市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【一太行政】ぐんまちゃんも嘆くアニメ視聴率低迷!・・・それでも強気のノーテンキ知事

2023-10-19 00:05:13 | 県内の税金無駄使い実態

「とほほ・・・」
■2014年に県庁職員総出で投票した甲斐あって「ゆるきゃら」グランプリを獲得した2代目ぐんまちゃん。税金不感症の一太知事の推しもあり、群馬県自らが製作・著作を担当してアニメ化されたぐんまちゃんが、「シーズン1」として2021年10月3日から12月26日までテレビ神奈川(放送幹事局)や群馬テレビ等で、「シーズン2」は2023年4月8日から7月1日までBSフジや群馬テレビ等で放送されました。いずれも全13回で、各回は約7分のエピソード3本から構成されました。

 ところが、一太知事の思惑も空しく、シーズン1でも振るわなかった視聴率が、シーズン2では、さらに半分以下を記録したというのです。いったい、ぐんまちゃんの魅力のどこに瑕疵があったのでしょうか。さっそく報道記事を見てみましょう。

**********上毛新聞2023年10月16日
県制作アニメ「ぐんまちゃん」 シーズン2視聴率0.59%
4~17分放送 前作から0.82ポイント下落
 今年4~7月に放送された県制作のアニメ「ぐんまちゃん」シーズン2について、県は15日までに、推計視聴率が0.59%だったことを明らかにした。シーズン1(2021年10月~12月)の推計視聴率は1.41%で、0.82ポイント下落した。県メディアプロモーション課は、視聴率は低下したものの場所や時間に関わらず視聴できるアニメを「ぐんまちゃんの有効な広報手段の一つ」と位置付け、今後も2本のアニメを活用していく。
 推計視聴率は、全国の視聴率を調査するビデオリサーチ(東京都)が県内の視聴率を算出していないため、同課が代替数値から群馬テレビでの視聴率を独自に算出している。
 同課は下落の原因について「特定することは難しい」とした上で、放送時間の変更などが視聴率の変化に影響する可能性があるとした。毎週日曜の午前10時半から放送したシーズン1に対し、シーズン2は毎週土曜の午前5時からの放送だった。
 同課によると、ぐんまちゃんのアニメ制作関連費は、シーズン1が約2億4289万円、シーズン2が約2億4563万円の見込み。シーズン2の製作費が増えた理由については、人件費や製作コストの増加によるものとした。
 シーズン1放送後から、有料の動画配信サービスでの配信もしている。同課の担当者は、放送を見ていない人がこうしたサービスを利用して視聴することにも期待する。対面でぐんまちゃんと県民が触れ合うイベントと比較し、「距離を超えられるツール。イベントを両方活用してぐんまちゃんの認知度アップやファンを増やす活動を続けたい」と話した。
(長部通)
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■2021年秋から年末にシーズン1として県費約2億4千万円をつぎ込んで製作、放映されたにもかかわらず、県内の推定視聴率が1.4%に留まったアニメ「ぐんまちゃん」でしたが、一太知事はその結果をどのように受け止めていたのでしょうか。

**********NHK文研「放送研究と調査」2022年4月号
群馬県,アニメ『ぐんまちゃん』の続編制作を発表
 群馬県の山本一太知事は2月4日,2022年度の当初予算案を発表し,県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」のテレビアニメの続編を制作することを明らかにした。
 アニメ『ぐんまちゃん』は,群馬県が制作する番組で,2021年10月から関東と関西の8局で放送された。このうち地元の群馬テレビ(以下,群テレ)で同年12月12日に放送予定だった回(注:第12回)が「内容が放送基準に抵触している」として,別の内容に差し替えられた。群テレによると,10月24日に競輪を扱った回を放送したあと,視聴者から「内容的に不適切ではないか」との意見がBPOに複数寄せられ,BPOから報告書を提出するよう求められたという。事態を重く受け止めた同局は,その後の放送内容を確認。12月12日に放送予定の回は競艇を扱っており,劇中での会話の内容が「児童,青少年の射幸心を過度に煽るもの」と判断し,臨時役員会議を開いて差し替えを決めたとしている。
 群テレはこの決定を放送幹事のテレビ神奈川を通じて事前に群馬県側に伝えていたが,山本知事は,12月16日の会見で,放送内容について「問題は全く感じられなかった」と述べたうえで,公営競技自体が否定的に捉えられているのではないかとの懸念を示した。その後も山本知事は,記者会見などで群テレの対応に不快感をあらわにしている。
 群馬県は群テレの株式を15%余り保有する筆頭株主ではあるが,一連の知事の対応は,行政の放送局への過度な介入にあたるおそれはないだろうか。続編も制作されることから,今後の動きに注目したい。
(熊谷百合子)
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 このあと、NHK群馬は、上記の論説を気にして、ワンマンな一太知事の機嫌を取り繕うとしたのか、次の提灯?記事を掲載しました。

**********NHK群馬News Web 2022年06月24日
群馬県宣伝部長 ぐんまちゃん戦略は 山本知事に問う【全文掲載】

こんにちは、ぐんまちゃんだよ!群馬県のマスコットで群馬県宣伝部長だよ!みんなに群馬の魅力を知ってもらうために頑張っているから応援してね!↑
 これは、ぐんまちゃんのSNSのプロフィール。
 8年前に「ゆるキャラグランプリ」を獲得して以降も、県内外で高い人気を誇り、その勢いは止まらない。折に触れて「目立たない」と言われる群馬県において、その存在感は“異質”と言っても過言ではない。
 なぜ、そんなに人気があるのか、なぜ、多額の予算をぐんまちゃんに投じるのか、そして、今後の戦略は?
 ぐんまちゃんの“上司”である、県のトップ、山本一太知事を直撃、30分間のインタビューで聞いた。
(前橋放送局記者 山枡慧/2022年6月取材)
★“キラーコンテンツ”ぐんまちゃん★
ーーー山本知事は、ぐんまちゃんを「群馬県最大のキラーコンテンツ」と称してきましたが、改めてどういう位置づけなのか聞かせて下さい。
 ゆるキャラグランプリで1位を取ったときは「くまモン」と「ふなっしー」が番外だったんですけども、何度か挑戦して、ゆるキャラグランプリを取り、県民の間ではかなり知られているし、非常に子供に愛されるキャラクターだし、そもそも群馬県内ではかなり知名度がありました。ただ、ここから先にもうちょっとぐんまちゃんのブランド価値を高めるとか、さらに全国的な知名度を上げる点では、もう1歩踏み込まなきゃいけないと思って、自治体としては初めてとなる本格アニメ制作をして放送しました。「ぐんまちゃんは何か?」と問われたら、群馬県にはいろんなキラーコンテンツがありますけども、なんと言っても温泉、全国一の温泉王国であることとか、農畜産物ですね。農業大国なので、キャベツのほか、夏秋なすやほうれんそうは生産高が全国トップですし、プラスアルファで雄大な自然がありますが、それに加えてキラーコンテンツを挙げるとしたら「ぐんまちゃん」が来るんじゃないかと。多くの県民に“癒やし”と“希望”を与える、そういうマスコットだと思ってます。
★ぐんまちゃん★
 1983年、群馬県で開かれた国体=国民体育大会をきっかけに誕生。それ以来、姿形を変えながら、2012年に県の“宣伝部長”に。2014年には「ゆるキャラグランプリ」獲得。去年はアニメ放送も行われた。現在、NHK前橋放送局の「ほっとぐんま630」火曜日のお天気コーナー「ほっとウェザー」に新村美里気象キャスターと出演中
★“ちびブレーク”の予感★

ーーー全国的に見ると、ぐんまちゃんはどういう立ち位置にあると見ていますか?
 全国のいわゆる「ゆるキャラ」、マスコットキャラクターのうち、知名度で言うと4番目ぐらいだと思うんですよね。1番が「くまモン」、2番が「ふなっしー」、3番が「ひこにゃん」、4番が「ぐんまちゃん」みたいな感じだと思うんですよね。でも、47都道府県にキャラクターがある中で言うと、4位というのは大健闘だと思うし、好感度でも多分そのぐらいまで行っていて、特にアニメ放送によって好感度は4~5%も上がっているということを考えると「ちびブレーク寸前」、ブレークの予感っていうのをものすごく感じています。ご存じだと思いますが、本郷みつるさんという「クレヨンしんちゃん」の監督を務めている本当に一流の監督を迎え、なおかつ、声優も群馬県出身の方が多いんですけど、5本の指に入る3人の声優を引っ張ってきて、音楽も「シティーハンター」を手がけた一流の方なので、アニメの制作陣は本当に一流の方々に来ていただき、第1シーズンを放送させていただきました。テレビ神奈川を中心に、群馬テレビも含まれますけれども、関東でいわゆる独立局のコンソーシアムのような形で組んでもらって、関西2局、配信では20局以上で放送させていただきました。群馬県として推定した視聴率は1.7%ありました。2%近いというのは、結構すごいことですよね。なおかつNHKの前橋放送局でも再放送をしてもらいました。NHKがコンテンツとしての価値を認めて再放送してくれてたことはすごいことだと思います。だから、ぐんまちゃんの今の立ち位置としては、群馬県民にとってのシンボルというところからもうちょっと飛び出して、国民的アイドルにはまだ至ってないけれど、群馬県のアイドルから全国的なアイドルへの脱皮を図っているところだということで、「ちびブレーク」寸前の予感みたいなものを感じています。第1シーズンが好評だったこともあり、県議会に(続編制作の)予算を認めていただきました。第1シーズンは年度をまたいだ予算を全部合わせると4億円ぐらいで作ってるんですけど、今回も同じぐらいの予算を確保できたので、シーズン2をこれから作り、どうなるかわかりませんが、来年4月ぐらいまでには放送できるんじゃないかということで、さらにおもしろい、シュールでインパクトのあるものをつくっていただこうと思っています。
★コンテンツは磨き続けてこそ★

ーーー知事就任以来、どういう戦略を描いてぐんまちゃんを育ててきたのでしょうか?
 キラーコンテンツになり得る非常に貴重な存在でありながら、1歩広がりがないというところがありました。県の中では知られていても、全国的なキャラクターじゃないわけですよね。これをもっとコンテンツとして磨くことによって、群馬県のブランド化に貢献できるだろうと。だからいくつかキラーコンテンツの卵を探していた時に見つかったコンテンツなんですよね。これをもうちょっと先まで展開させるためには、新しいやり方を考えなきゃいけないってことで、宇佐美友章メディア戦略アドバイザーと相談して「アニメ化をやってみよう」と。ただアニメ化といっても、ほかの都道府県のキャラクターもアニメになっていると思いますが、いかにも自治体が作るアニメじゃないですか。そうじゃなくて本格的なアニメにしたいと。だからメディア戦略アドバイザーも「ぜひやりたい」と言っていたので「GOを出すためには、相当一流の人を集めてきてくれ。それであればGOを出しましょう」と言ったところ、宇佐美アドバイザーが本当に思い描いた通りの一流の方々を集めて来てくれたので、ぐんまちゃんのアニメを発信することができたと思います。富岡製糸場もそうなんですけど、コンテンツというのは磨き続けないとダメなんですよ。世界遺産というブランドにそのまま甘えてたら、どんどん入場者も少なくなっちゃってるじゃないですか。だからそこからもう1歩踏み込む努力をしないと、実はブレークしない。そういう存在ですね。
★批判にどう向き合ってきたのか★

