。さらに、最初の逮捕容疑となった1月の照明機材の入札時と同様、阿久沢容疑者に頼まれた菅田容疑者が佐藤容疑者から予定価格を聞き出し、阿久沢容疑者に伝えたとみて、詳しい経緯を調べている。
 前橋地検は9日、最初の逮捕容疑について3人を処分保留とした。県警は同日、高崎市役所や同劇場など関係先を家宅捜索した。
 市職員らの再逮捕を受け、富岡賢治市長は9日、記者団の取材に対し、「市民の信頼を傷つけ、あらためて申し訳ない気持ち。一日も早く信頼を取り戻して適切で力強い行政を進めていきたい」と陳謝した。
=====社会面=====
高崎官製談合 市発注事業に影響力
菅田容疑者 選定委の議論限定的

◎ずさんな選定委員会運営 浮かび上がる…公開請求
 「予算上(ピアノ)6台分確保しているということ」「(ピアノの使用)頻度は少ないかもしれないが、市としての群響に対する姿勢、意向である」―。昨年6月に高崎市役所で開かれた「高崎芸術劇場備品選定委員会」の会合で、元高崎財団副理事長の菅田明則容疑者(66)=官製談合防止法違反などの容疑で再逮捕=はこう述べ、市幹部のように振る舞っていた。上毛新聞が市に選定委の会議録を公開請求したところ、菅田容疑者の市政への影響力の大きさと、市のずさんな委員会運営が浮かび上がった。
 富岡賢治市長が委嘱した、菅田容疑者や群馬交響楽団関係者ら9人が委員を務める選定委の設置要綱や会議録などが9日までに開示された。
 冒頭の菅田容疑者の発言は、高額なコンサート用グランドピアノの導入台数や考え方について昨年6月5日の会合で説明した際のもの。司会は市都市集客施設整備室長だった佐藤育男容疑者(50)=同=が務め、兵藤公保副市長も出席していた。
 菅田容疑者らの逮捕容疑に絡む照明機材や延長コードなど、ピアノ以外の備品については選定委で話し合われることはなかったという。選定委は「十分な性能・品質のある備品の導入に向け、適正かつ公平に審査、選定する目的」で設置されたが、ある委員は上毛新聞の取材に「オンリー、ピアノ(ピアノだけ)だった」と証言。他の備品の購入は菅田容疑者に大きく委ねられており、委員会で限られた議論しかしなかったことが事件を誘発した可能性があるといえそうだ。
 選定委で議論されたピアノ6台(付属品を含め計1億4200万円余り)と照明機材などの備品の購入は、3月に市議会で承認された。
 富岡市長の「側近」「ブレーン」と呼ばれ、文化や芸術の分野では「天の声」といわれるほど市の発注事業に影響力があったとされる菅田容疑者。学生時代、群響の設立や活動拠点となった群馬音楽センターの建設などに尽力した文化人、井上房一郎(1898~1993年)にかわいがられたという。知人の一人は「菅田容疑者は井上になろうとしていたようだった」と指摘した。
◎「市長や市議会 近過ぎた」…高崎財団関係者
 「菅田明則容疑者の意向は市長の意向のようなもので職員は断れない。予定価格を漏らしたなら佐藤育男容疑者も悪いが、菅田容疑者を重用した市長、『待った』をかけられない市議会など近過ぎる関係性が背景にある」。9日までに上毛新聞の取材に応じた高崎財団関係者は事件について、こう“解説”した。
 この関係者によると、菅田容疑者が社長を務めたグラスロード社やラジオ高崎は市関連の催しや出版物を多く手掛けた。細かな要求に応じられる慣れた業者が重宝されると説明。「パンフレットの場合、やり直しが利く業者と、『仕様書で校正2回とあるのでこれ以上やらない』という業者なら、当然前者を選ぶ」とし、身近な関係だからこそ円滑に業務を行える側面もあると明かす。
 人口減少時代を迎えて高崎の魅力を高めて外にPRする姿勢は間違っていないとした上で、「安ければいいなら備品はインターネットで買えばいい。経済が潤うよう地元企業を大事にするか、安さを追求するか、行政も市民も考えなければいけない」と強調した。
◎高崎市役所や芸術劇場捜索 県警
 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で3容疑者が再逮捕された9日、県警は高崎市役所や同劇場などを家宅捜索した。入札に関連する資料を押収したとみられる。
 市役所では午後6時10分ごろから捜査員20人が立ち入り約4時間にわたって捜索を行った。市によると、入札を担当した契約課など6カ所を調べたという。
 同じ頃、同劇場の捜索も開始。スーツ姿の捜査員10人が順次、段ボール箱を運び出した。

**********上毛新聞2019年12月11日
高崎官製談合で給与減案提出へ 富岡市長と兵藤副市長
 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で高崎市職員らが逮捕されたことを受け、富岡賢治市長は10日、自身と、都市整備部に関する事務を所管する兵藤公保副市長の給与減額案を12日の市議会12月定例会本会議に提出する方針を市議会各派代表者会議で示した。
 減額は富岡市長が月給15%で来年1~3月の3カ月間、兵藤副市長は同10%で1、2月の2カ月間。減額総額は67万1千円。

**********産経新聞2019年12月12日07:09
市長・副市長給与減額へ 高崎芸術劇場、談合事件受け
 高崎芸術劇場(高崎市栄町)の備品発注をめぐる官製談合事件で、同市は、富岡賢治市長と事務を所管する兵藤公保副市長の給与を減額する「特別職の給与に関する条例の一部改正案」を12日の市議会12月定例会本会議に提出する。
 減額は市長が月額15%(1~3月)、副市長が同10%(1、2月)で、減額される金額は市長が49万5千円、副市長が17万6千円となる。
 この事件では、劇場整備を担当する市都市集客施設整備室長だった劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)が1月の照明備品に関する指名競争入札で予定価格を業者側に漏らしたとして、県警が11月、官製談合防止法違反などの疑いで佐藤容疑者ら3人を逮捕。今月9日、延長コードの入札でも予定価格を漏らしたなどとして、同容疑で3人を再逮捕した。
 富岡市長は3人の逮捕を受け、「任命権者として監督責任がある」などと述べ、自らの処分についても言及していた。

**********東京新聞2019年12月13日
高崎の官製談合 市長と副市長、給与減額
 高崎芸術劇場(高崎市栄町)の備品購入を巡る官製談合事件で、同市は十二日の市定例議会に富岡賢治市長と兵藤公保副市長の給与を減額する条例改正案を提出し、賛成多数で可決された。
 市長は来年一~三月の給与を15%減額。副市長二人のうち都市整備部を担当する兵藤副市長は一~二月の給与を10%減給する。富岡市長は提案理由について「市職員等が逮捕されたことに対し、市行政の責任者として給与を減額する。市行政に対する信頼を著しく損ねたことについて、あらためて深くおわびする」と説明した。
 質疑では、劇場の指定管理者である高崎財団の元副理事長で元館長の菅田明則容疑者(66)の逮捕を巡り、議員が「(菅田容疑者を)市長が市政運営のさまざまな場面で重用した結果、事件のキーパーソンとなった」として市長の責任を指摘。
 市長は「逮捕された事実に対しては責任を深く感じている」と述べた。
 事件では劇場の整備を担当した市課長で劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)ら三人が、照明器具の指名競争入札を巡る官製談合違反容疑などで先月逮捕(処分保留)され、今月九日には別の備品の入札についても同容疑で再逮捕された。 (石井宏昌)
**********

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【続報】高崎芸術劇場の官製談合事件…厳正捜査と全容解明を望む一太知事の動画スタジオは大丈夫?

2019-11-26 21:09:00 | 高崎市の行政問題
■群馬県の商都高崎で起きた官製談合事件。群馬県は、高崎も前橋も群馬県の全国トップクラスの高い落札率を誇る、いわば談合天国です。今年7月に就任後、動画スタジオ整備に邁進する一太知事ですが、11月20日付のブログ記事で、こんなことを書いています。

○2019年11月20日13:36:一太知事ブログより「高崎芸術劇場をめぐる談合疑惑で3名が逮捕という衝撃!〜厳正な捜査と事件の全容解明を期待する!!」

**********
 朝の新幹線で東京に向かっている。あいたた、右上腕の筋肉が痛い。この「筋トレ疲労」を乗り越えない限り、理想の(?)体型は作れない。頑張らないと!
 高崎市の芸術劇場をめぐる官製談合の疑いで高崎財団副理事長(芸術劇場館長)や市職員を含む3人が逮捕された事件から一夜が明けた。県内の激震は収まらない。地元紙や地元TV、NHKのローカルニュース、大手紙の群馬版も、突然の逮捕劇を大きく報道している。
 辣腕の行政マンとして尊敬する富岡賢治 高崎市長の周辺でこんな事件が起きたことに、少なからぬショックを受けた。昨日の庁議でも定例記者会見でもこの問題に触れ、同じ趣旨の発言をした。
 「とても驚いている。まだ事件の経緯や真相が明らかになっていないので、軽々なコメントは出来ない。が、もし何か不正な行為があったのだとしたら、県警にはしっかり捜査を進め、事件の全容を解明してもらいたい。それが警察の県民に対する責任だと思う。」
 「これは他人事ではない。今回のことを契機に、県としても改めて襟を正してく必要がある!」とも。
 高崎市は県内最大の都市だ。高崎の動向は県全体にも大きな影響を与える。万一、今回の事件の背景に「何かの不正行為の温床(?)となるような構図」が存在するとすれば、この際、しっかりとメスを入れるべきではないかと感じる。
 今後、どんな展開になっていくのかは分からない。が、市民も県民も固唾を吞んで見守っている。多くのひとが納得する決着を期待したい。そうじゃないと、「負の余韻」をズルズルと引きずることになってしまう。
 あ、間もなく東京のアナウンス。
追伸:知事に就任して間もなく4ヶ月。様々な事業の内容をチェックしながら改めて痛感していることがある。それは、「県民(国民)が最も怒りを感じるのは、外から見えないところで税金が不正に使われ、特定の人たちが利益を得ることだ!」と。
 そりゃあ、そうだろう。ほとんどの人たちは、ルールを守って真面目に頑張っているのだから…。
**********

 一太知事に申し上げたいことがあります。

 ブログの追伸で「県民(国民)が最も怒りを感じるのは、外から見えないところで税金が不正に使われ、特定の人たちが利益を得ることだ!」とから「そりゃあ、そうだろう。ほとんどの人たちは、ルールを守って真面目に頑張っている」などとお書きになられていますが、貴殿が設置を推し進めている動画スタジオの機材には、適正に税金が使われ(てい)るのでしょうか?

 なぜなら、オンブズマンとして、検証したくても、県が開示した文書は真っ黒けで、検証できません。何とかしてくださいませんか。
○2019年10月20日:ネット動画発信を目論む一太知事・・・動画スタジオの補正予算1億1684万円の内訳が真っ黒け!!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3058.html







■貴殿の管轄する総務部広報課は、なぜ、真っ黒けの文書しか開示してくれないのでしょうか。おそらくは、広報課の職員が、貴殿に忖度して、オンブズマンには余計な情報を見せないと配慮したのだとは思いますが、よもや貴殿からの指示ではありますまい。

 広報課が我々オンブズマンに開示してくれないため、やむなく、議会向け報告資料を入手しました。これも、情報としては概略に過ぎませんが、すくなくとも、調達する品物の名称が少し記載されています。

*****動画スタジオ(県議会説明用)*****ZIP ⇒ xwiicpj.zip
(1)スタジオ機材購入・設置等      62,225千円
 ①スタジオ機材(撮影・編集・配信)等
 ・撮影
   カメラ5台(スタジオ用3台+取材用2台)、カメラ関係機材
   録画用機材、各種モニター、音声プレイヤー レコーダー 等
 ・編集・配信
   デジタルミキサー1台、PC4台(編集用1台+配信用3台)、
   編集卓、配信システム機器等
 ・照明
   スポットライト台(天釣り/スタンド) 等
 ・付帯設備等
   来庁者向けモニター/スピーカー/アンプ 等
 ②スタジオデザイン等
 ・スタジオデザイン設計費
 ・スタジオ内備品・セット等
 ③その他
 ・スタジオシステム設計・機材設置・回線工事、諸経費 等

(2)スタジオ施設整備          54,615千円
 ①設計・監理委託
 ②設置工事
 ・建設工事(壁・内装・ガラス等)
 ・電気設備工事(幹線動力・電灯コンセント・自動火災報知等)
 ・機械設備工事(空調・ダクト・スプリンクラー等)等
**********

■このうち、特に気になるのは、スタジオ機材購入・設置等に6222万5千円が投入されることです。

 なぜなら、一太知事も衝撃を受けた高崎芸術劇場をめぐるムービングライト一式(5680万円)と延長コード他一式(1070万5070円)を合計した6750万5070円と奇しくも同程度の金額だからです。

 新聞報道によると、高崎芸術劇場に使われているムービングライトは、劇場を管理する高崎財団が見積もった価格がそのまま予定価格になっているのだそうです。おそらく他の備品類も同じように見積もられた可能性が高いと思われます。そしてそれが、官製談合の温床となってしまいました。

 一太知事が整備を進めている動画スタジオも、群馬県広報課に提出された見積書は、どこかの企業が、株式会社REDMusicあてに出したもので、価格の妥当性が担保されているのかどうか、黒塗りで判断がつきません。

 さらにこの株式会社REDMusicの代表取締役の宇佐美友章氏は、一太知事が、群馬県の情報発信や政策立案の強化に向け、外部人材などの活用を検討した結果、2019年8月30人に起用を発表した3人(ネットメディア戦略アドバイザー:REDMusic(東京都)代表の宇佐美友章氏(55)、政策アドバイザー:民間シンクタンク「青山社中」(同)COO(最高執行責任者)の森原誠氏(39)、知事を補佐する新設の首席補佐官:県財政課次長の片貝和晶氏(48))のひとりです。

 これはまさしく富岡賢治市長に取り入った菅田明則容疑者と、よく似た構図ではないのでしょうか。貴殿の身辺が非常に心配です。

 したがって、貴殿に忖度している広報課長に指示して、速やかに黒塗りされた動画スタジオの予算内訳を公表させてください。

 一太知事がブログに書かれたように「県民(国民)が最も怒りを感じるのは、外から見えないところで税金が不正に使われ、特定の人たちが利益を得ることだ!」「そりゃあ、そうだろう。ほとんどの人たちは、ルールを守って真面目に頑張っているのだから…。」という観点からすれば、当会の気持ちを貴殿は速やかに理解してくれることでしょう。

■一方、高崎芸術劇場を巡る官製談合事件のほうは、相変わらず続報記事が紙面をにぎわせております。さっそく11月21日以降の記事をみてまいりましょう。

**********読売新聞2019年11月21日
菅田容疑者 市政に影響
阿久沢容疑者 地元財界の重鎮
高崎芸術劇場 官製談合

 高崎芸術劇場の備品入札を巡る官製談合事件で、逮捕された劇場館長の菅田(すげた)明則容疑者(66)は、高崎市政に影響力のある人物として知られていた。落札した電気工事会社社長の阿久沢茂容疑者(68)も地元財界の重鎮で、ともに市長の側近。阿久沢容疑者への不正な情報提供は、菅田容疑者が市の担当室長だった佐藤育男容疑者(50)に求めたとされ、有力者が入札執行をゆがめた構図が浮かび上がった。
◆2人は多くの肩書を持つ有力者だった
菅田容疑者
 高崎芸術劇場館長
 高崎財団副理事長
 ラジオ高崎社長
 高崎観光協会副理事長
 富岡賢治後援会連合会会長顧問
阿久沢容疑者
 高崎商工会議所副会頭
 高崎観光協会理事長
 県電設協会会長(今月辞任)
 高崎高校同窓会会長
 富岡賢治後援会連合会幹事長
★有力者 入札ゆがめる★
 県警の発表によると、今年1月に行われた高崎市の指名競争入札で佐藤容疑者は予定価格を菅田容疑者を通じて阿久沢容疑者に事前に漏らし、電気工事会社「阿久沢電機」に落札させた疑いがある。同社は落札率98%の6134万円で備品を受注した。
 関係者によると、菅田容疑者と市政の距離が縮まったのは、2011年に引退した松浦幸雄前市長の時代とされる。市内のイベント企画・デザイン会社の創業者として、市が関わるイベントの企画などで才覚を発揮した。
 ハイカラな服装と眼鏡がトレードマークだ。
 富岡賢治市長によると、菅田容疑者との出会いは同年の初当選前だった。「余人をもって代えがたい」(富岡市長)と仕事ぶりを評価されてブレーンとなり、最近は週1回のペースで会っていたという。後援会連合会の会長顧問も務め、幅広い人脈でと井岡市長の3選にも貢献したとされる。
 相談役に退いたイベント企画・デザイン会社は、市勢要覧の制作など市の関連業務も多く手掛ける。商工関係者の一人は、「市中枢と太いパイプがあったが、近すぎる関係への批判も多かった」と話す。
 15年に公益財団法人「高崎財団」の副理事長に就任し、昨年7月に財団が劇場運営の指定管理者になると、開館準備を指揮する立場になった。事件当時、劇場を管理する部署の担当が佐藤容疑者だった。
 一方、阿久沢容疑者は高崎商工会議所副会頭などを務める地元経済界の重鎮。富岡市長の講演会連合会の幹事長として、同じ幹部の菅田容疑者と交流があった。佐藤容疑者が卒業した高崎高校の同窓会会長でもある。
 と井岡市長の秘書も務めた佐藤容疑者は、手堅い仕事で信頼を得て、今年4月に課長職に抜てきされた。市議からは「市長に近い有力者の依頼を断れなかったのではないか」との見方も出ている。

