市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

道普請への作業協力要請をにべもなく拒否したガスパッチョ東京ガスのCSR活動の現実

2010-10-14 23:52:00 | 東京ガス高圧パイプライン問題
■毎年春と秋に行われる地元岩野谷地区の道普請。春は市長選挙とかち合って、選挙前あるいは後と、地区内の各区でバラバラに行われましたが、今回は10月3日(日)に行われたところが多かったようです。

 地元の北野殿地区でも、午前8時から、草刈機やスコップ、あるいはカマを手に、腰にはゴミ拾い用の袋を付けて、それぞれ住民がいつものようにそれぞれの地元の市道や農道の整備作業のため、各人に決められた分担場所での道路清掃作業に汗を流しました。

 本来、道路法によれば、道路管理者以外の者がこうした作業をしてはいけないことになっていますが、昔からの慣例ということで、毎年、こうして春と秋に実施されています。


毎年春と秋に行われる恒例の道普請。一方で、安中市は道路法により道路管理者以外の者がこうした道路維持作業等の関与禁止を法廷で主張している。

■ところが、年々、少子高齢化が進み、この道普請でも、戦力になる青壮年世代の参加者が次第に減少してきました。一方、安中市ではタゴ51億円事件の影響で、道路維持予算が削られているため、道端の除草や側溝の掃除などは殆ど手が付けられていない状況です。地区の区長を通じて、あるいは直接市役所に陳情しても、いっこうに埒が明きません。


タゴ事件の和解金の捻出を優先しているため、安中市の市道の維持管理状況はこのとおり。住民に労働奉仕で肩代わりさせている。

 10月3日の日曜に実施された道普請のため、いつものように共同作業に精出していた住民たちですが、あまりの雑草の多さや道端や側溝のゴミや堆積土砂の多さにはウンザリでした。異常気象のせいもあり、雑草の伸びる量も半端ではありません。


異常気象のためか、雑草の伸びが例年になく著しい。

 一服しているとき、ひとりの住民が「たしかこの道の下には東京ガスのガス管が埋まっているんだっけ」とつぶやきました。それを契機に、他の住民らも「地元にガスも供給せずに、生活道路や通学道路の下に強引に埋めたんだし、市道を利用している立場として、道普請に参加してもらうように頼んだらいいんじゃねえんかい」という話になりました。


市道の管理は道普請だのみの市役所。この道路の下には太いガス導管が走っている。

 ちょうど、軽トラックで巡回してきた区長代理にそのことを話すと、「そりゃあ、ぜひ頼んでみんべ」ということで賛同を得たため、当会から電話をすることで了承を得ました。「区長にも話しておくんで、結果が判ったら、ぜひ教えてくれや」と言って、区長代理は軽トラで次の巡回場所に向かっていきました。

■さっそく携帯で東京ガスの導管敷設を担当した窓口の人物に電話をしたところ、いくらコールしても出てきません。既に敷設工事が昨年末で全て完了したため、既に撤退してしまったようです。仕方がないので、ネットで検索して、東京ガス高崎支社のカスタマーサービスセンター(電話027-322-2523)に電話を入れてみました。すると休日のため自動音声で応答がありました。ガスのトラブル相談ということで、該当番号を押して待っていると、宿直担当者が電話に出ました。

 事情を説明し、「なんとか東京ガスから一人でもいいからボランティアで来て一緒に道普請を手伝ってもらえませんか?」と要請したところ、「今すぐ、別の現場に行かなくてはならないので、別のものから折り返し電話をする」ということで、しばし待っていると、まもなく電話番号027-322-0251から着信がありました。担当者の池上さんに、あらためて、道普請の意味を話しました。地元では昔からの慣例であり、春と秋に実施され、午前8時から2時間程度、道路わきの草刈や側溝の掃除、そして道端に捨てられて空き缶や空き瓶など、車から投げ捨てられたゴミ等の清掃作業をおこなっていることを説明したうえで、少子高齢化による作業者の能力低下により、ぜひ、東京ガスの元気な社員の力を貸してほしい、とお願いしました。

