市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【統一地方選第1ラウンド】盛り上がりに欠ける選挙戦・・・誰がなっても同じなのか

2023-04-07 23:34:14 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■4月29日任期満了の群馬県議会議員の選挙は、3月31日(金)告示で、4月8日(日)投開票にむけて、現在選挙戦は大詰めを迎えています。そうした中、当会は、東邦亜鉛安中製錬所を巡る公害防除特別土地改良事業(通称「公特事業」という)に関して、地元安中市区から出馬している3候補に問うため4月3日(月)に、以下の内容で公開質問状を提出していました。

*****4/3安中市区県議候補向け公開質問状*****
                           令和5年4月3日
群馬県県議会議員選挙候補者
ご芳名       様
                    〒379-0114安中市野殿980
                    北野殿公害対策委員会
                    委員長 小川 賢
                    携  帯:090-5302-8312
                    FAX:027-381-0364
                    E-mail:ogawakenpg@gmail.com
           公 開 質 問 状
拝啓 当委員会は、安中市内で操業を続けている東邦亜鉛安中製錬所の影響に晒される地元住民の安全・安心な生活・営農・自然環境の保全と、同製錬所の監視及び対話を目的として活動している組織です。現在、地元の野殿地区では同製錬所周辺の土壌汚染畑地を対象として県営による公害防除特別土地改良事業(公特事業)が進められております。
 さて現在、令和5年4月29日任期満了に伴う群馬県県議会議員選挙が、3月31日告示、4月9日投開票の日程で執行されております。選挙活動中のご多用のところ誠に恐縮ですが、以下の質問事項に関してご記入いただき4月7日(金)15時までに、FAX(027-381-0364)にてご回答くださいますようお願い申し上げます。

【Q1】同製錬所からは依然として通常の地域の数十倍もの量のカドミウム、鉛、亜鉛など重金属を含む降下ばいじんが周辺域に降り注いでいます。この事実をご存じでしょうか。
   □知っている   □知らない

【Q2】この状況を打開するためには、既に土壌汚染が進んでいる同製錬所周辺の畑地の土壌を健全化しなければなりません。しかし、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、昭和47年8月17日に定められた農用地土壌汚染対策計画は、昭和51年3月及び昭和53年6月に変更決定されたにもかかわらず、対策事業の実施にあたって、指定地周辺の要観察地域の畑等も含めて一体的な対策を図るべく、対策計画の変更及び土地改良事業計画に基づく公特事業について、いまだに検討・調整中の段階にあります。遅れを取り戻すための必須要件と思われるものを次の中からお選びください(複数選択可)
   □国の熱意  □県の熱意  □市の熱意  □東邦亜鉛の熱意
   □地元関係者の熱意  □事業内容の周知徹底 □わからない
   □それ以外(具体的に:                          )

【Q3】当委員会は、3年後の令和8年4月までに、公特事業の着工の目途を確実化することが地元の抱える公害問題対策の大きな節目にひとつと考えております。そのため県議に当選された場合、当委員会のかかげる着工実現という目標に向けてどのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元選出の県議として、3年後の着工をかならず実現させる。
   □地元選出の県議として、3年後の着工に向けて最大限の努力を惜しまない。
   □地元選出の県議として、3年後着工の期待に沿えるよう配慮する。
   □地元選出の県議として、3年後着工に向けてできる範囲で対応する。
   □地元選出の県議として、3年後の着工の実現にはこだわらない。
   □地元選出の県議として、3年後の着工の実現はあきらめる。
   □地元選出の県議として、なんともいえない。

【Q4】もう一つ重要なことは、現在も続く重金属を含む降下ばいじんの問題です。この状況を打開するためには、東邦亜鉛に対して、さらなる公害防止対策を課すなどして、降下ばいじん量の減少はもとより、降下ばいじん中の重金属濃度をゼロにすることが再汚染対策の観点からの不可欠です。さもないと、仮に公特事業が実施されてもいずれ土壌の再汚染を招くからです。そのためには、東邦亜鉛に対して、安中製錬所が実施している降下ばいじんのデータの開示と、原因究明・対策方針に関する説明を求める必要があると考えます。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元選出の県議として、かならず開示と説明を求める。
   □地元選出の県議として、必要性を検討したうえで判断する。
   □地元選出の県議として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
   □地元選出の県議として、なんともいえない。

【Q5】最後に東邦亜鉛安中製錬所(会社)が副産物として毎年大量に生み出している非鉄スラグの問題があります。これまで何十年にわたり莫大な量のスラグを日々排出してきていますが、その使用箇所について、会社は「行政に報告しているので、報告内容は行政に問い合わせてほしい」と言い続けています。当委員会では、会社が行政に報告している非鉄スラグの使用状況に関する情報を自ら開示するよう、会社に求めていますが、誠意がみられません。そこで群馬県に開示請求をしたところ、真っ黒に塗られた文書が開示されました。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元選出の県議として、県と会社の双方に対して必ず開示を求める。
   □地元選出の県議として、県に対して開示を求める。
   □地元選出の県議として、会社に対して開示を求める。
   □地元選出の県議として、必要性を検討したうえで判断する。
   □地元選出の県議として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
   □地元選出の県議として、なんともいえない。

 ご協力ありがとうございました。なお、ご回答内容の結果は、ご回答の有無と併せて、SNSなどを通じて広く公表する予定です。予めご了承ください。
敬具
**********

■最初に、昨年11月7日に出馬表明した当時安中市議会副議長で新政会所属遠間大和(やまと)候補の選挙事務所を訪問しました。遠間候補の選挙事務所は中宿28-3にあり、両隣が小川精麦と関東新聞販売で、信越線沿いに安中駅と新島学園の中間あたりにあります。

 事務所を訪れ、「選対長はいらっしゃいますか」とスタッフに声をかけたところ、「今、電話対応中なので少しお待ちください」と中に通されました。まもなく現れたのが上間仁田にある山一製作所の代表取締役の佐藤茂樹氏でした。

 さっそく説明書を渡して、趣旨を説明しました。佐藤氏は「東邦亜鉛の問題はとっくに和解により解決していたと思っていた。実際にはまだだったとは知らなかった」とおっしゃり、候補者に伝えておくことを約束していただきました。退出する際は、事務所の入口までお見送り頂きました。

 次に伊藤清事務所を訪ねることにしました。以前から原市の杉並木のところに事務所があったことを覚えていたので、訪問したところ、事務所の入口に選挙事務所は、安中磯部線沿いにある「やまとや」であることを告げる貼り紙がありました。躊躇していると中から女性の事務員が声をかけてきました。要件を告げると、「わかりました。候補にその旨伝えておきます」とのことで、質問書を手渡しました。

 そのあと、「やまとや」の選挙事務所も訪問しました。昨年4月の市長選で岩井均候補(現市長)が借りていた場所です。中に入り、手指の消毒をしてから受付表に記帳すると、後援会長の池田泰弘氏が現れ挨拶をしました。「候補者の自宅付近に住んでいる縁で、後援会長を引き受けたが、重責に緊張している」と自己紹介していただいた後、当方からさっそく要件をお伝えし、「既に公開質問状を伊藤清事務所の方に提出済なので、よろしくお伝え下さい」とお願いしました。その後、選挙戦の様子をお聞きしたところ、「松井田地区は岩井市長が県議の頃、一緒だったので年配の世代には名前は浸透しているが、若い世代には浸透していないのが課題」とのことでした。現職とはいえ、岩井候補にくらべると得票数の絶対値は決して多くなかったことから、「どの候補が当選するかわからない」として、緊張感をもって選挙戦に臨んでいる様子がうかがえました。

 最後に、粟野好映候補の事務所を訪れました。場所は市内の安中1066-3で、米山公園の北側の秋間川と九十九川の間に位置します。

 「あわのよしあき事務所」と書かれた事務所の脇の駐車場に車を止めて事務所に入ると、事務局長の臼田誠氏と親族代表の川田隆司氏が現れたので挨拶をして、公開質問状を渡し、回答を依頼しました。「候補に伝えるが、連日の選挙遊説で候補は疲れており、できれば、選挙運動期間後に回答するようになるかもしれない」とのことでした。当方からは「お疲れのところ申し訳ありませんが、できれば7日の金曜日までにお願いできればと存じます」と再度要請しました。ちなみに、川田氏は長年ボルテックスセイグンで勤務され、現在安中市交通安全協会の会長だということです。

■結局、どの候補からも期限までに回答をいただけませんでした。その理由は定かではありませんが、3候補の選挙事務所には、東邦亜鉛安中製錬所と大書したエビラ、あるいは為書きがいずれも目立つところに貼ってあったことと、事務局関係者で「東邦亜鉛さんにも支援いただいている」とコメントする場面もあったことから、やはり、大企業からのサポートのほうを優先しているのかもしれません。

 いずれにしても、投開票日まで、各候補の動向を注視してまいります。

【ひらく会情報部】

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東邦亜鉛安中製錬所における7月2日開催の第31回工場視察会の一部始終

2022-09-03 13:06:01 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■毎年恒例の東邦亜鉛安中製錬所における工場視察会は、東邦亜鉛と安中緑の大地を守る会(旧・安中公害裁判原告団)との間で締結された協定書に基づき、例年4月の第2土曜日に開催していました。ところが、コロナの影響でここ2年ほど9月に開催されていましたが、今年は7月2日に開催されることが双方による協議会の場で決まり、連年になく早い梅雨明けの極暑の最中、開催されました。その模様をご報告いたします。

 コロナ過のため、参加者は10数名に絞られましたが、午前8時半から安中製錬所の事務棟前の来客用駐車場に、次々に車で乗り付け、玄関で体温チェックと手指の消毒を済ませた後、名簿に住所氏名を記入し、2階の大会議室に集合しました。そして、午前9時に第31回工場視察会が始まりました。

【会社司会】みなさま、おはようございます。(場内:おはようございます)事務部環境管理室を担当しております中島でございます。本日の工場視察会におきまして、会社側の司会を担当させていただきますので、よろしくお願いいたします。例年4月に行われております工場視察会ですが、新型コロナウイルスの影響により、また今年も…今年もというのではないですけれども、この時期での開催ということになってしまいました。梅雨が早々にあがってしまって、非常に暑い日が続いております。本日も、もう気温がだいぶ高いですけども、これからさらに気温が高くなる、というふうに予想されますので、熱中症については十分注意をしていただきたい、というふうに思います。新型コロナウイルスに関しましては、最近感染者数が少しずつ減っている、という傾向にはなっていますが、感染予防には十分配慮しながら開催してまいります。ソーシャル・ディスタンスのために人数制限をさせていただいたり、マスクの着用、手の消毒、まあ、色々とご協力をいただきましてご不便をおかけします。本日の工場視察会は、時間短縮のため、終了を11時で予定させていただいております。ご協力をよろしくお願いいたします。それでは、まず、会社側の出席メンバーの紹介をさせていただきます。本社のメンバーにつきましては、新型コロナウイルス感染予防対策としてWEBでの参加となります。モニターをご覧下さい。まず最初に、総務本部長の大久保常務執行役員でございます。

【本社側】・・・・あっ・・・(声がでない)

【会社司会】すいません。本社のほうのマイクが入っていない。石井室長、聞こえますか?

【環安室長】はい、今ようやく。すいません。

【会社司会】すいません。そうしましたらもう一度、本社のメンバーの紹介をさせていただきます。まず最初に、総務本部長の大久保(浩)常務執行役員でございます。

【総務本部長】本社総務本部の大久保でございます。本日はよろしくお願いします。

【会社司会】同じく、総務本部の高橋(宏)副本部長でございます。

【副本長】高橋でございます。よろしくお願いいたします。

【会社司会】同じく総務本部(総務兼秘書室長)の橋田(幸弘)部長でございます。

【総務部長】橋田でございます。よろしくお願いしま~す。

【会社司会】同じく総務本部の安藤顧問でございます。

【総務顧問】安藤でございます。よろしくお願いします。

【会社司会】次に、環境安全室の石井(光)室長でございます。

【環安室長】石井でございます。本日はこのメンバーでどうぞよろしくお願いいたします。

【会社司会】続きまして、安中製錬所のメンバーでございますが、所を代表します森田常務執行役員所長でございます。

【所長】森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いします。

【会社司会】副所長の原澤でございます。

【副所長】おはようございます。原澤でございます。よろしくお願いいたします。

【会社司会】次に製造部、鈴木部長でございます。

【製造部長】製造部鈴木です。よろしくお願いします。

【会社司会】それと、事務部環境管理室を担当しています私、中島です。本日このメンバーで工場視察会の対応をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。では、続きまして、朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会会長、藤巻岩男様。よろしくお願いします。

【藤巻会長】おはようございます。

【会社司会】会長、マイクをお願いします。はい、マイク。

【藤巻会長】ごめんなさい。おはようございます。(場内:おはようございます)まあ、今年はね、梅雨があるようなないような、で終わってしまって、真夏に入ってしまうということで、連日の暑さでございますね。まあお互いに、暑気に当たらないように、とは言ってもね、この外へ出てしまうと、これというあれがありませんけれどもね。水を補給したり、太陽を少しでも避けるようにして、今日一日を過ごしていきたいと思います。それにコロナですけれどもね、減ってきたという先ほどの挨拶の中にありましたけれども、ここ幾日か、東京をはじめ、群馬もそうですけれども、又増え始めているんですね。どうも、このまま収まる気配ではないというような状況で、この点についても、大変心配されているところでございますけれどもね。これが一日も、できる限りの対策を立てて生活をしていかなければならないかなとは思っておりますね。本日は今日、暑い中での実施というものになりました。会社の方も大変だと思いますけれど、まあ、暑さの、うまくいけば時間を短くできるところは時間を短くする。もちろん必要な説明はしていただかなければなりませんけれども。そういうことで本日無事に視察会が終了できますよう祈念しております。よろしくお願いします。

【会社司会】ありがとうございました。続きまして、会社を代表しまして、所長の森田よりご挨拶を申し上げます。

【所長】皆さんおはようございます。(場内:おはようございます)所長の森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。3年が経過するんですね、新型コロナ感染症。まあ昨年はですね、そのような。今年ですね、5月、ゴールデンウィーク明けから徐々に、まあ感染症が減少してきているという、まあ当時はそういう状況の中でですね、安中緑の大地を守る会役員様とですね、今年度の工場視察開催に年明けから相談させていただきました。まだ、完全にという、感染症撲滅とはならない状況ということを判断しまして、ご不自由をかけますが、ここ2年間開催と同じようにですね、弊社コロナ対策ルールに沿った形で、また、今週は早々にですね、梅雨明けになりまして、連日の極暑のなかでございますが、本日、工場視察会を行わせていただく運びとなりました。昨年をちょっと振り返りますと、昨年、21年のですね、東京オリンピックなりパラリンピックがございまして、ですね、8月・9月をピークに、まあ、祭りの後の静けさと申しますか、新型コロナウイルスの感染者数が10月以降ぐっと急激な減少となりまして、数も規模も急降下という話でございました。そういうような中で、社会を取り巻くといいますか、気候変動対策とか、CO問題、また、よくテレビでもお耳にしているかと思いますSDG等の国際的な社会の大きな変革が伴ってですね、とりわけ我々製造業につきましては、エネルギーや資材の高騰が拍車となりまして、非常に不穏当な国際社会に陥った、昨年、とりわけ下期ではなかったかと思います。そういうような中で11月8日に、ですね、54年間稼働してまいりました安中製錬所の焙焼炉を停止致しました。また、第2電解もですね、21年度をもちまして停止と、いうかたちで、安中製錬所は一部生産設備の停止、統括に伴いまして、亜鉛事業再構築に向かって舵を切りまして、現在もその状況の中で展開中でございます。併せて、非鉄スラグ関係に関しましても、粛々と必要な対応を積み重ねてまいりまして、逐次、県行政にですね、報告をしておる状況でございます。まあ、オミクロン株のコロナ感染も減少傾向で、目下、申し上げたように、先ほど藤巻会長もおっしゃられたように、ここにきてちょっとまた増えてきているところで、まあ、いろいろ状況が日に日に変わっているところでございますが、まあ、極暑の工場視察会となりまして、いろいろとご不自由をおかけしますが、地元の皆さまのご指導とご鞭撻をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶に替えさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

【会社司会】続きまして、本日の視察コースや日程につきまして、製造部長の鈴木より説明をさせていただきます。

【製造部長】それでは工場視察につきまして、ご説明させていただきます。製造部鈴木です。よろしくお願いします。去年と同じくですね、製錬所内の製造工程並びに公害防止設備を中心にご案内させていただきます。昨年11月に焙焼、硫酸工場、今年の3月に第2電解工場の稼働を停止しております。その他操業は順調でしたので、安定した事業を進めている状況をご視察いただければ幸いと思います。昨年と同様、新型コロナ対策でマスクをしておりますので、私の声が聴きづらいかもしれませんが、ご了承をお願いします。また、昨年の視察会が9月…に対しまして今回は7月で、例年になく気温が高い状況になっております。もう外の気温も30度くらいになっております。また、マスクもしておりますので、熱中症には特に注意していただければ幸いです。また、視察中にご気分が悪くなられたり、体調に異変を感じられた方は遠慮なく申し出て下さい。視察についてですが、お手元の資料の視察コースのページのほうをご覧ください。今年も、ですね、マイクロバスを1台、ワゴン車2台を用意しました。第1班、健脚コースのほうにつきましては視察場所により、バスから降りてのご案内となりますので、ヘルメットの着装をお願いします。案内は、私、製造部鈴木がご案内いたします。第2班、楽々コースにつきましては、ワゴン車からの視察となります。視察中ワゴン車の乗り降りは致しませんので、外も暑いですので、ちょっと外に行くのは不安がある方につきましては、そちらの方の乗車をお勧めいたします。ヘルメットはご不要です。で、案内につきましては、総務課の長岡のほうが担当いたします。今回のコースでも前年同様、公特事業についてのご視察を追加してあります。この点につきましては、このあと中島のほうからご説明いたします。では、工場視察会の注意事項についてご説明いたします。まずですね、場内での写真撮影のほうはご遠慮いただきたいです。今回も場内での持ち込みは…、場内に持ち込まないようにご協力をお願いします。また、携帯電話につきましては持ち込み可能ですが、撮影機能のほう、こちらのほうは使用をご遠慮お願いします。また、健脚コースの方につきましてはバスを降りて工場内を歩いていただきますが、安全確保を最優先に足元にご注意いただくとともに、稼働している施設並びに製品につきましては、絶対に手を触れないよう、お願いいたします。では、これから視察に入りますので事務所前へ移動をよろしくお願いいたします。


【会社司会】環境管理室の中島でございます。先ほど公特事業につきまして、今回視察コースというご説明がありました。今回の視察コースには昨年に続きまして、客土材の仮置き場が入っております。昨年の客土材仮置き場につきましては、視察コースでご覧いただいたのですけれども、今年につきましては、客土材のほかに、覆土材が搬入をされております。その状況をご覧いただきたいというふうに思っております。排土処理場の方ですけれども、こちらについては、昨年もそうだったのですが、事業所の外ということもございまして、視察コースには入れてございません。代わりにですね、お手元の資料の2枚目、視察コースの裏面にですね、排土処理場の、まあ、こういった写真をですね、掲載させていただきました。少し前に撮った写真なので、現在もう少し草が茂っております。


