市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【税金無駄遣いの権化】群馬県庁前の広場の再整備について、一太知事に情報開示請求書を提出

2022-09-10 17:43:28 | 県内の税金無駄使い実態


余命3ヶ月半となった「群馬県庁」の館銘。一太知事曰く「広場を活用することで、群馬県の存在感を高められる、群馬県の魅力を発信できる、多くの人たちが集まる場所にする、いろんな独自の面白いアイディアを出していきたい」んだと。

■群馬県庁では、20年近く前に小寺弘之知事が3期目のころ、本来25年間継続して毎年一段ずつ石を積み上げ、完成時には高さ7.5mの巨大なモニュメント21と呼ばれる構造物の建設事業が始まりました。2002年から4年間に8500万円を投じた段階で事業はストップしたものの、その後は県庁の入り口の顔として、ニューイヤー駅伝のスタート場所のシンボルにもなっていました。

 ところが、9月1日の防災の日の午後2時過ぎから始まった定例記者会見で、一太知事が突然発表したのは、このモニュメント21を解体撤去するという、驚くべき税金の無駄遣いでした。

 9月1日の記者発表の際、記者との質疑応答の中で、読売新聞記者から、「再整備事業を実施すると、今『群馬県庁』と書かれている館銘板も撤去することになるが、現在の館銘板は、当時の小寺知事が書かれたものらしいが、新たに館銘板を設置する場合、今度は知事が書くのか?」と質問がありました。

 あまりにも本音を突いた質問だったらしく、一太知事は、ややしどろもどろになりながら「撤去方針は決まった。作者のアーティストには撤去を理解してもらい、大変感謝しているが、館銘板への揮毫の話も含め、どうするかは決まっていない。これから具体的な中身を検討していく」と答えるにとどまりました。

 県民の多くも、同様に感じているらしく、ネットでも、「小寺知事当時の痕跡を消し去りたいんだろうよ」という書き込みが見られます。現職の知事が、以前の知事の痕跡を消したいと思うのは珍しいことではなく、例えば、群馬県庁5階のパブリックスペースに歴代知事の肖像画が掲示されていますが、大澤知事は、前任者の小寺知事の肖像画をずっと掲示していませんでした。また、小寺知事の代まで使っていた知事公舎を壊して駐車場にしたのにもかかわらず、副知事公舎を3000万円以上かけて改修し、愛人と週末を過ごすための妾宅化にしていたのは、今でも県民の間で語り草となっています。

■こうした中、なぜ、一太知事が、20年近く県庁の館銘板として風景に馴染んでいるモニュメントを解体撤去すると、突然発表した背景をヒヤリングする為、当会は、9月9日午後1時45分ごろ、県庁11階の総務部有効活用課を訪れました。ここはかつては、管財課と称していた部署です。

 ここには財産活用係、県庁舎管理係、県庁舎保全係、公用車管理係、長寿命化推進室があり、今回の県庁前広場のモニュメントの解体撤去は、県庁舎保全係が担当しています。さっそく、通路側から声をかけると、女性職員が応対してくれたので、要件を手短に伝えると、吉田章文・県庁舎保全係長が面談に応じていただけました。

 さっそく「今回の補正予算で、県庁前県民広場の再整備は、誰が何の目的で起案したのでしょうか?」「4400万円という予算を目論んでいるようですが、その内訳は?」「整備後、群馬県の魅力を発信できる場所にするそうですが、どのようなイベントなどを想定しているのでしょうか?」など、矢継ぎ早に質問しました。

 すると、吉田係長は顔を曇らせて、「私もよくわかりません」などというだけで、少しも説明をしてもらえる雰囲気ではありませんでした。そのうちに「上にも聞いてきます」と言って、席を外すと、窓際にいる管理職らとなにやら話をしていました。おそらく「オンブズマンだと。説明なんかする必要がないので、適当にあしらってとけや」などと会話しているのかもしれません。まもなく戻ってきた吉田係長に「どうでした」と尋ねたところ、「9月から始まるロングランの議会に諮ることから、まだ、議決を経ていないので、計画として固まっていません」とのことでした。

 しかし「4400万円という補正予算の根拠があるはずだし、解体撤去の方針はすでに庁内で決まっているでしょうから、その過程で、知事に説明した資料もあるはずです。

■15分ほどあれこれモニュメントの解体撤去にかかる情報を質問しましたが、何も説明が聞けませんでした。そのため、どうせ説明責任は果たされないだろうと事前に準備してきた、公文書開示請求書を提示して、内容を見てもらいました。それでも、何もコメントがないため、この内容で開示請求しても大丈夫だと判断し、「これから県庁2階の県民センターでこの開示請求書を提出しておきますので、事前に心構えをしておいてください」と言い残し、2階の県民センターに向かいました。

 県民センターに提出した文書は以下のとおりです。

*****公文書開示請求書*****
<開示を請求する公文書の内容又は件名>
 9月1日以降のメディア報道によると、「群馬県は制作途中だった県庁前のモニュメントを撤去する。撤去費などとして9月補正予算案に4400万円を計上した」とある。これに関連する次の情報。
①解体撤去の根拠の一つとして、モニュメント自体の老朽化が進んだことを挙げているが、この根拠が分かる情報。
②「池田さんの許可も得て撤去を決めた」という証拠情報。
③既に芝生広場となっているのに「撤去とともに芝生を張り替え、今後は周辺を含めた約三千八百平方メートルを芝生広場として活用する方針」を打ち出した理由や根拠が分かる情報。
④モニュメント撤去費として計上した4400万円の内訳情報。
⑤既に「群馬県庁」と彫られているのに、わざわざ「県庁を示す銘板は新たに設置する」のか、その理由が分かる情報。
⑥もともと賑わいを創出するはずのモニュメントだったはずなのに、なぜ「イベントなどさまざまな用途に活用したい」ために解体・撤去する理由が分かる情報。
⑦「今後、具体策を検討していく」として、具体策も決めない内になぜ撤去しなければならないのか根拠を示す情報。
⑧「これまでの制作に8500万円がかかった」内訳を示す情報。
**********

■14日以内に開示に関する通知があるはずですので、9月26日ごろ、県の対応結果がわかりましたら、ブログでも報告いたします。

 なお、もしかしたら群馬県は、いつものように「本件はまだ議会承認を経ていないことから、成熟した情報ではないため、不開示決定処分とする」などと言い出しかねないため、当会としては、あらかじめ住民監査請求書の作成に着手しておきたいと考えている次第です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連情報
**********ANN2022年9月5日12:06
群馬県庁 未完の“巨大モニュメント”撤去へ…費用4400万円 「税金無駄遣い?」声も
 
 群馬県が県庁の前の広場にあるモニュメントを未完成のまま撤去することが分かりました。モニュメントを作るのに8500万円かけて、撤去費用などで、さらに4400万円かけるため、「無駄遣いではないか」と県民から疑問の声が上がっています。


■知事“巨大モニュメント”撤去発表
 およそ20年間、群馬県庁前に鎮座している“巨大なモニュメント”。
 群馬県・山本一太知事:「県民広場、県庁の周辺ですね。ここをもっと人が集まる場所にしたいと考えています。そのために、県民広場に設置されているモニュメントの撤去と、それから芝生の張り替えを考えています」
 山本知事はモニュメントの撤去を発表しました。
■建設~撤去で税金“1億3000万円”
 そもそも、このモニュメントは21世紀の幕開けを記念する事業として、故小寺弘之知事時代の2002年に建設がスタートしました。
 当初は25年をかけて、徐々に石を積み上げ、高さ7.5メートルの立体作品として完成するはずでした。しかし、2005年を最後に工事が中断したままとなっています。
 現在は、コンクリートや御影石でできた、ほぼ基礎のみの状態で放置されています。
 群馬県によると、2002年から2005年の4年間で、合わせて8500万円が投じられたといいます。
 これに今回の撤去などの4400万円がプラスされると、およそ1億3000万円の税金がかかることになります。
 一体なぜ、この計画は頓挫したのでしょうか?
■資料紛失…施工業者もう存在せず
 実は、このモニュメントには子育て支援推進政策の一環として、県内で2000年以降に生まれた子どもの名前を刻んでいく予定でした。
 しかし、2003年、個人情報保護法が成立。個人情報の取り扱いが厳しくなるなか、県民からの反対の声も相次ぎ、子どもの名前を刻むことは見送りとなったのです。
 県庁担当者:「個人情報の取り扱いとともに、お金をかけすぎではないかという話が上がり、中断したと聞いている」
 中断から17年の月日が経ちました。県の担当者に、モニュメントの完成形を聞いてみました。
 県庁担当者:「分かりません。資料が見つからず、データを渡すこともできない。施工業者の名前は分かるが、連絡が取れない」
 県は、設計図などの資料を“紛失”。施工業者を調べてみると、社長が亡くなり、会社はもう存在しないと近隣住民が明かしてくれました。
■“新年駅伝”向け…年内撤去目指す
 撤去に伴い費用がさらにかかることに、県民からは次のような声が聞かれました。
 群馬県民:「(撤去費用)4000万円は高いですよ。もっと色んな方法があるんじゃないかなと思います」「群馬県のシンボルなので、別に撤去しなくてもいいと思う」
 県は、来年1月の元旦、県庁前からスタートするニューイヤー駅伝に間に合うよう、年内の撤去を目指すとしています。
 (「グッド!モーニング」2022年9月5日放送分より)

**********群馬県2022年9月1日
第19回定例記者会見要旨(9月1日)
■日時  令和4年9月1日(木)午後2時5分~2時58分
■会場  記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
     記者:記者クラブ所属記者等 20人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
 

令和4年9月1日定例記者会見動画(You Tube:外部リンク)。得意げにパネルを掲げる一太知事
https://www.youtube.com/watch?v=ZI5msx_9d0w&feature=youtu.be
※モニター資料(PDFファイル:1MB)
https://www.pref.gunma.jp/contents/100256587.pdf
 

<発表項目>
1.はじめに
2.新型コロナウイルス感染症対策本部会議の結果について
3.令和4年度9月補正予算案について
4.トップITアスリート研修への協力
5.「旧統一教会」主催イベント等への県の後援
6.直滑降ストリームの告知
<記者発表21:18~22:00>
 次に、「県庁前の県民広場の再整備」です。
 県庁周辺の県民広場を、もっと人が集まる場所にしたいと考えています。そのために、県民広場に今設置されているモニュメントの撤去と、それから芝生の張り替えを考えています。あわせて県民広場の新たな活用策を検討してまいります。
 他にも、ここに掲げたような事業にいち早く取り組むことで、さらなる群馬県の発展につなげていきたいと思います。
 予算額としては、1億4,285万円を計上させていただきました。
<質疑応答35:44~>
●県民広場のモニュメント撤去について
(上毛新聞宮村記者)
 県民広場のモニュメント撤去の関係なんですけれども、当初の構想からちょっと頓挫して、20年にわたり設置されてきたわけですけれども、改めまして撤去に対する思いと今後どうしていきたいかについて伺えればと思います。
(知事)
 このモニュメントは、小寺元知事の時に制作が始まって、途中で大澤前知事に代わられたと。大澤前知事の時代にも撤去の議論があったようなんですけれども、まず、芸術作品自体にはもちろん価値があるものだと思っているんです。
 その上で、今回は、この芸術作品を手がけられたアーティスト、東京芸術大学の名誉教授である先生としっかりお会いしました。それで、いろいろお話をした結果、群馬県が目指しているものとか、時代の流れみたいな中で、この撤去についてご同意をいただきました。このことを、まず本当に感謝したいと思っています。
 群馬県は、小寺元知事の時代に、結構いろいろなアートを導入しているんですよね。こういうことについては、もうちょっと県民の人たちにお知らせしたいということを先生にも申し上げました。
 ちょうど県庁に入るところに、鶴舞う形の群馬県の噴水みたいなモニュメントがあるじゃないですか。これは私が知事になる前は、水も止まっていたんですね。芸術作品自体が、やっぱり噴水があることを想定して作られているので、そういう点を考慮して水を出すようにしました。そのことは評価していただいているし、改めてその先生と一緒に、今群馬県庁内にあるアートを拝見したんですけれども、これはもう群馬県にとってはアセット(財産)なので、これはもうちょっと県民の皆さまに、伝える努力はしたいと(思っています)。
 ただ、今あるモニュメント自体は、ちょっと撤去させていただいて、一部を移転させていただくような形で、広場を有効活用をするような状況を作りたいと思っています。
(上毛新聞宮村記者)
 有効活用については、どういうふうにするか、方向性みたいなものがあるんでしょうか。
(知事)
 それは、これからいろいろ議論しようと思うんですけれども、やっぱりいつも言っているように、広場を活用することによって、群馬県の存在感を高められる、群馬県の魅力を発信できる、それから多くの人たちが集まる、そういう場所にするように、いろんな独自の面白いアイディアを出していきたいと思います。
<質疑応答44:23~>
●県民広場の再整備について
(読売新聞鷹尾記者)
 補正予算についてちょっと細かい質問なんですけれども、先ほど話題に出た、県民広場再整備についてですね、再整備事業を実施すると、今「群馬県庁」と書かれている館銘板というんですかね、あれも撤去することになると思います。館銘板は、当時の小寺知事が書かれたものらしいんですけれども、新たに館銘板を設置するとなると、今度は知事が書かれるということになるんでしょうか。
(知事)
 まず、撤去するという大きな方針は決まりました。これを作られたアーティストの方に本当にご理解いただいて、大変感謝しているんですが、それは決まったんですけど、今の話を含めてどうするかというのは、これから具体的な中身を検討していきたいと思っています。まだ決まっていません。
**********

コメント
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【税金無駄遣いの権化】群馬県庁前の広場で歴代知事により繰り返される愚行!

