蛭
2007-12-27 | 事例
Hは保証人にどんぶりと吸い付いて居ります。
保証人の弱みは、「もうこれ以上銀行に返済できません。
後でご迷惑を掛けるかも知れませんが。」と云われることです。
そうならない様に、Hの保証人はHの資金を注意して居ます。
不足の時など、つい自分の手形を切って渡しています。
保証人の支手は未だ信金が割ってくれる銘柄の一つでです。
娘婿のHは脳卒中で倒れた義父に代わり何も解からず会社を
引き受けました。資金繰りなんて したことのないHには保証人が
唯一の頼りでした。保証人は必ず資金繰り表に目を通し、あれこれと
指示をしたのです。
最初保証人の言う通り、資金繰りをしていたHは、
其のうちに気付いたのです。
「保証人がHの会社の資金を懸命に面倒見ているのは、Hのためより
むしろ自分の為である。保証人は何より自分にHの債務の責任が
掛かってくるのを恐れているんだ。」
そう、其の通りでした。信金がHの会社をある程度面倒見ているのは、
保証人を信頼しているからです。ですから義父からHに変わったときも、
わざわざ保証人を訪ねて、今後も保証人としてHを応援するか確認に
行って居ます。
保証人はHの会社は明日にも危ない会社と云うことは充分に
解かって居ます。万一のことがあれば信金は直ちに保証人に
返済交渉を求めるでしょう。世間は老舗である保証人の会社を
評価して居ますが、実情は火の車です。Hの会社など面倒も
見られません。お金がないからHの会社とも吸収や合併も
出来ないのです。今Hから不渡りの出ることだけは避けないと
なりません。
Hは其の保証人の心境を悟ったのです。
「不渡りを出しても、銀行は私には打つ手がない。
預金も家財も差押になるものは何一つない。銀行は保証人を
攻めるに決まっている。この会社に万一のことがあった時、
困るのは保証人だ。」
そしてこの論理は、他の保証人や、彼にお金を貸してくれた人にも
通用すること掴んだのです。
そうと解かるとHは本領を発揮し始めました。
小金をもって居そうの知人には、蛭のようにHは
離れませんでした。そして目を付けた人からは、必ず借りています。
其ればかりでありません、一旦借りると必ずと言ってよいくらい
追い借りをしました。そして返しません。
催促に行くと彼は涙ながらに言い訳をします。
「少し待ってくれ。今はどうしようもない。此れを騒がれると
自分は倒産しかない。かえって貴方に迷惑を掛けてしまう。
そうしないように今必死で資金繰りをして居る。」
貸した人はやむなく静観をする様になっていました。
保証人はいまや限定保証に切り替えています。
新規に借りるときは其の都度保証人の承認が必要です。
しかしそれでも先代のなくなった時の保証額5,000万が
2年後の今は9000万に増えて居ります。
ついに保証人は信頼できる知人の強い忠告もあり、
一切の資金繰りから手を引くことにしました。
「今のままでは遠からずHは倒産する。と云って貴方に
引き受ける力も意志もない。幾らつぎ込んでも、
ざるで水をすくうと同じこと。保証人としての債権者対策は
あります。世間は貴方が引き受けると思っていますから、
非難もありますが思い切って手を引きましょう。」
半年過ぎました。
Hの会社は異常ありません。
1度だけ信金から追加融資が申請せれているがどうしますかと
問い合わせがあっただけです。勿論余分な事はいとことも言わず、
丁重に断りました。
ある日Hが前触れなくぶらっと尋ねてきました。
簡単に近況の報告が済んだときHは切り出しました。
5日後の手形決済のために資金を1200万融通して欲しいという依頼です。
割引は信金と話が付いている、手形でよいとのことです。
「担保に来月1500万の工事入金があるから其れを全部入金します。
其の中から300 万戻していただければ結構です。支払い先には了解を
とって居ますが、貴社からも明日でも確認して頂いて間違いがなければ
明日夜手形を頂きに参ります。」
保証人は支払先に確認しました。
「未だ全部完了になっていませんが完了して検査が
通れば約束通りお支払いをします。今のところ問題は無さそうです。」
保証人は手形を融通したのです。
ところが期日とおり支払われませんでした。
使用機材に指定とおりの機材が使ってなかったと言うことです。
やりかえるのは非常に経費と時間がかかります。
でもやらなければなりません。そして大丈夫と思っていた1200万の
資金も入ってきません。
保険まで解約して当座の資金は乗り越えました。
なじる保証人に、電話のHの声が響きます。
「本当に済みませんでした。こんなことになるとは私の
管理不行き届きです。至急に善処するように社内協議をして居ります。
それから、今晩にでもお伺いしたいのですが。又少しお願いごとが
出来ました。」
保証人は黙って電話を切りました。
Hのことです。今日中には3回は電話があるでしょう。