まあ、草が茂っているので、今の写真よりもこちらのほうが、わかりがいいかなと思いこの写真を使いました。まあ、こんな状況になっているということでございます。それでは、視察の方に移らさせていただくんですが、例年ですと、この視察の前にですね、記念撮影というものをしております。ただ、ここ数年続けておりますように、三密を避けるために、記念撮影のほうは中止とさせていただきます。トイレ等を済ませていただきまして、玄関先の方へご移動をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

■9時15分に玄関先でマイクロバスに乗車しました。まもなく出発し製錬所内に入りました。

【製造部長】皆様、あらためておはようございます。(車内:おはようございます)場内視察のほう、ですね、ご案内いたします製造部の鈴木です。よろしくお願いします。先ほど、説明したとおりですが、まず、工場の方ですね。最上部に上がってから下りながら順次視察していきますので、よろしくお願いします。当社は、主に、亜鉛、鉛、銀のほう、地金の方ですね。こちらの方を生産しております。まあ、その他のほうですかね。だいたい6つの事業から成っておりまして、亜鉛、鉛、銀の地金生産のほかにはですね、主だって電子部品の材料なりですね、粉末冶金の方の部材の方の生産を行っております。弊所、安中製錬所におきましては、亜鉛地金、あと、亜鉛合金の地金、硫酸、粉末冶金による焼結部品などですね。こちらのほうの生産を行っております。亜鉛はですね、年間14万トン、大体月に1万トンですね。こちらのほうの生産能力を持ちまして国内のほうの約20パーセント強ですね、こちらのほうの亜鉛の生産を行っております。生産した亜鉛の方ですけれども、こちらのほうはですね、約60パーセントがですね、自動車などに使用されております薄板の鋼板メッキ、こちら用に亜鉛が使用されております。

■5分ほどでTCAのわきに到着しました。マイクロバスから下りて、視察です。ブロアの甲高い音が立ち込めています。旧FBWS排気塔やTCAなどと描いてある説明板の前で、健脚コース参加者の皆さんが会社側の説明を受けました。

【製造部長】こちらのほうですね。鉱さい処理のロータリーキルンの排煙の脱硫工程のほうの処理装置となっております。ロータリーキルンの方で発生する排ガスの方をこちらの方に引いております。排ガスにつきましては、ガスクーラーで冷却して、バグフィルター…すいません、ちょっと暑いので日陰の方でお集まりいただければ…。すいません、排ガスのほうですね、ガスクーラーの方で冷却してバグフィルターで除塵した後、粗酸化亜鉛ダストとして回収しております。その回収した排ガス…ダストを回収した排ガスですね、こちらの脱硫工程の方に送られてきます。排ガスの方につきましては亜硫酸ガス、こちらの方が含まれておりますので、これを脱硫するのに、こちらの右手の方にあります亜鉛華のTCA。で、こちらの左手の方に見えます苛性ソーダのTCAで脱硫しまして、あと残りが水TCAと呼ばれている、こちらのほうで水洗浄をしております。そして、地上高37mあるんですが、こちらの方から排気しております。排ガスの方ですね、硫黄酸化物測定に関しましては、こちらにあります水TCAと呼ばれる塔の出口の方に設置して、硫黄酸化物の連続測定、こちらの方を常時行って監視しています。で、あとですね、排ガスの煤塵等の測定につきましては、2か月に1偏、測定しまして、定期的に排ガスの煤塵の管理を行っております。それでは次の行程のほうに参りたいと思います。

■マイクロバスに乗り、坂を下り始めました。車内での会話が聞こえてきます。「いやあ、暑い暑い」「すいませんね。最近年を取って太ってきちゃってどうしようもないやね」

【会社司会】じゃあ、次お願いします。

【当会】鈴木部長、質問いいでしょうか?

【製造部長】なんでしょうか?

【当会】あの排気塔からの2か月に一遍、煤塵の測定をされるとおっしゃっていました。どういう測定をされていますか?何の測定をされていますか?どういう方法?時間がかかるなら後でもいいですよ。

【会社司会】方法?やっている項目は煤塵…。

【当会】だから、煤塵の、ただの量なのかね?

【会社司会】えーと、カドミウム、鉛、亜鉛、あと、硫黄酸化物・・・窒素はやっていないんだな。

【当会】窒素酸化物はやっていない?

【会社司会】それくらいです。はい。

【当会】それは連続的に?

【会社司会】連続的ではなく、2か月に一遍のスポットです。

【当会】サンプリングで?

【会社司会】業者さんにお願いしています。

【当会】だからそのサンプリングでやっているのか。どういう方法なのか?

【会社司会】えーと、あれです。通常の吸引法です。吸引して。

【当会】ガスクロとか何か、使っているの?

【会社司会】分析自体?要は、ろ紙に捕集しているんです。それを業者さんが持ち帰って化学分析をしているということです。

【当会】はい。そのデータは内部だけね?公表しないんだよね。

【会社司会】どこにもお出ししていません。

【当会】企業機密だからね?

【会社司会】はい。

【当会】それでは困るんですよ。まあ、後で質問するけど。

■やがてマイクロバスは中腹のカーブ地点を直進して、ロータリーキルンへの横道に入っていきました。まもなく建物に覆われた狭い道路を進みました。左右の建物の内部が見えないようにしっかりとブルーシートが両側に張られていました。車内で会話が飛び交います。「ここは日陰だ」「全然暑さが違いますね」「今回はブルーシートで完璧に覆っていますね」「もう焙焼炉止めたんだから全部スクラップにしたほうがよろしいんではないでしょうか」「今、屑鉄が高いからね」

■マイクロバスはロータリーキルンの前の空き地に着き、向きを変えるために切り返しを繰り返しました。3回ほど切り返して元来た方向に向きを変えました。そして参加者はバスを下車しました。日陰に参加者は集まったので、会社側が説明板を見やすい場所に移動しました。例年になく、軋み音があたりに響き渡り、騒音レベルが一層大きい感じがします。

【製造部長】さきほど、見て頂いた排煙脱硫工程ですが、そちらの方に送る排ガスを発生させるのがこちらのロータリーキルン(RC)です。左側ですね。このRCのほうに投入する原料につきましては一次鉱さいと言いますが、先に、ここから見えないですけれども、このドライヤーで事前乾燥されます。次に乾燥した一次鉱さいにコークスを混ぜまして、左手に見えるRCのほうにコークスと一緒に入れます。炉の先端の方にバーナーが併設されておりまして、重油燃焼によりまして、約1300度くらいまで加熱させまして、一次鉱さいと言うものを、亜鉛、こちらが揮発します。で、揮発した亜鉛につきましては、空気と接触することによって酸化物となります。ちょっと左手の方にガスクーラーと書いてありますが、そちらのガスクーラーや後ろの方にありますバグフィルター、こちらのほうで捕集されております。その酸化物を粗酸化亜鉛と称しまして亜鉛原料として回収しております。RCの炉前側から鉄分が主体のクリンカーと呼ばれるものが排出します。こちらのクリンカーにつきましては冷却されて、粒度を揃えて、出荷されます。ガスクーラーは排ガスの冷却や熱回収を行って、その熱はバーナーなどの二次空気に再利用されています。以上がRCの説明になります。では次の行程に移ります。よろしくお願いします。

【当会】バグフィルターはどこ?

【製造部長】ここです。

【当会】ああ、ここか。

【参加者】このなかに人がいるのかね。無理だよ。こんな熱くては。さっき警報が鳴っていたよ。

 バグフィルター室の間ドアから中を見ると、バグフィルターは8本見えました。その途端にサイレンの大きな音があたりに響き渡りました。暑さと双方に耐えかねて、参加者はさっそくマイクロバスに避難しました。引き続き車内でも会話が続きます。「炉の中にも人がいるんですか?」「はい?」「あの中にも」「えーとですね、普段はいません」「サイレンみたいなのが鳴っているのでびっくりしました」「熱中症対策をして、温度計を持って点検に入ります」「あれでは温度計見るだけでおかしくなっているんじゃないの」「点検には入りますが、ずっといたら参ってしまいますね」「そうだいね」

【当会】ガスクーラーでガスの温度は何度くらいまで下げるのですか?400度くらい?バグフィルターの耐熱郷土によりますよね?

【製造部長】そうですね、あの手前で大体200度前後までいきます。

【当会】はい。バグフィルターに穴が開いたときは、例の光電管方式で検知しているのですか?

【製造部長】・・・

【当会】それとも全然(検知)していない?

【会社司会】いえ、バグフィルターで漏れてもTCAにガスが行くので。

【当会】いや、そうなるとTCAの負荷が上がるから、全く野放図なのか?じゃあ、(検知を)やっていないわけなんですね?

【会社司会】(バグフィルターの)点検は、もちろん定期的には、やっています。チェックできるようになっています。

【当会】定期点検だけね。光電管とか、そういうセンサーは付いてるの?

【会社司会】光電管のセンサーはないです。

【当会】つまり、目視ね?

【会社司会】そうです

【当会】じゃあ、(バグフィルターが破れた場合、漏れた重金属を含んだ粉塵は、次の脱硫工程に運ばれるので)負荷がかかる場合があるわけだ。と言うことは、(主)排ガス塔での重金属の排出の程度、傾向というのは、非常に重要なデータですね。それを公表しないというのは非常に問題ですね。まあ後で質疑応答でお願いします。

【会社司会】・・・

■参加者を乗せたマイクロバスは再び坂道に出て、左手に曲がり坂を下りていきます。右側にスラグを運搬するコンベアを支える支柱の列が見えます。やがて新電解工場のわきを通り、スラグ置き場に入りました。中でぐるっと回りました。そして中央で止まりました。外に降りずに車中から窓越しに見ながらの説明です。

【参加者】わーすごいな。すぐ(水が)染み込むんだね。

【製造部長】ここがですね、K砕の出荷場となっております。先ほどのRCから発生したクリンカーですね。ベルトコンベアでこちらのK砕出荷場のほうに送られてきます。こちらのほうの面積、大体約1万6000㎡となっております。こちらのほうですね、大気汚染防止法に沿いました粉塵発生施設の届出を出してから、建設をしております。施工内容ですが、こちらは地面のほうに厚いコンクリート製の土間を敷きまして、周囲に、周りの方は高さ4mくらいのコンクリの壁。それに高さ2mの、北側ですけど、フェンスですね。こちらを設置しまして、粉塵や音が外部に漏れないように工夫をしております。また、土間の方、常時散水しまして、濡れた状態にすることによりまして、粉塵の発生性を抑えるようになっています。そういった配慮をしております。はい、こちらは以上になります。

 次は調合亜鉛のほうに向かいました。車内で質問が出ました。

【当会】これ今、「出荷されている」とおっしゃいましたが、出荷されているんですか?今も?

【会社司会】はい、ここから出しております。

【当会】有価物として?

【会社司会】今は有価物として出ているものはありません。基本は全部サンパイです。

【当会】基本はそうだけど、そこの磁選機でより分けていたではないですか?

【会社司会】はい。

【当会】あれも(サンパイ)?要するに鉄分を多く含んでいるわけで。

【会社司会】まあ、受け入れ先で、鉄が高い、低いの、ご要望がありますので、それに従って磁選機で分けている。

【当会】それに応じてね?

【会社司会】はい。

【当会】それから粒度がずいぶん細かく一律になっていますけれども。いつからそういうふうにされました?

【会社司会】それはもう最初から、というか、前から、以前からです。

【当会】でも不適切に使用されたときには、かなりの粒度の差異があったようですが?

【会社司会】いやいや同じです。工程は一緒なので変わっていないです。

【当会】ははーん。

 どうも会社側の説明に違和感があります。クリンカーの頭文字をとって「K砕」などとわざわざ有価物っぽく名付けられた非鉄スラグは鉱さい、つまり産業廃棄物として全量処理されているとしながら、東邦亜鉛は、引き続き磁選機を使って、細かく破砕された鉱さいの粒から、鉄分を多く含むものを選別して、しかも、鉄分の多少に分けて、分別しているのです。おそらく、排出される非鉄スラグのうち、かなりの量を引き続き、どこかに出荷している疑惑を感じさせます。

■バスは最新の電解工場を左手に見て調合合金の工程に向かいました。ここにある環境空気のバグフィルターのセンサーを見ると相変わらず光電管方式のままです。バスから降りて調合合金エリアに集まりました。ここはとりわけ騒音が酷い場所です。

【製造部長】はい、こちらのほうが亜鉛のインゴットを製造過程になります。こちら亜鉛メッキの原料になります。こちらの方の金型トレイは約200種類くらいございまして多種多様な製品を作っています。6割くらいが、調合亜鉛です。調合亜鉛の方は高炉メーカーの方に納入しまして、自動車ボディ用などの、薄板鋼板メッキ、こちらに使用されております。調合亜鉛には、他の金属を添加しない純亜鉛やアルミなどの金属を添加する亜鉛合金がありまして、カソード亜鉛、こちらのほうを高周波誘導溶解炉で、500度で溶解して、アルミ等の地金は重油バーナー溶解炉で溶解します。調合炉、それぞれ必要な亜鉛、アルミ、その他金属を流しまして合金として生産しております。こちらの方は3基調合炉を備えておりまして、生産量は1日240トンですね。調合炉の方は、自動傾倒しましてユーザー各社指定の金型、これに流し込んで冷却、凝固させた後、金型から取り出して製品となっております。では次に参ります。

 参加者はぞろぞろと、隣りのコーナーに移動しました。

【製造部長】こちらのほうが、電気亜鉛を鋳造している工場になっております。電気亜鉛の方につきましては、メッキ、あと、精密鋳造に使用されている純亜鉛の製造になっています、調合亜鉛同様に、カソード亜鉛を低周波誘導溶解炉で、500度で溶解します。で、今、手前にあります1枚20キロのインゴット・ケースが整列する連続鋳造機のほうに、それぞれ流し込んで凝固させて金型から抜きます。金型から抜いたスラブにつきましては、ロボットとで積み上げて結束されて製品として出荷されます。スラブは1枚20キロ。約50枚積まれて一山1トン。そして出荷されております。はい、こちらが電気亜鉛です。では、バスの方にお願いします。

 とにかくここも騒音が酷いエリアです。感想としては、例年より、製品の量が明らかに少ないことを感じました。やはり生産量が少ないことをうかがわせます。

■参加者一同は、バスに乗りました。車内では会話が続きます。「昔のように火が見えなくってよくなったよね。昔は赤いのが見えて、従業員の服がみんな焦げているんだよね。いやだなあと思って、みんな孔があいているの。すごいんだよね」「今は、だいぶこう、なんというのでしょう、手作業ではなく機械の時代に変わっているからね」「赤いドロドロしたものをしゃもじみたいなもので汲みだしている感じで、怖かった」「ちょっと見るとね。今帰りという(作業員の)服を見ると、みんな孔があいていて、その孔がすごいんだよね。ひとつやふたつではないんだもの」「今は、そういう(火に)近づくことさえ、機会が減っているので。安全にはなっています」「近所の人がすごいやけどをしていたいね。もう亡くなっちゃったけど、やけどが原因ではないけどね。でも足とかすごく治るのに時間がかかっていたのを覚えている」

■マイクロバスは、構内を進むとまもなく、排水処理施設に着きました。参加者はバスから降りると、階段を上って行きました。ちょうど構内放送があり「換気の時間になりました。窓を開けて換気をお願いします」というアナウンスが放送されました。そのあと10時を告げるサイレンが鳴りました。階段を上り、展望デッキに集まった参加者に対して説明が始まりました。

【製造部長】はい、えー、こちらの方は排水処理工程となっております。製錬工程の雑排水ですね、集水池に溜めておりまして、製錬工程内のさまざまな溶液につきましては、繰り返し利用しているために、工程外には出ません。ただそれ以外の雑排水、例えば床を洗った水、あと、道路を洗った水、生活排水などですね。そういったものを雑排水が、集水池のほうに集められております。集水された排水はポンプで揚水されまして、流量調整されまして、中和槽のほうに送られていきます。中和槽では、苛性ソーダの方でpHをアルカリ性にすることによりまして、排水中の金属イオン、これが水酸化物として沈殿していきます。次にシックナーの方に送りまして、こちらの方で固液分離させます。中和液に凝集剤を添加し、沈殿を促進させながら、上澄み液と濃縮スラッジの方に分離させまして、濃縮スラッジを移動フィルターろ過器の方でろ過して、ろ液の方は沈殿池に戻す。ろ過滓の方は亜鉛電解尾液(びえき)で再溶解しまして亜鉛精錬の工程の方の原料に戻します。シックナーの上澄み液は微細な固形物を砂ろ過機でろ過しまして、ろ液の方はpH調整をしましてpH調整槽から希硫酸の方で、約pH8前後にしてこちらの方に逆中和したのち、延長放水路で(高崎市八幡町の)鐘ケ崎まで導水されまして碓氷川、こちらのほうに放流されております。逆中和処理工程の方で、PH常時監視しておりまして、pHの異常がある場合は安全ダンパーがついておりますので、こちらの方が作動して、第2集水池、こちらの方ですね、右手の方ですね、ああ、左手の方になりますね。こちらの方に回収されます。

【参加者】あの細長いところの池だ。

【製造部長】はい、そうですね。あと、通常の亜鉛鋳造工程とかで使用されています間接冷却水、こちら、工程と接触するところはないんですが、そうした冷却水につきましてはそういう量もチェックしたのち、旧放流水路から柳瀬川の方に放流されております。はい、浄水工程の方は以上となります。はい、それではまたバスの方へよろしくお願いします。

【当会】(相変わらず、目の前のタワー構造物に硫酸石灰の看板があるのを目にして)今、硫酸石膏はもうやっていないんでしょう?