2022-09-07 21:17:53 | 県内の税金無駄使い実態

 
県庁から見下ろした県民広場(2014年11月当時)
 

■群馬県で最も高い建物(地上33階、高さ153.8m)として1999年に建てられた群馬県庁ですが、東側を向いたこの高層ビルの前に「県民広場」と称する約6,000平方メートルの広さを持つ芝生の広場があります。

 この県民広場について、県HPで総務部財産有効活用課が、「県民広場 県民広場を中心とした県庁、昭和庁舎、群馬会館を、一体的に活用し、このエリアから群馬県の元気のみなもとを発信していきます。」と記しています。

 県民広場の一角には、ゆるキャラのぐんまちゃんのモニュメントが立っています。

 
 この石像は2014年3月に群馬県石材商組合が創立50周年を記念して約200万円を投じて寄贈したものです。

 そして、この広場には、もうひとつのモニュメントが、ぐんまちゃんより10年以上前から設置されています。それが、2002年から2005年にかけて設置された「モニュメント21」と呼ばれる石の構造物です。県庁前の交差点からよく見えるので、皆さんお馴染みのモニュメントです。

 20年前に当時の小寺弘之知事のとき、県管財課により建立が開始されたこのモニュメント21は、その後、大澤正明知事の代を経て、現在の山本一太知事になってから3年目となる9月1日に、県資産活用課により突如取り壊される計画が発表されました。メディア各社の報道内容を見てみましょう。

**********毎日新聞 2022年9月1日17:42(最終更新 9月1日 18:43)
「イサム・ノグチ作品に酷似」指摘 群馬県庁前モニュメント、撤去へ
  

「群馬県庁」の銘板が刻まれる「モニュメント21」の正面=前橋市で2022年9月1日午後1時、田所柳子撮影

 群馬県は、前橋市の県庁前に2005年から未完のまま放置している「モニュメント21」を4400万円かけて撤去し、跡地に芝生を整備する方針を決めた。02年に台座を設置し、毎年御影(みかげ)石を積み上げ25年かけて完成させる予定だったが、当初から「完成予想図が彫刻家、イサム・ノグチの作品に酷似している」「税金の無駄遣い」などと指摘された。建設中止から17年を経て、「事実上使い道がなく、県庁前の有効活用のために撤去する」(県担当者)ことになった。
 県によると、モニュメントには、02~05年に計8500万円が投じられた。規模は南北51メートル、東西28メートル、高さ2・2メートルで、現在はコンクリートや御影石でできたほぼ基礎のみの状態で放置されている。
  

市民の抗議を伝える2003年8月28日付毎日新聞群馬版の記事。「モニュメント21」の完成予想図も掲載されている

 建設開始当初、完成予想図が札幌市にあるイサム・ノグチの作品「ブラック・スライド・マントラ」に酷似していると指摘した市民団体が建設中止を求めた。それでも県は建設を継続したが、00年以降に県内で生まれた子ども全員の名前を刻む当初の予定は個人情報保護の観点から実現しなかった。また、07年に知事が交代したことも重なり、計画は宙に浮いた。県の担当者は建設中止の理由について、「今となってははっきりしないが、複合的な要因ではないか」と話している。
  

イサム・ノグチ「ブラック・スライド・マントラ」

 モニュメントの正面には、県庁の表玄関を象徴する「群馬県庁」の銘板が刻まれている。県は9月補正予算案に、12月までにモニュメントを撤去し、来年3月までに芝生の整備と新たな銘板の設置をする費用として4400万円を盛り込んだ。御影石などは撤去時に破損するため再利用はできず、廃棄するという。
 山本一太知事は1日の記者会見で、「県庁周辺をもっと人が集まる場所にしたい。そのためにモニュメントを撤去し、新たな活用策を考えたい」と語った。【田所柳子】

**********群馬テレビ2022年9月1日(木)19:22
群馬県の9月補正予算案 256億7700万円 原油高騰や物価対策に重点

 
(写真:群馬テレビ)

 群馬県は1日、256億7700万円余りを増額する9月補正予算案を発表しました。高騰する原油価格や物価対策などを重点的に取り組みます。
 「今回提出させていただく補正予算案のキャッチコピーです。物価高騰+未来投資予算とさせていただきました。」(群馬県・山本一太知事)
 補正予算額は、256億7700万円で、平成以降最大となった昨年度と比べ379億円減少しました。最も重点を置くのが原油価格・物価高騰対策で、学校や保育所などの光熱費や給食材料費、それに酪農家のエサ代の補助などにあわせて13億8200万円を計上しました。
 また、山本知事は、未来への投資にも力を入れるとし、Gメッセ群馬のスタジオ機能の強化などに2900万円、県庁前の県民広場の有効活用を目的にモニュメントの撤去費用などに4400万円を計上しています。
 このほか、県内で豚熱・CSFが多発していることから、イノシシの移動を抑えるため河川内の伐採や除草を行う緩衝帯の整備費用など豚熱対策に6億円を計上しました。
 一方、財政健全化に向けて、173億7800万円を財政調整基金に積み立て、406億円の残高としました。補正後の予算額は、8487億5400万円となります。
 9月補正予算案は、今月20日に開会する県議会第3回定例会で審議されます。

**********朝日新聞デジタル2022年9月2日 21時00分
制作費8500万円で未完のモニュメント 4400万円で撤去へ
 

群馬県庁の前にある「モニュメント21」=2022年9月2日、前橋市大手町1丁目、川村さくら撮影
 

 

 

 群馬県は制作途中だった県庁前のモニュメントを撤去する。撤去費などとして9月補正予算案に4400万円を計上した。
 「群馬県庁」と彫られたモニュメントは2002年に設置され、前橋市出身で東京芸術大名誉教授の池田政治氏が手がけた。基礎部分には中国産の御影石を使い、これまでの制作に8500万円がかかった。
県内で生まれた子どもの名前を刻むはずが……
 当初の計画では、02年から25年間、毎年石を積み上げ、7・5メートルの高さにまでする予定だった。外壁には県内で生まれた子どもの名前を刻んでいくことになっていた。しかし、実際に石が積まれたのは最初の4年間だけで、名前が刻まれることもなかった。
 県の担当者は計画が頓挫したことについて「個人情報の問題やお金がかかることなど複合的な理由だった」と説明。モニュメントを残さずにあえて撤去するのは「相当な面積をとっており、県庁前の広場をスポーツなど多目的に使えるようにするため」という。
 山本一太知事は1日の定例会見で、池田氏と直接話して撤去に了承をもらったと述べ、「多くの人が集まるようアイデアを出していきたい」と広場の整備に意欲を示した。
「みんなの心が政治から離れてしまう」
 設置時に県に建設中止を求めていた「市民オンブズマン群馬」の鈴木庸事務局長は「税金の無駄遣いでとんでもない。県民の意見をもっと聞いて真摯(しんし)に対応してもらわないと、みんなの心が政治から離れてしまう」と話した。(川村さくら)

**********上毛新聞2022年9月2日06:00
群馬県庁前の2002年着工の「モニュメント21」を撤去 県9月補正予算案
 

撤去が決まった県庁県民広場の「モニュメント21」

 群馬県が1日発表した本年度一般会計9月補正予算案には、県庁前の県民広場に設置された巨大な立体作品「モニュメント21」の撤去費用が計上された。広場の有効活用が狙い。約20年にわたって県庁の玄関口で県民に親しまれてきたモニュメントがなくなる。
 モニュメントは21世紀の幕開けを記念する事業として、故小寺弘之知事時代の2002年度に建設が始まり、県民広場の南東に弧を描くように配置された。当初は25年かけて徐々に積み上げて高さ7.5メートルの立体作品とし、県内で2000年以降に生まれた子どもの名前を刻んでいく計画だった。
 だが、03年の個人情報保護法成立など個人情報の取り扱いが厳しくなる中、反対の意見もあって名前を刻むことは見送られ、建設自体も05年度を最後に中断したままになっていた。
 御影石製で現在の大きさは南北に最大51メートル、東西に最大28メートル、高さ最大2.2メートル。広さ3800平方メートルの県民広場のかなりの部分を占めており、広場を有効活用する際の妨げになっているという。
 補正予算案には撤去と芝の張り替えの事業費として計4400万円を計上した。デザインした芸術家には撤去の了解を得ており、議会の議決を得られ次第、工事を発注する方針。来年1月に県庁前を発着点に開かれるニューイヤー駅伝に間に合うよう、年内の撤去を目指す。
 モニュメントに刻まれた小寺氏揮毫(きごう)の「群馬県庁」の文字も撤去となるため、新たな銘板を設置する。
 撤去後の県民広場の活用方法は県民を交えて検討していく。
 山本一太知事は1日の会見で「広場の有効活用のためにモニュメントは撤去させてもらうが、県庁内にはたくさんアート作品があるので、それを県民に伝える努力をしていきたい」と述べた。
 一方、小寺知事時代の県幹部は「今に続く県の子育て支援推進政策のシンボルで、広場は県民のものという考えの象徴でもあっただけに撤去は残念。寂しく感じる」と話した。

**********東京新聞2022年9月2日 07:40
群馬県庁前モニュメント 年内解体、芝生広場に 生まれた子の名前を刻む構想 「個人情報」で頓挫、17年間放置
 

解体撤去が決まった県庁の銘板を兼ねたモニュメント。奥は県庁舎=前橋市で

 県庁舎東側にあり、「群馬県庁」と刻まれている銘板を兼ねた御影石造りのモニュメントが年内に解体、撤去されることになった。モニュメントは二〇〇二年度に整備が始まり、県内で生まれた子どもの名前を記しながら二十五年間かけて完成させる構想だったが、「個人情報保護の流れにそぐわない」と三年後の〇五年度に中止。その後の十七年間、放置されていた。(羽物一隆)
 モニュメントは、南東向きに「群馬県庁」と掘られた高さ二・二メートルの銘板部分があり、弧を描くように北方向と西方向に壁状に伸びている。当初の構想では徐々に上へ積み上げていき、最終的に高さ七・五メートルになる予定だった。〇五年度までの事業費は計八千五百万円。前橋市出身で東京芸大名誉教授の池田政治さんが「モニュメント21」の名でデザインし、美術作品でもあったため、県は対応を決めかねていた。
 しかし、モニュメント自体の老朽化が進み、池田さんの許可も得て撤去を決めた。今後は周辺を含めた約三千八百平方メートルを芝生広場として活用する方針。
 県は一日に発表した九月補正予算案で、広場再整備費として四千四百万円を計上。モニュメントの撤去とともに芝生を張り替える。県庁を示す銘板は新たに設置する。県財産有効活用課の担当者は「イベントなどさまざまな用途に活用したい。今後、具体策を検討していく」としている。

**********読売新聞2022年09月02日10:20
8500万円かけた群馬県庁前モニュメント、未完成のまま年内撤去へ…知事の揮毫も
 群馬県が1日発表した補正予算案では、「県民広場の再整備事業」(4400万円)の中に、県庁正面にあるモニュメントの撤去が盛り込まれた。
 

 モニュメントは2002~05年度に8500万円をかけて作られ、小寺弘之知事(当時)の揮毫(きごう)による「群馬県庁」の文字が彫られている=写真=。県内で生まれた子供の氏名を刻んだ石材を高さ7・5メートルまで積み上げる計画だったが、費用や個人情報保護の観点から中断されている。
 県はモニュメントを年内に撤去する方針。山本知事は記者会見で、撤去の同意を当時の関係者らから得たと明らかにし、再整備事業について「県の存在感を高められ、多くの人が集まる場所にするようにアイデアを出していきたい」と語った。
**********

■以上の報道からうかがえるのは、先々代の知事が、曲がりなりにも、当会を含む県民の反対を押し切って多額の血税を投入して作ったモニュメントを、県財産有効活用課の担当者が「イベントなどさまざまな用途に活用したい。今後、具体策を検討していく」として撤去し、芝生を張り替える計画を山本知事が許可したという経緯です。

 行政は継続性をもって事務事業を行わなければなりません。なので、知事が交代しても、後任は前任者の残した遺物を安易に否定することはできません。今回の場合、良くも悪くも県庁の正面のシンボルとして、大金をかけて作られた公的な工作物が、わずか20年で、撤去改廃されることになります。

 しかも、県庁前のこの県民広場を「スポーツなどの多目的に使えるように、アイデアを出していきたい」などとして、現時点ではなんのビジョンも計画性もないのに、とりあえず壊して撤去するというのですから、呆れたバカバカしい動機です。

 工作物の撤去と芝の張り替えの事業費として補正予算に計4400万円を計上した根拠として、山本知事は「デザインした芸術家には撤去の了解を得ており、議会の議決を得られ次第、工事を発注する。来年1月に県庁前を発着点に開かれるニューイヤー駅伝に間に合うよう、年内の撤去を目指す。」と説明しているようですが、本当に撤去する必要があるのか、説得力に甚だしく欠けた説明です。

 先代の大澤知事も、先々代の小寺知事が使っていた知事公舎を壊したのに、愛人を連れ込むために副知事公舎を血税3000万円以上かけてジャグジー風呂や、人目を避けては出入りできるようにリモコンで開閉できるゲートや、外部からの目隠し設備などの整備に費やしました。

 これでは、知事が交代するたびに、公金を投入した財産を作っては壊し、作っては壊しで、まるで、どこかの独裁国家のやりようを見せつけられるようです。

 石造りの工作物の償却期間は50年と言われています。ですので、モニュメント21も最低50年、否、それ以上に群馬県行政の「負の遺跡」として、末代まで現地に置き続けて欲しいものです。

■今年7月8日、「安倍、竹中の次はお前だな、県税私的流用腐れ一太」と山本知事のTwitterに投稿して、なぜかブロックされずに、7月9日に県職員により警察に通報され、同27日までに逮捕された派遣社員のニュースが報じられましたが、山本知事への「県税私的流用」という指摘については、脅迫どころか、正鵠を得た表現だということができます。

 実は、上記の毎日新聞や朝日新聞の記事にある通り、市民オンブズマン群馬として、モニュメント21をはじめ県民広場や駐車場にかかる一連の税金の無駄遣いについて、2003年当時、タスクチームを結成して、当時の小寺知事と県管財課に対して、反対意見を再々にわたり提出しました。

 あれから20年、繰り返される群馬県行政の税金浪費癖がまたもや県民広場を舞台に繰り返されることに、どうしようもない行政の悪弊を痛感します。さっそく住民監査請求など、必要な対策を取りたいと考えています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※20年前の当会の活動の模様
**********まど(安中市民通信)第91号2003年7月30日
【行政なんでだろう】
県民広場・駐車場の税金無駄遣い 指摘に慌てた県当局のお粗末対応
★タスク・チームの活動★
 今年初めから調査をしてきた県庁前のモニュメント21やそれに伴う県庁前広場のさまざまな施設整備、そして県民駐車場の公金無駄使いの件で、市民オンプズマン群馬の五月例会までに、データの整理が行なわれました。
 この問題の調査過程で、群馬県が業者と契約を締結する際の契約書の書き方の不手際も発覚しました。仮契約書を締結する際に、議会の議決によるという、条件付けが為されておらず、最初から、「議会で可決しなかった場合」というのを考慮していないのです。
 市民オンプズマン群馬として初めて、タスク・チーム方式で取り組んだこの件は、今年前半の調査活動の集大成と位置付けて、意見書を六月一八日(水)に県知事に提出し、そのあと、記者会見をする予定にしていました。しかし、県知事選挙の直前と言うデリケートなタイミングなので、急違知事選後に提出することに変更しました。
 七月六日(日)午後三時に、オンブズマンのタスク・チームの会議を開き、再度意見書の内容を見直しました。同日夜、過去最低の投票率三七・四一%の下で、現職知事が四選されたのを受けて、さっそく行動を開始することにしました。
 七月一一日(金)、オンブズマンのタスク・チーム代表らが県庁の秘書課を訪ねて、四選を果した新知事宛に、次の二通の意見書を提出しました。

=====群馬県知事あて意見書(1)=====
                       平成15年7月11日
群馬県知事 小寺弘之 様
(総務部管財課 )
                 市民オンブズマン群馬
                 意見書提出代表者
                 住所 前橋市池端町
                 氏名 斎藤秀典
            タスク・チーム  斎藤秀典、小川賢ら計四名

