市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【続報】高崎芸術劇場の官製談合事件……なぜ、この事件だけが官製談合だと認定されたのか

2019-11-22 23:57:00 | 高崎市の行政問題
■高崎芸術劇場の官製談合事件の発覚から、5日目が経過しました。全国でもトップクラスの談合体質を有する群馬県(2018年落札率平均95.9%)の中でも、中核市の前橋市(2018年同95.9%)や高崎市(2018年同99.1%)はさらに落札率平均の高い自治体となっております。したがって、高崎市の体質から言えば、官製談合は日常茶飯事とみられるのに、なぜ、今回の案件だけが摘発されたのでしょうか。極めて不可解です。

阿久澤電機株式会社本社。
住所:〒370-0006群馬県高崎市問屋町2-4-6、電話番号:027-362-3457、ファクス:027-363-4172、URL:http://www.viento-takasaki.or.jp/company/akuzawa/、代表EMAIL:soumu@akuzawa.co.jp、代表者名: 阿久澤茂、創業:大正8年5月、設立:昭和23年4月、従業員数:26人、資本金:3,300万円、本社:群馬県高崎市問屋町2-4-6、事業内容:電気工事・電気通信工事・消防施設工事・管工事・水道施設工事・土木工事・制御盤等の設計製作

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 阿久澤電機株式会社の昨年からの入札結果・落札情報について、不十分ながら検索してみたところ、次の案件をヒットしました。

○2019年07月04日公示
「高崎市防犯カメラ・ごみステーション見守りカメラ賃貸借」
※【ごみステーション見守りカメラ設置事業とは】
 ごみの適正な排出の推進並びに資源物の持ち去り及び不法投棄等の抑止を図るため、平成27年から「高崎市ごみステーション見守りカメラの設置及び運用に関する要項」を制定し、地域住民からの要望に基づき、ごみステーション見守りカメラを設置している。平成27年度設置台数63基、平成28年度251基、平成29年度149基、平成30年度142基。(末尾の参考情報も参照)

落札日2019年07月18日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/税抜き価格3,423,596円

○2019年08月03日公示
「単独公共 単独街路事業(改良)道路照明設置工事分割2号 高崎(都)3.3.8 高崎駅東口線高崎市上中居町地内」

平成30年度高崎土木事務所管内優良工事表彰/平成30年度群馬県建設工事表彰(所長表彰-3)https://www.pref.gunma.jp/07/k053_00021.html
落札日2018年08月21日
群馬県庁/指名競争入札/金額不明

○2019年04月02日公示
「剣崎浄水場1号・2号ろ過流量計更新工事」
落札日2019年04月17日
高崎市役所(上下水道事業水道局経営企画課)/指名競争入札(指名8社:阿久澤電機㈱、関東企業㈱、クシダ工業㈱、㈱コイケ、東栄電工㈱、針谷工事㈱、藤田エンジニアリング㈱、㈱ヤマト高崎支店)/予定価格11,930,000円・最低制限価格10,072,000円/落札価格11,700,000円(落札率98.07%)

○2019年02月01日公示
「延長コード他」
落札日2019年2月21日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/金額10,705,070円

○2019年02月02日公示
「ムービングライト」
落札日2019年01月24日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/落札価格56,800,000円

○2019年08月06日公示
「島野監視所監視盤交換工事」
落札日2018年08月23日
高崎市役所(上下水道事業水道局経営企画課)/指名競争入札(指名8社:阿久澤電機㈱、関東企業㈱、クシダ工業㈱、㈱コイケ、東栄電工㈱、針谷工事㈱、藤田エンジニアリング㈱、㈱ヤマト高崎支店)/予定価格9,020,000円・最低制限価格7,466,000円/落札価格8,750,000円(落札率97.00%)

○2018年08月18日公示
「平成21年度少額工事(電気関 係)請負単価契約
落札日2009年04月01日?
日本原子力研究開発機構(JAEA)※茨城県内/随意契約/契約金額不明