【会社司会】硫酸石膏はやっていないです。

 製造部長の「はい、ではこちらへどうぞ」の誘導の合図で、参加者はぞろぞろと階段をおり、バスに乗り込みました。とにかくものすごい暑さです。昨年までは、このあと硫酸工場の視察となっていましたが、今年から稼働していないため、パスして、工場の正門を通過し、柳瀬川に架かる橋を渡りました。車の中で会話が交わされます。「川の水がだいぶ減っているね」「ほとんど川床が見えている。どうなるのかな」「これだけ降らないとね」「来週は台風だというからね、一気に降るかもね」「だけどなんか変な天気だからね」

 マイクロバスは、橋を渡ると、旧売店の建物のわきを左手に入り、従業員用駐車場のほうに向かいました。隣のパチンコ店との間の空き地にバスが着きました。目前にブルーシートがかけられた山が二つあります。

【会社司会】こちらが客土の仮置き場になります。昨年もこの場所を見ていただいております。客土については昨年度3400㎥ほど受け入れたというふうに報告がございます。向かって左手に見えますのが、客土の残りと言いますか、令和3年度分はもう既に使っていますので、その令和3年度に使った残りが左手に見えます。令和4年度分については、これでは足りないようなので、また再度受け入れがあるというふうに聞いています。で、右側に見える、ちょっとシートが新しめの方ですが、こちらが先月、今7月になりましたので、6月に受け入れをしました覆土材というふうに聞いています。すいません、実際はシートがかかってしまって中味は見えないのですが、黒土だったというふうに見てました。受け入れるとしては1800㎥ほどと聞いています。まあ、今、やっています排土処理場の排土の上に覆土する材料というふうに聞いています。はい、ここの説明は以上となります。これで事務所に戻りたいと思います。

■時刻は10時10分になりました。ちょうど視察に出かけて55分が経過したことになります。マイクロバスは事務所の玄関前に戻り、ヘルメットを返却。事務棟の2階の会議室に入りました。猛烈な暑さの中での視察会で年配の参加者にとってはかなりバテバテの様子です。汗が引いたところで、時間が押していることから、8分間ほど休憩の後、後半の意見交換会が始まりました。

【会社司会】はい、えー、大変暑い中でのご視察、大変ご苦労さまでした。先ほどもお声がけさせていただきましたけれども、ご気分悪い方、大丈夫でしょうか。遠慮なく申し出をしていただければというふうに思います。よろしくお願します。暑い中で誠に恐縮ですが、引きつづきマスクの着用のほうはお願いをいたします。すいません、スケジュール表ですと、10分間の休憩ということで予定がされておりましたが、時間短縮ということもございますので、このまま続けさせていただきたい、というふうに思います。ご協力のほう、よろしくお願いいたします。では意見情報交換会というふうに移らしていただきます。意見情報交換会の会社側の司会を引き続きさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。それでは、令和3年度の経過と令和4年度の設備改善計画につきまして、所長の森田よりご報告をさせていただきます。

【所長】非常に暑い中、大変ご苦労さまでございました。先ほど司会の方から話がありましたように令和3年度と4年度の製錬所の主な工事、また課題メンテでの改善計画について、ご報告させていただきます。まあ、今日、ご挨拶冒頭に、昨年度は焙焼炉、並びに第2電解を停止して、ということで、新たな工場形態を進行しておる最中でございますが、令和3年度につきましての大きな工事としましての中身は、今日をご案内でご見学頂いたと思いますが、あのキルン工程のドライヤーの、まあ、大きな筒を回す足元のですね、タイヤというところですが、そのタイヤの更新、受ローラーの交換工事を行いました。あとは亜鉛の製錬をします湿式製錬の造液の、まあ、安中の焙焼炉が止まりまして、小名浜から送られてきます亜鉛の焼き鉱ですね、焼鉱と言いますが、それを溶解いたします、ナンバー5という溶解後の固液分離をするシックナーという設備をステンレス化、SUS化にしまして、更新をしております。あと、3番目としましては、排水処理工程の第2集水池。一番のメインの集水池でありますが、そこの補修工事、補強工事を昨年実施して、昨年ご報告した計画を全て実行し、完了しております。22年度、今年、今、夏季定修(夏季の定期修理)で工事を止めるところでですね、来週から定修に入るんですが、その中で主な工事が始まるわけでございまして、1番目が同じくキルンの、今度は、本体の筒のシェルの足回り、第2支点の受ローラーの製作、また、第3支点の受ローラーの更新ということで、整備をしております。同じく造液工程の、遠心分離機を、増設をしていくということでございます。それと昨年来から引き続いて排水処理工程の、今度は第3集水池、これの補強更新工事を順に実施しております。昨年来、コンパクトな亜鉛製錬所というのを、スローガンに改良を続けております。朝のご挨拶でも述べましたように、まあ、焙焼炉や電解の停止をして、小名浜と共有しているところがありますので、そういうところを統合していく。で、現状は順調な操業でですね、安全な操業が昨年からずっと継続されまして、公害防止施設をはじめ、各設備は計画的に更新して、日々、公害防止に努めてまいりたいというふうに、進めております。これからも地元の皆様のご理解のほどをよろしくお願い申し上げたいと、いうことでおります。それでは引き続きまして懸案事項はじめ、公特事業につきましては、環境の中島の方から報告させていただきます。以上ご報告をお伝えさせていただきます。以上でございます。

【会社司会】そうしましたら、環境担当の中島、私の方から、環境関係の懸案事項に関しまして、令和3年度の主な経過につきましてご報告を申し上げます。最初に公特事業の推進につきましてご報告を申し上げます。岩井畑地区の事業面積、公特事業の事業面積ですけども、令和3年度の計画によれば、1.35haというふうに聞いていたのですが、これが0.96haに変更になったというふうに聞いております。これは昨年10月に行政との打合せがあったのですけれども、その席で群馬県の技術支援課さんより、そんな報告がありました。今年ですね、1月、昨年度1月という表現ですね。高崎市信用金庫様のグランド周辺の排客土工事が、実施をされております。こちら、農免道路の東側ですかね、から見える場所であの辺を通る方については皆さんお目にしているかと思います。令和3年度の工事で、0.46ha。この排客土工事が完了したというふうにきいています。令和4年度につきましては、残りの0.49ha、この排客土工事を予定というふうにきいています。あの、細かい数字があるので、ちょっと合計すると、先ほど言った0.96にならないのですが、実際には0.955haということになり、この辺はちょっと、数字は計算してもピッタリはいかないということになります。先ほどご覧いただきました客土の仮置き場ですけれども、まあ、先ほども説明したんですけれども、排土処理上の排土、これを被覆するための覆土材。これを準備、ということで、報告を受けています。実際は、ご覧いただいたようにあそこにものがあるという状況でございます。岩井畑地区の事業につきましては、令和4年度、こちらで完了という計画だというふうにうかがっています。野殿地区ですけれども、こちらの公特事業の関係では、今年の2月に境界立会いが行われました。弊社の一部該当する土地があるということで参加をさせていただきました。この場所につきましては、弊社の南側フェンス、まあ、野殿側のフェンスですね。こちらから社宅があった場所、そのまた南西側ということですかね、そちら側で、ございました。まあ簡単ですが、以上が公特事業に関する情報交換などの概要でございます。今後も、県と市、それぞれ情報交換の機会をつくっていきたいというふうに考えております。公特事業につきましては皆さんの方が情報をお持ちかというふうに思いますので、情報があればお聞きしたい、というふうに思います。続きまして、令和3年度産米のカドミウム濃度の調査結果について、ご報告をいたします。安中市で行った検査結果については、特に問題ない、ということでございます。また、高崎市の検査結果、こちらも異常なし、であったというふうに報告を受けています。以上、会社が把握している令和3年度からの情報などについてご報告をいたしました。詳細部分につきましては、ご質問にお答えする形でご理解を賜りたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。そうしましたら、以降の進行につきましては高坂先生の方にお願いをしたいというふうに思います。高坂先生、よろしくお願いいたします。

【高坂司会】皆さん、どうもご苦労様でした。それではこれから詳しい状況、あるいはご意見のある方はそれを伺っていくということで進めていきたいと思います。皆さんの方で、ご質問なりご意見のある方は、いらっしゃいますでしょうか?はいどうぞ。

【当会】はい、すいません。最初からとは思っていなかったのですが、時間がやっぱり重要なのでですね。会員の小川賢、野殿980在住です。以前より東邦亜鉛さんには事あるごとに色々な面で情報共有をお願いしているところですけれども、今回、工場視察をさせていただきました。先ほど主排気塔、ここでの煤塵の測定をされていると、2か月に一遍ね。業者に委託しているということで、そこで重金属類、それからNOx、SOx、あ、NOxはやっていないのか…そういうものを測っているということなんですけれども、実はお手元に、降下煤塵のデータを例年のようにお配りしております。本社の皆さん、すいません、必要であれば、あとでこちらに請求してください。で、やはり我々としては、これは群馬県が毎月測っている、このデータが工場での操業内容も含めて、外部に対して大気中、まあ今お話のあった公特事業も、工場から主煙突、その他施設から排出される煤塵、埃ですね。この中に重金属が含まれていて、それが長年にわたって周辺の土地に降り注いでいる。それで田畑、とくに今、畑地ですけども、これが非常に汚染されているということで、土地改良事業として、いま進んでいるところでございます。まあ、群馬県の方はこういうふうに公表しています。で、私がいつも、お願いしているのは、会社さんのほうでも、測っているんだから、これをやはり示していただいて、どういうところで、そういった、まだ、重金属が漏れて、こぼれて、空気中に排出されているのか、というところをきちんと追及した上で、効果的な設備投資も含めて、効果的な対策をとるべきであると、こう思います。引き続き東邦亜鉛さんの方には自主的に周囲のダストジャー、ダストポッドで測定している自主検査の結果につきましても、公表していただきたい。で、群馬県の測っているところと比べて、精度を上げて、どこから出ているのか、主排気塔の降下ばいじんを測定されているということですので、より詳しい対策の種が…ネタが見つかると思います。まずそれをお願いするとともに、まあ、質問がいくつかあるのですが、これを全部お答えいただくとまた、時間がすぐ終わってしまうので、とりあえず私としてこれまで東邦亜鉛さんに対していろいろお願いやら質問やらしていることを、7項目にまとめてみました。すいません、鈴木さん、これ。(会社側にメモの配布を依頼する)ちょっとはしょって申し上げますけれどもね、まず1番目は、非鉄スラグの使用場所の現状と見通し。前回も前々回も、非鉄スラグにつきましては、先だっても群馬県のHPに出ました。6月の9日ですかね。群馬県が、6月8日か。依然として新たな場所に不適切な使用をされたスラグ製品の使用箇所について、皆さんの方から報告を受けて、で、今この対策をされているというところで、これ、HPに載っています。6月8日付の。で、この非鉄スラグの使用場所、安中市にもあるのかどうか、というところで、質問も、参加者から出ておりますけれども、一向に、皆さんの方は「行政に伝えているから行政に聞け」ということなので、今、行政に聞いているんですけども、行政も、東邦亜鉛さんの立場を非常に慮っている。それなので、全然開示しようとしないので、前回も、昨年も申し上げましたけれども、私の名前で審査請求をしております。もう1年半以上経ちました。まだ、出ないということは相当揉めていると思いますけれども、審査会の方できちんと審査されて、少なくとも安中市に埋まっているのかということは、そう遠くないうちに、なんとか情報として入手したいと思うのですが、それよりも前に、社会的責任を果たしている、一流企業である東邦亜鉛さんのほうから、自主的に、その辺の情報を開示していただければこんな手間をかける必要はございません。ということで、(非鉄スラグの)使用場所につきましては、引き続き公表をお願いしたいということと、もう1点。安中市のHPに「非鉄スラグ製品に関する情報について」と、いうことがもう2年くらい前、あの非鉄スラグの不適切な使用について新聞沙汰になって以来、安中市を含め、群馬県、高崎市、前橋市、行政のHPにこう書いてあります。「安中製錬所から出荷した非鉄スラグ、これと思しきものが使用されているという情報が有ったら、本社の総務本部総務部に連絡してくれ」と。私、連絡しました。40か所くらい。だけど、その結果は、教えてくれないんです。ということで、今日、市議会議員さん、複数名いらっしゃってますね。お願いがあります。安中市に対して、広報担当に対して、これを報告しても、その結果については、教えてもらえませんということを付け加えてもらいたいです。で、東邦亜鉛さんの総務部のほうにもね。このへんは、情報提供をお願いしますと。しかし、その結果については、一切、情報提供、つまりそれに対しての回答はできませんと、こういうふうに明記してもらわないと、一生懸命調査して心配で出しても、その結果が、リターンがないんですよ。これは強く申し入れておきます。それ、今、2番目ですね。非鉄スラグ製品に関する情報提供に対する対応。で、3番目、非鉄スラグの現在の処理状況。さきほど工場視察の際に、私、鈴木製造部長さんにも、お聞きしたんですけども、これを出荷していると。非鉄スラグ製品。その結果、出荷しているんだから、きちんと有価物で出しているんだということで、念のため、お聞きしたら、中島(環境管理室長)さんの方から、「いや、いわゆる商品としての出荷ではなく、管理型廃棄物処分場というのか、そちらのほうで、きちんと適切に処理しています」と。一部、磁石で、磁選機で選別したところは、どこかに有価物として出しているようですけれども、それは全体の1割かそこらへんだと思います。しかし、これはやはりきちんと、処理状況については広く開示してもらいたい。この非鉄スラグの不適切な使用を長年やってきた東邦亜鉛さんの企業体質としてね、それを払しょくするためにもぜひお願いしたい、ということです。それから4番目、生産体制の合理化と経過と結果。昨年、昨年度、一年の経過において、それまで、さきほど、鈴木製造部長さんもおっしゃっていましたけれども、亜鉛の、製錬亜鉛の出荷額、あ、出荷量、年間12万トンだと。まあ、これまで11万5000トンとか、12万5000トンだとか。経済産業省への届け出だと13万トンくらいの製造能力の施設の許可を得ているようですけど、今のところは、現在、月1万トン、年間12万トン。それから出るスラグは多分5万5000トンくらいだと思いますけど、その生産量を、コンパクトな工場に転換するというお話が、先ほど所長さんの方からも話がございました。で、コンパクトにするというのは、おそらく、ニュースリリース、東邦亜鉛さんのHPで、去年出された、初期に出されておられた記者発表によって、8万5000トン体制に移行するということですよね。私、先だってお伺いして、先ほどお配りした降下ばいじんの月別の降下量。それと、月別の東邦亜鉛さんの、製品量、あるいは製品の量に比例して、鉱石の入荷量、それから当然非鉄スラグの排出量、これは連動するわけですけれども、この相関性を確認したくて、いろいろ「月別の出荷量、亜鉛の製品出荷量について、データをお示しください」と言ったんですけども「できません」と。「年間もしくは四半期くらいならともかく、そんな細かいのは見せられない」と、こういう話なんですね。ここ是非ね、考え直してくださいね。お願いします。ということで、これに関して、皆さんのお手元にある、降下煤塵のグラフをご覧いただきますとね、平成4年5月連休中に最後に測ったやつが一番、見開きの右端にございますけれども、これ見ていただくとわかるんですけれども、これなんとなく、亜鉛の量とかなんとか、これなんとなくですよ、平成4年の3月まではあまり変わらないのですけれども、4月・5月は確かに少しなんか減っているような感じがします。感じ、ですけどね。ということは、おそらく東邦亜鉛さんは、今の話でもそうですけれども、第二電解工場の操業を止めたということですが、昨年度は目一杯操業していたのではないかと、こういうふうに思います。それは非鉄相場が、今、そんな悪くないと、資源高ですからね。電気代も高いというのも、痛し痒しだと思いますが、先ほど所長のお話にもありましたけれども。いずれにしても言いたいのは、きちんとこれはね、示してほしいんです。月別の操業量とかスラグの排出量とか、これ強くまたお願いします。今のは、5番目の降下煤塵との関係も含めてお願いします。それから6番目、公害防止対策に関する現状と見通し。先ほど公害防止対応施設については、十分、その、定期検修だとか、設備投資をして、年間1億円かけてとか、いろいろおっしゃっています。ロータリーキルンの今年はそのベアリングのローラーとか、交換するとかいう話ですね。炉体も含めてですか。いずれにしても、それはいいんですけれども、降下煤塵のもとになる煤塵、金属を含んだ煤塵が煙突やら、あちこちのところ、特にバグフィルター。さきほど、ロータリーキルンのところの併設されている大型の8基あるバグフィルター、これ孔が開いたらどうするんですか、と言ったら「定期的に目視検査しているだけ」と、こういう話なんですね。で、そのご説明のなかで、穴があいたまま気が付かずに、そこで排ガスを処理しても、その最後の、一番先に見せてもらったTCA。排ガスの処理のところで、全部請け負うから、心配要らないんだと。でも、これは違います。もとの汚れたガスが、そうでない場合と同じように入った場合、負荷が全然違うわけですよ。だから同じパーセンテージを除去されても分母が多ければ外に出てしまいますなので、ここはきちんと、バグフィルターが孔が空きそうなうちに、その検出できるような、機械、センサー、これはありますよ。そんなに高くなくて。至急導入してください。耐熱性についてはともかく(検討して)ね。だけど、あそこの亜鉛のインゴット、あそこで、昔から、光電方式で、センサーでやっていますけれども、あれも変わっていないようですから、もっと、新しい、事前に、チリが少しでも出ても感知できるような、そういうセンサーに替えてください。ぜひお願いします。それから、7番、最後。公害防止対策に対する社内基準。群馬県はこういうのを測っていますけれども、降下ばいじん量。これについて、なんのコメントもしていないんですよ。だから私言ったの。環境白書で、これ、なんのコメント、つまり、「特段大きく変動がないから」、つまり、「増えていないから、横ばいだから」と。横ばいだから大丈夫ということはないですよね。で、東邦亜鉛さんにお願いしたいのは、降下煤塵ね。連続的にと言うか、2か月に1篇測っているんだから、多かったら、なんで出たんだろうというところをきちんと、認識して検討して、で、その対策をきちんとやる。で、それには住民のほうにも、きちんと説明してくださいよね。そうしないといつまでたっても横ばいですよ。群馬県は何のコメントもしません。だから「環境白書に何かコメントしてくれ」と私はお願いしているんですけども、どうなることやら分かりません。すいません15分にわたってお願いします。これ、以上が私の見解です。細かいお答えは、今でももちろん大歓迎ですけれども、あと、時間のかかるようなところは後でまた、私が、お伺いしてインタビューします。すいません、長くなっちゃって。

【高坂司会】えーと、小川さんからのほうからかなり広範囲にわたって、質問なり意見表明がありましたけれども、会社のほうで、逆にご質問の内容について、もしあればということで、この場で釈明なり、ご質問があれば、お受けして、で、お答えできるものはお答えいただき、お答え…すぐにはお答えできないということであれば、どう対応するかということをちょっとご説明お願いします。

【会社司会】小川さん、ありがとうございました。あのう、小川さんにつきましては実はあのう、今年の4月にも来所されて、我々とディスカッション、打合せをしております。最後に小川さんからも申し出があったように、またいらしていただいて、お時間をとらせてもうしわけないんですが、そこで又打ち合わせなり、回答なりを、させていただければというふうに思います。この場でやっていくと、まあちょっともう、だいぶ時間も押していますので、時間を取ってしまいますので、まあ、あらためてと、いうことで、やらさせていただければと思います。

【高坂司会】小川さんのほう、なんかご意見ありますか?

【当会】あのう、確かに会ってくれるんですけれどもね、実のある、実のある、要するに、実のある前向きな、打合せだといいんですけれども、ぜひ、そういうことになるように、これまでのような、ただ会って、何も答えられないんだ、守秘義務だ、会社の企業機密だ、などと言わないで、もっと胸襟を開いてお願いしますよ。そのやり取りはまたSNS等で発信させていただきます。以上。

【高坂司会】今の小川さんの質問に関連したご質問などあればお受けしたいと思いますが。

【会社側参加者】・・・・・・・

【高坂司会】よろしいですか?じゃあ、会社のほうで、なるべく充実した協議ができるようにご尽力いただきたい、ということでよろしいでしょうか?