               意見書
群馬県庁の県民駐車場・県民ひろばの関連事業に関する公金無駄使いの是正措置について

 今年3月から、表件にかかる一連の情報公開請求を通じて、開示された情報を分析するとともに、貴殿に疑問点を質問してきました。その結果、税金の「無駄使い」について次のような結論に達しましたので、以前のように一般県民駐車場のような完全無料化、誘導員業務の簡素化とならびに地下駐車場の余剰スペースの県民への開放、さらに 、追加契約で公金支出を余儀なくされた計画変更の責任の所在の明確化と、それにもとづく責任者への損害請求など、是正のための措置を早急にとるよう、ここに強く意見します。
             意見の内容
 貴殿は、平成13年12月に収容台数752台の「県民駐車場」(立体駐車場)なる施設の供用開始をしましたが、これに伴い、下記の支出を行ったり計画をしたりしています。これらは税金の無駄使いと考えます。
               記
(1)建物及び設傭に約60億円もかけた県民駐車揚は、コンピュータを駆使して省力化を図った自動駐車場の筈です。東朋産業に支払われていた以前の駐車場整理委託費は平成12年4月1日から平成13年3月31日までにわたり1680万円。ところが、年々急増し、平成13年4月1日から平成14年2月28日までにわたり、約2300万円を支出し、平成14年1月から平成15年3月31日までにわたり大勢の県民駐車場誘導員に係る契約および同追加契約として、少なくとも約8600万円の支出をしています。
(2)以前は無料だった駐車料金が、県民駐車場の完成後は、月に200万円前後・年間約2453万円もの利用料金を県民から吸上げているにもかかわらす、上記の委託費のたった28%しか賄えない状況にあります。
(3)さらに、県庁舎の地下1、2階には、県民駐車場とは別に収容台数約270台の大型駐車場がちゃんと存在し、公用車専用駐車場などと称して、県職員が無料で独占的に利用し、一般県民が入場できないようにしています。収容台数約117台の県庁北側駐車場も同様です。
(4)さらに、県民駐車場棟の建設工事に関しては、上記(1)の誘導員控室に係る設計変更として、約4300万円の追加費用を発生させています。
(5)県民駐車場完成以前、県民ひろば(約261台収容)や、県庁地下駐車場(約270台収容)や、県庁北側駐車場(約117台)や 、昭和庁舎酉駐車場(約60台)など少なくとも約708台分の駐車場所がありました。県民駐車場の利用状況を見てみると、出入庫時間帯別台数集計から400~600台分の一般来庁者駐車場があれば問題がないことも判っています。通常時は、駐車台数は300台足らずで、常に6割分が無駄になっていることになります。つまり、駐車場を有効利用すれば、これらの税金の無駄使いの必要性は全くないのです。
(6)県債残高約9000億円(ただし一般会計分のみ)という厳しい県財政の現在、県民駐車場・県民ひろば・モニュメント21の関連事業という必要性も費用対効果も成り立たないような無駄な事業に総額62億円を費やし、これを維持することは、「県民に対する損害」ではありませんか。
(7)県民サービス向上のために、以前のように一般県民駐車場の完全無料化の処置を取るよう求めます。
(8)さらに、早急に誘導員業務の簡素化、並びに地下駐車場の余剰スベースの県民への開放、追加契約で公金支出を余儀なくされた計画変更の責任の所在の明確化と、それにもとづく責任者への損害賠償など、是正の為の措置を取るよう求めます。
(9)さらに、上記(1)の委託費の急激な増額の根拠について、納得いく回答を求めます。
(10)この意見書に対して、7月18日(必着)までに知事の回答書を、要求します。
                       以上

=====群馬県知事あて意見書(2)=====
                       平成15年7月11日
群馬県知事 小寺弘之 様
(総務部管財課 )
                 市民オンブズマン群馬
                 意見書提出代表者
                 住所 前橋市池端町
                 氏名 斎藤秀典
            タスク・チーム  斎藤秀典、小川賢ら計四名

               意見書
群馬県庁のモニュメント21関連事業に関する公金無駄使いの是正措置について

 今年3月から、表件にかかる一連の情報公開請求を通じて、開示された情報を分析するとともに、その結果、税金の「無駄使い」について次のような結論に達しましたので、モニュメント21事業の即時中止の措置をとるよう、ここに強く意見します。
             意見の内容
 貴殿は、平成14年からモニュメント21関連事業を行い、これに伴い、下記の支出を行ったり計画をしたりしています。これらは税金の無駄使いと考えます。
               記
(1)以前無料だった県庁前の駐車場にかわり、同じ場所を県民ひろばと証して、「21世紀とこれから生まれる子供を祝福する」という趣旨で「モニュメント21」なる建築物をわざわざ25年を費やして作ることを決定しています。これに伴い、県は、県民ひろばにおいて、2億円以上の公金をすでに使い、舗装解体、造成、植栽・移植、機械・電気設傭等、モニュメント21に閲連する諸工事を平成15年3月までに実施しました。これらの工事自体、あきらかな公金の無駄遣いですが、さらに、設計変更や、出来高変更などを理由に、総額約3000万円の公金を追加契約で支出しました。設計変更による金額の削減例は一件もありません。さらに、杜撰な計画による追加契約の責任の所在も問わないままに、公金を垂れながしています。モニュメント21の工事に、14年度だけですでに約5000万円を投じています。これを計画通り毎年25年間続けるのですか。
(2)さらに、平成14年2月26日に21世紀記念モニュメント実施設計業務として、㈱佐藤総合計画に業務委託契約書として409万5千円を投じています。
(3)モニュメント21のような意義の乏しい事業と、それにより派生した不要不急な事業  および追加支出は、「21世紀とこれから生まれる子供を祝福する」ものではなく、「膨大な借金を子どもに負担させる」ものではありませんか。
(4)県債残高約9000億円(ただし一般会計分のみ)という厳しい県財政の現在、県民駐車場・県民ひろば・モニュメント21の関連事業という必要性も費用対効果も成り立たないような無駄な事業に、総額約62億円を費やし、これを継続することは、「県民に対する損害」ではありませんか。
(5)今年度、新たに関連事業として、県議会前に(御影石で出来た約450万円もする)「群馬県議会」という石碑と、モニュメント21に「群馬県庁」という石碑が完成しました。それから、昭和庁舎前にガラス製の碑を建てるそうですね。いったいいつまで公費の垂れ流しを続けるのですか。
(6)モニュメント21は、県民生活に全く不必要かつ無駄な公共事業というのが実体です。県知事の「公共事業は、県民生活に真に必要かどうかを考えて個別に判断する」との選挙の時の主張に照らしても、明らかに矛盾・違背しています。個別に判断した上で、当然、モニュメント21関連事業を白紙撤回すべきではありませんか。
(10)この意見書に対して、7月18日(必着)までに知事の回答書を、要求します。
                       以上
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★非常識な県職員の対応★
 こうして「意見書」二通は、市民オンブズマン群馬タスク・チームから七月一一日午前一〇時に秘書課を通して新知事へ提出しました。応対に出たのは、県庁秘書課係長の浅野氏で、オンブズマン三名から「名刺を頂きたい」と申し出ると、ババ抜きのように名刺を三枚、片手で突き出すように差し出しました。
 午前一一時に記者会見を行いました。その様子は翌日の新聞各紙で報道されたとおりです。ところが、同日午後四時半頃、県総務部管財課の大島次長が、部下一名を引き連れてタスク・チーム代表者である斎藤氏の店にやってきて、「県民駐車場工事等についての意見書について」と題する群馬県総務部長高木勉の書状を差し出しました。
 あまりの突然の来訪にビックリした斎藤氏は「私が出したのは、新知事に対しての意見書です。新知事に対して回答書を要求しているのです。帰ったら、しっかり伝えてください。これは預かっておきますが。」と念を押しました。

=====総務部長からの反論書=====
     県民駐車場工事等についての意見書について
  本日、「市民オンブズマン群馬」が群馬県庁の県民駐車場、県民ひろば、モニュメント21の整傭に関し、不正確なデータと事実に反する内容により、県民に対しあたかも県が公金の無駄遣いをしているかのような発表をしたことは誠に遺憾である。
 これまで、開かれた県庁を目指して県民に気軽に利用してもらえるような施設整備を進めてきた。その結果、新庁舎開設以来現在までに展望ホールには167万人余の方が訪れたほか、業務でも多くの方々が来庁されている。
 また、平成14年度には142件の催し物が県民ひろばを中心に開催され、62万人の方々が県庁を訪れた。
 このように、県民駐車場や県民広場が多くの県民に利用され、全国的にも例をみない開かれた施設となっていることを正しく評価せず、多くの県民の皆さんに不信感を与えることに関し強く抗議する。

 平成15年7月11日

市民オンブズマン群馬
意見書提出代表 斎藤秀典様
                   群馬県総務部長 高木 勉
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★支離滅裂な県の反論★
 反論書の中で、総務部長は「不正確なデータと真実に反する内容により」と言っています。つまり県の情報公開で出て来た資料が「不正確でいいかげんな情報公開」と認めていることになります。

★翌七月一二日の新聞報道★
==========読売新聞2003年7月12日
県民駐車場巡り意見書 市民オンブズマン
 市民オンブズマン群馬(樋口和彦代表代行)は一ー日、県庁の県民駐車場が有効に使われていないなどとして、小寺知事あてに意見書を提出した。同オンブズマンによると、〈1〉整理業務委託料が、昨年度は六千九百七十万円と、県民駐車場仕様前の約四倍に増えているのに、通常時は六割が空いている〈2〉県民駐車場以外に三か所ある駐車場は、公用車専用として一般県民が使えない――などとして、県民駐車場の誘導業務の簡素化や他の駐車場
の開放などを求めている。県管財課は〈1〉県民駐車場は、収容台数七百二台に対し一日平均千五百台が使用し、稼働率は高い〈2〉県民駐車場以外の駐車場も一般県民に開放しているものがある――などとし、「オンブズマンの指摘は、無駄遣いには当たらない」としている。
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★県が緊急記者会見!★
 管財課次長が斎藤氏の店を訪れる少し前、群馬県は七月一一日の午後四時、オンブズマンの意見書に対してマスコミだけを対象に約一時間半にわたり緊急記者会見を行いました。
 席上、斉藤氏の店に持参した「県民駐車場等についての意見書について」も同時に公表しました。さっそく記者から「不正なデータとは具体的にはどの部分か?」という質問が出ましたが、県からは明確な返答はありませんでした。県は、「これでこの件は終わり」と記者団に向かって発言しました。

=====県の緊急記者会見の資料=====
                     平成15年7月11日
                     管財課庁舎管理グループ
                     内線:21221、2125
(参考)
市民オンブズマン群馬の意見について
■県民駐車場の整備について
1 建設の経緯
 ①県庁舎等(県庁、県議会、駐車場棟)の基本構想及び基本計画は、提案協議方式(コンペ)を実施し、群馬県庁舎建設基本構想提案協議審査会の審議を経て、平成3年10月に決定した。この中で、地下方式と地上駐車場を併せ持つ駐車場棟が、提案されている。
 ②採用提案に基づき、県庁舎建設委員会、県議会新庁舎建設特別委員会及び群馬県庁舎建設懇談会において基本計画、実施計画の検討を進める中で、地下駐車方式を採用することが決定した。
 ③地下機械式駐車方式を採用した理由は、次の通りである。
  ・県庁舎裏側に高層駐車場を建設することは、景観保護上並びに隣接住民対策上好ましくない。できるだけ地下駐車方式を採用するべきである。
  ・地下駐車場に700台駐車させるには、自走式の場合地下4階となり自走距離が非常に短くなり、実現は無理である。
 ④平成9年度に機械式駐車システムの導入検討委員会を設置し、8社によるプロポーザルにより現在のシステムを採用した。
2 施設概要
 ①構造 鉄筋コンクリート造 地下2階、地上2階建て
 ②規模 建設面積5677・87平方m 延べ床面積12446.30平方m
 ③駐車台数 702台(機械式648台、自走式34台、2段式20台)
 ④駐輪台数 自転車1200台、バイク130台
 ⑤建設工事 12年3月~13年12月
3 建設費
  総額  5824百万円
4 年間誘導委託費
  14年度 69767千円
5 市民オンブズマン群馬の意見について
 ①県民駐車場完成以前、708台分の駐車場所があったとい
うが、実際には県庁東側(現県民広場)約210台、昭和庁舎西側約60台、計270台であり、来庁者用駐車場は確保しきれない。当時は利根川の西に駐車場を借用してシャトルバスを運行していた程である。
  県庁地下駐車場270台と言っているものについては、議会地下駐車場で(県庁地下に駐車スペースはない)その収容台数は183台である。
  「職員が独占的に」と、恰も私有車を通勤用に駐車しているかのような表現をしているが、その分については、公用車117台と県議会議員等58台、公用車予備8台である。
 ②県民駐車場の練働率が低いとの指摘があるが、一日あたりの最大2597台(回転率3・73)、平均で1500台(回転率2・2強)となっており、駐車場としては高い稼働率である。
 ③県民駐車場の無料化を求めているが、2時間までは全て無料である。長時間利用については、回転率の向上と目的外使用の防止のため、受益者から若干の負担を頂いているが、公務で来庁する方については2時間を超えても無料としている。
 ④誘導経費については、来庁者が安全、確実に駐車できるための必要経費である。
■モニュメント21の整傭について
1 概要
 ①モニュメントは1年1年積み上げるように造っていき、25年という年月をかけて造り上げていくこととしている。造っていく間にも、子供達が遊んだり、来庁者がくつろいだり、イベントに使ったりと、いろいろに楽しみながらモニュメントを使用していくこととしている。
 ②14年3月県民広場整備計画と合わせて県議会の報道発表を行うとともに県庁玄関ホールでの計画図及び計画の模型の展示、県ホームページヘの掲載などを行い県民にお知らせしてきた。
2 整備費
 ①14年度 2206万円(日本宝くじ協会助成金)
 ②23年間同額を要するわけではない。次年度以降は少額となる。
                           以上
==========

★県に対して再度要請を決定★
 七月二〇日のオンプズマン例会の席上、この問題をタスク・チームで話し合いました。
 県当局が自ら作成して開示した公文書を「不正確なデータで事実に反する」と認識していることから、このまま、この問題を放置することはできないため、実務担当責任者の無責任な回答ではなく、新知事から正式回答を求める必要があるので、再度、要請する方針を決めて、二五日に知事宛に次の書状を提出することになりました。

=====意見書への正式回答要請書=====
                    平成15年7月25日
群馬県知事 小寺弘之 様
                   市民オンプズマン群馬