○2018年07月23日公示
「高崎市立高崎経済大学付属高等学校屋内運動場照明設備改修工事」
落札日2018年08月07日
高崎市役所(財務部契約課)/指名競争入札(指名15社:㈱アイテク、阿久澤電機㈱、㈱アクロスエンジニアリング、金井電気工事㈱、クシダ工業㈱、群商電設㈱、㈱群馬ケイテクノ、㈱小谷野電気、佐藤工業㈱、サンセイ電設㈱、新生電設㈱、㈱神明電気、城北電気工事㈱、㈱セイモー、東栄電工㈱、藤田エンジニアリング㈱、宮島電気工事㈱、㈱ヤマト高崎支店)/予定価格17,650,000円・最低制限価格15,065,000円/落札価格17,300,000円(落札率98.01%)

○2018年07月05日公示
「高崎市防犯カメラ・ごみステーション見守りカメラ賃貸借」
落札日2018年07月19日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/落札価格2,825,800円

○2018年03月05日公示
「高浜長寿センター(仮称)建設電気工事」
落札日2018年03月19日
高橋市役所/指名競争入札/落札価格不明

 上記のように高崎市役所発注の電気関係の請負工事案件では、いずれも指名競争入札で、金額規模によって8社ないし15社が指名され、落札率は97.00~98.07%で応札各社は、いずれも僅差で札を入れており、次善の調整をうかがわせます。

 また、今回、官製談合として摘発された「ムービングライト」は、高崎市役所のHP「入札結果」https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014012001410/ によりますと、「工事・コンサル」「業務委託」「物品・賃貸借」のカテゴリーのうち「物品・賃貸借」に分類されます。
※参考URL「平成31年度物品担当入札結果一覧 令和元年11月1日現在」
https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014012001410/files/bunyuusatukekka20191101.pdf
ZIP ⇒ bunyuusatukekka20191101.zip
※参考URL「平成30年度物品担当入札結果一覧」
https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014012001410/files/bunyuusatukekka2018.pdf
ZIP ⇒ bunyuusatukekka2018.zip

 このうち、阿久澤電機が2019年1月24日に落札した「ムービングライト」は、高崎市都市集客施設整備室が担当部署として、同日まとめて行われた次の入札会の案件の一つとして開札が行われています。なお、価格はいずれも税抜きです。

<平成31年1月24日>
No.92「コンサートグランドピアノ1一式」日本ピアノホールディング㈱ 69,800,000円
No.93「コンサートグランドピアノ2一式」㈱高崎楽器38,020,000円
No.94「コンサートグランドピアノ3一式」㈱雪草楽器24,400,000円
No.95「アップライトピアノ一式」㈱高崎楽器11,850,000円
No.96「指揮台他一式」㈱オカダ楽器7,780,000円
No.97「ムービングライト一式」阿久澤電機㈱ 56,800,000円
No.98「プロジェクター一式」クシダ工業㈱ 33,125,000円
No.99「プラグ、コネクタ類一式」群商電設㈱ 30,146,300円
No.100「舞台用各種備品一式」ワイルカンパニー㈱ 4,687,000円
No.101「家具備品9一式」㈱タカサキトミタ12,411,000円

 これ以前にも、高崎芸術劇場向けと思しき物品調達案件が、平成30年12月20日にまとめて入札会が実施されています。

<平成30年12月20日>
No.74「高所作業車一式」ワイルカンパニー㈱ 6,660,000円
No.75「譜面台一式」日本ピアノホールディング㈱ 5,648,000円
No.76「ピアノ付属品一式」㈱音響楽器1,319,452円
No.77「ピアノベンチ一式」㈱オカダ楽器1,149,200円
No.78「家具備品1一式」㈱タカサキトミタ14,400,000円
No.79「家具備品2一式」㈲近藤金庫店13,540,680円
No.80「家具備品3一式」㈱イシダ10,396,500円
No.81「家具備品4一式」㈱中林精良堂9,759,000円
No.82「家具備品5一式」㈱トミタ商会5,516,000円
No.83「家具備品6一式」㈱アサヒ商会3,834,000円
No.84「家具備品7一式」㈱倉賀野事務器2,439,000円
No.85「家具備品8一式」㈱みなとや2,330,100円

