かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

たらい回し

2007-06-27 | 事例
1通の書状を開けたNさんの顔色が曇ります。
中身はサービサーからの通知です。Nさんの債権を又違うサービサーに譲渡したと云う譲渡通知です。

Nさんの銀行借入は不良債権となりました。Nさんの不動産は全て銀行によって処分されました。
何も資産は無くなったと見るや、銀行はサービサーに債権譲渡しました。取立て者の交代です。幾ら所得証明などを見せて、「払いたくても払えない」事を説明してもサービサーは払ってくださいと云のみでNさんの要望は聞きません。挙句の果てが訴状を起し債務名義を取って、無作為に銀行などの差押えです。
殆ど効果は上がらなかったと思います。

その後暫く連絡もありませんでしたが、今回、違うサービサーに譲渡したとの通知です。
又同じような事をやられるか、やっても効果はないのにと思いながらも、煩わしさで少し気が重くなります。

一方、Nさんの本業の方は、会社がおかしくなってからもう3年、新しい得意先も掴んで何とか盛り返せそうと云うところまで復活して居ります。
そんな時、又旧債の件でがたがたしたくありません。

しかし今度のサービサーは事、回収に対しては違っていました。
手口は次の通りです。
今までと同じような書類を又請求します。くどいと思って放っておいたら又以前とは違う銀行の差押えです。此れも空振りです。
此処からが違います。
暫くたって裁判所から財産開示の通知がありました。裁判官の前でこちらの資産をサービサーに開示するのです。相手に差押えの材料を与えるのと同じです。
何か此れが目的で最初の預金差押をしたらしいです。

そこで今までは、債権者には一切内緒にしていた得意先がばれてしまいました。
得意先を把握する、此れが相手の目的だったと思います。
この時ほど、人が言う第2会社荷移行して居なかった事を後悔したことはありません。

結論を急ぎます。Nさんは売掛金まで差押えられたのです。
折角今まで何とか持ちこたえ、何とか再生の灯火が見えてきた会社を整理せざるを
得ませんでした。
得意先に頼み込み、売掛を下請けに直に支払うようにして差押えは事実上無効に
出来たのが、まだ救いでした。

サービサーから更にサービサーに譲渡すると云う事は以前からあったらしいですが
私が直接目にしたのは平成17年のはじめごろからです。
其れが昨年辺りから日常茶飯事のように行われるようになりました。

最初は譲り受けた方も回収は出来ないところと思ってか、殆ど回収らしいこともせずになんとなく終わっていましたが、だんだんと厳しくなり、最近では以前の債権者がやらなかったことをやっては回収しようとして居ます。
致命的な急所を差押えるようになったのです。
一般業者は売掛金、店売り業者の場合レジの中、医者ならば診療報酬などです。
今まで銀行やサービサーはよほどのことがあっても、この企業の致命線だけは手付かずでした。やれば、やられた方は間違いなく倒産です。
しかし、この2回目のサービサーは、こうした差押を平気でする様になって居ます。しかも解からない時は、財産開示をして資産を掴みます。

ひどい例では、債務者が義母から借りた借金を返済したら、義母だけに返済するのは怪しからん、債権者は平等で有るべきだと、83歳の老女に詐害行為の裁判をして、義母から返済してもらったお金をむしり取ったサービサーもあります。
この場合は訴訟を受けて立ちましょうと薦めたのですが、何も知らない老婆は
訴えられたと聞いただけで相手にひれ伏したのです。

返済しない債務者をモラルハザードと財界や法の作成者はののしりますが、私に言わせれば其の人たちの方がよほど血の通っていない冷血漢です。
1滴の血をも吸い取るドラキュラです。

特にひどいサービサーは5-6社です。
法務省はこうした人権無視のサービサーをもこれから温存していくのでしょうか。






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