    7月11日付意見書への正式回答を求める要請書

 本状は、平成15年7月11日に、我々が貴殿に対し、県民駐車場・県民ひろば及びモニュメント21に係る公金の無駄遣いについて指摘するとともに、貴殿の見解を求めた意見書に対し、同日、「群馬県総務部長 高木 勉」の名前で、マスコミ各社に発表された、「不正確なデータと事実に反する内容で、あたかも県が公金の無駄遣いをしているかのような発表をしたのは非常に遺憾」という県の発表に厳重に抗議するものです。私たちは、貴殿に対して、意見書を求めたものであり、貴殿に無断で公金の無駄使いを行っている当該部署の責任者の名前だけの回答を求めているのではありません。あらためて、県民の付託をうけた新知事としての貴殿からの回答を要求します。
 我々が、7月11日に提出した意見書のデークは、県当局が情報公開条例に基づき公開した書類に基づいているものです。不正確なデータと事実に反する内容と、言われる覚えは全くありません。不正確なデータと事実に反する内容が、いったいどこにあるのでしょうか。貴殿には、我々が指摘した意見書の根拠とした県当局提示の情報のうち、どの部分が「不正確なデータ」で「事実に反する」のか、きちんと特定して説明する責任があります。貴殿の部下である総務部長高木勉が、県民に開示したデータが不正確であり、県民に事実に反する意見を受け付けた、と自ら認識しているなら、総責任者である貴殿には、さらに重大な説明責任があるのではありませんか。県民に開示したデータのどこに間違った情報があるのか、事実に反するデータに基づき意見書を出した県民として、詳しく知りたいので、その根拠となるものを具体的にご提示下さい。なお、その根拠を示した書面は、平成15年7月31日(木)必着で、郵送ないしFAXにてご提示願います。
 もし、期日までに根拠を示した書面回答が為されない場合は、上記の県のコメントを貴殿の回答そのものと受け止め、根拠のない無責任な回答をマスコミを通じて、ひろく県民に対し、あたかもオンブズマンがデタラメな意見を吹聴したのかのような発表を行ったことにより、我々オンブズマンの名誉と信頼を傷つけられたと解釈せざるをえません。あらためて、新知事からの回答を要求します。
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★あわてる県職員★
 七月二五日午前一一時に、タスク・チーム三名が県庁を訪問し、斎藤代表が「7月11日付意見書への正式回答を求める要請書」を、秘書課職員に渡して、名刺を頂きたいと申し出たところで、浅野秘書係長が再登場し、「私が預かるから」と言って割り込んできたので要請書を県庁秘書課係員の浅野達郎氏に預けました。その際、浅野氏は「今日は知事は県庁にいない」と嘘を言いました。約一〇分後、秘書課へ抗議しましたが、課長以下、職員全員に「……」と無視されました。
 数分後、携帯を使おうとした瞬間、浅野氏が再び登場。「電話は、(部屋の)外へ行ってかけて」と追い出される一幕もありました。

★七月二五日の新聞報道★
=========東京新聞2003年7月25日
あらためて知事に回答求める市民団体、きょうにも「無駄遣い」問題で
 県庁の立体駐車場など二事業について、市民団体「市民オンブズマン群馬」が「税金の無駄遣い」として、小寺弘之知事に意見書を提出し改善を求めた問題で、市民オンブズマン群馬は二十五日にも、あらためて知事の回答を求める要請書を県に提出する。
 オンブズマン群馬は十一日、「立体駐車場と県庁前広場のモニュメント建設は必要のない事業だった」として、知事あてに意見書を提出。県は即日、総務部長名で「不正確なで〇田と事実に反する内容で、非常に遺憾」と抗議。知事の回答は行わないとした。
 これに対し、オンブズマン側は、「意見書のデータは、情報公開条例で県が公開した書類に基づいている。どの部分に誤りがあるのか」と抗議、あらためて知事からの回答を要請するという。
==========

★待たれる、県知事の対応★
 このように七月二五日に、知事室秘書課に再度の意見書を提出した時に、浅野係長が横から意見書を奪い取り、最初に応対した職員の「知事は居ますか?」という質問にも「知事は居ません」と平然と噓を言いました。こうした態度は公務員としての職務を全く理解していません。
 さらに困るのが、それら一部始終を看過していた上司の対応です。秘書課の課長は、県民に対する公僕としての不手際を自分の部下に何も注意できずに、ただ傍観しているだけでした。秘書課幹部はおそらく県民の為に働くという意識は持ち合わせていないようです。秘書課の自分たちは特権階級だとでも思い上がっているのかもしれません。それらを掌握すべき知事の人事権はいったいどこにいっているのやら、と感じました。憲法一五条には、職員の罷免権は国民にあると定めています。
 というわけで、主権者は誰にあるのかを理解してもらうために、さらに活動を進めることにしました。なぜか、県民からの意見書に対して、あのようなトンデモナイ反論をしたのか、県内部の考え方を知る為に、七月二九日に「意見書に対する対応を協議した一切の資料」を情報公開請求することにしました。この結果は来月お楽しみに。
【市民オンブズマン群馬】

**********まど(安中市民通信)第92号2003年8月20日
税金無駄遣いの象徴・モニュメント21
有名芸術家の作品をパクリ 「本物志向」知事の顔にドロ
 まど7月号でも報じた通り、県庁内の県民広場で、巨大なモニュメントを今後25年かけて作るという工事が始まりました。
 県当局の計画では、モニュメント21の整傭について、「モニュメントは1年1年積み上げるように造っていき、25年という年月をかけて造り上げていくこととしている。造っていく間にも、子供達が遊んだり、来庁者がくつろいだり、イべントに使ったりと、いろいろに楽しみながらモニュメントを使用していく事としている」そうです。
 すでに平成14年度事業として完成されたモニュメントの銘板には次のように記されています。「モニュメント21 21世紀を記念して、ここにモニュメントを作ります。群馬の未来への思いを込めて毎年少しずつ積み上げ、25年かけて完成される予定です。高さは7・5mになります。このモニュメントは、毎年広場の利用の少ない時期に短期間で工事を行い、多目的な舞台として活用していきます。2002年12月群馬県」
 平成一四年度までに実施されたモニュメント21及びその関連工事概要は、次のようになっています。
▼電光褐示板解体撒去工事
▽契約会社 城田興業㈱(前橋市石倉町)代表取締役社長・城田悦也
▽契約額 241万5千円
▽契約日 01年5月14日
▽工期  01年5月14日~5月31日
▼21世紀記念モニュメント実施設計業務委託
▽請負契約会社 佐藤設計㈱(東京都墨田区)代表取締役・島田孝好
▽契約額 409万5千円
▽契約日 02年2月26日
▽工期  02年4月27日~5月28日
▼モニュメン21建設工事及び歩道整傭工事
▽請負契約会社 阿部建設㈱(前橋市昭和町)代表取締役社長・阿部進一
▽原契約額 3885万円
▽追加工事契約額 1340万8500円
▽契約総額 5225万8500円
▽契約日 02年8月13日
▽工期  02年8月14日~12月20日
▽追加契約
 起案  02年11月20日
 決裁     11月22日
 公印押印   11月25日
▽設計変更
 ①地盤改良の工法変更
 ②モニュメント上面表層の仕様変更
 ③モニュメント周辺表層の仕様変更
 ④県警排気塔の安全対策の追加
▽設計変更起案説明
 ①工事着手後に、支持層が深く当初の工法では施工が不可能であることが判明した後、その工法を変更する。
 ②モニュメント上面表層の降雨や風等による使用時の不具合を改善する為、土舗装から砕石舗装に変更する。
 ③モニュメント周辺表層の降雨や風等による使用時の不具合を改善する為、土舗装からゴンべ砂(当会注:花崗岩風化砂のこと)舗装に変更する。
 ④管理上及び県民ひろば利用上、県警排気塔に開閉可能な蓋をする必要があるため追加する。排気塔部は、県警地下駐車場の避難路となっており、配置する蓋は開閉できなければならない。
 それにもかかわらず、県当局は、「モニュメント21は、平成14年3月、県民広場整備計画と合わせて県議会の了解を得て報道発表を行うとともに県庁玄関ホールでの計画図及び計画の模型の展示、県ホームページへの掲載を行い県民にお知らせしてきた」「整備費は、平成14年度 2206万円(日本宝くじ協会助成金)。25年間同額を要する訳ではない。次年度以降は少額となる」などと、記者団に発表しましたが、オンブズマン群馬には返事をしません。
 さらに、この県民広場の整備に際して解体された電光掲示板が平成6年後半に7961万9千円(消費税込み)で製作及び設置され、電源設備工事が731万3千円(同)、さらに制御用通信ケーブル工事が16万4800円(同)で実施されました。それを7年後の平成13年に前記のように、241万5千円で解体したのです。電光掲示板に総額9千万円近いカネをかけていたのです。恐るべき税金のムダ遣いです。
 こうした税金のムダ使いについて、市民オンブズマン群馬では、7月11日に県知事に対して要請書を提出したところ、翌12日付けの上毛新聞を読んだ匿名の投稿者から、次のような指摘がありました。

=====オンプズマンヘの投書=====
 モニュメントはそれが広場を利用する県民にとって本当に有効であり、なお且つ誇りに思えるになるのであれば、ある程度のお金をかける事は許容されてしかるべきでしょう。
 けれども『モニュメント21』は、貴団体が指摘されているコスト面以外に、その造形的独創性においても問題あると思います。というのは、『モニュメント21』は著名な彫刻家であり、現在でいう環境クリエーターでもあった故イサム・ノグチ氏が世界を旅する中で創り出した彫刻遊具「スライド・マントラ」シリーズのうちの2種類を組み合わせて、多少アレンジを加えただけ(幅を広げたり、スロープを階段に変えたり)のように見えるからです。先人のコンセプトや考え方を参考にするのは構わないと思いますが、造形そのものを借りてきてしまうのはいかがなものでしょうか(資料添付)。
 小寺知事は常々、「本物を県民に…。」という発言をされていますが、あろう事か「まがい物」同然のものをお膝元に設置しようとしているのです。これでは県民の誇りになる筈がありません。県立館林美術館でのフランソワ・ポンポン死後鋳造作品の問題とともに、当の県本人が本物に対してあまりにも無知であるという矛盾を露呈していると思います。    一愛県民
参考書籍 PLAY MOUNTAIN ISAMU NOGUCHI + LOUS KAHN

★県庁の赤っ恥モニュメント★
 参考書籍を見ると、まさに指摘通りの「パクリ」モニュメントであることが一目瞭然です。このようなモニュメントをつくるために、わざわざ62億円以上もかけて県民駐車場や県民広場をつくって、県庁前にスペースを設けたのではたまったものではありません。
 このデザインは、群馬県庁舎等アートプロデューサーという肩書きをもらった東京藝術大学教授の池田政治氏が行ったようですが(後段の参考資料参照)、なぜ、あたかもオリジナルのようなふれ込みで、高い費用と時間をかけたのでしょうか。芸術肌の小寺知事は、これを知ったら、どういう反応を採るのか非常に関心が持たれます。
 市民オンブズマン群馬では、これ以上、群馬県の恥を晒さないように、計頭の即時中止を小寺知事に要求していくことにしています。
【市民オンブズマン群馬】

※参考資料
*****平成12年6月5日策定*****
 県庁舎関連「ひろば」整傭・利活用基本構想(中間報告)について
          基本構想目次
II 利活用のコンセプトとその方向
4 県民広場
(1)施設の現況
 政治・行政機能と交流・文化機能を有する県庁舎・昭和庁舎の立地する敷地は、それら両機能の補助的機能として外来者駐車場の側面を持っています。
 一方で、県民広場は、県民が自由に出入りできる集いや憩いの「ひろば」としての側面を持っており、イベント等の場としての活用が始まっています。
  面積 8,350㎡(議会議事堂前1,800㎡、県庁舎・昭和庁舎前4,500㎡)
  駐車台数 約261台(駐車棟完成まで、当面仮舗装)
  県庁の敷地面積 54,449㎡
(2)利活用のコンセプト
 県民相互の出会いの場 県民参加の場
 ・出会いを生み出すための様々な試みを行う拠点
 ・県民が親しみと安らぎを持てる空間
 ・多様な県民活動の担い手に機会を提供
 ・担い手発掘・育成の場
▼交流の場作りの拡がり
▼利活用の報告
 ・県民相互の出会いの場を創造するため、当面はイベント会場とします。
 ・県庁舎関連「ひろば」への来訪者が憩える、植栽なども考慮します。
 ・県民主導の利活用を促進し、主体性・自主性・想像力を損なわない範囲で担い手育成に必要な支援を検討していきます。
 ・様々な仕掛けを工夫し、多くの県民に参加を促し、自主的な活動の経験を積み重ねていきます。
 ・県民の暮らしにまつわる様々な活動の実験の場でもあり、日常的な利活用も試みます(ラジオ体操など)。
(3)段階的な利活用
 ア 駐車場棟完成までの利活用
   平成13年12月の駐車場棟完成までの間、県民広場は駐車場としての利用が必要なため、イベント会場としての利用は、土・日曜日・祝日等に制限されますが、積極的に利活用を進めます。
 イ  国民文化祭までの利用
   前記2(3)イと同様とします。

=====県庁県民駐車場=====
■構造 鉄筋コンクリート造り、地上・地下各2階建て
■収容台数 752台
■利用時間 午前8時~午後10時30分(入庫は午後9時30分まで)
■利用方法 入口で交付される駐車券により、入庫・清算・出庫します。
■利用料金 2時間まで無料。以降30分ごとに100円。
■その他 駐車場では、係員の誘導があります。自転車・バイク置き場は、駐車場内にあります(無料)。
■問い合わせ先 県庁管財課

=====県民広場=====
【構想】
 県民駐車場の完成に伴い、県民広場を「誰もがいつでも憩える広場」に整備します。
【基本的考え方】
 ア 県民意見の取り入れ
   平成8年度から行ってきた県民意見を取り入れた計画としました。
 【県民のみなさんから寄せられたご意見】
  ◆県民 一般県民、市民団体、都市計画家、イベント活動家等
  ◆手法
   ○意見交換会、シンポジウム、ワークショップ等
   ○県民広場における各種イベントの実践
     上州の夏祭り
     動物ふれあいフェスティバル
     国際交流まつり
     収穫感謝祭        以上
  ◆主な意見
     多目的広場 芝生広場 木蔭が欲しい 電気給排水施設 常設ステージ
     ベンチ 最小限度の設備 空間が欲しい など
 イ 開かれた県庁
   官庁街の中に開かれた空間を確保することにより品格を表現し、多目的利用が可能な広場空間を創出しました。
  ※県民広場 上品でシンプルなデザインを心がけ、誰もがいつでも立ち入れる芝生広場としました。
  ※議会前広揚 昭和庁舎前にあった貴重品である多行松と芝生というシンプルな組み合わせにより、静かで落ち着いた風景を作り出します。
  ※県議会南 各種記念樹を配置した記念樹庭園とします。
注・通常、「県民広場」とは昭和庁舎及び県議会前の広場を併せた広場を指します。上記は便宜上書き分けてあります。

=====モニュメント21=====
【構想】
 21世紀を記念して、県民広場に25年をかけてモニュメントをつくります。子どもの誕生を祝福し群馬の未来への思いを込めて少しずつ造りあげていきます。
【基本的考え方】
 ○毎年毎年1段(16センチ)ずつ積み上げていき、25年後に完成させます。
 ○毎年、群馬県で生まれた子どもの名前を、モニュメントに配した美術陶板に記載しますが、その方法等については、現在検討中です。
 ○建設の途中でも、常に多目的な活用ができる舞台にします。
【デザイン】
 群馬県庁舎等アートプロデューサー 東京藝術大学 教授 池田政治
【完成予想図】 略
【25年間の建設過程想定図】 略
■問い合わせ先
 総務部管財課 企画部企画課
==========