ーーーぐんまちゃんを含めて、群馬県はコンテンツ制作に力を入れていますが、行政がコンテンツ制作を担っているのは、どういう狙いがあるのでしょうか?
 県庁の32階に動画放送スタジオを作りましたが、これは県知事選挙のときの私の公約の1つだったんです。最初はスタジオを作ったことに対し「3億円もかけて」とか「県庁職員で回せない」など批判もされましたが、今はほとんど文句を言われません。我々が掲げた目標は全部クリアしていますし、県庁職員もだんだん研ぎ澄まされてきて、今や温泉CMなど視聴回数が100万回を超えるコンテンツも出てきました。基本的にどの自治体も動画を出していますが、今やテレビもインターネットに押されています。例えば都道府県が動画を発信する際は、ものすごいお金かかっていて、ちょっとした動画を作るのも20~30万円かかるんですね。でも、群馬県の場合は、職員の労力はありますが、ほとんど数万円で出来ているわけです。まずは動画放送スタジオを作って、群馬県庁としてのメディアを持たなきゃいけないと思ったんですけども、時代の流れとしては正しかったと思います。行政だから視聴率だけじゃないところもあるし、すごく大事なお知らせはそんな視聴数を稼げなくてもやらなければいけない。ただ、視聴率だけじゃないとはいえ、どうやって多くの視聴者に届けるかというマインドセットに変えていこうと。人事交流も広げていて、いわゆるエンタメ系にも職員を派遣しようと思ってるし、Netflixとも交渉してますが、やっぱり少し時間をかけても県庁にクリエイティブ集団を作りたい。これは無敵だと思いますね。ほかの都道府県では出来ないじゃないですか。県庁の中にコンテンツを作れる集団を作りたい。これは群馬県の将来を考えていく上で言うと、10年、20年後を見ても大きな力になると思います。
ーーー今年度の予算には「ぐんまちゃん」のブランド化戦略として4億円以上が計上されています。ゆるキャラブームは沈静化しているようにも見えますが、意義は何でしょう?
 よく「ゆるキャラブームが終わっている」みたいなことを言う方もいますが、ぐんまちゃんって「ゆるキャラ」でしょうか。ゆるキャラの定義にもよるので、マスコットキャラクターと言った方がいいと思いますが、ゆるキャラブームが今あるかどうかは別として、例えば熊本県の「くまモン」の経済効果は6000億とか7000億じゃないですか。ぐんまちゃんは1000億近い効果を生むポテンシャルがあるんですよ、いろんな商品化をすることによって。それは「くまモン」も証明しているじゃないですか。観光資源にもなるわけだから。そういう意味でマスコットキャラクターというのは、ブームがどうかは別に、戦略的に見たときに十分活用できるという面があると思うんですよね。マーケティングの天才と呼ばれる方と対談した際に、「子どもにほうれんそうジュースを飲ませようとしても、ほうれんそうを食べない子どもはジュースにしても飲まないけど、オレンジをミックスしておいしくしたら自然と飲むようになる。それがマーケティングの極意だ」と聞いて「そうだ」と思ったんですよ。例えば、県産いちご「やよいひめ」のブランド化を図るために成分を調べるなどしていますが、「本当においしくて、ビタミンも含まれていて健康にいいんですよ」というアプローチもあれば、ぐんまちゃんアニメの中には「ヤヨイヒメ」というキャラクターが出てきますが、ぐんまちゃんが本当にブレークすれば子どもたちの頭の中には自然と「やよいひめ」が刷り込まれるわけですよ。これが本当のマーケティングだと思うんですね。ぐんまちゃんのアニメの世界は、群馬県とは違う世界ということになっていますが、そこに富岡製糸場や温泉が出てくる、「やよいひめ」やこんにゃくをイメージしたラッパーのキャラクターが出てくることで、子どもたちの中に刷り込まれていく。最大の強みは名前が「ぐんまちゃん」ですから。第1シーズンは2%近い視聴率がありましたが、世帯で言えば5割以上カバーしています。ここでちゃんとブレークすると、アニメの中でいろんなことが自然に子どもたちの心に入っていくので、そういう意味から言うと、今の時代に合ったマーケティングであり、メディア戦略だと思います。
★“巨額予算”は未来への投資★
ーーー県議会では「予算の使い方の優先順位が違うのではないか」という指摘もありましたが、4億余りを投じる効果があると?
 もちろん。これは未来への投資としては必ずリターンがあるという風に思っています。こういう、群馬しかないキャラクターを生かして、コンテンツとして練り上げるということをやらなきゃいけない。予算のプライオリティー(優先順位)と言いますが、相当な予算の部分は新型コロナウイルス対策に充てているわけです。ただ、守るだけでは人間ダメじゃないですか。とにかく新型コロナ対策に全力をあげ、新型コロナの脅威から県民の命と健康、暮らしを守るということはもちろんですが、加えて未来への投資がなければ人間は希望を持てないじゃないですか。だからワクワクするようなところにもお金を付けたという、その代表がぐんまちゃんなんです。県議会の全会派からいろんな意見が出ましたけど、私が知る限り共産党もそんなに反対していなかったですよ、ぐんまちゃんについては。私の感覚では、ぐんまちゃんのアニメ化については、そんな猛烈な反対というのは無かったと思うんですね。ぐんまちゃん関連の4億円の予算も圧倒的な賛成で可決してくれたということを考えると、県議会もその価値をちゃんと認めてくれたのかなと思っています。
ーーーアニメ制作には、山本知事も直接、意見を述べることがあるのでしょうか?
 基本的に本郷みつる監督を始め、制作者の方々が決めることなんですけれども、私は群馬県の背景とか、群馬県が今、目指しているものとか、群馬県の未来ビジョンとか、そういうお話をさせていただいています。そうした情報を踏まえて物事を制作しているのは一流の制作陣たちですが、私はアニメ研究家なので(笑)。マンガについても(自民党副総裁の)麻生太郎さんが詳しいと言われていますが、私の方が詳しいですから。ここで自慢してもしかたないことですが、アニメ・コンテンツを研究してきた立場からいろんな意見を言うことはありますが、基本的には群馬県が目指している方向とか、群馬県の大きな流れについて少し知事として感じていることをお話をしているという、参考情報みたいな感じですね。
★他者否定しない共生の世界★

イラスト:群馬県提供
ーーー続編はどのようなコンセプトになるのでしょうか?シーズン1の"シュールさ"は維持されるのでしょうか?
 これは本郷監督が決めることですが、そこに流れている哲学は、はっきりしているわけです。群馬県は多文化共生の社会を目指していますが、ぐんまちゃんってムーミンみたいな世界だから。いろんな生き物がいて、それぞれの個性を発揮して共生していると。こういう世界観みたいなものは多分ずっと引き継がれるんじゃないかなと。これも本郷監督が決めることですが。それからぐんまちゃんは1つ1つのセリフも深いんですよ。他者を否定しないじゃないですか。ボーッとしているようだけど、いろんな価値を否定せず、何か物事をポジティブに捉えるところとかね。あとは当たり前なんですけれども、みんなが平和に共生していくという世界観みたいなものは、ぐんまちゃんを作る上で相当時間をかけて県庁内でも議論し、それが制作者の方々にも共有されているんじゃないですかね。でも、さらにシュールになると思いますよ、シーズン2だから。シーズン2もNHK前橋放送局が「また放送したい」と思えるようなものを我々は作りたいですね。

ーーーアニメの中に流れている価値観を子どもたちに伝えていきたいと?
 そうです。これは群馬県の新総合計画のビジョンとバッチリ一致していると思います。いろんな価値を持った人が生きられる社会がいい社会で、そこにやっぱりイノベーションが生まれてくると思うんですよね。1話、1話を見返してみましたけども、それぞれテーマが結構深いですよ。今回のアニメはまだ「ちびブレーク」だけど、それでも何とか県議会からもう1作作ってもいいと合格点をいただいた理由は、世界観をちゃんと練り上げたからだと思います。ただ単に「何か群馬の名物を紹介しよう」みたいなものではなくて、ぐんまちゃんワールドはどういう風にしていくのか、それぞれのキャラクターはどういう人たちなのか、そこに流れている、ぐんまちゃんっていうアニメで伝えようとしている世界観を徹底的に練り上げたから、ある程度今、受け入れられているんだと思います。ただ、まだこれは序ノ口なので、とにかくちゃんとブレークさせたいですね。
ーーー経済効果の算出については、どうなっていますか?
 今、一生懸命やっていると思いますが、「くまモン」や「ふなっしー」のレベルには全然届いていません。ただ、思ったよりもグッズの売り上げなども含めるといい感じかなと。でも、まだまだ。逆に言うと、そこが少ないというのは伸びしろが無限大だと思うので。ぐんまちゃんの知名度が上がれば当然、観光にも影響があるし、キャラクターグッズの販売も伸びるし、農畜産物なども、ぐんまちゃんのブランドがあることによってメリットがいっぱいあるので、「くまモン」のような相乗効果を狙っていきたいです。「くまモン」は高い、高い目標だけど、やっぱり「くまモン」とはまた違う独自の世界観をつくり上げたいですね。
★宣伝部長からの昇格は?★
ーーーぐんまちゃんは、来年の秋にはナンバープレートにも起用されます。現在の「宣伝部長」という肩書きから昇格させる考えはあるんでしょうか?
 そうですね。それはこれからの流れだと思います。でも、宣伝部長っていい感じかなと思うんで。「くまモン」は営業部長室がありますが、そこの世界観は本郷監督にお任せしたいなと思います(笑)。
★心の元気を広げたい★
ーーー山本知事は「県民幸福度の向上」という大きなテーマを掲げています。そこに、ぐんまちゃんはどう位置づけられるのでしょうか?
 ぐんまちゃんというブランドを群馬県は持っています。群馬県民に愛されているキャラクターが全国展開して、全国的にも有名になる。そのことは群馬県民の誇りの醸成につながっていくと思いますよね。だって、熊本出身の国務大臣のところに行ったら、写真撮影の時に必ず「くまモン」を抱くんですよ。それだけ愛されてるじゃないですか。しかも全国的にも圧倒的に人気のあるキャラクターだというのは、熊本県民の誇りですよね。ぐんまちゃんもそういう存在になるんじゃないかと。県民幸福度は初めて県民に意識調査を行い約7割の人が「幸せを感じている」と回答しました。一方で、群馬県に誇りを感じるかという面で見た場合、ぐんまちゃんがブレークすれば、さらに上がっていき、経済効果ではない「心の元気」にもつながっていくんじゃないかと思いますね。
(前橋放送局記者:山枡慧/2009年入局。青森局、政治部を経て、2021年11月から前橋局。現在、県政担当のほか多文化共生をテーマに取材中)
**********