**********朝日新聞2019年11月21日
高崎芸術劇場官製談合事件 3人容疑認める供述
 9月にオープンした高崎芸術劇場(高崎市栄町)の照明備品をめぐる官製談合事件で、逮捕された3人がおおむね容疑を認める供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。劇場館長の菅田容疑者(66)=安中市=は「特殊な照明を設置するため、扱える阿久沢電機に落札させたかった」と話しているという。
 ほかに逮捕されたのは、劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市=と、電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市。両容疑者も「良い劇場にするためだった」という趣旨の供述をしているという。
 劇場建設を所管する高崎市都市集客施設整備室によると、劇場を管理運営する公益財団法人高崎財団側から、チェコ製の照明を使うよう言われ、型番まで指定されたという。菅田容疑者は、高崎財団の副理事長を務めている。
 問題の備品は「ムービングライト」と呼ばれる舞台演出で使う照明。今年1月24日にあった指名競争入札で、阿久沢電機が最低価格の5680万円(税抜き)で落札した。
 整備室の担当者は「演出に関わる設備は財団が専門的な知識を持っており、財団が指定したものを使うことになった」と話す。財団側から、興行上のセールスポイントになるとの説明を受けたという。照明備品のほか、プロジェクターやプラグ類についても財団側からメーカーや型番の具体的な指定があったという。
 市契約課によると、昨年末ごろ入札準備に着手。富岡賢治市長の「地元の会社優先」の方針に沿って、整備室と協議しながら、市内の物品・役務の登録業者約800社の中から電気工事ができる社を選別。入札約2週間前に14社に絞って指名通知を送り、13社が応札したという。
 契約課が決めた予定価格の5800万円は、発注元の整備室が出した購入請求額と同じ。発注元の所管部署の金額通りにするのが慣例で、発注当時に整備室長だった佐藤容疑者はこうした慣例を把握してたとみられる。

*********読売新聞2019年11月22日
高崎劇場談合 財団肥大化 懸念の声
39施設で市指定管理者に

 高崎市の備品入札を巡る官製談合事件の舞台となった高崎芸術劇場は、市が出資する公益財団法人「高崎財団」が指定管理者(注)として運営している。逮捕された3人のうち、劇場館長の菅田明則容疑者(66)が副理事長で、予定価格を漏らしたとされる副館長の佐藤育男容疑者(50)も市からの派遣職員だ。財団は近年、大型施設の指定管理者に相次いで選ばれており、業務の肥大化や市の予算執行の不透明さへの批判も出ていた。
 市によると、指定管理者制度を導入する100施設のうち、財団管理は39施設。2017年に完成した高崎アリーナや今年6月にオープンしたソフトボール専用球場も含まれる。市条例は、指定管理者は公募で選ぶとしているが、劇場運営は例外規定が適用され、公募の無いまま昨年6月に決まった。
 これらを市議会も承認していたが、「財団に集中している」「市の出資法人を指定するのは民間活力の導入という制度の趣旨に反する」といった指摘もある。
 官製談合の対象となった照明備品も、財団がメーカーや品番を特定していたた。ただ、市の予算書には「備品購入費」としかなかったといい、ある市議は「具体的な使途がわからず、議会のチェック機能を果たせない」と批判する。
 財団は、1984年に市が出資して設立された市文化事業団が前身だ。職員約210人のうち、市からの派遣は18人。理事長は元三菱地所社長が務め、副理事2人のうちスポーツ分野は元国立オリンピック記念青少年総合センター所長代理、文化・芸術分野は菅田容疑者が担ってきた。定款上、市に議決権はないが、ともに富岡賢治市長の意向が働いたとみられている。
【注】指定管理者 公共施設の管理運営のために自治体が指定する団体。経費削減などを目的に2003年の地方自治法改正で制度が始まり、民間企業やNPO法人が参入した。業務委託に比べて自由な運営ができ、利用料は自らの収入にできる。県のまとめでは、市町村施設の14%(4月現在)が指定管理者制度を導入している。
★漏えい認める 佐藤容疑者★
 高崎市の官製談合事件で、芸術劇場整備の台頭室長だった佐藤育男容疑者が県警の調べに対し、予定価格を事前に漏らしたことを認めたうえで、菅田明則容疑者を介して電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)に「情報が伝わると思っていた」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。
 問題の入札は、市が1月に指名業者に実施を通知。捜査関係者によると、佐藤容疑者は照明備品の受注に阿久沢容疑者が強い関心を持っていることを知っていたという。
 購入費の上限となる予定価格の情報提供は、劇場館長の菅田容疑者からの依頼を受け佐藤容疑者に求めたとされる。県警は、佐藤容疑者が予定価格漏えいの違法性を認識しながらも、市政に影響力を持つ菅田容疑者の求めを断り切れずに情報を伝えたとみている。
 一方、菅田容疑者を介して情報を得たとされる阿久沢容疑者も、情報源が佐藤容疑者であると「推測していた:」という趣旨の供述をしているという。

**********朝日新聞2019年11月22日
高崎芸術劇場官製談合容疑
副館長「断れなかった:」予定価格漏えい 上下関係影響か

 高崎市で9月にオープンした高崎芸術劇場の照明備品購入をめぐる官製談合事件で、劇場館長の菅田明則容疑者(66)=安中市=から予定価格を漏らすように依頼された高崎市企画調整課付課長で、劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市=が「以前からの付き合いで、依頼を断れなかった」などと供述していることが捜査関係者への取材でわかった。県警は2人の上下関係が事件に影響しているとみて裏付けを進める。
=====両容疑者の職位の経緯=====
【佐藤育男容疑者】【菅田明則容疑者】
2
014年04月【佐藤育男容疑者】市文化スポーツ振興財団へ派遣(企画調整課付係長)
2014年10月【菅田明則容疑者】財団専務理事
2015年04月【佐藤育男容疑者】(課長補佐)
2015年06月【菅田明則容疑者】財団副理事長
2016年04月【佐藤育男容疑者】(課長)
2016年07月         財団名が「高崎財団」に
2017年04月【佐藤育男容疑者】都市集客施設整備室長
2018年02月         「高崎芸術劇場」の名称発表
2018年12月【菅田明則容疑者】高崎芸術劇場館長に就任
2019年01月         照明備品の入札
2019年04月【佐藤育男容疑者】高崎財団へ派遣=高崎芸術劇場副館長に就任(企画調整課付課長)
==========
 捜査関係者によると、佐藤容疑者は動機について、各社の応札価格が予定価格を大量に上回ったり応札業者が少なかったりし、「入札が不調に終わらないか心配だった」とも話しているという。
 証明備品の入札は今年1月24日に実施され、電気工事会社の阿久沢電機(高崎市)が税抜き5680万円、落札率97.0%で落札した疑いがある同社社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市=も今回逮捕されている。
 市によると、地元のFM局の役員などを務めていた菅田容疑者は2014年10月に専務理事として公益財団法人高崎市文化スポーツ振興財団(現高崎財団)入り。翌年から副理事長に就いた。
 佐藤容疑者も同じ14年の4月から3年間、財団に派遣されて劇場の開業準備を担当。文化担当の副理事長だった菅田容疑者は上司に当たる存在だったという。劇場の完成が2年後に迫った17年4月、佐藤容疑者は市役所に戻り、劇場の建設を指揮監督する都市集客施設整備室長に就任した。
 県警によると、佐藤容疑者は書類作成や部下が作成した書類の審査を通じて予定価格を知るうる立場にあった。県警は、佐藤容疑者が市役所に戻った後も、財団示談の上司だった菅田容疑者との上下関係が続いていたとみている。
 劇場の完成を控えた昨年12月に菅田容疑者が館長に、今年4月に佐藤容疑者が副館長に就任。富岡賢治市長は19日の臨時記者会見で、形式上は財団が館長人事を決定するものの、自らが菅田容疑者に就任を打診したことを明かし、佐藤容疑者の副館長人事も「私が決めた」と明言。菅田、佐藤両容疑者について「最高のタッグと思う」とし、菅田容疑者は企画と人脈に、佐藤容疑者は実務に優れていたと高く評価した。
 富岡市長の講演会連合会で、菅田容疑者は会長顧問を務めていた。県警は、富岡市長の選挙を支えた民間ブレーンとして、菅田容疑者は市役所内に強い影響力があったとみて、事件との関連を調べている。

**********上毛新聞2019月11月22日
高崎談合「入札 不調困る」 佐藤容疑者 工期や開館遅れ懸念か
 群馬県の「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された高崎市課長で同劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=同市大八木町=が「(入札で落札業者が決まらない)不調になると困ると思った」などと話していることが21日、分かった。事件当時は既に9月の劇場開館が公表され、市議会3月定例会で入札結果を踏まえた議案の提出を迫られていた。群馬県警は予定価格漏えいの背景に、入札不調や工期の遅れに対する懸念があった可能性があるとみて詳しく調べている。
 これまでの調べで、いずれも同容疑で逮捕された阿久沢電機社長の阿久沢茂容疑者(68)=同市江木町=から依頼を受けた高崎財団副理事長で同劇場館長の菅田明則容疑者(66)=安中市安中=が、佐藤容疑者から予定価格を聞き出したとされる。佐藤容疑者は「(親しい菅田容疑者に)つい言ってしまった」とも話しているという。
 3人の逮捕容疑は共謀して1月ごろ、同劇場の照明設備の備品購入を巡り、同社に落札させようとして予定価格5800万円(税抜き)を漏らし、5680万円で落札させて入札の公正を害した疑い。
 3人は大筋で容疑を認めているといい、菅田容疑者は「劇場を良くするため、海外製の特殊な照明設備を入れたかった」、阿久沢容疑者は「準備したのに落札できないのはしゃくだった」という趣旨の供述をしているという。
 県警によると、備品は劇場に使用されるムービングライト32台。市内の電気工事関係の13業者による指名競争入札で市が発注した。

**********朝日新聞2019年11月23日
仕入れとの差額 利益数千万円か
高崎官製談合事件 容疑の社長

 高崎市で9月にオープンした高崎芸術劇場の照明備品をめぐる官製談合事件で、落札した電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市=が数千万円の利益を得ていたとみられることが、捜査関係者への取材で分かった。県警は阿久沢容疑者らが予定価格と仕入れ額との差益を目的に談合を企てたとみて調べている。
 この事件では、今年1月ごろ阿久沢容疑者が劇場館長の菅田容疑者(66)=安中市=を通じ、当時は劇場建設を指揮監督する都市集客施設整備室長だった副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市=から「ムービングライト」の予定価格を知り、落札率97.9%の5680万円(税抜き)で落札した疑いがある。県警によると、落札額には設置費用も含まれていたという。
 ムービングライトは、様々な方向を照らすライト。3月の市議会特別委員会で佐藤容疑者は「多彩な色の変化や効果を生み出す、現代のステージ演出には欠かせない照明器具」と説明していた。市などによると、劇場を管理運営する公益財団法人高崎財団からはチェコのROBE(ロビー)社製の特定機種を指定され、購入請求額も示された、これがほぼそのまま予定価格になったとみられる。
 今回納入されたのは光を拡散させるウォッシュタイプ16台と、焦点を絞って照らすスポットタイプ16台。東京都内にある販売会社によると、高崎芸術劇場に納入された機種はウォッシュタイプが百~百数十万円、スポットタイプは280万~300万円が相場。さらい捜査には制御装置が必要で、安くても1千万円近いという。単純計算では予定価格の税抜き5800万円を超える額にもなり得るが、捜査関係者によると、仕入れ価格はこれらを大きく下回り、予定価格との差額が数千万円に上るという。
 阿久沢容疑者と菅田容疑者は富岡賢治市長の講演会連合会では幹事長と会長顧問、高崎観光協会でも理事長と副理事長の職にあるなど、日常的に懇意にしていたとされる。
 阿久沢容疑者「経営は良かった」(市長)とされる。捜査関係者によると、菅田容疑者は「特殊な照明を設置するため、扱える阿久沢電機に落札させたかった」と供述。阿久沢、佐藤両容疑者も「良い劇場にするためだった」などと話しているという。県警は、こうした供述などの半面、高額な差益を受けていた実態があるとみて、動機についてさらに詳しく調べている。



<スポットタイプのムービングライトとライトの例>
灯体が動くスポットライトの一例。灯体が300°以上回転し、GOBOやプリズムレンズ等の使用により立体的なシーンと独特の色彩効果が得られる。コンソールからコントロールすることができる。



<ウォッシュタイプのムービングライトとライトの例>無制限の色を作り出し、滑らかな色のミキシング効果を醸し出す。独特の早くスムーズ動きと原色ミキシングシステムで無制限の色を再現可能。コンパクトでしかも極めてパワフル、パフォーマンス照明に不可欠。熱と、ファン騒音が少ないので舞台等での熱も軽減する。コンソールからコントロールすることができる。いずれもHPより

*********上毛新聞2019年11月23日
高崎官製談合
市へ説明要求巡り 議運意見分かれる

 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件を受け、22日に開かれた高崎市議会議会運営委員会で、市に説明を求めるかについて各会派に所属する委員の意見が分かれた。
 労組系の市民クラブ(6人)は「今年3月議会で承認した案件が問題となっている。何らかの行動を起こした方がいいのではないか」と提案。これに対し、自民系の最大会派、新風会(23人)の「石川徹幹事長は「まだ捜査中で執行部に聞く段階ではない」、公明党(5人)の新保克佳政調会長は「慎重に様子を見る必要があり」とした。
 後閑賢二委員長(新風会)は松本賢一議長と対応を協議するとして閉会。取材に対し松本議長は「現時点ではコメントできない」とした。
 議運への参加資格がない協佐藤市議会議員団(2人)の伊藤淳博団長は「本会議の一般質問で説明を求めたい」と話した。
**********

■富岡市長が臨時記者会見で見せた狼狽ぶりを見るにつけ、この事件の背景にはさらに深淵が潜んでいることをうかがわせます。当会はしっかりと奥底まで見届けたいと、会員一同、決意を固めているところです。

 その一環として、11月22日付で当会会員らが次の3件の情報開示請求を行いました。
〇行政文書公開請求書「市長臨時会見録音」ZIP ⇒ 201911221sjisj.zip
〇行政文書公開請求書「入札調書等」ZIP ⇒ 201911222sjidj.zip
〇行政文書公開請求書「コンプライアンス室など」ZIP ⇒ 201911223sjirvcaxj.zip

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【続報】高崎芸術劇場の官製談合事件……なぜ、この事件だけが官製談合だと認定されたのか

2019-11-22 23:57:00 | 高崎市の行政問題
■高崎芸術劇場の官製談合事件の発覚から、5日目が経過しました。全国でもトップクラスの談合体質を有する群馬県(2018年落札率平均95.9%)の中でも、中核市の前橋市(2018年同95.9%)や高崎市(2018年同99.1%)はさらに落札率平均の高い自治体となっております。したがって、高崎市の体質から言えば、官製談合は日常茶飯事とみられるのに、なぜ、今回の案件だけが摘発されたのでしょうか。極めて不可解です。