**********まど(安中市民通信)第93号2003年9月20日
税金ムダ遣いの象徴・モニュメント21
知事に直接回答を再要請 無視できず、県が反応?
 まど8月号で報じたように、県庁内の県民ひろばで、巨大なモニュメントを今後25年かけて作るという工事に関して、コストとデザインの両面で県民から批判が出ています。
 市民オンブズマン群馬では、知事にこれ以上税金の無駄使いをしないように強く申し入れるため七月一一日、書面で要請書を出しました。
 ところが、県知事は、オンプズマンの要請に対して回答をしないばかりか、県総務部の高木部長が勝手に「県民駐車場工事についての意見書について」と題する書面を作成し、七月一一日午後、オンブズマンに出してきました。
 それには「オンブズマン群馬が群馬県庁の県民駐車場、県民広場、モニュメント21の整備に関し、不正確なデータと事実に反する内容により、県民に対しあたかも県が公金の無駄遣いをしているかのような発表をしたことは誠に遺憾である」と記してありました。
 オンブズマンは情報公開で入手した県情報をもとに、データを分析して、税金の無駄使いを指摘したのですが、その根拠となる県提供デークの信憑性を、県自身が否定したのです。
 このため、七月二五日にあらためて知事に対して回答要請書を出しましたが、未だにナシの礫。また、七月三〇日に、県知事に「七月一一日オンプズマン意見書に対する対応を協議した一切の資料」について情報公開請求したところ、八月一四日に公開されたものは、なんとオンブズマンの意見書と、総務部長の回答書面だけでした。
 そうした中、県民から、モニュメント21は、署名な彫刻家の類似作品だという指摘がありました。盗作を県庁の真ん前に展示ずれば、県民の芸術性に疑問符が付いてしまいます。
 そこで、八月二七日に、オンブズマンとして、この問題をこのまま放置しておくわけには行かないため、急遽、知事あてに再要請書を提出しました。

=====知事あて再要請書=====
                       平成15年8月27日
群馬県知事 小寺弘之 様
(総務部管財課 )
                 市民オンブズマン群馬
                 意見書提出代表者
                 住所 前橋市池端町
                 氏名 斎藤秀典
            タスク・チーム  斎藤秀典、小川賢ら計四名

    7月11日付意見書への正式回答を求める再要請書

 このことについては、平成15年7月25日に貴殿に対して、正式回答を求める要請書を提出したところ、現在に至るまで回答書面をいただいておりません。
 これに関連して、7月30日(水)に、貴殿に対して「意見書に対する対応を協議した一切の資料」を情報公開請求したところ、8月14日に当該資料の開示を受けましたが、その内容たるや、なんと「意見書」と「群馬県総務部長の回答」書面のみでした。
 その際、貴殿の部下である総務部管財課の職員から「いままで、そちらが情報公開条例で出した資料と、部長が頭の中に入っている事を書き出したので、裏づけ資料など存在しないから出せない」と口頭での発言がありました。しかし、私どもに公開された資料は、あの回答書の情報とは程遠い内容のもので、数値など詳細なデータが不足しており、別の資料を参考にしなければ、あの回答文書作成できないことは明らかです。
 平成15年7月11日、私たちが、県民駐車場・県民ひろば及びモニュメントに係る公金の無駄使いについて指摘するとともに、貴殿の見解を求めた意見書に対し、同日午後、「群馬県総務部長 高木 勉」の名前で、「不正確なデータと事実に反する内容で、あたかも県が公金の無駄遣いをしているかのような発表をしたのは非常に遺憾」という回答がありましたが、裏付けのない不正確なデータは、我々オンプズマンではなく、貴殿の部下が出した事を貴殿の部下が自ら認めたことになります。
 このように、県職員が、開かれた県政を象徴する情報公開制度を自ら踏みにじったことが明らかになりました。貴殿には、県政の最高責任者として、我々が提言した意見書の内容を、真摯に検討して、すみやかに実行することが求められています。
 また、県庁内の県民広場では、昨年度からモニュメント21の建設が25年間の予定で開始されましたが、このグランド・デザインが故イサム・ノグチ氏の彫刻に極めて類似していることが判明しました(添付資料参照)。
 このような模倣品を、我々県民の象徴として県庁内に四半世紀もかけて建設し、維持することは、県民の恥にほかなりません。芸術分野に造詣が深く、常々、「本物志向」を標榜している貴殿としては、我々が指撞するまでも無く、このような事業に公金を投じることは耐え難いとお考えでしょう。
 県民の血税を62憶円も使って無用な県民駐車場を建設し、その結果、空いたスペースに、このような「パクリ」施設を毎年数千万を投じて25年もかけて整備するような税金のムダ使いは、即刻中止するよう強く要請します。
 なお、この要請書に対する貴殿本人の回答を、9月5日(金)必着で、郵送ないしFAXにてご提示願います。
                            以上

★翌日の新聞報道★
==========東京新聞2003年8月28日
市民団体、知事に回答を再要請 県庁立体駐車場
 県庁の立体駐車場など二事業について、「税金の無駄使い」として改善を求め、小寺弘之知事に回答を要請している市民団体「市民オンプズマン群馬」は二七日、改めて知事の回答を求める要請書を県に提出した。
 オンプズマンは、先月一一日に意見書を提出。県が総務部長名で「不正確なデータに基づく根拠の無い意見」と回答したため、同月二五日にも知事の回答を求める要請書を出している。
==========

★県管財課から反応あり★
 九月五日期限を目前にした、九月四日午前一一時頃、県管財課の青木氏からオンブズマンに電話がありました。
 「県民広場の件で、どうも色々と誤解というか意見の食い違いがあるようなので、そちらと話し合いの場をもちたいのですが、三日間用意したので、八、九、一〇日の三日のうちのどれか、午前中(一〇時過ぎ)で話し合いたいのですが」との話でした。
 オンブズマンとして、これ以上、無意味なやりとりは時間の無駄だと判断して返答しないことに決めました。そのかわりに情報公開をきちんとしなかった県知事に対して、異議甲立をすることにしました。
【市民オンブズマン群馬】
**********

 

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東邦亜鉛安中製錬所における7月2日開催の第31回工場視察会の一部始終

2022-09-03 13:06:01 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■毎年恒例の東邦亜鉛安中製錬所における工場視察会は、東邦亜鉛と安中緑の大地を守る会(旧・安中公害裁判原告団)との間で締結された協定書に基づき、例年4月の第2土曜日に開催していました。ところが、コロナの影響でここ2年ほど9月に開催されていましたが、今年は7月2日に開催されることが双方による協議会の場で決まり、連年になく早い梅雨明けの極暑の最中、開催されました。その模様をご報告いたします。

 コロナ過のため、参加者は10数名に絞られましたが、午前8時半から安中製錬所の事務棟前の来客用駐車場に、次々に車で乗り付け、玄関で体温チェックと手指の消毒を済ませた後、名簿に住所氏名を記入し、2階の大会議室に集合しました。そして、午前9時に第31回工場視察会が始まりました。

【会社司会】みなさま、おはようございます。(場内:おはようございます)事務部環境管理室を担当しております中島でございます。本日の工場視察会におきまして、会社側の司会を担当させていただきますので、よろしくお願いいたします。例年4月に行われております工場視察会ですが、新型コロナウイルスの影響により、また今年も…今年もというのではないですけれども、この時期での開催ということになってしまいました。梅雨が早々にあがってしまって、非常に暑い日が続いております。本日も、もう気温がだいぶ高いですけども、これからさらに気温が高くなる、というふうに予想されますので、熱中症については十分注意をしていただきたい、というふうに思います。新型コロナウイルスに関しましては、最近感染者数が少しずつ減っている、という傾向にはなっていますが、感染予防には十分配慮しながら開催してまいります。ソーシャル・ディスタンスのために人数制限をさせていただいたり、マスクの着用、手の消毒、まあ、色々とご協力をいただきましてご不便をおかけします。本日の工場視察会は、時間短縮のため、終了を11時で予定させていただいております。ご協力をよろしくお願いいたします。それでは、まず、会社側の出席メンバーの紹介をさせていただきます。本社のメンバーにつきましては、新型コロナウイルス感染予防対策としてWEBでの参加となります。モニターをご覧下さい。まず最初に、総務本部長の大久保常務執行役員でございます。

【本社側】・・・・あっ・・・(声がでない)

【会社司会】すいません。本社のほうのマイクが入っていない。石井室長、聞こえますか?

【環安室長】はい、今ようやく。すいません。

【会社司会】すいません。そうしましたらもう一度、本社のメンバーの紹介をさせていただきます。まず最初に、総務本部長の大久保(浩)常務執行役員でございます。

【総務本部長】本社総務本部の大久保でございます。本日はよろしくお願いします。

【会社司会】同じく、総務本部の高橋(宏)副本部長でございます。

【副本長】高橋でございます。よろしくお願いいたします。

【会社司会】同じく総務本部(総務兼秘書室長)の橋田(幸弘)部長でございます。

【総務部長】橋田でございます。よろしくお願いしま~す。

【会社司会】同じく総務本部の安藤顧問でございます。

【総務顧問】安藤でございます。よろしくお願いします。

【会社司会】次に、環境安全室の石井(光)室長でございます。

【環安室長】石井でございます。本日はこのメンバーでどうぞよろしくお願いいたします。

【会社司会】続きまして、安中製錬所のメンバーでございますが、所を代表します森田常務執行役員所長でございます。

【所長】森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いします。

【会社司会】副所長の原澤でございます。

【副所長】おはようございます。原澤でございます。よろしくお願いいたします。

【会社司会】次に製造部、鈴木部長でございます。

【製造部長】製造部鈴木です。よろしくお願いします。

【会社司会】それと、事務部環境管理室を担当しています私、中島です。本日このメンバーで工場視察会の対応をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。では、続きまして、朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会会長、藤巻岩男様。よろしくお願いします。

【藤巻会長】おはようございます。

【会社司会】会長、マイクをお願いします。はい、マイク。

【藤巻会長】ごめんなさい。おはようございます。(場内:おはようございます)まあ、今年はね、梅雨があるようなないような、で終わってしまって、真夏に入ってしまうということで、連日の暑さでございますね。まあお互いに、暑気に当たらないように、とは言ってもね、この外へ出てしまうと、これというあれがありませんけれどもね。水を補給したり、太陽を少しでも避けるようにして、今日一日を過ごしていきたいと思います。それにコロナですけれどもね、減ってきたという先ほどの挨拶の中にありましたけれども、ここ幾日か、東京をはじめ、群馬もそうですけれども、又増え始めているんですね。どうも、このまま収まる気配ではないというような状況で、この点についても、大変心配されているところでございますけれどもね。これが一日も、できる限りの対策を立てて生活をしていかなければならないかなとは思っておりますね。本日は今日、暑い中での実施というものになりました。会社の方も大変だと思いますけれど、まあ、暑さの、うまくいけば時間を短くできるところは時間を短くする。もちろん必要な説明はしていただかなければなりませんけれども。そういうことで本日無事に視察会が終了できますよう祈念しております。よろしくお願いします。

【会社司会】ありがとうございました。続きまして、会社を代表しまして、所長の森田よりご挨拶を申し上げます。

【所長】皆さんおはようございます。(場内:おはようございます)所長の森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。3年が経過するんですね、新型コロナ感染症。まあ昨年はですね、そのような。今年ですね、5月、ゴールデンウィーク明けから徐々に、まあ感染症が減少してきているという、まあ当時はそういう状況の中でですね、安中緑の大地を守る会役員様とですね、今年度の工場視察開催に年明けから相談させていただきました。まだ、完全にという、感染症撲滅とはならない状況ということを判断しまして、ご不自由をかけますが、ここ2年間開催と同じようにですね、弊社コロナ対策ルールに沿った形で、また、今週は早々にですね、梅雨明けになりまして、連日の極暑のなかでございますが、本日、工場視察会を行わせていただく運びとなりました。昨年をちょっと振り返りますと、昨年、21年のですね、東京オリンピックなりパラリンピックがございまして、ですね、8月・9月をピークに、まあ、祭りの後の静けさと申しますか、新型コロナウイルスの感染者数が10月以降ぐっと急激な減少となりまして、数も規模も急降下という話でございました。そういうような中で、社会を取り巻くといいますか、気候変動対策とか、CO問題、また、よくテレビでもお耳にしているかと思いますSDG等の国際的な社会の大きな変革が伴ってですね、とりわけ我々製造業につきましては、エネルギーや資材の高騰が拍車となりまして、非常に不穏当な国際社会に陥った、昨年、とりわけ下期ではなかったかと思います。そういうような中で11月8日に、ですね、54年間稼働してまいりました安中製錬所の焙焼炉を停止致しました。また、第2電解もですね、21年度をもちまして停止と、いうかたちで、安中製錬所は一部生産設備の停止、統括に伴いまして、亜鉛事業再構築に向かって舵を切りまして、現在もその状況の中で展開中でございます。併せて、非鉄スラグ関係に関しましても、粛々と必要な対応を積み重ねてまいりまして、逐次、県行政にですね、報告をしておる状況でございます。まあ、オミクロン株のコロナ感染も減少傾向で、目下、申し上げたように、先ほど藤巻会長もおっしゃられたように、ここにきてちょっとまた増えてきているところで、まあ、いろいろ状況が日に日に変わっているところでございますが、まあ、極暑の工場視察会となりまして、いろいろとご不自由をおかけしますが、地元の皆さまのご指導とご鞭撻をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶に替えさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

【会社司会】続きまして、本日の視察コースや日程につきまして、製造部長の鈴木より説明をさせていただきます。

【製造部長】それでは工場視察につきまして、ご説明させていただきます。製造部鈴木です。よろしくお願いします。去年と同じくですね、製錬所内の製造工程並びに公害防止設備を中心にご案内させていただきます。昨年11月に焙焼、硫酸工場、今年の3月に第2電解工場の稼働を停止しております。その他操業は順調でしたので、安定した事業を進めている状況をご視察いただければ幸いと思います。昨年と同様、新型コロナ対策でマスクをしておりますので、私の声が聴きづらいかもしれませんが、ご了承をお願いします。また、昨年の視察会が9月…に対しまして今回は7月で、例年になく気温が高い状況になっております。もう外の気温も30度くらいになっております。また、マスクもしておりますので、熱中症には特に注意していただければ幸いです。また、視察中にご気分が悪くなられたり、体調に異変を感じられた方は遠慮なく申し出て下さい。視察についてですが、お手元の資料の視察コースのページのほうをご覧ください。今年も、ですね、マイクロバスを1台、ワゴン車2台を用意しました。第1班、健脚コースのほうにつきましては視察場所により、バスから降りてのご案内となりますので、ヘルメットの着装をお願いします。案内は、私、製造部鈴木がご案内いたします。第2班、楽々コースにつきましては、ワゴン車からの視察となります。視察中ワゴン車の乗り降りは致しませんので、外も暑いですので、ちょっと外に行くのは不安がある方につきましては、そちらの方の乗車をお勧めいたします。ヘルメットはご不要です。で、案内につきましては、総務課の長岡のほうが担当いたします。今回のコースでも前年同様、公特事業についてのご視察を追加してあります。この点につきましては、このあと中島のほうからご説明いたします。では、工場視察会の注意事項についてご説明いたします。まずですね、場内での写真撮影のほうはご遠慮いただきたいです。今回も場内での持ち込みは…、場内に持ち込まないようにご協力をお願いします。また、携帯電話につきましては持ち込み可能ですが、撮影機能のほう、こちらのほうは使用をご遠慮お願いします。また、健脚コースの方につきましてはバスを降りて工場内を歩いていただきますが、安全確保を最優先に足元にご注意いただくとともに、稼働している施設並びに製品につきましては、絶対に手を触れないよう、お願いいたします。では、これから視察に入りますので事務所前へ移動をよろしくお願いいたします。