【会社司会】はい、ああどうも…まあ、あのう会社として、お答えできる範囲は精一杯頑張りたいと思いますので。しっかり準備して、小川さんと打ち合わせということで回答させていただきたいと思います。

【高坂司会】はいどうぞ。

【参加者】あのう、ちょっと…。(マイクが届けられる)公特事業で交換になった土地の中に石。うちの女房がちょっとふるっただけで軽トラ3台分ぐらい出たのをどこに捨てたらいいのか、この前、お願いしていたんですけども。

【会社司会】・・・・・・・。

【高坂司会】わかりますか?石の状況。

【会社司会】はい、この間の協議会のとき、後…でしたかね。中島さんの方からその話をいただいて。その件に関しましては、先日ですね、行政と公特事業の打ち合わせの際に、お願いというか、まあ、回答を求めました。あのう、協議会の時にそういう話が地権者のかたからありまして、という話で、お願いはしてあります。回答としてはですね、あのうまあ、県として…まあ、検討中という表現になっていましたので、後日皆さんの方にご回答があるというふうに思います。行政の方にはしっかり伝えてありますので、それなりの回答が多分出るはずです。はい、すいません。私の方から何とも言えないので。その、回答については何とも言えないんで、行政の方からの回答をお待ちいただければというふうに思います。

【高坂司会】他に、どなたかいらっしゃいますでしょうか?

【場内参加者】・・・・

【高坂司会】もし、ないようでしたら、私の方から、司会の立場で大変恐縮なんですけど。この後の方の資料に付いている写真がありますが、土捨て場というか廃土処理場ですね。あのう、直接的には、県の事業なので、そちらが責任を負うわけではないのでしょうが、ここの排土を溜めたところからの水がですね、まあ、河川に放水、まあ、放水というか、水が出ていくと。それがでデータ的にどうなのかということで、不安があるということで、まあ皆様のほうからもご意見が出て、私のほうからもご質問させていただいて、現実的に、やはり問題があるのではないかと思うんですね。あのう、環境基準のカドミウムの規制基準が、排水に適しているか、厳しくなって、その新しい基準からするとやっぱりあそこの土地が、かなり問題があるというふうな気がするんです。ですから、データ的なものも含めて、地元の住民からまあ、土捨て場の水の処理について、不安があるということを、こちらも伝えますけど、県の方にお伝えしていただきたいんです。なんらかのやっぱり対策が必要ではないかと思うんです。

【会社司会】はい、ありがとうございます。まあ、行政とは随時というか、逐次打ち合わせをやっていますので、この会でそういうお話をいただいたということは、しっかり伝えていきたいと思います。

【高坂司会】お願します。他に何かご質問、ございますでしょうか?

【場内参加者】・・・・・・

【高坂司会】ないようでしたら、締めくくりたいと思いますので。はい、どうもありがとうございます。

【会社司会】高坂先生、大変ありがとうございました。そうしましたら、視察会終了にあたり、代表の挨拶を頂戴したいと思います。まずですね、安中緑の大地を守る会副会長、大塚様、よろしくお願いいたします。

【副会長】本日はお忙しい中、また、暑い、極暑の中、この視察会が開催されましたこと、本当にありがとうございます。また、皆様のご協力によりまして、これまた一層、これからも土地改良問題、また、皆様のご意見、そして、包み隠さず、いい関係を持って行って解決に努めていけたらと思います。大変今日はありがとうございます。

【会社司会】ありがとうございました。それでは私ども会社の方からは、総務本部長の大久保常務執行役員よりご挨拶を申し上げます。

【総務本部長】本日は、工場視察会を終えるにあたり、僭越ながら一言ご挨拶させていただきます。本日は依然として新型コロナウイルスが収まらず、また増加傾向に転じている中、昨年、一昨年、例年4月に開催しておりますこの工場視察会を引き続きお願いしたわけでございますけれども、皆様におかれましては、手指の消毒やマスク着用等、記録的な極暑の中で数々のご不便をおかけしました。ご迷惑をおかけしました。皆様のご協力により今回も無事に終了できましたことにつきまして、厚く御礼いたします、申し上げます。また、平素は弊社安中製錬所ならびに、その従業員と家族が大変お世話になっておりまして重ねて御礼申し上げます。さてあのう、既に、今回でもご案内しているとおり、ここ安中製錬所におきましては昨年度中をもって、焙焼炉と第二電解、こちらの稼働を止めております。足元の亜鉛市場を取り巻く環境は、経営悪化、燃料高にともなう、電気代の高騰や亜鉛相場の下落など、厳しい状況にございます。国内の安中製錬…亜鉛製錬所として生き残っていくため、今後とも従業員が一丸となって安全・安定操業のもと、コスト削減に努めていかねばなりません。また、去る5月に公表しておりますが、当社のカーボンニュートラル体制の目標といたしまして、2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度比に38パーセント削減、2050年度まで全体としてゼロにすることを掲げております。こうした対応など、この際に、亜鉛事業を継続していくうえで避けては通れない問題が山積しております。弊社発祥の地でございます、ここ安中製錬所の灯を守っていくために、全員でしっかり協力し知恵を絞り、歯を食いしばって前進してまいりますので、今後とも、本日お集まりの皆様をはじめとする地元の方がたのご支援ご協力を切にお願い申し上げる次第でございます。さて、公特事業に関しましては、岩井畑地区におきましては、当初の事業計画を前倒しして、来年3月までに完了することを目標に現在進んでいると聞き及んでおります。事業が工期内に完了いたしますよう、弊社としましても、可能な限りサポートに努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。最後に大変恐縮でございますが、ここにご列席の皆様と、ご家族の皆様のご健勝を心より祈念いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

【会社司会】それでは以上をもちまして、第31回工場視察会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

(10時58分終了)

【市民オンブズマン群馬事務局・北野殿公害対策委員会事務局からの報告】

 

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公害企業のDNAを脈々と受け継ぐ東邦亜鉛安中製錬所で第30回工場視察会が9.11に開催(後編)

2021-10-17 21:56:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■マイクロバスから降りてヘルメットを外すと、汗で頭がビショビショでした。ヘルメットを玄関前で返却したあと、2階の大会議室に戻りました。時間はもうすぐ10時になろうとしていました。8分ほど休憩の後、質疑応答の時間となりました。


会議室の壁に貼られた安中製錬所環境スローガン「好きです安中 好きです地球 みんなで守ろう環境ルール!」。これを読んで虚しさを覚えたのは筆者だけだろうか。






会社司会:暑い中のご視察、たいへんご苦労さんでした。暑い中で大変ではございますけれども、引き続きマスクの着用等、よろしくお願いをしたいと思います。えー、予定からみるとですね、ちょっと時間が早いんですけれども、このあと、協定書の調印等の予定がございますので、少し時間が早いのですが、再開をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いをいたします。先ほどより申し上げたように、本日、時間伸縮を図るために終了時間を11時というふうにさせていただいておりますので、ご協力のほう、よろしくお願い致します。さきほど申し上げたように、このあと調印式、円滑に行いたいと思いますのでよろしくお願いをします。では、引き続きまして意見情報交換会に移らさせていただきます。意見情報交換会で会社の実態を、引き続き報告させていただきます。よろしくお願い申し上げます。それでは令和2年度の経過、それと、令和3年度の設備計画、改善計画等につきまして、所長の森田より、ご報告をさせていただきます。


所長:それではご説明をさせていただきます。足元の悪い中、工場視察会、大変ご苦労さまでございました。それでは私の方から、製錬所の令和2年度におきます主な工事と、令和3年度の改善計画について、ご報告させていただきます。まず、昨年の令和2年、2020年度の大きな工事案件としまして、3つ、挙げさせていただきます。1つは、ご見学頂きましたキルン工程にドライヤーというのがございます。まあ乾燥機でございますが、これの回転をいたしますガースギア(注:円筒形のキルン躯体の円周にリング状に配置されているラックギア)、ならびにピニオンギアの大型工事の交換工事を行いました。2点目としましては、造液工程の、高温高酸で溶かしますSHM(注:耐熱耐酸性を持つ金属表面加工ないしコーティング材のことらしい)という槽がございます。これの1号槽の更新工事。あと3番目にはですね、当製錬所の向かって西側、西系の排水路、まあ、これをですね、地上化にしまして、更新工事を行ったというのが主な工事計画でございまして、これは昨年ご報告させていただいた内容でも、同じでございまして、すべて実行して終了を終えております。続きまして、令和3年度の大きな工事案件としましては、ですね、1つにキルン工程の、先ほど言いましたドライヤーの回転をする支点でございますが、そこのシェルタイヤと受けローラーを交換しております。また、二つ目としましては、造液工程の今度は中性シックナーという大きなお椀のような設備がございます。これの5号槽のステンレス化の更新工事を行っております。3番目としましては、第2集水池の補強工事。これについては、これから実行していくということで、さきほど話しました2つについては、この夏の8月の定修に一応完了をしております。それとですね、既にご案内、ご存知の方も多いかと思います。焙焼炉の関係でございますが、まあ、亜鉛製錬、国内の景気を申し上げますと、非常に、東日本大震災以降ですね、市場はどんどん縮小の一途ということで、そこに来まして、さらに少子高齢化とか、国内企業は縮小均衡等大きく変化をしておりまして、そこに来てコロナショックということが引き金となりまして、ご案内のとおり、テレビ、新聞で報道されております、喫緊の地球温暖化対策、CO2削減と、エネルギー産業の大きな大変換を図るという国の指導もございまして、弊社はですね、当製錬所としましても、雇用の確保をまずキチッとしまして、現在、安中製錬所をはじめ、福島県いわき市にも小名浜製錬所に同じような焙焼炉が2基ございまして、その1基の安中製錬所の焙焼炉を、本年度をもって停止をすると。1つの焙焼炉で安中製錬所を操業する新たな展開をするということで、先の5月末の当社発表をいたしたところでございます。今後はコンパクトな亜鉛製錬所を、まあ、安中製錬所として変化し続けて参りますが、公害防止設備をはじめ、製錬所内の各設備は計画的に更新をして、鋭意、公害防止に努めて参りますので、地元の皆様のご理解のほどをよろしくお願いしたいと思います。以降、引き続きまして、懸案事項をはじめ、報告事項につきまして、環境の中島より発言させていただきます。以上でございます。


司会:では私のほうから、環境関連の懸案事項等につきまして、令和2年度からの主な経過、等々についてご報告を申し上げます。昨年の9月10日に、ですね、弊社のホームページで、当社に対する行政処分について、これをご報告をいたしました。過去に出荷した非鉄スラグの一部が、土壌汚染対策法の土壌環境基準を超過し、また、当社の管理不足等により、不適切な使用、混入が為された件につきまして、群馬県より、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく行政処分を受けた、という報告をいたしました。行政処分の内容につきましては、安中製錬所における産業廃棄物処分業、および、特別管理産業廃棄物処分業の事業の停止、並びに産業廃棄物処理施設の使用の停止90日間、の処分を受けました。この件につきましては後ほど、ご説明をさせていただきます。では、公特事業の進捗状況につきまして、ご報告を申し上げます。令和2年7月17日、群馬県、安中市さん、当方の3者協議を行いました。客土仮置き場、さきほどご覧いただきましたけれども、客土仮置き場として、東邦亜鉛のグラウンドを使用する検討をやりました。8月6日、県技術支援課、環境保全課と打ち合わせを行いました。内容につきましては、排土処理場の予定地、こちらの土壌汚染対策法における土壌調査についての説明を、県の環境保全課より受けました。8月26日には、排土処理場の予定地の土壌調査のための土壌採取を行いました。結果については、特に問題がございませんでした。また、農地の3箇所、についても、安中市さんの方で調査を実施した、ということでございます。結果については、問題がなかった、というふうに報告を聞いております。8月31日付で、碓氷川流域の農用地土壌汚染対策事業のうち、岩井畑地区の対策事業の施工に伴う客土の受入れ、仮置き場、こちらについての協議の申し入れが群馬県さんよりございました。こちらについては、承諾書を群馬県知事あてに弊社より提出しております。客土仮置き場につきましては、先ほど工場視察でご覧いただいたような状況になっております。先程も少し説明をさせていただきましたが、昨年の12月に1800㎥、搬入をされたと。今年の7月に第2回目の搬入が1400㎥、というふうに聞いております。8月の24日に、安中市農林課と打ち合わせを行っております。1点目につきましては、野殿地区外周境界立会についての説明、それと伐採作業の協力依頼がございました。2点目は、野殿地区の急峻地形部の計画について、公特事業に含まない、というふうにしていたんですが、地権者様の希望でこちらはやること、含むことになった、ということで、報告を受けております。その後、昨年11月6日の日に、野殿地区外周の境界部分の伐採作業を行っております。そのあと、11月の10日付で通知がございまして、岩井畑地区の工事実施に伴う土壌汚染対策法の届出にかかる同意についての依頼がございました。土地の形状変更についての同意書の提出をしております。年が変わりまして令和3年1月27日付で、通知がございました。こちらは、岩井畑地区における立ち木伐採等にかかる承諾書の提出について依頼がございました。伐採の承諾書については、提出をしております。今年3月18日に、岩井畑地区の工事実施に伴う境界立会を行っております。場所につきましては、排土処理場の予定地、農免道路の西側の土地に、こちらの境界立会を行っております。また、4月の6日に、同じく岩井畑地区の工事実施に伴う境界立会、ということで、農地の隣接地の境界立会を行っております。以上が、主な公特事業にかかる情報等でございます。まあ、公特事業につきましては、今後もですね、群馬県、安中市さん、等々、情報交換の機会を作ってですね、行きたい、というふうに考えております。まあ、皆様のほうから情報があればお聞きしたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。続きまして、令和2年度産米のカドミウム濃度の調査結果について、ご報告を申し上げます。検査結果につきましては、特に問題ないということで行政の方からご報告を受けております。次に、当社に対する先程の行政処分の件でございますが、こちらについては、本社の環境安全室、石井よりご報告をさせていただきます。石井室長、宜しくお願いします。


石井室長:はい、えー、それではあのう、本社のほうからちょっと説明をさせていただきます。まず、この、あらためまして、安中緑の大地を守る会の皆様をはじめ、関係者各位に、この件に関しまして、えー、ご心配及びご迷惑をおかけしましたことを心よりおわびするとともに、その原因と再発防止策について、ご報告させていただきます。で、県では、あのう、さきほど、中島の方から、説明があったとおりでございますけれども、繰り返しさせていただきますと、2020年9月10日、群馬県より、安中製錬所が、えー、路盤材、過去に路盤材として…に、出荷した非鉄スラグに関して、産業廃棄物であるという認定を受けました。これによりまして、安中製錬所が、あのう、90日間の産業廃棄物処分業及び特別管理産業廃棄物処分業の事業停止、および、産業廃棄物処理施設の使用停止の行政指導を受けたということでございます。で、原因でございます。ま、これにつきましては、えー、2020年の、当社の、9月10日に当社HPで公表させていただきました、当社に対する行政処分について、内容に、繰り返しでございますけれども、まず1点目、土壌環境基準を超過する非鉄スラグ、これにつきましては、路盤材など土壌と接する方法で使用した場合、鉛やヒ素による土壌汚染の可能性があり、土壌汚染対策法に掛かるおそれや生活環境の保全上、支障が生ずるおそれがあるという、との認識について、えー、当社にちょっと不足がございました。で、原因の2点目でございます。当社といたしましては、2016年3月まで、過去に、環境省の環境管理局水環境部長による通知に基づきまして、非鉄スラグを路盤材として使用することは可能であると、判断しておりました。この間違った判断の結果で、土壌汚染対策法の土壌環境基準を超過する非鉄スラグが出荷されるという事態になっておりました。えー、で、再発防止でございます。まず1点目、あのう、昨年の8月より、該当する非鉄スラグは、過去には、一部有価物として発送しておりましたけども、昨年8月より非鉄スラグは全量産業廃棄物として処理を外部委託しております。なお、路盤材向けの出荷は2016年3月に停止してございます。で、再発防止策の2でございます。えー、品質保証室、それから、私が所属いたします環境安全室。これを社長直属の専門部署といたしまして、社内の管理体制…管理体制を強化いたしまして、非鉄スラグの取扱いをチェックする体制を、整えて、いくということに致しております。それが昨年の3月でございます。で、じゃあ実際にどうするのかと、何をやっているかと申しますと、えー、定期的にこの非鉄スラグの、安中製錬所の管理状況の確認、及び、産業廃棄物として、処理を委託しているところの現地確認等を実施してございます。まあ、例えば、今年度、ちょっとコロナ禍で、コロナウイルス感染の中で、なかなか厳しかったのですけども、処理の委託先の現地確認を本年3月に実施してございます。で、今後でございます。えー、まあ、関係する行政機関のご指導に従いまして、非鉄スラグの調査、それから回収、撤去を継続して、進めて参ります。で、当社といたしましては、引き続き行政の調査に協力するとともに、使用箇所の特定に尽力してまいりますので、まあ、安中緑の大地を守る会をはじめ、皆様のご理解をよろしくお願いしたいと思います。簡単ですが以上でございます。

会社司会;えーと、以上がですね、会社側が現時点で把握している令和2年度からの情報などでございます。詳細部分に関しましては、ご質問にお答えする形で、受けたいというふうに思います。ご了解をよろしくお願いします。と、そうしましたら、以降の進行につきまして、高坂先生にお願いしたいと思います。高坂先生、よろしくお願い致します。

高坂司会:それでは質疑応答の時間に移りたいと思いますけど、皆様のほうから、今日の視察会で見た結果、あるいは日頃から関心のある、疑問に思っていることなど、どういうことでも結構ですので、質問なりご意見をお出しいただきたいと思います。どうでしょうか?

小川;よろしいですか?

