かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

時効

2007-06-01 | 事例
時効の援用。
そんな事が実際に出来るかしら。
「はい。今日から時効となりました。私は時効の援用を受けますから、お支払いは 出来ません。」
なんてそんなに調子よく行くのかしら。

77才になる彼は毎月3万円づつ振り込んで居ります。
息子が事業をやると云って隣町の信販会社から借りた時の保証です。
息子の事業は直ぐに失敗して、それ以来息子は家に戻ってきません。
隣町でタクシーの運転手をやって居るとか聞きました。

信販会社の請求はきつく、振り込んで居るにもかかわらず、決まった人が絶えず顔を出します。
彼に言うと怒るから、彼の奥さんに担保の自宅と隣接した畑を手放すように薦めて居ます。自分の知っている人に買わせるから悪いようにはしないというのが口癖です。

地元の人間で、どうやら公園に隣接した彼の不動産を狙っているらしいです。
彼は祖先からの不動産は絶対に守りたいのです。
しかし蓄えは1円もありません。
信販の言う通り3万を振り込んでいますが、信販の営業員は絶えず手放すことを薦めて、任売をしない場合は競売を示唆して居るのが面白くありません。

そんな彼が時効と云うことを耳にしたのです。
保証人が払っていても債務者が払って居ない場合は時効になるというのです。
農協の講演会ですが、其れを聞いた後調べて「どうやら俺のところは時効になって居るらしい。」と気付いたのです。

東北弁の彼が相談に見えたのは其のときです。
弁護士が居るではないかと云うと、会社の整理の時に其の報酬を払ってないから、行き難いとのことです。
先生お礼は此れでと地元名産のそばを持って来ました。

念のために経緯を聞き、裏付けも見せて頂ました。
時効です。間違いありません。もう6年以上払っています。
1年毎の見直し荷なって居りますが、最初からずうっと同じ条件で、その間、契約書も何もありません。

貴方の言って居る事が正しければ、間違いなく時効ですね。
ただ振込票が全部揃って居ないけれど、全部此処にあるのと同じ様に貴方の名前になって居ますね。其れと息子さんは本当に1円も払ってないし、債務承認をして居りませんね。
この二つは徹底的に調べてください。間違いが無ければ時効です。
文章は作ってあげましょう。内容証明の配達証明で出してください。

時効の援用は失敗しました。
振込票に1枚だけ、債務者の名前が入っておりました。
字は彼の字です。
何故、1枚だけに借りた子供の名前があったのか、彼は覚えが無いといいますが書いてあることには間違いありません。

弁護士に言って、この1枚の記載はおかしい。自分でも記憶が無い。自分の名前を書くべきところを間違った、と云って争えないかと聞きました。既に弁護士には相談したとの事。しかし駄目だといって相手にされない様子です。

信販の担当は烈火のごとく怒りました。
「売れと薦めても、お宅のことまで考えてやってきたのに、そんなずるい事を考えていたのか。」と。
そして直ぐに競売になりました。
入札者は一人。売却可能価格に近い価格でした。
入札者は信販の営業員の知人でした。

其の後の彼の行方は解かりません。

最近5ー6年前に済んだことと思っていると急にサービサーから連絡のある事がよく
あります。
調べてみると時効でな無いだろうかと思うことも又多いです。

そんなときに正しく履歴を言える人は殆ど居りません。
自分の物件を処理したのが何時ごろかも忘れています。
ましてや、会社は何時まで払ったか、自分は何時からどう言う払方をして来たか等、答えられません。
そして、私に答える時は、必ず自分に有利な方を言います。
うっかり信じると時効でないことは勿論、報復処置までとられます。
気持ちはわかりますが、もう少し冷静に判断をお願いしたくなります。

時効。
単純なことですが、失敗も多いです。
今後失敗例をいくつか書きたいと思います。






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