【会社司会】環境管理室の中島でございます。先ほど公特事業につきまして、今回視察コースというご説明がありました。今回の視察コースには昨年に続きまして、客土材の仮置き場が入っております。昨年の客土材仮置き場につきましては、視察コースでご覧いただいたのですけれども、今年につきましては、客土材のほかに、覆土材が搬入をされております。その状況をご覧いただきたいというふうに思っております。排土処理場の方ですけれども、こちらについては、昨年もそうだったのですが、事業所の外ということもございまして、視察コースには入れてございません。代わりにですね、お手元の資料の2枚目、視察コースの裏面にですね、排土処理場の、まあ、こういった写真をですね、掲載させていただきました。少し前に撮った写真なので、現在もう少し草が茂っております。


まあ、草が茂っているので、今の写真よりもこちらのほうが、わかりがいいかなと思いこの写真を使いました。まあ、こんな状況になっているということでございます。それでは、視察の方に移らさせていただくんですが、例年ですと、この視察の前にですね、記念撮影というものをしております。ただ、ここ数年続けておりますように、三密を避けるために、記念撮影のほうは中止とさせていただきます。トイレ等を済ませていただきまして、玄関先の方へご移動をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

■9時15分に玄関先でマイクロバスに乗車しました。まもなく出発し製錬所内に入りました。

【製造部長】皆様、あらためておはようございます。(車内:おはようございます)場内視察のほう、ですね、ご案内いたします製造部の鈴木です。よろしくお願いします。先ほど、説明したとおりですが、まず、工場の方ですね。最上部に上がってから下りながら順次視察していきますので、よろしくお願いします。当社は、主に、亜鉛、鉛、銀のほう、地金の方ですね。こちらの方を生産しております。まあ、その他のほうですかね。だいたい6つの事業から成っておりまして、亜鉛、鉛、銀の地金生産のほかにはですね、主だって電子部品の材料なりですね、粉末冶金の方の部材の方の生産を行っております。弊所、安中製錬所におきましては、亜鉛地金、あと、亜鉛合金の地金、硫酸、粉末冶金による焼結部品などですね。こちらのほうの生産を行っております。亜鉛はですね、年間14万トン、大体月に1万トンですね。こちらのほうの生産能力を持ちまして国内のほうの約20パーセント強ですね、こちらのほうの亜鉛の生産を行っております。生産した亜鉛の方ですけれども、こちらのほうはですね、約60パーセントがですね、自動車などに使用されております薄板の鋼板メッキ、こちら用に亜鉛が使用されております。

■5分ほどでTCAのわきに到着しました。マイクロバスから下りて、視察です。ブロアの甲高い音が立ち込めています。旧FBWS排気塔やTCAなどと描いてある説明板の前で、健脚コース参加者の皆さんが会社側の説明を受けました。

【製造部長】こちらのほうですね。鉱さい処理のロータリーキルンの排煙の脱硫工程のほうの処理装置となっております。ロータリーキルンの方で発生する排ガスの方をこちらの方に引いております。排ガスにつきましては、ガスクーラーで冷却して、バグフィルター…すいません、ちょっと暑いので日陰の方でお集まりいただければ…。すいません、排ガスのほうですね、ガスクーラーの方で冷却してバグフィルターで除塵した後、粗酸化亜鉛ダストとして回収しております。その回収した排ガス…ダストを回収した排ガスですね、こちらの脱硫工程の方に送られてきます。排ガスの方につきましては亜硫酸ガス、こちらの方が含まれておりますので、これを脱硫するのに、こちらの右手の方にあります亜鉛華のTCA。で、こちらの左手の方に見えます苛性ソーダのTCAで脱硫しまして、あと残りが水TCAと呼ばれている、こちらのほうで水洗浄をしております。そして、地上高37mあるんですが、こちらの方から排気しております。排ガスの方ですね、硫黄酸化物測定に関しましては、こちらにあります水TCAと呼ばれる塔の出口の方に設置して、硫黄酸化物の連続測定、こちらの方を常時行って監視しています。で、あとですね、排ガスの煤塵等の測定につきましては、2か月に1偏、測定しまして、定期的に排ガスの煤塵の管理を行っております。それでは次の行程のほうに参りたいと思います。

■マイクロバスに乗り、坂を下り始めました。車内での会話が聞こえてきます。「いやあ、暑い暑い」「すいませんね。最近年を取って太ってきちゃってどうしようもないやね」

【会社司会】じゃあ、次お願いします。

【当会】鈴木部長、質問いいでしょうか?

【製造部長】なんでしょうか?

【当会】あの排気塔からの2か月に一遍、煤塵の測定をされるとおっしゃっていました。どういう測定をされていますか?何の測定をされていますか?どういう方法?時間がかかるなら後でもいいですよ。

【会社司会】方法?やっている項目は煤塵…。

【当会】だから、煤塵の、ただの量なのかね?

【会社司会】えーと、カドミウム、鉛、亜鉛、あと、硫黄酸化物・・・窒素はやっていないんだな。

【当会】窒素酸化物はやっていない?

【会社司会】それくらいです。はい。

【当会】それは連続的に?

【会社司会】連続的ではなく、2か月に一遍のスポットです。

【当会】サンプリングで?

【会社司会】業者さんにお願いしています。

【当会】だからそのサンプリングでやっているのか。どういう方法なのか?

【会社司会】えーと、あれです。通常の吸引法です。吸引して。

【当会】ガスクロとか何か、使っているの?

【会社司会】分析自体?要は、ろ紙に捕集しているんです。それを業者さんが持ち帰って化学分析をしているということです。

【当会】はい。そのデータは内部だけね?公表しないんだよね。

【会社司会】どこにもお出ししていません。

【当会】企業機密だからね?

【会社司会】はい。

【当会】それでは困るんですよ。まあ、後で質問するけど。

■やがてマイクロバスは中腹のカーブ地点を直進して、ロータリーキルンへの横道に入っていきました。まもなく建物に覆われた狭い道路を進みました。左右の建物の内部が見えないようにしっかりとブルーシートが両側に張られていました。車内で会話が飛び交います。「ここは日陰だ」「全然暑さが違いますね」「今回はブルーシートで完璧に覆っていますね」「もう焙焼炉止めたんだから全部スクラップにしたほうがよろしいんではないでしょうか」「今、屑鉄が高いからね」

■マイクロバスはロータリーキルンの前の空き地に着き、向きを変えるために切り返しを繰り返しました。3回ほど切り返して元来た方向に向きを変えました。そして参加者はバスを下車しました。日陰に参加者は集まったので、会社側が説明板を見やすい場所に移動しました。例年になく、軋み音があたりに響き渡り、騒音レベルが一層大きい感じがします。

【製造部長】さきほど、見て頂いた排煙脱硫工程ですが、そちらの方に送る排ガスを発生させるのがこちらのロータリーキルン(RC)です。左側ですね。このRCのほうに投入する原料につきましては一次鉱さいと言いますが、先に、ここから見えないですけれども、このドライヤーで事前乾燥されます。次に乾燥した一次鉱さいにコークスを混ぜまして、左手に見えるRCのほうにコークスと一緒に入れます。炉の先端の方にバーナーが併設されておりまして、重油燃焼によりまして、約1300度くらいまで加熱させまして、一次鉱さいと言うものを、亜鉛、こちらが揮発します。で、揮発した亜鉛につきましては、空気と接触することによって酸化物となります。ちょっと左手の方にガスクーラーと書いてありますが、そちらのガスクーラーや後ろの方にありますバグフィルター、こちらのほうで捕集されております。その酸化物を粗酸化亜鉛と称しまして亜鉛原料として回収しております。RCの炉前側から鉄分が主体のクリンカーと呼ばれるものが排出します。こちらのクリンカーにつきましては冷却されて、粒度を揃えて、出荷されます。ガスクーラーは排ガスの冷却や熱回収を行って、その熱はバーナーなどの二次空気に再利用されています。以上がRCの説明になります。では次の行程に移ります。よろしくお願いします。

【当会】バグフィルターはどこ?

【製造部長】ここです。

【当会】ああ、ここか。

【参加者】このなかに人がいるのかね。無理だよ。こんな熱くては。さっき警報が鳴っていたよ。

 バグフィルター室の間ドアから中を見ると、バグフィルターは8本見えました。その途端にサイレンの大きな音があたりに響き渡りました。暑さと双方に耐えかねて、参加者はさっそくマイクロバスに避難しました。引き続き車内でも会話が続きます。「炉の中にも人がいるんですか?」「はい?」「あの中にも」「えーとですね、普段はいません」「サイレンみたいなのが鳴っているのでびっくりしました」「熱中症対策をして、温度計を持って点検に入ります」「あれでは温度計見るだけでおかしくなっているんじゃないの」「点検には入りますが、ずっといたら参ってしまいますね」「そうだいね」

【当会】ガスクーラーでガスの温度は何度くらいまで下げるのですか?400度くらい?バグフィルターの耐熱郷土によりますよね?

【製造部長】そうですね、あの手前で大体200度前後までいきます。

【当会】はい。バグフィルターに穴が開いたときは、例の光電管方式で検知しているのですか?

【製造部長】・・・

【当会】それとも全然(検知)していない?

【会社司会】いえ、バグフィルターで漏れてもTCAにガスが行くので。

【当会】いや、そうなるとTCAの負荷が上がるから、全く野放図なのか?じゃあ、(検知を)やっていないわけなんですね?

【会社司会】(バグフィルターの)点検は、もちろん定期的には、やっています。チェックできるようになっています。

【当会】定期点検だけね。光電管とか、そういうセンサーは付いてるの?

【会社司会】光電管のセンサーはないです。

【当会】つまり、目視ね?

【会社司会】そうです

【当会】じゃあ、(バグフィルターが破れた場合、漏れた重金属を含んだ粉塵は、次の脱硫工程に運ばれるので)負荷がかかる場合があるわけだ。と言うことは、(主)排ガス塔での重金属の排出の程度、傾向というのは、非常に重要なデータですね。それを公表しないというのは非常に問題ですね。まあ後で質疑応答でお願いします。

【会社司会】・・・

■参加者を乗せたマイクロバスは再び坂道に出て、左手に曲がり坂を下りていきます。右側にスラグを運搬するコンベアを支える支柱の列が見えます。やがて新電解工場のわきを通り、スラグ置き場に入りました。中でぐるっと回りました。そして中央で止まりました。外に降りずに車中から窓越しに見ながらの説明です。

【参加者】わーすごいな。すぐ(水が)染み込むんだね。

【製造部長】ここがですね、K砕の出荷場となっております。先ほどのRCから発生したクリンカーですね。ベルトコンベアでこちらのK砕出荷場のほうに送られてきます。こちらのほうの面積、大体約1万6000㎡となっております。こちらのほうですね、大気汚染防止法に沿いました粉塵発生施設の届出を出してから、建設をしております。施工内容ですが、こちらは地面のほうに厚いコンクリート製の土間を敷きまして、周囲に、周りの方は高さ4mくらいのコンクリの壁。それに高さ2mの、北側ですけど、フェンスですね。こちらを設置しまして、粉塵や音が外部に漏れないように工夫をしております。また、土間の方、常時散水しまして、濡れた状態にすることによりまして、粉塵の発生性を抑えるようになっています。そういった配慮をしております。はい、こちらは以上になります。

 次は調合亜鉛のほうに向かいました。車内で質問が出ました。

【当会】これ今、「出荷されている」とおっしゃいましたが、出荷されているんですか?今も?

【会社司会】はい、ここから出しております。

【当会】有価物として?

【会社司会】今は有価物として出ているものはありません。基本は全部サンパイです。

【当会】基本はそうだけど、そこの磁選機でより分けていたではないですか?

【会社司会】はい。

【当会】あれも(サンパイ)?要するに鉄分を多く含んでいるわけで。

【会社司会】まあ、受け入れ先で、鉄が高い、低いの、ご要望がありますので、それに従って磁選機で分けている。

【当会】それに応じてね?

【会社司会】はい。

【当会】それから粒度がずいぶん細かく一律になっていますけれども。いつからそういうふうにされました?

【会社司会】それはもう最初から、というか、前から、以前からです。

【当会】でも不適切に使用されたときには、かなりの粒度の差異があったようですが?