高坂司会:どうぞ。

小川:すいません、いつも私、でしゃばって。北野殿980番地、小川です。どうもいつも。最近あのう、本社になかなか、テレワークで、行く機会がなくなっちゃったのですいません。時間が貴重なので、端的に申し上げます。まず先程の非鉄スラグの取扱いについてですけども、御社は、プレスリリースで、あればもう2019年かな。これが、この事件が浮上した時に、非鉄スラグの使用状況については本社総務部総務課あてに、問い合わせてくださいということを申しておりましたよね。これを受けて群馬県も、それから地元の安中市、それから中核市の前橋市、高崎市。ホームページに、住民の皆さん、東邦亜鉛さん由来のスラグのようなものを発見したら、ね、心配だから、ここに問いあわせてくれと、みんな書いてあります。で、私も先日、いままで気になったところの36件の現場について、レポートを綴って、で、御社総務部さん宛てに送りました。安中製錬所の事務部経由でね。で、お答えをいただきたかったのですけども、「本社の命令で、口頭で答える」ということでございましたですよね。だから念のため、それ録音してもいいか、ということで、OKなので、それをテープ起こししたやつを紙に書いて昨日お出ししました。
※2021年09月10日:東邦亜鉛宛て質問回答確認書
 ZIP ⇒ 20210910mmf.zip
中島次長さんは「今日の明日では、本社でも対応できないから返事は後だよ」とおっしゃいました。まあ、それは当然だと思いますので、これについて、きちんと返事をいただきたい。というのはですね、私が出した問い合わせに対して、皆さんのプレスリリースの内容のとおりですよ。そしたら、企業機密だの、土地所有者の財産権毀損のおそれがあるとかね、まあ、いろんなことをおっしゃって、信じられないような言葉なので、私も驚きましたのですけど、皆さんが世間に対して会社の社会的責任、CSR等の観点から、世間様に対して、打ち出している姿勢と、すいません、地元に住んでいる一個人からの問合せに対してね、あまりにもギャップが多い。この辺は十分検討したうえで、しかるべき返事をいただきたい。これまず1点ね。それから2番目、再汚染の件です。降下煤塵の調査結果、先ほど会社側さんにも、それから今日の参加者の皆さんにもお配りしました。
※2021年09月11日降下煤塵調査結果(令和2年4月以降)
 ZIP ⇒ 20210911oia2n4j.zip

これまあ、例年私が群馬県から情報公開条例に基づいて請求して、で、エクセルでまとめているものですけども、まあ、ここにありますように、去年も申し上げたときは、コロナで、何かこの、黄色い部分、異常に多いなと。コロナだからドサクサに紛れて、公害防止機器のメンテナンス、あるいはオペレーションの管理を怠っているんじゃないか、という懸念がありました。まあ、その後、こういふうに黄色い数が少し減っていまして、以前と同じような水準になっていますけれどもね。通常の太田市の、対比区、つまり普通の日本の生活環境の場において、数十倍、ここは降下煤塵による重金属の汚染の負荷が高いです。これ、前も言っているように、公害防止システム、技術、機器、もう抜本的に見直してですね、ゼロ・エミッション。HPで御社も描いてありますけれども、それに限りなく近づける努力をたゆまなくしてほしいというのが、いつも申し上げている通りなんですけれどね。今日この場でも強く申し入れておきたいと思います。よろしく、ご検討のほどお願いします。えーと、それからですね、えーと、これちょっとお願いなんですが、再汚染に関連して、これちょっとあとで文書で、あのう、用意してきましたので、中島さんの方に、あるいは森田所長さまのほうにお出ししておきますけれども、お願いがございます。今日見させていただいた廃水処理施設の第4集水場の近くの、公特事業で、対象地区となった農地、これ、御社が10何筆お持ちなのですが、そのうち御社の敷地に一番近いところ、中宿2037番。ここの土壌採取サンプリングを、私、小川にですね、許可をいただきたいんです。バケツ1杯ほども要りません。なぜかというと、やはり私はいつも見ていて、あそこで地下浸透した、会社さんの方から、まあいろいろ過去にいろいろなものを埋めているのかどうか知りませんが、地下浸透した水に一番近いところに触れているから、土壌の再汚染というのがどのくらい進んでいるものかどうか、かねがね懸念しているところなんですけどね。
※2021年09月11日:土壌中のカドミウム含有量測定が必要となりそうな場所の地図
 ZIP ⇒ cdlkvn.zip

この後、文書で、御社にお願いしますので、まあ、1ヶ月くらいの猶予は構いませんが、ぜひご検討して、で、私、サンプリングしたら、これ、公平な第三者機関に依頼をして土壌調査結果を、もちろん御社を含めて、全てデータを公表いたします。もちろん一番手っ取り早いのは、御社自身で、測っていただいて、それを何ら加工することなく我々に発表していただければ、あるいは私にね、十分でございますけど。えーと、これを後ほどお願いすることにして、以上、参加者のひとりの小川から、3点、今お伝えしました。宜しくご検討の程お願い申し上げます。今日は本当に雨の中、一生懸命説明していただいた八杉部長様はじめ、スタッフの皆さまには感謝申し上げます。ありがとうございました。

高坂司会:3点質問がありましたが会社の方ではいかがでしょうか?

会社司会:はい、えー、まず1点目。非鉄スラグの件でございますけれども、……(小川が文書を会社側と参加者に配布した)……

小川:すいませんどうも、中島さん、続けてください。お願いします。

会社司会:まず1点目、非鉄スラグの件ですけども、こちらについては、昨日ですね、小川さんから資料をいただいておりますので、本社を含め、検討してですね、何らかの格好でお答えできればというふうに思います。それと2点目の降下煤塵についてですけれども、こちら、現在も対応していますけれども、小川さんがおっしゃるように、さらにですね、シッカリ対応を考えたいというふうに思います。

小川:抜本的にお願いします。

会社司会:まあ、いろいろな、会社でも検討課題がございますので、それをこの後も粛々と進めていくということになると思います。それと3点目の廃水処理施設の北側、という表現でいいんですか?

小川:そうです。そのとおりです。

会社司会:えーと、中宿の2037番とおっしゃいました?

小川:そうです、そうです。ご確認下さい。

会社司会:こちらの土壌採取の件ですけれども、今、資料をいただきましたのでこちらについても、このあと検討をして何らかのお答えが出来ればというふうに思います。

小川:ええ、1ヶ月猶予をあげます。

会社司会:どっちにしても、すいません、即答できないので、また回答させていただきたいと思います。

小川:わかりました。前向きにお願いします。ありがとうございます。本社さんの方も、小川が来たということで居留守を使わないで、きちんとN95マスク、これを着けて感染防止をしますので、お忙しいとは思いますけども、たまにテレワークでなくて東京へ行く時があったら、まあウェルカムと言って頂かなくても結構なんですけども、挨拶くらいはさせてくださいね。宜しくお願いします。すいません。

高坂司会:えーと。

会社司会:1点だけ、よろしいでしょうか。

小川:はい、はい。

会社司会:小川さん、で、あの、緊急事態宣言下であるので、昨日みたいなことはぜひご遠慮いただきたいと思います。いきなり会社に来られて、事務所のドアをガシャッと開けられて中にはいろうとするなど、これはちょっと、それはまずいので、先に電話でですね、それなりの、場所を確保して、それなりの対応を、とくにこの、緊急事態宣言下ということですので、是非その辺は、ご配慮をよろしくお願いしたいというふうに思います。

小川:了解しました。

高坂司会:ではそれは両方で円滑に進むように努力していただいて。

会社司会:はい。

高坂司会:小川さんはよろしいですか?質問のほう。

小川:ありがとうございます。いろいろなご配慮を感謝申し上げます。

高坂司会:はい、他に棺ご質問がある方はございますか?

櫻井市議:はい。

高坂司会:はい、どうぞ。

地元市議:えー、オブザーバーで参加させていただいております市議会議員の櫻井と申します。お世話になります、えーと2点、ちょっと質問というか、分からないので教えていただきたいんですけども。1点目なんですが、あのう、K砕の置き場がありますが、出荷場ですか、そこで、湿らせるということで水を撒いているんですが、その水の処理、ちょっと前回(視察会に)出られなかったものですから、いちおう忘れているかもしれませんが、もう一度教えていただきたいと、いうことと、それから市内に、御社のスラグが使われている場所があるのかないのかというのが、なかなか分からなくて、その辺のところで、朝、お話があった中で、県のほうにはきちんと話してあるということなので、その点で、あのう、今、ハッキリしている部分があるのであれば、お答えいただきたいと思います。

会社司会:はい、そうしましたら私の方からお答えをさせていただきたいと思います。1点目、K砕出荷場の、まあ、廃水ですかね。こちらの処理についてはどうなっているのかというご質問だと思います。先程、現地でもですね、ちょっと高坂先生でしたかね。同じようなご質問を現地でされておりました。これについては、基本的にはあそこでは繰り返しの使用をしております。ある程度濁ったりしたらですね、これを先程見ていただいた廃水工程まで配管で持って来てですね、廃水処理を掛けてます。ですので、廃水処理をした後それを(碓氷川へ)放出する。ということで、廃水処理工程まで持って来て廃水処理をしてございます。それと2点目ですけれども、市内での使用箇所についてですけど、ご質問でございます。これはあのう、すいません。昨年もまったく同様のご質問がございまして…えーと、大変申し訳ないんですが、こちらについてはですね、地権者さんの、ということがございますので、我々からなかなか、ここでというふうに申し上げにくい、申し上げられないものですから。えー、地権者さんにも当然ご報告をしていますし、説明をさせていただいてますし、行政の方にもご報告をさせていただいておりますので、そういったことでご利器をいただければ、というふうに思っています。

地元市議:すいません。

高坂司会:はい、どうぞ。

地元市議:あるかないかだけ、えーと、あるかないかだけ教えてもらいたいと思いますが。

小川:そうそう、あるんでしょ?今あるということですよね。今の話しですと。

会社司会:すいません。ご容赦いただきたいと思います。

高坂司会:えー、他に何かございますか?

小川:今のスラグの在り処について、ちょっと追加説明、いいですか?

高坂司会:どうぞ。

小川:はい、すいません。でしゃばって。小川でございます。安中に御社の由来の非鉄スラグは使用されているかどうかと、いうことにつきましては、まあ、ブログ等、皆さん見ていらっしゃるかと思いますけども、一応私の方から東邦亜鉛さんから「全て行政に報告している」という言葉を信じて、群馬県の方に情報開示請求しております。そうしましたら、真っ黒けで、榛東村公共事業1か所、それも榛東村、要するに使用場所ね。それしか書いていない。これはいかにもなんでも東邦亜鉛さんがせっかく調べて報告して、貴重なデータをね、そういうふうに社会に還元しないのはおかしいですよ、ということで、今、審査請求、行政不服審査法による審査請求をしております。向こうから弁明書、で、こちらから反論書を出しております。県の廃棄物・リサイクル課に聞きますと「まあ、いつになるか、分からないが、まあ半年くらいにはなんか結論が出るのではないか」と。通常、前橋市は8カ月以内で審査請求の返事をすると、審査請求の結論を出すというんのだけれど、群馬県の場合は、私の別件では2年間、まあ遠い話ですけど、一応、この、どこに、安中市に捨ててあるのかないのかということについては、私の方で、地元住民として、最大限の努力をしております。これも東邦亜鉛さまのご指示のもとに、行政に対してアプローチしていると、こういうことで、中間報告とさせていただきます。ありがとうございました。

高坂司会:他に、…はいどうぞ。

事務局長:えーと、スラグの問題なんですけども、スラグが路盤材として利用可能と判断して、その判断が誤りだったということですよね?一般的に、どこの企業でも、コンプライアンス上で疑義がある場合は、行政に相談すると思うんですよね?これいいですか?とか。それをしないで、独断でやって、誤りだったということで行政から指摘を受けたわけですよね?それで、その場合のコンプライアンス上の保全措置みたいな、ようするに、これを教訓として、どういうふうにコプライアンス体制の強化を図っていくのかという、考えかたがありましたら、教えていただきたいんですが。

会社司会:はい。石井室長、よろしい、ですか?


石井室長:はい、えー、それではあのう、本社の方から回答させていただきます。今、あのう、事務局長から非常に耳の痛い、ありがたいお話があり、本当にどうもありがとうございます。あのう、ご指摘のとおり、そのう、法律の判断と言いますか、その、どういうふうにやるかということについて、やはりちょっと当方、今から振り返ってみますと、当時やはり問題があった、というふうに考えてございます。で、まあ、問題点を把握して、教訓ということでございますけれども、まず先程の説明の繰り返しになることでございますけれども、えー、この法律上の3点、これが、環境上の法律関係ということにつきましては、現在私が所属しております環境管理部門。まあ、それ、前から環境環境管理部門で所属をしておりましたけれども、一応、人数の強化を図りまして、まあ、法律上のチェック、こういった体制を強化しております。それから、所轄する品質その他、まあ委員も含めてですけれども、昨年、品質保証部という部門、失礼しました。品質保証室という部門を新設いたしまして、それの、管理、チェックする体制を強化してございます。で、まあ、K砕、非鉄スラグのK砕につきましては、私が、先ほどご説明したとおり、まあ、全量産業廃棄物ということで処分を介ししてございます。で、この処分先につきましてもコロナ禍ではございますけれども、まあ、手分けをしてチェックするというふうに進めていきたいと思います。で、なおかつ、ご指摘の教訓である法令のチェック機能ということにつきましては、まあ、環境管理室…管理室、環境安全室、それから、まあ、総務部の中に法務部門もございますので、そこのところと協議致しまして、各法令への評価も、指定の強化、法令の推移というものをチェックしていきますので、そういった件で、歯止めとしてやっていきたいと思いますので、また、今後ともご理解をいただくとともに、ご意見をいただければ幸いに存じます。簡単ですが以上でございます。

高坂会社:どうですか?よろしいですか。

事務局長:体制が欠けているんですよね。回答が具体性に欠けていて、どういうふうな体制をとったという内容をもう少し具体的なところを聞きたかったんですが…。

高坂司会:どうですか?

会社司会:室長、私の方からよろしいですか?石井室長、私の方からでも、よろしですか?

石井室長:はい、宜しくお願いします。

会社司会:はい。えーと、まず安中製錬所としてですけれども、安中製錬所では、K砕の小委員会というものを立ち上げました。これにつきましては、先程、あのう、本社で品質保証等、環境管理の立場から、ということがございましたけれども、まず製造現場、それと、その辺の、まあ出荷までする業務、こちらを夫々ですね、製造のほうを品質保証、まあ、在庫管理、出荷等の業務を行っている業務課の方の監査を環境管理室。こちらがそれぞれですね、毎月監査をするというシステムを作りました。現在これを運用して、ですね、えーと、半年くらい経ちましたかね。えー、今、それぞれ、製造と業務、出荷業務、保管業務を監査、チェックしていくということで、これにつきましては監査結果を、ですね、毎月本社の方にも報告と、いうことをしてございます。まあ、場所としてはその対策を進めていくという状況でございます。

高坂司会:よろしいですか?いいですか?はい。他の方で質問ありますか?

小川:議長1分だけ

高坂司会:はい。

小川:すいません。度々出しゃばってすいませんね。石井部長様にちょっと確認をお願いしたいんですけども。えーとですね、御社は日本鉱業協会、業界団体ですね。ここでスラグ委員会というものに、(業界各社のなかで)唯一入っていないんですね。で、「なんでですか?」と技術部長さんに聞いたら「よくわからん」と。「東邦亜鉛さんの方針なんでしょうね」というこういうんですね。で、今回、群馬県の方から非鉄スラグが産業廃棄物だというふうに認定されたこの機会を捉えて、御社は、そのさっき言った日本鉱業協会、コウギョウは鉱物の鉱、金偏の広い。こちらのスラグ委員会に加盟をされたんでしょうか?それとも検討中なんでしょうか?或いは全く関知しないのでしょうか?。そして加盟するという方針はあるのかないのか、ちっとすいません。そこを全く私、最近、フォローしていないのでお願いします。石井部長さん、宜しくお願いします。

石井室長:それではちょっと、東京の方から回答させていただきます。いま、小川さんからご指摘がありました日本鉱業協会の非鉄スラグの委員会というのは、確かにございます。当社はおっしゃる通り、その非鉄スラグ関係の委員会には現在も加盟してございません。日本鉱業協会という会には加盟して、ほかの、例えば環境部門等の委員会等には参加してございます。で、なぜ参加しないか?という理由でございますけれども、今の、その非鉄スラグ委員会というのは何をやっているところかと申しますと、非鉄スラグを、各社から発生する非鉄スラグを有価物として如何に使用できるかという、例えばJIS等との比較等を今、検討している、そういう部門でございます。で、当社の場合でございますと、先ほど申しました通り、昨年の8月から全量を産業廃棄物として処理してございます。ということは、発生分は、安中から発生する分は有価物としてなるのは、現在まったくない、ということですので、この日本鉱業協会の非鉄スラグ委員会の有価物という、そういう目的にはちょっとそぐわないということで、えー、参加をしてございません。で、今後につきましては、まあ、参加する…、大きく変わることはないかとは思いますけれども、ただ、いろいろ、新しい設備の導入等、大きく情勢が変われば必要に応じて検討することになろうかと思いますけれども、現状ではこの程度の回答とさせていただきます。はい、以上でございます。

高坂司会:他に何かありますか?えー、無ければ私の方から、質問なんですけれど、非鉄スラグの問題、先ほどお答えをいろいろいただいたんですけど、環境基準を超えるものがですね、どうして出荷されたのか?その、廃棄物としての解釈の問題ではなくて、技術的なことについて、どういうところに問題があって、なにかこれについて改善されたのかどうかをお聞きしたいんです。

参加者:あの、すいません、追加の質問なのですが、私はロータリーキルンで、中に含まれている亜鉛、あの亜鉛だけじゃなくて鉛やヒ素も除去されるんだというふうに最初のころ、聞いたような気がするんです。要するに鉄しか残っていないよと。ところが今度の報道を見て、亜鉛、あ、鉛やヒ素が入っているという話なんですが、これ、あのロータリーキルンのところで、鉛とかヒ素をとることはできないんでしょうか。もし、今、ロータリーキルンでダメだとすれば、なにか別にいい方法はないのでしょうかということをお聞きしたいのですが。

会社司会:‥‥、あのう、すいません、私の方からちょっと、技術的なことはちょっと申し上げられないので、まずあのう、基準超過したものが出荷されてしまった問題点、ということですけれども、えー、こちらについては、……(1分近く沈黙の後)…当初はですね、会社として…(再び15秒ほど沈黙の後)…すいません、お待たせしました。えー、このスラグを、当初は、路盤材として出荷することは可能だった、可能であるというふうに判断していたと。なぜ判断をしていたかと言いますと、えーと、‥‥平成15年2月にですね。環政部第20号というものが出されておりまして、これによると路盤材として使用したものは土壌として見做さない、という解釈がございまして、この解釈に則って、土対法が適用されない、という解釈をしていた、ということだったと思います。で、まあ、この解釈がまずかったと、いうことだったんだと、思っています。それと、えー、鉛、ヒ素の土壌基準がロータリーキルンでやり切れていないといいますか、という件ですけれども、えーと、別の方法は?というご質問。これ以前に、この場、もしくは協議会の場で少しご議論させていただいた、現状、キルンは溶融をさせていない状況、ようは蒸し焼きみたいな形で製造していますけれども、これを、完全溶融させる、溶融化してスラグを作るという技術を検討しているというお話を以前にさせていただいているかと思うんですが、という技術の検討をしています。ただ、現状これまだ設備化、まだそういうレベルには全然話が至っておりませんで、試験炉については、既に導入して試験は進めております。で、これについて将来的に技術的に製造ラインとしてですね、できるかどうかというのをこれから検討していくということになるんだと思います。すいません。全部お答えできなくて申し訳ないのですが。

高坂司会:ちょっと補足の質問なんですけど、あのう、まあ、えーと、土壌汚染法が適用にならない、対象外と判断していたというのは分かったんですが、そもそも、スラグを所外に出すときには、その、濃度とか、その、含有量をチェックしていたのかいなかったのか?で、現在は全部廃棄物として処理しているということなんですけど、現在そういうものを濃度なり、含有量をチェックしているのかいないのか、そういうことをお聞きしたいんですけれども。

会社司会:えーと、まず、チェックの、検査方法として、えーと、廃棄物処理法に基づく検査の方法、それと、さきほど言われている土壌汚染対策法に基づく検査の方法、それとがありまして、当然それぞれの基準がございます。で、廃棄物処理法、まあ廃掃法ですね、こちらに基づく検査につきましては当然行っておりました。基準も守られているかと、いうことでございます。で、ただ、えー、残念なことに、ロータリーキルン、あの、操業の中で多少がばらつき、ある程度のばらつきが当然ございます。で、えー、このばらつきの中で、全量分析しているわけではございませんので、その辺で、まあ、高かった時にどうだったのかという、ちょっと心配な部分でございます。という心配がございまして、新しく広いK砕出荷場を作って管理を強化した。こういうことでございます。まあ、以前の、高坂先生もご存知だとおもいますが、製錬所の中ほどにございますあの狭い出荷場ですと、なかなか、それぞれに分けて山を作っている、管理は当然難しいということで、あの広いK砕出荷場を作らせていただきました。ですので、現状はそれぞれのロットごとに山を分けて分析を待って、という管理をしています。残念ながら、当時ですね、土壌汚染対策法の、に、かかる検査については、えー、土壌と見なさないということで、行っておりません。基準として我々が運用していなかったものですから、残念ながらその点については検査をしていないということになります。

高坂司会:特にほかに質問が無ければ終わりにしますけれども、よろしいでしょうか?