 また、今年2月7日にも、都市集客施設整備室により、まとまった案件の入札会が行われました。

<平成31年2月7日>
No.125「ワゴン一式」㈱サトカタ3,150,000円
No.126「コンテナ一式」片庭銅鉄㈱ 2,960,000円
No.127「高所作業台一式」ワイルカンパニー㈱1,264,000円
No.128「バレエ、ダンス用品一式」㈲近藤金庫店7,498,400円
No.129「フォークリフト1台」トヨタL&F群馬㈱高崎営業所1,130,000円

 翌々週の2月19日にもまとまった入札会が行われました。

<平成31年2月19日>
No.132「演奏者椅子一式」㈱オカダ楽器962,000円
No.133「チェロ演奏台一式」㈱高崎楽器550,000円
No.134「無線機器類一式」コロナ電機㈱ 875,000円
No.135「延長コード他一式」阿久澤電機㈱ 10,705,070円

 さらに2日後と、その2週間後にも次の案件の入札会が開かれました。

<平成31年2月21日>
No.136「演奏者椅子一式」日本ピアノホールディング㈱ 12,430,000円
No.137「椅子、長机1一式」㈱タカサキトミタ12,700,000円
No.138「椅子、長机2一式」㈱高崎大気堂8,958,000円
No.139「パワーアンプ一式」㈱サウンド・エコー9,900,000円
No.140「空調機器一式」今井電機㈱ 5,377,000円
No.141「ラック、コンテナ、収納器具一式」片庭銅鉄㈱ 8,600,000円
No.142「大型ワゴン一式」㈱倉屋1,295,000円

<平成31年3月7日>
No.155「清掃用品一式」㈱倉屋2,103,650円
No.156「収納器具一式」㈲近藤金庫店3,189,800円
No.157「トレーユニット他一式」㈲近藤金庫店698,800円
No.158「脚立、ラッシングベルト一式」㈱環境保全センター6,280,000円
No.159「空圧工具類一式」㈱セキチュー3,999,000円
No.160「変圧器、製作工具他一式」片庭銅鉄㈱ 2,500,000円
No.161「舞台工具一式」片庭銅鉄㈱ 1,350,000円

 その1、3週間後にも次の入札会が開かれました。

<平成31年3月14日>
No.163「工具類1一式」片庭銅鉄㈱ 2,140,000円

<平成31年3月28日>
No.164「オフィス家具1一式」㈱みなとや16,000,000円
No.165「オフィス家具2一式」㈱トミザワ11,000,000円
No.166「移動棚、ロッカー他一式」㈲テラダ文具7,200,000円
No.167「書棚一式」㈱タカサキトミタ7,350,000円
No.168「ミキサ類他一式」群商電設㈱ 12,400,000円
No.169「マイクロフォン類一式」㈱サウンド・エコー5,900,000円
No.170「映像機器類一式」サンセイ電設㈱ 4,600,000円
No.171「PAシステム一式」宮島電気工事㈱ 3,500,000円
No.172「パソコン、プリンター類一式」㈲近藤金庫店3,138,800円
No.173「除雪用品一式」やなぎや農機638,000円
No.174「ケーブル類他一式」㈱セイモー10,878,000円
No.175「ワイヤレス送受信機他一式」クシダ工業㈱ 4,800,000円
No.176「グランドピアノ一式」日本ピアノホールディング㈱ 1,686,300円

■そして令和になっても、入札会が続きました。

<令和元年5月30日>
No.15「PC周辺機器他一式」㈱高崎大気堂716,700円
No.16「防災備品一式」㈱小澤忠商店4,000,000円
No.17「保安備品一式」安全基材㈱ 454,200円