【会社司会】いやいや同じです。工程は一緒なので変わっていないです。

【当会】ははーん。

 どうも会社側の説明に違和感があります。クリンカーの頭文字をとって「K砕」などとわざわざ有価物っぽく名付けられた非鉄スラグは鉱さい、つまり産業廃棄物として全量処理されているとしながら、東邦亜鉛は、引き続き磁選機を使って、細かく破砕された鉱さいの粒から、鉄分を多く含むものを選別して、しかも、鉄分の多少に分けて、分別しているのです。おそらく、排出される非鉄スラグのうち、かなりの量を引き続き、どこかに出荷している疑惑を感じさせます。

■バスは最新の電解工場を左手に見て調合合金の工程に向かいました。ここにある環境空気のバグフィルターのセンサーを見ると相変わらず光電管方式のままです。バスから降りて調合合金エリアに集まりました。ここはとりわけ騒音が酷い場所です。

【製造部長】はい、こちらのほうが亜鉛のインゴットを製造過程になります。こちら亜鉛メッキの原料になります。こちらの方の金型トレイは約200種類くらいございまして多種多様な製品を作っています。6割くらいが、調合亜鉛です。調合亜鉛の方は高炉メーカーの方に納入しまして、自動車ボディ用などの、薄板鋼板メッキ、こちらに使用されております。調合亜鉛には、他の金属を添加しない純亜鉛やアルミなどの金属を添加する亜鉛合金がありまして、カソード亜鉛、こちらのほうを高周波誘導溶解炉で、500度で溶解して、アルミ等の地金は重油バーナー溶解炉で溶解します。調合炉、それぞれ必要な亜鉛、アルミ、その他金属を流しまして合金として生産しております。こちらの方は3基調合炉を備えておりまして、生産量は1日240トンですね。調合炉の方は、自動傾倒しましてユーザー各社指定の金型、これに流し込んで冷却、凝固させた後、金型から取り出して製品となっております。では次に参ります。

 参加者はぞろぞろと、隣りのコーナーに移動しました。

【製造部長】こちらのほうが、電気亜鉛を鋳造している工場になっております。電気亜鉛の方につきましては、メッキ、あと、精密鋳造に使用されている純亜鉛の製造になっています、調合亜鉛同様に、カソード亜鉛を低周波誘導溶解炉で、500度で溶解します。で、今、手前にあります1枚20キロのインゴット・ケースが整列する連続鋳造機のほうに、それぞれ流し込んで凝固させて金型から抜きます。金型から抜いたスラブにつきましては、ロボットとで積み上げて結束されて製品として出荷されます。スラブは1枚20キロ。約50枚積まれて一山1トン。そして出荷されております。はい、こちらが電気亜鉛です。では、バスの方にお願いします。

 とにかくここも騒音が酷いエリアです。感想としては、例年より、製品の量が明らかに少ないことを感じました。やはり生産量が少ないことをうかがわせます。

■参加者一同は、バスに乗りました。車内では会話が続きます。「昔のように火が見えなくってよくなったよね。昔は赤いのが見えて、従業員の服がみんな焦げているんだよね。いやだなあと思って、みんな孔があいているの。すごいんだよね」「今は、だいぶこう、なんというのでしょう、手作業ではなく機械の時代に変わっているからね」「赤いドロドロしたものをしゃもじみたいなもので汲みだしている感じで、怖かった」「ちょっと見るとね。今帰りという(作業員の)服を見ると、みんな孔があいていて、その孔がすごいんだよね。ひとつやふたつではないんだもの」「今は、そういう(火に)近づくことさえ、機会が減っているので。安全にはなっています」「近所の人がすごいやけどをしていたいね。もう亡くなっちゃったけど、やけどが原因ではないけどね。でも足とかすごく治るのに時間がかかっていたのを覚えている」

■マイクロバスは、構内を進むとまもなく、排水処理施設に着きました。参加者はバスから降りると、階段を上って行きました。ちょうど構内放送があり「換気の時間になりました。窓を開けて換気をお願いします」というアナウンスが放送されました。そのあと10時を告げるサイレンが鳴りました。階段を上り、展望デッキに集まった参加者に対して説明が始まりました。

【製造部長】はい、えー、こちらの方は排水処理工程となっております。製錬工程の雑排水ですね、集水池に溜めておりまして、製錬工程内のさまざまな溶液につきましては、繰り返し利用しているために、工程外には出ません。ただそれ以外の雑排水、例えば床を洗った水、あと、道路を洗った水、生活排水などですね。そういったものを雑排水が、集水池のほうに集められております。集水された排水はポンプで揚水されまして、流量調整されまして、中和槽のほうに送られていきます。中和槽では、苛性ソーダの方でpHをアルカリ性にすることによりまして、排水中の金属イオン、これが水酸化物として沈殿していきます。次にシックナーの方に送りまして、こちらの方で固液分離させます。中和液に凝集剤を添加し、沈殿を促進させながら、上澄み液と濃縮スラッジの方に分離させまして、濃縮スラッジを移動フィルターろ過器の方でろ過して、ろ液の方は沈殿池に戻す。ろ過滓の方は亜鉛電解尾液(びえき)で再溶解しまして亜鉛精錬の工程の方の原料に戻します。シックナーの上澄み液は微細な固形物を砂ろ過機でろ過しまして、ろ液の方はpH調整をしましてpH調整槽から希硫酸の方で、約pH8前後にしてこちらの方に逆中和したのち、延長放水路で(高崎市八幡町の)鐘ケ崎まで導水されまして碓氷川、こちらのほうに放流されております。逆中和処理工程の方で、PH常時監視しておりまして、pHの異常がある場合は安全ダンパーがついておりますので、こちらの方が作動して、第2集水池、こちらの方ですね、右手の方ですね、ああ、左手の方になりますね。こちらの方に回収されます。

【参加者】あの細長いところの池だ。

【製造部長】はい、そうですね。あと、通常の亜鉛鋳造工程とかで使用されています間接冷却水、こちら、工程と接触するところはないんですが、そうした冷却水につきましてはそういう量もチェックしたのち、旧放流水路から柳瀬川の方に放流されております。はい、浄水工程の方は以上となります。はい、それではまたバスの方へよろしくお願いします。

【当会】(相変わらず、目の前のタワー構造物に硫酸石灰の看板があるのを目にして)今、硫酸石膏はもうやっていないんでしょう?

【会社司会】硫酸石膏はやっていないです。

 製造部長の「はい、ではこちらへどうぞ」の誘導の合図で、参加者はぞろぞろと階段をおり、バスに乗り込みました。とにかくものすごい暑さです。昨年までは、このあと硫酸工場の視察となっていましたが、今年から稼働していないため、パスして、工場の正門を通過し、柳瀬川に架かる橋を渡りました。車の中で会話が交わされます。「川の水がだいぶ減っているね」「ほとんど川床が見えている。どうなるのかな」「これだけ降らないとね」「来週は台風だというからね、一気に降るかもね」「だけどなんか変な天気だからね」

 マイクロバスは、橋を渡ると、旧売店の建物のわきを左手に入り、従業員用駐車場のほうに向かいました。隣のパチンコ店との間の空き地にバスが着きました。目前にブルーシートがかけられた山が二つあります。

【会社司会】こちらが客土の仮置き場になります。昨年もこの場所を見ていただいております。客土については昨年度3400㎥ほど受け入れたというふうに報告がございます。向かって左手に見えますのが、客土の残りと言いますか、令和3年度分はもう既に使っていますので、その令和3年度に使った残りが左手に見えます。令和4年度分については、これでは足りないようなので、また再度受け入れがあるというふうに聞いています。で、右側に見える、ちょっとシートが新しめの方ですが、こちらが先月、今7月になりましたので、6月に受け入れをしました覆土材というふうに聞いています。すいません、実際はシートがかかってしまって中味は見えないのですが、黒土だったというふうに見てました。受け入れるとしては1800㎥ほどと聞いています。まあ、今、やっています排土処理場の排土の上に覆土する材料というふうに聞いています。はい、ここの説明は以上となります。これで事務所に戻りたいと思います。

■時刻は10時10分になりました。ちょうど視察に出かけて55分が経過したことになります。マイクロバスは事務所の玄関前に戻り、ヘルメットを返却。事務棟の2階の会議室に入りました。猛烈な暑さの中での視察会で年配の参加者にとってはかなりバテバテの様子です。汗が引いたところで、時間が押していることから、8分間ほど休憩の後、後半の意見交換会が始まりました。

【会社司会】はい、えー、大変暑い中でのご視察、大変ご苦労さまでした。先ほどもお声がけさせていただきましたけれども、ご気分悪い方、大丈夫でしょうか。遠慮なく申し出をしていただければというふうに思います。よろしくお願します。暑い中で誠に恐縮ですが、引きつづきマスクの着用のほうはお願いをいたします。すいません、スケジュール表ですと、10分間の休憩ということで予定がされておりましたが、時間短縮ということもございますので、このまま続けさせていただきたい、というふうに思います。ご協力のほう、よろしくお願いいたします。では意見情報交換会というふうに移らしていただきます。意見情報交換会の会社側の司会を引き続きさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。それでは、令和3年度の経過と令和4年度の設備改善計画につきまして、所長の森田よりご報告をさせていただきます。

【所長】非常に暑い中、大変ご苦労さまでございました。先ほど司会の方から話がありましたように令和3年度と4年度の製錬所の主な工事、また課題メンテでの改善計画について、ご報告させていただきます。まあ、今日、ご挨拶冒頭に、昨年度は焙焼炉、並びに第2電解を停止して、ということで、新たな工場形態を進行しておる最中でございますが、令和3年度につきましての大きな工事としましての中身は、今日をご案内でご見学頂いたと思いますが、あのキルン工程のドライヤーの、まあ、大きな筒を回す足元のですね、タイヤというところですが、そのタイヤの更新、受ローラーの交換工事を行いました。あとは亜鉛の製錬をします湿式製錬の造液の、まあ、安中の焙焼炉が止まりまして、小名浜から送られてきます亜鉛の焼き鉱ですね、焼鉱と言いますが、それを溶解いたします、ナンバー5という溶解後の固液分離をするシックナーという設備をステンレス化、SUS化にしまして、更新をしております。あと、3番目としましては、排水処理工程の第2集水池。一番のメインの集水池でありますが、そこの補修工事、補強工事を昨年実施して、昨年ご報告した計画を全て実行し、完了しております。22年度、今年、今、夏季定修(夏季の定期修理)で工事を止めるところでですね、来週から定修に入るんですが、その中で主な工事が始まるわけでございまして、1番目が同じくキルンの、今度は、本体の筒のシェルの足回り、第2支点の受ローラーの製作、また、第3支点の受ローラーの更新ということで、整備をしております。同じく造液工程の、遠心分離機を、増設をしていくということでございます。それと昨年来から引き続いて排水処理工程の、今度は第3集水池、これの補強更新工事を順に実施しております。昨年来、コンパクトな亜鉛製錬所というのを、スローガンに改良を続けております。朝のご挨拶でも述べましたように、まあ、焙焼炉や電解の停止をして、小名浜と共有しているところがありますので、そういうところを統合していく。で、現状は順調な操業でですね、安全な操業が昨年からずっと継続されまして、公害防止施設をはじめ、各設備は計画的に更新して、日々、公害防止に努めてまいりたいというふうに、進めております。これからも地元の皆様のご理解のほどをよろしくお願い申し上げたいと、いうことでおります。それでは引き続きまして懸案事項はじめ、公特事業につきましては、環境の中島の方から報告させていただきます。以上ご報告をお伝えさせていただきます。以上でございます。

【会社司会】そうしましたら、環境担当の中島、私の方から、環境関係の懸案事項に関しまして、令和3年度の主な経過につきましてご報告を申し上げます。最初に公特事業の推進につきましてご報告を申し上げます。岩井畑地区の事業面積、公特事業の事業面積ですけども、令和3年度の計画によれば、1.35haというふうに聞いていたのですが、これが0.96haに変更になったというふうに聞いております。これは昨年10月に行政との打合せがあったのですけれども、その席で群馬県の技術支援課さんより、そんな報告がありました。今年ですね、1月、昨年度1月という表現ですね。高崎市信用金庫様のグランド周辺の排客土工事が、実施をされております。こちら、農免道路の東側ですかね、から見える場所であの辺を通る方については皆さんお目にしているかと思います。令和3年度の工事で、0.46ha。この排客土工事が完了したというふうにきいています。令和4年度につきましては、残りの0.49ha、この排客土工事を予定というふうにきいています。あの、細かい数字があるので、ちょっと合計すると、先ほど言った0.96にならないのですが、実際には0.955haということになり、この辺はちょっと、数字は計算してもピッタリはいかないということになります。先ほどご覧いただきました客土の仮置き場ですけれども、まあ、先ほども説明したんですけれども、排土処理上の排土、これを被覆するための覆土材。これを準備、ということで、報告を受けています。実際は、ご覧いただいたようにあそこにものがあるという状況でございます。岩井畑地区の事業につきましては、令和4年度、こちらで完了という計画だというふうにうかがっています。野殿地区ですけれども、こちらの公特事業の関係では、今年の2月に境界立会いが行われました。弊社の一部該当する土地があるということで参加をさせていただきました。この場所につきましては、弊社の南側フェンス、まあ、野殿側のフェンスですね。こちらから社宅があった場所、そのまた南西側ということですかね、そちら側で、ございました。まあ簡単ですが、以上が公特事業に関する情報交換などの概要でございます。今後も、県と市、それぞれ情報交換の機会をつくっていきたいというふうに考えております。公特事業につきましては皆さんの方が情報をお持ちかというふうに思いますので、情報があればお聞きしたい、というふうに思います。続きまして、令和3年度産米のカドミウム濃度の調査結果について、ご報告をいたします。安中市で行った検査結果については、特に問題ない、ということでございます。また、高崎市の検査結果、こちらも異常なし、であったというふうに報告を受けています。以上、会社が把握している令和3年度からの情報などについてご報告をいたしました。詳細部分につきましては、ご質問にお答えする形でご理解を賜りたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。そうしましたら、以降の進行につきましては高坂先生の方にお願いをしたいというふうに思います。高坂先生、よろしくお願いいたします。

【高坂司会】皆さん、どうもご苦労様でした。それではこれから詳しい状況、あるいはご意見のある方はそれを伺っていくということで進めていきたいと思います。皆さんの方で、ご質問なりご意見のある方は、いらっしゃいますでしょうか?はいどうぞ。