事務局次長:あのう、一つお伺いしますが、あのう、東邦亜鉛安中製錬所における雇用の推移とか、そういうのが分かれば教えてください。それから、御社のですね、その新規事業に対する取組みとか、プランとか、或いは、新製品の開発状況とか、そういうのがもし可能であれば、教えてもらいたいんですけれども。

会社司会:えーと、雇用の推移とおっしゃいましたが、どのくらいスパンでしょうかね?

事務局次長:はい、まあ、ここ数年の雇用の推移とか、従業員の。

会社司会:で、すいません。私も、あの、あんまり詳しく把握してないんですがえーと皆さんお聞きのとおり、すごく以前、例えば昭和の時代ですと、ここは1000人以上の人が働いていました。現状ですね、どのくらいの人数がいるかと言いますと、社員で、すいません、細かい数字はちょっと申し訳ないんですが、200数十名。それと協力工としていただいている請負業者さんですね。こちらが多分100弱、或いは80とか70。すいません、80はいかないかな、70数名いらっしゃると思います。それと今日、あのバスの運転をしていただいてくれた安中運輸さん、これまで100%子会社ですが、そこが多分70名。ちょっとすいません、自信がないです。そんな現状です。で、10年くらい前は、どうだったかといいますと、多分今よりも50名とか多かったと思います。すいません、細かい数字は、用意していないのでこの程度でよろしいでしょうか?

事務局次長;今後の予定なんかは?

会社司会:そうですね、先程あのう、所長の森田の方から、焙焼炉の停止の話しがございました。えー、これに伴って、そこに携わる分くらいは減になるというふうに思われます。ただ、これまだ止まってませんのでこれからということになります。当然今働いている人たちの雇用というのは当然守っていきますので、まあ、直ちに人間が消えるということにはないと思われます、はい。それと2点目、新規事業について、いうことですけれども、すいません、私こちらもあまり詳しくないものですから。ただ今年度、この春からですね、えーと、本社非鉄開発部というのがございますけれども、ここの開発部、技術部と開発部というのがございますけれども、この開発部というのが、ですね、安中製錬所のなかに引っ越してきたというか、移ってきました。こちら、今、人数ですね。増やして強化をしてございます。こちらで素晴らしい新規が、開発がですね、できるという、私は期待をしています。すいません。抽象的なご報告ですが、よろしいでしょうか?

事務局次長:ありがとうございます。新規事業が立ち上がるといいですね。

会社司会:そうですね、是非そうなってほしいです。

高坂司会:それではあの、質疑応答を締め切りますがよろしでしょうか?

小川:ああ、すいません1点だけ。

高坂司会:はい。

小川:焙焼炉を停止されると、今度は、硫酸は小名浜から安中貨物で運んでくることになるわけですね?まあ、来年度からになると思いますが、その1点だけ。

会社司会:焙焼炉が止まることによって、硫酸製造は当然なくなるということになります。

小川:そうですね。

会社司会:えーと、当然小名浜の焙焼炉で硫酸ができますので、こちらを安中製錬所に輸送することになります。ただ、輸送方法については貨車ではないと思います。

小川:ああ、ローリーですか。

会社司会:はい。

小川:ああ、そうですか。危険じゃないですか?大丈夫ね、横転しないようにね。

高坂先生:それでは、どうも皆さん、会社のご担当のかた、ありがとうございました。

会社司会:高坂先生、どうもありがとうございました。それではここでですね。先程も申し上げたとおり、協定書の調印を行いたいと思います。協定書につきましては3年ごとに更新することになっております。前回は平成30年の第27回の視察会の中で調印をしています。今年で3年経過と、いうことになりますので、調印をしていただく、ということになります。安中緑の守る会を代表して藤巻会長、会社を代表しまして所長の森田、立会人として高坂先生、調印をお願いしたいと思います。すいません。この後ちょっと準備をさせていただきますので、ちょっとお待ちをいただければというふうに思います。協定書につきましては、2通作成をして、安中緑の大地を守る会とわれわれ会社とがそれぞれが保管するということになっております。そうしましたら、準備をさせていただきますので、少々お待ちください。

(約4分ほど準備および調印の為、質疑応答が中断)






会社司会:通常ですと、ここで会長と所長で拍手をここでお願いをしていただいたので今回コロナの関係がございますので、並んで記念の写真撮影ということにさせていただきたいというふうに思います。高坂先生もお入り頂いて、こちらにテープが貼ってあるのでそれぞれその位置にお立いただいてよろしいでしょうか?会長、こちら、よろしいですか?


会社担当:はい、撮りまーす。(カシャッ、カシャッ)もうちょっと寄ってください。では、もう一枚撮りまーす。


会社司会:高坂先生、もうちょっと寄ってください。すいません。もう一枚撮ります。はい、どうもありがとうございました。そうしましたら席に戻ってください。

会社司会:すいません。それぞれお持ちいただいていると思います。宜しくお願いします。

会社司会:どうも有り難うございました。えー、なので、各会の代表のご挨拶をと思います。そうしましたら安中緑の副会長白石様、ご挨拶よろしくお願いをいたします。

副会長:お世話になります。今年の視察会につきましては、コロナ禍、また非常事態宣言というなかで開催していただきまして、会社の皆さんには感染対策をはじめとして様々な対策をとっていただきました。大変ありがとうございました。また、弁護士の先生方、議員の皆さん、こういう状況の中、お忙しい中、ご参加いただきまして大変ありがとうございます。今後ともご支援をよろしくお願いします。コロナの方もなかなか収まる所が見えない状況であります。まあ、本当に罹っても飲んで治せるような薬ができたら、終息に向かうのではないかと思います。皆さんにおかれましては、自分の身は自分で守っていただくよう、コロナに罹らないような対策をとっていただきまして、お過ごしいただければと思います。本日は大変ありがとうございました。

会社司会:白石副会長、どうもありがとうございました。それでは私ども会社の方からは総務本部長の大久保常務執行役員より、ご挨拶を申し上げます。お願いします。

総務本部長:本社の総務本部の大久保でございます。僭越ながら一言ご挨拶をさせていただきます。本日はコロナウイルス感染予防の為、昨年に続き、例年4月の開催の視察会を延期して、本日を迎えたわけでございますが、皆さまにおかれましては、参加人数の制限、マスク着用など、種々のご不便、ご負担をおかけしました中で、今回にご参加いただきまして誠にありがとうございました。また、平素は、弊社安中製錬所ならびにその従業員と家族が大変お世話になっており厚く御礼申し上げます。えー、先ほど、えー、森田署長よりも説明がございました通り、国内亜鉛需要の縮小傾向の状況を鑑み、来年3月までに安中製錬所の焙焼炉と硫酸設備、また電解設備では3つあるうち1つとしております。これは需要に見合った生産体制にすべく、設備のコンパクト化、即ち焙焼工程を小名浜製錬所へ集約し、安中製錬所の電解設備を一本化することによりましてコスト改善を図り、生き残りをかけた施策でございます。従業員が一丸となってやり遂げなければなりません。また、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを掲げるカーボンニュートラルへの対応など、この先、亜鉛事業を継続していくうえで避けては通れないことが山積しております。弊社発祥の地であります安中製錬所が生き残っていくためには、全員で、危機感を共有し、知恵を注ぎ、全力全霊で安全安定操業に取り組まなければいけません。歯を食いしばって、安中の地を死守してまいりますので、今後とも、本日お集まりの皆さまをはじめとする地元の皆さまのご支援、ご協力を切にお願い申し上げるところであります。さて、公特事業に関しましては、岩井畑地区につきまして、昨年度から4カ年計画が事業でスタートし、現在2年目を迎えております。事業がスムースに進捗しますよう、弊社におきましても、可能な限りサポートに努めてまいりますので、どうぞ宣しくお願いいたします。先ほど協定書を更新させていただきましたが、更新期間の3年とは言わず、末永く当社へのご理解ご協力を賜わりたく重ねてお願い申し上げます。私どもは、今後も、地域社会から信頼され、地元の皆さまと共存、共栄を続けて行けるよう、精進してまいります。最後に、大変恐縮でございますが、ここにご列席の皆さまとご家族の皆様のご健勝を心より祈念いたしまして、私からの挨拶と、させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

会社司会:以上を持ちまして、第30回工場視察会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
(11時25分終了)
**********

■ご覧のとおり、東邦亜鉛はあれほど世間を騒がせているにもかかわらず、相変わらず鉛・ヒ素など重金属を多量に含む非鉄スラグの使用場所について、明らかにしようとしません。「行政に報告してある」との一点張りです。

 その行政である群馬県や安中市、とりわけ産業廃棄物の適切な処理について監督権限を持つ群馬県環境森林部は、東邦亜鉛の非鉄スラグの使用場所の開示について、県民が情報開示請求をしても、平然と黒塗りした資料を出してきます。

 だから東邦亜鉛は、どんなに産廃の不法投棄をしても、行政からとがめられる心配なく安心していられるのです。

 この官業癒着体制が、長年にわたる安中公害の元凶となっていました。そして、それが今なお連綿と続いていることを、恒例の工場視察会でも毎回痛感させられます。

※2021年09月11日:第30回工場視察会において会社側が配布した資料
 ZIP ⇒ 2021091130hzz.zip
※2021年09月11日:東邦亜鉛安中製錬所パンフレット
 ZIP ⇒ 20210911mbpt.zip

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬・・・この項おわり】

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公害企業のDNAを脈々と受け継ぐ東邦亜鉛安中製錬所で第30回工場視察会が9.11に開催(前編)

2021-10-17 21:49:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■恒例の東邦亜鉛安中製錬所の工場視察会が、今年はメモリアルな9月11日(土)午前9時から開催されました。このイベントは、安中公害による損害賠償請求訴訟で、昭和61年9月に裁判での和解が成立し、公害防止協定が締結された後、公害防止協定に基づき、原告団及び弁護団等による製錬所への立入調査が行われ、平成3年4月に、会社と旧原告団等との間で、協定書に定めた事項の完了について確認書が取り交わされ、同日、平成3年9月22日の協定期間満了後の3年間を期間とする新協定が締結され、その後、継続協定(期間延長を内容とする。)が3年ごとに締結されてきており、その協定に基づき毎年4月の第2土曜日に開催されるものです。昨年はコロナで8月22日(土)に、そして今年は9月11日(土)に開催されました。

↑3年ごとの協定書更新で署名する藤巻会長(左)と森田所長(右)。↑




 当日9月11日土曜日、筆者は午前8時30分過ぎに東邦亜鉛安中製錬所の総合事務棟の玄関前の道を隔てた反対側の駐車場に車を止めました。誘導係の社員のかたが、やってきて「すいませんが、8時50分から受付けなので、しばらく車の中で待機していてください」と言いました。

 三々五々、今回の視察会参加者の乗った車が集まってきました。車を降りて歓談をしているうちに、8時50分になりました。さっそく参加者一同は総合事務棟の入口に向かいました。




 入口で非接触式温度計で体温測定をすると36.1度Cで無事に通過し、2階の大会議室に上がりました。中に入ると、机がロの字型に配置されており、コロナ対策用の透明アクリル板の衝立がそれぞれの椅子の位置ごとに、机の上に並べられていました。今回も、コロナ対策として東邦亜鉛側は、安中緑の大地を守る会側に対して、参加者を15名に制限してきました。

■さっそく会場において、あらかじめ20部印刷してきた降下煤塵データをエクセルにまとめた資料を、参加者一同(会社側も含め)配布しました。ちょうど全員分に配布出来ました。毎月群馬県が工場周辺の4箇所の地点で測定していること。

 また、大型のディスプレーが大会議室の一画に設けられ、本社の会議室の様子が映し出されていました。まだ、9時前だったので空席でしたが、やがて本社の幹部の皆さんが集まり出す様子が画面に現れました。そして、開始時刻の9時になりました。



**********

会社司会:えー、皆様、おはようございます。

場内:おはようございます。

会社司会:事務部環境管理室を担当しております中島でございます。本日の工場視察会におきまして、会社側の司会を担当させていただきます。宜しくお願い致します。例年4月に行われています工場視察会ですが、新型コロナウイルスの影響により、この時期の開催となってしまいました。新型コロナウイルスに対する特別措置法に基づく、緊急事態宣言発令中でありますので、感染予防に十分配慮しながら開催してまいります。ご協力の程よろしくお願い致します。ソーシャルディスタンスのために人数制限をさせていただいたり、マスクの着用、手の消毒など、いろいろとご協力をいただきましてありがとうございます。本日の工場視察会は、時間短縮の為、終了を11時と予定をさせていただいております。ご協力の程よろしくお願い致します。それでは、まず、会社側の出席メンバーの紹介をさせていただきます。本社のメンバーにつきましては、新型コロナウイルス感染予防対策として、WEBでの参加となります。モニターをご覧ください。まず、最初に、総務本部長の大久保(浩)常務執行役員でございます。


総務本部長:おはようございます。本日はよろしくお願い致します。

会社司会:同じく、総務本部の高橋(宏)副本部長でございます。


総務副本部長:高橋ともうします。宜しくお願い致します。

会社司会:同じく総務本部の安藤顧問でございます。

総務本部顧問:本日は宜しくお願い致します。

会社司会:次に環境安全室の石井(光)室長でございます。


環境安全室長:えー、石井でございます。本日はよろしくお願い致します。

会社司会:総務部の橋田(幸弘)課長でございます。

総務課長:えー、橋田でございます。本日はどうぞよろしくお願い致しまあす。

会社司会:続きまして、安中製錬所のメンバーでありますが、所を代表します森田(英治)執行役員所長でございます。


製錬所長:本日はよろしくお願いします。

会社司会:次に、製造部の八杉(貴雄)部長でございます。


製造部長:八杉です。宜しくお願いします。

会社司会:それと、事務部環境管理室を担当してます、私、中島(正宏)です。宜しくお願い致します。本日の工場視察会、以上のメンバーで対応させていただきます。どうぞよろしくお願い致します。では、続きまして、朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会会長、藤巻岩男様、宜しくお願い致します。


藤巻会長:おはようございます。

場内:おはようございます。

藤巻会長:マスクをしたままで、ちょっと聞きにくいかもしれませんけど、宜しくお願いいたします。まあこの、新型コロナウイルス、たいへんなことでね、なかなか収まらないで弱ったなあと思っておりますけれどもね、そんな中で、視察会が実施されることになりました。まあ、時期的には少しずれましたけれどもね。せっかくの視察会ですので、有効に過ごしていきたいと思います。説明の方、宜しくお願い致します。


会社司会:ありがとうございました。続きまして、会社を代表しまして、所長の森田よりご挨拶を申し上げます。


製錬所長:おはようございます。

場内:おはようございます。

製錬所長:所長の森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。例年ご報告しております、まあ、会社動向については、この後、ご説明させていただきますが、さきほど会長も申されましたように、一昨年から新型コロナウイルス感染症で、足元では変異型のデルタ型と、蔓延の繰り返しが続いております。そういうなか、開催時期についてはいろいろと、安中緑の大地を守る会の役員さんとですね、いろいろと打ち合わせをさせていただく中で、本日、猛暑と長雨をちょっと避くような9月の時期に、ここ、開催することができましたことに、まずもって、大変、ご協力いただきまして、ありがとうございます。えー、当社の昨年の会社の状況でございますが、年初はちょうどコロナウイルスが発生し蔓延した、という状況だったと。コロナがどういうものかということで、物流関係がほとんど止まってしまいまして、当社の製品もですね、なかなか、動きがとれないと、そういうなかで、鉄鋼メーカー、とくに亜鉛をよく使っていただきます鉄鋼メーカーの国内の高炉がですね、相次いで止められるという報道がされて、非常に厳しいスタートでございました。そういうような中で逸早く中国市場が立ち直ってからですね、逆にコロナで、日本国をとりまく国々とか、なかなか物が手に入らないと、いうことで、海外へのですね、輸出がそこそこ出ましてですね。2期連続赤字でございましたなかで、昨年は黒字を達成しまして、なんとか、まあ、立て続けの赤字から解消されたという状況でございます。あわせまして、非鉄スラグ問題につきましてはですね、昨年から群馬県の行政指導のもと、進めております特定箇所の撤去作業もですね、これまで発見されました民家等、主要場所については、HPでもご案内しておりますように、ほぼ入替えが済んだという状況で、現在も粛々とその対応をやっております。まあ、コロナワクチンが出たあと、まだまだ、コロナ感染の中では納まらない状況の中での、工場視察会ではございますが、地元の皆様のご指導とご鞭撻をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願い致します。

会社司会:続きまして、本日の視察コースである日程につきまして製造部長の八杉より説明をさせていただきます。


製造部長:製造部の八杉です。よろしくお願いします。例年と同じく、製錬所内の製錬工程、並びに公害防止設備のご案内をさせていただきます。操業も、まだ概ね順調でございますので、現時点では例年と比べて設備は大きな変化はございません。安定して事業を進めている姿をご視察いただければというふうに思います。昨年と同様、コロナ対策でマスクをしておりますので、私の声が聞きづらいかもしれませんけども、なるべく丁寧にご説明さしあげたいと思っていますのでよろしくお願いします。えー、昨年の8月に比べて、今年の9月は若干涼しくて過ごしやすいですけれども、マスクもしておりますし現場に行きますと温度が上がりますので、湿度が高いですから、熱中症に注意して進めていただければと思います。もしご気分が悪くなったりされた方がいらっしゃったら遠慮なく申し出ていただければ対応する準備は整えてございます。今日はあいにくの雨ですが、今、上がっているようですが、地面が濡れておりますので足元が滑ると危ないので、注意の程よろしくお願いします。えー、視察についてですけれども、お手元の資料をご覧ください。視察コースというページが、カラーで写真で示してあります。えー、今年もマイクロバス1台、ワゴン車2台を準備してございます。健脚コースの第1班は視察場所ごとにバスを降りてご案内します。ヘルメットの着用をよろしくお願いします。案内は私、八杉が行います。マイクロバスにご乗車となります。楽々コース2班は、ワゴン車の中からの視察となります。ワゴン車の乗り降りは致しませんので、ヘルメットは不要です。案内は総務の長岡という者が担当致します。ヘルメットをお渡しする場所は、入口の玄関のところで、楽々コース以外の方は申し出ていただければ、というふうに思います。お手元の資料をご覧になると、例年と異なる場所がございます。客土仮置き場というものがコースに入っております。公特事業の視察が出きるのではないかと思います。この点については環境管理室の中島からご説明致します。

