かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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超安くした自宅の買い戻し②

2007-06-29 | 事例
男は次の様に言いました。
「自宅を買い戻すつもりならば、競売で落とす手もありますが、必ず取れると
いう保証はありません。相手も落ちるまでの時間が長くなるし、価格も安くなるでしょう。ですから必ず、任売を要求してくるでしょう。任売で高く売りたいですが、邪魔になるのは登記地目です。今は全て農地です。農地と宅地では雲泥の差が有りますから、おそらく地目変更してくださいと言ってくるでしょう。其れを交渉に使いましょう。自宅をこちらの希望値で買い戻さしてください。そう出来れば何でも協力しますが、幾ら協力しても、全てが取られるだけですと協力する気も起こりません。と、やんわり、しかし強い意志を見せて交渉しましょう。相手は、地目を変更した方が得と解かりますよ。」
 
次に云いました。
「建物は担保では有りません。登記もされて居ませんから、いわゆる件外物件と
云う物です。しかし、もう住いとして古く、おかしな物件ではないので、
相手は債務名義を取って、正式に差し押さえをしないと、競売は難しいでしょう。しかもこの建物には既に地上権も付いて居りますから、価格も土地代の借地割合分が建物価格に加算されて、其の分の土地がそれだけ安くなります。若し、建物がお父さん以外の持ち物であれば、自宅は事実上競売は出来ません。其れは其れとして、こうした訳ですから土地の価格が安くなることを云いましょう。サービサーも法廷地上権の価格への影響はご存知ですよ。更地の土地の価格が1800万であれば、この場合は売った土地代は1080万ですよ。」

更にもう一つ付け加えました。
「折角地上権を認めても、其れが保証人のものならば直ちに差押えられ、競売に
なります。認めさせなくても同じことです。此処から少し無理が有りますが次の
事を主張願います。この建物は本来義父の妹のものだと言い張ってください。
つまり祖父が他界する寸前に、娘には何もやることは出来なかった。しかし家をやろう。後の処理は兄弟で話し合って上手くやれとということ。二人は妹のものと認識して居ります。
兄弟はそれで登記をしようと思ったが、嫁いだ妹は家も不必要だし、此処に住 んで居る兄にとっては、家は必要。そこで兄が妹から家を買う約束をしました。 お金を全額払うまでは、名義は変更しない、そのままにしておく。其れまでの維 持費は全て兄持ちと云う約束が為されたのです。
だからこの家は妹のものであり、当然地上権も付いていると考えます。
この事は義父の親戚では皆知っていることです。
若し、妹に黙って競売になれば、妹は必ず争うでしょう。」

「以上3つをネタにして交渉しましょう。交渉は義父か社長がしてください。
そして自宅の買い戻しに協力してくれれば、その他の地目変更でも何でも協力し ますが、御社がこちらのお願いが聞けないと云う場合は、では私の方も協力でき ません。と云う態度を取りましょう。

自宅は担保ですから只と云うわけには行きません。
サービサーは40%の借地割合ですから、土地だけで1080万くらいを要求してき ますが、300万しかないがそれでお願いしますと頑張ってください。
土地を地目変更するのとしないのでは、価格にも大きな相違があり、第一変更し ないと買う人も居ないでしょう。建物が妹のものと争っても争う手間や時間など考えると相手はおそらく300万ならば手を打ってきます。

若し載らない場合は競売を覚悟し、此れで進みましょう。
おそらく最初は工場も自宅も駐車場も一括で売るという一括競売で来ます。
売れません。3つを分割にしてもなかなか売れないでしょう。
私の見るところ2年くらいは住無ことが可能です。
その間に何か考えましょう。」

若干揉めましたが結果としては自宅の買戻しに成功して居ります。
工場と駐車場も売れました。勿論地目変更も役立っています。

しかしその他のものは社長は勿論、義父までが全てを失っています。
1日も早く、社長が立ち直る日を期待して居ります。 






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