阿久澤電機株式会社本社。
住所:〒370-0006群馬県高崎市問屋町2-4-6、電話番号:027-362-3457、ファクス:027-363-4172、URL:http://www.viento-takasaki.or.jp/company/akuzawa/、代表EMAIL:soumu@akuzawa.co.jp、代表者名: 阿久澤茂、創業:大正8年5月、設立:昭和23年4月、従業員数:26人、資本金:3,300万円、本社:群馬県高崎市問屋町2-4-6、事業内容:電気工事・電気通信工事・消防施設工事・管工事・水道施設工事・土木工事・制御盤等の設計製作

ZIP ⇒ vvd.zip


 阿久澤電機株式会社の昨年からの入札結果・落札情報について、不十分ながら検索してみたところ、次の案件をヒットしました。

○2019年07月04日公示
「高崎市防犯カメラ・ごみステーション見守りカメラ賃貸借」
※【ごみステーション見守りカメラ設置事業とは】
 ごみの適正な排出の推進並びに資源物の持ち去り及び不法投棄等の抑止を図るため、平成27年から「高崎市ごみステーション見守りカメラの設置及び運用に関する要項」を制定し、地域住民からの要望に基づき、ごみステーション見守りカメラを設置している。平成27年度設置台数63基、平成28年度251基、平成29年度149基、平成30年度142基。(末尾の参考情報も参照)

落札日2019年07月18日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/税抜き価格3,423,596円

○2019年08月03日公示
「単独公共 単独街路事業(改良)道路照明設置工事分割2号 高崎(都)3.3.8 高崎駅東口線高崎市上中居町地内」

平成30年度高崎土木事務所管内優良工事表彰/平成30年度群馬県建設工事表彰(所長表彰-3)https://www.pref.gunma.jp/07/k053_00021.html
落札日2018年08月21日
群馬県庁/指名競争入札/金額不明

○2019年04月02日公示
「剣崎浄水場1号・2号ろ過流量計更新工事」
落札日2019年04月17日
高崎市役所(上下水道事業水道局経営企画課)/指名競争入札(指名8社:阿久澤電機㈱、関東企業㈱、クシダ工業㈱、㈱コイケ、東栄電工㈱、針谷工事㈱、藤田エンジニアリング㈱、㈱ヤマト高崎支店)/予定価格11,930,000円・最低制限価格10,072,000円/落札価格11,700,000円(落札率98.07%)

○2019年02月01日公示
「延長コード他」
落札日2019年2月21日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/金額10,705,070円

○2019年02月02日公示
「ムービングライト」
落札日2019年01月24日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/落札価格56,800,000円

○2019年08月06日公示
「島野監視所監視盤交換工事」
落札日2018年08月23日
高崎市役所(上下水道事業水道局経営企画課)/指名競争入札(指名8社:阿久澤電機㈱、関東企業㈱、クシダ工業㈱、㈱コイケ、東栄電工㈱、針谷工事㈱、藤田エンジニアリング㈱、㈱ヤマト高崎支店)/予定価格9,020,000円・最低制限価格7,466,000円/落札価格8,750,000円(落札率97.00%)

○2018年08月18日公示
「平成21年度少額工事(電気関 係)請負単価契約
落札日2009年04月01日?
日本原子力研究開発機構(JAEA)※茨城県内/随意契約/契約金額不明

○2018年07月23日公示
「高崎市立高崎経済大学付属高等学校屋内運動場照明設備改修工事」
落札日2018年08月07日
高崎市役所(財務部契約課)/指名競争入札(指名15社:㈱アイテク、阿久澤電機㈱、㈱アクロスエンジニアリング、金井電気工事㈱、クシダ工業㈱、群商電設㈱、㈱群馬ケイテクノ、㈱小谷野電気、佐藤工業㈱、サンセイ電設㈱、新生電設㈱、㈱神明電気、城北電気工事㈱、㈱セイモー、東栄電工㈱、藤田エンジニアリング㈱、宮島電気工事㈱、㈱ヤマト高崎支店)/予定価格17,650,000円・最低制限価格15,065,000円/落札価格17,300,000円(落札率98.01%)

○2018年07月05日公示
「高崎市防犯カメラ・ごみステーション見守りカメラ賃貸借」
落札日2018年07月19日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/落札価格2,825,800円

○2018年03月05日公示
「高浜長寿センター(仮称)建設電気工事」
落札日2018年03月19日
高橋市役所/指名競争入札/落札価格不明

 上記のように高崎市役所発注の電気関係の請負工事案件では、いずれも指名競争入札で、金額規模によって8社ないし15社が指名され、落札率は97.00~98.07%で応札各社は、いずれも僅差で札を入れており、次善の調整をうかがわせます。

 また、今回、官製談合として摘発された「ムービングライト」は、高崎市役所のHP「入札結果」https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014012001410/ によりますと、「工事・コンサル」「業務委託」「物品・賃貸借」のカテゴリーのうち「物品・賃貸借」に分類されます。
※参考URL「平成31年度物品担当入札結果一覧 令和元年11月1日現在」
https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014012001410/files/bunyuusatukekka20191101.pdf
ZIP ⇒ bunyuusatukekka20191101.zip
※参考URL「平成30年度物品担当入札結果一覧」
https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014012001410/files/bunyuusatukekka2018.pdf
ZIP ⇒ bunyuusatukekka2018.zip

 このうち、阿久澤電機が2019年1月24日に落札した「ムービングライト」は、高崎市都市集客施設整備室が担当部署として、同日まとめて行われた次の入札会の案件の一つとして開札が行われています。なお、価格はいずれも税抜きです。

<平成31年1月24日>
No.92「コンサートグランドピアノ1一式」日本ピアノホールディング㈱ 69,800,000円
No.93「コンサートグランドピアノ2一式」㈱高崎楽器38,020,000円
No.94「コンサートグランドピアノ3一式」㈱雪草楽器24,400,000円
No.95「アップライトピアノ一式」㈱高崎楽器11,850,000円
No.96「指揮台他一式」㈱オカダ楽器7,780,000円
No.97「ムービングライト一式」阿久澤電機㈱ 56,800,000円
No.98「プロジェクター一式」クシダ工業㈱ 33,125,000円
No.99「プラグ、コネクタ類一式」群商電設㈱ 30,146,300円
No.100「舞台用各種備品一式」ワイルカンパニー㈱ 4,687,000円
No.101「家具備品9一式」㈱タカサキトミタ12,411,000円

 これ以前にも、高崎芸術劇場向けと思しき物品調達案件が、平成30年12月20日にまとめて入札会が実施されています。

<平成30年12月20日>
No.74「高所作業車一式」ワイルカンパニー㈱ 6,660,000円
No.75「譜面台一式」日本ピアノホールディング㈱ 5,648,000円
No.76「ピアノ付属品一式」㈱音響楽器1,319,452円
No.77「ピアノベンチ一式」㈱オカダ楽器1,149,200円
No.78「家具備品1一式」㈱タカサキトミタ14,400,000円
No.79「家具備品2一式」㈲近藤金庫店13,540,680円
No.80「家具備品3一式」㈱イシダ10,396,500円
No.81「家具備品4一式」㈱中林精良堂9,759,000円
No.82「家具備品5一式」㈱トミタ商会5,516,000円
No.83「家具備品6一式」㈱アサヒ商会3,834,000円
No.84「家具備品7一式」㈱倉賀野事務器2,439,000円
No.85「家具備品8一式」㈱みなとや2,330,100円

 また、今年2月7日にも、都市集客施設整備室により、まとまった案件の入札会が行われました。

<平成31年2月7日>
No.125「ワゴン一式」㈱サトカタ3,150,000円
No.126「コンテナ一式」片庭銅鉄㈱ 2,960,000円
No.127「高所作業台一式」ワイルカンパニー㈱1,264,000円
No.128「バレエ、ダンス用品一式」㈲近藤金庫店7,498,400円
No.129「フォークリフト1台」トヨタL&F群馬㈱高崎営業所1,130,000円

 翌々週の2月19日にもまとまった入札会が行われました。

<平成31年2月19日>
No.132「演奏者椅子一式」㈱オカダ楽器962,000円
No.133「チェロ演奏台一式」㈱高崎楽器550,000円
No.134「無線機器類一式」コロナ電機㈱ 875,000円
No.135「延長コード他一式」阿久澤電機㈱ 10,705,070円

 さらに2日後と、その2週間後にも次の案件の入札会が開かれました。

<平成31年2月21日>
No.136「演奏者椅子一式」日本ピアノホールディング㈱ 12,430,000円
No.137「椅子、長机1一式」㈱タカサキトミタ12,700,000円
No.138「椅子、長机2一式」㈱高崎大気堂8,958,000円
No.139「パワーアンプ一式」㈱サウンド・エコー9,900,000円
No.140「空調機器一式」今井電機㈱ 5,377,000円
No.141「ラック、コンテナ、収納器具一式」片庭銅鉄㈱ 8,600,000円
No.142「大型ワゴン一式」㈱倉屋1,295,000円

<平成31年3月7日>
No.155「清掃用品一式」㈱倉屋2,103,650円
No.156「収納器具一式」㈲近藤金庫店3,189,800円
No.157「トレーユニット他一式」㈲近藤金庫店698,800円
No.158「脚立、ラッシングベルト一式」㈱環境保全センター6,280,000円
No.159「空圧工具類一式」㈱セキチュー3,999,000円
No.160「変圧器、製作工具他一式」片庭銅鉄㈱ 2,500,000円
No.161「舞台工具一式」片庭銅鉄㈱ 1,350,000円

 その1、3週間後にも次の入札会が開かれました。

<平成31年3月14日>
No.163「工具類1一式」片庭銅鉄㈱ 2,140,000円

<平成31年3月28日>
No.164「オフィス家具1一式」㈱みなとや16,000,000円
No.165「オフィス家具2一式」㈱トミザワ11,000,000円
No.166「移動棚、ロッカー他一式」㈲テラダ文具7,200,000円
No.167「書棚一式」㈱タカサキトミタ7,350,000円
No.168「ミキサ類他一式」群商電設㈱ 12,400,000円
No.169「マイクロフォン類一式」㈱サウンド・エコー5,900,000円
No.170「映像機器類一式」サンセイ電設㈱ 4,600,000円
No.171「PAシステム一式」宮島電気工事㈱ 3,500,000円
No.172「パソコン、プリンター類一式」㈲近藤金庫店3,138,800円
No.173「除雪用品一式」やなぎや農機638,000円
No.174「ケーブル類他一式」㈱セイモー10,878,000円
No.175「ワイヤレス送受信機他一式」クシダ工業㈱ 4,800,000円
No.176「グランドピアノ一式」日本ピアノホールディング㈱ 1,686,300円

■そして令和になっても、入札会が続きました。

<令和元年5月30日>
No.15「PC周辺機器他一式」㈱高崎大気堂716,700円
No.16「防災備品一式」㈱小澤忠商店4,000,000円
No.17「保安備品一式」安全基材㈱ 454,200円

<令和元年6月6日>
No.22「1、テーブル、椅子一式」㈱タカサキトミタ9,481,200円
No.23「2、ロッカー、収納機器他一式」㈲近藤金庫店4,729,800円
No.24「3、椅子、スツール、ゴミ箱他一式」㈱タカサキトミタ4,280,000円
No.25「5、コインロッカー、スツール他一式」㈱タカサキトミタ5,899,200円
No.26「6、収納機器他一式」㈱みなとや2,010,000円
No.27「7、折りたたみテーブル、椅子一式」㈱高崎大気堂4,864,000円
No.28「4、傘たて、ベルトパーテーション他一式」㈱倉屋3,387,560円
No.29「8、展示パネル一式」片庭銅鉄㈱ 10,496,000円
No.30「14、ラック、小物ロッカー他一式」㈱倉屋2,010,000円
No.31「16、電動事務機器他一式」㈱高崎大気堂68,000円
No.32「12、収納ケース、ごみ箱他一式」㈱倉屋2,223,625円
No.33「17、コーン、脚立他一式」㈱倉屋684,720円
No.34「防災安全備品他一式」高橋ベルト㈱ 580,000円
No.35「9、家電類一式」㈱フジイ電機426,700円
No.36「20、魔法瓶、アイロン一式」今井電機㈱ 721,600円
No.37「10、食器類一式」㈱サクライ805,052円
No.38「11、託児室・授乳室備品一式」㈱島田教材社877,000円
No.39「15、カーテン・ブラインド一式」㈱いさごや664,000円
<令和元年6月20日>
No.51「事務机、椅子等一式」㈱みなとや5,330,000円
No.52「可動式書庫一式」㈱みなとや7,130,000円
No.53「パソコン及び周辺機器一式」㈲近藤金庫店998,900円
No.54「ディスプレイ他一式」コロナ電機㈱ 5,178,000円
No.55「ケーブル類一式」クシダ工業㈱ 1,300,000円

■さて11月21日にも、高崎芸術劇場を巡る新たな報道がなされました。

**********上毛新聞社2019年11月21日06:00
高崎官製談合 会社に予定価格が書かれたメモ 設計価格から類推か
 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された群馬県高崎市江木町、阿久沢茂容疑者(68)が社長を務める阿久沢電機から予定価格が書かれたメモが見つかっていたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。県警はいずれも同容疑で逮捕された高崎市課長で同劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=同市大八木町=から高崎財団副理事長の菅田明則容疑者(66)=安中市安中=へ、菅田容疑者から阿久沢容疑者へと、電話などの手段で予定価格が伝えられた可能性があるとみて捜査している。
 捜査関係者によると、同社が入札時に市に提出したとみられる資料の中に、市幹部らしか知り得ない予定価格が書かれたメモが入っていた。
 さらに、当時、予定価格を決める際の参考となる設計価格を把握できる都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者が、長年の職務経験から設計価格が予定価格と同額になると知っていた可能性が高いことも判明。予定価格を知りうる立場ではなかったが、予定価格は設計価格と同額だった。
 3人の逮捕容疑は共謀して1月ごろ、同劇場の照明設備の備品購入を巡り、同社に落札させようとして予定価格5800万円(税抜き)を漏らし、5680万円で落札させて入札の公正を害した疑い。
 3人は大筋で容疑を認めているといい、菅田容疑者は「劇場を良くするため、海外製の特殊な照明設備を入れたかった」、「この製品を取り扱っている阿久沢電機が受注できるようにしたかった」という趣旨の供述をしているという。
 県警によると、備品は劇場に使用されるムービングライト32台。市内の電気工事関係の13業者による指名競争入札で市が発注した。
【激震 高崎官製談合 -下-】
公平、透明 確保進むか
 高崎芸術劇場(高崎市)を巡る官製談合事件で問題となっている予定価格の漏えい。事前の価格公表は発注側と業者の癒着防止に有効とされ、同市は公共工事などの分野で導入している。
■入札後も非公表
 だが、 今回のような備品類の場合、「業者間の競争を阻害する恐れが生じる」として、 入札終了後も予定価格を非公表としている。地理的条件や対象物の構造がその都度異なる工事と違い、 物品は毎年継続して発注する場合が少なくなく、公表すれば次年度の予定価格が類推できてしまうためだ。今回の事件で発注した劇場の照明設備「ムービングライト」は毎年発注する性格のものではない。ただ、同市契約課は「物品として扱われる以上、市が定める規定を順守する必要がある。個別対応はできない」と打ち明ける。
 予定価格の扱いは自治体によって判断が分かれる。太田市は入札制度の透明性確保を重視。備品の入札について、入札後に予定価格、入札のあった業者名、応札価格をホームページで公表している。2006年に同市発注の下水道工事の入札業者選定を巡る贈収賄事件を受け、こうした対応に取り組んできたという。
■「検証へ公開を」
 群馬大社会情報学部の小竹裕人準教授(公共政策論)は、備品購入に関する入札予定価格が事前も事後も非公表であることについて、「入札状況が分かなければ落札率などが比較できず、検証もできない。情報は公開すべきだ 」と指摘している。
 入札の公平性と透明性をどう保つか。ある自治体の関係者は「備品を発注する担当課の職員であれば、だいたいの予定価格は分かってしまう。行政職員にはコンプライアンス(法令順守)の徹底が求められている」と述べた。
 高崎市の富岡賢治市長は19日の記者会見で、「組織としてコンプライアンスへの取り組みが甘かった 」と陳謝。外部の弁護士を入れて、 市役所内の法令順守を見直す新たな部署「コンプライアンス室」を設置する方針を示した。事件をきっかけに、 行政刷新に向けた動きは本格化するのか。市民は注視している。

