かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

法的回収。 やってくるのを待っています。

2007-12-09 | 事例
Kがつまずいたきっかけは、あれほど固く約束をし、
工事を進行させながら途中で融資が止まったためです。
進行にあわせ、3回に分けて融資をしてくれる約束でした。
口約束で契約書などありません。

この工事はKにとって初めての試みでした。
Kの本業は、土木関係の入札公示です。
しかし、メイン銀行が、「資金は全部保証するから」と
造成工事を持ち込んできたのです。土地は決まっていました。
造成すれば販売業者も決まっています。後はその施工主だけです。
銀行はそれにKの会社を目に付けたのです。

Kはついに引き受けました。
しかし、この頃から景気の落ち込みが非常に強く、Kの本業までが
影響を受け、初めて赤字の決算をしたのです。しかも世間では宅地の
売れ行きはパタリと止まって居りました。

此処で銀行は最後の融資を断ってきたのです。
このままでは工事は空中分解します。
Kも先代社長の父親も、必死になって銀行と掛け合いました。
名の有る議員にも依頼しました。しかし銀行の財布は再び紐を
緩めることなく、ついにKは倒産してしまったのです。
平成13年のことです。

「破産をすれば皆様の配分は0になるでしょう。
任意で精算すれば20%お返しすることが出来ます。
どちらでも皆様の指示に従いますが、私は銀行より
皆様に少しでも多くお返ししたい決意です。」

こう言って任意整理をしました。
小額の借入の有る銀行は、担保で殆ど処理が出来、
結局はメイン銀行だけが残りました。

メイン銀行は約束を破りKを倒産させた張本人です。
担保以上を返済する気など有りません。
むしろチャンスがあれば法的の立場に持ち込みたいと考えています。
約束の証拠に物的証拠が無いことがKを躊躇させて居ました。

「この後、急速に市況が悪くなって居るから、
私度も倒産してということでは有りません。当社の倒産それ以前の
ことであって、その引き金は銀行の約束を破ったことに有ります。
事業そのものに手を出した事は、幾ら銀行の勧めであっても私が
決定したことですからその責任は背一杯取ります。失敗しても
何事も文句は言いません。この融資に関しては一方的に銀行が
約束を破っているでは有りませんか。しかも其れが当社の倒産の
直接の引きが目になって居ることは間違い無いことです。私は、
自分の資産も空にして一般債権者を説得しました。ただ、御行に
関しては、担保を差し出すのは、私どもがこの事業の決定を
しましたから仕方無いとしても、それ以上は払えなく、払う必要も
無いと考えています。出来ることならば此方から損害賠償の訴訟を
したいですが、費用・時間・知識など有りません。若し御行が
法的争いをするならば、其れを歓迎します。」

銀行がこの主張をどう受け止めたか解かりません。銀行は1度だけ
請求し後は3年放っていました。そして自分系列のサービサーに
譲渡して居ります。そのサービサーも当初1度だけKの説明を聞き、
後の攻勢は無く結局2年後、他のサービサーに再譲渡して居ります。
其れが平成十九年になってからです。

こんな事情を知ってかどうか解かりませんが、
サービサーは普通の回収態度です。担当者が電話交渉で
最初に持ち出した金額は400万とほぼ1%の金額です。
Kは断ります。

サービサーの本社に出かけて説明して居ります。
「有れば払います。先ず第一に払える余裕が全然ありません。
又、私どもこそ被害者で有って払う必要も無いと思います。
それにこの事になんでこんなに時間が掛かっているのですか。
記憶を薄める効果を狙っているとは、考えたくありませんが、
事実はそうなって居るでしょう。法的回収をして頂く事は
その意味では待って居ります。遠慮なくやって下さい。
私も力一杯頑張ります。万一負けたときは、自己破産をします。」

結局このサービサーと和解をして居ます。
サービサーが10万円での和解を持ち込んできたのです。

しかしKは今になっても未だ釈然としません。
銀行相手に訴訟を起すべきではなかったろうか。
そんな思いが掠めております。





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