 こうして見て来ると、シーズン1の反省もなく、失敗を覆い隠そうとさらに予算をつぎ込んで、一太知事は遮二無二、シーズン2に突入した感があります。そこには、誰も止める者がいない状況が垣間見えます。

■それにしても、昨年2022年7月8日の夕方、ツイッターの群馬県公式アカウントの投稿に対し、県民のかたが「安倍、竹中の次はお前だな、県税私的流用腐れ一太」とコメントしたことは、県民納税者として当然の行為であることがつくづく痛感されます。この貴重なコメントに対して、一太知事は返事をしないかわりに、群馬県警に被害届を提出したのでした。
〇2022年9月26日:【一太知事の独善】「安倍、竹中の次はお前だな」Twitter投稿に被害届を出した知事の思惑と今後の影響

 今後シーズン3が企画されるのかどうか、予断を許しませんが、当会としてはアニメ「ぐんまちゃん」のシーズン1とシーズン2を合わせて約5億円の公金がどのように使われたのか、この時点で、検証しておく必要性を痛感する次第です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報:群馬県知事「第49回定例記者会見要旨(2022年3月10日)」
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アニメ「ぐんまちゃん」の視聴率について
(記者)
 発表事項と少し離れてしまうんですが、すみません。
 今日、(議会の)総務企画常任委員会で、アニメ「ぐんまちゃん」の(推定)視聴率について説明がありました。以前にも会見で出していただいた1.4%という数字は、群馬県内の数字だと思うんですけれども、関東、関西のU局でも放送しています。他の県の視聴率をお調べになったり、おたずねになったりする予定はありますか。

(知事)
 これはなかなか他の県の視聴率を調べるのは難しいです。記者さんもご存知のとおりビデオリサーチが入ってないので、これはなかなか難しいんですが、今回は東芝レグザのサービスを使って、その東芝レグザとビデオリサーチの違い、これもちょっといくつかサンプルを取りながらやった結果、推定として1.4%ということになったので、少なくとも群馬ではそういう視聴率があったということなので、ここ全部調べるというのはなかなか難しいと思います。
 でもそういう意味でいうと、今回NHKが13回全部放送してくれることになったので、これは以前よりもしっかりとしたデータがある程度取れると思います。
 田子部長いますか。視聴率の件で何かあれば。

(知事戦略部長)
 群馬テレビ以外の局の方にも、独自で視聴率をとっていれば、そういったものを提供できないかというのは話をしていますけども、やはり各局、そういったものは出せないということです。
 レグザ等も、(他県での視聴率については)県の方でも調査はしてないということです。

(記者)
 知事のお話の中でビデオリサーチが入っていないので取れないという話があったんですけど、今各局でそれぞれ取っている視聴率もあるかもしれないと。群馬テレビも、ビデオリサーチでもレグザでもありませんけれども視聴率がございます。
 群馬県での視聴率というよりは、他県での認知度が上がった方がいいかと思うので、視聴率が分かったほうが効果というのも分かるのかなと思うんですけども、参考までにでもお尋ねになって、公表されるご予定はないですか。
 それは、U局が断っているということですか。

(知事戦略部長)
 こちらの方もお願いはしていますけれども、データについては、いただいていないというのが現状でございます。

(記者)
 U局にはそれぞれにお願いしているんですか。それとも幹事局のテレビ神奈川に尋ねていらっしゃるんですか。

(知事戦略部長)
 ちょっとそこはまた確認させていただきます。

(知事)
 なかなか視聴率を調べるというのは難しいと思います、他県の。ただ、記者さんの言うとおり、少しでも反響が分かればありがたいことなので、引き続き、情報提供できるところには提供してもらおうと思うので、それはちょっと呼びかけたいと思います。
 ただ、いろいろと推定をしたんですけども、今回のぐんまちゃんの視聴率はかなり実態に近いと思っています。前の番組と次の番組を調べても10倍違うので、ぐんまちゃんの10分の1ということですよ、視聴率がね。そういうことも分かったし、やっぱり、視聴率ってすごい大事ですよね。民間の会社があれだけのお金を使ってビデオリサーチを使っているというのは、やはり視聴率はものすごくエビデンスベースで大事じゃないですか。それを見てスポンサーはどうするかということを決めるので。そういう意味でいうと、今回いろいろ知恵を絞って、視聴率を推定したということはとても意味があったと思います。
 それからもう1つ言うと、今度は群馬県内についてもNHKが放送してくれるということなので、正式にどうなるか分からないですけど、でも、大体どのぐらいの人達が見ているのかというは、大体これも推定できると思うので、そういう意味で本当によかったと思います。
 ただ、他の局でどうなっているのかというのは、できるだけこれから、なかなか難しいと思いますけれど、データを取る試みは、一応呼びかけているんですけれど、今のところなかなか提供してもらえませんが努力したいと思います。

(記者)
 ぜひ関西などでもどれくらい見てくださっているのか知りたいので、ご公表をお願いいたします。
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コメント (2)
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【一太行政】あえなく潰えた「リトリート」聖地構想・・・真の反省もなく、さらなる税金投入か?

2023-10-10 10:18:38 | 県内の税金無駄使い実態
■山本一太知事の肝いりで昨年度スタートさせた「リトリート」。例によって、血税を使って鳴り物入りで盛大にぶち上げましたが、あえなく潰えてしまいました。

**********毎日新聞2023年10月7日09:08
力入れたが…3カ月で利用者ゼロ 群馬県企画「リトリート旅」売れず
群馬県庁=前橋市で2019年2月22日、菊池陽南子撮影
 群馬県は6日、観光客が温泉地への長期滞在で心身を癒やす「リトリート」の旅を推進するため、初めて大手旅行サイトで提供した「リトリート3泊旅」の旅行プランが3カ月で1件も売れなかったと明らかにした。県は「リトリートの聖地」化を県勢発展や県民幸福度向上に向けた重要戦略の三本柱の一つに位置づけており、山本一太知事は「極めて残念。反省してきちんと利用されるものにしたい」と述べた。
 県は温泉地の魅力を高め、宿泊日数を長期化させることを目的に、2022年度、草津など7カ所の温泉で12の長期滞在プランを旅行事業者などと作成。このうち、県の呼びかけに応じた草津、みなかみ、万座、老神、四万の各温泉の6旅館が7月3日以降、大手旅行サイト「じゃらん」で3泊4日の旅を販売していた。

山本一太氏=田所柳子撮影
 じゃらん内に特集ページも作り、旅行雑誌などでも広告を出したが、予約は2件にとどまり、いずれもキャンセルされた。カヌーや登山など3プランは現在も販売しているが、森林浴や秘湯ツアーなどの3プランは10月初旬までに終了した。
 20~40代の働き盛りを対象に、「忙しい日常から解放される旅」を提案したものの、旅行事業者や観光関係者からは「ガイドなど外部関係者が案内するため、予約可能な日程が少ない」「4日間のプランが決まっているので融通が利かない」との指摘があったという。2人宿泊時の最低価格は1人3泊で4万~17万2000円程度で、「3泊で10万~20万円なら海外旅行に行ける」との声も出ている。
 観光魅力創出課によると、7、8両月は特集ページの閲覧がそれぞれ3000件以上あり、一定の関心は引きつけたという。今後、複数のプランを準備し、ターゲット層への広報戦略を検討する。山本知事は6日の記者会見で「日本各地がインバウンドの長期滞在や富裕層呼び込みを課題にしている。県で魅力的なメニューを作り、発信したい」と述べた。【田所柳子】

**********上毛新聞2023年10月7日
知事「反省してより魅力的に」 リトリート販売ゼロで

 本件を日常から離れ心身を癒す「リトリートの聖地」とする構想の一環で、県が募集した「リトリート3泊旅」のモデルプランが3か月で1件も売れなかったことを受け、山本一太知事は6日の定例会見で「応募者がいなかったのはプログラムに問題があるから。反省して何が問題なのかよく考え、利用できるものにしたい」と述べた。
 山本知事は「リトリートや長期滞在型観光は我々の戦略の中核。担当者ともよく相談して、より魅力的なものに変えていきたい」と今後への意欲も示した。
 県は20~40代の働き盛り世代をターゲットに五つの県内温泉地に滞在するプランを用意し、7月から大手旅行サイトで予約を受け付けた。ただ、予約は2件にとどまり、最終的にはいずれもキャンセルとなった。一部プランは現在も販売している。
 5日の県議会特別委員会で県が報告し、議員側から課題を指摘したり、今後の方向性を確認したりする質問が相次いだ。
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■この「リトリート」は、避難所や隠れ家を意味する英語のRetreatmentから来ているようですが、群馬県の目指すリトリート事業とは、数日間住み慣れた土地を離れて、仕事や人間関係のストレスで疲れた心や体を癒す過ごし方のことを意味しているようです。つまり、観光目的の旅行と異なり、日常を忘れてリフレッシュすることが目的の、いわば「転地療法(療養)」ですが、ようするに群馬県で別荘滞在のように過ごしてほしい、ということです。        

 このキャンペーン事業は、山本一太知事が、昨年度、「リトリートの聖地」のイメージ定着を図り、群馬県ならではのリトリートの過ごし方を発案したことが発端です。

**********毎日新聞2022年2月5日
「リトリート」の聖地に 日々の疲れを癒やす過ごし方 新たな温泉振興2.7億円 /群馬
 県は観光活性、特産品のブランド化を目指して「リトリート推進」を提唱し、関連予算として2億7777万円を計上した。県は「リトリート」について「忙しい日常から離れ、心身をリセットし、日々の疲れを癒やす過ごし方」とする。県観光魅力創出課に2022年度から「リトリート推進主監」(課長級)を新設する。
 同課は「県内の温泉や農畜産物を体験してもらい、群馬をリトリートの聖地にしたい」と意気込む。
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 この背景として、群馬県での県内宿泊旅行者の約95%が1泊2日であるため、まずは2泊以上の滞在をしてもらうことを考えたわけです。しかし、東京から新幹線で1時間のアクセスの群馬県で、果たして長期滞在に耐えうる魅力があるのかどうか、当初から疑問視する向きもありました。

 なぜなら、高崎駅周辺では分譲マンションの建設ラッシュですが、この需要の背景には、首都圏の方々が週末、県内各地で過ごすための、いわゆるセカンドハウスとしての購入があります。わざわざ、観光旅行のために県外から群馬県に数日も滞在しようと来県する人など、よほど物好きとしか見られないでしょう。