<令和元年6月6日>
No.22「1、テーブル、椅子一式」㈱タカサキトミタ9,481,200円
No.23「2、ロッカー、収納機器他一式」㈲近藤金庫店4,729,800円
No.24「3、椅子、スツール、ゴミ箱他一式」㈱タカサキトミタ4,280,000円
No.25「5、コインロッカー、スツール他一式」㈱タカサキトミタ5,899,200円
No.26「6、収納機器他一式」㈱みなとや2,010,000円
No.27「7、折りたたみテーブル、椅子一式」㈱高崎大気堂4,864,000円
No.28「4、傘たて、ベルトパーテーション他一式」㈱倉屋3,387,560円
No.29「8、展示パネル一式」片庭銅鉄㈱ 10,496,000円
No.30「14、ラック、小物ロッカー他一式」㈱倉屋2,010,000円
No.31「16、電動事務機器他一式」㈱高崎大気堂68,000円
No.32「12、収納ケース、ごみ箱他一式」㈱倉屋2,223,625円
No.33「17、コーン、脚立他一式」㈱倉屋684,720円
No.34「防災安全備品他一式」高橋ベルト㈱ 580,000円
No.35「9、家電類一式」㈱フジイ電機426,700円
No.36「20、魔法瓶、アイロン一式」今井電機㈱ 721,600円
No.37「10、食器類一式」㈱サクライ805,052円
No.38「11、託児室・授乳室備品一式」㈱島田教材社877,000円
No.39「15、カーテン・ブラインド一式」㈱いさごや664,000円
<令和元年6月20日>
No.51「事務机、椅子等一式」㈱みなとや5,330,000円
No.52「可動式書庫一式」㈱みなとや7,130,000円
No.53「パソコン及び周辺機器一式」㈲近藤金庫店998,900円
No.54「ディスプレイ他一式」コロナ電機㈱ 5,178,000円
No.55「ケーブル類一式」クシダ工業㈱ 1,300,000円

■さて11月21日にも、高崎芸術劇場を巡る新たな報道がなされました。

**********上毛新聞社2019年11月21日06:00
高崎官製談合 会社に予定価格が書かれたメモ 設計価格から類推か
 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された群馬県高崎市江木町、阿久沢茂容疑者(68)が社長を務める阿久沢電機から予定価格が書かれたメモが見つかっていたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。県警はいずれも同容疑で逮捕された高崎市課長で同劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=同市大八木町=から高崎財団副理事長の菅田明則容疑者(66)=安中市安中=へ、菅田容疑者から阿久沢容疑者へと、電話などの手段で予定価格が伝えられた可能性があるとみて捜査している。
 捜査関係者によると、同社が入札時に市に提出したとみられる資料の中に、市幹部らしか知り得ない予定価格が書かれたメモが入っていた。
 さらに、当時、予定価格を決める際の参考となる設計価格を把握できる都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者が、長年の職務経験から設計価格が予定価格と同額になると知っていた可能性が高いことも判明。予定価格を知りうる立場ではなかったが、予定価格は設計価格と同額だった。
 3人の逮捕容疑は共謀して1月ごろ、同劇場の照明設備の備品購入を巡り、同社に落札させようとして予定価格5800万円(税抜き)を漏らし、5680万円で落札させて入札の公正を害した疑い。
 3人は大筋で容疑を認めているといい、菅田容疑者は「劇場を良くするため、海外製の特殊な照明設備を入れたかった」、「この製品を取り扱っている阿久沢電機が受注できるようにしたかった」という趣旨の供述をしているという。
 県警によると、備品は劇場に使用されるムービングライト32台。市内の電気工事関係の13業者による指名競争入札で市が発注した。
【激震 高崎官製談合 -下-】
公平、透明 確保進むか
 高崎芸術劇場(高崎市)を巡る官製談合事件で問題となっている予定価格の漏えい。事前の価格公表は発注側と業者の癒着防止に有効とされ、同市は公共工事などの分野で導入している。
■入札後も非公表
 だが、 今回のような備品類の場合、「業者間の競争を阻害する恐れが生じる」として、 入札終了後も予定価格を非公表としている。地理的条件や対象物の構造がその都度異なる工事と違い、 物品は毎年継続して発注する場合が少なくなく、公表すれば次年度の予定価格が類推できてしまうためだ。今回の事件で発注した劇場の照明設備「ムービングライト」は毎年発注する性格のものではない。ただ、同市契約課は「物品として扱われる以上、市が定める規定を順守する必要がある。個別対応はできない」と打ち明ける。
 予定価格の扱いは自治体によって判断が分かれる。太田市は入札制度の透明性確保を重視。備品の入札について、入札後に予定価格、入札のあった業者名、応札価格をホームページで公表している。2006年に同市発注の下水道工事の入札業者選定を巡る贈収賄事件を受け、こうした対応に取り組んできたという。
■「検証へ公開を」
 群馬大社会情報学部の小竹裕人準教授(公共政策論)は、備品購入に関する入札予定価格が事前も事後も非公表であることについて、「入札状況が分かなければ落札率などが比較できず、検証もできない。情報は公開すべきだ 」と指摘している。
 入札の公平性と透明性をどう保つか。ある自治体の関係者は「備品を発注する担当課の職員であれば、だいたいの予定価格は分かってしまう。行政職員にはコンプライアンス(法令順守)の徹底が求められている」と述べた。
 高崎市の富岡賢治市長は19日の記者会見で、「組織としてコンプライアンスへの取り組みが甘かった 」と陳謝。外部の弁護士を入れて、 市役所内の法令順守を見直す新たな部署「コンプライアンス室」を設置する方針を示した。事件をきっかけに、 行政刷新に向けた動きは本格化するのか。市民は注視している。