ムービングライトが使われているとされるスタジオシアター。黒を基調とした内装が特徴

**********上毛新聞2019年11月21日
三山春秋
 期待を踏みにじる異例の事態である。9月に開館したばかりの高崎芸術劇場が官製談合事件の舞台となり、市職員ら3人が逮捕、送検された。
▼高崎市が発注した同劇場の照明設備品の入札予定価格を業者に漏らした同劇場の照明設備品の入札予定価格を業者に漏らしたなどの疑いという。全容解明はこれからだが、とりわけ衝撃的だったのは、容疑者が同劇場の運営を取り仕切る館長、副館長、そして高崎財界の幹部であることだ。
▼市が260億円を投じ建設した同劇場は、「音楽のある街高崎」にとって、極めて重要な役割を担う施設である。高崎には終戦直後に誕生した群馬交響楽団、市民による多額の寄付を基に立てられた群馬音楽センターの歩みをはじめ、音楽、文化に関わるかけがえのない歴史がある。
▼同劇場は、その蓄積、先人の精神を引き継ぎ、発展させる新たなシンボルとして整備された。3人の逮捕は、その活動の第一歩を踏み出してわずか2か月後のことだった。
▼富岡賢治市長は記者会見で「事実ならば、行政への信頼を損なう行為で、深くおわびしたい」と述べ、法令順守の意識が薄かったとして、専門部署の設置を示唆した。
▼そうした対応は不可欠である。加えて、高崎の代表的な都市集客施設とするために、もっとも重要なのは何なのか、もう一度原点に立ち返り、体制を含め歴史への意識のあり方を問い直す機会としてほしい。
2019・11・21

**********NHK News Web 2019年11月21日18:04
談合事件 劇場舞台の機械も落札
 高崎市が発注した「高崎芸術劇場」の照明の購入をめぐり高崎市の課長と業者の社長らあわせて3人が逮捕された官製談合事件で、この業者が、同じ時期に、市が発注した劇場の舞台で使う機械など一式を落札していたことがわかり、警察などは詳しいいきさつを調べています。
 高崎市総務部の課長で「高崎芸術劇場」の副館長の佐藤育男容疑者(50)は、市の都市集客施設整備室長だったことし1月ごろ、市が発注した「高崎芸術劇場」の照明の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を劇場の館長の菅田明則容疑者(66)を通じ、市内の業者の社長の阿久澤茂容疑者(68)に漏らしたなどとして官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されました。
捜査関係者や市によりますと、阿久澤社長の会社は、佐藤副館長が市の室長だったことし2月にも市が発注した劇場の舞台で使う延長コードやドライアイスを発生させる機械など一式の購入をめぐる入札で1070万円余りで落札していたということです。
 高崎市によりますと、この入札は予定価格を公表していないということで、警察は高崎市役所などから押収した資料を分析するなどして詳しいいきさつを調べています。
 また高崎市も、今後、入札の経緯について調査したいとしています。
**********

■上記の11月21日の報道を見ると、やはり違和感を禁じ得ません。

 とくにNHKの報じたニュースでは、「この業者が、同じ時期に、市が発注した劇場の舞台で使う機械など一式を落札していたことがわかり、警察などは詳しいいきさつを調べています」としており、「捜査関係者や市によりますと、阿久澤社長の会社は、佐藤副館長が市の室長だったことし2月にも市が発注した劇場の舞台で使う延長コードやドライアイスを発生させる機械など一式の購入をめぐる入札で1070万円余りで落札していたということです。高崎市によりますと、この入札は予定価格を公表していないということで、警察は高崎市役所などから押収した資料を分析するなどして詳しいいきさつを調べています」とあります。

 前掲のとおり、阿久澤電機ではNo.135「延長コード他一式」阿久澤電機㈱ 10,705,070円を落札し受注しています。しかし、ムービングライトにしても、この延長コードやドライアイス霧装置にしても、メーカーから購入して、それを現場で据え付けて、配線をしたうえで最終調整をすれば、どの電気設備会社もやれないことはありません。

 今回は、高崎市役所の職員が価格を電話などで連絡したのを、業者の阿久澤電機側がメモにして残してあった、という捜査関係者からの情報をNHKが報じました。しかし、そのような情報を得たら、記憶しておくのが対応として自然だと思われます。もちろん、そうした情報を事前に入手するのはいけませんが、官製談合の場合は、市側かわ予定価格など入札情報が伝えられるため、当事者はメモなどつけないはずです。もし、捜査関係者の話が本当であれば、阿久澤電機ではこれまでもずっとそのような方法で、市側=発注者側からの情報を記録していたことになり、まさか、でっち上げ捜査で、「メモ」を捏造したはずはないでしょうが、違和感を禁じ得ません。

■もうひとつ気になることは、高崎市の情報隠蔽体質による、情報発信の極端な消極性です。

 上記の記事にもありましたが、2006年に不祥事を起こした太田市は「太田市は入札制度の透明性確保を重視。備品の入札について、入札後に予定価格、入札のあった業者名、応札価格をホームページで公表」していますが、高崎市は確かにHPを見ても、備品(=物品・賃貸借)の調達に関して、「入札予定価格」を、事前も事後も公表していません。

■そのため、当会では、会員らが手分けをして、次の情報開示請求を高崎市に行いました。

 その第1弾は、事件捜査のため警察が未明に家宅捜索を行った11月19日火曜日の午前11時より1時間ほど、市長・副市長・総務部長・職員課長ら5名により、記者クラブに向けた会見を開いた状況を調べるために、次の内容で開示請求をしたことです。

*****行政文書公開請求書1*****ZIP ⇒ 201911221sjisj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
2019年11月19日に開催された市長・副市長・総務部長以下数名の会見の音声録音データのすべて
**********

 第2弾は、入札予定価格をはじめ、入札で交わされる文書一式の開示請求です。

*****行政文書公開請求書2*****ZIP ⇒ 201911222sjidj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
高崎芸術劇場の入札を巡る官製談合が報じられていますが、これに関して、当該入札に関する一切の情報(入札公示、入札図書類一式(契約書様式および入札仕様書、特記事項など入札に係る付属文書等含む)、入札調書、落札者の契約書、市による検収調書、代金が全額支払い済であることがわかる情報、その他、入札資格設定根拠がわかる情報も含む)。
**********

 そして第3弾は、高崎市のコンプライアンス欠如行政の被害を被っている会員による、コンプライアンス室設置に関連した公開請求です。

*****公文書公開請求書3*****ZIP ⇒ 201911223sjirvcaxj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
(1) 報道によると貴殿は今回の不祥事(官製談合)を受けて12月初めにも設立る予定のコンプライアンス室(仮称)に弁護士を1名?顧問とする意向のようだが、どのような方法で選出するのか?
(2) また貴殿は、そのコンプライアンス室(仮称)に職員3人を充てる予定らしいが、どのような基準で選任するのか?
(3) 貴殿は記者会見で、元貴殿の秘書だった職員の佐藤容疑者のことを「まじめで大変優秀な職員」と高く評価しているが、この理由を具体的にわかりやすく説明されたい。
(4) 貴殿は記者会見で、貴殿の分身とか影武者などとも呼ばれている菅田容疑者を「発想や企画力、人脈にずばぬけていた」と高く評価し「登用したことは正しかったと思う」と正当性を強調しているが、これらの理由を具体的にわかりやすく説明されたい。
(5) 貴殿は記者会見で、後援会幹部の阿久沢容疑者について「バランスの取れた人物」と高く評価しているにもかかわらず、同容疑者の逮捕により「今後きちんと脇を固めていく」と語ったが、今後はどのような人物で脇を固めるつもりなのか、具体的にわかりやくす説明されたい。
(6) 今回の不祥事で貴殿は 19日に本件不祥事の謝罪のための臨時記者会見をしたが、いまだにその模様を動画や記事にして、高崎市のHP上に掲載していないのはなぜか。また、これに関連して、広報課に対し、高崎駅の東口デッキのヤマダ電機の大きなモニターを借り切って、謝罪会見の模様を放映するなど、高崎市長としてひろく謝罪の姿勢を市民にアピールする意向はあるか。
(7) 請求人は、「老健太陽の宮下CM」や「ようざん堀江」、「ようざん安江」らと共に、志田登長寿社会課長に対し、「じゃんけんぽん金井渕サ ービス提供事件」に関して「継続的かつ包括的支援」についてお願いしましたが、志田登課長が、請求人の母(岩崎クニ子86・歳・要介護4 .身体障害者1級)に対して、どの様な支援を実施したのかがわかる一切の情報。
(8) 志田登課長は、「じゃんけんぽんサービス提供拒否事件」に関して、群馬県庁介護高齢課・黒石洋介係長殿から、「令和1年9月2日」及び「令和1年11月8日」の2度わたり、介護保険法第5条2項に基づく「必要な援助及び適切な助言」を受けていますが、群馬県から助言を受けた志田登課長は、「じゃんけんぽん金井渕サービス提供拒否事件」について、どのように対応したのかがわかる一切の情報。
(9) 請求人は、介護保険法に逆行する志田課長の振る舞いについて、相談したいのですが、コンプライアンス室(仮称)は、いつ頃から機能するのかが分かる情報。
(10) 2019年1月23日に志田登課長は「ケアサポートようざん藤塚」に、公用車を用いて出かけました。その際に、請求人の母から「じゃんけんぽん金井渕サービス提供拒否事件」について相談を受けて会議を実施しました。つきましては志田課長が、2019年1月23日に「ケアサポートようざん藤塚」に行ったことがわかる一切の情報(会議議事録、公用車運行等を含む)。
**********

■以上3つの弾を高崎市長あてに提出しました。どういった反応があるのか、慎重に見守って参りたいと存じます。また、高崎市役所には、スピーディーに対応してもらいたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「高崎市の防犯カメラ・ゴミ見守りカメラの件」
**********高崎新聞2015年12月4日
防犯カメラ・見守りカメラ343台稼働に

犯罪抑止とマナーアップ向上に
 高崎市は、全市的な犯罪抑止を目的した防犯カメラ280台と、ごみ排出のマナーアップを進める「ごみステーション見守りカメラ」63台を設置し、このほど運用を始めた。
 大阪府で不審者が子どもを連れ去り殺害にいたる事件が発生するなど、地域防犯への対策が求められており、防犯カメラが犯罪抑止や事件解決に役立つことから、高崎市は地域の要望箇所の通学路や公園等に、防犯カメラを設置した。
 また併せて、ごみの排出マナーが悪くて困っている町内のごみステーションに見守りカメラを設置し、マナーの向上を進めていくことになった。
 カメラ設置場所には、「カメラ作動中」と設置者の高崎市を示したステッカーが掲示されている。
 モニター監視は行わない。画像の録画期間は防犯カメラが7日間、ごみステーション見守りカメラが14日間で、画像データは自動的に上書きされる。画像の閲覧には専用ソフトとパスワードが必要で、運用管理はプライバシー保護に配慮する。
**********



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【続報】高崎芸術劇場の官製談合事件……高崎市長が新設するというコンプライアンス室のいまさら感

2019-11-21 23:49:00 | 高崎市の行政問題
■11月18日に公にされた高崎芸術劇場を巡る不祥事件は、19日未明の県警の家宅捜索を経て、20日の新聞や放送でさらに詳しく報じられました。その中で気になるのは、富岡市長の側近中の側近が3名とも送検されたにもかかわらず、自らは「(市職員の佐藤容疑者の)監督責任」と、「影武者」や「天皇」と呼ばれいつもアポなしで会っていた菅田容疑者を同劇場の指定管理団体の副理事長にした任命責任は認めたものの、選挙で支援を受けた高崎高校同総会長でもある老舗の電気設備会社社長の阿久沢容疑者への道義的責任については、記者会見で触れず仕舞いでした。

2019年1月26日(土)15:47、第117回群馬県立高崎中学校・高崎高等学校同窓会における役員改選で、満場一致で新会長に選任され、挨拶する阿久澤茂容疑者。この10カ月後、逮捕送検されるとは誰一人予想し得なかった。筆者もいまだに半信半疑。真相をぜひとも語ってもらいたい。

 さらに噴飯モノなのは、今回の官製談合事件を受けて、来月12月に、弁護士を顧問にして、職員3人による「コンプライアンス室(仮称)」を設置すると、11月19日に市役所で開いた緊急記者会見で発表したことです。ほとんど無法状態も同然の高崎市政であり、いまさら、という感のコンプライアンスですが、弁護士に、例えば、仮に富岡市長と同窓の長井友之弁護士(たかさき法律事務所)を顧問に迎えた時には、いったいどうコンプライアンスを担保するつもりなのでしょうか。同弁護士については、弁護士会に懲戒請求を出したこともある当会としては、富岡賢治市長が、どのような弁護士を顧問に起用するのか、大きな関心事です。

■それでは、本日11月20日のこの事件の報道記事を見てみましょう。

**********上毛新聞2019年11月20日
官製談合疑いで3容疑者逮捕 オープン直後 高崎芸術劇場に激震

(上)高崎芸術劇場から段ボールを運び出す捜査員=19日午前5時50分ごろ (下)高崎市役所から段ボールを運び出し、車に積み込む捜査員。約50人態勢で行った=19日午前7時45分ごろ

職員らの逮捕を受け、記者会見する富岡賢治高崎市長(中央)ら
 群馬県高崎市の文化施設「高崎芸術劇場」で使う照明設備の同市発注の指名競争入札に際し、予定価格を漏らしたなどとして、群馬県警捜査2課と高崎署は19日までに、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで、高崎財団副理事長の菅田明則(66)=安中市安中=ら3容疑者を逮捕した。県警は同日、市役所や同劇場、高崎財団など関係先を家宅捜索し、資料などを押収。詳しい犯行の経緯や3人の関係性などを詳しく調べている。高崎市長の側近3人の逮捕劇は、関係者に衝撃を与えた。(一部地域既報)

 ほかに逮捕したのは、高崎市課長で同劇場副館長の佐藤育男(50)=高崎市大八木町、阿久沢電機社長の阿久沢茂(68)=同市江木町=両容疑者。
 3人の逮捕容疑は共謀して1月ごろ、同劇場の照明設備の備品購入を巡り、同社に落札させようとして予定価格5800万円(税抜き)を漏らし、5680万円で落札させて入札の公正を害した疑い。県警は3人の認否を明らかにしていない。
 県警によると、備品は劇場に使用されるムービングライト32台。市内の電気工事関係の13業者による指名競争入札で市が発注した。
 3人はいずれも高崎高のOB。菅田、阿久沢両容疑者は長年の知人とされ、佐藤容疑者も菅田容疑者と親しい仲だったという。
 捜査関係者らによると、3人は大筋で容疑を認めているといい、菅田容疑者は「劇場を良くするため、海外製の特殊な照明設備を入れたかった。この製品を取り扱っている阿久沢電機が受注できるようにしたかった」という趣旨の供述をしているという。
 市内では、限られた業者しかこの照明を取り扱っていないとされ、菅田容疑者は阿久沢電機が受注できるよう、同市都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者に価格を教えるよう働き掛けたとみられる。
【激震 高崎官製談合 -上-】
「市民の信頼損なう行為」
 席についた富岡賢治市長の目はうつろで、いつになく言葉は弱弱しかった。高崎芸術劇場館長や市課長ら3人の逮捕から一夜明けた19日の記者会見。落胆の色を隠せない様子の富岡市長は「(3人の容疑が)事実であればよくないこと。行政に対する市民の信頼を損なう行為であり、深くおわびしたい」と頭を下げた。
◆順法意識薄く
 事件の一員にコンプライアンス(法令順守)の意識が薄かったことを挙げ、外部の弁護士をトップに置く「コンプライアンス室(仮)」を12月にも創設する意向を示唆。任命責任を認め、自身への処分も検討していることを明かした。
 信頼を寄せていた側近に裏切られた形だ。富岡市長は初出馬した2011年の市長選を控え知り合った菅田明則容疑者を「企画力と人脈がずばぬけている。アイデアマンであり、アーティスト」と評価。雌雄施設の管理運営を担う高崎財団の副理事長に登用し、同劇場の館長を依頼した。
 民間出身のやり手社長がトップからの〝お墨付き〟をもらったことで、存在感はさらに強まった。ベテラン市議の一人は、社長を務めるラジオ高崎など菅田容疑者の関わる企業が市からの仕事を受けるケースが増えている印象を受けるという。
◆絶対の影響力
 「菅田さんに話を通さなければ仕事を受けられないという話も聞く。天の声である彼の頼みを一職員が逆らえるはずがない」と同市議。
 一方、市課長の佐藤育男容疑者は富岡市長の秘書を務めていたこともあり、富岡市長は「仕事の処理が早く、確実でしっかりしている。人柄もいい」として同劇場副館長を任せた」という。
 同劇場は文化や芸術を発信する施設として、市が約260億円を投じてJR高崎駅東口に整備し、9月に開館したばかり。ある市職員は「誘客に向けてこれからという時で、最悪のタイミング」と肩を落とす。
 会見で何度も「残念」という言葉を使った富岡市長。同劇場や高崎アリーナの建設を推し進め、どのようなイベントを開催するのかと言った企画を一手に担っていた菅田容疑者や、自身の後援会幹部の阿久沢容疑者の逮捕によって今後の施策にどこまで影響が出るのか。4月の市長選で24年ぶりの無投票で3選した富岡市政が、揺れ動いている。