■そうした事情も顧みず、群馬県はリトリートの聖地化を推進するため、県内外から「群馬県で数日間過ごすなら何をしたいか」について、昨年12月7日(火曜日)から令和5年1月10日(火曜日)23時59分まで意見を募集をしました。寄せられた意見は、リトリートのモデルプラン作成の参考にするというのです。

 寄せられた意見は数十件程度で、その多くは、なんとなくいいね、といったイメージ内容ですが、中には次のような的確な意見も寄せられました。

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〇ねす
一般論だと、温泉や大自然でキャンプ、美味しい食べ物が‥と出てくると思うのですが、ここでこれを論じても今までの通りで何にも変わりません。おしゃれな取っ付き易いものは他の県に奪われ済です。群馬県に一般的なリトリートを求める人はほぼいないと感じます。ゼロに近いものに何を掛けても薄いリターンしか得られないと感じます。大事なのは群馬県としての戦い方です。山のような観光資源を抱えているのにそれを活かす方向で本当にお願いしたいです。例えば中山道を実際歩いて宿場に泊まるとか、万座温泉からの小串鉱山ガイド付きツアーや富岡製糸場未公開エリア入場とかそんなのがあると一味違ったリトリートになるかな?と感じます。
**********

 まさに、この「ねす」さんの意見通りの結果となったわけですが、そうした意見に耳を傾けることなく、山本一太知事は、このリトリート聖地化事業を推し進めました。

**********群馬県HP 2023年6月29日(木)
産業経済部戦略セールス局観光魅力創出課
リトリート推進室リトリート推進係
電話:027-226-3385 内線:3385
【リトリートぐんま 宿泊プランの販売開始について】
 群馬県では近未来構想の 1 つとして「リトリートの聖地」を掲げ、長期滞在型の旅行を推進しています。
 昨年度、県内の7カ所(草津、伊香保、みなかみ、四万、万座、磯部、老神)の温泉地において、宿泊事業者、関係団体・市町村・県の職員が検討し、観光名所を巡る従来型の旅行とは異なる3泊4日のモデルプランを作成しました。そのモデルプランをもとにした旅行商品が7月3日から順次、販売開始となります。 
<概要>
(1) 販売開始日:7月3日(月)
(2) 販売プラン:草津、みなかみ、万座、老神の計4プラン(今後プラン追加予定)順次、伊香保・磯部・四万のプランも販売予定。
(3)予約方法 :宿泊予約サイト「じゃらん」内で受付
   「じゃらん」サイト内特集ページ(※7月3日(月)公開予定)
(4)群馬県が提案する「リトリート」
   普段過ごしている場所から離れ、仕事や人間関係といった日常の煩わしさから解放されて、ゆったりと心と体を癒し、新たな自分で再スタートする「リトリート」。
   群馬県では、3泊4日という余裕のある時間をしっかりとって、自分と向き合い、心と体の変化を感じられるような過ごし方を提案しています。
**********

 その後、キャンペーンを開始後、反応が思わしくないせいか、さらに追加の仕掛けも打ち出しました。

**********上毛新聞2023年8月24日11:50
リトリートで産業活性化 温泉やサウナの商品発売へ 来年2月試験販売目指す 企業と自治体、学生タッグ

商品開発に向けて活発な議論を繰り広げる参加者
 忙しさから離れ、心と体を癒やす「リトリート」の観点から地場産業の活性化を図ろうと、群馬県内の中小企業や自治体、学生らがタッグを組み、温泉やサウナに関連する商品開発を始める。県庁32階の官民共創スペース「ネツゲン」で23日、キックオフミーティングが開かれ、参加者が商品のアイデアを出し合った。
**********

■しかし、一太知事の思惑は見事に外れてしまいました。

**********上毛新聞2023年10月6日16:00
「リトリートの聖地」標ぼうも販売ゼロ…大手旅行サイトが取り扱う群馬県内3泊旅 日程や内容を拡充へ
 忙しい日常を離れて群馬県に長期滞在し、疲れた心と体を癒やす「リトリートの聖地」とする構想の一環で、県が7月3日から大手旅行サイトで販売を始めた「リトリート3泊旅」のモデルプランが、3カ月間で1件も売れなかったことが5日、明らかになった。県はプランを提供できる日が限定的なことや知名度不足が一因と分析。

**********上毛新聞2023年10月6日16:10
「反省したい」 と山本知事 群馬県内を長期滞在するモデルプラン売れず
 長期滞在型の旅行で心身を癒す「リトリートの聖地」を目指す構想の一環で、群馬県が売り出した「リトリート3泊旅」のモデルプランが3カ月間で1件も売れていないことについて、山本一太知事は6日の定例会見で「応募する人がいなかったのはプログラム自体に問題があるということ。しっかり反省して何が問題だったのかを考えたい」と述べた。
 プランは、県の構想に賛同した民間事業者が7月3日から大手旅行サイトで販売を始めた。応募がない状況について県が5日の県議会リトリート・温泉文化に関する特別委員会で報告し、議会側からは課題を指摘したり、今後の方向性を確認したりする質問が相次いでいた。
 一方、ホテルや旅館を展開する星野リゾート(長野県)が草津温泉に進出するとの報道について、山本知事は「ありがたい。草津にとっても群馬にとっても良い話」と歓迎した。
**********

 この記者会見については、群馬県HPの知事記者発表の動画で確認できます。

2023年10月6日:第21回定例記者会見
※リトリートに関する記者との質疑応答は35:35~38.42及び41:06~43:40をご覧ください。
*****当該箇所の質疑応答の要旨*****
●リトリート3泊旅の応募状況について

(上毛新聞記者)
 先日、県議会の特別委員会で「リトリートの3泊旅」について、3カ月間募集したけれど応募がなかったという説明がありました。一方で、草津町には星野リゾートが進出するような報道もされています。この両者について、知事としてどう受け止めてらっしゃるのかお聞かせください。
(知事)
 まず担当から事実関係を。
(戦略セールス局長)
 まず最初に、リトリートプランの関係でございますけれども、今回の商品はリトリートを推進する県の取り組みに賛同していただいた民間事業者が、7月3日からじゃらんのサイトで販売を開始したものでございまして、残念ながら現時点で予約はない状況でございます。これにつきましては、いろいろと分析はしているんですけれども、事業者からは、宿泊と体験がセットになっていたりするので、なかなか日程が固定しがちでありますとか、あとは、観光のコンサルタントからは、旅行者目線で見た場合、なかなかプランが4日間なりが決まっているものですから、なかなか融通が利かないという、そういった意見も伺っています。
 こうした課題とか意見を踏まえまして、できる限り旅行者の方の選択の幅を広げたりとか、コンテンツを充実させることで、引き続きリトリートプランを増やして、旅行者を増やしていきたいというふうに考えております。
(記者)
 閲覧件数自体は結構あったということでしょうか。
(戦略セールス局長)
 そうですね。それぞれ3千件以上の閲覧数がありますので、興味を持っていただいている方は多いのではないかと分析しております。
(知事)
 県議会でこういう問題点を指摘してもらうというのはありがたいことなんですよ。我々としては、ちょっと耳の痛い話というか、ある意味、県の事業の問題点を指摘していただいたということで、まずこれは反省したいと思います。いろんなことがあったとしても、募集して、結局応募する人がいなかったということは、やっぱりプログラム自体に問題があるわけで、我々としてリトリート3泊旅というものを出してきて、こういう状況になっているってことは極めて残念ですし、これはしっかり反省して、何が問題だったのかということもよく考えて、きちっと利用できるものにしたいと。この県議会の委員会での、この問題点の指摘はしっかり受け止めたいと思います。
 県庁の仕事は基本的に事業をやったらいいというものではないんで、そこにどういう成果があったかというのが大事だから、昔、ツイッターのアカウントを開いてフォロワーゼロというようなこともあって、すごくそれを言ったこともあるんだけど、こういう文化をちょっと変えていかなきゃいけないし、随分変わってきたと思うけど、これは知事としてもちょっと反省しています。
 やっぱり、長期滞在型観光というのは我々の戦略の中核なんだから、ここ本当に大事なところだと思うので、今、局長も言いましたけれど、担当者ともよく相談して、より魅力的なものになるようにしっかり変えていきたいと思いますし、やっぱりちゃんと予算をつけてやっている以上は成果が出るように最大限努力したいと思います。だから、県議会での指摘はよかったし、知らなかったから、分からなかったから、細かい報告はその時点で受けてないんでね。ただ、本当にこれはありがたい指摘だと思いますので、しっかり受け止めて対応したいと思います。
 それから、星野リゾートの話というのは、これは民間の判断なので、こちらがなんやかんや言うあれはないと思うんですけれども、ありがたいですよね。星野リゾートみたいなところが、草津温泉に自ら民間の判断で来てもらうというのは、草津にとっても群馬県にとってもすごくいい話だと思います。
 星野社長とは、去年の10月ぐらいに来られて、いろんなお話もしましたけれど、群馬県のポテンシャルというものを高く買っていただいているので、どう受け止めているのかというのは、これもう本当にありがたいなと。どういうホテルが来るのか、いろいろ小耳に挟んでいるだけなんだけど、ゆったり過ごすリトリートの聖地みたいなものに、もしかすると合致するようなコンセプトじゃないかなという話もあるので、それも大変ありがたいなと思います。
●リトリートの推進における改善点について
(NHK記者)
 リトリートの関連で、興味があるもののあと一押し行けないというところで、知事の所感では、どういったところがまだ改善できる、足りないと感じていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
 まず、事実関係から。
(戦略セールス局長)
 いろいろ興味は持っていただいているかと思うんですけども、やはり3泊4日という長い期間ですので、その間のいろいろなコンテンツ、1つだけのコンテンツですとなかなか選んでもらえないということなので、複数のコンテンツを選べるとかですね、選択の幅を広げるということも大事かなと思っています。
 また、興味を持っている方に、情報をどうやって届けるのか、その辺の工夫もこれから必要なのかなと。ターゲットを絞った広報戦略、そういったものもこれから検討してまいりたいと考えております。
(知事)
 やはり多様なメニューの磨き上げだと思うんですよ。そもそもこれは、たぶん群馬県だけじゃなくて。日本はすごく人気あるじゃないですか、インバウンドに。長期滞在は結構どの地域でも課題だと思うのね。富裕層の呼び込みとか、あるいは長期滞在。ただそれだけのメニューがあるかどうかとことで、例えばナイトエコノミーみたいな議論もあるわけじゃないですか。いいか悪いかは別として。だから3日間いるということになると、どんなメニューがあるのかというところなんだと思うので、そこでまさに磨き上げみたいなものだと思うですよね。
 例えば、よく分からないけど、例えば、釣りというコンテンツがあったとすると、群馬県で釣り堀ファンにものすごくアピールするスポットがあるとか、あるいは温泉だけじゃなくて、美術館巡りみたいなものと組み合わせるとか、そういう魅力の磨き上げと、あと発信がちょっとまだ届いていないということなんだと思うんですよね。これもあらゆる観光地に言えることで、例えば、私の故郷の草津温泉、スキーで白根に行けなくなったわけですよ。町長も私もずっと振子沢を降りていたので結構ショックなんだけど。そうすると、例えば、草津温泉に宇留賀さんが、長野県(出身)だけど、スキーに来るとするじゃないですか。白根まであったら2日か3日ぐらいかかるわけですよ。殺生河原までだったら1日半ぐらいで行けてしまうわけだから、そのためにまた新たな魅力を、今、草津の町長がいろんな知恵を絞って作っているわけですよね。
 それと同じように、どんなメニューがあるかということをもう1回よく聞いて、これを磨き上げて、ちゃんと魅力的なメニューに仕立て上げて発信すると。ここのところをちゃんとやるのが重要なんじゃないかなと。まだ細かい報告は受けていませんが、直感的にそう思っています。
**********