ムービングライトが使われているとされるスタジオシアター。黒を基調とした内装が特徴

**********上毛新聞2019年11月21日
三山春秋
 期待を踏みにじる異例の事態である。9月に開館したばかりの高崎芸術劇場が官製談合事件の舞台となり、市職員ら3人が逮捕、送検された。
▼高崎市が発注した同劇場の照明設備品の入札予定価格を業者に漏らした同劇場の照明設備品の入札予定価格を業者に漏らしたなどの疑いという。全容解明はこれからだが、とりわけ衝撃的だったのは、容疑者が同劇場の運営を取り仕切る館長、副館長、そして高崎財界の幹部であることだ。
▼市が260億円を投じ建設した同劇場は、「音楽のある街高崎」にとって、極めて重要な役割を担う施設である。高崎には終戦直後に誕生した群馬交響楽団、市民による多額の寄付を基に立てられた群馬音楽センターの歩みをはじめ、音楽、文化に関わるかけがえのない歴史がある。
▼同劇場は、その蓄積、先人の精神を引き継ぎ、発展させる新たなシンボルとして整備された。3人の逮捕は、その活動の第一歩を踏み出してわずか2か月後のことだった。
▼富岡賢治市長は記者会見で「事実ならば、行政への信頼を損なう行為で、深くおわびしたい」と述べ、法令順守の意識が薄かったとして、専門部署の設置を示唆した。
▼そうした対応は不可欠である。加えて、高崎の代表的な都市集客施設とするために、もっとも重要なのは何なのか、もう一度原点に立ち返り、体制を含め歴史への意識のあり方を問い直す機会としてほしい。
2019・11・21

**********NHK News Web 2019年11月21日18:04
談合事件 劇場舞台の機械も落札
 高崎市が発注した「高崎芸術劇場」の照明の購入をめぐり高崎市の課長と業者の社長らあわせて3人が逮捕された官製談合事件で、この業者が、同じ時期に、市が発注した劇場の舞台で使う機械など一式を落札していたことがわかり、警察などは詳しいいきさつを調べています。
 高崎市総務部の課長で「高崎芸術劇場」の副館長の佐藤育男容疑者(50)は、市の都市集客施設整備室長だったことし1月ごろ、市が発注した「高崎芸術劇場」の照明の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を劇場の館長の菅田明則容疑者(66)を通じ、市内の業者の社長の阿久澤茂容疑者(68)に漏らしたなどとして官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されました。
捜査関係者や市によりますと、阿久澤社長の会社は、佐藤副館長が市の室長だったことし2月にも市が発注した劇場の舞台で使う延長コードやドライアイスを発生させる機械など一式の購入をめぐる入札で1070万円余りで落札していたということです。
 高崎市によりますと、この入札は予定価格を公表していないということで、警察は高崎市役所などから押収した資料を分析するなどして詳しいいきさつを調べています。
 また高崎市も、今後、入札の経緯について調査したいとしています。
**********