 3期目の富岡市政に激震が走った。市の中枢を担っていた側近3人が逮捕されるという非常事態に、県内最大都市の高崎市は、今度も魅力を高めていくことができるのか。影響は計り知れない。(次回から社会面)
=====社会面1=====
菅田容疑者ら3人送検 高崎官製談合

(左)うつむいて送検される菅田容疑者=19日午後1時すぎ、前橋署 (中)硬い表情で送検される佐藤容疑者=19日午後0時40分ごろ、高崎署 (右)前橋地検に向かう車内でかがみ込む阿久沢容疑者=19日午後1時ごろ、前橋署
 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反などの容疑で逮捕された高崎財団副理事長、菅田明則容疑者(66)=安中市安中=ら3人は19日の送検時、硬い表情を崩さなかった。
 他に送検されたのは、高崎市課長で同劇場副館長の佐藤育男(50)=高崎市大八木町=と、阿久沢電機社長の阿久沢茂(68)=同市江木町の両容疑者。
 佐藤容疑者は同日午後0時40分ごろ、高崎署を車で出た。灰色スエット姿で表情を変えず、少しうつむいた様子だった。
 菅田、阿久沢両容疑者は同日午後1時ごろ、前橋署から送検された。菅田容疑者は黄緑色ジャージー姿でややうつむき、目を伏せていた。阿久沢容疑者は顔を隠すようにかがみ込んでいた。
★3人を知る関係者 菅田容疑者「面倒見良い人」 佐藤容疑者「仕事は献身的」 阿久沢容疑者「人まとめる力」★
 菅田明則容疑者は出版社勤務などを経て都市開発やまちづくりなどの企画課医者、グラスロード社を高崎市で創業した。1997年開局の県内初のコミュニティFM放送局、ラジオ高崎の創設に参画するなどして、松浦幸雄前市長時代から市政での存在感を高めていった。
 2015年5月にラジオ高崎社長となり、同年以降、市のスポーツ・文化施設を管理する高崎財団(旧名・市文化スポーツ振興財団)の副理事長として、富岡賢治市長の最側近の立場を確立。「市内のイベントはほぼ取り仕切っていた」(市内の業者)という。
 菅田容疑者を知る人からは「面倒見の良い人だった」「私利私欲がない印象」との評価がある一方、富岡市長の支持者の間でも手法を嫌って菅田容疑者と距離を置く人がいたという。
 佐藤育男容疑者は1992年に市職員に採用され、秘書課や文化課、同財団派遣などを経て、2017年4月から2年間、都市集客施設整備室長として高崎芸術劇場建設の実務を主導した。9月の劇場開館を前に再び財団に派遣され、副館長となった。
 仕事ぶりは真面目で献身的だったとの評価の一方、犯行に際し、「頼まれて断れなかったのではないか」と推し量る声もある。
 阿久沢電機(同市問屋町)の社長、阿久沢茂容疑者は、市内の電気工事業界で長く中心的な役割を果たす企業のトップとして信頼を得ていた。市内業者からは「人をまとめる能力があった」との声が聞かれた。市サッカー協会理事長も務めていた。
★富岡賢治市長の記者会見★
「任命、監督責任ある」
 ―今回の事件をどう受け止めるか。
 大変驚いた、職員も高崎財団の役員も、高崎芸術劇場の創立に大変献身的に頑張っていたので信じられない気持ち。深くおわびする。コンプライアンス(法令順守)への取り組みが甘かったと反省している。市役所内部に外部の弁護士をトップに置き、「コンプライアンス室」を設けたい。
 ―菅田容疑者はどのような人物なのか。
 劇場の企画を中心でやっていた。企画力と人脈がずばぬけている。市長選に出る9年半前に紹介してもらった。癖のある人だから、いろいろ評価があったが、私は買った。仕事ぶりは余人をもって代えられない。
 彼の存在は大きくなっていることは事実。劇場に有名人を呼ぶのに彼の人脈を使っている。週1回くらい会っていた。館長は財団の中で決めるが、事実上、私がお願いする。私にも任命責任と監督責任がある。
 ―菅田、阿久沢両容疑者は市長の政治活動にも関わっている。
 脇をきちっと固めていくべきだと思う。阿久沢さんはバランスの取れた人。会社の経営状況はよいはず。
 ―佐藤容疑者の仕事ぶりは。
 8年前くらいに私の秘書をやっていた。大変優秀で真面目な人。信じられない気持ち。
 ―予定価格を漏らしてはいけないのは当たり前ではないのか。
 基礎基本で知っていると思う。私は工事とは備品の購入は地元の会社を使えという方針を出している。どこの会社にしろとかは一切言わない。今回のムービングライトは東京にしかなく、いくらで買えるのか分からない。業者に見積もさせる。その時に予算に収まらないと、もっと安くならないの、なんて会話をする。その時に役所はいくらまで出すと言っているの、という会話になると思う。公共事業の時に見積もり合わせをやる。芸術劇場は240億円と議会で決まり、びた一文増やさなかった。予算の範囲内でやるわけだから、担当者は苦労する。今回はどういう会話があったのか分からないが、法令について組織できちっとやっていないと反省した。
 ―劇場は館長と副館長がいない状況。
 速やかに事務ができるよう、人事含めて対処する。
 ―市長も含め、3容疑者全員が高崎高OBだ。
 関係ない。同窓生だからという理由で仕事することはまずないと思っている。
 ―談合防止の対策は。
 手続き的に瑕疵は一つもない。
 ―自身の処遇は。
 考えざるを得ない。報酬カットは覚悟している。
=====社会面2=====
新劇場 衝撃と困惑
1週間連絡取れず 今後も業務粛々と 他にもあるのでは

 9月に開館したばかりの高崎芸術劇場(高崎市)の備品購入を巡る官製談合事件の摘発から一夜明けた19日、市内の各階に衝撃が広がった。官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された菅田明則、阿久沢茂の両容疑者は、市内の各種団体の役員を務めるなど有力者として知られていた。芸術発信の拠点として期待される劇場を舞台とした事件に、市民は困惑の声を上げた。
 阿久沢容疑者は昨年6月から高崎商工会議所の副会頭を務め、任期満了に伴う改選で今月再任されたばかり。副会頭は計4人で、複数の部会や委員会を分対する。同会議所の担当者は「副会頭は出席すべき会議が多い。(阿久沢容疑者を除く)3人ではとても対応できない」と頭を抱える。
 1月には高崎高同総会長にも就任した。同容疑で逮捕された市課長の佐藤育男容疑者を含む3人はいずれも同校OB。同窓会は19日、緊急の役員集会を開き、会長代行を設ける方針を確認した。ある幹部は「この1週間ほどは会長と連絡が取れなかった。立派な方で、逮捕と知って驚いた」と戸惑った様子だった。
 高崎観光協会は阿久沢容疑者理事長、菅田容疑者が副理事長を務めている。トップ2の逮捕という事態を受け、吉井秀広専務理事は「非常に残念。今後の態勢はまだ決まっていない。協会の業務を粛々と進めるしかない」と話した。
 新しい劇場に期待を寄せる市民は落胆した。12月の演奏会チケットを購入した女性(68)は「音響の良いホールができたと聞いて楽しみにしていたのに。こういう事件があると、他にもあるのではないかと疑ってしまう」と話した。10月に劇場を訪れた40代の男性会社員は「素晴らしいホールで感動したばかりだった。ただ、市民の宝であることには変わりない。今後は良い運営をしてほしい」と話した。
 劇場を拠点とする群馬交響楽団の薮原博専務理事は「本拠地を新しいホールに移し、聴衆からのいい音を期待されている。今後もいい音楽を届けることに変わりはない」と冷静に振舞った。
★市役所や劇場 家宅捜索 入札資料を押収★
 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件。県警は19日、高崎市役所をはじめ、事件の舞台となった同劇場など複数個所を家宅捜索した。入札に関わる資料などを押収し、事件の全容解明を目指す。
 高崎市役所の家宅捜索は午前3時50分ごろに始まった。捜査員約50人が続々と庁舎に入り、物々しい雰囲気。入札を担当する契約課などを調べたとみられる。捜索は市職員が出勤する午前8時ごろまで続いた。
 JR高崎駅東口にある同劇場には午前3時55分ごろから捜査員約20人が立ち入り、約2時間にわたって捜索を実施。その後、関係資料など段ボール6箱を運びだした。
 他に3容疑者の自宅や電気工事会社「阿久沢電機」なども捜索した。

**********毎日新聞2019年11月20日 08時44分(最終更新 11月20日 09時54分)
高崎芸術劇場の設備巡り官製談合疑い 市課長、館長ら3人逮捕

高崎芸術劇場=高崎市栄町で、2019年11月19日午前9時58分、増田勝彦撮影

高崎市役所の家宅捜索を終え、押収品を運び出す県警捜査員=高崎市高松町で、2019年11月19日午前7時47分、増田勝彦撮影
 高崎市が発注した高崎芸術劇場の照明設備の入札予定価格を業者に漏らしたとして、群馬県警捜査2課などは18日、同劇場正副館長ら3人を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕した。県警は19日、市役所や同劇場などを捜索、3人を前橋地検に送検した。今後、事件の全容解明に向けて捜査を進める。【神内亜実、増田勝彦】
 逮捕・送検されたのは、同劇場副館長で高崎市総務部企画調整課付課長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市大八木町=と同劇場館長で公益財団法人「高崎財団」副理事長の菅田明則容疑者(66)=安中市安中、電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市江木町。
 逮捕容疑は、3人が共謀し今年1月ごろ、同市発注の同劇場の舞台照明の指名競争入札で、当時劇場整備を所管する市都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者が入札予定価格5800万円(税抜き)を菅田容疑者に漏らし、同月24日実施の入札で阿久沢容疑者に予定価格に近い5680万円(同)で落札させた、としている。県警は3人の認否を明らかにしていない。
 県警によると、入札には13社が参加。予定価格は非公開で市内の電気工事会社が指名されていたという。県警は阿久沢容疑者から予定価格の教示を依頼された菅田容疑者が、佐藤容疑者から価格を聞き出し、阿久沢容疑者に伝えたとみている。
 県警は3人の詳しい関係性や金銭授受の有無についても捜査を進める。
★市長ら幹部に衝撃 法令順守へ来月新組織★
 高崎芸術劇場のオープンからわずか2か月で、同劇場正副館長ら3人が官製談合防止法違反容疑などで逮捕された。総工費約260億円で、国内屈指の音響設備を備えた同劇場。これから世に売り出そうとした矢先の事件発覚に、高崎市幹部は大きなショックを隠せなかった。
 事件を受けて19日に記者会見した富岡賢治市長は「信じられない。事実ならば、行政への信頼を損なう行為で、おわびしたい」と頭を下げた。そして法令順守面の市の態勢不備を認め、12月にも弁護士を入れた「コンプライアンス室」の設置を表明した。
 同劇場は9月20日にオープンしたばかり。
 佐藤育男容疑者は、同劇場整備担当の市の都市集客施設整備室長を2017年4月から努め、今年4月からは同劇場指定管理者「高崎財団」に派遣され、劇場事務方トップの副館長に就任した。
 菅田明則容疑者は、15年6月から高崎財団副理事長、18年12月には同劇場初代館長にも就任。市が筆頭株主のラジオ高崎社長も務めており、その経歴から劇場の事業・企画を取り仕切る立場だった。
 一方、阿久沢茂容疑者は、高崎商工会議所副会頭なども努め、富岡市長の後援会連合会の幹事長でもある。富岡市長は「後援会の役職は離れることにあるだろう。脇を締めて対応していきたい」と述べた。【増田勝彦】

**********朝日新聞2019年11月20日
官製談合容疑 商都に衝撃
高崎芸術劇場 館長ら3人送検

 高崎市で9月に華々しくオープンしたばかりの高崎芸術劇場(同市榮町)が、官製談合事件の舞台となった。逮捕、送検されたのは劇場運営のタクトを振る館長と副館長、そして地元財界の重鎮。3人とも富岡賢治市長の「側近」とみられていた。群馬の商都に驚きが広がった。
★「名士」「エリート」なぜ★
 電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市江木町=は、高崎商工会議所副会頭や高崎観光協会理事長といった高崎財界の要職を務める地元の名士だ。
 民間信用調査会社などによると、経営する「阿久沢電機」は今年創業100年を迎えた県内中堅の老舗。2018年9月期の売上高は約5億7千万円で、受注先は官公庁の元請けが4割強。今年は受注した5件計約1億円はすべて高崎市発注だったという。
 阿久沢容疑者は01年5月から県電設協会長も務めていたが、協会事務局によると任期途中の今月、自ら書面で辞表願を提出。理由は記されていなかったという。職員は「(事件は)寝耳に水でよく分からない」と驚いた様子だった。
 一方、高崎市企画調整課付課長で高崎芸術劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市大八木町=は1992年に市役所入り。富岡市長が初当選した2011年4月から1年間、市長随行秘書を務め、出世の階段を上った。「まじめで夜遅くまで働き、いい仕事をしていた。信頼していただけに残念」と市長。
 17年に高崎芸術劇場建設などと担当する都市集客施設整備室長に就任。今年4月から劇所の副館長として開業を取り仕切っていた。
 市関係者によると、阿久沢容疑者と佐藤容疑者はともに高崎高校サッカー部出身で、OB会やシニア大会にともに出場。懇意にしていたという。
(泉野尚彦、野口拓朗)
★菅田容疑者 「天皇」「影武者」・・・★
 「市長の分身。『菅田天皇』と呼ばれている」
 高崎芸術劇場館長で、公益財団法人高崎財団副理事長の菅田明則容疑者(66)=安中市安中2丁目=を知る関係者は、菅田容疑者をこう評した。富岡市長が初当選した2011年の選挙から支え、市長の民間ブレーンとして知られた存在だったという。
 菅田容疑者は地元のFM局「ラジオ高崎」の社長も務める。1996年の局設立の旗を振った。社長の逮捕について局の担当者は「報道で事件を知り、状況がつかめていない」と困惑を隠せない。今月、高崎商工会議所の常議員に就任。市内の会社経営者は「アポなしで市長と面会するなど、我が物顔の振る舞いに市職員は苦り切っている。市長はなぜ徴用するのか」と話す。高崎芸術劇場の館長就任も、「なぜ市職員ではなく民間人なのか」と市役所内から批判があがったという。
 地元財界関係者によると、菅田容疑者は高崎高校卒。大学を経て市内の出版社に勤務した後、1986年に市内で別の出版社を設立した。市が関係する催しの企画立案にも関わった。今年で30回目を迎えた「高崎音楽祭」は、当初から菅田容疑者を中心に進められてきた。
 松浦幸雄前市長との関りも深く、市のキャッチコピーを作ったり、前市長の演説の原稿を書いたりしていたという。「影武者みたいなことをやっていた」
(張春穎、森岡航平、中村瞬)
★「市民におわび」 給料カット意向 市長★
 富岡市長は19日午前11時から、臨時記者会見を開いた。高崎芸術劇場は約260億円を投じた市長肝いりの大事業。副館長として開業に尽力した佐藤容疑者はかつて市長の秘書として仕え、館長の菅田容疑者と阿久沢容疑者市長の有力支援者。市長は「市民の信頼を損なう行為でおわびする」と頭を下げた。司法当局の判断を待って自らの給料をカットする意向も示した。
 また、市職員の法令順守に対する意識が不十分だとして、来月早々にコンプライアンス強化の担当部署を新設する考えも明らかにした。弁護士を顧問に、職員3人で発足させる予定。
 芸術劇場への影響については「菅田館長は企画力と人脈がずば抜けていたので痛い。みんなで知恵を出していくしかない」と後任人事を急ぐ考えを示す一方、「劇場自体の評価は変わらないと思う」と自信を見せた。
(野口拓朗)