会社司会:環境管理室の中島でございます。今回の視察コースには、先ほど八杉の方から話があった通り客土材の置場が入れてあります。事前の協議会で事務局長さんのほうから公特事業で使う客土の仮置き場と、排土置場、こちらもですね、視察コースに入れてほしいという要望がございました。客土仮置き場につきましては、今回の視察コースに入れてございます。なので、本日このあとご覧をいただきます。排土置場のほうですけれども、こちらは製錬所の外の為ですね、今回の視察コースには入れられませんでした。代わりにですね、排土処理場計画地の写真をですね、先程、八杉のほうから説明があった、このコースの裏面ですね、2枚目の裏側、こちらに、掲載させていただきました。ご覧をいただければというふうに思います。よろしくお願い申し上げます。

製造部長:それでは、工場視察の前の注意事項についてご説明をいたします。1点目のお約束ということなんですけども、場内の写真撮影はご遠慮願います。カメラ等は場内に持ち込まないように宜しくお願いします。また、健脚コースの方はバスを降りて工場内を歩いていただきます。安全確保を大前提でございますので、足元のご注意をお願いしたいことと、設備や製品についてはですね、まだ熱いものもございますので絶対に手を触れないように、よろしくお願いします。それではよろしければ視察に入りたいと思います。事務所の前へ移動のほう、よろしくお願いします。

会社司会:例年ですね。工場視察の前に記念撮影、こちらをお願いしておりましたが、昨年に続いて、三密を避けるということから、記念撮影については中止とさせていただきます。トイレ等済ませていただいて、玄関前に移動をお願い致します。

■そして参加者の皆さんはやや急な階段を下りて、1階の廊下から玄関に移動しました。そしてヘルメットを受け取って、健脚コースと楽々コースのそれぞれのマイクロバスに分乗すると、バスは総合事務棟を出発して、製錬所前のメイン道路を通り、製錬所の守衛前のゲートを通過し、製錬所構内に入りました。

製造部長:みなさま、改めましておはようございます。

参加者:おはようございます。

製造部長:工場視察をご案内いたします製造部の八杉です。さきほどご説明をいたしましたとおりでございますけども、まず工場の最上部に上がって、くだりながら順次視察していただきます。当社は主に亜鉛、鉛、銀の地金を生産しております。そのほかには、電子部品材料、粉末冶金などの生産を行っています。この安中製錬所では亜鉛地金、亜鉛合金、硫酸、粉末冶金、焼結部品などの生産を行っています。亜鉛は年間14万トン、月に1万トンの生産能力を持ってございます。国内約20%のシェアでございます。生産した亜鉛の65%が、自動車などに使用される薄板メッキ鋼板に使われます。この先カーブが多くて揺れますので怪我の無いよう、よろしくお願い致します。

■引き続き、バスは急な上り坂をエンジン音をうならせながら登っていきます。

 事務所を出発して9分後、まだ坂を登り終わらないうちに、司会の中島次長がマイクロバスの運転手に「この辺りでちょっと寄ってもらっていいですか。はい、この辺で大丈夫です」と声を掛けるとバスがとまり、ドアが空きました。

製造部長:それでは降りていただけますか。

 八杉製造部長に促されて、バスから全員が社外にぞろぞろと降りました。一番上の最終処分場に着かないうちに、手前で排ガス処理施設の前で降りたことになります。キーンという甲高いブロアのような騒音の中、健脚コースの参加者の皆さんは説明板の前に集まりました。

製造部長:聞こえますかあ?

参加者ら:はーい。

製造部長:ここは排煙脱硫装置で、行っているところです。ロータリーキルンから発生する排ガスの処理を行っております。こちらに、看板がございますけども、手前がこちら側、上の方が向こう側というふうに分かれております。ロータリーキルンから、このあと見ていただくんですけども、ロータリーキルンから発生した排ガスを、亜鉛華TCA (注:TCAはTurbulence Contact Absorberの略称で「乱流接触式吸収機」の意味)というもので脱硫をして、苛性ソーダの苛性TCAというもので脱硫をして、水TCAというもので洗浄して、排気塔から排出しております。主に除去するのは、亜硫酸ガスであります。排ガスの硫黄濃度についてですけども、赤外線の連続測定器がついてございまして、常時、硫黄酸化物の測定を行っております。一番最初に亜鉛華TCAという、この装置、そちらの後ろの、後ろ手に見えるところにあります。この亜鉛華TCAは、4段積みになっておりまして、段の上にピンポン玉の様なボールが乗っかってございます。ガスは下から上に向かって上っていきます。一方、吸収液は上から下に向かって降り落とします。交流で接触させてガスを洗浄するという形です。吸収する液はキルン工程で発生した粗酸化亜鉛を水で溶いて、その、ミルク液と言うんですけども、それを掛けていくというようなかたちでございます。次に、苛性ソーダの苛性TCAというものに投入します。これの構造は同じなんですけれども、掛けているものが苛性ソーダというもので、亜硫酸ガスを洗浄してございます。その次は、水TCAというところで、水でガス洗浄して排気塔から放出するというかたちになります。よろしゅうございますか。それでは、バスに戻ってもらいます。

■一同、車内に戻り、そこからマイクロバスは、今度は下り始めました。下り始めてまもなく、車内で筆者が質問を出しました。

小川:すいません。一つ確認があるんですが、一番上の最終処分場には何か入れました?

司会:えーと、まだ何にも入れていません。

小川:まだ入れていませんね。はい、分かりました。

■バスは今度は静かに下ってゆくと、途中で左手に入りました。錆だらけの古い設備が目の前に広がりました。筆者が車内で勝手に参加者の皆さんに解説しました。

小川:この左側に見えるブルーシートの奥に昔の焙焼炉がありました。黄色い煙をいっぱい出していたものですね。もう、博物館のようなものです。

参加者:使っているんですか?

小川:いえ、全然使っていないです。撤去もしないし。これを撤去してこのスペースに、新しく設備を、と言っているんですが、(会社側は)撤去費用がもったいないと言っているんです。幼稚園の頃、(この付近の山道を通園の為往復していたころ)この焙焼炉から出る黄色い煤煙に巻かれて窒息しかけたことが何度もあるんです。

■ロータリーキルン前の空き地に着いたマイクロバスは、限られたスペースで切り返しを繰り返して、転回してから、一同車を降りて、ロータリーキルンを見上げました。

 ふと見ると、空き地の脇に大陽日酸の酸素ボンベが並べてありました。燃焼助燃材として使っているのかもしれません。「酸素吸入を必要とするコロナ患者のようなものだね」との声が聞かれました。ここでも、ブロアのキーンという騒音が充満しています。

製造部長:もう少し前へどうぞ。次はロータリーキルンの工程について、でございます。まず、真ん中でございますけども、ロータリーキルン、こちらにあるものがロータリーキルン。全長45mございます。このキルンでは一次鉱さいというものを処理しております。水分を含んでおりますので、まず、ロータリーキルンより少し小さいものの、ロータリードライヤーというもので、そうですね、この奥にございます。これで乾燥させて次にロータリーキルンに投入します。投入する際にコークスを一緒にブレンドして投入をしていきます。炉前のほう、向こう側を炉前と言うんですけども、炉前のほうに・・・・ちょっと。

 というと、何かを見かけた製造部長は説明を中断すると、参加者の後ろで撮影している参加者にむかって、何か注意をしようとしました。どうやら、安中緑の大地を守る会の事務局員であることを知らない様子です。それを見た筆者は「許可を得ているよ、心配ない」と製造部長に諭しました。製造部長は元の場所に戻りました。

製造部長:失礼いたしました、続けます。炉前にですね、バーナーが、重油バーナーが付いてございまして、だいたいこのあたりが1300度くらいの温度になっております。中に入っている亜鉛を回収するんですけども、投入した原料から亜鉛が揮発してきまして、その後すぐ酸化して固形分になって、後段のガスクーラー、バグフィルターでシッカリ除塵を行っていきます。除塵を行った後は先程ご覧いただいた排ガス工程で、ガスをクリーンにしていくという工程でございます。このガスクーラーというものが、そこに、ご覧いただけるかと思うんですけども、中に、チューブが入ってございまして、排熱回収をしてございます。その排熱は、このロータリーキルンのバーナーの熱に使ったりしたりということで、有効利用をしております。はい、キルン工程は以上でございます。そしたら、次の工程がございますので、バスに乗車願います。

小川:ちなみに(キルンの)直径は何mでしょうか。

製造部長;3.77m、3.55m です。外形と内径といろいろ種類があります。

小川;耐火煉瓦を内部に回してあるからね。

■再びバスは参加者を乗せたバスは再びメイン道路の坂道に戻りました。筆者がまた質問しました。

小川:すいません。質問いいですか?移動中ですが。いまのロータリーキルンの躯体は導入してから交換したことはございますか?

製造部長:あのう、場所によってですね、何m間、何m間ということで交換はしています。

小川:では、最初に秩父セメントから(中古のロータリーキルンを)持ってきたころに比べると、完全に入れ替わっているというふうに考えてよろしいわけですか?

製造部長;完全には入れ替わってないですけど、熱負荷が高いところ等は。

小川:なるほど。では、向かって右手のほうですね。分かりました。ありがとうございます。

■坂道に合流する際、「では下に行きます。はい」と運転手が確認の指差し点呼をしました。そして、バスは、非鉄スラグを運ぶベルトコンベアの高架の脚柱が立ち並ぶ坂道を下っていきました。くだり終えたバスは、電解工場の建物の脇を通過して、K砕置場に向かうスロープを下り、置場の構内に入りました。

 バスの窓から内部をみた参加者の皆さんは「すごいな。ここは。広いな」と声を上げました。

製造部長:先程のロータリーキルンから発生したクリンカーはベルトコンベアでこのK砕出荷場へ送られます。常時、水で湿らせてございます。滑りますので車からのご視察ということでお願いします。このK砕出荷場の面積は1万2千㎡です。建設の目的は、もともと使っていた古い置場は手狭であること、物量バランスや出荷選別先がとりやすい広いスペースになるために、ここに設置しました。建設に係る法的手続きとしては大気汚染防止法に関します粉塵発生施設の届出を行っております。また、出荷場に保管された時点では、廃棄物に該当しませんけども(注:この発言については行政に確認する必要がありそうです。なぜなら行政が廃棄物と認定したものをここでストックしているのが実態だからです)、出荷先によって、廃棄物として委託処理をしております。すなわちこの保管場所も、廃棄物の保管場所として満足させた出荷場となっています。地面には厚いコンクリート製の土間、周りは高さ4mのセメントの防護壁に鉄製フェンスが2m足してございますので粉塵や音が外部に周辺しないように工夫しております。またご覧のように、土間は常時濡れた状態で、常時シャワーリングしてございますので、発塵の、がないように管理なども気を配ってございます。それでは、次へ。

小川:一つだけいいですか?確認の質問、すいませんねいつも。今全量を、廃棄物として処理されているというふうにうかがったのですが、そういう理解でいいんですよね?全量ですよね?

製造部長:はい。

小川:はい、ありがとうございます。

■K砕ヤードを出たバスは、電解工場の北側の道に入り、右手に、先年降雪でつぶれた高裁置場を新設した建物を見ながら少し進みながら、「では次は、調合の前で降りていただきます」と八杉部長がアナウンスした後、運転手に「スラブの前で拾ってもらいます」と指示していました。ほどなくバスが調合合金の製造現場に到着しました。以前はここで、バグフィルターの説明をしていましたが、今回は調合場所の付近でバスが停車しました。下車の前に八杉部長が「次は鋳造工場になりますけども、製品等熱い場合もございますので、お手を触られないようによろしくお願いします」と参加者に注意喚起をしました。

 下車した参加者の皆さんは熱気を感じる調合合金の製品が並んだ一画に集いました。

製造部長:こちら熱いですから気を付けてください。こちらは、鋳造工場。最終的にこういう亜鉛の製品になっていきます。亜鉛製品は常時120種類くらい、作ってございます。少量のものを入れますと、およそ200種類くらい作ってございます。各タイプの製品があります。そのなかで、このエリアは調合亜鉛工場と言いますけれども、大体この製品で6割くらい、量をつくってございます。この調合亜鉛というのはジャンボ・インゴットとも言いますが、高炉メーカー、鉄鋼のメッキ鋼板に使われるものです。自動車用のメッキ鋼板に使われるのですが、この、これは純亜鉛のものとアルミを添加した調合亜鉛というものがございます。あの奥に溶解炉がございますが、電解工程で電気分解して作ったカソード板を溶解させて、専用の金型に鋳込んで製造します。アルミを調合する時には、アルミの溶解炉に入れてアルミ地金を予め溶かしておいて、亜鉛溶鉱と混ぜて合金をつくります。ちょうど今、吊り上げていますけど、専用の金型に鋳込んだ後、下から油圧で押し上げて、これから、払い出していきます。全部で3系列、調合炉が3系列ございまして、それぞれ違うかたちで、ユーザーのかたちで、商品を作っています。ああいう形というのは、ユーザー指定のかたちでありユーザーもこの形に合った自動機械を入れて掴んで投入していると、いう形でつかっています。

 参加者の目前でちょうど、天井クレーンで吊り上げられたジャンボ・インゴットが床面の上に置かれて、作業者が測定し始めました。

製造部長:今規格に合っているか、調べています。大型のノギスを使った外形寸法を計測しています。では次は、一般的な電気亜鉛のほうへ行きますので、そのまま、西側に向けて歩いていただきます。

小川:あれはレベルで測っているのですか?それとも重量?

製造部長:重量もレベルも両方で測っています。製品によっていろいろな規格がありますので、それらの規格に合うように決めた事項を確認しています。

小川:いろいろな規格というのはユーザーサイドから示された規格ということですね?

製造部長:そうです、そういうことです。

■調合合金エリアをあとにして、参加者は西側に歩いて移動しました。

製造部長:ここは電気亜鉛というものを作っております。一般的な電気亜鉛スラブというものがありまして、純亜鉛であります。で、あそこに見えるひとつが溶解炉で、さきほどの調合亜鉛と同じく、電気分解でできたカソード亜鉛を溶解しているところです。そのあと、今、こう、シーソーみたいに動いていますが、あれが規定量の亜鉛溶鉱を汲んできて、インゴットケースのなかに流し込んでいきます。この設備は2レーンございまして、今、西のレーンだけが動いています。出てきた製品はロボットで自動的に積み上げています。昔は人手で積んでいましたが、今ではロボットになっています。今、ちょうどそこに出てきていますが、1枚が20キロで50枚で、重さが1トンとなっています。ちなみに、こちらに出ているのは脚(あし)と言いまして、あのへんを見ていただくと一番下だけ脚が付いておりまして、この脚も電気亜鉛でつくりますので、こちらの方から脚をつくってきて最終的に積み立てて既定の重さにするというかたちでございます。

 現場では鋳型から電気スラブを取り外すときに生ずるハンマリングの音が騒がしく響き渡っていました。先程の調合工程でもそうでしたが、ここでも、耳栓が必須だと感じました。

製造部長:よろしければバスに戻って抱きます。

小川:すいません。これのユーザーは小ロットのお客さんですか?高炉とかの製鉄会社ではなくて、どのようなお客さん向けですか?

製造部長:小さな亜鉛メッキもあれば、ダイキャストに使ったりとか、ですね。

小川:なるほど。ありがとうございます。

参加者:40年位前、公害が起きた頃、世界で4番目くらいの電気亜鉛の生産だと誇っていたけど、いまでもそれぐらいかね?

小川:世界的に見れば、ここは伸びていないので、今は他のところがどんどん大きくなっているはず。先程も日本の亜鉛精錬のシェアが20パーセントだといっていたように、日本でもトップではない。たしかにかつては世界最大級と言われて、あの変電所を違法につくったくらいですから。でも今は国内の産業での亜鉛消費が伸びていないので以前のような活況は見られない。最近は非鉄金属の価格があがっているから、輸出ドライブがかかっているかもしれないけど、でも昔のような、あれほど大量にはさばけないでしょうね、もう二度と。

■参加者を乗せるとバスは再び構内を出口の方向に向かいました。車窓には古びた工場の建物が連なります。

小川:こうしてみていると、昭和のレトロ感を感じるでしょう。そういう意味で、名所スポットになりうる要素はありそうですね。産業遺産でね。負の産業遺産でしょうけど。あ、そんなこと言っちゃいけないのかもね。フィルムコミッションでね、映画のマトリックスみたいな近未来的なシーンのネタにもなりうるかもね。

■などと社内で参加者同士で話が弾みましたが、バスは間もなく浄水施設のある場所につきました。一同、バスから降りて、勾配のある鋼製の階段を上り、グレーチングの上を歩いて、浄水設備や集水池がいくつも見渡せる場所に出ました。

製造部長:えー、次は…廃水処理工程でございます。製錬工程の雑排水を集水池に集めております。製錬工程で使っているさまざまな溶液は、こういうところに来ないように、工程内で繰り返して使っております。それ以外のたとえば道路に降った雨だとかそういうものを集めて、浄水処理をしております。

 八杉製造部長の説明の合間に、集水地の脇の樹木帯から蝉の声がしきりに聞こえてきます。

製造部長:えーと、こちらが、集水池の絵でございます。現物を見ていただいたほうがいいかもしれませんが、集水池というものが、第1集水池がむこうにあります。今、ここでいうとここなんです。道路、私たちがここにいます。第1集水池、第2集水池が、今ここに見える集水池です、第3がむこうですね。

小川:奥にありますね。

製造部長:はい。第4は奥ですね。第5は今見えません。第6は新しいものです。極力、空にして待っておいて雨が降ったときに集水を掛けて水処理をしていくという形になってございます。処理方法でございますけれども、集水池に集められたものは、中和槽というもので苛性ソーダを入れて、pHを10から11くらいに調整します。凝集沈殿法で、重金属を固形分にして沈殿させてシックナーで、静かにしておくと固形物と上澄み液と分かれていきます。固形分のほうはフィルタープレスをかけて、製錬溶液と混ぜながら、もう一度製錬工程へ戻していきます。上澄みのほうですが、まだ微量なSS分といいますか、浮遊分が残ってますので、沈殿池で静かに沈降させた後に、濾過機にかけて、まだここの時点ではpHが10から11なので、放流できるようなpHに、7とか8に調整してから放流していきます。ご覧のように安定した状態で浄水処理を行っていると、いうことであります。まあ、最近のあの雨に対しても、こういうようなかたちで集水池は空の状態で準備、ということで応対しています。よろしければ、バスに戻りたいと思います。

小川:すいません。ここにサンドフィルター2つ入っているんですが、どこにあるんですか?

