かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

自分では時効のつもりでも

2007-06-04 | 事例
事業が失敗して債務が残っている人。そんな人たちには本当に時効になる日が待ち遠しいです。

85歳になるAさん事業を整理した後、今はアパートに老妻と二人の年金暮らしです。
7年も前の話。もう全て和解の話が終わって居り、今ではこのサービサーともう1軒保証協会だけです。でも両方とも今は払っては居りません。保証協会から、たまに請求書が届くくらいです。
そんなAさんのところに1通の通知書が届きました。サービサーからです。

「前回、債務承認を頂いてから、もう直ぐ5年になります。
 恐れ入りますが、同封の残高証明書に承認を署名捺印の上、6月の5日までにご返 送下さい。
 若しご返送なき場合は、当社としても法的回収に、即、踏み切らざるを得ませ  ん。宜しくお願い申し上げます。」
回収するつもりはなく、時効の中断だけを狙っている様子です。

こんなサービサーが多くなって居ます。
5年ほど前、こちらは払えない。サービサーもそれ以上回収には来ない。もうこの債権の回収は終わりか。今後ないだろうと思っている債務者。
そんな例が多かったと思います。
其処にこの様な通知書が届きます。明らかに時効の中断です。

サインしたものを送ったところで、おそらく単に時効を5年間伸ばすだけに終わり、実際の回収は行われないでしょう。
何のための時効伸ばしか解かりませんが、送ったところで実害はないだろうと思います。しかし何か思い物がのしかかっている感じはぬぐえません。
Aさんの場合、お年から見て、次回又債務承認出来るか解からないだけに、尚冥土の土産になるかと思うと心も晴れません。

サービサーはこの負債が誰かに相続されるのを待っているのでしょうか。
相続人が全員相続放棄をしてから漸く債権放棄をするのでしょうか。
それにしても、単なる嫌がれせとしか思われない、債務承認の捺印要請です。

Aさんも払えないと解かっていても、時効を待っていました。払えないからこそ待っていたのでしょう。天下はれて白日の身になることを待ちわびて居たのです。
しかし債権者のサービサーも、Aさんみたいな取れない債務者でも時効を注意して居ると云うことは事実です。

つい最近こんな事もありました。
信金破綻で、自分の債務がサービサーに譲渡された人が居りました。Bさんです。
信金破綻から6年以上経った時に、サービサーからこの債務のことで合いたいと連絡がありました。
今頃なんだろうと私に問い合わせがありました。
この話を聞いた時、時効になって居るのではないだろうか。私の第一の疑問でした。
訊けば訊くほど時効です。
払ってないことは事実。サービサーから書類を受け取っているのは譲渡された時に1度有っただけ。後は書類を貰ったことも無いとのことです。
確実なエビデンスが何もない事が少し気になりました。
しかし私はBさんの言うことを信じて、援用の書類を書いて差し上げました。

ところが此れが失敗でした。
エビデンスを調べずに、債務者の言うことを信じたのが悪かったのです。
譲渡された日が違っていました。平成13年7月と平成14年7月の相違です。そして何より致命的であったことは、譲渡された日に信金を通じて債務確認の書類を渡してあったことです。
後、2月あれば時効になっていましたが、少なくとも早すぎました。

「時効になって居ると思うが。」と持ち込んで来た人が居ります。
母が、自分の弟の会社の保証をして居ります。会社は倒産して、弟は個人だけ自己破産をしました。
母は保証人として随分と長く払っております。
この時も調べましたが、確かに時効になって居ます。
「時効の終わる前に内容証明を送ると半年は時効が伸びることになって居ます。
 内容証明は貰ってないでしょうね。」
「内容証明なんて重要な物は来たら忘れるはずが有りません。
受け取っていません。」
そこで時効の援用の文章を教え、送り方まで教えました。 

此れも失敗しました。
内容証明が届いていたのです。
受取の受領印は確かに母のものです。高齢な母が受け取りそのまま内容も見ずにしまいこんだらしいです。

今まで母は僅かづつ払って居りましたが此れを期に払うのをやめようと思っています。相手がどんなに怒ってこようが今に母には払えないのです。

時効の援用を申し出て、失敗した例は結構あります。
こちらの証拠固めが充分でないのです。
実際には条件が整って居ないのに、身贔屓のせいか、時効になって居ないものを時効騒ぎたててるのです。

其れくらいこの人たちは時効を待ちわびております。






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