**********産経新聞2019年11月20日
芸術劇場官製談合 「音楽の町・高崎」に衝撃 芸術劇場をめぐる官製談合事件で市長が陳謝

高崎芸術劇場の家宅捜索に入る捜査員ら=19日午前3時57分、群馬県高崎市
高崎芸術劇場の家宅捜索に入る捜査員ら=19日午前3時57分、群馬県高崎市

★市長「評価されている」★
 群馬県高崎市が発注した高崎芸術劇場(同市榮町)の照明備品の指名競争入札をめぐる官製談合事件で、富岡賢治市長は19日、臨時の記者会見を開いて陳謝した。群馬県警に官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された3人のうち、2人は劇場の正副館長。「音楽の街・高崎」をうたう市の新たなシンボルとして9月にオープンしたばかりの劇場のイメージダウンは避けられない。富岡市長は「劇場そのものは評価されているのに、残念」と肩を落とした。(椎名高志)
 逮捕、送検されたのは、市総務部企画調整課付課長で劇場副館長、佐藤育男(50)▽「ラジオ高崎」役員で劇場館長、菅田明則(66)▽阿久沢電機(同市)社長、阿久沢茂(68)-の3容疑者。県警は19日未明に劇場や市役所などを家宅捜索した。
 富岡市長が逮捕を知ったのは18日午後10時過ぎ。佐藤、菅田両容疑者について、富岡市長は会見で「劇場開設に向け、よくやってくれていただけに本当に信じられない気持ち」と述べ、「市民の行政への信頼を損なう行為で深くおわびしたい」と頭を下げた。
 また、「任命権者として監督責任がある」とし、自らに報酬減額などの処分を検討していることも明らかにした。
 菅田容疑者は、市が出資し、劇場を指定管理者として運営する高崎財団の副理事長も務めている。富岡市長は「企画力、人脈にずば抜けたものがあり、余人をもって代え難い存在」と高く評価していた。
 佐藤容疑者は市都市集客施設整備室長を経て、今年4月から高崎財団に派遣され、劇場副館長に就任。こちらも「まじめで大変優秀な職員」(富岡市長)だったという。
 劇場では20日、2020年東京五輪・パラリンピックで市がホストタウンとなるウズベキスタンの文化芸術訪問団の来日公演がある。12月には地元の高崎第九合唱団や同市出身のギタリスト、布袋寅泰さんらの公演が予定されている。
 トップ2人が逮捕される事態に、富岡市長は「困ったことになったが、実務はやっていけるよう人事面を含めて対処したい」と述べた。
 阿久沢容疑者は高崎観光協会理事長、高崎商工会議所副会頭などの肩書きを持つ。同時に「富岡賢治後援会連合会」では幹事長を務める大幹部で、富岡市長との関係は深い。
 富岡市長は「ビジネスで(談合を)やる人ではない。バランスの取れた人だけに残念」とし、「後援会での役職は離れてもらう」と語った。
 事件を重く受け止め、富岡市長は12月にも市にコンプライアンス室を設置する考えを明らかにした。「行政運営のさまざまな場面で法令の解釈が必要になってきた時代に、審査や相談窓口となる組織をつくる」のが狙い。弁護士をトップに数人の職員を配置するという。

**********読売新聞2019年11月20日
高崎芸術劇場 市課長予定価格漏らす
官製談合疑い、館長らも逮捕

 9月にオープンしたばかりの高崎芸術劇場を舞台に、高崎市職員と業者の不透明な関係が浮上した。市が発注した劇場の照明備品の入札で予定価格を業者に漏らしたとして、県警は18日より、劇場の館長、副館長で市課長級職員の男ら3人を官製談合防止法違反などの容疑で逮捕した。課長級職員と共に逮捕された2人は、富岡賢治市長の後援団体に所属し、側近としても知られていた。
 逮捕されたのは、館長で公益財団法人「高崎財団」副理事長の菅田明則(60)(安中市安中)、副館長で市総務部企画調整課付課長の佐藤育男(50)(高崎市大八木町)、市内の電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂(68)(同市江木町)の3容疑者。
 県警の発表によると、3人は共謀し、市が発注した劇場の照明備品購入の市営競争入札で、佐藤容疑者が職務上知り得た予定価格6264万円を、菅田容疑者を通じて阿久沢容疑者に事前に漏らし、今年1月、同社に6134万円で落札させた疑い。3人の認否は明らかにしていない。
 県警によると、この入札には13社が参加。阿久沢電機は卸業者として「ムービングライト」と呼ばれる証明備品32台を納め、設置も請け負った。佐藤容疑者は当時、劇場整備を担当する部署の室長で物品の請求書の作成、審査などを担い、積算価格を把握できる立場にいた。4月からは高崎財団に出向し、菅田容疑者の下で副館長に就いていた。
 一方、富岡市長の後援会事務所によると、菅田、阿久沢容疑者はそれぞれ、後援会連合会の会長顧問、幹事長で、ともに資金管理団体の幹事でもあった。地元経済界でも知られており、菅田容疑者はラジオ高崎の社長で高崎観光協会の副理事長を務める。阿久沢容疑者は県電設協会会長として2017年秋、業務に精励し模範となる人に贈られる褒章も受けていた。佐藤容疑者を含めて高崎高校OBで、阿久沢容疑者は今年1月から同総会長を務めている。
 県警は19日、芸術劇場など関係6か所を捜索した。市本庁舎には午前4時前、捜査員約50人が入り、約4時間にわたり捜索。資料を入れた段ボール箱を運び出した。県警は同日午後、3人を前橋地検に送検した。
★「監督責任ある」 市長が会見★
 富岡市長は10日、緊急の記者会見を開き、「市民の信頼を損なう行為で、深くおわびしたい」と謝罪した。捜査の進展を待って自身の報酬カットを含む関係者の処分を行う考えも示した。
 高崎芸術劇場の館長に後援会幹部でもある菅田容疑者を起用したことについて、富岡市長は「監督責任は(自分に)ある」と認めた。菅田容疑者については「発想や企画力、神武悪がずば抜けている」、同じく後援会幹部の阿久沢容疑者についても「バランスの取れた人物」と、いずれも高く評価していたことを明かした。
★市民や劇場関係者 不信感や驚きの声★
 「音楽のある街」の新たな顔である高崎芸術劇場が官製談合事件の舞台となったことに、高崎市民や劇場関係者は大きなショックを受けている。
 19日、オーケストラ公園のチケット購入で販売窓口を訪れた主婦(56)は「立派なコンサートホールができて、有名なアーティストも来るのに……。こういう不祥事は許せない」と憤り、併設のカフェに来た藤岡市の男性会社員(64)も「ほかにも悪い話があるのではないか。疑ってします」と不信感をあらたにした。
 同劇場を新たな活動拠点としている群馬っ交響楽団の広報担当者も、館長や副館長の逮捕を知って驚いたという。ただ、公園の変更・中止はないといい、「私たちは変わりなく演奏を届けていきたい」と話した。
<高崎芸術劇場>
 地上8階、地下1階建て。2030席の大劇場、県内初の本格的音楽専用ホール、ロックや現劇などに幅広く使えるスタジオシアターの3ホールがある。群馬交響楽団の活動拠点でもある。高崎市が約260億円をかけて整備し、指定管理者の高崎財団が運営している。

**********テレ朝2019年11月20日
高崎芸術劇場談合請け市が専門家交えた新部署設置へ
 群馬県高崎市の高崎芸術劇場の館長らが官製談合の疑いで逮捕された事件を受け、高崎市は法令順守のために弁護士など専門家を交えた新たな部署を設ける考えを明らかにしました。
 高崎芸術劇場を巡っては、市が発注した劇場の照明などの入札予定価格を漏らして入札を妨害したとして、官庁の菅田明則容疑者(66)と副館長の高崎市の職員・佐藤育男容疑者(50)ら3人が逮捕されました。事件を受けて高崎市は今後、同様の事件が起きないよう外部の弁護士などを交えて新しい部署を設けることを検討しているということです。

**********東京新聞2019年11月20日
【群馬】高崎芸術劇場 官製談合疑い 市長の「側近」逮捕に衝撃
県警、劇場や市庁舎を家宅捜索

 高崎市の高崎芸術劇場の照明整備を巡り、官製談合防止法違反などの疑いで同市職員と館長の「ラジオ高崎」役員、市内の電気工事会社の社長が十八日夜に逮捕された事件。九月に華やかにオープンした同劇場や市庁舎に十九日、県警が家宅捜索に入る事態となり、市関係者に衝撃が広がった。館長は、富岡賢治市長が能力を高く評価し抜てきした「側近」で、社長は市長の有力な後援者の一人。こうした関係に「現市政を支える中で関係を深めた」と指摘する声もある。 (石井宏昌、市川勘太郎)

佐藤育男容疑者
 照明の入札予定価格を漏らした容疑で逮捕された市企画調整課付課長の佐藤育男容疑者(50)は二〇一七年度に市都市集客施設整備室長となり、劇場整備などを担当。市によると、劇場の照明備品の入札予定価格を漏らしたとされる今年一月は、整備の実務を担う中心的存在だった。四月、指定管理者として劇場を運営する高崎財団に派遣され、副館長に就任。劇場の予算などの事務を担当していた。

菅田明則容疑者
 館長の菅田明則容疑者(66)は市など出資のラジオ高崎の代表取締役社長で高崎財団の副理事長。市の文化事業などに関わり、企画力と人脈を高く評価した富岡市長の意向もあり昨年十二月に館長に就任した。

落札した阿久沢茂容疑者(本人のフェイスブックから)
 電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)は富岡市長の後援会連合会の幹事長。高崎商工会議所の副会頭など商工団体の要職に就く。高崎観光協会では同容疑者が理事長、菅田容疑者が副理事長を務める。
 菅田、阿久沢両容疑者は富岡市長を政策面や後援会活動などで支える存在で、佐藤容疑者は劇場の整備、運営で菅田容疑者を補佐する立場としてそれぞれ関係を深めたとみられる。三人とも地元の高崎高校OBという共通点もあった。
 富岡市長の支援者の一人で、市の政財界を知る関係者は「(菅田容疑者は)前市長の時代から市の施策に関わっていたが、富岡市長になって重用された。優秀だが、芸術劇場への関与には市や経済関係者から『少しやり過ぎでは』という声も聞いた。逮捕には驚いたが『やはり出たか』という思いもある」と話した。
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法令順守専門部署 設置へ
事件受け市長が謝罪

 富岡賢治市長は十九日、市役所で記者会見し「信じられない気持ちだが、市民の行政に対する信頼を損なう行為で、市民に深くおわびしたい」と頭を下げた。「コンプライアンス(法令順守)に対する取り組みが甘かったという反省がある」と述べ、法令順守に取り組む専門部署を十二月にも設置する考えを示した。
 市長は、佐藤容疑者を「まじめで大変優秀な職員」、菅田容疑者は「企画力や人脈にずばぬけていた」と高く評価し「登用したことは正しかったと思う。それだけに残念だ」と語った。その上で「コンプライアンスの意識が薄かったのかもしれない」と述べ、弁護士を含めた法令順守対策の部署を設置する。今後、佐藤容疑者に加え自身も「実質的な任命権者、監督責任者として重く受け止めている」と述べ、処分を受ける必要に言及した。後援会幹部の阿久沢容疑者の逮捕には「今後きちんと脇を固めていく」と語った。
 高崎芸術劇場は市が二〇一六年から約二百六十億円をかけて整備。地上八階、地下一階で、約二千席の大劇場などがある。市は「音楽と舞台芸術の殿堂」としてアピールしてきた。今回の事件でイメージダウンが懸念され、市長は「大変残念だが、劇場の内容に瑕疵があったわけではないので、市民に理解してもらえると思う」と話した。

**********NHK Web News 2019年11月19日18時14分
談合事件 落札率98%で受注
 群馬県高崎市が発注した劇場の照明の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を業者に漏らして落札させたなどとして、高崎市の課長と業者の社長ら、合わせて3人が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された事件で、業者は落札率およそ98%の価格で受注していたことが分かりました。
 警察は詳しいいきさつや、3人の関係などを調べています。
 逮捕されたのは、高崎市総務部の課長で「高崎芸術劇場」の副館長の佐藤育男容疑者(50)と「高崎芸術劇場」の館長の菅田明則容疑者(66)、それに高崎市内の業者の社長の阿久澤茂容疑者(68)の3人です。
 警察によりますと、佐藤課長は高崎市の都市集客施設整備室長だったことし1月ごろ、高崎市が発注した「高崎芸術劇場」の照明の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を菅田館長を通じて阿久澤社長に漏らしたなどとして、官製談合防止法違反などの疑いがもたれています。
3人は19日、検察庁に身柄を送られましたが、警察はいずれも認否を明らかにしていません。
警察のその後の調べで、照明の予定価格は5800万円だったのに対して、阿久澤社長の業者は5680万円で受注し、落札率は97.9%だったことが分かりました。
警察は詳しいいきさつや、3人の関係などを調べています。
 事件を受けて高崎市の富岡賢治市長は19日、記者会見を開き、市民に謝罪するとともに職員の法令順守を徹底するための対策室を新たに設置する方針を明らかにしました。
 この中で富岡市長は「市民の行政への信頼を損なう行為で、とても信じられない思いだ。市民の皆様にご迷惑をかけたことをおわびしたい」と述べました。
 高崎市によりますと、佐藤容疑者は高崎芸術劇場で予算などの事務を、また菅田容疑者は公演の企画立案などを担当していたということです。
 また、会見で富岡市長は今後、市の職員でもある佐藤容疑者に対する処分を検討するほか、市長自身も何らかの処分を受ける必要があるという考えを示しました。
 そのうえで富岡市長は、来月1日付けで外部の弁護士などから成るコンプライアンスの対策室を新たに設置し、職員の法令順守を徹底する方針を明らかにしました。
 「高崎芸術劇場」は高崎市が平成28年から総額およそ260億円をかけて建設し、ことし9月20日にオープンしました。
 JR高崎駅の東口と専用の歩道でつながっていて、地上8階、地下1階建てで、延べ床面積は2万7000平方メートルあり、3つの劇場を備えています。
 オープンを記念して、メインの「大劇場」では高崎市に拠点を置く「群馬交響楽団」がベートーベンの交響曲、「第九」を演奏し、市民が合唱しました。
 メインの「大劇場」は2030人の観客を収容でき、舞台は間口が28メートル、奥行きが18メートルと国内最大級の広さで、音響効果を生かすため壁が波打つようにデザインされています。
 これらの劇場では、オーケストラのコンサートのほか、大がかりな舞台演出が必要なオペラやミュージカルも上演でき、まちの活性化の起爆剤になることが期待されています。
 オープンに先立って9月13日に報道関係者を対象に行われた内覧会で「高崎芸術劇場」の佐藤育男副館長はNHKの取材に対し「多彩なジャンルのコンサートを発信し、国内だけでなく世界からも足を運んでもらえるようにしていきたい」と述べていました。
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■筆者も今回逮捕された3名の容疑者と同じく高崎高校のOBで、とくに阿久沢茂容疑者とは同期生であり、高校3年の時は同級生でした。今年1月26日に開かれた高崎高校同窓会総会と同期会にも出席し、同容疑者が同総会長に選出された瞬間も目の前で目撃しており、そのあと行われた同期会でも同容疑者の同総会長就任を祝いました。