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保証人の弱みは、「もうこれ以上銀行に返済できません。
後でご迷惑を掛けるかも知れませんが。」と云われることです。
そうならない様に、Hの保証人はHの資金を注意して居ます。
不足の時など、つい自分の手形を切って渡しています。
保証人の支手は未だ信金が割ってくれる銘柄の一つでです。
娘婿のHは脳卒中で倒れた義父に代わり何も解からず会社を
引き受けました。資金繰りなんて したことのないHには保証人が
唯一の頼りでした。保証人は必ず資金繰り表に目を通し、あれこれと
指示をしたのです。
最初保証人の言う通り、資金繰りをしていたHは、
其のうちに気付いたのです。
「保証人がHの会社の資金を懸命に面倒見ているのは、Hのためより
むしろ自分の為である。保証人は何より自分にHの債務の責任が
掛かってくるのを恐れているんだ。」
そう、其の通りでした。信金がHの会社をある程度面倒見ているのは、
保証人を信頼しているからです。ですから義父からHに変わったときも、
わざわざ保証人を訪ねて、今後も保証人としてHを応援するか確認に
行って居ます。
保証人はHの会社は明日にも危ない会社と云うことは充分に
解かって居ます。万一のことがあれば信金は直ちに保証人に
返済交渉を求めるでしょう。世間は老舗である保証人の会社を
評価して居ますが、実情は火の車です。Hの会社など面倒も
見られません。お金がないからHの会社とも吸収や合併も
出来ないのです。今Hから不渡りの出ることだけは避けないと
なりません。
Hは其の保証人の心境を悟ったのです。
「不渡りを出しても、銀行は私には打つ手がない。
預金も家財も差押になるものは何一つない。銀行は保証人を
攻めるに決まっている。この会社に万一のことがあった時、
困るのは保証人だ。」
そしてこの論理は、他の保証人や、彼にお金を貸してくれた人にも
通用すること掴んだのです。
そうと解かるとHは本領を発揮し始めました。
小金をもって居そうの知人には、蛭のようにHは
離れませんでした。そして目を付けた人からは、必ず借りています。
其ればかりでありません、一旦借りると必ずと言ってよいくらい
追い借りをしました。そして返しません。
催促に行くと彼は涙ながらに言い訳をします。
「少し待ってくれ。今はどうしようもない。此れを騒がれると
自分は倒産しかない。かえって貴方に迷惑を掛けてしまう。
そうしないように今必死で資金繰りをして居る。」
貸した人はやむなく静観をする様になっていました。
保証人はいまや限定保証に切り替えています。
新規に借りるときは其の都度保証人の承認が必要です。
しかしそれでも先代のなくなった時の保証額5,000万が
2年後の今は9000万に増えて居ります。
ついに保証人は信頼できる知人の強い忠告もあり、
一切の資金繰りから手を引くことにしました。
「今のままでは遠からずHは倒産する。と云って貴方に
引き受ける力も意志もない。幾らつぎ込んでも、
ざるで水をすくうと同じこと。保証人としての債権者対策は
あります。世間は貴方が引き受けると思っていますから、
非難もありますが思い切って手を引きましょう。」
半年過ぎました。
Hの会社は異常ありません。
1度だけ信金から追加融資が申請せれているがどうしますかと
問い合わせがあっただけです。勿論余分な事はいとことも言わず、
丁重に断りました。
ある日Hが前触れなくぶらっと尋ねてきました。
簡単に近況の報告が済んだときHは切り出しました。
5日後の手形決済のために資金を1200万融通して欲しいという依頼です。
割引は信金と話が付いている、手形でよいとのことです。
「担保に来月1500万の工事入金があるから其れを全部入金します。
其の中から300 万戻していただければ結構です。支払い先には了解を
とって居ますが、貴社からも明日でも確認して頂いて間違いがなければ
明日夜手形を頂きに参ります。」
保証人は支払先に確認しました。
「未だ全部完了になっていませんが完了して検査が
通れば約束通りお支払いをします。今のところ問題は無さそうです。」
保証人は手形を融通したのです。
ところが期日とおり支払われませんでした。
使用機材に指定とおりの機材が使ってなかったと言うことです。
やりかえるのは非常に経費と時間がかかります。
でもやらなければなりません。そして大丈夫と思っていた1200万の
資金も入ってきません。
保険まで解約して当座の資金は乗り越えました。
なじる保証人に、電話のHの声が響きます。
「本当に済みませんでした。こんなことになるとは私の
管理不行き届きです。至急に善処するように社内協議をして居ります。
それから、今晩にでもお伺いしたいのですが。又少しお願いごとが
出来ました。」
保証人は黙って電話を切りました。
Hのことです。今日中には3回は電話があるでしょう。
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