【当会】はい、すいません。最初からとは思っていなかったのですが、時間がやっぱり重要なのでですね。会員の小川賢、野殿980在住です。以前より東邦亜鉛さんには事あるごとに色々な面で情報共有をお願いしているところですけれども、今回、工場視察をさせていただきました。先ほど主排気塔、ここでの煤塵の測定をされていると、2か月に一遍ね。業者に委託しているということで、そこで重金属類、それからNOx、SOx、あ、NOxはやっていないのか…そういうものを測っているということなんですけれども、実はお手元に、降下煤塵のデータを例年のようにお配りしております。本社の皆さん、すいません、必要であれば、あとでこちらに請求してください。で、やはり我々としては、これは群馬県が毎月測っている、このデータが工場での操業内容も含めて、外部に対して大気中、まあ今お話のあった公特事業も、工場から主煙突、その他施設から排出される煤塵、埃ですね。この中に重金属が含まれていて、それが長年にわたって周辺の土地に降り注いでいる。それで田畑、とくに今、畑地ですけども、これが非常に汚染されているということで、土地改良事業として、いま進んでいるところでございます。まあ、群馬県の方はこういうふうに公表しています。で、私がいつも、お願いしているのは、会社さんのほうでも、測っているんだから、これをやはり示していただいて、どういうところで、そういった、まだ、重金属が漏れて、こぼれて、空気中に排出されているのか、というところをきちんと追及した上で、効果的な設備投資も含めて、効果的な対策をとるべきであると、こう思います。引き続き東邦亜鉛さんの方には自主的に周囲のダストジャー、ダストポッドで測定している自主検査の結果につきましても、公表していただきたい。で、群馬県の測っているところと比べて、精度を上げて、どこから出ているのか、主排気塔の降下ばいじんを測定されているということですので、より詳しい対策の種が…ネタが見つかると思います。まずそれをお願いするとともに、まあ、質問がいくつかあるのですが、これを全部お答えいただくとまた、時間がすぐ終わってしまうので、とりあえず私としてこれまで東邦亜鉛さんに対していろいろお願いやら質問やらしていることを、7項目にまとめてみました。すいません、鈴木さん、これ。(会社側にメモの配布を依頼する)ちょっとはしょって申し上げますけれどもね、まず1番目は、非鉄スラグの使用場所の現状と見通し。前回も前々回も、非鉄スラグにつきましては、先だっても群馬県のHPに出ました。6月の9日ですかね。群馬県が、6月8日か。依然として新たな場所に不適切な使用をされたスラグ製品の使用箇所について、皆さんの方から報告を受けて、で、今この対策をされているというところで、これ、HPに載っています。6月8日付の。で、この非鉄スラグの使用場所、安中市にもあるのかどうか、というところで、質問も、参加者から出ておりますけれども、一向に、皆さんの方は「行政に伝えているから行政に聞け」ということなので、今、行政に聞いているんですけども、行政も、東邦亜鉛さんの立場を非常に慮っている。それなので、全然開示しようとしないので、前回も、昨年も申し上げましたけれども、私の名前で審査請求をしております。もう1年半以上経ちました。まだ、出ないということは相当揉めていると思いますけれども、審査会の方できちんと審査されて、少なくとも安中市に埋まっているのかということは、そう遠くないうちに、なんとか情報として入手したいと思うのですが、それよりも前に、社会的責任を果たしている、一流企業である東邦亜鉛さんのほうから、自主的に、その辺の情報を開示していただければこんな手間をかける必要はございません。ということで、(非鉄スラグの)使用場所につきましては、引き続き公表をお願いしたいということと、もう1点。安中市のHPに「非鉄スラグ製品に関する情報について」と、いうことがもう2年くらい前、あの非鉄スラグの不適切な使用について新聞沙汰になって以来、安中市を含め、群馬県、高崎市、前橋市、行政のHPにこう書いてあります。「安中製錬所から出荷した非鉄スラグ、これと思しきものが使用されているという情報が有ったら、本社の総務本部総務部に連絡してくれ」と。私、連絡しました。40か所くらい。だけど、その結果は、教えてくれないんです。ということで、今日、市議会議員さん、複数名いらっしゃってますね。お願いがあります。安中市に対して、広報担当に対して、これを報告しても、その結果については、教えてもらえませんということを付け加えてもらいたいです。で、東邦亜鉛さんの総務部のほうにもね。このへんは、情報提供をお願いしますと。しかし、その結果については、一切、情報提供、つまりそれに対しての回答はできませんと、こういうふうに明記してもらわないと、一生懸命調査して心配で出しても、その結果が、リターンがないんですよ。これは強く申し入れておきます。それ、今、2番目ですね。非鉄スラグ製品に関する情報提供に対する対応。で、3番目、非鉄スラグの現在の処理状況。さきほど工場視察の際に、私、鈴木製造部長さんにも、お聞きしたんですけども、これを出荷していると。非鉄スラグ製品。その結果、出荷しているんだから、きちんと有価物で出しているんだということで、念のため、お聞きしたら、中島(環境管理室長)さんの方から、「いや、いわゆる商品としての出荷ではなく、管理型廃棄物処分場というのか、そちらのほうで、きちんと適切に処理しています」と。一部、磁石で、磁選機で選別したところは、どこかに有価物として出しているようですけれども、それは全体の1割かそこらへんだと思います。しかし、これはやはりきちんと、処理状況については広く開示してもらいたい。この非鉄スラグの不適切な使用を長年やってきた東邦亜鉛さんの企業体質としてね、それを払しょくするためにもぜひお願いしたい、ということです。それから4番目、生産体制の合理化と経過と結果。昨年、昨年度、一年の経過において、それまで、さきほど、鈴木製造部長さんもおっしゃっていましたけれども、亜鉛の、製錬亜鉛の出荷額、あ、出荷量、年間12万トンだと。まあ、これまで11万5000トンとか、12万5000トンだとか。経済産業省への届け出だと13万トンくらいの製造能力の施設の許可を得ているようですけど、今のところは、現在、月1万トン、年間12万トン。それから出るスラグは多分5万5000トンくらいだと思いますけど、その生産量を、コンパクトな工場に転換するというお話が、先ほど所長さんの方からも話がございました。で、コンパクトにするというのは、おそらく、ニュースリリース、東邦亜鉛さんのHPで、去年出された、初期に出されておられた記者発表によって、8万5000トン体制に移行するということですよね。私、先だってお伺いして、先ほどお配りした降下ばいじんの月別の降下量。それと、月別の東邦亜鉛さんの、製品量、あるいは製品の量に比例して、鉱石の入荷量、それから当然非鉄スラグの排出量、これは連動するわけですけれども、この相関性を確認したくて、いろいろ「月別の出荷量、亜鉛の製品出荷量について、データをお示しください」と言ったんですけども「できません」と。「年間もしくは四半期くらいならともかく、そんな細かいのは見せられない」と、こういう話なんですね。ここ是非ね、考え直してくださいね。お願いします。ということで、これに関して、皆さんのお手元にある、降下煤塵のグラフをご覧いただきますとね、平成4年5月連休中に最後に測ったやつが一番、見開きの右端にございますけれども、これ見ていただくとわかるんですけれども、これなんとなく、亜鉛の量とかなんとか、これなんとなくですよ、平成4年の3月まではあまり変わらないのですけれども、4月・5月は確かに少しなんか減っているような感じがします。感じ、ですけどね。ということは、おそらく東邦亜鉛さんは、今の話でもそうですけれども、第二電解工場の操業を止めたということですが、昨年度は目一杯操業していたのではないかと、こういうふうに思います。それは非鉄相場が、今、そんな悪くないと、資源高ですからね。電気代も高いというのも、痛し痒しだと思いますが、先ほど所長のお話にもありましたけれども。いずれにしても言いたいのは、きちんとこれはね、示してほしいんです。月別の操業量とかスラグの排出量とか、これ強くまたお願いします。今のは、5番目の降下煤塵との関係も含めてお願いします。それから6番目、公害防止対策に関する現状と見通し。先ほど公害防止対応施設については、十分、その、定期検修だとか、設備投資をして、年間1億円かけてとか、いろいろおっしゃっています。ロータリーキルンの今年はそのベアリングのローラーとか、交換するとかいう話ですね。炉体も含めてですか。いずれにしても、それはいいんですけれども、降下煤塵のもとになる煤塵、金属を含んだ煤塵が煙突やら、あちこちのところ、特にバグフィルター。さきほど、ロータリーキルンのところの併設されている大型の8基あるバグフィルター、これ孔が開いたらどうするんですか、と言ったら「定期的に目視検査しているだけ」と、こういう話なんですね。で、そのご説明のなかで、穴があいたまま気が付かずに、そこで排ガスを処理しても、その最後の、一番先に見せてもらったTCA。排ガスの処理のところで、全部請け負うから、心配要らないんだと。でも、これは違います。もとの汚れたガスが、そうでない場合と同じように入った場合、負荷が全然違うわけですよ。だから同じパーセンテージを除去されても分母が多ければ外に出てしまいますなので、ここはきちんと、バグフィルターが孔が空きそうなうちに、その検出できるような、機械、センサー、これはありますよ。そんなに高くなくて。至急導入してください。耐熱性についてはともかく(検討して)ね。だけど、あそこの亜鉛のインゴット、あそこで、昔から、光電方式で、センサーでやっていますけれども、あれも変わっていないようですから、もっと、新しい、事前に、チリが少しでも出ても感知できるような、そういうセンサーに替えてください。ぜひお願いします。それから、7番、最後。公害防止対策に対する社内基準。群馬県はこういうのを測っていますけれども、降下ばいじん量。これについて、なんのコメントもしていないんですよ。だから私言ったの。環境白書で、これ、なんのコメント、つまり、「特段大きく変動がないから」、つまり、「増えていないから、横ばいだから」と。横ばいだから大丈夫ということはないですよね。で、東邦亜鉛さんにお願いしたいのは、降下煤塵ね。連続的にと言うか、2か月に1篇測っているんだから、多かったら、なんで出たんだろうというところをきちんと、認識して検討して、で、その対策をきちんとやる。で、それには住民のほうにも、きちんと説明してくださいよね。そうしないといつまでたっても横ばいですよ。群馬県は何のコメントもしません。だから「環境白書に何かコメントしてくれ」と私はお願いしているんですけども、どうなることやら分かりません。すいません15分にわたってお願いします。これ、以上が私の見解です。細かいお答えは、今でももちろん大歓迎ですけれども、あと、時間のかかるようなところは後でまた、私が、お伺いしてインタビューします。すいません、長くなっちゃって。

【高坂司会】えーと、小川さんからのほうからかなり広範囲にわたって、質問なり意見表明がありましたけれども、会社のほうで、逆にご質問の内容について、もしあればということで、この場で釈明なり、ご質問があれば、お受けして、で、お答えできるものはお答えいただき、お答え…すぐにはお答えできないということであれば、どう対応するかということをちょっとご説明お願いします。

【会社司会】小川さん、ありがとうございました。あのう、小川さんにつきましては実はあのう、今年の4月にも来所されて、我々とディスカッション、打合せをしております。最後に小川さんからも申し出があったように、またいらしていただいて、お時間をとらせてもうしわけないんですが、そこで又打ち合わせなり、回答なりを、させていただければというふうに思います。この場でやっていくと、まあちょっともう、だいぶ時間も押していますので、時間を取ってしまいますので、まあ、あらためてと、いうことで、やらさせていただければと思います。

【高坂司会】小川さんのほう、なんかご意見ありますか?

【当会】あのう、確かに会ってくれるんですけれどもね、実のある、実のある、要するに、実のある前向きな、打合せだといいんですけれども、ぜひ、そういうことになるように、これまでのような、ただ会って、何も答えられないんだ、守秘義務だ、会社の企業機密だ、などと言わないで、もっと胸襟を開いてお願いしますよ。そのやり取りはまたSNS等で発信させていただきます。以上。

【高坂司会】今の小川さんの質問に関連したご質問などあればお受けしたいと思いますが。

【会社側参加者】・・・・・・・

【高坂司会】よろしいですか?じゃあ、会社のほうで、なるべく充実した協議ができるようにご尽力いただきたい、ということでよろしいでしょうか?

【会社司会】はい、ああどうも…まあ、あのう会社として、お答えできる範囲は精一杯頑張りたいと思いますので。しっかり準備して、小川さんと打ち合わせということで回答させていただきたいと思います。

【高坂司会】はいどうぞ。

【参加者】あのう、ちょっと…。(マイクが届けられる)公特事業で交換になった土地の中に石。うちの女房がちょっとふるっただけで軽トラ3台分ぐらい出たのをどこに捨てたらいいのか、この前、お願いしていたんですけども。

【会社司会】・・・・・・・。

【高坂司会】わかりますか?石の状況。

【会社司会】はい、この間の協議会のとき、後…でしたかね。中島さんの方からその話をいただいて。その件に関しましては、先日ですね、行政と公特事業の打ち合わせの際に、お願いというか、まあ、回答を求めました。あのう、協議会の時にそういう話が地権者のかたからありまして、という話で、お願いはしてあります。回答としてはですね、あのうまあ、県として…まあ、検討中という表現になっていましたので、後日皆さんの方にご回答があるというふうに思います。行政の方にはしっかり伝えてありますので、それなりの回答が多分出るはずです。はい、すいません。私の方から何とも言えないので。その、回答については何とも言えないんで、行政の方からの回答をお待ちいただければというふうに思います。

【高坂司会】他に、どなたかいらっしゃいますでしょうか?

【場内参加者】・・・・

【高坂司会】もし、ないようでしたら、私の方から、司会の立場で大変恐縮なんですけど。この後の方の資料に付いている写真がありますが、土捨て場というか廃土処理場ですね。あのう、直接的には、県の事業なので、そちらが責任を負うわけではないのでしょうが、ここの排土を溜めたところからの水がですね、まあ、河川に放水、まあ、放水というか、水が出ていくと。それがでデータ的にどうなのかということで、不安があるということで、まあ皆様のほうからもご意見が出て、私のほうからもご質問させていただいて、現実的に、やはり問題があるのではないかと思うんですね。あのう、環境基準のカドミウムの規制基準が、排水に適しているか、厳しくなって、その新しい基準からするとやっぱりあそこの土地が、かなり問題があるというふうな気がするんです。ですから、データ的なものも含めて、地元の住民からまあ、土捨て場の水の処理について、不安があるということを、こちらも伝えますけど、県の方にお伝えしていただきたいんです。なんらかのやっぱり対策が必要ではないかと思うんです。

【会社司会】はい、ありがとうございます。まあ、行政とは随時というか、逐次打ち合わせをやっていますので、この会でそういうお話をいただいたということは、しっかり伝えていきたいと思います。

【高坂司会】お願します。他に何かご質問、ございますでしょうか?

【場内参加者】・・・・・・

【高坂司会】ないようでしたら、締めくくりたいと思いますので。はい、どうもありがとうございます。

【会社司会】高坂先生、大変ありがとうございました。そうしましたら、視察会終了にあたり、代表の挨拶を頂戴したいと思います。まずですね、安中緑の大地を守る会副会長、大塚様、よろしくお願いいたします。

【副会長】本日はお忙しい中、また、暑い、極暑の中、この視察会が開催されましたこと、本当にありがとうございます。また、皆様のご協力によりまして、これまた一層、これからも土地改良問題、また、皆様のご意見、そして、包み隠さず、いい関係を持って行って解決に努めていけたらと思います。大変今日はありがとうございます。

【会社司会】ありがとうございました。それでは私ども会社の方からは、総務本部長の大久保常務執行役員よりご挨拶を申し上げます。

【総務本部長】本日は、工場視察会を終えるにあたり、僭越ながら一言ご挨拶させていただきます。本日は依然として新型コロナウイルスが収まらず、また増加傾向に転じている中、昨年、一昨年、例年4月に開催しておりますこの工場視察会を引き続きお願いしたわけでございますけれども、皆様におかれましては、手指の消毒やマスク着用等、記録的な極暑の中で数々のご不便をおかけしました。ご迷惑をおかけしました。皆様のご協力により今回も無事に終了できましたことにつきまして、厚く御礼いたします、申し上げます。また、平素は弊社安中製錬所ならびに、その従業員と家族が大変お世話になっておりまして重ねて御礼申し上げます。さてあのう、既に、今回でもご案内しているとおり、ここ安中製錬所におきましては昨年度中をもって、焙焼炉と第二電解、こちらの稼働を止めております。足元の亜鉛市場を取り巻く環境は、経営悪化、燃料高にともなう、電気代の高騰や亜鉛相場の下落など、厳しい状況にございます。国内の安中製錬…亜鉛製錬所として生き残っていくため、今後とも従業員が一丸となって安全・安定操業のもと、コスト削減に努めていかねばなりません。また、去る5月に公表しておりますが、当社のカーボンニュートラル体制の目標といたしまして、2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度比に38パーセント削減、2050年度まで全体としてゼロにすることを掲げております。こうした対応など、この際に、亜鉛事業を継続していくうえで避けては通れない問題が山積しております。弊社発祥の地でございます、ここ安中製錬所の灯を守っていくために、全員でしっかり協力し知恵を絞り、歯を食いしばって前進してまいりますので、今後とも、本日お集まりの皆様をはじめとする地元の方がたのご支援ご協力を切にお願い申し上げる次第でございます。さて、公特事業に関しましては、岩井畑地区におきましては、当初の事業計画を前倒しして、来年3月までに完了することを目標に現在進んでいると聞き及んでおります。事業が工期内に完了いたしますよう、弊社としましても、可能な限りサポートに努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。最後に大変恐縮でございますが、ここにご列席の皆様と、ご家族の皆様のご健勝を心より祈念いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

【会社司会】それでは以上をもちまして、第31回工場視察会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

(10時58分終了)

【市民オンブズマン群馬事務局・北野殿公害対策委員会事務局からの報告】

 

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