 筆者は、2003年以降、同期会開催日に日本にいる場合はほとんど同窓会総会と同期会に出席してきました。同容疑者は2003年の時は既に同期会の幹事役として活動しており、高校時代からやっていたサッカーを依然として続けていること、また、音楽としてはサキソフォンの名手で、バンドを組んで演奏会を行っていることを知り、多芸多才な一面に驚かされました。

 そのうえで、大正8年創業の家業の電気設備事業会社を先代から引き継ぎ、社員15名を擁してこれまで営々と操業して社業を発展させてきたのは、社会的な信頼を得ていたからに相違ありません。

 ではなぜ、急転直下、このような状況になったのでしょうか。


2019年1月26日16:42、第117回群馬県立高崎中学校・高崎高等学校同窓会総会後の懇親会で、新会長として800名余りの参加者を前に挨拶する阿久澤茂容疑者。同期のまとめ役として長年多大な貢献をしてきた。



同16:48、同窓会総会後の懇親会で挨拶する富岡賢治・高崎市長。


同日19:11、同窓会総会・懇親会の後、高崎市内で開かれた同期会の宴もたけなわになったころ、ひょっこり現れた橋爪洋介・県議(前議長)を紹介する阿久澤容疑者。橋爪家と阿久澤家は先代から親交があったという。


同日19:18、橋爪議員が去って5分後、入れ替わるように現れた富岡市長。同期には県庁や高崎市等の公務員OBも多く、お酌を求める手が弾む。同様に、僅か2分で隣の宴会場に向かっていった。

■同容疑者は、同期会の際に、後半になると、必ず富岡市長を呼び寄せて参加者に紹介します。これはもう、数年来になるので、富岡市政が始まって間もなくの頃からだと記憶しています。

 最初に、同容疑者が幹事の立場で、富岡市長の講演会への顔出しを同期会参加者に勧めたことがありました。筆者は当初、「富岡市長」というので、なぜ高崎市在住なのに、富岡市の市長と懇意にしているのか、何か特別な縁でもあるのかな、と思ったほどです。

 正直なところ、このような同期の親睦会の責に、唐突に政治家が表れて、挨拶を受けることに違和感を覚えるのは事実です。過去には国会議員の上野公成が現れ、ビールの差し入れがありました。よく考えれば、これは公選法違反を問われかねない行為ですが、筆者を含め誰も違反行為を指摘しませんでした。

■今回逮捕された菅田容疑者は、安中市に自宅があるそうですが、同容疑者をよく知る婦人は「たいへん腰が低くよく話を聞いてくれる人だ」と絶賛しており、なぜこんな事件に絡んだのか、と不思議がることしきりでした。

 筆者も、阿久沢被疑者については、前述のとおり長い付き合いの為、まさか、このような事件に関与するとは想像もつきませんでした。

 なぜなら同容疑者が経営する阿久沢電機の先代社長は、東大卒業後、郷里でやはり家業に従事し、堅実経営をモットーに事業を営み、その結果、阿久沢家として、土地など豊富な資産を保有していたとされています。同容疑者もそれを継承していたことから、今回の事件の報道にあるような、自ら予定価格を知ろうと、同窓でもある市職員に接近したということは、俄かには信じがたいのも事実です。

 むしろ官製談合と報じられている通り、官側からの予定価格のリークがあったとみるべきだと思います。もっとも、今回13社も応札があり、その中で、落札率98%近い効率で落札できたとなると、各社がどのような価格で札を入れたのか、入札調書でぜひ確認しておきたいところです。

■ところで、今回の官製談合の調達対象物となった備品は、ムービングライト32台とあります。ムービングライトとは、色彩・光量・光の方向を、コンピュータによる遠隔操作で高速かつ自在に制御するスポットライトのことで、ヨーク型(ロボットアームで灯具自体を動かす)とミラースキャン型(固定した灯具からの光を可動式反射鏡で制御する)があり、光源には、キセノンランプや白熱電球が使われるようです。

 コンサートや演劇の舞台、テレビスタジオなどで多く使われるため、現代の照明演出において、欠くことのできないデバイスとなっています。従来の一般照明と呼ばれる灯体では、一つのライトが一つの演出効果しか生み出せませんでしたが、ムービングライトは一台でさまざま色の変化や多種多様の演出効果をもたらすことが可能なのが特徴とされています。

 しかも、事前にプログラミングすることで、仕込調整における時間の短縮を実現し、出演者の場当たりやリハーサルに使える時間を従来より多く取れるというメリットがあるためなのでしょうか、菅田容疑者は「劇場を良くするため、海外製の特殊な照明設備を入れたかった。この製品を取り扱っている阿久沢電機が受注できるようにしたかった」という趣旨の供述をしていると報じられています。

 加えて高崎市内では、限られた業者しかこの照明を取り扱っていないとされており、菅田容疑者は阿久沢電機が受注できるよう、同市都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者に価格を教えるよう働き掛けたという見方がされていると報じられています。

 となると、フィクサーは菅田容疑者ということなのでしょうか。市職員の佐藤容疑者は市長の覚え目出度い菅田容疑者からの依頼だとして、抗しきれず、あるいは喜んで、予定価格の漏洩に加担したのでしょうか。また、阿久沢容疑者は、同窓会トップとして、後輩たちの「気配り?」あるいは「忖度?」の結果、予定価格を受動的に知ったのでしょうか。

 しかし予定価格を事前に知っても、入札が不特定多数の業者間で札入れが行われれば、価格を下げるしか受注の道は開けないはずです。

■こうした数々の疑問は、容疑者とされた当事者から真相を聞くしかありませんが、次善の方策として高崎市に対して情報公開請求により地道に関連情報を入手することになりそうです。


2018年3月17日18時から、高崎市内で開かれた「阿久沢茂君の黄綬褒章を祝う仲間の会」で、50名ほど集まった同期生の仲間を前に挨拶する阿久沢容疑者。まさに絶頂期であった。





【市民オンズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報
**********毎日新聞2019年7月31日
ぐるっと首都圏・母校をたずねる
群馬県立高崎高校/9止 伝統を次世代につなぐ 高崎観光協会理事長・阿久澤茂さん /東京


阿久澤茂さん=群馬県高崎市問屋町2で
阿久澤茂さん=1970年度卒
 高崎観光協会理事長で会社社長の阿久澤茂さん(67)=1970年度卒=は群馬県立高崎高(高高(たかたか))の同窓会長を務めています。高校入学と同時にサッカー部に入り、2年生で国体初出場を果たしました。卒業後もサッカーを続けています。同窓会では、若い人の意見も取り入れながら、先輩たちの築いてきた伝統を次世代に引き継いでいくことに意欲を燃やしています。【増田勝彦】
 サッカーとの出会いは64年の東京オリンピックです。中学1年の時で、東京のおばの所に行き、駒沢陸上競技場での試合を見て興味を持ちました。私が通った高崎市立第二中にはサッカー部がなく、高高に入学して早速入部しました。
 サッカー部のある中学から来た新入生は、入学前の春休みから練習に参加し、力に差があったと思います。それでも、たいへんだったと感じたことはありませんでした。
 当時、実業家の井上房一郎さん=15年度卒=が、サッカー部を応援してくれていました。試合が終わると、部員を自宅に招き、出前のカツ丼を全員にごちそうしてくれました。
 また、サッカーを知る先生がいなかったので、夏休みや週末に現役の慶応大サッカー部員だった奥村竜昭さんを呼び、コーチをしてもらいました。最先端の練習法や戦術など、いろいろなことを教えてくれて、サッカーがさらに楽しくなりました。奥村さんとは今でも付き合いが続いています。
 インターハイを終えて3年生が引退し、1年の秋から試合に出させてもらいました。キャプテンだった2年の時は福井国体に初出場しました。
 進学した同志社大工学部は講義が多く、体育会サッカー部との両立は無理で、サッカー同好会に入りました。関西の大学同好会リーグがあり、常に優勝を争っていました。卒業後は、東光電気工事に勤め、家業の会社を継ぐため、79年に高崎に戻りました。
 高崎では、高高サッカー部OBチーム「翠巒(すいらん)サッカークラブ」で30代半ばまでプレーしました。40代半ばからは群馬シニアリーグの「FC西毛」でプレーを再開、2017、18年に監督も務めました。
 高高在学中は、素晴らしい人々に恵まれた環境だったとわかりませんでした。今になって振り返ると、自分の人生観をしっかりと持っている人ばかりでした。先輩は有形無形に私をかわいがってくれ、同級生は応援してくれ、後輩は慕ってくれます。だから人間関係がつながっているのでしょう。
 1月に同窓会長に選ばれましたが、歴代、素晴らしい方ばかりで、気後れしています。同窓会の総会は今年48歳になる卒業生が当番を務めます。一時期は同窓会に出席する人が少なかった若い人たちも、最近は結構参加してくれます。先輩たちが築いてきた伝統を、次の世代につないでいくのが同窓会の役割です。
 伝統を重んずるだけでなく、若い人たちの意見も取り入れ、やりやすいような方策を考えていきたいと思っています。
★OBらの寄付で奨学金給付★

翠巒育英会の定款=群馬県高崎市八千代町2で
 群馬県立高崎高には、同窓会で組織する「翠巒(すいらん)育英会」の奨学金制度がある。OBらの寄付で運営され、返済義務はない。1985年の設立からこれまでに142人が、月額1万円の給付を受けている。
 同高野球部が81年春のセンバツに初出場し、OBらから1億円余の寄付金が集まった。大会後に残った寄付金の一部3000万円を委託された同窓会は基金を作り、全国大会に出るクラブへの補助金として活用された。
 さらに「経済的に厳しい生徒の支援に」と奨学金制度が始まった。「地域からの寄付」との位置づけで、他高の生徒22人にも奨学金が給付された。低金利時代で利息が期待できなくなり、OBからの年間200万円以上の寄付で運営が続けられている。
 奨学金制度が始まった年に入学した静岡大教授、佐々木哲朗さん(50)は「返済が必要な日本育英会の奨学金は月額9000円。そんな中での1万円はありがたかった。最近日本育英会の返済が終わり、翠巒の36万円の重みを改めて感じた」と話す。経済的な理由で若い人たちの可能性を狭めてはいけないと、給付額の倍の72万円を寄付している。

■人物略歴
あくざわ・しげる
 1951年生まれ、高崎市出身。同志社大工学部卒。東光電気工事を経て、阿久澤電機に入社、90年から社長。現在、群馬県電設協会長、高崎観光協会理事長、高崎商工会議所副会頭などを務める。今年1月から高崎高同窓会長。
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高崎芸術劇場が舞台の官製談合事件……落札率ワーストの高崎市で起きた必然性と果たしてこれだけかの疑問

2019-11-19 23:36:00 | 高崎市の行政問題
■昨日浮上した高崎芸術劇場を巡る不祥事件は、まさに舞台で繰り広げられたかのような典型的な官製談合のシナリオです。むしろ、本当にこれだけなのだろうか、という疑問が湧いてくるほどです。今年9月1日・2日にかけて岐阜市で開催された市民オンブズマン全国大会で、高崎市は2018年度で県庁所在地市・中核市における落札率において、2018年度1年間の平均値がなんと99.1%を記録し、2位の豊橋市を1.4ポイント話してダントツにランクされました。ちなみに、前橋市はワースト12位で落札率平均値は95.9%です。また、群馬県も健闘?しており、都道府県ランキングで、1位山梨県97.9%、2位秋田県97.5%に次いで、堂々の第3位にランクインしており、その落札率は95.9%となっています。

9月2日岐阜市で開催されたオンブズマン全国大会の「入札談合調査報告」で発表された、全国県庁所在地市・中核市トータル63市のうち高崎市が落札率トップに輝いた瞬間!


調査対象。

落札率。

群馬県も全国47都道府県中、堂々の落札率3位!

この他、要綱・条例もないまま補助金交付をしている全国でも稀な自治体として、「高崎市」の名が挙がっている。
※2019年市民オンブズマン全国大会資料1(入札・談合) ZIP ⇒ 2019nspidekj.zip

 さて、この事件は公表されたばかりで、全貌や真相は未だに闇に包まれていますが、報道記事を見る限り、2016年から足掛け4年をかけて、総額260億円を投じた事業のうち、舞台用照明設備で予定価格5800万円(税抜き)の部分であることがわかります。これを市内の業者が官側から提供された予定価格を参考に、5680万円(税抜き)で受注し、落札率は97.9%であったことがわかります。

 オンブズマンの定義として、落札率が95%を上回った場合には、談合が強く疑われる案件だと認定しています。その尺度からいうと、明らかに談合の素地が認められます。

 ただし、高崎芸術劇場の構造物のように大規模工事ではなく、照明設備の納入という、いわゆる機材の調達分野での入札ですから、最低価格というものは設定されないはずで、その中で、97.9%という高止まりの落札率であったということは、応札した全部で12社の同業者の間でも、いわゆる話し合い=談合があったとみるのが自然だと思います。

 このあたりのからくりは、今後高崎市への情報公開請求を通じて、真相を追及していく必要があると思います。

■この事件は、11月18日夜、群馬県警が高崎市の職員ら3人の容疑者を逮捕したあと、11月19日の未明から明け方にかけて市役所や高崎芸術劇場を家宅捜索するなど、異例の捜査が展開されました。報道記事や放送内容を見てみましょう。

**********上毛新聞2019年11月19日
高崎財団幹部ら逮捕へ 芸術劇場関連 工事価格漏らした容疑
 高崎市の文化施設「高崎芸術劇場」に関連する同市発注の公共工事を巡り、一部の予定価格などを漏らした疑いが強まったとして、県警が官製談合防止法違反などの容疑で、劇場を管理運営する高崎財団の幹部や市職員ら数人から事情聴取し、逮捕状を請求したことが18日、捜査関係者への取材で分かった。工事関係者も含まれているとみられる。近く逮捕する見通し。
 捜査関係者によると、今年9月に開館した高崎芸術劇場に関連する一部工事を巡り、事前に価格を漏らしたほか、入札の公平性を害した疑いがあるとみられる。
 同劇場は同市が約260億円を投入し、国内最大級の舞台面がある大劇場(約2千席)など三つの主なホールを備える文化施設。
(当会注:11月19日朝刊一面記事なので、この記事を他社に先駆けて掲載した上毛新聞は前日の18日夜、印刷原稿締め切り直前までにこの情報を入手したことになる)