■記者会見でのやりとりを見ると、どうやらこのリトリート事業空振り情報は、県議会での常任委員会での質問が発端であることがわかります。県議会HPを見ると、9月28日に矢野英二県議(自民党)が「リトリートの聖地について」と題して、質問しているようです。

 しかし、上記の第21回記者会見でのやりとりでは、冒頭、県側からの配布資料には、このリトリート事業に関する情報は見当たりません。記者が、県議会での一般質問を契機に、一太知事に質問したものとみられます。

 記者会見で一太知事は、盛んに「反省しています」を繰り返していて、その翌日の自身のブログでもこの件に触れています。

**********山本一太オフィシャルブログ「山本一太の気分はいつも直滑降」2023年10月7日
「Rethinkフォーラム」にパネリストとして参加!〜群馬のリトリート戦略を熱く議論!!
2023-10-07 17:05:57
 夕方。10分ほど前に帰宅。炭水化物を補給するために、温かい「もち麦ぜんざい」を食べた。夕食の準備をする前に、ブログを更新する。
 土曜日の今日は、午後から公務があった。「Rthink フォーラム」の第2部(パネルディスカッション)に出席するためだ。
 14時。前橋市内の上毛ホールに到着。簡単な打ち合わせの後、14時25分からフォーラムが始まった。壇上には、3名のパネリストとモデレーターの4人が並んで座った。議論のテーマは、「リトリートの聖地」を目指す群馬の戦略だった。
 他の2人の出演者は、南海キャンディーズのしずちゃんと、群馬県出身のモデル、横塚沙也加さん。約60分、長期滞在型観光の振興を目指す群馬県の可能性について、自由に意見を交わした。
 この夏、群馬県が打ち出した「3泊4日」のモデルプランは、現時点で(残念ながら)思ったような成果を上げられていない!この事実を踏まえ、最後に聴衆に向けて、こうアピールした。
 「行政も、時には失敗する。最も大事なのは、問題を隠さずに正面から受け止め、改善することだ。今回の結果をよく検証し、必ずもっと魅力のあるリトリートのプランを実現させたい!今後とも。県のリトリート戦略にご注目(ご期待)ください!!」
 さて、と。少し休んだら、野菜炒めを作る。
**********

■どうやら一太知事は、県民の多額の血税を投入して失敗しても、きちんと反省する気持ちは芽生えてこないようです。やはり、父親がバブルでリゾートホテル開発で31億円とも32億円とも言われる多額の負債を抱えても、地元の自民党県議団から融資元の群銀に圧力をかけて、チャラにしてもらったことから、政治家親子として、債務や損失に対する感覚のDNAがマヒしてしまっているのかもしれません。

 本件の顛末について、どのような資料を使って県議会や記者発表時に配布したのか、現在、群馬県産業経済部観光魅力創出課リトリート推進室リトリート推進係(Tel:027-226-3385)に確認中です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (2)
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お得意の「友達行政」?…県観光PR番組制作業務を巡り設立3か月目の会社に優先交渉権を与えた一太知事

2023-08-12 21:21:59 | 県内の税金無駄使い実態

「成田悠輔氏とひろゆきの初対面!リハック旅in群馬」と題するYouTube番組の一シーン。向こう側の中央でうつむき加減に草津節をうたいながら湯もみ板を動かしているのが一太知事。なお、宇留賀副知事も同行し出演 【ひろゆき&成田悠輔の温泉旅】共同浴場で事件発生?経産省からの刺客【Re Hack旅】#2 - YouTube  

■群馬県は、事業に必要な土建工事の設計・施工、物品の調達などを外部に発注するために、事業者といろいろな形で契約を行っています。その形態として、土木・建築・設備、物品などのハードウエア関連の場合は入札のかたちを取っており、他方、調査・委託といった役務サービスのようなソフトウエア関連の業務では、入札のほかにプロポーザル評価方式による公募のかたちを採用しています。とりわけ、新たに事務事業を企画、立案、試行しようとする際に、コンサルタントなど専門業者のノウハウや知見を借りる必要があるとして、数百万円のオーダーの予算規模で数多くの公募をしていることが、県のHPからわかります。

※群馬県HP「入札/公売/公募」

https://www.pref.gunma.jp/site/nyuusatsu/list135-774.html

 

 7月21日現在、県のHPに掲載されている公募案件は以下のとおりです。

 

*****【公募】プロポーザル等*****

2023年7月21日【公募】群馬県消防学校における給食業者の募集について

2023年7月21日【公募】令和5年度ぐんまガバメントピッチ開催業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月19日【公募】令和5年度インバウンド誘客デジタルプロモーション事業に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月18日【公募】令和5年度ぐんまちゃん公式TikTok運営業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月14日【公募】共創プロジェクト推進によるビジネスモデル構築支援業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月14日【公募】車両積載カメラとAIを活用した路面性状調査業務 公募型プロポーザルの実施について

2023年7月14日【公募】「地域の稼ぐ力向上モデル事業運営業務」に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月14日【公募】「令和5年度 アトツギベンチャー支援事業」に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月13日【公募】群馬県奨学給付金システム整備及び保守管理業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月13日【公募】令和5年度 社会資本総合整備(防災・安全)(総流防・土砂洪水氾濫) 土砂・洪水氾濫流域調査検討業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月11日【公募】群馬県リトリート動画広告配信事業に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月11日【公募】ぐんま Tech EXPO 2023 運営・会場設営等業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月10日【公募】特殊詐欺被害防止キャンペーンにおける被害防止の啓発及び電話対策機器普及啓発業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月10日【公募】令和5年度課題解決型新事業創出カリキュラム実施業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月7日【公募】「群馬県PR生放送番組制作配信業務」に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月7日【公募】令和5年度タイ市場向けYouTuber招請事業に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月7日【公募】令和5年度米国・豪州市場向けYouTuber招請事業に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月7日【公募】令和5年度台湾市場向けYouTuber招請事業に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年7月3日【公募】令和5年度職業訓練等業務委託(1年未満コース・7月公募)に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月30日【公募】群馬県特別高圧電力価格高騰対策支援金受付等業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月30日【公募】ぐんま三大梅林フォトコンテスト実施業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月30日【公募】令和5年度ぐんま三大梅林宝探し実施業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月28日【公募】「SNSインフルエンサーを活用した群馬県PR番組制作業務」に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月28日【公募】令和5年度県民幸福度アンケート調査・分析業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月27日【公募】令和5年度ぐんま施設園芸省エネ転換緊急対策事業受付等業務に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月26日【公募】令和5年度伝統文化のサブスクリプション事業企画運営業務に係る公募型プロポーザルを実施します

2023年6月26日【公募】「事業多角化・新分野進出支援セミナー事業」に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月23日【公募】「中尾県営住宅建替事業におけるPPP/PFI導入可能性調査業務」に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月16日【公募】「令和5年度群馬県韓国渡航関係手配業務」委託に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年6月9日【公募】探知犬医学研究に係る公募の実施について(食品・生活衛生課)

2023年6月9日【公募】地産地消型PPA(群馬モデル)電力供給先事業者の募集について

2023年6月6日【追加公募】令和5年度「ぐんまAgri×NETSUGEN共創」実証事業公募型プロポーザル実施について

2023年6月1日【公募】令和5年度タワーヤーダ実証事業(作業工程省力化モデル)業務委託に係る公募型プロポーザルの実施について

2023年5月31日【公募】群馬県立小児医療センター患者給食業務委託業者の募集について

2023年5月26日【公募】令和5年度タワーヤーダ実証事業(下げ荷集材モデル)業務委託に係る公募型プロポーザルの実施について

**********

 

 また、その結果についても県のHPの同じURLの「落札情報等」で公表されています。

 

*****【落札情報等】*****

2023年7月21日【落札公告】有害大気汚染物質分析システム賃借に係る一般競争入札結果

2023年7月21日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度ぐんま施設園芸省エネ転換緊急対策事業受付等業務委託)

2023年7月20日◆公募型プロポーザル結果の公表(「ペットとの共生推進イベント(仮称)」企画運営等業務)

2023年7月19日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度経営強化等セミナー実施業務委託)

2023年7月18日◆公募型プロポーザル結果の公表(「海外有識者招聘事業渡航等手配業務」)

2023年7月18日◆公募型プロポーザル結果の公表(群馬県消費者被害防止のための地域見守り力アップ講座業務委託事業者選定に係る審査結果について)

2023年7月14日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度群馬県LPガス利用者負担軽減事業業務)

2023年7月13日◆公募型プロポーザル結果の公表(群馬県立小児医療センター患者給食業務委託)

2023年7月13日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度群馬県地域子育て支援拠点事業所職員等研修事業【中堅職員向け】)

2023年7月13日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度群馬県子育て支援員研修事業【地域保育コース・地域子育て支援コース】)

2023年7月11日◆公募型プロポーザル結果の公表(群馬県ぐんま暮らし・外国人活躍推進課公式Facebookのベトナム語版の運用、広告配信及び関係機関との連携)

2023年7月10日◆公募型プロポーザル結果の公表(特別支援教育就学奨励費システム導入及び保守運用業務委託)

2023年7月7日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度放課後児童支援員研修事業(認定資格研修・資質向上研修))

2023年7月5日【落札情報】令和5年度に会計管理課が執行した入札(書面)の入札結果一覧

2023年7月4日◆公募型プローポザルの結果の公表(令和5年度障害者テレワーク支援事業)

2023年7月4日◆公募型プロポーザル結果の公表(多文化共生・共創パーク(仮称)実施業務)

2023年7月3日◆【落札情報等】群馬コンベンションセンター脱炭素化可能性調査委託に係る一般競争入札の結果(落札者なし)

2023年6月30日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度ぐんまアクセラレーションプログラム実施業務)

2023年6月30日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度有機農産物販路拡大業務)

2023年6月30日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度群馬県高等学校等「情報I」オンライン学習サービス導入事業)

