かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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噂の勘違い

2007-12-07 | 事例
上手くすると破産をしなくて済みます。

破産は止むを得ないと、紹介された弁護士には委任状や着手金は
渡してありませんが、はっきり依頼することをお願いして居ります。
しかし破産は何より男の恥、一家から破産者を出したくありません。
その破産を自分はしなければならない。社長は弁護士と話すのも
初めてです。おろおろして弁護士の言うことを何でも聞いております。

一回の決済額が150万くらいですが、次回の手形は何とかなっても、
その次の手形は落とせる自信がありません。それだけで破産を
覚悟しました。負債は全てで1億5000万です。うち銀行債務が
1億4600萬、仕入れ債務が400万です。1行8000万を借りている
銀行のみ、担保として会社と自宅を共担にして居ります。

不動産の売価は弁護士の意見では両方で1億で売れればよいとの事です。
破産は必要だろうと言われました。社長と奥さんが保証人です。
弁護士は会社と夫婦の破産を300万で引き受けてくれたのです。
不動産が有る破産はややこしくなりますから、破産の前に弁護士が
責任を持って処分しようと親切です。

此処に来て、初めて別居している息子に、破産の事を打ち明けました。
息子は商社に勤めて居ります。慌てて駆けつけてきた息子は先ず負債と
資産の把握です。簡単に解かりましたが、問題は不動産が幾らで
売れるかを知りたいです。本当に1億でしょうか。
大手の不動産屋3-4軒に電話をしたのです。
その結果何処も見積もりは1億4000万以上の見積もりでした。
しかも、不動産は下落していると言うものの山手線の中で、
こんな出物はなかなか無いから足は速いと乗り気です。

こうなると、不動産の処分次第では全てが解決できそうです。
廃業と云う事もあって、破産と決め付けるのは少し早すぎます。
父親に、不動産の処分次第で破産をしてもよいではないか、
銀行ともザックバランに相談してもよいではないかと息子です。
父親ははっきり破産を口頭でもお願いしたのだから、今更キャンセルは
出来ないと尻ごみして居ます。が、はっきり破産が必要になるまで正規の
依頼はもう少し待って頂くか、一旦キャンセルか、どちらかをお願いますと
断りに行かせたのです。

帰ってきた父親の言う事ははっきりしません。
弁護士からは、破産をしなさいと言われました。
委任状を至急届けるようにも言われました。と云うのです。
破産は不必要になりそうと云う事を良く説明したのですか。
と息子は聞きます。大手不動産屋の見積もり額は説明しましたと
社長です。が、何か難しいことを言って居ました。と社長です。

息子は怒りました。
「私は他の人から、弁護士や管財人は資産のある破産が一番商売に
なると聞いた事があります。資産を配当に回さずに自分の収入に
換わる人が多いみたいです。その意味では親父の不動産は大きく
担保価値が出そうだ蚊等狙われて上手い汁になるのでは無いだろうか。」
そして父親に確認して居ます。
「不動産は弁護士が処分しますと言ったでしょう。」

まさか破産する必要の無い者を強引に破産させる弁護士は
居ないでしょう。第一裁判所が申請を受理しないでしょう。
今回の場合、不動産も相当よい条件で売らないと円満な廃業は、
出来ません。その整理の成り行きを弁護士が見守ってくれると
言ったのかも知れません。

破産にしろ、整理にしろ弁護士がやってくれるから委任状を下さいと
言った事を父が正確には聞かなかったのかも知れません。
そう解釈するのがよいでしょう。

それにしても破産の時の弁護士や管財人の噂を良く聞きます。
どっちにしろ自分の資産は丸裸になるのだから、債権者に渡ろうが、
弁護士・管財人に渡ろうが同じではないかと云う理論です。

法の番人と云ってもやはり人間、しかしこうした噂は
全て勘違いであって欲しいものです。





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