 池上さんは「即答はできないので、明日、月曜日に担当部署に話をした上で、折り返し電話をする」といいました。

 やがて午前9時半ごろになって、下までゴミ拾いに行っていたグループも戻ってきたので、東京ガスにもボランティア作業を依頼したことを伝えたところ、「それはよい提案だ。東京ガスの社員に少しでも作業に参加してもらえれば、来年の春はもう少し作業が楽になるね」と、喜ぶ声が大半でした。


集めたゴミをステーションに集積。やれやれ疲れました。

■月曜日になりました。携帯電話番号を伝えておいたのですが、一向に電話の掛かってくる気配がありません。

 午後5時を過ぎて、ようやく東京ガスから電話番号027-322-0046で着信がありました。たまたま仕事中だったので、午後5時24分ごろ折り返し電話をしたところ、東京ガスでは「きょうはまだ結論が出ないので、あす、あらためて連絡したい」ということでした。

 10月5日の午後1時38分になり、ようやく東京ガスから電話番号027-322-0430で着信がありました。この時も手が空かず、電話に出られなかったため、同日午後5時52分に折り返し電話をかけました。

■東京ガスの返事は、予期しない内容でした。すなわち、「東京ガスとしては、一旦ガス導管を埋設した後は、そのような道路管理は一切しない」というのです。

 当方から、「しかし、皆さんは、地区住民には事前に同意を得ずに、勝手に道路管理者の安中市と合意して、地元の中心を走る市道のしたにガス導管を敷設しました。せめて、交通量の少ない、地区の裏道に当たる農免道路にルート変更してくださいと地元住民らが懇願したにもかかわらず、強引に市道に導管を敷設しました。道路使用料として年間数十万円を安中市に支払っているかもしれませんが、我々住民も税金を支払って市道管理を安中市がやっていますが、巨額横領事件による103年ローンの影響で、このように道路管理が行われておらず、毎年2回の道普請できれいにしています。東京ガスさんも、道路を同じく道路を利用する立場ですからぜひ労働力の提供をお願いします。毎年春と秋の2回で、せいぜい1時間半から2時間足らずの短い時間なので、ぜひ再考をお願いします」と懇願しました。

 ところが、東京ガスは「当社では、そのようなことは他でも行っていない。また、群馬幹線の導管敷設事業で担当していた組織は既に解散して、別の工事場所に移動してしまっており、現在管理しているのは高崎支社だが、工事中はともかく、工事完了後は、そのようなボランティアでの清掃作業はしていない。毎日、道路パトロールだけはしている」という返事を繰り返すばかりです。


地元住民らの無償奉仕によって、毎年2回、きれいにされた市道。無償奉仕をしても、税金は取られ、タゴ巨額横領事件の尻拭いをさせられたり、安中市の不条理は尽きない。↑

■このように、ガスパッチョ東京ガスは、エコだの、社会貢献だの、CSRだのと言って、イメージのよい宣伝だけには大金をかけますが、その本質は、自社の事業推進のことしか考えていないのです。

 東京ガスは、ガス導管を集落の中央に敷設する工事に着手する前には、猫なで声で、「工事後には新しく舗装され道路がきれいになる」「市に使用料が入り財政に貢献する」「毎朝晩の道路パトロールにより通学路の防犯パトロールを兼ねることができる」「地元がその気なら都市ガスも供給できる」などと行政に対して口先だけの甘言を並べ立てていました。

 ところが市長との密約をもとに、足掛け3年間も地区内の道路を掘り返し、交通規制をして地元住民のみならず、膨大な通行車両や運転者に多大な迷惑をかけて、首尾よくガス導管の敷設が今年の3月に完了した途端、「地区住民と一緒に道普請のボランティアなどしたことがない」ので「協力はできない」と言ってくる始末です。


道路下にあるはずの水道管を修理するため道路に切り込みを入れたが、結局、道路下には水道管が見つからず、道の反対側に敷設されていたので、せっかく舗装をカットしたのが無駄。ずさんな埋め戻し工事で段差が付き、車が通過するたびに隣接の住民は騒音に悩まされている。安中市のやることはいつもこうだ。

■これまで当会が指摘してきたように、ガスパッチョ東京ガスには、CSRとか社会貢献という言葉はうわべだけであることが、今回もまた実証されたことになります。

 地元の区長や区長代理には、次回の集会時に、道普請作業の協力に対する東京ガスの拒否回答について、詳しく報告する予定です。

【ひらく会情報部】

コメント (2)
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