製造部長:ここですね、砂沪過器は。

小川:前はなかったような気がするんですが。

製造部長:いえ、昔からあるこの2つですので。

小川:そうか、(説明板に描かれた)字が古くなり書き換えたのですね?

製造部長:はい。

高坂弁護士:これはさ、K砕にかけている水はどこに行っているんですか?

製造部長:そこに持って来てですね、処理します。

高坂弁護士:集水地に入れて?

製造部長:集水地に持って来て。あの、先程ご覧になられたK砕出荷場の水ですよね?

高坂弁護士:はいはい。

製造部長:はい、繰り返し使用しながら濃度が高まった場合に、こっちに戻ってくるという形です。

■展望台のような視察場所からバスに戻る際、製造部長から「左側に飛び出ている部分がるので気を付けてお進みください」と注意喚起がありました。浄水施設も水回りなので、錆が出やすいと見えて、足元の薄いエキスパンドメタルもペンキこそ厚く塗られていますが、何やら腐食が進んでいるのではないかという懸念が、感じられました。

 ちょうど10時のサイレンが鳴り渡りました。すると構内にチャイムが鳴り、「環境時間になりました。窓を開けて換気をお願いします」と男性のアナウンスの声が響きました。コロナ対策のスローガンのようです。

 バスに戻りましたが、今日は蒸し暑いため、参加者から「蒸しますね」と感想がこぼれました。製造部長が気を遣い「ちょっと蒸してきたようですが、体調の悪い方は…、大丈夫ですかね?」と声掛けをしてくれました。「なんとか大丈夫です」と参加者から応答がありました。

■バスは正門を出ると、昔、売店と食堂だった建物の脇を左手に入り、従業員の駐車場から、柳瀬川添いに、隣のパチンコ店の広い駐車場の近くの空き地に向かいました。そこにはブルーシートで覆われた土砂の山がありました。説明者が、今度は司会の環境管理室長です。









会社司会:こちらが公特事業で使われる客土の仮置き場。昨年の12月に第1回目の土砂の搬入がありました。そして今年の7月に2回目、うかがっているのは1回目が1800㎥ほど。今年の夏に入れたのが1400㎥ほどと聞いております。向かって左側はブルーシートが掛かってますけれども、右側は第2回目の搬入が終わった後、だいぶ、そこにブルーシートが掛かっていたんですけど、だいぶ雑草と言いますか、が、だいぶこうブルーシートが見えないくらいの状況になっていたんですけど、どうもその雑草の処理のために、一回ブルーシートを剥いで、雑草をいま除去している最中のようです。この後ブルーシートが掛かるというふうにうかがっております。よろしいでしょうか。

小川:それほど今年の夏は雑草の伸びがよかったというわけだ。

 駐車場をぐるっと回るとバスはすぐに総合事務棟前の広場に到着しました。

製造部長:これで工場内の視察は終わりになりますけれど、お願いがございます。お手数をおかけするんですが、手の消毒をよろしくお願いします。トイレに行かれるかたは、1階若しくは2階のトイレをご利用ください。ありがとうございました。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬・・・この項つづく】
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【東邦亜鉛安中公害】安中緑の大地を守る会が恒例の清掃作業を6/8に実施。工場視察会は8/21予定

2021-06-09 22:17:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■なかなか梅雨入り宣言が出ない関東地方ですが、2021年6月8日(火)午前8時から、安中市岩野谷地区西岩井にある安中緑の大地を守る会の事務所のある公園で、毎年恒例の清掃作業が行われ、8名ほどの会員が参加しました。

国道18号線からダイソーとABC Martの間の脇道を信越線の踏切を渡り、オサカベ自動車工業と協立精工を過ぎ、農免道路の上り坂に係る左手に高崎信金のグランドに隣接して安中緑の大地を守る会の事務所と公園がある



草刈り機を使って除草作業中。



軒先を補強。


すっかりきれいになった公園と記念碑。

 1時間半ほどかけて、公園の広場及び進入道路脇の草刈りをしたり、事務所の軒先の補強作業を行いました。やぶ蚊対策として虫よけを顔や首筋、手指に入念に擦り込み、各会員が作業に奮闘した後、10時半に事務所内に集い、30分間ほど情報交換をしました。事務局からお茶とお弁当の差し入れ、それに参加者が持参したお茶菓子をつまみながら休憩を兼ねて談笑が始まりました。

 ことしは意外に夜間の温度が上がらず、水稲苗の生育が遅く、通常であれば5月中旬に田植えを予定していたところ、少し遅れて5月23日に済ませたとの会員からの近況報告がありました。

 汗も引いてきたところで、事務局から本日の清掃作業等について、藤巻会長に挨拶の依頼がありました。会長からは「ご苦労さんです。今日もまた暑くなりそうですね。このコロナ騒ぎは大変なんでけれども、その中で皆さんお元気で何よりです。えらい作業をしてもらいありがとうございます。なかなか、本職に頼めば安ガネでは済まないのですが、実際には、本職並みに作業をしてもらい、いろいろとありがとうございます。ひとつこれからもよろしくお願い致します」と、会員の労をねぎらう挨拶を頂きました。

 続いて事務局長から、報告事項として、これまでの経過と今年8月頃までの予定について報告がありました。東邦亜鉛との協議会については、公害弁護団と会社側との間の折衝の結果、今年の協議会は7月20日(火)に開催予定となりました。これまでは例年、役員が出席して、協議会を年2回開催していましたが、コロナ禍ということもあり、今年は年1回となりました。また、それで、協議会の開催に当たり、東邦亜鉛側から「新型コロナウイルスワクチンは接種してきて欲しい」という提案があったらしく、接種が間に合わない人や接種を希望しない人は欠席もやむを得ないとし、接種済みの人のみの参加で、協議会を実施する予定であることが報告されました。

 7月20日の協議会は、東邦亜鉛と公害弁護団の双方の都合によるもので、弁護士らもいろいろ日程が入っているので、当日しか都合がつかないということになった結果だとのことです。なので、安中緑の大地を守る会の役員は、7月20日を開けておいてもらいたいとの事務局長からの依頼があり、参加者全員により承諾されました。なお、この日13時に会計監査を実施し、監査委員2名立会いのもとで、現物と現金と通帳を突き合わせて確認することになりました。

 例年開催の安中製錬所の工場視察会については、今のところ8月21日(土)午前9時から開催予定です。今回は3年ごとの協定書の更新にあたります。この工場視察会の後、当日午後から、この事務所で、令和3年度の総会を開くことになりました。最近は、視察会でも総会でも参加者が減少傾向にあるため、会員にはなるべく多くの人に声を掛けて参加してもらいたい、との強い要請が事務局長から出され、一同、了承しました。開催案内は期日が迫ってからあらためて文書による通知を出すとのことです。

 続いて事務局から筆者に「東邦亜鉛との関係でなにか動きがあれば」ということで、筆者から、東邦亜鉛関連情報として、北野殿公害対策委員会における活動、東邦亜鉛安中製錬所汚染土壌対策にかかる公特事業の進捗状況、および先日新聞報道された東邦亜鉛安中製錬所における焙焼炉休止とその影響について説明を行いました。

 また、岩井地区で今年度からスタートする原状復旧方式による「碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画」に基づく公害防除特別土地改良事業(公特事業)の対象地区の会員から、「今年6月から汚染土壌の入替え作業が始まると聞かされていたが、もう6月になるが、一向にいつ始まるのか、連絡がない」という質問がありました。

■そこで筆者が、安中市に問いあわせたところ、今年度の公特事業のうち、岩井地区の畑地については、現在、汚染土壌の集積場所(土捨場)として、非鉄スラグ置場の南隣にあるN氏及びS氏所有の農地(畑)を選定し、現在竹林となっているため、隣接する農免道路からの進入路及び竹林等伐採作業を行うべく手続き中とのことです。

 農地を汚染土壌の捨て場所とし、東邦亜鉛所有とするために、現在東邦亜鉛が西岩井地区に所有する土地との交換、及び農地を転用するための諸手続きを行う必要がありますが、東邦亜鉛では、昔から周辺住民との協議には一切応じようとせず、かならず「行政を介してしか対応しない」と豪語しています。そのため、今回も、安中市が東邦亜鉛といろいろ交渉しているものと見られます。

 このように東邦亜鉛は、行政の方が与しやすいと考えており、その理由としては政治力を行使できるから、とみられています。東邦亜鉛安中製錬所の事務課の応接室にはかならず小渕優子代議士のカレンダーが飾ってあることからも、その社是がうかがえます。

 というわけで、現在、安中製錬所の東端にある非鉄スラグ置場の南隣付近には、工事中の看板に「休工中」の張り紙がしてあります。おそらく今年度前半に、農地転用や土捨て場に関する地権者(行政が代行)と東邦亜鉛との交渉を終えて、今年度後半に土捨て場の整備に関わる工事が大手組により施工されることになりそうです。


東邦亜鉛安中製錬所の東端にある非鉄スラグ置場の脇を通る農免道路。この右手奥の竹林を伐採して、公特事業で排土される重金属汚染土壌の土捨て場とする予定。




工事休工中の看板。大手組が請け負っているが、実際の工期は未定。


安中公害当時、変電所に反対する農民を騙して農地を買い取り、それを東邦亜鉛に転売した高崎信金の総合運動場。奥に見える小屋が安中緑の大地を守る会の事務所。

■また、例年7月頃、公特事業の役員会議が開催される予定です。安中公害が取りざたされて碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画が昭和47年8月11日に承認されてから半世紀が経過しようとしています。ところが中宿や岩井地区等の水田については、排客土ないし汚染土壌の上に客土を施す対策が実施されましたが、岩井や野殿地区の畑地については、半世紀を経てもなお、進捗がほとんど見られません。

 この背景には、前述のとおり、東邦亜鉛が地元住民との直接対話を拒否し、行政仲介のみでの対応をしていることから、政治力を行使して事業推進を徹底して長引かせる作戦をとっており、地元でも東邦亜鉛に協力する一部住民が、事業の進捗に非協力の態度をとっています。

 そして行政側も、平均すると2年ごとに担当者が異動となり、本腰をいれて公害問題の負の遺産の解消に取り組もうとしても困難な状況が挙げられます。そもそも前任者からの引継ぎも不十分であり、「どうせ2年間では、担当として何もできない。ならば、何もせずにリスクを回避したほうがいい。しかし、何もしないと事務事業の実績報告が出来ないから、関係者との協議を行った事実を積み重ねて仕事をしたことにしよう」などと考えている可能性もあります。

 安中市と群馬県は、毎月1度のペースで、公特事業に関する協議を行っているようですが、その内容は地元関係者には知らされず、年1度の役員会議での席上、行政側から概要のみ報告があります。なので、今年度からは、なるべく都度、進捗状況について行政からヒヤリングをしていく必要があると考えています。

【北野殿公害対策委員長からの報告】

※参考情報「安中公害の負の遺産解消への道のり遠し」
**********群馬県HP 2021年1月8日
URL ⇒ https://www.pref.gunma.jp/04/e0100407.html
第2部第3章第6節 特定地域の公害防止対策
第1項 碓氷川柳瀬川流域
1 概要 【環境保全課】
(1)経過
 富山県で発生したイタイイタイ病(*注1)について1968(昭和43)年5月に厚生省(当時)の考え方が発表され、カドミウム(*注2)による環境汚染問題が全国的に注目されました。本県でも碓氷川・柳瀬川流域が調査研究の対象地域とされました。
 同年、県と国が共同で碓氷川・柳瀬川流域にある東邦亜鉛(株)安中製錬所の排出水、同流域の河川水や川底の泥・砂、井戸水、水稲及び土壌等のカドミウム汚染に関する調査を行いました。この結果から、厚生省は1969(昭和44)年3月「カドミウムによる環境汚染に関する厚生省の見解と今後の対応」を発表し、碓氷川・柳瀬川流域を「要観察地域」に指定しました。それ以来、東邦亜鉛(株)安中製錬所の発生源調査及び発生源対策、同製錬所周辺の環境保全対策、住民保健対策、農作物対策等を行っています。
(*注1) イタイイタイ病:富山県神通川流域に発生した腎病変と骨軟化症などを合併する病気です。身体中の骨がゆがんだりひびが入ったりして、患者が「痛い、痛い」と訴えることから、イタイイタイ病と命名されています。この病気は、神通川上流の三井金属鉱業(株)神岡鉱業所が排出したカドミウムが原因となって腎障害、骨軟化症をきたし、これにカルシウムの不足などが加わり発症すると考えられています。
(*注2) カドミウム:やや青みを帯びた銀白色の金属で、亜鉛鉱物に伴って少量産出します。主な発生源は、亜鉛冶金工場、カドミウム製錬工場などです。
(2)発生源対策
 カドミウム、硫黄酸化物等の鉱害防止施設設置による改善対策の結果、現在では、排出濃度は排出基準(*注3)を大幅に下回っています。
(*注3) 排出基準:「大気汚染防止法」において、ばい煙発生施設の排出口から大気中に排出されるばい煙の許容限度をいいます。
(3)損害賠償請求と公害防止協定(*注4)の締結
 住民が会社に対して行った損害賠償請求については、1986(昭和61)年9月に裁判での和解が成立し、両者の間で公害防止協定が締結されました。
 その後、協定に基づき、原告団及び弁護団等による製錬所への立入調査が行われ、1991(平成3)年4月には、会社と旧原告団等との間で、協定書に定めた事項の完了について確認書が取り交わされました。併せて、新たな公害防止協定が締結され、現在も3年ごとに継続して協定が締結されています。
(*注4) 公害防止協定(環境保全協定):地方公共団体と企業、住民団体と企業などの間で、公害防止(環境保全)のために必要な措置を取り決める協定のことを言います。公害規制法を補い、地域の特殊性に応じた有効な公害対策を、弾力的に実施できるため、法律や条例の規制と並ぶ有力な公害防止(環境保全)上の手段として利用されています。
2 環境調査 【環境保全課】
 東邦亜鉛(株)安中製錬所周辺の大気汚染及び水質汚濁の状況を知るため、環境調査を行いました。
(1)大気調査
ア 浮遊粒子状物質(SPM)中のカドミウム


 表2-4-7-1に示す4地点で毎月試料を採取し、カドミウムの濃度を測定しています。各地点における空気1平方メートル中のカドミウムの量は表2-4-7-2のとおりです。


 また過去10年間の調査の結果は図2-4-7-1及び図2-4-7-2のとおりです。SPM濃度は減少がみられ、カドミウム濃度は横ばいです。過去5年間の年平均値と比較しても大きな変化は見られませんでした。
イ 降下ばいじん
 東邦亜鉛(株)安中製錬所のばい煙発生施設等から排出されるばいじんによる汚染状態を把握するため、発生源近くの4地点にダストジャーを設置し、自然にあるいは雨によって降下してくるばいじんの総量及びばいじん中のカドミウム量を調査しています。比較のために太田市でも同様に測定しています。


 測定結果は、要2-4-7-3のとおりでした。また過去10年間のカドミウムの効果量の経年変化は図2-4-7-3のとおりです。カドミウム濃度は概ね横ばいですが、対象地点(太田市)に比べてカドミウムの降下量が多いことから、引き続き監視していきます。
(2)水質底質調査
 水質調査は、烏川・碓氷川・柳瀬川の利水地点等の8地点及び東邦亜鉛(株)安中製錬所排水口2地点の計10地点において実施し、碓氷川の昭和橋並びに柳瀬川の柳瀬橋及び下の淀橋では毎月、その他の地点では年2回実施しました。
 2019(令和元)年度の水質調査結果では、全ての地点で排水基準及び河川の環境基準に適合していました。


 過去5年間に実施した調査のカドミウム及び亜鉛濃度の最大値、最小値及び平均値は、図2-4-7-4及び図2-4-7-5のとおりです(実施年度、調査地点により年間の調査回数が異なります)。過去5年間では、年平均値の環境基準超過はなく、柳瀬川のカドミウムは低下傾向です。
 また、低室調査は、水質調査地点のうち排水口2地点を除く8地点において、年2回実施しました。過去5年間に実施した調査のカドミウム及び亜鉛濃度の最大値、最小値及び平均値は、図2-4-7-6及び図2-4-7-7のとおりです。
3 住民健康調査 【保健予防課】
 要観察地域等の住民を対象とした健康調査を2000(平成12)年度まで延べ11,027人について実施しましたが、健康被害が疑われる人はいませんでした。
4 土壌汚染防止対策 【技術支援課】
(1)農用地土壌汚染対策地域の指定
 碓氷川柳瀬川流域については、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」に基づき、1972(昭和47)年4月にカドミウムに係る農用地土壌汚染対策地域として、118ヘクタールの農用地を指定しました。
 以降、1973(昭和48)年2月に11.66ヘクタール、1974(昭和49)年3月に4.42ヘクタールを追加し、合計で134.08ヘクタールが対策地域となりました。
(2)農用地土壌汚染対策計画の策定
 指定地域の汚染の防止及び有害物質の除去については、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、1972(昭和47)年8月対策計画を定め、1976(昭和51)年3月及び1978(昭和53)年6月に追加指定した農用地を含めた計画に変更しました。
※昭和53年度碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画変更計画書 ZIP ⇒ 20210324_jis53nxox_pnyvxvj.zip
(3)碓氷川流域公害防除特別土地改良事業の実施
 1972(昭和47)年から1975(昭和50)年まで農用地土壌汚染対策計画に基づき、公害防除特別土地改良事業を実施しました。
 有害物質は10~20センチメートルの排土及び客土により除去し、事業面積は85.1ヘクタールとなりました。
 なお、事業費は769百万円となり、このうち75%を「公害防止事業事業者負担法」に基づき事業者(汚染原因者)が負担しました。
(4)事業効果の確認
 県では、公害防除工事の効果を確認するために、指定地域内の農用地の土壌中の有害物質について継続して調査を行っています。
 また、関係市や生産者団体では、コメ中の有害物質について、継続して調査を行っており、安全性を確認しています。
(5)農用地土壌汚染対策地域の指定の解除
 有害物質の除去や工場や住宅等、農用地以外に土地利用が変更される等、指定の要件を満たさなくなった場合は、指定地域の解除を行うことができます。
 こうした農用地について、1983(昭和58)年3月に105.20ヘクタールの農用地土壌汚染対策地域の指定を解除しました。
 指定の解除により2016(平成28)年度末の指定面積は28.88ヘクタールとなっています。
(6)未解除地域への対応
 農用地土壌汚染対策計画の策定から40年あまりが経過しており、農用地の利用状況は計画策定時と大きく変わっています。
 このため県では、未解除となっている農用地の土壌等調査や、土地所有者等の意向の確認を継続して行い、この結果に基づき、対策計画の見直しを行っています。
【当会注:平成30年度に、岩井畑地区の公特事業を原状復旧方式に変更したため、昭和53年度碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画変更書が「軽微な変更」とされました。 ZIP ⇒ 202103241h30nxox_pnyxvjyx.zip
202103242h30nxox_pnyxvjyxb.zip
また、この事業実施に際して東邦亜鉛、群馬県、安中市の間で取り交わされた承諾書・協定書。 ZIP ⇒ 20210324ne.zip

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