2023年6月29日【落札情報等】群馬県総合スポーツセンター他脱炭素化可能性調査委託に係る一般競争入札

2023年6月27日【落札情報等】群馬県社会福祉総合センター脱炭素化可能性調査委託に係る一般競争入札の結果

2023年6月23日◆公募型プロポーザル結果の公表(群馬県IT人材育成×女性就労支援 MAITSURUプロジェクト2023(専門知識を身につけ正規雇用やキャリアアップを目指す方向け))

2023年6月20日【落札公告】群馬県立図書館所蔵資料のデジタルデータ作成業務一式の委託に係る一般競争入札

2023年6月19日◆公募型プロポーザル結果の公表(りんご「紅鶴」デビューイベント企画運営等PR業務)

2023年6月16日【落札公告】群馬県計量検定所ほか6施設で使用する電気に係る随意契約相手方決定について

2023年6月15日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度肥料価格高騰対策事業 群馬県担い手育成総合支援協議会申請受付センター運営委託業務)

2023年6月14日◆公募型プロポーザル結果の公表「tsukurunメタバースプロジェクト企画・運営業務」

2023年6月12日◆公募型プロポーザル結果の公表「オンライン診療ステップアップ・プログラム」

2023年6月12日◆公募型プロポーザル結果の公表(「グンマ・シューカツ・ネットワーク」事業)

2023年6月8日◆公募型プロポーザル結果の公表「令和5年度仲間をつくってがん検診を受けようキャンペーン」

2023年6月7日【落札広告】「デュアルサーボドライブベンダー」購入に係る条件付一般競争入札の結果について

2023年6月2日◆公募型プロポーザル結果の公表「tsukurun Digital Creative Contest(仮称)企画・運営業務」

2023年6月1日◆公募型プロポーザルの結果公表(令和5年度群馬県ひきこもり支援のための広域的居場所づくり事業)

2023年6月1日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度群馬県働き方改革推進事業他)

2023年5月30日【落札公告】令和5年度パーソナルコンピュータ及び関係機器一式の賃貸借(ノート型パソコン2台)に係る一般競争入札結果

2023年5月26日【落札公告】令和5年度パーソナルコンピュータ及び関係機器一式の賃貸借に係る一般競争入札結果

2023年5月26日◆公募型プロポーザル結果の公表(「群馬県企業等対抗社会人eスポーツリーグ2023」開催業務)

2023年5月26日◆公募型プロポーザル結果の公表(若者の「ライフデザインを考える」セミナー・ワークショップ等実施業務)

2023年5月24日◆公募型プロポーザル結果の公表(群馬県庁舎31階マルシェ&キッチンにおけるキャッシュレ ス決済を活用した指定納付受託業務)

2023年5月24日◆公募型プロポーザル結果の公表(「U19eスポーツ選手権2023」及び「第3回全日本eスポーツ実況王決定戦」開催業務)

2023年5月24日◆公募型プロポーザル結果の公表(「始動人Jr.育成事業2023」業務委託)

2023年5月23日◆公募型プロポーザル結果の公表(県民広場等オープニングフェス(仮)企画運営業務)

2023年5月17日◆公募型プロポーザル結果の公表(「ぐんまの次世代産業リーダー育成講座(仮)」業務委託)

2023年5月16日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度群馬県外国人材発掘支援事業業務)

2023年5月12日◆公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度学生向け起業機運醸成事業)

2023年5月12日【落札公告】令和5年度 定例会等における群馬県議会議事堂警備・巡視業務委託に係る一般競争入札結果について

2023年5月12日◆公募型プロポーザル結果の公表(群馬県知事選挙啓発デザイン等制作業務)

2023年5月9日◆公募型プロポーザル結果の公表(DAOのルールメイキングに向けた調査研究業務)

2023年4月28日◆公募型プロポーザル結果の公表(電子請求システム実証実験運営業務委託)

2023年4月28日◆【4月28日】公募型プロポーザル結果の公表(令和5年度「ぐんまAgri×NETSUGEN 共創」実証事業)(農業構造政策課)

2023年4月26日◆公募型プロポーザル結果の公表(若者のボランティア活動参加促進事業)

2023年4月24日◆公募型プロポーザル結果の公表(群馬県IT人材育成×女性就労支援 MAITSURUプロジェクト2023(在宅や短時間など柔軟に働きたい方向け))

2023年3月24日【落札情報】令和4年度に会計管理課が執行した入札(書面)の入札結果一覧

**********

 

■ところで、上記の公募型プロポーザル等のリストにも、落札情報等のリストにも入っていない案件があります。「群馬県観光PR番組制作業務」という案件です。

 

 この業務名からすると産業経済部観光魅力創出課が担当部署だと誰しも思うでしょう。例えば、赤字で示した次の案件が、観光魅力創出課の担当となっています。

  • 2023年7月19日【公募】令和5年度インバウンド誘客デジタルプロモーション事業に係る公募型プロポーザルの実施について
  • 2023年7月11日【公募】群馬県リトリート動画広告配信事業に係る公募型プロポーザルの実施について
  • 2023年7月7日【公募】令和5年度タイ市場向けYouTuber招請事業に係る公募型プロポーザルの実施について
  • 2023年7月7日【公募】令和5年度米国・豪州市場向けYouTuber招請事業に係る公募型プロポーザルの実施について
  • 2023年7月7日【公募】令和5年度台湾市場向けYouTuber招請事業に係る公募型プロポーザルの実施について

 

 一方、知事戦略部メディアプロモーション課が担当している案件は、次の青字の案件です。

  • 2023年7月7日【公募】「群馬県PR生放送番組制作配信業務」に係る公募型プロポーザルの実施について
  • 2023年6月28日【公募】「SNSインフルエンサーを活用した群馬県PR番組制作業務」に係る公募型プロポーザルの実施について

 

 さて、先ほどの「群馬県観光PR番組制作業務」ですが、調べてみると、なぜか観光魅力創出課ではなく、メディアプロモーション課が、観光PR番組の制作を実施しています。また、優先交渉者はtonariという会社となっています。しかし、上述の通り、群馬県のHPを検索してもすでに削除されてしまっており、公募の内容や選定の過程が全く分かりません。そこで当会は、次の内容で知事に対して公文書開示請求書を7月5日付で提出しました。

 

*****7/5群馬県公文書開示請求書*****

<開示を請求する公文書の内容又は件名>

知事戦略部メディアプロモーション課tsulunos室映像プロモーション係扱いで6月16日付にて「群馬県観光PR番組制作業務」に係る公募型プロポーザル結果が県HPで公表されました。ついては、この業務に係る以下の情報。

(1) 群馬県観光PR番組制作業務の企画提案要領の内容(現在HPから削除されている)。

(2) 公募により、この業務の委託先を選定するということを決めた過程が分かる情報。とりわけ、なぜ産業経済部戦略セールス局観光魅力創出課でなく、メディアプロモーション課が観光PR番組の制作を実施することになったのか、その協議の経緯(端緒と結果)が分かる情報。

(3) 公募に応募して提出されたすべてのプロポーザルの内容。

(4) 選定された優先交渉者は(株)tonariとあるが、その選定の決め手となったプロポーザル審査の評価内容が分かる情報。

(5) この優先交渉者に対する群馬県のこれまでの発注履歴や県関係者との接触歴が分かる情報。

**********

 

■この結果、7月19日に群馬県メディアプロモーション課から以下のとおり開示に関する決定通知の連絡があり、7月20日13時30分に県庁2階で開示を受けてきました。

 

*****7/19群馬県公文書開示決定通知書*****

(1) 群馬県観光PR番組制作業務の企画提案要領の内容

(2) 公募により、この業務の委託先を選定するということを決めた過程が分かる情報(なぜ産業経済部戦略セールス局観光魅力創出課でなく、メディアプロモーション課が観光PR番組の制作を実施することになったのか、その協議の経緯(端緒と結果)が分かる情報を除く。)

(3) 公募に応募して提出されたすべてのプロポーザルの内容のうち、優先交渉者分

 

*****7/19群馬県公文書部分開示決定通知書*****

(4) 優先交渉者は((株)tonari)の選定の決め手となったプロポーザル審査の評価内容が分かる情報。

◆不開示部分及びその理由

①文書名:群馬県観光PR番組制作業務公募型プロポーザルの審査表について

 開示しない部分:審査表中、優先交渉者を除く法人名部分

  該当条例;群馬県情報公開条例第14条第3号イ該当

  開示しない理由:上限を700万円として企画提案要領及び仕様書に基づく具体的な提案を求める事業であることから、企画提案要領と併せて法人名が公になることで、当該法人が上限金額で仕様書の内容を対応可能であることが公になり、今後ビジネスを行う際の競争上の地位を害する恐れがあるため。

②文書名:「群馬県観光PR番組制作業務」公募型プロポーザルにかかる優先交渉者の決定について

 開示しない部分:優先交渉者を除く法人名部分

  該当条例:群馬県情報公開条例第14条第3号イ該当

  開示しない理由:上限を700万円として企画提案要領及び仕様書に基づく具体的な提案を求める事業であることから、企画提案要領と併せて法人名が公になることで、当該法人が上限金額で仕様書の内容を対応可能であることが公になり、今後ビジネスを行う際の競争上の地位を害する恐れがあるため。また、優先交渉者以外の審査における具体的な評価点数

及び順位が公になることで、優先交渉権を得られなかった事業者及び審査で下位になった事業者が今後ビジネスを行う際の競争上の地位を害する恐れがあるため。

③文書名:②と同じ

 開示しない部分:個別の審査表における「特記事項」部分

  該当条例:群馬県情報公開条例第14条第3号イ該当

  開示しない理由:記載内容に企画提案書で示された内容(タレント名等)が含まれており、公にすることにより提案内容が明らかとなり、当該法人のビジネスにおける競争上の地位や信用を害する恐れがあるため。

  該当条例:群馬県情報公開条例第14条第6号該当

  開示しない理由:企画提案書の該当項目に関する審査員の個人的な意見が書き込まれている箇所であり、公になることで審査員の審査傾向が公になることから、今後県が実施するプロポーザル公募の審査に支障を来す恐れがあるため。

 

*****7/19群馬県公文書不開示決定通知書*****

(2) なぜ産業経済部戦略セールス局観光魅力創出課でなく、メディアプロモーション課が観光PR番組の制作を実施することになったのか、その協議の経緯(端緒と結果)が分かる情報

(3) 公募に応募して提出されたすべてのプロポーザルの内容のうち、優先交渉者以外の提出分

(5) この優先交渉者に対する群馬県のこれまでの発注履歴や県関係者との接触歴が分かる情報

◆不開示部分及びその理由

(2) 不開示文書名:なぜ産業経済部戦略セールス局観光魅力創出課でなく、メディアプロモーション課が観光PR番組の制作を実施することになったのか、その協議の経緯(端緒と結果)が分かる情報