■上記の11月21日の報道を見ると、やはり違和感を禁じ得ません。

 とくにNHKの報じたニュースでは、「この業者が、同じ時期に、市が発注した劇場の舞台で使う機械など一式を落札していたことがわかり、警察などは詳しいいきさつを調べています」としており、「捜査関係者や市によりますと、阿久澤社長の会社は、佐藤副館長が市の室長だったことし2月にも市が発注した劇場の舞台で使う延長コードやドライアイスを発生させる機械など一式の購入をめぐる入札で1070万円余りで落札していたということです。高崎市によりますと、この入札は予定価格を公表していないということで、警察は高崎市役所などから押収した資料を分析するなどして詳しいいきさつを調べています」とあります。

 前掲のとおり、阿久澤電機ではNo.135「延長コード他一式」阿久澤電機㈱ 10,705,070円を落札し受注しています。しかし、ムービングライトにしても、この延長コードやドライアイス霧装置にしても、メーカーから購入して、それを現場で据え付けて、配線をしたうえで最終調整をすれば、どの電気設備会社もやれないことはありません。

 今回は、高崎市役所の職員が価格を電話などで連絡したのを、業者の阿久澤電機側がメモにして残してあった、という捜査関係者からの情報をNHKが報じました。しかし、そのような情報を得たら、記憶しておくのが対応として自然だと思われます。もちろん、そうした情報を事前に入手するのはいけませんが、官製談合の場合は、市側かわ予定価格など入札情報が伝えられるため、当事者はメモなどつけないはずです。もし、捜査関係者の話が本当であれば、阿久澤電機ではこれまでもずっとそのような方法で、市側=発注者側からの情報を記録していたことになり、まさか、でっち上げ捜査で、「メモ」を捏造したはずはないでしょうが、違和感を禁じ得ません。

■もうひとつ気になることは、高崎市の情報隠蔽体質による、情報発信の極端な消極性です。

 上記の記事にもありましたが、2006年に不祥事を起こした太田市は「太田市は入札制度の透明性確保を重視。備品の入札について、入札後に予定価格、入札のあった業者名、応札価格をホームページで公表」していますが、高崎市は確かにHPを見ても、備品(=物品・賃貸借)の調達に関して、「入札予定価格」を、事前も事後も公表していません。

■そのため、当会では、会員らが手分けをして、次の情報開示請求を高崎市に行いました。

 その第1弾は、事件捜査のため警察が未明に家宅捜索を行った11月19日火曜日の午前11時より1時間ほど、市長・副市長・総務部長・職員課長ら5名により、記者クラブに向けた会見を開いた状況を調べるために、次の内容で開示請求をしたことです。

*****行政文書公開請求書1*****ZIP ⇒ 201911221sjisj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
2019年11月19日に開催された市長・副市長・総務部長以下数名の会見の音声録音データのすべて
**********

 第2弾は、入札予定価格をはじめ、入札で交わされる文書一式の開示請求です。

*****行政文書公開請求書2*****ZIP ⇒ 201911222sjidj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
高崎芸術劇場の入札を巡る官製談合が報じられていますが、これに関して、当該入札に関する一切の情報(入札公示、入札図書類一式(契約書様式および入札仕様書、特記事項など入札に係る付属文書等含む)、入札調書、落札者の契約書、市による検収調書、代金が全額支払い済であることがわかる情報、その他、入札資格設定根拠がわかる情報も含む)。
**********