**********NHK News Web群馬2019年11月19日06時15分
高崎芸術劇場で談合か課長ら逮捕
 群馬県高崎市が発注した劇場の照明の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を業者に漏らして落札させたなどとして、警察は高崎市の課長と業者の社長ら合わせて3人を官製談合防止法違反などの疑いで逮捕しました。
 逮捕されたのは、高崎市総務部の課長で「高崎芸術劇場」の副館長の佐藤育男容疑者(50)と「高崎芸術劇場」の館長の菅田明則容疑者(66)、それに高崎市内の業者の社長の阿久澤茂容疑者(68)の3人です。
 警察によりますと、佐藤課長は高崎市の都市集客施設整備室長だったことし1月ごろ、高崎市が発注した「高崎芸術劇場」の照明の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を菅田館長を通じて阿久澤社長に漏らしたなどとして官製談合防止法違反などの疑いがもたれています。
 高崎芸術劇場はことし9月にオープンし、地上8階、地下1階建てで、3つの劇場などを備えています。
 警察によりますと、逮捕容疑となった入札には13社が参加し、阿久澤社長の会社が予定価格に近い価格で落札したということで、警察は高崎市役所などを捜索し、押収した資料を分析するなどして詳しいいきさつを調べています。
 警察は3人の認否を明らかにしていません。
 事件を受けて高崎市の富岡賢治市長は19日、記者会見を開き、市民に謝罪するとともに職員の法令順守を徹底するための対策室を新たに設置する方針を明らかにしました。
 この中で富岡市長は「市民の行政への信頼を損なう行為で、とても信じられない思いだ。市民の皆様にご迷惑をかけたことをおわびしたい」と述べました。
 高崎市によりますと、佐藤容疑者は高崎芸術劇場で予算などの事務を、また菅田容疑者は公演の企画立案などを担当していたということです。
 また、会見で富岡市長は今後、市の職員でもある佐藤容疑者に対する処分を検討するほか、市長自身も何らかの処分を受ける必要があるという考えを示しました。
 そのうえで富岡市長は、来月1日付けで外部の弁護士などから成るコンプライアンスの対策室を新たに設置し、職員の法令順守を徹底する方針を明らかにしました。
 「高崎芸術劇場」は高崎市が平成28年から総額およそ260億円をかけて建設し、ことし9月20日にオープンしました。
 JR高崎駅の東口と専用の歩道でつながっていて、地上8階、地下1階建てで、延べ床面積は2万7000平方メートルあり、3つの劇場を備えています。
 オープンを記念して、メインの「大劇場」では高崎市に拠点を置く「群馬交響楽団」がベートーベンの交響曲、「第九」を演奏し、市民が合唱しました。
 メインの「大劇場」は2030人の観客を収容でき、舞台は間口が28メートル、奥行きが18メートルと国内最大級の広さで、音響効果を生かすため壁が波打つようにデザインされています。
 これらの劇場では、オーケストラのコンサートのほか、大がかりな舞台演出が必要なオペラやミュージカルも上演でき、まちの活性化の起爆剤になることが期待されています。
 オープンに先立って9月13日に報道関係者を対象に行われた内覧会で「高崎芸術劇場」の佐藤育男副館長はNHKの取材に対し「多彩なジャンルのコンサートを発信し、国内だけでなく世界からも足を運んでもらえるようにしていきたい」と述べていました

**********群馬テレビ2019年11月19日(火)14:05配信
官製談合防止法違反で高崎市職員など逮捕 群馬・高崎
 2019年1月、群馬県高崎市が発注した指名競争入札で入札予定価格を漏らしたなどとして、官製談合防止法違反などの疑いで、群馬県警は、18日夜、高崎市の職員ら3人を逮捕しました。
 官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されたのは、高崎市企画調整課付課長の佐藤育男容疑者50歳と、ラジオ高崎社長で高崎財団副理事長の菅田明則容疑者66歳、そして高崎市の阿久澤電機社長の阿久澤茂容疑者68歳の3人です。
 警察によりますと、3人は共謀して、2019年1月、高崎市が発注した高崎芸術劇場で使用する照明備品購入の指名競争入札で、当時、予定価格を知り得る立場だった佐藤容疑者が、菅田容疑者を通じて阿久澤容疑者に入札予定価格を漏らし、1月24日に実施された指名競争入札で、阿久澤容疑者の会社に入札させた疑いがもたれています。
 警察によりますと、佐藤容疑者が菅田容疑者に漏らした予定価格は税込6264万円で、阿久澤容疑者の会社が予定価格に近い税抜5680万円で落札しました。
 高崎芸術劇場は9月にオープンし、菅田容疑者が芸術劇場の館長を、佐藤容疑者が副館長を務めています。
 警察では3人の認否については明らかにしていませんが、19日未明から明け方にかけて市役所や高崎芸術劇場を家宅捜索し、価格が漏れた経緯を詳しく調べています。

**********朝日新聞デジタル2019年11月19日01時01分
高崎市職員ら逮捕 劇場照明の入札予定価格を漏洩容疑

写真・図版群馬県警察本部=2019年10月17日午後0時14分、前橋市大手町1丁目、松田果穂撮影
 群馬県高崎市が発注した劇場の照明備品の入札価格を業者らに漏らしたとして、群馬県警は18日、高崎市職員の佐藤育男容疑者(50)=高崎市大八木町=ら3人を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。
 他に逮捕されたのは公益財団法人高崎財団副理事長の菅田明則容疑者(66)=同県安中市安中2丁目=と電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市江木町=。
 捜査2課によると、劇場建設を所管する市都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者が今年1月ごろ、劇場で使用する照明の指名競争入札で、菅田容疑者を通じて阿久沢容疑者に税抜きで5800万円の予定価格を伝え、予定価格に近い5680万円で落札させ、公正な入札を妨害した疑いがある。
 劇場は今年9月にオープンした。高崎財団は劇場の管理運営を行っており、佐藤容疑者は4月、市から財団に派遣されている。3人は同じ高校の卒業生だったとみられる。

**********TBS News 2019年11月19日4時51分
官製談合で高崎市幹部ら逮捕
 群馬県高崎市にある芸術劇場の照明設備の入札をめぐり、予定価格を漏らすなど不正な入札を行わせたとして、高崎市の幹部ら3人が逮捕されました。
 官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されたのは、高崎市の幹部・佐藤育男容疑者(50)、会社役員の菅田明則容疑者(66)、阿久澤茂容疑者(68)の3人です。
 警察によりますと、今年9月にオープンした高崎芸術劇場の照明設備の入札をめぐり、佐藤容疑者が予定価格を菅田容疑者を通じて阿久澤容疑者に伝えるなど、共謀の上、入札を不正に行わせた疑いが持たれています。この入札は、阿久澤容疑者の電気工事会社が予定価格に近い価格で落札したということです。
 警察は3人の認否を明らかにしておらず、3人の間で金銭の受け渡しがなかったかなど、事件の経緯を詳しく調べる方針です。

**********日刊スポーツ2019年11月19日8時38分
高崎芸術劇場を家宅捜索 群馬県警、官製談合事件
 群馬県高崎市が発注した高崎芸術劇場の照明備品の指名競争入札で入札予定価格を漏らしたなどとして、官製談合防止法違反の容疑で市の課長や劇場館長らが逮捕された事件で、県警捜査2課は19日未明、劇場を家宅捜索した。資料を押収し価格が漏えいした経緯などについて詳しく調べる。
 18日に逮捕されたのは、高崎市総務部企画調整課付課長佐藤育男容疑者(50)、高崎芸術劇場の館長菅田明則容疑者(66)、高崎市にある阿久沢電機社長阿久沢茂容疑者(68)の3人。
 県警によると、1月ごろ、劇場の照明備品の入札予定価格が佐藤容疑者から菅田容疑者に、その後、阿久沢容疑者に伝えられ、阿久沢電機が予定価格に近い価格で落札した。
 高崎芸術劇場はJR高崎駅東口にあり、9月にオープン。ホームページによると「国内最大級の舞台面積と、舞台間口の広さを持つ2027席の大劇場」を備え、音楽や舞台芸術の大型公演に対応している。(共同)

**********日テレNEWS 24 2019年11月19日06:13
官製談合か、高崎市職員ら3人逮捕 群馬
 群馬県高崎市が発注した劇場の照明機材の予定価格を漏らし、入札を妨害したなどとして、市の課長の男ら3人が逮捕された。
 官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されたのは、高崎市・企画調整課付課長の佐藤育男容疑者と、電気工事会社社長の阿久沢茂容疑者、それに、高崎芸術劇場の官庁の菅田明則容疑者。
 警察は19日未明、高崎市役所を家宅捜索した。
 警察によると、阿久沢容疑者は、今年1月ごろ、高崎芸術劇場で使う照明機材の指名競争入札で、予定価格を教えるよう菅田容疑者に求め、菅田容疑者から依頼を受けた佐藤容疑者が価格を漏らして公正な入札を妨害した疑いがもたれている。
 警察は、3人の認否を明らかにしていない。

**********時事ドットコムニュース2019年11月19日01時47分
高崎市課長ら逮捕 官製談合などの疑い―群馬県警
 群馬県高崎市が発注した備品購入の予定価格を漏らしたとして、県警捜査2課などは18日、同市総務部企画調整課付課長で、公益財団法人高崎財団に派遣中の佐藤育男容疑者(50)=同市大八木町=を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の容疑で逮捕した。
 また、予定価格を漏らすよう求めたとして、会社役員で高崎財団副理事長の菅田明則(66)=同県安中市安中=、電気工事会社社長の阿久沢茂(68)=高崎市江木町=両容疑者も同容疑で逮捕した。同課は3人の認否を明らかにしていない。
 佐藤容疑者の逮捕容疑は、高崎市都市整備部都市集客施設整備室長だった今年1月ごろ、同市が発注した高崎芸術劇場の照明購入の指名競争入札で、予定価格を菅田容疑者に教えた疑い。

**********産経新聞2019年11月19日08:55
高崎芸術劇場を家宅捜索 群馬県警、官製談合事件

高崎芸術劇場の家宅捜索に入る捜査員ら=19日午前3時57分、群馬県高崎市
 群馬県高崎市が発注した高崎芸術劇場の照明備品の指名競争入札で入札予定価格を漏らしたなどとして、官製談合防止法違反の容疑で市の課長や劇場館長らが逮捕された事件で、県警捜査2課は19日未明、劇場を家宅捜索した。資料を押収し価格が漏洩(ろうえい)した経緯などについて詳しく調べる。
 18日に逮捕されたのは、高崎市総務部企画調整課付課長、佐藤育男容疑者(50)、高崎芸術劇場の館長、菅田明則容疑者(66)、高崎市にある阿久沢電機社長、阿久沢茂容疑者(68)の3人。
 県警によると、1月ごろ、劇場の照明備品の入札予定価格が佐藤容疑者から菅田容疑者に、その後、阿久沢容疑者に伝えられ、阿久沢電機が予定価格に近い価格で落札した。
 高崎芸術劇場はJR高崎駅東口にあり、9月にオープン。ホームページによると「国内最大級の舞台面積と、舞台間口の広さを持つ2027席の大劇場」を備え、音楽や舞台芸術の大型公演に対応している。
 群馬・高崎市の芸術劇場の備品の入札をめぐって、事前に入札予定価格を漏らした疑いで、高崎市の職員が逮捕された。
 佐藤育男容疑者(50)は、高崎市都市整備部の室長だった2019年1月ごろ、高崎芸術劇場に設置する舞台の照明の指名競争入札をめぐって、業者に入札予定価格を事前に漏らした官製談合防止法違反の疑いが持たれている。
 警察は、芸術劇場の館長と業者側の社長も逮捕し、容疑を裏付けるため、19日未明、高崎市役所を家宅捜索した。

**********FNN Prime 2019年11月19日 火曜 午前6:18
官製談合容疑で市職員逮捕 高崎芸術劇場の備品入札で

 群馬・高崎市の芸術劇場の備品の入札をめぐって、事前に入札予定価格を漏らした疑いで、高崎市の職員が逮捕された。
 佐藤育男容疑者(50)は、高崎市都市整備部の室長だった2019年1月ごろ、高崎芸術劇場に設置する舞台の照明の指名競争入札をめぐって、業者に入札予定価格を事前に漏らした官製談合防止法違反の疑いが持たれている。
 警察は、芸術劇場の館長と業者側の社長も逮捕し、容疑を裏付けるため、19日未明、高崎市役所を家宅捜索した。

**********日本経済新聞2019年11月19日10:15 (2019年11月19日10:36更新)
官製談合容疑で市課長逮捕 高崎芸術劇場入札で館長も

↑高崎芸術劇場の家宅捜索に入る捜査員ら(19日午前3時57分、群馬県高崎市)=共同↑
 群馬県高崎市が発注した劇場照明備品の指名競争入札で入札予定価格を漏らしたなどとして、県警捜査2課は18日、官製談合防止法違反などの疑いで高崎市総務部企画調整課付課長、佐藤育男容疑者(50)=高崎市大八木町=と、高崎芸術劇場の館長で「ラジオ高崎」役員、菅田明則容疑者(66)=同県安中市安中、高崎市にある阿久沢電機社長、阿久沢茂容疑者(68)=高崎市江木町=の3人を逮捕した。
 県警は19日未明に高崎芸術劇場を家宅捜索した。資料を押収し、価格が漏れた経緯を詳しく調べる。
 劇場は9月にオープン。施設のホームページには「上信越・北関東最大級 音楽と舞台芸術の殿堂」と記されている。
 逮捕容疑は、3人が共謀し今年1月ごろ、高崎市が発注した劇場の備品購入の指名競争入札で、都市整備部都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者が非公表の入札予定価格を菅田容疑者に漏らし、1月24日に実施された指名競争入札で阿久沢容疑者の会社に落札させた疑い。
 捜査2課によると、佐藤容疑者が菅田容疑者に漏らした予定価格は5800万円(税抜き)で、菅田容疑者から価格を伝えられた阿久沢容疑者の会社が予定価格に近い5680万円(同)で落札した。同課は3人の認否を明らかにしていない。〔共同〕

**********読売新聞11月19日(火)10時59分
「高崎芸術劇場」整備で談合疑い、館長ら3人逮捕
 群馬県高崎市の文化ホール「高崎芸術劇場」の備品購入に関する市発注の入札を巡り、予定価格を業者に事前に漏らしたとして、県警は18日夜、劇場の館長や副館長ら3人を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の両容疑で逮捕した。劇場は市が約260億円を投じて整備し、JR高崎駅東口に今年9月にオープンしたばかりだった。
 逮捕されたのは、館長で公益財団法人「高崎財団」副理事長の菅田(すがた)明則容疑者(66)、副館長で市総務部企画調整課付課長の佐藤育男容疑者(50)、市内の電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)。
 発表によると、3人は共謀し、市が発注した劇場の照明備品購入の指名競争入札で、佐藤容疑者が職務上知り得た予定価格6264万円を菅田容疑者を通じて阿久沢容疑者に事前に漏らし、今年1月、同社に6134万円で落札させた疑い。佐藤容疑者は当時、劇場整備を担当する部署の室長だった。
 県警は、3人の認否を明らかにしていない。

**********上毛新聞社2019年11月19日 06:00
高崎芸術劇場の備品で官製談合疑い 県警が高崎財団幹部ら逮捕
 群馬県高崎市の文化施設「高崎芸術劇場」で使う備品購入の同市発注の指名競争入札に際し予定価格を漏らしたとして、群馬県警捜査2課と高崎署は18日、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで、高崎財団副理事長の菅田明則(66)=安中市安中=、市職員で同劇場副館長の佐藤育男(50)=高崎市大八木町=ら3容疑者を逮捕した。
 ほかに逮捕されたのは、同市江木町、阿久沢電機社長、阿久沢茂容疑者(68)。
 3人の逮捕容疑は共謀し1月ごろ、同劇場の電気設備備品の購入を巡り、同社に落札させようとして予定価格5800万円(税抜き)を漏らし、5680万円(同)で落札させて入札の公正を害した疑い。県警は認否を明らかにしていない。
 県警によると、当時は同市都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者が求めに応じ、菅田容疑者を経由して阿久沢容疑者に価格を伝えたとされる。
 上毛新聞の取材に、富岡賢治市長は「(職員らの逮捕について)驚いている。行政の信用を欠いて申し訳ない」などと話した。

**********News Daily 2019年11月18日
https://www.youtube.com/watch?v=887EX140hHY
入札の予定価格に関する情報漏らしたか 課長逮捕 群馬 高崎
 群馬県高崎市が発注した劇場の照明の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を業者に漏らして落札させたなどとして、警察は高崎市の課長と業者の社長ら合わせて3人を官製談合防止法違反などの疑いで逮捕しました。
 逮捕されたのは高崎市総務部の課長で「高崎芸術劇場」の副館長の佐藤育男容疑者(50)と「高崎芸術劇場」の館長の菅田明則容疑者(66)、それに高崎市内の業者の社長の阿久澤茂容疑者(68)の3人です。
 警察によりますと佐藤課長は高崎市の都市集客施設整備室長だったことし1月ごろ、高崎市が発注した「高崎芸術劇場」の照明の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を菅田館長を通じて阿久澤社長に漏らしたなどとして官製談合防止法違反などの疑いが持たれています。
 高崎芸術劇場はことし9月にオープンし、地上8階、地下1階建てで、3つの劇場などを備えています。
 警察によりますと逮捕容疑となった入札には13社が参加し、阿久澤社長の会社が予定価格に近い価格で落札したということで、警察は高崎市役所などを捜索し押収した資料を分析するなどして詳しいいきさつを調べています。
 警察は3人の認否を明らかにしていません。
**********

■当会は、群馬県の中核都市で起きた、この重大事件の今後の進展に注目してまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局より】

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