 開示しない理由:プロポーザル公募の実施にあたり、PR番組の番組ジャンルを「観光」とすることについて、観光魅力創出課等との協議を実施しておらず、本件請求に係る公文書を取得及び作成していないため。なお、群馬県の知名度向上のためより多くの視聴者が獲得できる方法でPR番組を制作するにあたり、特定の番組ジャンルに絞らず公募を行うと、提出される企画提案書の方向性が定まらず、審査の実施に支障を来すこと、「観光」というジャンルが、最も多くの年代が求める情報と考えられ、ブランド推進等他のジャンルにも派生させやすいというのが理由であり、起案実施時、メディアプロモーション課長にも口頭で説明を行っているほか、観光魅力創出課長に審査員を依頼した際、事業内容を口頭で説明し、了解を得ている。

(3) 不開示文書名:公募に応募して提出されたすべてのプロポーザルの内容のうち、優先交渉者以外の提出分

 開示しない理由:群馬県情報公開条例第14条第3号イ該当。企画提案の内容には提出した法人が企画提案要領に定める上限金額内で対応可能なPR番組制作の具体的な内容、番組出演の提案が可能な有名人等の情報、決算情報等財務に関する情報、他団体との取引の具体例等が記載されており、公にすることにより、当該法人が今後ビジネスを行うにあたってのノウハウや信用等に多大に影響する情報が記載されているため。また、上限を700万円として企画提案要領及び仕様書に基づく具体的な提案を求める事業であることから、企画提案要領と併せて法人名が公にすることで、当該法人が上限金額で仕様書の内容を対応可能であることが公になり、今後ビジネスを行う際の競争上の地位を害する恐れがあるため。

(5) 不開示文書名:この優先交渉者に対する群馬県のこれまでの発注履歴や県関係者との接触歴が分かる情報

 開示しない理由:優先交渉者である株式会社tonariと群馬県との間に発注履歴が存在しておらず、本件請求に係る公文書を取得及び作成していないため。

**********

 

■当会による今回の情報開示請求の端緒となったのは、群馬県観光PR番組制作業務の公募型プロポーザル方式で選定された会社が、株式会社tonariだったことに注目したからでした。

※株式会社tonariのURL↓

https://www.pref.gunma.jp/site/nyuusatsu/212760.html

 

 この株式会社tonariは、商業登記簿(履歴事項全部証明書)によると2023年3月3日に成立したばかりの会社で、本店所在地は東京都港区東麻布1-9-11-1404、資本金200万円、目的は①写真、動画及びグラフィックアートの企画、制作、配信及び販売②動画投稿者、芸能タレント、音楽家などの育成、教育及びマネージメント業務、③インターネットを利用した各種情報処理サービス及び情報提供サービスをはじめ、⑩モデル、ロケコーディネート、撮影などのキャスティング業務、⑮人材派遣業務、⑯飲食店等の企画及び経営など、多岐に亘っています。同社の役員構成は、取締役が高橋弘樹、曹俏、前田夢有で、代表取締役が高橋弘樹となっており、今年3月13日に東京都中央区佃2-1-2-3506から本店移転しました。

 

 ネットで検索すると、tonariの代表取締役の高橋弘樹氏は、2023年3月にテレビ東京から独立して新メディア『ReHacQ』を立ち上げた映像ディレクターで、テレビ東京入社後、テレビでは『家、ついて行ってイイですか?』などを企画・演出した人物であることがわかります。同番組でギャラクシー賞、民放連賞を受賞し、Webでは『日経テレ東大学』を企画・制作統括に携わりチャンネル登録者は100万人超ということです。

※高橋氏のプロフィール

https://to-na-ri.jp/portfolio/takahashi

 

■この新メディア『ReHacQ』(リハック・キュー)というのは、今はやりのユーチューブで、高橋弘樹氏は、昨年6月9日に草津温泉から発信したコンテンツでは、山本一太知事も出演しています。

https://fc0373.hatenablog.com/entry/2022/06/09/210302#%EF%BC%91%E7%BE%A4%E9%A6%AC%E7%9C%8C%E7%9F%A5%E4%BA%8B-%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E4%B8%80%E5%A4%AA%E3%81%A8%E3%81%AE%E5%87%BA%E4%BC%9A%E3%81%84

#1群馬県知事 山本一太との出会い

 群馬県知事 山本一太と合流して、射的でとったぬいぐるみを見せる成田。ということで、成田&ひろゆきリハック旅第一弾は終了。成田悠輔、ひろゆき、山本一太が揃いながらも、今のところ全く中身ゼロである(笑)

 ここまでの全編はこちらの動画から↓

【ひろゆき&成田悠輔が暴走】Re:Hack旅!蛭子さんの偉大さを知る【草津温泉へ】

https://www.youtube.com/watch?v=S6X4Rdws_lY

※当会注:現在、山本知事が出演しているこの動画は上記のブログでは非公開になっているため、次のYouTubeをご覧ください。

【ひろゆき&成田悠輔が暴走】Re Hack旅!蛭子さんの偉大さを知る【草津温泉へ】#1

https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?&q=%e3%81%b2%e3%82%8d%e3%82%86%e3%81%8d%26%e6%88%90%e7%94%b0%e6%82%a0%e8%bc%94%e3%81%8c%e6%9a%b4%e8%b5%b0&mid=8EDF78E49E1CAF7A26E08EDF78E49E1CAF7A26E0&ajaxhist=0

【ひろゆき&成田悠輔の温泉旅】共同浴場で事件発生?経産省からの刺客【Re Hack旅】#2 - YouTube

【ひろゆき&成田悠輔の爆笑旅】見参!自称・「通りすがりの竹中平蔵」【カリカリ梅、爆買い】#3 - YouTube

【ひろゆき&成田悠輔の旅!完結】感動!?ひろゆきと成田の正体を暴く【小中高生と討論】#4 - YouTube

 

■今回の情報開示請求で開示された企画提案要領によると、群馬県観光PR番組制作業務の目的は、「群馬県の観光振興のため、PR番組の制作及び発信を行う」とあり、業務仕様書には委託業務概要として「群馬県の観光素材の魅力を発信するPR番組を制作し、発信することにより、観光入込客の増加につなげるとともに、群馬県の知名度向上を目指す」と記されています。

 

 また、業務仕様書では委託業務内容及び提案事項として、YouTubeを想定した番組の制作・発信を行い、発信後1か月及び発信日から令和6年2月までの当該番組の視聴者数、年代、性別等の視聴者データを分析し、報告書を一次報告書と最終報告書を提出するとしています。また、制作動画の合計再生回数30万回を目標としています。さらに県公式YouTubeチャンネル「tsulunos」の動画作成用素材の提供を行うとしています。

 

 業務仕様書の最後の「10 その他」を見ると、契約は選定業者と県が改めて細部を打ち合わせ、仕様書の内容を変更できるとしています。

 

 企画提案要領には、事業見積限度を700万円(消費税含む)とし、契約期間は令和6年3月31日としていて、審査は、応募各社が提出した企画提案書とプレゼン用動画等で行い、評価点の内訳は、次の通りとなっています。

 ・趣旨・目的の理解(事業の趣旨と仕様書の内容の理解) 【5点】

 ・番組企画内容(独創性・訴求効果)          【40点】

 ・番組広報企画(視聴数増加への取り組み)       【15点】

 ・その他提案(効果的なサービスの提供・提案)     【15点】

 ・積算(企画・実施体制等に係る金額の妥当性)     【10点】

 ・実施体制等(業務遂行能力、事業実績)        【5点】

 ・総合評価(全体的な整合性)             【10点】

 

 そして、「12 契約」には、驚くべき記載があります。それは、「企画提案内容がそのまま契約内容となるものではなく、具体的な契約内容及び委託金額は、群馬県との交渉で決定する」として、「委託料の支払いは、原則として事業完了後の精算払とする」とあることです。

 

 この契約条件をそのまま解釈すると、具体的に締結される契約内容と契約金額は、予算の700万円の上限を超えたものでも可能ということになります。こんな契約のやり方が群馬県では通用するようです。

 

 こうして、企画提案書(プロポーザル)の公募には県内外の9社が応募し、そのうち1社が企画提案書提出前に辞退の申し出あり、残る8社のプロポーザルの採点が、メディアプロモーション課の課長、室長、次長、係長、主任、副主幹により行われ、株式会社tonariが344点、次点の会社が338点ということで、高橋弘樹氏のtonariが優先交渉者として決定されました。優先交渉者に決まれば、よほどのことがない限り、契約締結となるため、受注したのも同然と考えられます。

■一般的に、今年3月3日に設立されたばかりの新会社が、わずか3か月後に公の仕事を簡単に受注できるとは考えにくいことです。それだけに、山本一太知事かネット戦略アドバイザーかのどちらか、あるいは両方が、高橋弘樹氏と繋がっており、新しい会社に対して、御祝儀的に仕事を与えたのではないかと推察してしまうのは、当会だけではないでしょう。

 

 開示された各社の採点結果の集計表は以下のとおりですが、おそらくまともな審査をしていない可能性があります。肝心の県職員による総合評価の欄は黒塗りですが、ぜひ、読者の目で、この採点表から、税金の無駄遣いに直結しかねない一太知事が直接率いる知事戦略部を舞台とした「友達行政」の実態を解き明かしていただければ幸いです。

 

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

 

※参考資料「株式会社tonariの企画提案書」

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【速報:渋川建設残土訴訟敗訴!】足かけ5年の裁判の果てに・・・行政の不正行為に目をつぶる裁判所

2023-03-20 07:32:25 | 県内の税金無駄使い実態

■3月17日午後1時25分、前橋地方裁判所本館2階の第21号法廷のドアのかぎが開けられ、法廷には筆者、傍聴席には地元紙記者1名と県職員ら5名が待機する中、午後1時30分に杉山順一裁判長が2名の裁判官を従えて入廷しました。一同一礼し着席すると、近藤書記官が「令和元年行ウ第13号事件」と事件番号を読み上げ、杉山裁判長が「それでは判決を言い渡します。主文、1、原告の請求を棄却する。2,費用は原告の負担とする。以上です」という言葉が法廷内に響きました。そそくさと席を立つ裁判長裁判官に向けて筆者は、「裁判長殿!行政の不法行為はどうやって是正及び抑止ができるのでしょうか?」と問いかけました。その声を聴いて一瞬立ち止まった裁判長は、筆者に向かって軽く会釈をするなり、法廷正面の両開きと扉から退室していきました。

 群馬県では、県土整備部の建設企画課が建設発生土ストックヤードの整備の重要性をHPでも謳っていますが、渋川土木事務所所管のストックヤードを巡り、河川法を無視して大規模な掘削あるいは大量の発生土の集積が行われ、6年間の稼働を終えた時点で大量の発生土が忽然と消えるなど、問題視されています。当会は、入手情報をもとに、2019年3月25日に住民監査請求を群馬県監査委員に提出しましたが、その甲斐もなく、同年6月3日付で棄却・却下されました。