 そして第3弾は、高崎市のコンプライアンス欠如行政の被害を被っている会員による、コンプライアンス室設置に関連した公開請求です。

*****公文書公開請求書3*****ZIP ⇒ 201911223sjirvcaxj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
(1) 報道によると貴殿は今回の不祥事(官製談合)を受けて12月初めにも設立る予定のコンプライアンス室(仮称)に弁護士を1名?顧問とする意向のようだが、どのような方法で選出するのか?
(2) また貴殿は、そのコンプライアンス室(仮称)に職員3人を充てる予定らしいが、どのような基準で選任するのか?
(3) 貴殿は記者会見で、元貴殿の秘書だった職員の佐藤容疑者のことを「まじめで大変優秀な職員」と高く評価しているが、この理由を具体的にわかりやすく説明されたい。
(4) 貴殿は記者会見で、貴殿の分身とか影武者などとも呼ばれている菅田容疑者を「発想や企画力、人脈にずばぬけていた」と高く評価し「登用したことは正しかったと思う」と正当性を強調しているが、これらの理由を具体的にわかりやすく説明されたい。
(5) 貴殿は記者会見で、後援会幹部の阿久沢容疑者について「バランスの取れた人物」と高く評価しているにもかかわらず、同容疑者の逮捕により「今後きちんと脇を固めていく」と語ったが、今後はどのような人物で脇を固めるつもりなのか、具体的にわかりやくす説明されたい。
(6) 今回の不祥事で貴殿は 19日に本件不祥事の謝罪のための臨時記者会見をしたが、いまだにその模様を動画や記事にして、高崎市のHP上に掲載していないのはなぜか。また、これに関連して、広報課に対し、高崎駅の東口デッキのヤマダ電機の大きなモニターを借り切って、謝罪会見の模様を放映するなど、高崎市長としてひろく謝罪の姿勢を市民にアピールする意向はあるか。
(7) 請求人は、「老健太陽の宮下CM」や「ようざん堀江」、「ようざん安江」らと共に、志田登長寿社会課長に対し、「じゃんけんぽん金井渕サ ービス提供事件」に関して「継続的かつ包括的支援」についてお願いしましたが、志田登課長が、請求人の母(岩崎クニ子86・歳・要介護4 .身体障害者1級)に対して、どの様な支援を実施したのかがわかる一切の情報。
(8) 志田登課長は、「じゃんけんぽんサービス提供拒否事件」に関して、群馬県庁介護高齢課・黒石洋介係長殿から、「令和1年9月2日」及び「令和1年11月8日」の2度わたり、介護保険法第5条2項に基づく「必要な援助及び適切な助言」を受けていますが、群馬県から助言を受けた志田登課長は、「じゃんけんぽん金井渕サービス提供拒否事件」について、どのように対応したのかがわかる一切の情報。
(9) 請求人は、介護保険法に逆行する志田課長の振る舞いについて、相談したいのですが、コンプライアンス室(仮称)は、いつ頃から機能するのかが分かる情報。
(10) 2019年1月23日に志田登課長は「ケアサポートようざん藤塚」に、公用車を用いて出かけました。その際に、請求人の母から「じゃんけんぽん金井渕サービス提供拒否事件」について相談を受けて会議を実施しました。つきましては志田課長が、2019年1月23日に「ケアサポートようざん藤塚」に行ったことがわかる一切の情報(会議議事録、公用車運行等を含む)。
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■以上3つの弾を高崎市長あてに提出しました。どういった反応があるのか、慎重に見守って参りたいと存じます。また、高崎市役所には、スピーディーに対応してもらいたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「高崎市の防犯カメラ・ゴミ見守りカメラの件」
**********高崎新聞2015年12月4日
防犯カメラ・見守りカメラ343台稼働に

犯罪抑止とマナーアップ向上に
 高崎市は、全市的な犯罪抑止を目的した防犯カメラ280台と、ごみ排出のマナーアップを進める「ごみステーション見守りカメラ」63台を設置し、このほど運用を始めた。
 大阪府で不審者が子どもを連れ去り殺害にいたる事件が発生するなど、地域防犯への対策が求められており、防犯カメラが犯罪抑止や事件解決に役立つことから、高崎市は地域の要望箇所の通学路や公園等に、防犯カメラを設置した。
 また併せて、ごみの排出マナーが悪くて困っている町内のごみステーションに見守りカメラを設置し、マナーの向上を進めていくことになった。
 カメラ設置場所には、「カメラ作動中」と設置者の高崎市を示したステッカーが掲示されている。
 モニター監視は行わない。画像の録画期間は防犯カメラが7日間、ごみステーション見守りカメラが14日間で、画像データは自動的に上書きされる。画像の閲覧には専用ソフトとパスワードが必要で、運用管理はプライバシー保護に配慮する。
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