かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

再生に成功したのか

2007-06-12 | 事例
中小企業が銀行に返済できなくなった時、事業を継続の方法として、一番の早い道は第2会社を作り、其処に業務を移行し、今までの得意先と取引をする事です。

しかし、次の様な場合も又多く有ります。
手形を発行せずに居たために、行き詰っても不渡りは出しません。其れがために仕入先とは上手く話がつきました。けれど銀行返済が出来ないために、銀行借入は不良債権となります。しかし銀行債権は其のうちにサービサーに譲渡されるために、サービサーと上手く和解さえすれば、世間にも解からずに、今の会社を続行することが出来ます。
そこで立ち直れば、文字通りの会社債権が出来ます。

K企画はゲームソフトのメーカーです。
自社開発のソフトも作っては居りますが、大手2社の下請け作業が会社の基盤です。
何年か前に漸く手に入れた取引口座です。

会社は借入金の返済が出来ず、銀行の不良債権となりました。6行あります。
しかし此れもやがて順次サービサーに譲渡されました。

この時に、「後のサービサーとの交渉が大変だから、思い切って今の会社を廃業して第2会社を起したら。」と忠告してくれた人が居ります。
しかし3名の役員の誰もが反対でした。
理由は「折角手に入れた大手企業の取引口座が使えなくなる恐れが多い。そうなれば経営は難しい。そのくらいならば今の会社のまま進むのが良いだろう。」
K企画をそのまま続行することで意見は一致です。

この辺りでは、K企画のままでは、銀行取引は何処もしてくれません。
それに家賃もろくに払っていませんから、立ち退きを要求されています。
なんと思ってのか、今までの近郊都市の事務所を東京のド真ん中の中央区に越したのです。
打ち合わせ等に都合よく、便利で、総合の費用は反って安上がりだと云うのです。
サービサーがまだ本格的に動いていない頃です。

やがてサービサーの回収が始まりました。
サービサーに譲渡されると2-3%で和解が出来ると聞いていましたが、どうしてどうして何処も強硬です。
金が無いと幾ら言っても、殆どのところは決算書すら見たいとは云いません。
事務所に来て、「こんな事務所に越せると云う事は、払えると云うことでもあるでしょう。」と嫌味を言うくらいです。

当初K企業は徹底的に払いませんでした。サービサーは諦めると聞いていたからです。
殆ど「請求に関する訴状」を起してきました。此れも本に書いてある通りに徹底して無視です。

しかし会社近く銀行が差押えられました。中に預金のある銀行も有ります。
銀行差押で、困ったのは給料振込でした。
以後給料日には現金を持って郊外の銀行まで出かけて振込みです。
中には銀行差押で空振りした銀行が、財産開示を要求してきたところもあります。

其れまで安泰であった売掛金が差押えに合ったのは、もう何処も差押えはやりつくした後です。
古い決算書から見当をつけたのでしょう。最大の得意先です。会社は潰れます。
さすがに白旗を掲げ、差押をしたサービサーと交渉です。

その結果、差押えの30%をとられ、かつ今後毎月30万を払うといおうことで和解をしました。
ここへ来て漸くサービサーとの交渉は難しいとはっきり解かりました。
第2会社でやれといった人が、中央区に越すのを猛反対しましたが理由が実感となって判りました。
ただ意外に大手企業の担当者が同情的で、取引上余り不利にならず、その点では
ほっとしました。
と云って又違うサービサーに差押えられたのでは今度こそ取引中止です。

何のかんのでサービサーに払っているお金は結構多額です。
何回もの差押で弱くなった居たのです。
しかし1軒もはっきり片のついたところは有りません。
逆にひどくなっていく状態のところも有ります。

極最近サービサーから再譲渡されたサービサーは2400万の残債務に対して1200万を要求して一歩も譲りません。
この例のように、他のサービサーも長引くに連れ、簡単になって行くどころか反ってきつくなって行きそうです。

業種は違いますが、同じ頃不良債権となったところが第2会社で出発し直し、当初は口座を抹消されましたが、今では新会社で口座を貰い、昔以上にやって居るところも有ります、

会社を続かせても、残債の処理、そのための差し押さえなどを繰り返して居れば
再建など出来っこありません。
ましてや其の会社が今まで以上に良いところに引っ越したのではサービサーも払えるところと判断するのも尤もです。

それにしても、今までの会社を続行するところは、差押えは絶えずあるものと意識して居ないとなりません。






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