 その後、当会は2019年7月4日に住民訴訟(事件番号:令和元年(行ウ)第13号、事件名:行方不明建設残土量に係る損害賠償請求訴訟事件)を前橋地裁に提起し、第1回弁論が9月20日に、それ以降、第2回弁論が11月1日、第3回が2020年1月10日、第4回が同2月14日、第5回が当初同4月24日のところ新型コロナ感染拡大のため7月3日に順延、第6回が同9月11日、第7回が同11月13日、第8回が2021年1月29日、第9回が同4月23日、第10回が同7月3日、第11回が同9月10日、第12回が同11月12日、第13回が2022年1月28日、第14回が同4月22日、第15回が同7月11日、ぢ16回が同10月14日、そして第16回弁論が同12月23日午前10時に開かれ、杉山順一裁判長は「これで結審とします」と宣言し、今年2023年3月17日に冒頭のとおり、判決言渡しを行いました。

■判決言渡しのあと、判決文をもらいにさっそく地裁本館3階の民事第2部受付に立ち寄り、既に用意してあった判決文と予納郵便切手の使用残額分2702円を受け取りました。

 判決文は27ページでしたが、14ページ目から始まる「第3 裁判所の判断」には、裁判の最後に、本来であれば証人尋問をすべきところ、裁判所が、群馬県が本件公共事業入札に先立って実施したストックヤードの測量業務を委託したアコン測量への調査嘱託に拘りました。原告が「売り上げの8割以上の仕事を群馬県から受注している業者が、まっとうな返事をしてくれるはずがない」と意見したにもかかわらず、結局、裁判所主導でアコン測量に調査嘱託することになりました。その結果、原告が予期した通り、被告群馬県の主張にしたがった回答が裁判所に提出され、その回答を根拠に判決文が構成されました。「住民訴訟において行政側を敗訴させると自らの出世に支障をきたす」という裁判官の心情の観点から、この裁判でも、行政不敗神話が存分に発揮された判決結果となった次第です。

 あまりにも酷い判決なので、筆者は思わず冒頭にお知らせした通り、杉山裁判長に声がけをしました。14日以内に控訴すべきかどうか検討することにしています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの速報】

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【税金無駄遣いの権化】群馬県庁前広場のモニュメント解体撤去でNHKがオンブズマンを取材・放映

2022-09-16 23:01:34 | 県内の税金無駄使い実態

NHK前橋放送局「ほっとぐんま630」で9月13日に放送された「県庁モニュメント問題」の一シーン

■2022年7月21日の群馬県知事選で初当選した山本一太知事ですが、3年を経過していよいよ本性を現しつつあります。もともと外遊好きであることは、かつてJICA(国際協力機構)に勤務していた当時からの習性ですが、大統領的な権限をもつ知事に就任してからは、コロナの影響で自粛をよくなくされていました。ところが最近の渡航制限緩和に便乗し、チャンス到来とばかりに、さっそく8月2日(火)から6日(土)にかけて、ベトナムのハノイとダナンを訪問し、続いて、9月5日(月)から14日(水)にかけてフィンランドのヘルシンキと米国インディアナ州を巡り、念願の世界一周旅行を果たしました。

 そうした中、当会は、9月12日の正午過ぎにNHK前橋放送局の田村華子記者から取材の打診を受けました。目的は、県庁舎前のモニュメントの解体・撤去に関する公費の妥当性について、この問題に取り組んできた市民団体としての見解を聞きたいというものです。

 当初は、当会の事務局で取材を受ける予定でしたが、エアコンの修理中だったため、適当な場所が確保できないため、同日の午後4時からNHK前橋放送局内の会議室でカメラ撮りを行うことになりました。

■さっそく、当会の代表と事務局長と現地の前橋放送局前の駐車場で集合し、体温と手指の消毒を済ませた後、午後4時に受付で「田村記者」を尋ねました。ロビーの奥のテーブルについて待っていると、田村記者がやってきて、奥に向かって左手の通路の左側にある会議室に案内されました。

 既に女性カメラマンと、男性スタッフが待機していました。取材用の椅子が一つしかなかった為、当会の代表がインタビューを受けることになりました。

 男性スタッフに小型のワイヤー付きマイクをワイシャツの裾から通して左側の襟に止めると、さっそく取材開始となりました。

■取材開始前に田村記者から「カメラを意識しないように、自然体で、私の目を見て、普通に会話するイメージでお願いします」と言われたので、田村記者の目をじっと見つめて話すよう心掛けました。しかし、あまりじっと見つめるのも失礼かと思い、視線はカメラの方を向けないように、適宜、身振り手振りにしたてって、方向を変えるようにしました。

 田村記者からは数項目の質問がありましたが、その場で、当会の考え方をアドリブで回答しました。事前のリハーサルやシナリオなどまったくなく、ぶっつけ本番でした。

 準備作業も入れて20分ほどで取材は終了しました。インタビュー後、ひとしきりこの問題について田村記者と話しました。同記者によると、群馬県の財産有効活用課いわく、「撤去したモニュメントの石はリサイクルせずに、廃棄する」のだそうで、その理由について「石材どうしがセメントで固着されているので、切り離せないため」なんだとか。「SDGsが世界的に叫ばれている今日、群馬県行政は、なんという時代錯誤の感覚を引きずっているのでしょうね」と、同記者とともに嘆息を禁じ得ませんでした。

■そして、NHK前橋放送局からネット記事として、翌日の昼過ぎに発信され、テレビ放映については、同じく9月13日の午後6時半からの「ほっとぐんま」の番組の中で、報じられました。以下のネット記事と、画像を参照ください。

**********NHK News Web 群馬 前橋放送局 2022年09月13日12:52 
県庁舎前モニュメント 未完成のまま撤去へ 県の対応に批判も


 群馬県庁の庁舎前に20年前から8500万円かけて建設されたモニュメントが、未完成のまま年内に撤去されることになりました。
 撤去にはさらに4400万円かかるということで、建設に反対してきた市民団体は県の対応を批判しています。


 前橋市大手町の県庁庁舎前にあるモニュメントは、前橋市出身で東京芸術大学の池田政治名誉教授がデザインし、当時の小寺知事が「群馬県庁」と書いた文字が刻まれています。


 2002年に始まった建設当初の計画では、25年かけて7.5メートルほどの高さまで石を積み上げ、その石に、県内で生まれた子どもの名前を刻む予定でした。


 ただ、県によりますと、個人情報保護や費用面などについての懸念を踏まえて3年後の2005年に建設が中止され、この間、8500万円の費用がかかったということです。


 その後、未完成のまま残されてきたモニュメントについて、県は、県庁前の広場の再整備を目的に撤去することを決め、9月の補正予算案に撤去費用として4400万円を計上しました。
 撤去は年内に行われる予定です。


 建設と撤去に合わせて1億3000万円近い公金を県が投じたことについて前橋市の市民団体「市民オンブズマン群馬」は「税金のむだづかいだったが、建てたからには残しておけばいい」などと県の対応を批判しています。


 一方、県の財産有効活用課は「多くの費用がかかることへの県民の批判があるのは承知している。ただ、今のまま放置すると県庁周辺を有効活用する機会を損失するため、未来への投資だと考えている」と話しています。


 モニュメントの撤去について、前橋市の40代の女性は「この形が完成形で建っているのかなと思っていた。作ってしまったものはしかたないけれど、4000万円以上かけて撤去することはもったいないと思う」と話していました。


 また、前橋市に住む70代の男性は「なじみがあるし、お金がかかるのならそのまま残しておいた方がいいと思う。このモニュメントを残した上で広場を作ればいいのにと思う」と話していました。

 「市民オンブズマン群馬」の小川賢代表は「25年かけて7.5メートルの高さまで建設するといっても、いったいどんなものなのか、トータルでいくらかかるのかもわからなかった。そんなものを県民の意見を聞かずに作るのは不思議で税金のむだづかいだと思っていた」と当時を振り返りました。


 一方で撤去については「合わせて1億3000万円近くかかる税金が“無”になってしまうので、“今のまま残しておけば”というのが正直な思いだ」と話しました。
 そのうえで今後の広場の活用については「山本知事は記者会見で『これから考える』と発言したが、本末転倒だと思う。県民の意見を聞くことが基本でその意見を最大限反映して、SDGsなどの世界的な潮流ももっと取り入れ県民がきちんと理解できるような説明をして施策に反映してほしい」と注文をつけていました。


 山本知事は今月1日の記者会見で「芸術作品自体は価値あるものだと思っている。デザインをした池田先生に、撤去の同意をいただいたことに本当に感謝したい」と述べました。


 そのうえで、撤去後の広場のあり方について「広場を活用することで群馬県の存在感を高めて群馬県の魅力を発信できる、そして多くの人が集まる場所になるように、独自のおもしろいアイデアを出しながら議論をしていきたい」と述べました。


 さらに、県の財産有効活用課は「広場は、スポーツやイベントなど幅広い用途に使えるように民間の知恵なども借りながら、にぎわいが創出できるような場を作っていきたい」と話しています。
**********

■当会では9月9日付で群馬県知事あてに次の内容の公文書開示請求書を提出しており、早ければ、9月23日ごろ、開示に関する何らかの連絡があるはずです。

*****開示を請求している内容*****
①解体撤去の根拠の一つとして、モニュメント自体の老朽化が進んだことを挙げているが、この根拠が分かる情報。
②「池田さんの許可も得て撤去を決めた」という証拠情報。
③既に芝生広場となっているのに「撤去とともに芝生を張り替え、今後は周辺を含めた約三千八百平方メートルを芝生広場として活用する方針」を打ち出した理由や根拠が分かる情報。
④モニュメント撤去費として計上した4400万円の内訳情報。
⑤既に「群馬県庁」と彫られているのに、わざわざ「県庁を示す銘板は新たに設置する」のか、その理由が分かる情報。
⑥もともと賑わいを創出するはずのモニュメントだったはずなのに、なぜ「イベントなどさまざまな用途に活用したい」ために解体・撤去する理由が分かる情報。
⑦「今後、具体策を検討していく」として、具体策も決めない内になぜ撤去しなければならないのか根拠を示す情報。
⑧「これまでの制作に8500万円がかかった」内訳を示す情報。
**********

■実は、群馬県行政の無駄遣いは上記の平成14年3月に発表された県民広場整備計画に伴うモニュメント21だけではありません。当時、この県民広場の整備に際して、平成6年後半に7961万9千円(消費税込み)の公費をかけて製作・設置された電光掲示板と、それに伴う電源設備工事に731万3千円(同)、さらに制御用通信ケーブル工事に16万4800円(同)の血税が投じられていましたが、それらを僅か7年後の平成13年に241万5千円かけて解体したのでした。

 この電光掲示板にかかる一連の設置・解体・撤去に総額8720万円近いカネをかけていたのです。恐るべき税金のムダ遣いの連鎖が、知事が変わるたびに、相も変わらず繰り返されているのです。なんとかこの負の連鎖を断ち切らないと、群馬県行政の無駄遣い体質は、この先もずっと続くことでしょう。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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